JP4807301B2 - 姿勢角計測装置及び該姿勢角計測装置に用いられる姿勢角計測方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された移動体の状態量計測方法では、GPS受信機により長周期(T1)で移動体の位置、ジャイロ(ジャイロセンサ)により移動体の角速度、及び加速度計により短周期(T2)で加速度が計測される。信号同期部により、T1/T2の整数比以上のタイミング信号が発生し、これに同期するように、角速度及び加速度の値が補正される。状態量演算部では、タイミング信号の周期で、補正された加速度データが積分されて姿勢角が求められ、補正された加速度が積分されて速度、さらに積分されて位置が求められる。カルマンフィルタでは、GPS受信機からの位置信号を観測値として、状態量演算部からの姿勢角や位置が入力されて周期T1毎に移動体の位置などが推定される。同フィルタからの位置信号は、状態量演算部の補正に用いられる。
すなわち、INSで用いられるジャイロセンサは、高精度であるが、小型化が困難である。また、MEMSを応用した小型のジャイロセンサは、粗精度であるため、自動飛行の制御への応用が困難であり、さらに、ジャイロセンサとGPSとを組み合わせたINSでは、カルマンフィルタアルゴリズムが用いられるため、動作速度が演算装置の処理速度に依存し、高速動作が困難になるという問題点がある。このため、小型軽量化が要求されている移動体(たとえば、全長1m以下の無人の小型飛行機など)にINSを搭載して自動飛行を実現することが困難である。また、従来では、移動体の状態をセンサから推定することに留まり、小型で粗精度のジャイロセンサを用いた装置では、移動体の状態を正確に推定することができないという問題点がある。
ことを特徴としている。
ことを特徴としている。
この例の姿勢角計測装置は、たとえば無人の小型飛行機(移動体)などに搭載され、同図に示すように、加速度センサ1と、ジャイロセンサ2と、GPS(Global Positioning System )3と、レート推定器4と、判定器5と、積分器6と、姿勢角決定器7と、航法制御器8と、制御器9と、信頼度情報生成器10とから構成されている。加速度センサ1は、移動体の加速度情報acを検出する。ジャイロセンサ2は、移動体の第1の角速度情報ajを検出する。GPS3は、図示しない3つ以上の衛星からの各信号電波を受信して、移動体の現在位置情報apを取得する。
この姿勢角計測装置では、加速度センサ1により、移動体の加速度情報acが検出される(加速度情報検出処理)。ジャイロセンサ2により、移動体の第1の角速度情報ajが検出される(角速度情報検出処理)。GPS3により、移動体の現在位置情報apが取得される(位置情報取得処理)。レート推定器4により、加速度情報ac及び現在位置情報apに基づいて移動体の第2の角速度情報aqが推定される(角速度情報推定処理)。特に、この実施例では、レート推定器4により、次式(1),(2),(3)に基づいて、第2の角速度情報aqが求められる。
第1の角速度情報aj及び第2の角速度情報aqは、判定器5により、信頼度情報生成器10から与えられた信頼度情報raに基づいて精度の優劣が判定され、精度の優れている方が選択されて角速度情報amとして出力される(判定選択処理)。判定器5から出力された角速度情報amは、積分器6で積分されて第1の角度情報anが生成されて出力される(積分処理)。姿勢角決定器7により、加速度センサ1で検出された加速度情報acに三角関数を用いた所定の演算が行われて第2の角度情報が算出されると共に、積分器6から出力された第1の角度情報anが入力され、信頼度情報raに基づいて、上記第2の角度情報と第1の角度情報anとが周波数的に分解されて加減や重み付け平均による演算が行われることにより、姿勢角atが決定されて出力される(姿勢角決定処理)。特に、この実施例では、信頼度情報raに基づいて高域遮断周波数が設定されるLPFにより、加速度情報acの高域ノイズ成分(たとえば、移動体の振動など)が除去され、信頼度情報に基づいて低域遮断周波数が設定されるHPFにより、第1の角度情報anの低域ノイズ成分(たとえば、ドリフト成分など)が除去される。
たとえば、移動体は、無人の小型飛行機に限らず、他の有人の飛行体などでも良い。また、位置情報取得手段として、GPS3が用いられているが、たとえば、ヨーロッパで計画されている「Galileo」や、日本で計画されている「準天頂衛星」が実用化されたとき、これらを用いても良い。
2 ジャイロセンサ(角速度情報検出手段)
3 GPS(位置情報取得手段)
4 レート推定器(角速度情報推定手段)
5 判定器(判定選択手段)
6 積分器(積分手段)
7 姿勢角決定器(姿勢角決定手段)
8 航法制御器(航法制御手段)
9 制御器(制御手段)
10 信頼度情報生成器(信頼度情報生成手段)
Claims (6)
- 移動体の状態を計測して姿勢角を計測する姿勢角計測装置であって、
前記移動体の加速度情報を検出する加速度情報検出手段と、
前記移動体の第1の角速度情報を検出する角速度情報検出手段と、
前記移動体の現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記加速度情報及び現在位置情報に基づいて前記移動体の第2の角速度情報を推定する角速度情報推定手段と、
前記第1の角速度情報及び第2の角速度情報に対して、与えられた信頼度情報に基づいて精度の優劣を判定し、前記精度の優れている方を選択する判定選択手段と、
該判定選択手段で選択された前記第1の角速度情報又は第2の角速度情報を積分して第1の角度情報を生成して出力する積分手段と、
前記加速度情報に所定の演算を行って第2の角度情報を算出すると共に、前記積分手段から出力された前記第1の角度情報を入力し、前記信頼度情報に基づいて、前記第2の角度情報と前記第1の角度情報とを周波数的に分解して所定の演算を行うことにより、前記姿勢角を決定して出力する姿勢角決定手段と、
前記現在位置情報に基づいて、前記移動体の第1の状態情報、及び前記移動体に対する制御目標に対応する指令信号を出力する航法制御手段と、
前記姿勢角決定手段から出力される前記姿勢角及び前記航法制御手段から出力される前記指令信号に基づいて、前記姿勢角が前記制御目標に近付くように前記移動体を制御するための制御信号を出力すると共に前記移動体の第2の状態情報を出力する制御手段と、
前記第1の状態情報及び第2の状態情報に基づいて、前記移動体の状態を反映した前記信頼度情報を生成する信頼度情報生成手段とから構成されていることを特徴とする姿勢角計測装置。 - 前記角速度情報推定手段は、
前記現在位置情報を微分することにより前記移動体の並進速度と回転速度との和を微分結果として求めると共に、前記加速度情報を積分して前記移動体の並進速度を積分結果として求め、前記微分結果及び積分結果に基づいて前記第2の角速度情報を求める構成とされていることを特徴とする請求項1記載の姿勢角計測装置。 - 前記姿勢角決定手段は、
前記信頼度情報に基づいて高域遮断周波数が設定され、前記加速度情報の高域ノイズ成分を除去する低域通過フィルタと、
前記信頼度情報に基づいて低域遮断周波数が設定され、前記第1の角度情報の低域ノイズ成分を除去する高域通過フィルタとを有することを特徴とする請求項1又は2記載の姿勢角計測装置。 - 移動体の状態を計測して姿勢角を計測する姿勢角計測装置に用いられる姿勢角計測方法であって、
前記移動体の加速度情報を検出する加速度情報検出処理と、
前記移動体の第1の角速度情報を検出する角速度情報検出処理と、
前記移動体の現在位置情報を取得する位置情報取得処理と、
前記加速度情報及び現在位置情報に基づいて前記移動体の第2の角速度情報を推定する角速度情報推定処理と、
前記第1の角速度情報及び第2の角速度情報に対して、与えられた信頼度情報に基づいて精度の優劣を判定し、前記精度の優れている方を選択する判定選択処理と、
該判定選択処理で選択された前記第1の角速度情報又は第2の角速度情報を積分して第1の角度情報を生成して出力する積分処理と、
前記加速度情報に所定の演算を行って第2の角度情報を算出すると共に、前記積分処理から出力された前記第1の角度情報を入力し、前記信頼度情報に基づいて、前記第2の角度情報と前記第1の角度情報とを周波数的に分解して所定の演算を行うことにより、前記姿勢角を決定して出力する姿勢角決定処理と、
前記現在位置情報に基づいて、前記移動体の第1の状態情報、及び前記移動体に対する制御目標に対応する指令信号を出力する航法制御処理と、
前記姿勢角決定処理から出力される前記姿勢角及び前記航法制御処理で出力される前記指令信号に基づいて、前記姿勢角が前記制御目標に近付くように前記移動体を制御するための制御信号を出力すると共に前記移動体の第2の状態情報を出力する制御処理と、
前記第1の状態情報及び第2の状態情報に基づいて、前記移動体の状態を反映した前記信頼度情報を生成する信頼度情報生成処理とを行うことを特徴とする姿勢角計測方法。 - 前記角速度情報推定処理では、
前記現在位置情報を微分することにより前記移動体の並進速度と回転速度との和を微分結果として求めると共に、前記加速度情報を積分して前記移動体の並進速度を積分結果として求め、前記微分結果及び積分結果に基づいて前記第2の角速度情報を求めることを特徴とする請求項4記載の姿勢角計測方法。 - 前記姿勢角決定処理では、
前記信頼度情報に基づいて高域遮断周波数が設定される低域通過フィルタにより、前記加速度情報の高域ノイズ成分を除去し、
前記信頼度情報に基づいて低域遮断周波数が設定される高域通過フィルタにより、前記第1の角度情報の低域ノイズ成分を除去することを特徴とする請求項4又は5記載の姿勢角計測方法。
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