JP2006335859A - 粉末状クロセチン製剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、粉末状クロセチン製剤の製造方法に関する。
クロシンの加水分解生成物であるクロセチンの極大吸収波長は417および442nm(MeOH/H2O=9/1)であり、クロシンの極大吸収波長(437および461nm,同溶媒)と比べて約20nmも低波長側にシフトしている。そのためクロセチンの溶液が黄色を呈するのに対して、クロシンの溶液は相対的に橙色に見える(非特許文献1参照)。一方溶解性に関しては、クロシンは水溶性であるのに対して、クロセチンは水に不溶である。そのため、クロセチンはクロシンよりも色調的に優れているにもかかわらず、その利用には制限が伴っていた。
従来、クロセチンを水性食品の着色料として使用可能とするための製剤の製造方法がいくつか提案されている。例えば、クチナシ果実抽出濃縮物に苛性ソーダを加えて加水分解し、次に塩酸でpH3とした後沈殿した色素を回収し、これを少量の水で洗浄後苛性ソーダで中和して色素を溶解させ、賦形剤として乳糖を加えて噴霧乾燥しクロセチン粉末を得る方法(特許文献1参照)、クロセチンの懸濁液に粘性を持たせる目的でキサンタンガムを添加し、次に水酸化ナトリウムを加えてクロセチンを溶解した後全サイクロデキストリンとエチルアルコールを加え、最後にクエン酸水溶液を少しずつ添加してpHを6.9に調整し、色素液を得る方法(特許文献2参照)、少量の水を加えてペースト状としたα−サイクロデキストリンに、水酸化ナトリウムに溶解したクロセチンを添加し、激しく攪拌した後遠心分離してα−サイクロデキストリン包接クロセチンを得る方法(特許文献3参照)などである。しかし、これらの方法ではクロセチンのナトリウム塩が生成し、食品衛生法上好ましくない。
本発明は、水性食品の着色料として好適で、しかもクロセチンの塩を含有しない粉末状クロセチン製剤の製造方法を提供することを目的とする。
本発明になる粉末状クロセチン製剤は水に良く分散し、且つアルカリ性の水溶液にも容易に溶解する。
本発明になる粉末状クロセチン製剤は水性食品の着色料として好適であり、それを用いて着色した食品は鮮明な黄色を呈する。
本発明になる粉末状クロセチン製剤は水性食品の着色料として好適であり、それを用いて着色した食品は鮮明な黄色を呈する。
本発明で用いられるクロセチンは、式
で表される化合物である。このクロセチンは、通常、カロテノイド系の黄色色素であるクロシン(クロセチンのジゲンチオビオースエステル)を加水分解することにより得られる。クロシンは、アカネ科クチナシ(Gardenia augusta MERRIL var.grandiflora HORT.,Gardenia jasminoides ELLIS)の果実、サフランの柱頭の乾燥物などに含まれるが、クロシンを得るための工業的原料としてはクチナシの果実が好ましく用いられる。
本発明において、上記植物基原からクロシンを抽出する方法に制限はなく、例えば、粉砕されたクチナシの乾燥果実から水またはアルコール(例えば、メタノール、エタノールなど)、或いはそれらの混合液を用いて抽出するなどの公知の方法が用いられる。抽出条件は、例えば水・アルコール混合液を用いた場合、室温(約0〜30℃)〜50℃で約1〜18時間が好ましく、約30〜40℃で約2〜4時間がより好ましい。抽出操作は通常複数回繰り返される。
本発明において、クチナシからの抽出液を更に吸着樹脂処理或いは膜分離処理し、ゲニポサイドなどのイリドイド配糖体を除去しクロシンの濃度を高めることが、好ましく行われる。
クロシンの加水分解は定法に従って行われてよく、通常、酸、アルカリ或いは適当な加水分解酵素の作用で行われる。ここで酸としては、例えば塩酸、硫酸およびリン酸などが挙げられ、アルカリとしては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどが挙げられる。また加水分解酵素としては、β−グルコシダーゼなどが挙げられる。
工業的には、クロシンの加水分解がアルカリによる加水分解であるのが好ましい。
また、上記加水分解は、攪拌および/または加熱下で行われてもよい。好ましくは攪拌下、約20〜70℃、好ましくは約40〜60℃に加熱し、約1〜24時間、好ましくは約3〜5時間行われる。このようにして、加水分解することにより、その分解が促進され得る。
また、上記加水分解は、攪拌および/または加熱下で行われてもよい。好ましくは攪拌下、約20〜70℃、好ましくは約40〜60℃に加熱し、約1〜24時間、好ましくは約3〜5時間行われる。このようにして、加水分解することにより、その分解が促進され得る。
クロシンの加水分解がアルカリによる加水分解である場合、通常、加水分解終了後、反応液に塩酸、硫酸またはリン酸などの無機酸、もしくはクエン酸などの有機酸の水溶液を適量加え、液性をpH約4.0以下、好ましくはpH約1.0〜3.0にするか、または反応液を塩酸、硫酸またはリン酸などの無機酸、もしくはクエン酸などの有機酸の水溶液に加え、液性をpH約4.0以下、好ましくはpH約1.0〜3.0にすることで、クロセチンを析出させる。その後、クロセチンを析出させた混合液を、遠心分離するか或いはろ紙もしくはろ布に通してろ過することにより、クロセチンをペースト状の固形物として回収できる。
また、クロシンの加水分解が酸による加水分解である場合、通常、加水分解と同時にクロセチンが析出するため、反応液は懸濁液として得られる。反応終了後、得られた懸濁液を、遠心分離するか或いはろ紙もしくはろ布に通してろ過することにより、クロセチンをペースト状の固形物として回収できる。
このようにして得られたクロセチン(ペースト状の固形物)には、通常、酸、中和塩および原料由来の不純物が固形物表面に付着しているため、該不純物を除去する目的で、洗浄処理が行われる。該処理は、例えば、上記ペースト状の固形物を十分量の水を用いて水洗するなど、公知の方法を用いて行ってよい。次に、例えば棚式の通風乾燥機または真空乾燥機などを用いて、好ましくは窒素ガスの雰囲気下約50℃を越えない温度で乾燥し、固形物に残留する水を除去してもよい。
本発明に係るクロセチンとしては、上記ペースト状の固形物を水洗したもの、または水洗したものを乾燥したものが好ましく用いられるが、更に、これらクロセチンを精製した精製クロセチンを用いてもよい。ここで、クロセチンを精製する方法に制限は無く、例えばカラムクロマトグラフィー、再結晶など自体公知の方法が用いられる。
本発明で用いられる糖類としては特に制限はなく、例えばブドウ糖、果糖、ガラクトースなどの単糖、麦芽糖、乳糖、蔗糖などの二糖、澱粉、加工澱粉、アミロース、アミロペクチン、デキストリン、シクロデキストリンなどの多糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオースおよびマルトヘキサオースなどのマルトオリゴ糖などの少糖、アラビアガム、カラギナン、カラヤガム、寒天、キサンタンガム、グアーガム、タマリンドシードガム、トラガントガム、ペクチンおよびローカストビーンガムなどの多糖類、ソルビトール、マンニトール、マルチトールまたは還元水飴などの糖アルコールなどが挙げられ、好ましくは単糖、二糖、デキストリンまたは少糖などである。
本発明になる粉末状クロセチン製剤の製造方法は特に限定されず、自体公知の方法を用いることができる。以下に、好ましい粉末状クロセチン製剤の製造方法を例示する。例えば、水洗したクロセチン(ペースト状の固形物)を室温(約0〜30℃)〜100℃、好ましくは約45〜65℃に加温したデキストリン水溶液に加え、高速回転式分散・乳化機を用いて攪拌し、クロセチンを細かく分散させる。更に好ましくは高圧式均質化処理機または湿式粉砕機を用いてクロセチンを微粉砕する。次に、得られた分散液を乾燥することにより粉末状のクロセチン製剤を得る。
クロセチンを分散させるための装置としては特に限定されず、例えば、攪拌機、加熱用のジャケット及び邪魔板等を備えた通常の攪拌・混合槽を用いることができる。装備する攪拌機としては、例えばTKホモミクサー(特殊機化工業社製)またはクレアミックス(エムテクニック社製)などの高速回転式分散・乳化機が好ましく用いられる。該分散・乳化機の操作条件としては、例えば実験室用の小型機では、回転数約2000〜20000rpm、攪拌時間約5〜60分間を例示できる。
高圧式均質化処理機として、例えばクレアミックスWモーション(エムテクニック社製)、APVゴーリンホモジナイザー(APV社製)、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイデックス社製)、アルティマイザー(スギノマシン社製)またはナノマイザー(大和製罐社製)などが挙げられる。該均質化処理機による操作条件としては、装置の仕様により異なり一様ではないが、例えば約5〜30MPaで1〜3回処理するのが好ましい。
湿式粉砕機は、粉砕室内に充填されたガラスビーズ、ジルコニアビーズ等を分散メディアとして被粉砕物スラリーを微粉砕するものであり、例えばサンドミル(新東工業社製)、ビーズミル(ファインテック社製)或いはダイノーミル(バーゼル社製)などを好ましく使用することができる。
上記処理により得られる分散液中のクロセチンの平均粒子径は約0.5〜5μmであることが好ましく、約1〜3μmであるのがより好ましい。該平均粒子径が5μmを超えると、水分散性が悪くなり、またアルカリ性の水溶液に対する溶解速度が遅くなるため好ましくない。一方、該平均粒子径が0.5μm以下になると、粒子が凝集し分散状態が保たれなくなるため好ましくない。
本発明において、分散液100質量%中には、クロセチンを乾燥物換算で約0.05〜6質量%、好ましくは約0.1〜2質量%、糖類を約0.5〜54質量%、好ましくは約20〜48質量%、残余が水となるように調整するのが好ましい。また、乾燥物換算したクロセチンと糖類の比率は、約1:10〜1:1000、好ましくは約1:25〜1:500となるように調整するのが好ましい。
本発明において、分散液中には、本発明の目的・効果を阻害しない範囲で、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびレシチンなどの食品用乳化剤を添加してもよい。ここで、グリセリン脂肪酸エステルには、グリセリンと脂肪酸とのエステルの外、グリセリン酢酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびポリグリセリン縮合リシノール酸エステルなどが含まれる。またレシチンとしては、油糧種子または動物原料から得られたもので、リン脂質を主成分とするものであれば特に制限は無く、例えば大豆レシチンおよび卵黄レシチンなど油分を含む液状レシチンから油分を除き乾燥した粉末レシチン、液状レシチンを分別精製した分別レシチン、並びにレシチンを酵素で処理した酵素分解レシチンおよび酵素処理レシチンなどが挙げられる。
上記分散液の乾燥方法としては、例えば、噴霧乾燥、ドラム乾燥、ベルト乾燥、真空乾燥あるいは真空凍結乾燥などが挙げられ、好ましくは噴霧乾燥である。噴霧乾燥装置としては特に制限は無く、噴射式噴霧乾燥装置または回転円盤式噴霧乾燥装置など、公知の装置を使用することができる。また、噴霧乾燥の操作条件としては、例えば分散液を加圧ノズル式噴霧乾燥装置に供給し、熱風入口温度約120〜170℃、好ましくは約140〜150℃、排気温度約70〜140℃、好ましくは約85〜90℃の条件下で噴霧乾燥し、乾燥物をサイクロンで捕集することにより、粉末クロセチン製剤を得ることができる。得られる粉末クロセチン製剤の平均粒子径は約20〜200μm、好ましくは約60〜100μmである。また、その乾燥減量は約10質量%以下が好ましく、約7質量%以下であることがより好ましい。
本発明に従う粉末クロセチン製剤の好ましい実施態様の一例は、該製剤100質量%中、クロセチンを約0.1〜10質量%、好ましくは約0.2〜4質量%、糖類を約90〜99.9質量%、好ましくは約96〜99.8質量%を含む粉末である。その色価は約50〜1000が好ましく、約100〜400であることがより好ましい。
以下に本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[クロセチンの調製]
粉砕したクチナシの乾燥果実1200gにエタノール・水混合液(50:50)2400mLを加え、室温で3時間攪拌した後吸引ろ過した。ろ過後、抽出残にエタノール・水混合液(50:50)2400mLを加え、室温で30分間攪拌した後吸引ろ過する操作を2回繰り返し、ろ液として計約7Lの抽出液を得た。この抽出液を、ロータリーエバポレーターを用いて約60℃、約4kPaの条件で濃縮し、濃縮物1(色価=約570)約420gを得た。
粉砕したクチナシの乾燥果実1200gにエタノール・水混合液(50:50)2400mLを加え、室温で3時間攪拌した後吸引ろ過した。ろ過後、抽出残にエタノール・水混合液(50:50)2400mLを加え、室温で30分間攪拌した後吸引ろ過する操作を2回繰り返し、ろ液として計約7Lの抽出液を得た。この抽出液を、ロータリーエバポレーターを用いて約60℃、約4kPaの条件で濃縮し、濃縮物1(色価=約570)約420gを得た。
得られた濃縮物1に精製水を加えて4Lとし、得られた溶液を吸引ろ過し、ろ液をアンバーライトXAD−7(オルガノ社製)2Lを充填したカラムに流速SV=0.5で通液した。続いて、精製水16Lをカラムに流速SV=0.5で通液し、排出液を廃棄した。次にエタノール・水混合液(70:30)2Lを流速SV=0.5で通液し、色素を脱着・溶出した。得られた溶出液を、エバポレータを用いて約60℃、約4kPaの条件で濃縮し、クロシンを含む濃縮物2(色価=約1600)約140gを得た。
得られた濃縮物2と40質量%水酸化ナトリウム水溶液24gとを混合し、撹拌下60℃で約3.5時間加水分解反応を行った。反応終了後、反応液を4質量%リン酸水溶液600mlに加えて酸性とした後、そのまま約3時間室温で放置した。次に、析出した沈殿を遠心分離(10,000×g、10分間)により回収し、更に水200mLで洗浄し、遠心分離する操作を2回繰り返し、クロセチンを含むペースト状の固形物(色価=約2000)約110gを得た。該ペースト状固形物中のクロセチン含有量は約5.5質量%であった。
尚、色価(E10% 1cm)は『化学的合成品以外の食品添加物 自主規格(第二版)』、日本食品添加物協会編、「クチナシ黄色素」を参考にして、以下の方法で測定した。
[色価測定方法]
測定する吸光度が0.3〜0.7の範囲になるように、試料を精密に量り、Kolthoff氏緩衝液(50mM Na2CO3−50mM Na2B4O7,pH10.0)に溶かして正確に500mlとする。溶解しにくい場合は、超音波処理により溶解する。その10mlを正確に量り、Kolthoff氏緩衝液(50mM Na2CO3−50mM Na2B4O7,pH10.0)を加えて50mlとし、試験溶液とする。Kolthoff氏緩衝液(50mM Na2CO3−50mM Na2B4O7,pH10.0)を対照とし、液層の長さ1cmで420nm付近の極大吸収部における吸光度Aを測定し、次式により色価を求める。
測定する吸光度が0.3〜0.7の範囲になるように、試料を精密に量り、Kolthoff氏緩衝液(50mM Na2CO3−50mM Na2B4O7,pH10.0)に溶かして正確に500mlとする。溶解しにくい場合は、超音波処理により溶解する。その10mlを正確に量り、Kolthoff氏緩衝液(50mM Na2CO3−50mM Na2B4O7,pH10.0)を加えて50mlとし、試験溶液とする。Kolthoff氏緩衝液(50mM Na2CO3−50mM Na2B4O7,pH10.0)を対照とし、液層の長さ1cmで420nm付近の極大吸収部における吸光度Aを測定し、次式により色価を求める。
[実施例1]
精製水2179gを60℃に加温し、クレアミックス(型式:S942型;エムテクニック社製)で低速で攪拌しながらデキストリン(商品名:サンデック#150;三和澱粉社製)1187gを加えて溶解した。次に、先に調製したペースト状のクロセチン(色価=約2000)63gを加え、回転数10000rpmで30分間攪拌した。得られた分散液中のクロセチンの平均粒子径は約2.9μmであった。
該分散液を加圧ノズル式噴霧乾燥装置(形式:L−8i;大川原化工機社製)にて、熱風入口温度170℃、排気温度100℃の条件で噴霧乾燥し、乾燥物をサイクロンで回収することにより粉末状のクロセチン製剤約1150gを得た。得られた粉末の色価は約102、乾燥減量は約3.5質量%、粉末の平均粒子径は約75μmであった。
精製水2179gを60℃に加温し、クレアミックス(型式:S942型;エムテクニック社製)で低速で攪拌しながらデキストリン(商品名:サンデック#150;三和澱粉社製)1187gを加えて溶解した。次に、先に調製したペースト状のクロセチン(色価=約2000)63gを加え、回転数10000rpmで30分間攪拌した。得られた分散液中のクロセチンの平均粒子径は約2.9μmであった。
該分散液を加圧ノズル式噴霧乾燥装置(形式:L−8i;大川原化工機社製)にて、熱風入口温度170℃、排気温度100℃の条件で噴霧乾燥し、乾燥物をサイクロンで回収することにより粉末状のクロセチン製剤約1150gを得た。得られた粉末の色価は約102、乾燥減量は約3.5質量%、粉末の平均粒子径は約75μmであった。
[粒子径の測定方法]
粒子径の測定にはレーザー回折/分散粒度分布測定機(型式:LA−920;堀場製作所社製)を使用し、粒子径の大きさを体積頻度からメジアン径として算出した。クロセチンの粒子径は水を媒体として測定し、一方粉末の粒子径はイソプロパノールを媒体として測定した。
粒子径の測定にはレーザー回折/分散粒度分布測定機(型式:LA−920;堀場製作所社製)を使用し、粒子径の大きさを体積頻度からメジアン径として算出した。クロセチンの粒子径は水を媒体として測定し、一方粉末の粒子径はイソプロパノールを媒体として測定した。
[実施例2]
実施例1と同様にして分散液を調製し、次に得られた分散液(一次)をクレアミックスWモーション(型式:CLM−2.2/3.7W;エムテクニック社製)にて、ローター回転数17000rpm、スクリーン回転数15000rpmで30分間処理した。得られた分散液(二次)中のクロセチンの平均粒子径は約1.1μmであった。
該分散液(二次)を加圧ノズル式噴霧乾燥装置(形式:L−8i;大川原化工機社製)にて、熱風入口温度170℃、排気温度100℃の条件で噴霧乾燥し、乾燥物をサイクロンで回収することにより粉末状のクロセチン製剤約1150gを得た。得られた粉末の色価は約102、乾燥減量は約3.5質量%、粉末の平均粒子径は約75μmであった。
実施例1と同様にして分散液を調製し、次に得られた分散液(一次)をクレアミックスWモーション(型式:CLM−2.2/3.7W;エムテクニック社製)にて、ローター回転数17000rpm、スクリーン回転数15000rpmで30分間処理した。得られた分散液(二次)中のクロセチンの平均粒子径は約1.1μmであった。
該分散液(二次)を加圧ノズル式噴霧乾燥装置(形式:L−8i;大川原化工機社製)にて、熱風入口温度170℃、排気温度100℃の条件で噴霧乾燥し、乾燥物をサイクロンで回収することにより粉末状のクロセチン製剤約1150gを得た。得られた粉末の色価は約102、乾燥減量は約3.5質量%、粉末の平均粒子径は約75μmであった。
[実施例3]
精製水2179gを60℃に加温し、クレアミックス(型式:S942型;エムテクニック社製)で低速で攪拌しながらショ糖パルミチン酸エステル(商品名:リョートーシュガーエステルP−1570;三菱化学フーズ社製)1.25gおよびデキストリン(商品名:サンデック#150;三和澱粉社製)1187gを加えて溶解した。次に、先に調製したペースト状のクロセチン(色価=約2000)63gを加え、回転数10000rpmで30分間攪拌し、得られた分散液(一次)をAPVゴーリンホモジナイザー(型式:APV1000;APV社製)にて、約10MPaの圧力で2回処理した。得られた分散液(二次)中のクロセチンの平均粒子径は約0.5μmであった。
該分散液(二次)を加圧ノズル式噴霧乾燥装置(形式:L−8i;大川原化工機社製)にて、熱風入口温度170℃、排気温度100℃の条件で噴霧乾燥し、乾燥物をサイクロンで回収することにより粉末状のクロセチン製剤約1150gを得た。得られた粉末の色価は約104、乾燥減量は約3.0質量%、粉末の平均粒子径は約80μmであった。
精製水2179gを60℃に加温し、クレアミックス(型式:S942型;エムテクニック社製)で低速で攪拌しながらショ糖パルミチン酸エステル(商品名:リョートーシュガーエステルP−1570;三菱化学フーズ社製)1.25gおよびデキストリン(商品名:サンデック#150;三和澱粉社製)1187gを加えて溶解した。次に、先に調製したペースト状のクロセチン(色価=約2000)63gを加え、回転数10000rpmで30分間攪拌し、得られた分散液(一次)をAPVゴーリンホモジナイザー(型式:APV1000;APV社製)にて、約10MPaの圧力で2回処理した。得られた分散液(二次)中のクロセチンの平均粒子径は約0.5μmであった。
該分散液(二次)を加圧ノズル式噴霧乾燥装置(形式:L−8i;大川原化工機社製)にて、熱風入口温度170℃、排気温度100℃の条件で噴霧乾燥し、乾燥物をサイクロンで回収することにより粉末状のクロセチン製剤約1150gを得た。得られた粉末の色価は約104、乾燥減量は約3.0質量%、粉末の平均粒子径は約80μmであった。
[比較例1]
先に調製したペースト状のクロセチン(色価=約2000)4gと乳糖(BORCULO DOMO社製)75gとを乳鉢にて均一に混合した。得られた混合物を通風乾燥器(型式:DN600;ヤマト科学社製)にて約60℃で8時間乾燥し、粉末状のクロセチン製剤約70gを得た。得られた粉末の色価は約100、乾燥減量は約4.0質量%であった。
先に調製したペースト状のクロセチン(色価=約2000)4gと乳糖(BORCULO DOMO社製)75gとを乳鉢にて均一に混合した。得られた混合物を通風乾燥器(型式:DN600;ヤマト科学社製)にて約60℃で8時間乾燥し、粉末状のクロセチン製剤約70gを得た。得られた粉末の色価は約100、乾燥減量は約4.0質量%であった。
[試験例1]
実施例1乃至3または比較例1で得られた粉末状のクロセチン製剤各0.1gを量り、水温25℃の精製水1000mlに投入して、マグネチックスターラーにて100rpmで30分間攪拌した。分散液の状態を目視で観察後、各分散液100mlを100ml容共栓付き比色管に入れ25℃恒温器中で放置し、24時間後の状態を目視で観察した。結果を表1に示した。
実施例1乃至3または比較例1で得られた粉末状のクロセチン製剤各0.1gを量り、水温25℃の精製水1000mlに投入して、マグネチックスターラーにて100rpmで30分間攪拌した。分散液の状態を目視で観察後、各分散液100mlを100ml容共栓付き比色管に入れ25℃恒温器中で放置し、24時間後の状態を目視で観察した。結果を表1に示した。
[試験例2]
実施例1乃至3または比較例1で得られた粉末状のクロセチン製剤各0.3gを量り、3質量%炭酸ナトリウム水溶液(水温25℃)200mlに投入して、マグネチックスターラーにて100rpmで攪拌し、粉末または顆粒が完全に溶解するまでに要する時間を測定した。結果を表2に示した。
実施例1乃至3または比較例1で得られた粉末状のクロセチン製剤各0.3gを量り、3質量%炭酸ナトリウム水溶液(水温25℃)200mlに投入して、マグネチックスターラーにて100rpmで攪拌し、粉末または顆粒が完全に溶解するまでに要する時間を測定した。結果を表2に示した。
[試験例3]
小麦粉(商品名:花象ふよう;千葉製粉社製)1000g、食塩10gおよび実施例1乃至3または比較例1で得られた粉末状のクロセチン製剤各10gを4.5L容のポリ袋に入れ、空気を十分に入れた状態で袋を閉じて振り混ぜ、中華麺用プレミックスを得た。
次に、該プレミックス1020gとかん水(商品名:粉末かんすい赤;オリエンタル酵母工業社製)10gに精製水360gを加えて溶解したかん水溶液とをミキサー一体型製麺機(型式:MODEL−MG−77;スズキ麺工社製)にて12分間混合し、ロール圧延により得た厚さ1mmの麺帯を幅1.2mmに細断して麺線を得た。得られた各麺線の色調、色むらなどを目視で観察した。結果を表3に示した。
小麦粉(商品名:花象ふよう;千葉製粉社製)1000g、食塩10gおよび実施例1乃至3または比較例1で得られた粉末状のクロセチン製剤各10gを4.5L容のポリ袋に入れ、空気を十分に入れた状態で袋を閉じて振り混ぜ、中華麺用プレミックスを得た。
次に、該プレミックス1020gとかん水(商品名:粉末かんすい赤;オリエンタル酵母工業社製)10gに精製水360gを加えて溶解したかん水溶液とをミキサー一体型製麺機(型式:MODEL−MG−77;スズキ麺工社製)にて12分間混合し、ロール圧延により得た厚さ1mmの麺帯を幅1.2mmに細断して麺線を得た。得られた各麺線の色調、色むらなどを目視で観察した。結果を表3に示した。
[試験例4]
小麦粉(商品名:花象麺の舞;千葉製粉社製)1000g、食塩10gおよび実施例1乃至3または比較例1で得られた粉末状のクロセチン製剤各0.5gを4.5L容のポリ袋に入れ、空気を十分に入れた状態で袋を閉じて振り混ぜ、パスタ用プレミックスを得た。
次に、該プレミックス1010.5g、オリーブ油150gおよび全卵500gをミキサー一体型製麺機(型式:MODEL−MG−77;スズキ麺工社製)にて12分間混合し、ロール圧延により得た厚さ1mmの麺帯を幅6mmに細断して麺線を得た。得られた各麺線の色調、色むらなどを目視で観察した。結果を表4に示した。
小麦粉(商品名:花象麺の舞;千葉製粉社製)1000g、食塩10gおよび実施例1乃至3または比較例1で得られた粉末状のクロセチン製剤各0.5gを4.5L容のポリ袋に入れ、空気を十分に入れた状態で袋を閉じて振り混ぜ、パスタ用プレミックスを得た。
次に、該プレミックス1010.5g、オリーブ油150gおよび全卵500gをミキサー一体型製麺機(型式:MODEL−MG−77;スズキ麺工社製)にて12分間混合し、ロール圧延により得た厚さ1mmの麺帯を幅6mmに細断して麺線を得た。得られた各麺線の色調、色むらなどを目視で観察した。結果を表4に示した。
本発明になる粉末状クロセチン製剤は、麺類の着色料として有用であるばかりでなく、製菓・製パン分野における各種食品の着色料として広く利用することができる。
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JP2012029585A (ja) * | 2010-07-29 | 2012-02-16 | Riken Vitamin Co Ltd | クロセチン製剤の製造方法 |
JP2012046573A (ja) * | 2010-08-25 | 2012-03-08 | Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd | ノルビキシン水性分散体とその製造方法 |
JP2015078384A (ja) * | 2015-01-14 | 2015-04-23 | グリコ栄養食品株式会社 | 13−シス−クロセチン高含有色素組成物およびその製造方法 |
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2005
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