JP2006336101A - 金属調加飾樹脂成形体およびキーシート並びに金属調加飾樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

金属調加飾樹脂成形体およびキーシート並びに金属調加飾樹脂成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 透光性のある、または透明若しくは半透明の樹脂成形体にめっきを施した金属調加飾樹脂成形体を得ること。
【解決手段】 樹脂成形体(14)に無電解めっき層(15)による金属調加飾部(16)を設けた金属調加飾樹脂成形体(10)について、前記樹脂成形体(14)が、アクリロニトリルブタジエンスチレンとポリメチルメタクリレートとのアロイ樹脂を含有する透光性の樹脂組成物(14)で形成した。この樹脂を用いたことで、透光性の樹脂成形体(14)でありながら、その樹脂成形体(14)に、直接無電解めっき層(15)を設けることができる。すなわち、無電解めっきを付けるための下地層などを必ずしも設ける必要がなく、安価でデザインに優れた金属調加飾樹脂成形体(10)が得られる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、携帯電話機、携帯情報端末、AV機器等の各種電子機器部品に用いられる押釦スイッチ用キートップ、液晶ディスプレイ用のカバーパネル、筐体などの樹脂成形体のうち、その表面が金属調に加飾された金属調加飾樹脂成形体とキーシート、および金属調加飾樹脂成形体の製造方法に関するものである。
携帯電話機、携帯情報端末、AV機器等の各種電子機器部品に用いられる押釦スイッチ用キートップ、液晶ディスプレイ用のカバーパネル、筐体などの成形体には、豊富なデザインバリエーションや、精細な加工性が要求されることから樹脂がよく用いられている。しかしながら、金属調の樹脂は無いため、高級感を求めるニーズに対応して樹脂成形体の表面に金属調の加飾が施されている。
金属調の加飾を施すには種々の方法があるが、めっきもその一つである。樹脂成形体にめっきを施すには、通常、樹脂に直接電解めっきをすることはできないため、まず無電解めっきが付く下地層を樹脂表面に形成し、かかる下地層に無電解めっきを施している。そして、場合によってさらに無電解めっき層に積層して電解めっきを施している。
めっきによる加飾は、樹脂成形体の全体をめっき層で覆うデザインとする他、めっき層を設けた金属調の部分と、めっき層を設けない金属調ではない部分とを形成し、両部分のコントラストで文字や図形、記号、模様などのデザインを描出することも行われている。めっき層の無い部分の形成は、めっき層の不要部分をレーザーで除去したり、予め、樹脂成形体の所定部分をマスクしておいて、必要な部分にのみめっき層を形成するなどの方法により行われている。
特開2003−100172号公報
しかしながら、樹脂成形体とは別に下地層を形成する方法は、下地層の形成にかかる作業工程が増え、材料費も増すことになる。そのため、樹脂成形体の表面に無電解めっきを直接付けることができれば都合が良い。しかしながら、無電解めっきが付く樹脂は、透光性でない不透明なABS樹脂などに限られるため、透光性または透明若しくは半透明な部分と、金属調の部分とが隣接するデザインを有する樹脂成形体を簡単に得ることができない。特に、無電解めっきを施さない部分から光を照射して文字部分を光らせるいわゆる照光式押釦スイッチ用キートップなどとして用いる場合にはABS樹脂は利用できない。
そこで本発明は、めっきを付ける樹脂成形体について検討し、透光性のある、または透明若しくは半透明の樹脂成形体にめっきを施すことのできる金属調加飾樹脂成形体を得ることを目的としてなされたものである。
上記目的を達成するために、本発明は、樹脂成形体に無電解めっき層による金属調加飾部を設けた金属調加飾樹脂成形体について、前記樹脂成形体が、アクリロニトリルブタジエンスチレンとポリメチルメタクリレートとのアロイ樹脂を含有する透光性の樹脂組成物で形成したものであることを特徴とする金属調加飾樹脂成形体を提供する。
樹脂成形体をアクリロニトリルブタジエンスチレンとポリメチルメタクリレートとのアロイ樹脂を含有する透光性の樹脂組成物で形成したため、透光性の樹脂成形体でありながら、その樹脂成形体に、直接無電解めっき層を設けることができる。すなわち、無電解めっきを付けるための下地層などを必ずしも設ける必要がない。そのため、安価でデザインに優れた金属調加飾樹脂成形体となる。
また、無電解めっき層から照光させるという観点でみると、例えば、無電解めっきが付かない透光性の樹脂に、めっきが付く非透光性の樹脂を下地層として形成し、その表面に無電解めっきを付ける従来技術の場合には、無電解めっき層を通じて照光させることが困難である。その理由は、下地層が透光性ではないからである。一方、本発明において透光性の樹脂成形体に無電解めっき層を直接形成する場合には、無電解めっき層を通じて照光させることが容易である。その理由は、無電解めっき層の下地となる樹脂成形体が透光性だからである。そのため、無電解めっき層を光透過可能なものとした場合には、無電解めっき層による金属調加飾部から照光させるという、優れたデザインを有する金属調加飾樹脂成形体とすることができる。
なお、本発明における「アロイ樹脂」は、グラフト重合やブロック重合のような重合化、相溶化剤の混入、それぞれのポリマーが形成するネットワーク間のからみ合いなどにより、相界面に界面の結合力、親和力を増加させる構造が存在するポリマーブレンド物をいい、ポリマーを単に混練しただけで相界面の結合力、親和力に変化のないポリマーブレンド物は除かれる。
本発明においては、樹脂成形体を透明または半透明なものとすることができる。樹脂成形体を透明または半透明とすれば、金属調の部分と透明または半透明の部分とが混在した優れたデザインの金属調加飾樹脂成形体とすることができる。また、透明または半透明な部分から内部が視認できたり、光透過率が劣る樹脂成形体を用いる場合よりも明るい照光が可能な金属調加飾樹脂成形体とすることができる。
無電解めっき層を設ける部分は、樹脂成形体の表面全体とすることができるが、樹脂成形体の表面に無電解めっき層が設けられた部分と該無電解めっき層が設けられていない部分とを設けることもできる。すなわち、樹脂成形体の表面に無電解めっき層による金属調加飾部を部分的に設けることができる。このように金属調加飾部を部分的に設ければ、無電解めっき層の部分が金属調に加飾される一方、無電解めっき層のない部分では光が透過し、金属調部分と光透過部分との混在したデザインとすることができる。金属調加飾部から照光させる場合には、金属調部分と非金属調部分とが双方照光するデザインとすることができる。
そして、この金属調加飾樹脂成形体は、無電解めっき層が設けられていない部分を文字、図形または記号等を表す表示部として形成することができ、反対に、無電解めっき層が設けられている部分を文字、図形または記号等を表す表示部として形成することもできる。すなわち、文字や記号、図形などを表示する表示部を、無電解めっき層が設けられた部分と該無電解めっき層が設けられていない部分とで簡単に形成できる。そして、無電解めっき層を抜き文字状に形成し、無電解めっき層が設けられていない部分を文字、図形または記号等を表す表示部とすれば、表示部を通じて照光する金属調加飾樹脂成形体とすることができる。
このような金属調加飾樹脂成形体は押釦スイッチ等として用いられるキートップとすることができる。すなわち、本発明はまた、樹脂成形体に無電解めっき層による金属調加飾部を設けたキートップと、ゴム状弾性体でなり該キートップを押込み可能に支持するベースシートと、を備えるキーシートについて、前記樹脂成形体が、アクリロニトリルブタジエンスチレンとポリメチルメタクリレートとのアロイ樹脂を含有する透光性の樹脂組成物で形成したものであることを特徴とするキーシートを提供する。
アクリロニトリルブタジエンスチレンとポリメチルメタクリレートとのアロイ樹脂を含有する透光性の樹脂組成物で成形したキートップであれば、上述の金属調加飾樹脂成形体の特徴を有するキートップすることができ、このキートップを備えたデザインに優れたキーシートを得ることができる。このキーシートは、無電解めっき層が施されていない部分から照光する照光式キーシートとすることができ、また、無電解めっき層を薄層とすれば、金属調に加飾された部分からも照光する照光式キーシートとすることができる。
さらに本発明は、樹脂成形体に無電解めっき層による金属調加飾部を形成する金属調加飾樹脂成形体の製造方法について、アクリロニトリルブタジエンスチレンとポリメチルメタクリレートとのアロイ樹脂を含有する樹脂組成物でなる透光性の樹脂成形体の表面に、無電解めっき処理を行い、無電解めっき層による金属調加飾部を形成することを特徴とする金属調加飾樹脂成形体の製造方法を提供する。
アクリロニトリルブタジエンスチレンとポリメチルメタクリレートとのアロイ樹脂を含有する樹脂組成物で形成した透光性の樹脂成形体を用いたため、透光性の樹脂成形体でありながら、その樹脂成形体表面に、直接無電解めっき層を形成することができる。それゆえ、無電解めっき層の形成工程が簡単で、工程数が少なく、安価に、金属調加飾樹脂成形体を製造することができる。
前記無電解めっき処理を前記透光性または透明若しくは半透明の樹脂成形体の表面に部分的に行い、あるいは不要な無電解めっき層を除去して、無電解めっき層が設けられた部分と該無電解めっき層が設けられていない部分とを形成することができる。無電解めっき層を形成する部分が広い場合や、曲面である場合は、無電解めっき層が簡単に形成されるため特に便利である。
本発明の金属調加飾樹脂成形体によれば、金属調の部分と、透光性または透明若しくは半透明の部分とが複雑にからみ合う、デザインに優れた金属調加飾樹脂成形体とすることができる。また、本発明の金属調加飾樹脂成形体の製造方法によれば、金属調の部分と、透光性または透明若しくは半透明の部分とが複雑にからみ合う、デザインに優れた金属調加飾樹脂成形体を簡単に、歩留まり良く、そして安価に製造することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。各実施形態の説明において、先行する実施形態と共通な材質や構造については重複説明を省略する。
第1実施形態: 図1の模式断面図に示したのは、本発明の金属調加飾樹脂成形体10が図2で示す携帯電話機1に搭載される押釦スイッチ用キートップ(以下「キートップ」ともいう。)11として用いられた例である。このキートップ11は、図2や図3で示すキーシート12の一部であり、携帯電話機1の筐体1aの表面から露出している。操作者がキートップ11を押込むことで、キートップ11を載置するゴム状弾性体でなるベースシート13が撓み、プリント基板P上の接点皿ばねPiを押圧し、スイッチ入力がなされるものである。このキートップ11は、透光性の樹脂成形体14とその表面に形成された無電解めっき層15とでなり、樹脂成形体14の表面に無電解めっき層15を設けることで金属調加飾部16が形成されている。また、キートップ11の裏面には、数字「1」を表す表示部17が形成されている。
キートップ11となる樹脂成形体14は、少なくともアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)とポリメチルメタクリレート(PMMA)のアロイ樹脂を含有してなる樹脂を成形したものであって、樹脂表面に無電解めっきを直接施して無電解めっき層を付けることが可能である。アロイ樹脂中のABSとPMMAの成分比は、樹脂自体の透光性または透明性と、無電解めっきが付き、容易に剥離しない性質である密着性との両面から検討し、金属調加飾樹脂成形体10の用途に応じて調整することができる。透光性または透明性の見地からPMMA成分が多い方が好ましく、無電解めっきの密着性の見地からABS成分が多い方が好ましい。また、目的とする金属調加飾樹脂成形体10の商品特性に応じて、ABSとPMMAとのアロイ樹脂に対し、ABS樹脂などの他の樹脂を必要量混入して用いることも可能であるし、ABSとPMMAとのアロイ樹脂単独で用いることも可能である。
樹脂成形体14として用いられるABSとPMMAとのアロイ樹脂に代えて、単にブタジエン成分比率を低下させて透明性を持たせたABS樹脂や、ブタジエン成分をアクリルゴムに置き換えたような透明性ABS樹脂を用いることは無電解めっきの密着性が十分ではないことから不適切である。また、ABS樹脂以外の例えばPC樹脂などの透明性の樹脂を用いた場合は、所定の溶剤でプリエッチングを行う必要があり、その工程で透明な樹脂が白化してしまうなどの問題がある。
樹脂成形体14が備える透光性とは、可視光線透過率が1%以上あることをいう。そして、照光式の押釦スイッチ用キートップなどとして利用する場合、可視光線透過率では3%以上とすることが好ましい。可視光線透過率を3%未満とすると、十分な明るさが得られない場合があるからであり、1%未満とすると、樹脂成形体14を実質的に光が透過しなくなるからである。また、可視光線透過率が80%以上の透明または半透明な樹脂成形体14であることがさらに好ましい。このような樹脂成形体14であれば、めっき層が形成されていない部分から内部を視認することができ、樹脂成形体14の裏面に設けられた文字や記号などを読むことができるようになる。そして、透明若しくは半透明な部分と金属調の部分とが隣接した加飾がなされる金属調加飾樹脂成形体10が得られる。
樹脂成形体14は、ABSとPMMAとのアロイ樹脂を含む樹脂を予め混練しておき、射出成形法などの一般的な手法を用いて所望の形状に形成することができる。
無電解めっき層15は、透光性または透明若しくは半透明の樹脂成形体14の表面に無電解めっき法により金属を付着させて形成する金属層である。無電解めっき法は、還元剤を用いて金属を析出させるめっき法であり、電解めっき法ではめっきが困難な樹脂にめっきすることができるという利点がある。
無電解めっき層15を構成する金属は、無電解めっき法に利用することのできる金属とすることができ、例えば、ニッケル、銅などの金属が挙げられる。無電解めっき層15の層厚は、0.1μm〜50μmであることが好ましい。0.1μmより薄い場合は耐摩耗性や強度が十分でなく、50μmよりも厚いと強度等は十分であるが、コスト高となるからである。なお、無電解めっき層15の部分も透光性とするためには、無電解めっき層15の層厚は、200nmまでとすることが好ましい。
無電解めっき処理の前処理工程として、樹脂成形体14の表面に無電解めっき層15の密着強度を高めるエッチング処理を行うことができる。エッチング処理は、例えば、樹脂成形体14の表面の脱脂をした後、クロム酸と硫酸を成分とするエッチング液に、所定温度で所定時間浸漬して行う。さらに、エッチング液を中和して残留クロム酸を除去した後に、エッチング面にSn(スズ)・Pd(パラジウム)錯塩触媒を吸着させるキャタリスト処理や、吸着したSn(スズ)を除去してPd(パラジウム)を活性化させるアクセレーター処理を行うことができる。
無電解めっき層15は、樹脂成形体14の表面の所望の位置に形成する。そのため、無電解めっき層15を形成しない部分には、図4で示すように、予めマスキング層18を設けておくことが好ましい。マスキング層18は、樹脂成形体14表面への密着性と、無電解めっきで腐食されない耐腐食性と、無電解めっきが付着しないこととが要求され、例えば、PC系、アクリル系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、ウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系等の各種樹脂から適宜選択して用いられる。マスキング層18は、無電解めっき層15の形成後、溶剤などに溶かして除去しても良いし、キートップ11表面の凹凸を少なくするなどの理由から、無電解めっき層15とともに残すようにしても良い。
無電解めっき層が設けられた部分と該無電解めっき層が設けられていない部分とを形成する別の方法は、マスキング層18を設けずに、樹脂成形体14の表面全体に無電解めっき層15を施した後、レーザー照射により、一部の無電解めっき層15を消失せしめて、めっきが施されていない部分を形成する方法がある。
無電解めっき層15を設ける部分は、求められるキートップ11のデザインに応じて変えることができ、キートップ11の表面に抜き文字状に無電解めっき層15を設けることもできる。従って、数字「0」などの周囲とは絶縁された内部(いわゆる島部)を有する数字や文字、記号などを無電解めっき層15で形成することができる。
キートップ11へのさらなる加工として、図5で示すように、無電解めっき層15を保護するための被覆層19を無電解めっき層15の表面や、樹脂成形体14の表面に設けることもできる。被覆層19は、パッド印刷やスクリーン印刷などで形成することができ、無色透明であれば無電解めっき層15の色調をそのまま活かすことができるし、有色透明とすれば、無電解めっき層15の金属調の色調と混色した新たな色調を創出することができる。
また、図6で示すように、無電解めっき層15の表面に、電解めっき層20を積層形成することが可能である。電解めっき層20を積層することで、無電解めっきでは利用しにくいCr(クロム)をめっきすることができ、無電解めっき層15よりもさらに高い耐摩耗性と優れた光沢を得ることができる。Crの他にも一般的な電解めっき法で用いられる金属をめっきすることができ、例えば、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Cr(クロム)、Sn(錫)、Co(コバルト)、Au(金)、Ag(銀)、Pb(鉛)、Zn(亜鉛)、又はそれらを含む合金等を用いることができる。電解めっき層20の層厚は、1μm〜30μm程度であり、5μm〜15μmが好ましい。5μmより薄いと、表面が均一な電解めっき層20が得られず、15μmより厚くしても金属調の程度は変わらず不経済だからである。
また、樹脂成形体14には着色剤などを含有させ、有色透明または有色半透明の樹脂成形体14とすることができる。この場合は、めっきを設けていない部位を通して樹脂成形体14の色調を視認することができる。また、図7で示すように、樹脂成形体14の裏面に着色層21を設けることで同様の効果を得るようにすることができる。
キートップ11,31,41,51,61は、樹脂成形体14の表面に下地層などの別層を設けずに直接無電解めっき処理が行われているが、樹脂成形体14と無電解めっき層15との密着性は良好である。また、無電解めっき層15が設けられていない部分は、透光性または透明若しくは半透明の樹脂成形体14が露出していたり、透明な被覆層19で覆われていたりするため、その部分から光を透過させ、または内部を見て取ることができる。そのため、金属調の部分と、透光性または透明若しくは半透明の部分とが隣接して設けられたデザインに優れたキートップ11である。さらにこのキートップ11の製造においては、歩留まりが良く、製造コストを低く抑えることができる。
第2実施形態: 図8で示したのは、本発明の金属調加飾樹脂成形体30が携帯電話機1の液晶ディスプレイ2を覆うカバーパネル71として用いられる例である。このカバーパネル71に用いられる材料、製造方法などは、第1実施形態で示したキートップ11と同様である。そして、例えば図9で示すように、透明な樹脂成形体14の表面の一部を無電解めっき層15が覆い、さらに樹脂成形体14の表側全体を透明な樹脂でなる被覆層19が覆う構成とすることができる。
カバーパネル71についても第1実施形態で示したキートップ11,31,41,51,61と同様の種々の改変をすることができ、その一例として図10で示すカバーパネル81のように、マスキング層18を形成し、被覆層19を有しない構成とすることもできる。
このカバーパネル71,81は、無電解めっき層15で覆われていない部分から、液晶ディスプレイ2に表示される文字等を明瞭に視認することができる。また、液晶ディスプレイ2の周囲は金属調に見え、携帯電話機1に高級感を与えている。
以下、実施例を挙げて本発明の金属調加飾樹脂成形体をさらに詳しく説明する。
実施例1: 携帯電話機(1)の液晶ディスプレイ(2)部分を覆うカバーパネル(81)用の金属調加飾樹脂成形体(30)を以下の通り形成した。透明な樹脂としてアクリロニトリルブタジエンスチレンとポリメチルメタクリレートとのアロイ樹脂「スタイラックAT−20」(商品名:旭化成社製)を用い射出成形によってカバーパネル(81)用の樹脂成形体(14)をまず形成した。そして、この樹脂成形体(14)の表面を脱脂し、塩化ビニル系インキ「PC−324SL」(商品名:帝国インキ社製 )を用いて樹脂成形体(14)表面の縁部分を除く中央部分にマスキング層(18)を形成した。それから、クロム酸(400g/l)、硫酸(200ml/l)を成分とするエッチング液に70℃で1分間浸漬してエッチング処理をした。中和して残留クロム酸を除去した後、エッチング面にSn(スズ)・Pd(パラジウム)錯塩触媒を吸着させるキャタリスト処理、さらに吸着したSn(スズ)を除去してPd(パラジウム)を活性化させるアクセレーター処理を行った。そして、無電解めっき法にて、マスキング層(18)の形成されていない樹脂成形体(14)表面の縁部分に層厚3μmのニッケル無電解めっき層(14)を形成した。こうして、無電解めっき層(14)を設けて金属調加飾部(16)を有するカバーパネル(81)を得た。このカバーパネル(81)を試料1とする。
試料1のカバーパネル(81)は、液晶ディスプレイ(2)を表示する部分の周囲が、めっきを設けた部分として窓枠状に金属調のデザインを形成し、液晶ディスプレイ(2)を表示する部分が、めっきを設けていない透明な部分でなる。そのため、金属調の高級感をイメージさせる窓枠内で液晶表示を鮮明に視認することができる。また、暗所の中で液晶ディスプレイ(2)を光らせた際も文字を鮮明に視認することができる。
得られたカバーパネル(81)についての透明性、照光性、エッチング状態、無電解めっき層の密着性、めっき外観についての評価結果をまとめて表1に示す。表1において、「透明性」については、金属調加飾樹脂成形体(30)の裏面を明瞭に視認できる場合を○、明瞭には視認できないがぼやけて視認できる場合を△、視認できない場合を×とした。「照光性」については、金属調加飾樹脂成形体(30)の一面側から光を当てて他面側で明るく視認できる場合を○、明るくは視認できないが照光する場合を△、光の透過が視認できない場合を×とした。「エッチング状態」については、表面粗化や化学的変化が十分になされた場合を○、表面粗化や化学的変化が十分になされなかったり変色する場合を×、「めっき密着性」については、クロスカットによるテープ剥がし試験(JIS K 5600−5−6)を行って評価し、めっきが剥がれない場合は○、剥がれてしまったり、めくれてしまったりした場合は×とした。めっき外観については、金属調のむらのない表面となった場合を○、むらが生じた場合を×とした。なお、この指標は、後に説明する実施例、比較例においても用いた。
Figure 2006336101
実施例2: 樹脂成形体(14)用の樹脂として、実施例1で用いた樹脂の代わりに、アクリロニトリルブタジエンスチレンとポリメチルメタクリレートとのアロイ樹脂「スタイラックAT−10」(商品名:旭化成社製)とABS樹脂「サイコラック 3100M」(商品名:UMG ABS社製)を混練した樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、カバーパネル(81)用の金属調加飾樹脂成形体(30)を形成した。このカバーパネル(81)を試料2とする。樹脂成形体(14)の混練は、射出成形用のコスモテック社製PR−3N型1軸押出し機から樹脂温度240℃にて射出成形できるように、該押出し機内で行った。両樹脂の混合割合は、「スタイラックAT−10」:100重量部に対し「サイコラック 3100M」:50重量部とした。
試料2のカバーパネル(81)は、実施例1で得られたカバーパネル(81)と同様に、液晶ディスプレイ(2)を表示する部分の周囲が、めっきを設けた部分として窓枠状に金属調のデザインを形成し、液晶ディスプレイ(2)を表示する部分が、めっきを設けていない透明な部分となる。そのため、金属調の高級感をイメージさせる窓枠内で液晶表示を鮮明に視認することができる。得られたカバーパネル(81)についての評価結果も表1に示した。
比較例1: 樹脂成形体用の樹脂として、実施例1で用いた樹脂の代わりに、透明なABS樹脂である「トヨラック−930」(商品名:東レ社製)を用いてカバーパネル用の金属調加飾樹脂成形体を形成した。他の製造条件は実施例1と同様にして行った。得られたカバーパネルを試料3とする。
試料3のカバーパネルは、エッチング処理工程で、樹脂成形体の表面が黒く変色してしまい、その後の無電解めっき処理において、均一な無電解めっき層を形成できなかった。一方、めっきを設けていない中央部分は樹脂の持つ透明性を維持しているため、液晶ディスプレイ表示が鮮明であり、照光性も良好であった。得られたカバーパネルについての評価結果を表1に示した。
比較例2: 樹脂成形体用の樹脂として、実施例1で用いた樹脂の代わりに、透明なメチルメタクリレート・アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(MABS)樹脂である「デンカ透明ABS TE−20」(商品名:電気化学工業社製)を用いてカバーパネル用の金属調加飾樹脂成形体を形成した。他の製造条件は実施例1と同様にして行った。得られたカバーパネルを試料4とする。
試料4のカバーパネルでは、比較例1の金属調加飾樹脂成形体と同様、無電解めっき層を均一に形成できなかった。評価結果を表1に示した。
比較例3: 樹脂成形体用の樹脂として、実施例1で用いた樹脂の代わりに、透明なABS/MMA共重合体樹脂である「セビアンV T150」(商品名:ダイセルポリマー社製)を用いてカバーパネル用の金属調加飾樹脂成形体を形成した。他の製造条件は実施例1と同様にして行った。得られたカバーパネルを試料5とする。
試料5のカバーパネルでは、比較例1の金属調加飾樹脂成形体と同様、無電解めっき層を均一に形成できなかった。評価結果を表1に示した。
試料3〜試料5のカバーパネルにおいてはいずれも、エッチング状態が不十分であった。そのため、めっき密着性や、めっき外観においても不十分なものとなってしまった。これは、試料3〜試料5で使用した透明な樹脂がブタジエン成分が微量かまたは、透明性を出すためにブタジエン成分にMMAなどのモノマーを共重合したものであるために、エッチング処理によるアンカー効果が不十分となってしまい、無電解めっき層にムラが発生し、密着性も不十分なものとなってしまったためと考えられる。
一方、試料1と試料2のカバーパネル(81)においては、無電解めっき層(15)が設けられていない部分の透明性も照光性(透光性)も十分であり、一方、無電解めっき層(15)が設けられた部分はむらのない金属調となり、樹脂成形体(14)に十分に無電解めっき層(15)が密着していることがわかる。
実施例3: 実施例1と同様にして、押釦スイッチ用キートップ(31)を製造した。このキートップ(31)を、透光性のシリコーンゴムでなるベースシート(13)に透明なウレタン系接着剤を用いて接着してキーシート(12)を得た。得られたキーシート(12)に対して、実施例1と同様に、透明性、照光性、エッチング状態、無電解めっき層の密着性、めっき外観について評価を行ったところ、実施例1と同様の結果となった。なお、本実施例では、「照光性」については、ベースシート(13)の裏面側から光を当てた。このキーシート(12)は、無電解めっき層(15)が設けられていない部分の照光性も十分であり、一方、無電解めっき層(15)が設けられた部分はむらのない金属調となり、樹脂成形体(14)に十分に無電解めっき層(15)が密着していることがわかる。
携帯電話機に実装された本発明の押釦スイッチ用キートップを表し、図2の領域A部分の模式断面図である。 携帯電話機の外観図である。 本発明の押釦スイッチ用キートップを有するキーシートの平面図である。 本発明の別の形態の押釦スイッチ用キートップを有するキーシートの模式断面図である。 本発明の別の形態の押釦スイッチ用キートップを有するキーシートの模式断面図である。 本発明の別の形態の押釦スイッチ用キートップを有するキーシートの模式断面図である。 本発明の別の形態の押釦スイッチ用キートップを有するキーシートの模式断面図である。 閉じた状態の携帯電話機の外観図である。 本発明のカバーパネルを表し、図8のSA−SA線断面に相当する模式断面図である。 本発明の別のカバーパネルを表す図9相当の模式断面図である。
符号の説明
1 携帯電話機
1a 筐体
2 液晶ディスプレイ
10,30 金属調加飾樹脂成形体
11,31,41,51,61 押釦スイッチ用キートップ
12 キーシート
13 ベースシート
14 樹脂成形体
15 無電解めっき層
16 金属調加飾部
17 表示部
18 マスキング層
19 被覆層
20 電解めっき層
21 着色層
71,81 カバーパネル

Claims (5)

  1. 樹脂成形体に無電解めっき層による金属調加飾部を設けた金属調加飾樹脂成形体において、
    前記樹脂成形体が、アクリロニトリルブタジエンスチレンとポリメチルメタクリレートとのアロイ樹脂を含有する透光性の樹脂組成物で形成したものであることを特徴とする金属調加飾樹脂成形体。
  2. 樹脂成形体が透明または半透明である請求項1記載の金属調加飾樹脂成形体。
  3. 樹脂成形体の表面に無電解めっき層による金属調加飾部を部分的に設けた請求項1または請求項2記載の金属調加飾樹脂成形体。
  4. 樹脂成形体に無電解めっき層による金属調加飾部を設けたキートップと、ゴム状弾性体でなり該キートップを押込み可能に支持するベースシートと、を備えるキーシートにおいて、
    前記樹脂成形体が、アクリロニトリルブタジエンスチレンとポリメチルメタクリレートとのアロイ樹脂を含有する透光性の樹脂組成物で形成したものであることを特徴とするキーシート。
  5. 樹脂成形体に無電解めっき層による金属調加飾部を形成する金属調加飾樹脂成形体の製造方法において、
    アクリロニトリルブタジエンスチレンとポリメチルメタクリレートとのアロイ樹脂を含有する樹脂組成物でなる透光性の樹脂成形体の表面に、無電解めっき処理を行い、無電解めっき層による金属調加飾部を形成することを特徴とする金属調加飾樹脂成形体の製造方法。

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