JP2006328520A - 疲労限度比が高い焼結合金とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 疲労限界比の高い焼結合金を提供する。
【解決手段】 鉄系の原料粉末を成形S1すると共に焼結S2してなる焼結合金1に水蒸気処理を施す焼結合金2の製造方法において、水蒸気処理S4後、冷却S5し、再度水蒸気処理S6を施す。水蒸気処理S4を行うことにより、開放気孔を含む表面層にFeの酸化被膜が形成され、冷却S5することにより、Fe34を主とした酸化被膜が形成される。このように1回の水蒸気処理S4により形成される酸化被膜は、水蒸気処理後の冷却過程でのFe酸化物からFe34への変態を含むため、このFe34に変態する際に発生する微細なクラックを含むので、不安定な状態にあり、さらに、水蒸気処理S6、冷却S7を1回以上行うことにより、Fe34の酸化被膜が成長すると共に微細クラックを修復し、酸化被膜が安定したものとなり、疲労強度が向上した焼結合金2を製造できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、疲労限度比が高い焼結合金とその製造方法に関する。
粉末冶金では、金属を主原料とする原料粉末を圧縮して圧粉体を形成した後、この圧粉体を加熱して焼結し、これにより所定形状の焼結体を成形することが知られており、例えば、一定負荷を受けた時に壊れることで衝撃を吸収する構造部材や、壊れることで動力伝達を遮断する構造部材など、例えばショックアブソーバー等に用いられる。
ところで、ショックアブソーバーなどにおいては、機械的強度である引張強度と共に、繰り返し荷重などに対する疲労強度が重要であり、その引張強さと疲労強度の評価として、疲労強度を引張強度で割って得られる疲労限度比が知られている。
また、焼結合金の特性向上のため、水蒸気処理をすることが知られており、例えば、窒素含有雰囲気中で焼結された気孔率:10〜30%を有するFe基焼結合金基体に、水蒸気による封孔処理を施す製造方法(例えば、特許文献1及び特許文献2)などがある。
特開平6−116607号公報 特開2002−195203号公報
上記従来技術のものでは、水蒸気による封孔処理により気密性の向上を図っているが、疲労強度を向上する点には何等考慮されておらず、疲労強度を向上するに適した処理方法の開発が望まれていた。
そこで、本発明は、上記問題点を解決するものであり、疲労限界比の高い焼結合金が得られる焼結合金の製造方法とその焼結合金を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、鉄系の原料粉末を成形すると共に焼結してなる焼結合金に水蒸気処理を施す焼結合金の製造方法において、水蒸気処理後、冷却し、再度水蒸気処理を1回以上施す製造方法である。
また、請求項2の発明は、1回目の前記水蒸気処理後、100℃以下まで前記冷却を行う製造方法である。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2記載の製造方法により製造され、密度が5.8〜7.0g/cm3である焼結合金である。
また、請求項4の発明は、複数回目の前記水蒸気処理後の開放気孔率が7%以下である焼結合金である。
請求項1の構成によれば、水蒸気処理を行うことにより、開放気孔を含む表面層にFeの酸化被膜が形成され、冷却過程で、Fe34を主とした酸化被膜が形成される。このように1回の水蒸気処理により形成される酸化被膜は、水蒸気処理後の冷却過程でのFe酸化物からFe34への変態を含むため、このFe34に変態する際に発生する微細なクラックを含むので、不安定な状態にあり、さらに、2回目の水蒸気処理を行うことにより、Fe34の酸化被膜が成長すると共に微細クラックを修復し、酸化被膜が安定したものとなり、疲労強度が向上した焼結合金を製造することができる。尚、3回水蒸気処理を行うと更に効果があるが、水蒸気処理に要する時間が増え、効率的でない場合がある。
また、請求項2の構成によれば、安定したFe34の酸化被膜を効率よく形成できる。
また、請求項3の構成によれば、低密度であるから、表面側の気孔が多く、水蒸気処理により形成される酸化被膜が表面に密着すると共に疲労強度が向上するから、疲労強度を引張強度で割る疲労限界比が高い焼結合金となる。そして、焼結合金の密度が5.8g/cm3未満では、材料強度が極端に低く、密度が7.0g/cm3を超えると、複数回水蒸気処理をしても疲労強度向上の効果がないため、密度を上記の範囲とした。
尚、このように疲労限度比を高くするため、壊れることで衝撃を吸収したり、動力を遮断したりする様なショックアブソーバー等の製品への適用範囲が大となる。
また、請求項4の構成によれば、複数回の水蒸気処理により形成される緻密な酸化被膜により、疲労強度が向上する。そして、開放気孔率を7%以下としたのは、複数回水蒸気処理をしても開放気孔率が7%を超えると疲労強度が向上しないことによるものである。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる新規な焼結合金の製造方法とその焼結合金を採用することにより、従来にない焼結合金の製造方法とその焼結合金が得られ、その焼結合金の製造方法とその焼結合金について記述する。
以下、本発明の実施例1を図1を参照して説明する。まず、本発明の製造方法においては、図1のフローチャートに示すように、金属である鉄系粉末を主とした原料粉末を混合(S1)し、この原料粉末を圧縮して圧粉体を成形(S2)し、この圧粉体を焼結炉により焼結(S3)して焼結合金1を形成し、さらに、この焼結合金1に1回目の水蒸気処理(S4)を行い、冷却(S5)し、さらに、2回目の水蒸気処理(S6)を行い、冷却(S7)することにより、表面側に安定した酸化被膜が形成された焼結合金2が得られる。本実施例では、工業効率を重視し、2回の水蒸気処理を採用した。
前記原料粉末としては、Fe−Cu−Cが例示され、その割合は、0.5〜5重量%の銅粉末,好ましくは1〜3重量%の銅粉末と、0.05〜0.5重量%の炭素粉末、好ましくは0.1〜0.4重量%の炭素粉末を含み、残りを鉄粉とする。
また、前記原料粉末には、鉄粉と、炭素粉末以外に、Cu,Ni,Cr,Mo,P,Mnなどの添加元素を少なくとも1種類以上添加することができ、その添加量は合計して、4重量%、好ましくは2.5重量%であり、このような添加量を採用するのは、4重量%を越えると、疲労強度に比べ引張強度が大きく上がるからである。
発明者は、疲労限度比の高い焼結合金を得るため、各種の実験を行った結果、1回の水蒸気処理を時間をかけて行う場合に比べて、2回の水蒸気処理を行うことにより、疲労限界度を効率よく向上することができる点を見出し、また、その水蒸気処理に好ましい条件があることを見出して本発明に至ったものである。
以下に、それを証明する実験例の一例を説明する。
実験例
原料粉末として平均径:80μmを有する鉄粉末、平均径:25μmを有する銅粉末及び平均径:18μmを有する炭素粉末を用意し、これら原料粉末をFe−1.5%Cu−0.3%Cなる組成を有するように配合し、ダブルコーンミキサーで混合(S1)し、圧密成形して圧粉体を成形(S2)し、この圧粉体を焼結炉により焼結(S3)して、焼結密度6.0g/cm3の焼結合金1を形成した。この水蒸気処理を行なう前の焼結合金1の開放気孔率は、23.4%であった。尚、開放気孔率は、JIS Z 2501(:2000)により測定した。
その焼結合金1に、500℃以上600℃以下、この例では、560℃で水蒸気処理(S4)を約1.25時間行い、水蒸気処理(S4)の処理温度である560℃から毎分30〜5℃の平均降下率で、100℃以下まで冷却(S5)した。さらに、その焼結合金1に対して、2回目の水蒸気処理(S6)を1回目と同様に、500℃以上600℃以下、この例では、560℃で約1.25時間行い、水蒸気処理(S6)の処理温度である560℃から毎分30〜5℃の平均降下率で、常温まで冷却(S7)することにより、酸化被膜が形成された焼結合金2が得られた。前記酸化被膜は、厚さが約5μmで、開放気孔を含む全表面に、Fe34が安定的に形成されていた。尚、前記焼結合金2の開放気孔率は2.8%であった。
上記の実験例の焼結合金1からなる引張り試験片と疲労試験片を加工し、この試験片に1回目の水蒸気処理(S4)を行い、100℃以下まで冷却(S5)し、2回目の水蒸気処理(S6)を1回目と同様に行い、常温まで冷却(S7)して、引張り試験片と疲労試験片とした。引張試験により引張強度を測定し、疲労強さは、片持式回転曲げ疲れ試験により繰り返し数1×107で未破断の応力を測定し、疲労強度を測定した。
また、比較例として、上記実験例と同様に、原料粉末(Fe−1.5%Cu−0.3%C)を混合(S1)、成形(S2)、焼結(S3)を行って得られた焼結合金を、560℃で水蒸気処理(S4)を約2.5時間行い、得られた焼結合金から引張り試験片と疲労試験片を加工し、上記と同様に2回目の水蒸気処理を行ない、疲労限度と、引張強度と、疲労強度とを測定した。
それら実験例と試験例の測定結果を下記の表に表す。尚、疲労限度比は、(疲労強度/引張強度)である。尚、疲労強度と引張強度の数値は、複数の実験例と複数の比較例のそれぞれの平均値で示している。
Figure 2006328520
上記のように、実験例と比較例では、水蒸気処理の合計時間は等しいが、その疲労限度比に、大きな違いが見られ、実験例の製法により疲労限度比を向上することがわかる。これは、1回の水蒸気処理により形成される酸化被膜は、水蒸気処理後の冷却過程でのFe酸化物からFe34への変態を含むため、このFe34に変態する際に発生する微細なクラックを含むので、不安定な状態にあり、さらに、2回目の水蒸気処理を行うことにより、Fe34の酸化被膜が成長すると共に微細クラックを修復し、酸化被膜が安定することに起因すると解される。
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形実施が可能である。
本発明の実施例1を製造方法を説明するブロック図である。
符号の説明
1 焼結合金
2 焼結合金
S4 1回目の水蒸気処理
S6 2回目の水蒸気処理

Claims (4)

  1. 鉄系の原料粉末を成形すると共に焼結してなる焼結合金に水蒸気処理を施す焼結合金の製造方法において、水蒸気処理後、冷却し、再度水蒸気処理を1回以上施すことを特徴とする疲労限度比が高い焼結合金の製造方法。
  2. 1回目の前記水蒸気処理後、100℃以下まで前記冷却を行うことを特徴とする請求項1記載の疲労限度比が高い焼結合金の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の製造方法により製造され、密度が5.8〜7.0g/cm3であることを特徴とする疲労限度比が高い焼結合金。
  4. 複数回目の前記水蒸気処理後の開放気孔率が7%以下であることを特徴とする請求項3記載の疲労限度比が高い焼結合金。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102828142A (zh) * 2012-08-28 2012-12-19 东睦(江门)粉末冶金有限公司 一种活塞产品的水蒸汽处理方法
JP2014240518A (ja) * 2013-06-12 2014-12-25 住友電工焼結合金株式会社 焼結部品の封孔処理方法
WO2019107313A1 (ja) * 2017-12-01 2019-06-06 日立化成株式会社 鉄系粉末混合物及び鉄系焼結部材の製造方法

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