JP2006329765A - 測位装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
車体の状態値の測定が精度良く行える測位装置を提供することを図る。
【解決手段】
測位用衛星からの信号に基づいて電波受信地点の測位を行う測位部6と、移動体の状態値を検出するセンサ7と、を備え、トリガ信号発生部によりトリガ信号を所定周期で発信し、前記トリガ信号をトリガとして、キャリアNCOの周波数を前記測位用衛星からの信号に同調させ、第1のトリガ信号から第2のトリガ信号までの期間における、電波受信地点の移動量を測定するとともに、第1のトリガ信号から第2のトリガ信号までの期間における、前記センサの検出する状態値の変化量を測定する。
【選択図】 図2
車体の状態値の測定が精度良く行える測位装置を提供することを図る。
【解決手段】
測位用衛星からの信号に基づいて電波受信地点の測位を行う測位部6と、移動体の状態値を検出するセンサ7と、を備え、トリガ信号発生部によりトリガ信号を所定周期で発信し、前記トリガ信号をトリガとして、キャリアNCOの周波数を前記測位用衛星からの信号に同調させ、第1のトリガ信号から第2のトリガ信号までの期間における、電波受信地点の移動量を測定するとともに、第1のトリガ信号から第2のトリガ信号までの期間における、前記センサの検出する状態値の変化量を測定する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、測位部とセンサとの測定タイミングを同期した測位装置に関する。更に詳しくは、本発明は、測位部が測定する移動量と、センサにより検知する状態値と、の同期測定に関する。
従来から自動車などの車体や車輪の状態測定技術として、GPSなどの測位装置の測位データと、測位用衛星からの信号のキャリア位相の変化量を用いて、車体の移動量を高精度に測定する技術が公知である(特許文献1参照。)。
また、GPSの測位データから車輪の回転量あたりの推定移動量を推定し、方位センサから取得した移動方向と、前述の推定移動量とを用いてパルス距離計数を算出することで高精度に移動量を測定する技術も公知である(特許文献2参照。)。
このように測位装置の出力データをもとに、車体や車輪の状態を高精度に把握する測定技術が用いられている。
特開2002−22816号公報
特許第2647342号明細書
ところで、近年、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)や車の横滑りを防止するための電子安定化プログラム(ESP)と呼ばれる技術が普及してきている。このような車体制御技術では、車体や車輪の状態測定を短時間で行うことが重要であり、例えば、10−3secから10−1sec程度の短時間での車体や車輪の状態を様々なセンサを用いて高精度に測定することが求められている。
また、それらのセンサの測定値と上述の測位装置からの出力データを基に、さらに多様な車体や車輪の状態を測定することも求められている。
しかし上記した従来の測位装置は、ABSやESPを想定したものでは無く、ABSやESPでの車体制御に必要な10−3secから10−1sec程度の短時間で測定するものではなかった。
10−3secから10−1sec程度の短時間での移動量や移動速度(以下、このような短時間で測定された移動量を瞬時移動量、移動速度を瞬時移動速度という。)を測定するために、従来の測位装置の出力間隔を単純に短くすることで、センサの測定値を基に、多様な車体や車輪の状態を測定することも考えられるが、仮にそのように測位装置を設定したとしても、単純に測位装置の出力間隔を短くするだけでは充分な精度を得られるものではなかった。
そこで本発明の目的は、従来技術の前記問題点を解決し、車体の状態値の測定が精度良く行える測位装置を提供することにある。
上記の問題の原因は、出力間隔を短くした場合には、それぞれのセンサと測位装置の測定時のずれが算出データに与える影響が大きくなることにある。
そこで本発明では以下に示す態様をとることで上記問題を解決する。なお、以下に示す測位装置では、キャリアNCOの発信するキャリア信号を搬送波のキャリア周波数に同調させる動作をトリガ信号と同期して行い、キャリアNCOの出力タイミングもトリガ信号と同期するものとする。さらに、このトリガ信号の発信は10−3secから10−1sec程度の短い周期で行うものとする。
前記課題を解決するために本発明の測位装置は、キャリアNCOの周波数を前記測位用衛星からの信号に同調させるトリガ信号を、所定周期で発信するトリガ手段と、前記トリガ信号に基づいて、第1のトリガ信号から第2のトリガ信号までの期間における、電波受信地点の移動量を測定する瞬時移動量測定手段と、前記トリガ信号に基づいて、第1のトリガ信号から第2のトリガ信号までの期間における、前記センサの検出する状態値の変化量を測定する状態変化量測定手段と、を有することを特徴とする。
このように、キャリアNCOのトリガ(基準タイミング)として用いられ、10−3secから10−1sec程度の短周期で発信するトリガ信号を、移動量測定の基準タイミングとしても用いることで、トリガ信号と移動量測定とを同期して計測できる。また、トリガ信号をセンサの状態変化量測定の基準タイミングとしても用いることで、トリガ信号と状態変化量測定とも同期して計測できる。そのため、移動量と状態変化量とを同期して測定できる。
これにより、瞬時移動量と瞬間的な状態変化量(以下、瞬時状態変化量。)であっても、同期して測定でき、精度の高い測定値を得ることができる。また、その瞬時移動量と、瞬時状態変化量を用いて、演算により他の状態量を算出する場合であっても、高精度な算出が行える。そのため、車体や車輪の状態を正確に把握することができる。
ここで、図1にトリガ信号、移動量の測定時、センサの測定時を説明するための概念図を示す。図1(a)は従来の測位装置の出力間隔を単純に短くした場合を示す図であり、図1(b)は、本発明の測位装置を用いた場合を示す図である。Tcnは、トリガ信号の立ち上がり時を示し、Txnは移動量測定の開始時、Tynはセンサの測定の開始時を表す。
図1(a)に示す従来の測位装置を用いた場合において、移動量の測定時Txnとセンサの測定時TynとをキャリアNCOの出力タイミングTcnと同程度まで短い時間で行ったとしても、それぞれは同一のタイミングで行われるものではない。そのため、当然に移動量測定と状態変化量測定とは同期するものでは無かった。また、キャリアNCOの出力タイミング、移動量の測定時、センサの測定時、はそれぞれ同一の時間間隔とはならない。
一方、図1(b)に示す本発明の測位装置を用いた場合において、キャリアNCOの出力タイミングTcnと、移動量の測定時Txnと、センサの測定時Tynと、は同一である。また、キャリアNCOの出力タイミング、移動量の測定時、センサの測定時、はそれぞれ同一の時間間隔となる。そのため、当然に移動量測定と状態変化量測定とは同期したものである。このように、本発明を用いれば、瞬時移動量と瞬時状態変化量とを同期して測定でき、車体や車輪の状態を正確に把握することができる。
また、前記課題を解決するため本発明は、第1のトリガ信号から第2のトリガ信号までの期間における瞬時移動量から、前記期間での移動速度を算出する瞬時移動速度算出手段を有する。
ここで、瞬時移動速度の算出について説明する。瞬時移動速度(V)は、トリガ信号の周期(T)と測位装置により求めた瞬時移動量(L)により求めることができ、その算出式は、
V=L/T
と表すことができる。
V=L/T
と表すことができる。
このように、瞬時移動速度を、トリガ信号の周期に対応させて算出することで、トリガ信号と同期した瞬時移動速度を得ることができる。そのため、本発明を用いれば、瞬時移動量と瞬時状態変化量と瞬時移動速度を同期して測定でき、車体や車輪の状態を正確に把握することができる。
また、前記課題を解決するため本発明は、第1のトリガ信号から第2のトリガ信号までの期間における、瞬時移動量または瞬時移動速度から、鉛直方向の成分と水平方向の成分とを算出して、移動の勾配を算出する勾配算出手段を有する。
ここで、移動の勾配の算出について説明する。移動の勾配とは、偏位方向や速度方向の水平方向からの傾斜角度であり、道路の起伏により生じる。
この移動の勾配θは、受信点の3次元方向の瞬時移動量、すなわち、地球固定座標系での東西方向の瞬時移動量Deと南北方向の瞬時移動量Dnと垂直方向の瞬時移動量Duとから算出でき、勾配θが以下の式により算出できる。
θ=atan(Du/(De2+Dn2 )1/2)
また、移動の勾配θは、受信点の3次元方向の偏位量に代えて、受信点の3次元方向の瞬時移動速度、すなわち、地球固定座標系での東西方向の瞬時移動速度Veと南北方向の瞬時移動速度Vnと垂直方向の瞬時移動速度Vuとから算出することもでき、この受信点の3次元方向の瞬時移動速度によって、勾配θが以下の式により算出できる。
θ=atan(Vu/(Ve2+Vn2 )1/2)
このように、勾配θを、トリガ信号の周期に対応させて算出することで、トリガ信号と同期した期間での移動による勾配を得ることができる。そのため、本発明を用いれば、瞬時状態変化量と勾配とを同期して測定でき、車体や車輪の状態を正確に把握することができる。
θ=atan(Du/(De2+Dn2 )1/2)
また、移動の勾配θは、受信点の3次元方向の偏位量に代えて、受信点の3次元方向の瞬時移動速度、すなわち、地球固定座標系での東西方向の瞬時移動速度Veと南北方向の瞬時移動速度Vnと垂直方向の瞬時移動速度Vuとから算出することもでき、この受信点の3次元方向の瞬時移動速度によって、勾配θが以下の式により算出できる。
θ=atan(Vu/(Ve2+Vn2 )1/2)
このように、勾配θを、トリガ信号の周期に対応させて算出することで、トリガ信号と同期した期間での移動による勾配を得ることができる。そのため、本発明を用いれば、瞬時状態変化量と勾配とを同期して測定でき、車体や車輪の状態を正確に把握することができる。
また、前記課題を解決するため本発明は、前記センサが、移動体の加速度を検出する加速度センサであることを特徴とする。
このように、センサとして加速度センサを用いると、加速度センサでの加速度の検出を、トリガ信号の周期に対応させて行うことで、トリガ信号と同期した加速度を得ることができる。そのため、本発明を用いれば、車体や車輪の状態を正確に把握することができる。
また、前記課題を解決するため本発明は、前記センサが、移動体の車輪の回転を検出するパルスセンサであり、前記状態変化量測定手段はパルスをカウントして、パルスカウント変化量を測定する。
ここで、車輪の回転数と回転周波数との算出について説明する。車輪には一周に複数のパルス計測点(N個)が配置してあり、パルスセンサがパルスを検出し、カウンタでそのパルス数をカウントする。車輪の回転数(n)(以下、瞬時車輪回転数。)と車輪の回転周波数(f)(以下、瞬時回転周波数。)はトリガ信号の周期(T)でセンサによりカウントしたパルスカウント変化量(ΔN)により求めることができ、その算出式は、
n=ΔN/N
f=T/n=T×N/ΔN
と表すことができる。
n=ΔN/N
f=T/n=T×N/ΔN
と表すことができる。
このように、センサとしてパルスセンサを用いることもでき、この場合には、移動体の車輪の回転量を、トリガ信号の周期に対応させて算出することで、トリガ信号と同期した瞬時車輪回転数と瞬時回転周波数とを得ることができる。そのため、本発明を用いれば、車体や車輪の状態を正確に把握することができる。
また、前記課題を解決するため本発明は、予め設定された1パルスあたりの車輪の転がり長さと、第1のトリガ信号から第2のトリガ信号までの期間における前記パルスカウント変化量と、をもとに、前記期間での車輪の転がり長さを算出する回転周長算出手段を有する。
ここで、トリガ信号の周期でカウントした車輪の転がり長さ(以下、瞬時回転周長。)(m)の算出について説明する。1パルスあたりの回転周長(Δm)は予め設定されるものとするが、例えば、車輪半径(R)と車輪の一周のパルス計測点の数(N)とから求めることもできる。また、上記特許文献2のもの(パルス距離係数)を用いることもできる。すると、瞬時回転周長(m)は、パルスカウント変化量(ΔN)と1パルスあたりの回転周長(Δm)とから求めることができ、その算出式は、
Δm=2×π×R/N
m=Δm×ΔN
と表すことができる。
Δm=2×π×R/N
m=Δm×ΔN
と表すことができる。
このように、瞬時回転周長を、トリガ信号の周期に対応させて算出することで、トリガ信号と同期した車輪の転がり長さを得ることができる。そのため、本発明を用いれば、車体や車輪の状態を正確に把握することができる。
また、前記課題を解決するため本発明は、車輪回転周長算出手段により算出した前記期間での車輪の転がり長さと、瞬時移動量算出手段により算出した前記瞬時移動量との差分を出力する出力手段を有する。
このように、本発明の測位装置では出力手段により、測位装置をもとに計測した正確な瞬時移動量と、センサをもとに計測した瞬時回転周長とを出力することで、容易にこれらを比較し、様々な移動体の状態値を算出することができる。ここで瞬時回転周長は車輪の回転から測定した車輪の回転半径による誤差や、スリップによる誤差などを含んだ、推定移動量とみなすことができ、同期して計測した瞬時移動量と瞬時回転周長とから、それらの誤差を求めることもできる。
以上詳記したとおり、本発明は、測位部とセンサの同期に関するものであり、本発明により奏せられる効果は次のとおりである。
本発明によれば、短時間での車体の状態変化量や瞬時移動量、移動の勾配、車輪回転量、瞬時加速度、1パルスあたり移動量、推定移動速度、瞬時移動速度などの検出ができ、精度の高い測定ができる。そのため車体や車輪の状態をより正確に把握することができる。
次に本発明の第1の実施形態について説明する。ここで、図2に本実施形態の測位装置のブロック図を示す。
本実施形態の測位装置8は測位部6とセンサ7とからなる。測位部6とセンサ7とは、信号線で接続しており、測位部6の信号処理部3で発生するトリガ信号をセンサ7に伝送する。
本発明の状態変化量測定手段であるセンサ7は、移動体の状態を検出し、トリガ信号の入力間隔に基づく状態値の変化量を測定する。これにより、センサ7と測位部6との間で計測の同期を取る。
測位部6では、アンテナ1により、測位用衛星からのコード変調された搬送波を受信し、ケーブル等を介して高周波処理部2に出力する。高周波処理部2では入力された搬送波を、低い周波数のIF信号にダウンコンバートし、さらにサンプリングしてディジタルIF信号とする。そして、このディジタルIF信号を信号処理部3に出力する。また、基準信号を発信し、その基準信号も信号処理部3に出力する。
信号処理部3では、コード位相とコードNCOの相関を求めるとともに、キャリア位相とキャリアNCOの相関を求める。そして、それらを測位演算部4に出力する。
本発明の移動量測定手段であり単独測位方式での受信点の測位演算を行う測位演算部4は、受信信号処理部3で求められたコード位相に関する相関値からコードNCOの位相を制御し、キャリア位相に関する相関値からキャリアNCOの周波数を制御する。そのために、コードNCOとキャリアNCOの信号処理コマンドを信号処理部3に出力する。このようにして、信号処理部3との間で、コード位相およびキャリア位相の追尾を行う閉ループを形成する。
さらに測位演算部4は、受信信号処理部3で求められたコード位相、キャリア位相をもとに受信点の測位、瞬時移動量、瞬時移動速度を演算する。そして、それらのデータを表示操作部5に出力する。
表示操作部5は、測位演算部4からデータを受け付け、それらのデータを地図データに載せて表示するとともに、利用者からの操作を受付、その入力操作コマンドを測位演算部4に出力する。
このような測位部6において、信号処理部3ではキャリアNCOの出力、及びキャリアNCOの設定のトリガ(基準タイミング)としてトリガ信号を用いる。このトリガ信号の説明のため、図3に信号処理部3の構成ブロック図の一部を示す。
信号処理部3では、ディジタルIF信号を同相成分(I成分)と直交成分(Q成分)とに分け、内部に設けたNCOの発信するキャリア信号の同相成分(I成分)、直交成分(Q成分)との相関をとることでキャリア信号の捕捉、追尾を行う。
そのため、まずトリガ信号発生部15が基準信号をもとに所定周期のトリガ信号を生成する。このトリガ信号は信号処理部3から外部に出力するとともに、周波数設定部14にも出力する。周波数設定部14では、トリガ信号が入力されるたびに、キャリアNCO16の周波数を設定する。この時、設定する周波数の値は予め演算処理部4から信号処理コマンドにより指定されるものである。キャリアNCO16は、IF信号と同位相である同相成分(I成分)のキャリア信号と、IF信号と位相が90°ずれた直交成分(Q成分)のキャリア信号と、を発生する。同相成分(I成分)のキャリア信号は、掛算器11bと積算器12bとからなる相関器13bで、ディジタルIF信号の同相成分(I成分)との相関を求める。また、直行成分(Q成分)のキャリア信号は、掛算器11aと積算器12aとからなる相関器13aで、ディジタルIF信号の直行成分(Q成分)との相関を求める。そして、それぞれの相関値を測位演算部へと出力する。そしてディジタルIF信号のキャリア位相の修正量(追尾量)を積算カウントする位相カウンタにより、キャリア位相を求めるとともに、その追尾を行う。
なお、このキャリア同調のための構成以外にも、コード位相を求めるための構成があるが、ここでは説明を除いている。
次に、測位演算部4での、トリガ信号の発信タイミング間でのキャリア位相変化量をもとに電波受信地点の移動量を測定する方法について図4をもとに説明する。
測位演算部4では、トリガ信号の発信タイミングごとに、現在追尾中の複数の衛星についてのコード位相をもとに単独測位を行う(n1)。この単独測位による受信点位置から、受信点から各衛星への方向余弦を求める。次に、トリガ信号の発信タイミング間でのキャリア位相の修正量をキャリア位相変化量として求める(n2→n3)。続いて、前回のトリガ信号の発信タイミングから今回のトリガ信号の発信タイミングまでの衛星の移動によって生じるキャリア位相の変化分を算出する(n4)。具体的には、受信点の位置と前回観測時の衛星の位置および今回観測時の衛星の位置とから逆算する。また、各衛星が備える基準発振器のドリフトによるキャリア位相変化分を航法メッセージ中のGPS時刻補正係数から算出する(n5)。その後、4つ以上の各衛星について上記キャリア位相変化量から、衛星移動によるキャリア位相変化分と衛星の基準発振器のドリフトによるキャリア位相の変化分とを差し引いて、受信点から各衛星までの距離変化をそれぞれ求め、受信点の移動量を求める。なお、1つの衛星は受信機の基準発振器のドリフト分を未知数として求めるために用いられる(n6)。そして、算出した受信点の移動量を表示操作部5に出力する(n7)。
そして、ステップn1の処理へ戻り、以上の処理をトリガ信号の発信タイミングごとに所定の周期で繰り返す。以上のようにして、本実施形態の測位装置は高精度でトリガ信号と同期した瞬時移動量(L)を得ることができ、車体や車輪の状態を正確に把握することができる。
次に、状態変化量測定手段であるセンサ7によりトリガ信号の発信タイミング間での状態値の変化量を測定する方法について図5をもとに説明する。
センサ7では、常に車体の状態値を測定している(m1)。そして、トリガ信号の発信タイミングごとに、その状態値を出力する(m2)。そして、出力が終了するとその状態値を初期化する(m3)。
そして、ステップm1の処理へ戻り、以上の処理をトリガ信号の発信タイミングごとに所定の周期で繰り返す。以上のようにして、本実施形態の測位装置は高精度でトリガ信号と同期した車体の状態値を得ることができ、車体や車輪の状態を正確に把握することができる。また、車体の状態値と瞬時移動量とを基に、演算により他の状態変化量を算出する場合に、瞬間的な測定であっても高精度に他の状態変化量を得ることができ、車体や車輪の状態を正確に把握することができる。
なお、センサ7としては、加速度センサや車輪速センサなどを用いると本発明の実施に好適である。
次に本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、前記第1の実施形態のセンサとして、車輪速センサを用いる。この車輪速センサの概念図を図6に示す。
本実施形態のセンサ42はセンサ検出部であるホールIC44と、センサ処理部である車載電子制御ニット(ECU)45からなる。
ロータ48は車輪と同じ角速度で回転し、ホールIC44に近接するセレーション49も順次移動する。するとホールIC44がセレーションの近接を検出しパルス信号を出力する。パルス計数部46には、パルス信号とともに、前述のトリガ信号発生器13からのトリガ信号が入力される。そして、パルス計数部46では、トリガ信号間のパルス信号をカウントする。トリガ信号が入力されると、パルス計数部46そのときのパルスカウントを小数点以下まで制御部47に出力する。また、パルスカウントを制御部47に出力した後で、パルス信号を計数するカウンターを初期化し、再びパルス信号のカウントを行う。このようにして、トリガ信号と同期してパルスカウント変化量を測定することができる。
このように、本実施形態の測位装置では、瞬時移動量(L)、パルスカウント変化量(ΔN)を同期して測定し、精度の高い測定値を得ることができる。また、その瞬時移動量と、パルスカウント変化量を用いて、演算により他の状態変化量を算出する場合に、瞬間的な測定であっても高精度に他の状態変化量を得ることができ、車体や車輪の状態を正確に把握することができる。また、前述の瞬時移動量・瞬時移動速度・移動の勾配・瞬時車輪回転数・瞬時回転周波数・瞬時回転周長などにより、さらに様々な車体や車輪の状態の把握もできる。
例えば、瞬時移動量・瞬時回転周長の差分を出力することで、移動体の駆動時の駆動輪のスリップの有無や程度も把握できる。ブレーキをかけていない状態では移動体の駆動輪にはスリップが生じ、従動輪にはスリップが生じない。そのため、駆動輪と従動輪の瞬時回転周長と瞬時移動量との差は異なるものになり、その差から移動体駆動時の駆動輪のスリップの有無や程度を把握することができる。
また他にも、移動の勾配を道路傾斜角とみなすことで、この道路傾斜角と車体重量とタイヤの材料特性とから道路の摩擦係数を把握することもでき、道路の摩擦係数から道路の状態(例えば舗装路と未舗装路との区別など)を検出することもでき、より高度に車体を制御できる。
また、摩擦係数が把握できれば、各車輪に作用するグリップ力を推定することもできる。このグリップ力を把握できれば、加速度センサを更に設ける事により加速度を算出し、グリップ力と加速度とから運動方程式を推定することもできる。
また、従動輪にスリップが生じていない状態での移動量からタイヤの実効半径を算出することでタイヤの材料特性と弾性係数を基に、タイヤの空気圧を把握することもできる。
なお、本実施形態では、車輪速センサを用いたものを説明したが、他のセンサを用いても本発明は好適に実施できる。
1−アンテナ 2−高周波処理部 3−信号処理部 4−測位演算部
5−表示操作部 6−測位部 7−センサ 8−測位装置
11 −掛算器 12−積算器 13−相関器 14−周波数設定部
15−トリガ信号発生部 16−キャリアNCO 42−車輪速センサ
44−ホールIC 45−ECU 46−パルス計数部
47−制御部 48−ロータ 49−セレーション
5−表示操作部 6−測位部 7−センサ 8−測位装置
11 −掛算器 12−積算器 13−相関器 14−周波数設定部
15−トリガ信号発生部 16−キャリアNCO 42−車輪速センサ
44−ホールIC 45−ECU 46−パルス計数部
47−制御部 48−ロータ 49−セレーション
Claims (7)
- 移動体に装荷され、測位用衛星からの信号に基づいて電波受信地点の測位を行う測位部と、移動体の状態値を検出するセンサと、を備える測位装置であって、
キャリアNCOの周波数を前記測位用衛星からの信号に同調させるトリガ信号を、所定周期で発信するトリガ手段と、
前記トリガ信号に基づいて、第1のトリガ信号から第2のトリガ信号までの期間における、電波受信地点の移動量を測定する瞬時移動量測定手段と、
前記トリガ信号に基づいて、第1のトリガ信号から第2のトリガ信号までの期間における、前記センサの検出する状態値の変化量を測定する状態変化量測定手段と、を有することを特徴とする測位装置。 - 第1のトリガ信号から第2のトリガ信号までの期間における瞬時移動量から、前記期間での移動速度を算出する瞬時移動速度算出手段を有する請求項1に記載の測位装置。
- 第1のトリガ信号から第2のトリガ信号までの期間における、瞬時移動量または瞬時移動速度から、鉛直方向の成分と水平方向の成分とを算出して、移動の勾配を算出する勾配算出手段を有する請求項1または2に記載の測位装置。
- 前記センサが、移動体の加速度を検出する加速度センサであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の測位装置。
- 前記センサが、移動体の車輪の回転を検出するパルスセンサであり、前記状態変化量測定手段はパルスをカウントして、パルスカウント変化量を測定する請求項1〜3のいずれか1項に記載の測位装置。
- 予め設定された1パルスあたりの車輪の転がり長さと、第1のトリガ信号から第2のトリガ信号までの期間における前記パルスカウント変化量と、をもとに、前記期間での車輪の転がり長さを算出する回転周長算出手段を有する請求項5に記載の測位装置。
- 前記回転周長算出手段により算出した前記期間での車輪の転がり長さと、前記瞬時移動量算出手段により算出した前記瞬時移動量との差分を出力する出力手段を有する請求項6に記載の測位装置。
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