JP2006331733A - 燃料電池の酸素分圧分布等の計測方法とその装置等並びに燃料電池 - Google Patents

燃料電池の酸素分圧分布等の計測方法とその装置等並びに燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 燃料電池の酸素分圧分布等を、燃料電池が運転状態にあるか否かを問わず正確に把握し、燃料電池の発電効率と耐久性の向上に寄与する。
【解決手段】 測定対象部分が外部から視認可能に構成された燃料電池12に対し、光源14から酸素消光性塗料の励起波長の光をパルス照射することにより、測定対象部分を発光させる。そして、撮像手段16により測定対象部分の発光強度の減衰過程を、光の照射パルス周期よりも短い間隔で撮影することで、測定対象部分全体の酸素分圧分布等を、当該部分に塗布された酸素消光性塗料の発光強度の減衰率に基づき把握することが可能となる。しかも、燃料電池12の測定対象部分が、測定対象部分自体に塗布された酸素消光性塗料の発光によって二次元的に視認されるので、測定対象部分の酸素分圧分布を、測定対象部分の面の全体にわたり、直接的に把握することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池に関するものである。
近年、種々の形式の燃料電池が開発され実用に供されており、例えば、自動車用として固体高分子型の燃料電池が採用されている。ところで、燃料電池は、その発電原理から、カソード側の空気がアノード側へと漏れ出すような現象が発生すると、必要な電力を得ることができなくなる。そこで、燃料電池のMEA(Membrane Electrode Assemblies:固体高分子膜と、白金等の貴金属微粒子を含む触媒を材料とする薄膜電極とを張り合わせた膜)の、アノード側の触媒層に、酸素消光性塗料を塗布した光ファイバーの先端部を複数埋め込み、各光ファイバを順次発光させて、酸素消光性塗料の発光強度(輝度)を測定することにより各光ファイバ先端部近傍の酸素量を検出する、燃料電池の検査手法が発明されている(例えば、特許文献1。)。
特開2004−265667号公報(〔請求項1〕、〔図1〕)
しかしながら、従来の燃料電池の検査手法は、MEAの複数点の酸素濃度をピンポイントで検出して、MEA全体の酸素濃度を予測するものであり、MEA全体の正確な酸素濃度を直接的に把握することは不可能であった。特に、固体高分子膜の分子構造が破損して孔が開くことにより、カソード側の空気がアノード側へと漏れ出す、いわゆるクロスリークが発生した場合、クロスリークの原因となる孔は極めて小さいものであることから、光ファイバーの端部が埋め込まれた場所とその孔とが一致しないかぎり、正確な酸素濃度の測定は困難となっていた。
又、酸素消光性塗料を用いた酸素濃度の測定を行うに際し、正確な測定結果を得るためには、燃料電池内部の温度や湿度等の環境下における経時変化が少なく、かつ、塗布対象物(従来例では、光ファイバーの端部)に安定した塗装膜を形成することが可能な、酸素消光性塗料膜の形成が必要不可欠となっていた。
又、酸素消光性塗料は一般に温度依存性を有していることから、燃料電池を実際に運転状態にある場合には、温度変化が酸素消光性塗料の発光強度に影響を与え、正確な酸素濃度の測定が極めて困難であるといった問題も包含していた。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、燃料電池の酸素分圧分布等を、燃料電池が運転状態にあるか否かを問わず正確に把握し、燃料電池の発電効率と耐久性の向上に寄与することにある。
上記課題を解決するための、本発明に係る燃料電池の酸素分圧分布等の計測方法は、測定対象部分に酸素消光性塗料が塗布された燃料電池に対し、酸素消光性塗料の励起波長の光をパルス照射し、測定対象部分の発光強度の減衰過程を、光の照射パルス周期よりも短い間隔で撮影することを特徴とするものである。
本発明によれば、測定対象部分に酸素消光性塗料が塗布された燃料電池に対し、酸素消光性塗料の励起波長の光をパルス照射し、光の照射パルス周期よりも短い間隔で測定対象部分の発光強度を撮影することで、測定対象部分全体の酸素分圧分布等を、当該部分に塗布された酸素消光性塗料の発光強度の減衰率に基づき把握することが可能となる。しかも、燃料電池の測定対象部分が、測定対象部分自体に塗布された酸素消光性塗料の発光によって二次元的に視認されるので、測定対象部分の酸素分圧分布を、測定対象部分の面の全体にわたり直接的に把握することが可能となる。
なお、本発明においては、酸素消光性塗料の温度依存性を考慮して、撮影された画像の発光強度を補正することにより、測定対象部分の酸素分圧分布又は温度分布を求めることが望ましい。
本発明によれば、測定対象部分全体(に塗布された酸素消光性塗料)の発光強度を、酸素消光性塗料の温度依存性を考慮して補正することにより、燃料電池が実際に運転状態にあるときの、測定対象部分全体の酸素分圧分布を正確に把握することが可能となる。又、酸素分圧分布に起因する発光強度の減衰率が正確に把握されることで、燃料電池が実際に運転状態にあるときの、測定対象部分全体の温度分布についても、発光強度の減衰率から正確に把握することが可能となる。
又、上記課題を解決するための、本発明に係る燃料電池の酸素分圧分布等の計測装置は、測定対象部分に酸素消光性塗料が塗布されると共に当該部分が外部から視認可能に構成された燃料電池と、測定対象部分に酸素消光性塗料の励起波長の光をパルス照射する光照射手段と、測定対象部分の発光強度の減衰過程を、光の照射パルス周期よりも短い間隔で撮影する撮像手段とを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、測定対象部分に酸素消光性塗料が塗布されると共に当該部分が外部から視認可能に構成された燃料電池に対し、光照射手段から酸素消光性塗料の励起波長の光をパルス照射することにより、測定対象部分を発光させる。そして、撮像手段により測定対象部分の発光強度の減衰過程を、光の照射パルス周期よりも短い間隔で撮影することで、測定対象部分全体の酸素分圧分布等を、当該部分に塗布された酸素消光性塗料の発光強度の減衰率に基づき把握することが可能となる。しかも、燃料電池の測定対象部分が、測定対象部分自体に塗布された酸素消光性塗料の発光によって二次元的に視認されるので、測定対象部分の酸素分圧分布を、測定対象部分の面の全体にわたり直接的に把握することが可能となる。
又、本発明において、酸素消光性塗料の温度依存性を考慮して、撮影された画像の発光強度を補正する補正手段を備えることが望ましい。
この構成によれば、補正手段により酸素消光性塗料の温度依存性を考慮して、撮影された画像の発光強度を補正することにより、燃料電池が実際に運転状態にあるときの、測定対象部分全体の酸素分圧分布を正確に把握することが可能となる。又、酸素分圧分布に起因する発光強度の減衰率が正確に把握されることで、燃料電池が実際に運転状態にあるときの、測定対象部分全体の温度分布についても、発光強度の減衰率から正確に把握することが可能となる。
又、上記課題を解決するための、本発明に係る燃料電池の製造方法は、測定対象部分に酸素消光性塗料が塗布された燃料電池に対し、酸素消光性塗料の励起波長の光をパルス照射し、測定対象部分の発光強度の減衰過程を、光の照射パルス周期よりも短い間隔で撮影するための燃料電池の製造方法であって、酸素分圧分布等の測定対象部分の有機物除去工程と、測定対象部分の親水化処理工程と、親水化処理された測定対象部分の疎水化処理工程と、測定対象部分への酸素消光性塗料の塗布工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、酸素分圧分布等の測定対象部分から有機物を除去し、さらに、測定対象部分の親水化処理の後、親水化処理された測定対象部分を疎水化処理して、測定対象部分へと酸素消光性塗料を塗布することで、測定対象部分と酸素消光性塗料との接着性を向上させることができる。したがって、燃料電池内部の温度や湿度等の環境下においても、酸素消光性塗料の塗膜に、高い耐久性を与えることが可能となる。
さらに、本発明において、前記酸素消光性塗料は、バインダに酸素透過性及び疎水性を有する高分子材料が用いられ、色素に酸素消光性を有する色素が用いられることが望ましい。
この構成によれば、バインダの酸素透過性機能によって、酸素消光性塗料に含まれる色素に酸素が供給されて、色素はその酸素消光性を確実に発揮するものとなる。又、バインダ自体にも疎水性を持たせることで、燃料電池内部の温度や湿度等の環境下においても、酸素消光性塗料の塗膜に高い耐久性を与えることが可能となる。
又、上記課題を解決するための、本発明に係る燃料電池は、測定対象部分に酸素消光性塗料が塗布されると共に当該部分が外部から視認可能に構成された燃料電池と、測定対象部分に酸素消光性塗料の励起波長の光をパルス照射する光照射手段と、測定対象部分の発光強度の減衰過程を、光の照射パルス周期よりも短い間隔で撮影する撮像手段とを備える燃料電池の酸素分圧分布等の計測装置に用いられる燃料電池であって、有機物の除去工程を経た後に親水化処理が施され、更に疎水化処理が施された酸素分圧分布等の測定対象部分に、酸素消光性塗料が塗布されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、酸素分圧分布等の測定対象部分から有機物を除去し、測定対象部分の親水化処理して後、親水化処理された測定対象部分の疎水化処理して、測定対象部分へと酸素消光性塗料を塗布することで、測定対象部分と酸素消光性塗料との接着性を向上させることができる。したがって、燃料電池内部の温度や湿度等の環境下においても、酸素消光性塗料の塗膜に、高い耐久性を与えることが可能となる。
さらに、酸素消光性塗料は、バインダに酸素透過性及び疎水性を有する高分子材料が用いられ、色素に酸素消光性を有する色素が用いられていることから、酸素消光性塗料に含まれる色素に酸素が供給されて、色素はその酸素消光性を発揮するものとなる。又、バインダ自体に疎水性を持たせることで、燃料電池内部の温度や湿度等の環境下においても、酸素消光性塗料の塗膜に高い耐久性を与えることが可能となる。
又、上記課題を解決するための、本発明に係る燃料電池の制御方法は、単セルの、酸素分圧分布等の測定対象部分の近傍に光ファイバの先端部を設置し、測定対象部分若しくは光ファイバ先端部の一方に酸素消光性塗料を塗布し、光ファイバを介して、測定対象部分に酸素消光性塗料の励起波長の光をパルス照射し、塗布された酸素消光性塗料の発光強度減衰過程を、光ファイバを介して光のパルス周期よりも短い間隔で計測して単セル毎の酸素分圧分を把握し、その酸素分圧分布に基づき単セル単位で燃料ガス又は空気の少なくとも一方の流量を制御することを特徴とするものである。
本発明によれば、光ファイバの先端部近傍における酸素分圧分布等を、単セル単位で把握することができる。したがって、酸素分圧分布が低下した単セルの酸素流量を増大させる。一方、酸素分圧分布が増加した単セルの酸素流量を減少させることで、単セル単位で出力の安定化及び供給酸素量、燃料供給量の最適化を図ることが可能となる。なお、本発明をスタックに用いることとすれば、各単セルの運転状態を最適化することにより、スタック全体の出力の安定化及び供給酸素量の最適化を図ることが可能となる。
さらに、本発明において、前記光ファイバ先端部を、各単セルのアノード排気部又はカソード排気部の少なくとも一方に設置することが望ましい。
この構成によれば、イオン交換に実際に供した酸素量を、各単セルのアノード排気部又はカソード排気部の少なくとも一方の酸素量から、随時把握することができるので、燃料電池の出力の安定化及び供給酸素量の最適化を図ることが可能となる。
又、上記課題を解決するための、本発明に係る燃料電池の制御装置は、単セルの、酸素分圧分布等の測定対象部分の近傍に先端部が設置された光ファイバと、測定対象部分若しくは光ファイバ先端部の一方に塗布された酸素消光性塗料と、光ファイバを介して、測定対象部分に酸素消光性塗料の励起波長の光をパルス照射する光照射手段と、塗布された酸素消光性塗料の発光強度減衰過程を、光ファイバを介して光のパルス周期よりも短い間隔で計測する計測手段と、計測データから単セルの酸素分圧分を把握する処理手段と、把握された単セルの酸素分圧分布に基づき単セル単位で燃料ガス又は空気の少なくとも一方の流量を制御する制御手段とを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、単セル毎の、酸素分圧分布等の測定対象部分の近傍に光ファイバの先端部が設置され、かつ、測定対象部分若しくは光ファイバ先端部の一方に酸素消光性塗料が塗布されていることから、光ファイバを介して、測定対象部分に光照射手段から酸素消光性塗料の励起波長の光をパルス照射することにより、塗布された酸素消光性塗料を発光させることができる。そして、計測手段により、塗布された酸素消光性塗料の発光強度減衰過程を、光ファイバを介して光のパルス周期よりも短い間隔で計測し、処理手段によって計測データから単セル毎の酸素分圧分を、単セル単位で把握する。よって、イオン交換に実際に供した酸素量を、各単セルの測定対象部分の酸素量から、随時把握することができる。さらに、制御手段により、把握された単セル毎の酸素量に基づき、単セル毎に燃料ガス又は空気の少なくとも一方を制御する。その結果、単セル単位で出力の安定化及び供給酸素量の最適化を図ることが可能となる。なお、本発明をスタックに適用すれば、各単セルの運転状態を最適化することにより、スタック全体での出力の安定化及び供給酸素量の最適化を図ることが可能となる。
又、本発明において、前記光ファイバ先端部は、各単セルのアノード排気部又はカソード排気部の少なくとも一方に設置されていることが望ましい。
この構成によれば、イオン交換に実際に供した酸素量を、各単セルのアノード排気部又はカソード排気部の少なくとも一方の酸素量から、随時把握することができるので、燃料電池の出力の安定化及び供給酸素量の最適化を図ることが可能となる。
本発明はこのように構成したので、燃料電池の酸素分圧分布等を、燃料電池が運転状態にあるか否かを問わず正確に把握し、燃料電池の発電効率と耐久性の向上に寄与することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池の酸素分圧分布等の計測装置10は、図1に示されるように、測定対象部分に酸素消光性塗料が塗布されると共に当該部分が外部から視認可能に構成された燃料電池12と、測定対象部分に、酸素消光性塗料の励起波長の光をパルス照射する光照射手段である光源14と、測定対象部分の発光強度(輝度)の減衰過程を、光の照射パルス周期よりも短い間隔で撮影する撮像手段16とを備えている。又、光源14及び撮像手段16を制御し、かつ、燃料電池12の測定対象部分の酸素分圧分布及び温度分布を求める処理手段18を備えている。
燃料電池12は、固体高分子型の燃料電池であり、図2に断面構造を示すように、固体高分子膜20と、白金等の貴金属微粒子を含む触媒を材料とする薄膜電極22、24とからなるMEAが構成されている。又、アノード側の薄膜電極22の外側に隣接して燃料である水素ガスH2の供給路26が設けられ、カソード側の薄膜電極24の外側に隣接して空気O2の供給路28が設けられ、夫々、セパレータ30、32で密閉されている。
そして、セパレータ30、32の一部若しくは全部が、セパレータとしての機械的性質を満足する透明な材料、例えば、石英等で構成されている。したがって、測定対象部分であるアノード側セパレータ30の内側面30a、薄膜電極22の外側面22a、カソード側セパレータ32の内側面32a、薄膜電極24の外側面24aが、外部から視認可能となっている。さらに、アノード側セパレータ30の内側面30aと薄膜電極22の外側面22aの一方、及び、カソード側セパレータ32の内側面32aと薄膜電極24の外側面24aの一方には、酸素消光性塗料が塗布されている。なお、図2において符号34で示す部分は、電気モータ等の負荷を模式的に示したものである。
光源14は、後述のごとく、紫外から青色の励起光に反応して発光する酸素消光性塗料の性質に合わせて、励起光源が用いられており、例えば、青色発光LED、UV発光LED、青色レーザ、UVレーザ、紫外線ランプ等が適している。又、撮像手段16には、CCDカメラ等が用られている。処理手段18は、パーソナルコンピュータ等の電子計算機が用いられ、光源14の発光間隔の制御、撮像手段16の撮影間隔の制御、撮影画像の記録及び画像処理、計測結果の出力等を行うものである。そして、その制御ロジックにおいて、後述のごとく、測定結果の補正を行う補正手段18aが構成されている。
ところで、燃料電池12の測定対象部分、すなわち、アノード側セパレータ30の内側面30aと薄膜電極22の外側面22aの一方、および、カソード側セパレータ32の内側面32aと薄膜電極24の外側面24aの一方に、酸素消光性塗料を塗布する手順は、測定対象部分の有機物除去工程と、測定対象部分の親水化処理工程と、親水化処理された測定対象部分の疎水化処理工程と、測定対象部分への酸素消光性塗料の塗布工程からなるものである。ただし、予め対象表面が親水化されている場合は、この親水化処理を省略することができる。
具体的には、測定対象物の有機物除去工程では、例えば、2−プロパノールに各セパレータ30、32、各薄膜電極22、24を浸漬させ、必要に応じ超音波洗浄を行うことにより、製造工程においてそれらの表面に付着する有機物を除去する。
続いて、親水化処理工程では、例えば、各セパレータ30、32、各薄膜電極22、24にオゾン処理や硝酸/過酸化水素水処理を行うことにより、それらの表面にOH基を一様に分布させる。
さらに、疎水化処理工程では、親水下処理が完了した各セパレータ30、32及び各薄膜電極22、24を、例えば、オクチルトリクロロシラン(octhl−trichlorosilane)やオクタデシルトリクロロシラン(octadecyl−trichlorosilane)のクロロホルム溶液等に浸漬することにより、それらの表面のOH基に、疎水基を結合させる。
そして、疎水化処理された各セパレータ30、32及び各薄膜電極22、24の表面に、酸素消光性塗料を塗布する。酸素消光性塗料の塗布は、スプレー、刷毛による塗布等、必要に応じた方法により行う。
なお、ここで用いられる酸素消光性塗料は、例えば、バインダにポリスチレン等の酸素透過性のある高分子材料を用いる。ポリスチレンバインダは、比較的酸素透過性が小さく、大気圧以上の圧力でも膜内酸素濃度は飽和しないものであるが、図4に示すように、大気圧前後の圧力での酸素透過性が最も良好であり、圧力が増大するに従い、酸素透過率μは低化する。従って、固体高分子型の燃料電池12の運転環境において、優れた酸素透過性を示すものである。又、ポリスチレンバインダは、それ自体、疎水性を有している。一方、バインダに混入される色素には、白金ポルフィリンやルテニウム等、紫外から青色の励起光に反応して発光し、なおかつ酸素消光性を有する材料が用いられる。このように、酸素消光性塗料が以上の物質によって構成されることで、燃料電池の運転環境下における温度、湿度等様々な要因から、一般に輝度の低下を来す消光性塗料の劣化を、可能な限り防ぐことが可能となる。
ここで、図3を参照しながら、図1に示す酸素分圧分布等の計測装置10によって燃料電池12の酸素分圧分布及び温度分布を求める手順を説明する。
まず、燃料電池12のセパレータ30、32及び各薄膜電極22、24等の測定対象部分に対し、光源14から、図3(a)に示すように、酸素消光性塗料の励起波長の光を一定間隔(例えば、200マイクロ秒間隔(パルス周波数が5kHzの場合)。)でパルス照射する。又、燃料電池12の測定対象部分を、図3(c)に示すように、撮像手段16によって、光の照射パルス(図3(a))よりも短い間隔(例えば、10マイクロ秒間隔。)で三回撮影することで、図3(b)燃料電池12の測定対象部分の全体の発光強度の減衰過程を(二次元的に)得ることができる。このとき、一回の光のパルス照射の後、一回目に撮影された画像の発光強度を基準として、続く二回の画像の発光強度を比較することで、光源14の発光強度にばらつきが生じるような場合であっても、発光強度の減衰率を正確に得ることが可能である。なお、ここで得られる発光強度の減衰画像には、測定対象部分の酸素分圧分布に基づく発光強度の情報と、温度分布に基づく発光強度の情報との双方が含まれたものである。
なお、図示の例では、撮像手段16の撮影間隔は、光源14の発光の間に、一定間隔で三回行われているが、この撮影回数および撮影間隔は、光源14の発光間隔や、撮影によって得られる画像データの量とデータの解析精度との兼ね合いから、最適なものが選択される。
さらに、処理手段18の補正手段18aは、酸素消光性塗料の温度依存性を考慮して、撮影された画像の発光強度を補正する。具体的には、燃料電池12の非運転状態において、単純に燃料電池の測定対象部分の温度のみを変化させた場合の輝度の変化(図5参照)を予め把握しておき、これを、酸素分圧分布を測定するために発光強度を補正する際の、キャリブレーションデータとして使用する。又、燃料電池12の非運転状態において、単純に燃料電池の測定対象部分の酸素分圧分布のみを変化させた場合の輝度の変化も予め把握しておき、これを、温度分布を測定するために発光強度を補正する際のキャリブレーションデータとして使用する。
以上により、燃料電池12の試験時のみならず、実際の運転時においても、測定対象部分の酸素分圧分布と、温度分布とを計測することができる。
上記構成をなす、本発明の第1の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。
まず、燃料電池の酸素分圧分布等の測定装置10を用いて、燃料電池の酸素分圧分布及び温度分布を測定する際に、測定対象部分であるアノード側セパレータ30の内側面30a又は薄膜電極22の外側面22aの一方、および、カソード側セパレータ32の内側面32a又は薄膜電極24の外側面24aの一方に酸素消光性塗料が塗布されると共に、当該部分が外部から視認可能に構成された燃料電池12に対し、光源14から酸素消光性塗料の励起波長の光をパルス照射(図3(a))することにより、測定対象部分を発光させる。そして、撮像手段16により測定対象部分の発光強度の減衰過程を、光の照射パルス周期よりも短い間隔で撮影することで(図3(c))、測定対象部分全体の酸素分圧分布等を、当該部分に塗布された酸素消光性塗料の発光強度の減衰率(図3(b))に基づき把握することが可能となる。しかも、燃料電池12の測定対象部分が、測定対象部分自体に塗布された酸素消光性塗料の発光によって二次元的に視認されるので、測定対象部分の酸素分圧分布を、測定対象部分の面の全体にわたり、直接的に把握することが可能となる。
したがって、いわゆるクロスリークの変化が発生したような場合に、その発生原因となる孔は極めて小さいものであるが、本発明の第1の実施の形態のごとく、測定対象部分の酸素分圧分布を、測定対象部分の面の全体にわたり直接的に把握することで、燃料電池が運転状態にあるか否かを問わず燃料電池の状態を正確に把握し、燃料電池の発電効率と耐久性の向上に寄与することが可能となる。
しかも、ここで得られる発光強度の減衰率のデータには、測定対象部分の酸素分圧分布に基づく発光強度の情報と、温度分布に基づく発光強度の情報との双方が含まれたものであるが、補正手段18aにより、酸素消光性塗料の温度依存性を考慮して、撮像手段16で撮影された画像の発光強度を補正することにより、燃料電池12が実際に運転状態にあるときの、測定対象部分全体の酸素分圧分布を、正確に把握することが可能となる。又、酸素分圧分布に起因する発光強度の減衰率が正確に把握されることで、燃料電池が実際に運転状態にあるときの、測定対象部分全体の温度分布についても、発光強度の減衰率から正確に把握することが可能となる。
又、燃料電池の酸素分圧分布等の計測装置10に用いられている燃料電池12は、その製造工程において、酸素分圧分布等の測定対象部分であるアノード側セパレータ30の内側面30a、薄膜電極22の外側面22a、カソード側セパレータ32の内側面32a、薄膜電極24の外側面24aから有機物を除去し、さらに、測定対象部分の親水化処理の後、親水化処理された測定対象部分を疎水化処理して、測定対象部分へと酸素消光性塗料を塗布することで、測定対象部分と酸素消光性塗料との接着性を向上させることができる。したがって、燃料電池内部の温度や湿度等の環境下においても、酸素消光性塗料の塗膜に、高い耐久性を与えることが可能となる。
さらに酸素消光性塗料は、バインダに酸素透過性及び疎水性を有する高分子材料が用いられ、色素に酸素消光性を有する色素が用いられていることから、バインダの酸素透過性機能によって、酸素消光性塗料に含まれる色素に酸素が供給されて、色素はその酸素消光性機能を確実に発揮するものとなる。又、バインダ自体にも疎水性を持たせることで、燃料電池内部の温度や湿度等の環境下においても、酸素消光性塗料の塗膜に高い耐久性を与えることが可能となる。
続いて、図6を参照しながら、本発明の第2の実施の形態の説明を行う。なお、第1の実施の形態と同一部分若しくは相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
本発明の第2の実施の形態は、燃料電池の制御装置35を構成したものであり、単セル型の燃料電池が複数積層されたスタック型の燃料電池を制御することが可能となっている。具体的には、スタック36を構成する各単セル38、40、42,44、46の排気部38a、40a、42a、44a、46aに、光源14が発する励起波長のパルス光LAと、酸素消光性塗料の発光波長の光LBの何れも透過する光ファイバ48の先端部が配置されている。そして、光ファイバ48の各先端部48aには、酸素消光性塗料が塗布されている。ここで、各単セルの排気部38a、40a、42a、44a、46aには、アノード側の排気部とカソード側の排気部の双方が含まれ、アノード側の排気部とカソード側の排気部の何れにも、各々光ファイバ48の各先端部48aが配置されることが望ましい。
さらに、光ファイバ48は、分岐結合部50を介して、光源14のみならずアレイセンサ52にも接続されている。アレイセンサ52は、各単セル38、40、42、44、46の排気部38a、40a、42a、44a、46aに配置された、光ファイバ48の各先端部48aの、酸素消光性塗料の発光強度の減衰過程を把握するものである。
そして、処理制御手段54において、各単セルの排気部38a、40a、42a、44a、46aの酸素分圧を求めるものである。さらに、処理制御手段54から、各単セル38、40、42、44、46の、燃料及び空気の入口部38b、40b、42a、44b、46bに、空気(又は燃料ガス)の流量制御手段56(バルブ等)を設けたものである。なお、アレイセンサ52及び処理制御手段54によって、光ファイバ48の各先端部48aに塗布された酸素消光性塗料の発光強度減衰過程を、光のパルス周期よりも短い間隔で計測する計測手段と、計測データから単セルの酸素分圧分を把握する処理手段とを構成している。
燃料及び空気の入口部38b、40b、42a、44b、46bに設けた空気(又は燃料ガス)の流量制御手段56は、処理制御手段54によって、各々独立して空気(又は燃料ガス)の制御が自在となっている。
本発明の第2の実施の形態によれば、各単セル38、40、42、44、46毎の、酸素分圧分布等の測定対象部である排気部38a、40a、42a、44a、46aの近傍に光ファイバ48の先端部が設置され、かつ、光ファイバ先端部48aに酸素消光性塗料が塗布されている。そして、光ファイバ48を介して、光照射手段である光源14から酸素消光性塗料の励起波長の光LAをパルス照射することにより、光ファイバ48の先端部に塗布された酸素消光性塗料を発光させることができる。そして、計測手段52、54により、塗布された酸素消光性塗料の発光LBの発光強度減衰過程を、光ファイバ48及びアレイセンサ52を介して光源14から発せられた光のパルス周期よりも短い間隔で計測し、制御手段54によって計測データから単セル毎の酸素分圧分を、各単セル38、40、42,44、46単位で把握する。よって、イオン交換に実際に供した酸素量を、各単セル38、40、42、44、46の、アノード排気部又はカソード排気部の少なくとも一方の酸素量から、随時把握することができる。特に、カソード排気部の酸素分圧からは、各単セル38、40、42、44、46又はスタック36のカソードガス(O2)の流量又は圧力を求めることができ、アノード排気部の酸素分圧からは、各単セル38、40、42、44、46又はスタック36の状態を、常時把握することが可能となる(通常であれば、アノード排気部で酸素分圧はかなり低い。)。
さらに、制御手段54により、把握された単セル毎の酸素量に基づき、燃料及び空気の入口部38b、40b、42a、44b、46bに設けた空気の流量制御手段56を制御することにより、各単セル毎に空気又は燃料ガスの少なくとも一方を制御することができる。その結果、単セル38、40、42、44、46単位で出力の安定化及び供給酸素量の最適化を図ることが可能となり、さらには、スタック36全体での出力の安定化及び供給酸素量の最適化を図ることが可能となる。
したがって、本発明の第2の実施の形態によれば、実用に供されるスタック型の燃料電池の運転状態を把握して、燃料電池の最適運転を行うことが可能となる。具体的には、各単セル38、40、42、44、46の中で、カソード排気部の酸素分圧の低下が認められた単セルに関しては、酸素流量を増大させ又は燃料流量を減少させ、カソード排気部の酸素分圧の増加が認められた単セルに関しては、酸素流量を減少させ又は燃料流量を増大させることにより、各単セル毎の出力の安定化が図られることとなる。また、供給酸素量の低減によるコンプレッサーの小型化により、燃料電池の制御装置35全体としての小型化、高効率化が可能となる。よって、スタック36の運転効率の向上を図ることが可能となる。
なお、本発明の第2の実施の形態では、光ファイバ48の先端部48aは酸素消光性塗料を塗布することによって、光ファイバ先端部48a周辺部の酸素分圧の測定を可能としている。しかしながら、各単セルの排気部38a、40a、42a、44a、46aに酸素消光性塗料を塗布し、光ファイバ48には光源14が発する励起波長のパルス光LAと、酸素消光性塗料の発光波長の光LBを透過させる機能のみを持たせることとしても、同様の作用効果を得ることが可能である。また、光ファイバ先端部48aによる測定対象部分を、排気部以外の燃料または空気の流通路に設けることとしても良い。
又、詳しい説明は省略するが、本発明の第2の実施の形態においても、制御手段54は、第1の実施の形態と同様に、各単セルから得られた光ファイバ48の各先端部48aの、酸素消光性塗料の発光強度の減衰過程を、酸素消光性塗料の温度依存性を考慮して補正することが可能であり、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることが可能となる。
又、光ファイバ48の先端部48aに酸素消光性塗料を塗布する際にも、その塗布工程は、第1の実施の形態と同様に光ファイバ先端部48aの有機物除去工程と、光ファイバ先端部48aの親水化処理工程と、親水化処理された光ファイバ先端部48aの疎水化処理工程と、光ファイバ先端部48aへの酸素消光性塗料の塗布工程からなるものである。この塗布工程により、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることが可能となる。
又、酸素消光性塗料のバインダには、ポリスチレン等の酸素透過性のある高分子材料が用いられ、色素には、白金ポルフィリンやルテニウム等の紫外から青色の励起光に反応して発光する、酸素消光性を有する材料が用いられることによって、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることが可能となる。
さらには、本発明の第2の実施の形態における、カソード排気部の酸素分圧に基づく酸素流量の制御手法を、スタックを構成しない単セルにも適用することが可能である。
本発明の第1の実施の形態に係る、燃料電池の酸素分圧分布等の計測装置の構成を示す模式図である。 図1に示す燃料電池の酸素分圧分布等の計測装置の測定対象となる燃料電池の構造を、模式的に断面で示した図である。 図1に示す酸素分圧分布等の計測装置によって燃料電池の酸素分圧分布及び温度分布を求める手順を説明する図である。 ポリスチレンバインダの酸素透過性と圧力との関係を示したグラフである。 酸素消光性塗料の輝度と温度との関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係る、燃料電池の制御装置の構成を示す模式図である。
符号の説明
10:燃料電池の酸素分圧分布等の計測装置、12:燃料電池、14:光源、16:撮像手段、18:処理手段、18a:補正手段、20:固体高分子膜、22:アノード側薄膜電極、22a:外側面、24:カソード側薄膜電極、24a:外側面、26:水素ガスの供給路、28:酸素の供給路、30:アノード側セパレータ、30a:内側面、32:カソード側セパレータ、32a:内側面、35:燃料電池の制御装置、36:スタック、 38、40、42,44、46:単セル、 38a、40a、42a、44a、46a:排気部、 38b、40b、42a、44b、46b:入口部、48:光ファイバ、52:アレイセンサ、54:処理制御手段、56:流量制御手段.

Claims (12)

  1. 測定対象部分に酸素消光性塗料が塗布された燃料電池に対し、酸素消光性塗料の励起波長の光をパルス照射し、測定対象部分の発光強度の減衰過程を、光の照射パルス周期よりも短い間隔で撮影することを特徴とする燃料電池の酸素分圧分布等の計測方法。
  2. 酸素消光性塗料の温度依存性を考慮して、撮影された画像の発光強度を補正することにより、測定対象部分の酸素分圧分布又は温度分布を求めることを特徴とする請求項1記載の燃料電池の酸素分圧分布等の計測方法。
  3. 測定対象部分に酸素消光性塗料が塗布されると共に当該部分が外部から視認可能に構成された燃料電池と、測定対象部分に酸素消光性塗料の励起波長の光をパルス照射する光照射手段と、測定対象部分の発光強度の減衰過程を、光の照射パルス周期よりも短い間隔で撮影する撮像手段とを備えることを特徴とする燃料電池の酸素分圧分布等の計測装置。
  4. 酸素消光性塗料の温度依存性を考慮して、撮影された画像の発光強度を補正する補正手段を備えることを特徴とする請求項3記載の燃料電池の酸素分圧分布等の計測装置。
  5. 測定対象部分に酸素消光性塗料が塗布された燃料電池に対し、酸素消光性塗料の励起波長の光をパルス照射し、測定対象部分の発光強度の減衰過程を、光の照射パルス周期よりも短い間隔で撮影するための燃料電池の製造方法であって、
    酸素分圧分布等の測定対象部分の有機物除去工程と、測定対象部分の親水化処理工程と、親水化処理された測定対象部分の疎水化処理工程と、測定対象部分への酸素消光性塗料の塗布工程とを含むことを特徴とする燃料電池の製造方法。
  6. 前記酸素消光性塗料は、バインダに酸素透過性及び疎水性を有する高分子材料を用い、色素に酸素消光性を有する色素を用いることを特徴とする請求項5記載の燃料電池の製造方法。
  7. 測定対象部分に酸素消光性塗料が塗布されると共に当該部分が外部から視認可能に構成された燃料電池と、測定対象部分に酸素消光性塗料の励起波長の光をパルス照射する光照射手段と、測定対象部分の発光強度の減衰過程を、光の照射パルス周期よりも短い間隔で撮影する撮像手段とを備える燃料電池の酸素分圧分布等の計測装置に用いられる燃料電池であって、
    有機物の除去工程を経た後に親水化処理が施され、更に疎水化処理が施された酸素分圧分布等の測定対象部分に、酸素消光性塗料が塗布されていることを特徴とする燃料電池。
  8. 前記酸素消光性塗料は、バインダに酸素透過性及び疎水性を有する高分子材料が用いられ、色素に酸素消光性を有する色素が用いられていることを特徴とする請求項7記載の燃料電池。
  9. 単セルの、酸素分圧分布等の測定対象部分の近傍に光ファイバの先端部を設置し、測定対象部分若しくは光ファイバ先端部の一方に酸素消光性塗料を塗布し、光ファイバを介して、測定対象部分に酸素消光性塗料の励起波長の光をパルス照射し、塗布された酸素消光性塗料の発光強度減衰過程を、光ファイバを介して光のパルス周期よりも短い間隔で計測して単セル毎の酸素分圧分を把握し、その酸素分圧分布に基づき単セル単位で燃料ガス又は空気の少なくとも一方の流量を制御することを特徴とする燃料電池の制御方法。
  10. 前記光ファイバ先端部を、各単セルのアノード排気部又はカソード排気部の少なくとも一方に設置することを特徴とする請求項9記載の燃料電池の制御方法。
  11. 単セルの、酸素分圧分布等の測定対象部分の近傍に先端部が設置された光ファイバと、測定対象部分若しくは光ファイバ先端部の一方に塗布された酸素消光性塗料と、光ファイバを介して、測定対象部分に酸素消光性塗料の励起波長の光をパルス照射する光照射手段と、塗布された酸素消光性塗料の発光強度減衰過程を、光ファイバを介して光のパルス周期よりも短い間隔で計測する計測手段と、計測データから単セルの酸素分圧分を把握する処理手段と、把握された単セルの酸素分圧分布に基づき単セル単位で燃料ガス又は空気の少なくとも一方の流量を制御する制御手段とを備えることを特徴とする燃料電池の制御装置。
  12. 前記光ファイバ先端部は、各単セルのアノード排気部又はカソード排気部の少なくとも一方に設置されていることを特徴とする請求項11記載の燃料電池の制御装置。
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