JP2006335153A - シートスライド装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 移動力伝達手段の材料費の削減と組み付け性の向上を図る。
【解決手段】 固定レール2に固定されるナット部材15に螺入され、モータ10の駆動によって回転して固定レール2の長手方向に移動するスクリューシャフト13と、スクリューシャフト13に可動レール3を追従移動させる連結ピン16と、可動レール3に作用するスライド方向の荷重を受ける荷重受け手段17とを備えたシートスライド装置に、荷重受け手段17が、スクリューシャフト13に固定されたシャフト側ストッパ20と、可動レール3に固定されたレール側ストッパ21とから成り、レール側ストッパ21は、シャフト側ストッパ20の両側に配置された一対のストッパ板部21a,21bが連結部21cで一体に設けられ、各ストッパ板部21a,21bには可動レール3への組み付け方向側に開口し、スクリューシャフト13を挿入する差し込み溝21d,21eを設ける。
【選択図】 図4

Description

本発明は、自動車等に設置されるシートを駆動源の駆動力を用いて移動させるシートスライド装置に関する。
この種の従来のシートスライド装置として、特許文献1に開示されたものがある。このシートスライド装置100は、図5に示すように、車体側に固定された左右一対の固定レール101と、シート側に固定され、各固定レール101の長手方向にスライド自在に支持された一対の可動レール102と、各固定レール101の上面と各可動レール102の下面の間に配置され、可動レール102の移動をスムーズにするローラ体(図示せず)と、各固定レール101にボルト109で固定された一対のナット部材103と、この各ナット部材103に螺入され、モータ104の駆動力が連結軸105及び各ギアボックス106を介して伝達される一対のスクリューシャフト107と、各ギアボックス106と可動レール102との間を連結し、各スクリューシャフト107に各可動レール103を追従移動させる複数の連結ピン108と、各可動レール102のスライド方向の荷重を受ける一対の荷重受け手段110とを備えている。
各荷重受け伝達手段110は、図6に詳しく示すように、スクリューシャフト107に間隔を開けて固定された2枚のシャフト側ストッパ111,111と、可動レール102に固定され、2枚のシャフト側ストッパ111,111の間に配置された1枚のレール側ストッパ112とから構成されている。レール側ストッパ112にはスクリューシャフト107を通すためのシャフト用貫通孔(特に、符号を付さず)が形成されている。
このシートスライド装置100の組み付け作業の概略は、固定レール101にローラ体等の付属部品と共に可動レール102を組み付ける。この固定レール101と可動レール102等の組み付けレール構造体に、スクリューシャフト107を組み付ける。スクリューシャフト107には、予めナット部材103を螺入しておくと共に一対のシャフト側ストッパ111,111を固定し、且つ、レール側ストッパ112を仮組み付けしておく。スクリューシャフト107を組み付けレール構造体に組み付けた後に、ナット部材103を固定レール101にボルト109で固定し、レール側ストッパ112を可動レール102に固定する。
上記構成において、モータ104の駆動力によって一対のスクリューシャフト107が回転すると、各ナット部材103に対して各スクリューシャフト107がそのネジピッチによって軸方向に移動する。この一対のスクリューシャフト107の移動に各可動レール102が追従移動し、この一対の可動レール102の移動によってシートが車体の前後方向に移動される。
そして、車両衝突等によって可動レール102に前方、または後方のスライド方向の荷重が作用すると、図6にてB矢印で示すルートの如く、レール側ストッパ112がシャフト側ストッパ111,111の一方に突き当たることによって衝撃を吸収する。これにより、スクリューシャフト107の座屈を防止しつつ、可動レール102、連結ピン108、ギアボックス106を介してスクリューシャフト107に伝達される荷重を吸収し、ギアボックス106に大きな衝撃荷重が作用することを防止できる。
特開2001−239861号公報
しかしながら、前記従来のシートスライド装置100では、各荷重受け伝達手段110が2枚のシャフト側ストッパ111,111と1枚のレール側ストッパ112とから計3部品で構成されるので、部品点数が多いため材料費が高く、組み付け性が悪いという問題があった。
また、固定レール101と可動レール102の組み付けレール構造体に対してスクリューシャフト107を組み付ける前に、スクリューシャフト107にレール側ストッパ112を仮組み付けし、組み付けレール構造体への組み付け後にレール側ストッパ112を可動レール102に本組み付けする必要があるため、この点からも組み付け性が悪いという問題があった。
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、荷重受け手段の材料費の削減と組み付け性の向上を図ることができるシートスライド装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、床面に固定される固定レールと、シート側に固定され、該固定レールの長手方向にスライド自在に支持された可動レールと、該固定レールに固定されたナット部材と、このナット部材に螺入され、駆動源の駆動によって回転して該固定レールの長手方向に移動するスクリューシャフトと、このスクリューシャフトに該可動レールを追従移動させる連結手段と、該可動レールに作用するスライド方向の荷重を受ける荷重受け手段とを備えたシートスライド装置において、前記荷重受け手段は、前記スクリューシャフトに固定された1枚のシャフト側ストッパと、前記可動レールに固定された1枚のレール側ストッパとから構成され、このレール側ストッパは、該シャフト側ストッパの両側に配置される一対のストッパ板部が、連結部によって一体に連結され、各ストッパ板部には該可動レールへの組み付け方向側に開口し、該スクリューシャフトが挿入される差し込み溝がそれぞれ設けられたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載のシートスライド装置であって、前記荷重受け手段は、前記スクリューシャフトの車体前後方向に設けたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載のシートスライド装置であって、前記レール側ストッパには、前記シャフト側ストッパの両側に配置され、所定の間隔を開けて平行に配置された一対のストッパ板部と、各ストッパ板部に配置され、前記可動レールへの組み付け方向側に開口し、前記スクリューシャフトが軸方向に対して直交するように差込まれる差し込み溝と、各ストッパ板部の該可動レールへの組み付け方向の先端面に一体に設けられる加締め加工部と、各ストッパ板部の両側の側面で、且つ、該可動レールへの組み付け方向の後端部に一体に突設された係止突起部とが設けられ、該可動レールには、各加締め加工部が貫通する固定用孔と、各係止突起部が係止される係止溝がそれぞれ設けられたことを特徴とする。
以上説明したように、請求項1の発明によれば、荷重受け手段が1枚のシャフト側ストッパと1枚のレール側ストッパとから構成され、部品点数が少ないため、材料費の削減と組み付け性の向上を図ることができる。又、固定レールと可動レールの組み付けレール構造体に対しスクリューシャフトを組み付ける前に、スクリューシャフトにレール側ストッパを仮組み付けする必要がなく、スクリューシャフトを組み付けレール構造体に組み付けた後に、レール側ストッパを可動レールに組み付けできるため、この点からも組み付け性が良い。以上より、荷重受け手段の材料費の削減と組み付け性の向上を図ることができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果が得られる。
請求項3の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、レール側ストッパが可動レールに確実に固定され、抜け落ちを防止できる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4は本発明のシートスライド装置を自動車のシートに適用した実施形態を示し、図1はシートスライド装置の分解斜視図、図2はシートスライド装置の荷重受け手段を示す要部断面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は荷重受け手段の分解斜視図である。
図1に示すように、シートスライド装置1は、車体側の床面(図示せず)に固定され、車体前後方向に沿って配置された左右一対の固定レール2と、シート(図示せず)側に固定され、各固定レール2の長手方向にスライド自在に支持された一対の可動レール3と、各固定レール2の上面と各可動レール3の下面の間に配置され、可動レール3の移動をスムーズにする複数のローラ体4と、複数のローラ体4を連結し、各ローラ体4を所定の位置で回転自在に保持する複数のリテーナ5と、各固定レール2の左右両端に装着され、可動レール3に当接する樹脂スライダ6と、一対の可動レール3を固定レール2に対して移動させるシート駆動機構7とを備えている。
シート駆動機構7は、モータ10と、このモータ10の回転力を伝達する連結ロッド11と、この連結ロッド11の両端に設けられ、連結ロッド11の回転を減速して出力する一対のギアボックス12と、この各ギアボックス12の出力軸に固定された一対のスクリューシャフト13と、この各スクリューシャフト13が螺入され、各固定レール2にボルト14で固定された一対のナット部材15と、各ギアボックス12と可動レール3との間を連結し、各可動レール3を各スクリューシャフト13に追従移動させる連結手段である複数の連結ピン16とを備えている。そして、各スクリューシャフト13の後側と前側には、各可動レール3のスライド方向に作用する荷重を受ける荷重受け手段17がそれぞれ設けられている。
図2〜図4に詳しく示すように、各荷重受け手段17は、スクリューシャフト13に固定された1枚のシャフト側ストッパ20と、可動レール3に固定された1枚のレール側ストッパ21とから構成されている。
シャフト側ストッパ20は、中心にスクリューシャフト13の貫通孔20aを有する円板状をなし、スクリューシャフト13に溶接等によって固定されている。
レール側ストッパ21は、シャフト側ストッパ20の両側に配置され、所定の間隔を開けて平行に配置された一対のストッパ板部21a,21bと、この一対のストッパ板部21a,21bを連結する連結部21cとから折り曲げ加工によって一体に設けられている。各ストッパ板部21a,21bには可動レール3への組み付け方向側に開口し、スクリューシャフト13にその軸方向の直交方向から差し込みことができる差し込み溝21d,21eがそれぞれ形成されている。又、各ストッパ板部21a,21bの可動レール3への組み付け方向の先端面には、加締め加工部21f,21gがそれぞれ一体に設けられている。各ストッパ板部21a,21bの両側の側面で、且つ、可動レール3への組み付け方向の後端部には、係止突起部21h,21iが一体に突設されている。
一方、可動レール3には、各加締め加工部21f,21gが貫通する固定用孔22と、各係止突起部21h,21iが係止される係止溝23がそれぞれ形成されている。
上記構成において、モータ10の駆動力によって一対のスクリューシャフト13が回転すると、各ナット部材15に対して各スクリューシャフト13がそのネジピッチによって軸方向に移動し、各スクリューシャフト13の移動によって各可動レール3が移動する。この一対の可動レール3の移動によってシート(図示せず)が車体(図示せず)の前後方向に移動される。
そして、車両衝突等によって可動レール3にスライド方向の荷重が作用すると、レール側ストッパ21のストッパ板部21a,21bの一方がシャフト側ストッパ20に突き当たることによって衝撃を吸収する。これにより、可動レール3、連結ピン16、ギアボックス12を介してスクリューシャフト13に伝達される荷重を極力軽減し、ギアボックス106が破壊等されるような事態を防止する。
次に、シートスライド装置1の組み付け作業の概略を説明する。固定レール2にローラ体4、リテーナ5等の付属部品と共に可動レール3を組み付ける。この固定レール2と可動レール3等の組み付けレール構造体に、スクリューシャフト13を組み付ける。ここで、スクリューシャフト13には、予めナット部材15を螺入しておくと共にシャフト側ストッパ20を固定しておく。スクリューシャフト13を組み付けレール構造体に組み付けした後、ナット部材15をボルト14で固定レール2に固定する。又、可動レール3にレール側ストッパ21を組み付ける。
レール側ストッパ21の組み付けは、スクリューシャフト13に対してその軸方向の直交方向からレール側ストッパ21の差し込み溝21d,21eを差し込む。スクリューシャフト13に差し込んだレール側ストッパ21の各加締め加工部21f,21gを可動レール3の各固定用孔22に挿入すると共に、各係止突起部21h.21iを可動レール3の各係止溝23に挿入する。そして、可動レール3上に突出した各加締め加工部21f,21gを加締め加工し、レール側ストッパ21を可動レール3に固定する。以上により、組み付け作業が完了し、レール側ストッパ21は可動レール3に確実に固定され、抜け落ちが防止できる。なお、係止溝23をスリットにしてもよい。
以上、前記シートスライド装置1によれば、各荷重受け手段17が1枚のシャフト側ストッパ20と1枚のレール側ストッパ21とから構成され、部品点数が少ないため、材料費が削減でき、組み付けが容易である。又、レール側ストッパ21はスクリューシャフト13に仮組み付けする必要がなく、固定レール2と可動レール3の組み付けレール構造体にスクリューシャフト13を組み付けた後に、可動レール3に組み付けることができるため、この点からも組み付け性が良い。以上より、荷重受け手段17の材料費の削減と組み付け性の向上を図ることができる。
また、前記実施形態では、各スクリューシャフト13の後側と前側の両方に荷重受け手段17が設置されている。そして、後側の荷重受け手段17と前側の荷重受け手段17とは、以下のように荷重を受けるように設定されている。
つまり、各スクリューシャフト13の後側と前側に設けられた前後2つのレール側ストッパ21は、車両衝突等による前方衝撃力(可動レール3の後方から前方に向かって作用する荷重)が可動レール3に作用した場合には、前側のレール側ストッパ21で、且つ、一対のストッパ板部21a,21bの後位置のものがシャフト側ストッパ20に突き当たり、後側のレール側ストッパ21で、且つ、一対のストッパ板部21a,21bの後位置のものがシャフト側ストッパ20に突き当たることがないように位置設定されている。車両衝突等による後方衝撃力(可動レール3の前方から後方に向かって作用する荷重)が可動レール3に作用した場合には、後側のレール側ストッパ21で、且つ、一対のストッパ板部21a,21bの前位置のものがシャフト側ストッパ20に突き当たり、前側のレール側ストッパ21で、且つ、一対のストッパ板部21a,21bの前位置のものがシャフト側ストッパ20に突き当たることがないように位置設定されている。つまり、前方及び後方衝撃力を受けた場合に、スクリューシャフト13には常に引っ張り力が作用し、圧縮力を大幅に軽減するようになっており、圧縮力によってスクリューシャフト13の軸方向が曲がり、スライド不良が発生しないようになっている。
また、前記実施形態では、各スクリューシャフト13の後側と前側の両方に荷重受け手段17を設置したが、荷重受け手段17はスクリューシャフト13の後側のみに設置しても、スクリューシャフト13の前側のみに設置しても良いことはもちろんである。この場合には、レール側ストッパ21の2枚のストッパ板部21a,21bで前方衝撃力と後方衝撃力を受ける。又、荷重受け手段17をスクリューシャフト13の後側のみに設置した場合には、レール側ストッパ21をギアボックス12の近傍で設置しなくて良いため、レール側ストッパ21の可動レール3への組み付け作業がしやすいという利点がある。
本発明の一実施形態を示し、シートスライド装置の分解斜視図である。 本発明の一実施形態を示し、シートスライド装置の荷重受け手段を示す要部断面図である。 本発明の一実施形態を示し、図2のA−A線断面図である。 本発明の一実施形態を示し、荷重受け手段の分解斜視図である。 従来例のシートスライド装置の分解斜視図である。 従来例のシートスライド装置の荷重受け手段を示す要部側面図である。
符号の説明
1 シートスライド装置
2 固定レール
3 可動レール
10 モータ(駆動源)
13 スクリューシャフト
15 ナット部材
16 連結ピン(連結手段)
17 荷重受け手段
20 シャフト側ストッパ
21 レール側ストッパ
21a、21b ストッパ板部
21c 連結部
21d、21e 差し込み溝

Claims (3)

  1. 床面に固定される固定レールと、シート側に固定され、該固定レールの長手方向にスライド自在に支持された可動レールと、該固定レールに固定されたナット部材と、このナット部材に螺入され、駆動源の駆動によって回転して該固定レールの長手方向に移動するスクリューシャフトと、このスクリューシャフトに該可動レールを追従移動させる連結手段と、該可動レールに作用するスライド方向の荷重を受ける荷重受け手段とを備えたシートスライド装置において、
    前記荷重受け手段は、
    前記スクリューシャフトに固定された1枚のシャフト側ストッパと、
    前記可動レールに固定された1枚のレール側ストッパとから構成され、
    このレール側ストッパは、
    該シャフト側ストッパの両側に配置される一対のストッパ板部が、連結部によって一体に連結され、
    各ストッパ板部には該可動レールへの組み付け方向側に開口し、該スクリューシャフトが挿入される差し込み溝がそれぞれ設けられたことを特徴とするシートスライド装置。
  2. 請求項1記載のシートスライド装置であって、
    前記荷重受け手段は、前記スクリューシャフトの車体前後方向に設けたことを特徴とするシートスライド装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載のシートスライド装置であって、
    前記レール側ストッパには、
    前記シャフト側ストッパの両側に配置され、所定の間隔を開けて平行に配置された一対のストッパ板部と、
    各ストッパ板部に配置され、前記可動レールへの組み付け方向側に開口し、前記スクリューシャフトが軸方向に対して直交するように差込まれる差し込み溝と、
    各ストッパ板部の該可動レールへの組み付け方向の先端面に一体に設けられる加締め加工部と、
    各ストッパ板部の両側の側面で、且つ、該可動レールへの組み付け方向の後端部に一体に突設された係止突起部とが設けられ、
    該可動レールには、
    各加締め加工部が貫通する固定用孔と、
    各係止突起部が係止される係止溝がそれぞれ設けられたことを特徴とするシートスライド装置。
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