JP2006330434A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブリスタが発生することのない定着装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 記録材上の未定着トナー像を加圧・加熱して固定する定着装置を備えた画像形成装置において、前記定着装置は、記録材裏面より未定着トナー像を加圧する外部加圧部材(93)と、該外部加圧部材(93)を冷却する冷却手段(951)とを有し、制御部(100)は、画像形成時の紙間比率に基づいて前記冷却手段(951)の作動を制御することを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電子写真方式により画像形成を行う複写装置、プリンタ等の画像形成装置に関し、特に定着装置によって未定着トナー像を加圧・加熱して定着を行う画像形成装置に関する。
画像形成装置では、像担持体(感光体)又は中間転写体上に形成されたトナー像は転写手段によって記録紙(転写材ともいう)上に転写され、トナー像を保持した記録紙は、定着装置の圧接状態にある加熱定着部材と加圧部材とによって形成される定着ニップ部を通過する間に加熱加圧され、トナーは記録紙上に融着して定着が行われる。
かかる定着に当たっては、ブリスタと称される画像形成上好ましくない現象がある。ブリスタは主に斤量の小さいコート紙が記録紙として用いられる際に生じる現象で、コート紙が定着ニップ部を通過する間に、トナー層中の空気や水分が外に逃げ切れずにトナー像内部で気泡となり、またコート紙中の水分がコート層を通過して蒸発する結果、トナー層表面がザラザラした画像の荒れが生じる現象である。
ブリスタ現象は、コート紙が加熱定着部材である例えば定着ベルトと、加圧部材である例えば外部加圧ローラとによって形成される定着ニップ部を通過する間に発生するトナー像を記録材上に溶融固定し、必要な光沢を得るためにはトナー像を十分な高温にする必要があるが、この加熱によって記録材や光沢にはあまり寄与しないトナー像下層も必要以上に加熱され、ブリスタの発生を引き起こす。トナー像下層や記録材の温度には、加圧部材の温度の影響が大きく加圧部材の温度を低く保つことによってブリスタが軽減されることが知られている。
しかし、外部加圧ローラは画像形成中は定着ベルトと圧接状態にあるので、積極的に加熱しなくても紙間や通紙領域外で定着ベルトから受け取る熱によって、外部加圧ローラの温度は許容温度を超え、ブリスタが発生する環境となってしまう。
特許文献1には、ブリスタが発生するのを防止する手段として、加熱定着部材である加熱定着ロールと、無端ベルト状の加圧部材の設定温度を異なる値に設定し、センサによって検知したそれぞれの検知温度状況に基づいて、加熱定着ロールと加圧部材とを離間した状態でそれぞれ回転する構成とすることが記載されている。
特許文献2には、転写材に紙しわや定着像の乱れを防止するのに、加圧ローラの軸方向に4個の冷却ファンを設け、紙サイズに応じてファンを駆動させて加圧ローラの高温箇所の温度を下げることが記載されている。
特許文献3には、定着ローラの最適加熱量を高加熱量から低加熱量に移行させる方法として、定着ローラの周面を冷却する冷却ファンを設け、定着ローラの温度が定着温度範囲より高い温度になった際、温度検知手段の温度検知信号に基づいて、制御手段が冷却ファンを作動させて、定着ローラ全体の温度を均一に低下させることが記載されている。
特開平11−194647号公報 特開平6−242701号公報 特開平10−20707号公報
ブリスタの発生を防止するのに、加熱定着部材と加圧部材とを離間させるという特許文献1の方法は、連続プリント時にはこれを中断して離間させる等の不具合が生じ好ましくない。
また、外部加圧ローラを冷却するのに、特許文献2又は3に記載された冷却ファンによってローラ外部から風を当てて冷却するという方法は、冷却した後の温風が機内に拡散し、熱汚染を引き起こす。
冷却ファン以外にヒートパイプを用い外部加圧ローラに当接させてローラ表面の冷却を行う方法もあるが、冷却を行うにはローラ表面とヒートパイプ間で温度差があることを必要とし、充分な冷却効果は得られない。
外部加圧ローラを冷却するのに、外部加圧ローラ温度を検知してこれらの冷却手段を用いて冷却を開始するときは、ローラ自体の熱容量によって冷却の効果が現れるのに遅れが生じ、冷却が間に合わないことがある。
本発明は、外部加圧ローラを冷却する際、機内への熱拡散を最小限にとどめ、外部加圧ローラの昇温がブリスタの発生が気にならない程度に抑えられて制御される定着装置を備えたカラー画像形成装置を提供することを目的とする。
前記の課題を解決し、かつ目的を達成するために、本発明は以下のように構成されている。
(請求項1)
像担持体と、該像担持体の周縁に画像形成手段とを設け、該像担持体上にトナー像を形成し、該トナー像を直接又は中間転写体を介して記録材上に転写し、記録材上の未定着トナー像を加圧・加熱して固定する加熱部材及び加圧部材を有する定着装置を備えた画像形成装置において、
前記定着装置は、記録材裏面より未定着トナー像を加圧する加圧部材を冷却する冷却手段とを有し、
画像形成時の紙間比率に基づいて前記冷却手段の作動を制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
(請求項2)
像担持体と、該像担持体の周縁に画像形成手段とを設け、該像担持体上にトナー像を形成し、該トナー像を直接又は中間転写体を介して記録材上に転写し、記録材上の未定着トナー像を加圧・加熱して固定する加熱部材及び加圧部材を有する定着装置を備えた画像形成装置において、
前記定着装置は記録材裏面より未定着トナー像を加圧する加圧部材を冷却する冷却手段とを有し、
画像形成時の記録材の紙斤量に基づいて前記冷却手段の作動を制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
(請求項3)
前記加圧部材は中空パイプを有し、前記冷却手段は前記中空パイプ内へ空気を強制的に注入する手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
請求項1記載の発明によるときは、加圧部材である外部加圧部材の冷却を行う冷却手段を、画像形成時の紙間比率に基づいて冷却作動するよう制御することによって、外部加圧部材が温度上昇を招く条件下では冷却手段を積極的に作動するよう制御がなされて、外部加圧ローラの温度がブリスタを生じ易い温度まで上昇するのを有効に防止し、ブリスタが生じることがない良好な定着画像が得られることとなる。
請求項2記載の発明によるときは、外部加圧部材の冷却を行う冷却手段を、画像形成時の記録材の紙斤量に基づいて冷却作動するよう制御することによって、ブリスタが生じ易い紙斤量の記録材に対しては、冷却手段を積極的に作動するよう制御を行い、外部加圧ローラの温度がそれぞれの記録材に対してブリスタが生じ易い温度まで上昇するのを有効に防止し、ブリスタが生じることがない良好な定着画像が得られることとなる。
請求項3記載の発明によるときは、ファンとダクトによって連結された中空の外部加圧ローラ芯金内に機外の冷えた空気が送風量が確保された形で供給されて、冷却後の温風が機内に拡散し熱汚染を引き起こすことなく、請求項1、2における冷却動作は良好に行われて、ブリスタが生じることがない良好な定着画像が得られることとなる。
(1) 本発明の実施の形態を説明する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
本発明にかかわる画像形成を可能とした画像形成装置について、図1にて以下に述べる。
図1において、画像形成装置GSは、画像形成装置本体GHと画像読取装置YSとから構成される。
画像形成装置本体GHは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、ベルト状の中間転写体6と給紙搬送手段及び後述する定着装置9とからなる。
画像形成装置本体GHの上部には、自動原稿送り装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置YSが設置されている。自動原稿送り装置201の原稿台上に載置された原稿Dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれる。この際、原稿台上から搬送される原稿Dは、光沢レベル選択手段として用いられる光沢度レベル検出センサPKaにより、原稿画像の光沢度、および原稿画像のモノクロ、カラーの判別や両面画像の判別が行われる。
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ信号は、画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行い、一旦メモリに記憶された後、画像書き込み部(露光手段)3Y、3M、3C、3Kに信号を送る。
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成部10Yは、像担持体としての感光体ドラム1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y及びクリーニング手段8Yを有する。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成部10Mは、像担持体としての感光体ドラム1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像装置4M及びクリーニング手段8Mを有する。シアン(C)色の画像を形成する画像形成部10Cは、像担持体としての感光体ドラム1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像装置4C及びクリーニング手段8Cを有する。黒(K)色の画像を形成する画像形成部10Kは、像担持体としての感光体ドラム1K、帯電手段2K、露光手段3K、現像装置4K及びクリーニング手段8Kを有する。帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光装置3C及び帯電手段2Kと露光装置3Kとは、潜像形成手段を構成する。
4Y、4M、4C、4Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)の、小粒径のトナーとキャリアからなる2成分現像剤を内包する現像装置である。
中間転写体6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
画像形成部10Y、10M、10C及び10Kより形成された各色の画像は、300mm/sの速度で回動する中間転写体6上に転写手段7Y、7M、7C及び7Kにより逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材としての記録紙Pは、給紙手段21により給紙され、給紙ローラ22A、22B、22C、レジストローラ23等を経て、転写手段7Aに搬送され、記録紙P上にカラー画像が転写される(2次転写)。カラー画像が転写された記録紙Pは、定着装置9に形成される加圧ニップ部N(図2参照、図1には不図示)において記録紙Pが挟持され、熱と圧力とを加えることにより記録紙P上のカラートナー像(或いはトナー像)が定着されて記録紙P上に固定され、排紙経路側の排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
両面画像形成時には、一方の面(表面)にカラー画像(カラートナー像)が形成され、定着装置9から排出された記録紙Pは、分岐手段26によりシート排紙路から分岐され、それぞれ給紙搬送手段を構成する、下方の循環通紙路27Aを経て、再給紙機構(ADU機構)である反転搬送路27Bにより表裏を反転され、再給紙搬送部27Cを通過して、給紙ローラ22Dにおいて合流する。反転搬送(循環反転搬送)された記録紙Pは、タイミングローラ23を経て、再度2次転写ローラ7Aに搬送され、記録紙Pの他方の面(裏
面)上にカラー画像(カラートナー像)が一括転写される。カラー画像が転写された記録紙Pは、定着装置9により定着処理され、排紙経路側の排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
一方、転写手段7Aにより記録紙Pにカラー画像を転写した後、記録紙Pを曲率分離した中間転写体6は、クリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
(2) 本発明の画像形成装置に用いられるベルト定着装置について、図2を用いて以下に説明する。
定着装置9は、金属基体もしくは耐熱樹脂基体とシリコンゴムをベルト状に成型した定着ベルト91と、これを支持搬送し、転写材と定着ベルト91を間に挟んで加圧加熱定着する支持加圧ローラ92、及びこれと対向する外部加圧ローラ93、定着ベルト91を支持搬送するヒータ94aを内蔵した支持加熱ローラ94より成る。上記構成のベルト定着装置9では、支持加圧ローラ92と外部加圧ローラ93により加圧ニップ部Nが形成される。
支持加圧ローラ92は、肉厚2〜5mmの円筒状の金属パイプ若しくは金属軸を用いた回転軸921と、該回転軸921の外周面に7mm厚のSiゴムの弾性層922を固着した外径40mmのソフトローラである。
外部加圧ローラ93は、肉厚3mmの円筒状のアルミパイプを用いた中空の内径38mmの回転軸931と、該回転軸931の外周面に2mm厚のSiゴムの弾性層932を固着し、更にその外側に離型層としてPFA(パーフルオロアルコキシ)チューブ933で被覆した外径50mmのソフトローラである。
外部加圧ローラ93の弾性層932に対して支持加圧ローラ92の弾性層922の方が軟らかい材料を使用し、しかも弾性層が厚いので、加圧ニップ部Nにおいては支持加圧ローラ92が主に変形して圧接状態を保っている。実施例では、900Nの荷重をかけて、14mmのニップ部を形成している。また、予備加熱を行うウォーミングアップ時には350Nの押圧力をもって、外部加圧ローラ93は定着ベルト91を介して支持加圧ローラ92に当接している。そして、外部加圧ローラ93は連続プリント時には押圧状態を維持し、プリント動作が終了すると離間した状態に移動する。
本実施例では、中空の外部加圧ローラ93中をON/OFF制御がなされるファンモータ951による送風が、ダクト952を通して行われる。図3は、送風経路を示す断面図である。
ファンモータ951の駆動によって、機外の空気はダクト952の一端をなす空気導入口952aから吸気され、空気排出口952bから排出される。固定位置したダクト952に対して外部加圧ローラ93は移動するので、空気排出口952bに対向した外部加圧ローラ93端部には空気流出防止部材935が設けられていて、空気排出口952bから排出する空気はすべて中空をなす外部加圧ローラ93中を通過し、冷却するよう構成されていて、本実施例では風速12m/s、6m/sの2段階にファンモータ951の駆動回転は切り替えられて、外部加圧ローラ93中の送風が行われる。外部加圧ローラ93を通過した温風は排出用のダクト953を通り、軸流ファン954によって他の排気と共に機外に排出される。なお、ファンモータ951による送風は、導風路が狭いので、ファンは静圧が高く、圧力損失が大きい用途に適したシロッコファンが好ましく用いられるが、これに限定されるわけではない。
支持加圧ローラ92に掛け回された定着ベルト91は、70μm厚のポリイミド基体の外側に200μmのSiゴム層と30μmのPTFEコーティング層を有するφ80mmの無端ベルトである。定着ベルト91は、同じく掛け回された支持加熱ローラ94が内蔵するヒータ94aによって加熱ローラを介して伝熱加熱される。
支持加熱ローラ94は肉厚2mmのアルミ芯金の外周にフッ素樹脂層を設けた外径50mmのローラで、ローラ端部には寄り止め用の鍔が設けらていて、定着ベルトが軸方向へ滑らないよう位置規制を行っている。
(3) 図4には、電気制御系の概要を示している。110は演算制御処理を行うCPUで、RAM111、ROM112が接続している。ROM112には演算基礎データをはじめ、片面画像形成モードプログラム、両面画像形成モードプログラム、本発明の外部加圧ローラ冷却プログラム等を記憶していて、CPU110はインターフェース120を介して外部機器に接続されている。
インターフェース120には、帯電手段2、露光手段3、現像装置4等の像露光手段121、現像装置9、記録紙の給紙、搬送、反転搬送、排紙等を行う記録紙搬送手段122が接続されている。
また、図1に示した画像形成装置には、操作・表示部30が設けられていて、プリント動作の開始を指示するスタート釦、使用記録紙のサイズを選択するサイズ選択釦、記録紙のプリント枚数を指示するテンキー、画像濃度を選択する画像濃度選択釦等のほか、片面画像/両面画像プリント、両面画像プリントでは更に倍率補正と倍率補正なしの選択釦が設けられている。
ユーザが操作・表示部30の片面画像プリントを選択し、スタート釦をONすると、CPU110はROM112から片面画像形成モードプログラムを呼び出し、呼び出したプログラムに従って画像形成の制御を行う。即ち、CPU110は記録紙搬送手段122を制御して、該当する給紙カセット20から記録紙Pを搬出し、像形成手段121を制御して中間転写体6上に形成されてトナー像を記録紙P上に転写し、トナー像を片面に保持した記録紙Pを定着装置9を通過して定着がなされたのち、排紙経路を通って機外に排出されるよう制御を行う。
また、ユーザが操作・表示部30の両面画像プリントを選択し、スタート釦をONすると、CPU110はROM112から両面画像形成モードプログラムを呼び出し、呼び出したプログラムに従って画像形成の制御を行う。即ち、CPU110は記録紙搬送手段122を制御して、該当する給紙カセット20から記録紙Pを搬出し、像形成手段121を制御して中間転写体6上に形成されたトナー像を記録紙Pの一方の面(表面)上に転写し、トナー像を一方の面(表面)に保持した記録紙Pを定着装置9を通過して定着がなされたのち、反転搬送路を経て再度転写手段7Aへと搬送を行い、像形成手段121を制御して中間転写体6上に形成された次のトナー像を記録紙Pの他方の面(裏面)上に転写し、転写を終えた記録紙Pが定着装置9を通過して定着がなされたのち、両面に画像を有した記録紙Pを排紙経路を通って機外に排出されるよう制御を行う。
本実施例においては、両面画像形成モードプログラム内は、更に表裏倍率補正ありと、倍率補正なしの2つのモードの何れかが選択されるようになっている。
高画質が求められている場合は、両面画像形成時に定着して記録紙が収縮し、表裏の画像倍率に差ができるのを防止するため、倍率補正モードが設けられていて、倍率補正モードが選択されたときは、表裏の画像形成時に未定着画像倍率の変更を行う。倍率変更時にはポリゴン回転数変更を行うので、回転数変更時間を確保することができるよう、通常本実施例では4枚毎に表裏面定着を行うのに対し、倍率補正モードでは1枚の画像形成・定着をとばして3枚毎に出力するよう制御を行う。
一方、両面画像形成時に高速プリント処理が求められるときは、倍率補正なしのモードが選択されて、4枚目毎の表裏面定着を行うよう制御がなされる。
本発明においては、片面画像形成又は両面画像形成のモードプログラムの遂行と並行して、ROM112に記憶された外部加圧ローラ冷却プログラムが呼び出されて、CPU110による操作・表示部30に入力された情報に基づいてのファンモータ951を駆動しての外部加圧ローラ93の冷却動作が行われる。
(4) 次に説明する実施の形態では、外部加圧ローラ冷却プログラムは、画像形成時の紙間比率に基づいて冷却手段であるファンモータ951の作動を制御するものである。
操作・表示部30からの画像出力信号で指定された紙間比率・通紙枚数で、外部加圧ローラ温度がブリスタ発生温度まで上昇することが予想される場合は、外部加圧ローラ温度がブリスタ発生温度まで上昇する前に、ファンモータ951による送風を開始する。外部加圧ローラ温度上昇は、紙斤量と紙間比率によって決まり、定着システムごとに実験によって定める。
紙間比率は、定着部材(この場合定着ベルト91)の走行距離に占める紙間(プリントとプリント紙の間の距離)の比として定義した。A4サイズ(210mm)を90mmの紙間隔、すなわち300mm/sの60ppm(プリント/分)で定着すれば、90/(210+90)=0.3であるが、前述のように両面画像形成で表裏見当あわせ(倍率補正)のために、生産性を3/4にすれば、(90×4+210)/{(210+90)×4}=0.48となる。
紙間比率と飽和外部加圧ローラ温度の関係の例を示したのが図5である。
図上から、紙間比率が大となるに従って飽和外部加圧ローラ温度は高くなる傾向にあることを示している。また、コート紙の紙斤量が大になるほど飽和外部加圧ローラ温度は低下する傾向にあることを示している。
図6に示すグラフは、69g/m2紙を45ppmで定着したときの、定着ベルト91の温度推移C6Bと、外部加圧ローラ93の温度推移C6Aを表している。高温の定着ベルト91との圧着によって外部加圧ローラ温度は、紙間でベルトから熱を受け取ることによって徐々に昇温する。通紙開始から250sすなわち200プリント程度で外部加圧ローラ93は140℃に達し、ブリスタは到底許容できないレベルになる。
このように外部加圧ローラ93が許容温度以上になると予想される紙間比率及び紙斤量では、冷却用のファンモータ951を作動させ、外部加圧ローラ93の温度上昇を抑制する。芯金である回転軸922内にファンモータ951で12m/sの風速で室温の空気を注入したところ、同条件での外部加圧ローラ飽和温度は115℃で、ブリスタを許容できるレベルに抑えることができた。もちろん、ブリスタをより完全に抑えたい場合には、もっと低い昇温予想で動作させてもよい。
実際の制御は、紙間比率を算出せずとも、紙サイズ・生産性などのテーブルによってファンモータ951の動作を決めてもよい。下記に一例として、紙サイズ−冷却ファンの作動テーブルを示している。
Figure 2006330434
CPU110は、操作・表示部30に入力されたプリントしようとする紙サイズと、片面、両面(倍率補正なし)、両面(倍率補正あり)の何れのプリントモードであるかに従って、上記のテーブルからファンモータ951の駆動を、H(風速12m/sとなるモータ駆動)、L(風速6m/sとなるモータ駆動)、OFFの何れかによる駆動を行う。
また、このテーブルに画像形成装置に搭載した温度センサもしくは湿度センサの情報も加えて、ブリスタが出やすい条件では、外部加圧ローラ温度をより低く制御するようにすると好ましい。
本実施例では、機外への温風排出を最小限にとどめるため、外部加圧ローラの昇温が、ブリスタが気にならない程度と予想されれば、ファンを駆動しないようにする。ファンを駆動しない方が、ヒータ電力、ファン電力が削減できるので、省エネの点で、不要時のファン駆動はしないことが望ましい。画質優先でブリスタが発生しやすい斤量(例えば100g/m2以下の紙)では常にファンを駆動するようにしてもよい。
通紙が終了したら、ファンを止める。内側の温度の方が温度が低いため、通紙終了直後にファンを止めても、ヒータを内蔵した定着ローラのように温度が急上昇することはない。
冷却風は外部加圧ローラ回転軸931端部の開口部より注入され、反対側の開口部より排出される。ローラを外周から冷却する場合に比べて導風路の形成ははるかに容易であり、機内への熱拡散を抑制できる。
また、外部加圧ローラ温度を低く保つことにより、ベルトの外部加圧ローラと接触した領域と紙に接触した領域の境界に生じる温度差が、ベルト1周後まで残り、光沢の段差をつくる不具合を軽減する効果もある。
このような構成・制御をとることによって、機内の温度上昇による不具合のない、ブリスタの抑制された高画質の画像形成がなされる画像形成装置が提供される。
(5) 次に説明する実施の形態では、外部加圧ローラ冷却プログラムは、画像形成時の記録紙の紙斤量によって冷却手段であるファンモータ951の作動の制御を行うものである。
ブリスタの発生は、紙斤量と外部加圧ローラ温度によって決まる。下表に本実施例でのブリスタの発生状況を示す。
Figure 2006330434
上表で、×はブリスタ発生率が高いことを示し、△は画像形成時に時おりブリスタが発生することを示し、○はブリスタは発生しないで良好な定着画像が得られることを示している。
通紙中に紙が外部加圧ローラ93に当接して、外部加圧ローラ93から奪う熱量より、紙間で定着ベルト91と外部加圧ローラ93が当接してベルトから供給される熱量の方が大きいと、外部加圧ローラ温度は徐々に上昇する。薄めのコート紙である80g/m2で速度300mm/s、生産性65ppmだと、外部加圧ローラ温度は120〜130℃でとどまる。両面画像形成モードで倍率補正を行う動作時には生産性は48ppm程度なって紙間が倍増し、外部加圧ローラ温度は80g/m2紙で150℃、100g/m2紙でも140℃まで上昇する。
また上の表は、環境温度25℃、環境湿度40%RH程度のときのものだが、さらに高温高湿で、紙の含水率が高くなると、ブリスタの発生温度は低くなる。
本実施の形態においても、ファンモータ951の制御は、紙斤量・生産性などのテーブルによって動作を決めることができる。下記には一例として、紙斤量−冷却ファンの作動テーブルを示している。
Figure 2006330434
CPU110は、操作・表示部30に入力されたプリントしようとするコート紙の紙斤量と、片面、両面(倍率補正なし)、両面(倍率補正あり)の何れのプリントモードであるかに従って、上記のテーブルからファンモータ951の駆動をH、L、OFFの3段の何れかが選択されて駆動を行う。
このような構成・制御をとることによって、機内の温度上昇による不具合のない、ブリスタの抑制された高画質の画像形成がなされる画像形成装置が提供される。
(6) 上記説明においては、ブリスタを回避する手段として、必要に応じ外部加圧ローラ93を冷却することについて述べて来た。しかし、外部加圧ローラ93を無条件に冷却するのは好ましくない。
外部加圧ローラ温度が低すぎると紙カールが大きくなる不具合が生じるため、100℃程度まで加熱・温度維持する。外部加圧ローラ93内にヒータを設置すると冷却性能を損なうので、本実施例ではヒータは設けなかった。かわりに定着ベルト91と外部加圧ローラ93を圧着回転させて、ベルトを介して外部加圧ローラ93を加熱する。電源投入後あるいは、待機後に外部加圧ローラ温度を上げる時には、ファンモータ951を止めたままにし、加熱ローラヒータに通電し、外部加圧ローラ93を圧着回転させる。
冷却風路や送風手段能力に余裕があれば、より迅速で、ベルトに負荷をかけないように、外部加圧ローラ93加熱のためにヒータを内蔵してもよい。
画像形成装置の概略断面図。 ベルト定着装置の断面図。 送風経路を示す断面図。 電気制御系の概要ブロック図。 紙間比率と外部加圧ローラ温度との関係を示すグラフ。 定着ベルトと外部加圧ローラの温度推移を示すグラフ。
符号の説明
6 中間転写体
7A 転写手段
9 定着装置
91 定着ベルト
92 支持加圧ローラ
93 外部加圧ローラ
931 回転軸
951 ファンモータ
952 ダクト
30 操作・表示部
100 制御部
110 CPU
112 ROM

Claims (3)

  1. 像担持体と、該像担持体の周縁に画像形成手段とを設け、該像担持体上にトナー像を形成し、該トナー像を直接又は中間転写体を介して記録材上に転写し、記録材上の未定着トナー像を加圧・加熱して固定する加熱部材及び加圧部材を有する定着装置を備えた画像形成装置において、
    前記定着装置は、記録材裏面より未定着トナー像を加圧する加圧部材を冷却する冷却手段とを有し、
    画像形成時の紙間比率に基づいて前記冷却手段の作動を制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 像担持体と、該像担持体の周縁に画像形成手段とを設け、該像担持体上にトナー像を形成し、該トナー像を直接又は中間転写体を介して記録材上に転写し、記録材上の未定着トナー像を加圧・加熱して固定する加熱部材及び加圧部材を有する定着装置を備えた画像形成装置において、
    前記定着装置は記録材裏面より未定着トナー像を加圧する加圧部材を冷却する冷却手段とを有し、
    画像形成時の記録材の紙斤量に基づいて前記冷却手段の作動を制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記加圧部材は中空パイプを有し、前記冷却手段は前記中空パイプ内へ空気を強制的に注入する手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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