JP2006328339A - 重合性組成物、重合方法、重合性インク、それを用いた画像形成方法、インクジェット記録装置及びエポキシ化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、重合性組成物、重合方法、重合性インク、それを用いた画像形成方法、インクジェット記録装置及びエポキシ化合物に関するものであり、低粘度で高感度で硬化し、更には形成された塗膜が、密着性及び硬さ、さらには長期間の保存前後にも十分な柔軟性を保つ硬化膜を形成可能な重合性組成物、重合方法及びそれを用いた重合性インク、画像形成方法、インクジェット記録装置及びエポキシ化合物に関する。
従来、紫外線や電子線などの活性エネルギー線または熱により硬化する硬化組成物は、プラスチック、紙、木工及び無機質材等の塗料、接着剤、印刷インキ、印刷回路基板及び電気絶縁関係等の種々の用途に実用化されている。近年、その中でも印刷インキ、塗料、接着剤等ではより一層の耐候性と付着性の改善が望まれている。また、これらを使用したインクジェット用インクとしては、紫外線で硬化する紫外線硬化型ジェトインクがある。この紫外線硬化インクを用いたインクジェット方式は、比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い記録媒体への記録が出来る点で、近年注目されつつあり、紫外線硬化型インクジェットインクが開示されて(例えば、特許文献1,2参照)いる。この分野においては、低粘度であることに加え、形成される膜がより強固であること及び柔軟であることが求められている。インクジェット用インクに可塑剤を添加することにより可塑性をもたせることができることが開示されて(例えば、特許文献3参照)いる。しかし、溶融型インクにおけるものであり、溶剤型のインクを用いた紫外線硬化型インクジェットインクについての記載は無い。
また、これらのインクを用いた場合、記録材料の種類や作業環境によって、硬化感度が変動しやすいという問題がある。
ラジカル重合性化合物を用いたインクは、酸素阻害作用を受けるため、インク液滴量が少ない場合には硬化阻害が起こりやすい。また、カチオン重合性化合物を用いたインク(例えば、特許文献4〜7参照)は、酸素阻害作用をうけることはないが、分子レベルの水分(湿度)の影響を受けやすいといった問題がある。また従来のカチオン重合性紫外線硬化組成物では、低粘度と高硬化性の両立が不充分であり、比較的高粘度なカチオン重合性紫外線硬化組成物を用いたカチオン重合性紫外線硬化型インクジェットインクでは吐出されたインク滴の液柱が長くなることからサテライトが増加しやすく、このサテライトが原因でミストが発生し、得られる画質に影響を与えるという問題があった。
特開平6−200204号公報 (特許請求の範囲、実施例)
特表2000−504778号公報 (特許請求の範囲、実施例)
特開平8−3493号公報 (特許請求の範囲、実施例)
特開2001−220526号公報 (特許請求の範囲、実施例)
特開2002−188025号公報 (特許請求の範囲、実施例)
特開2002−317139号公報 (特許請求の範囲、実施例)
特開2003−55449号公報 (特許請求の範囲、実施例)
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、保存性に優れ、高感度で、高硬度で且つ長期間の保存前後にも十分な柔軟性を保持する硬化膜を形成可能な塗膜を、様々な印字環境下、特に湿度の高い雰囲気下においても形成することが出来る重合性組成物とそれを用いた重合性インク、画像形成方法、インクジェット記録装置及びエポキシ化合物を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
(請求項1)
下記一般式(X)で表される化合物を少なくとも一種含有することを特徴とする重合性組成物。
下記一般式(X)で表される化合物を少なくとも一種含有することを特徴とする重合性組成物。
(式中、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、Rx1およびRx2は水素原子またはアルキル基を表し、R1はカチオン重合性あるいはラジカル重合性の反応性の官能基を含まない置換基を表し、R2は水素原子またはカチオン重合性あるいはラジカル重合性の反応性の官能基を含まない置換基を表し、Lは酸素原子または硫黄原子のいずれかを少なくとも1原子以上含む2価の連結基を表し、hは0または1または2の整数を表し、jは0から9の整数を表す。)
(請求項2)
前記一般式(X)で表される化合物のRx1およびRx2のいずれか一方がアルキル基、残った一方が水素原子であることを特徴とする請求項1に記載の重合性組成物。
(請求項2)
前記一般式(X)で表される化合物のRx1およびRx2のいずれか一方がアルキル基、残った一方が水素原子であることを特徴とする請求項1に記載の重合性組成物。
(請求項3)
前記一般式(X)で表される化合物のRx1およびRx2のいずれか一方が炭素数1から3のアルキル基、残った一方が水素原子であることを特徴とする請求項1に記載の重合性組成物。
前記一般式(X)で表される化合物のRx1およびRx2のいずれか一方が炭素数1から3のアルキル基、残った一方が水素原子であることを特徴とする請求項1に記載の重合性組成物。
(請求項4)
さらにオキセタン化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合性組成物。
さらにオキセタン化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合性組成物。
(請求項5)
オキセタン化合物がオキセタン環の2位に置換基を有さないオキセタン化合物であることを特徴とする請求項4に記載の重合性組成物。
オキセタン化合物がオキセタン環の2位に置換基を有さないオキセタン化合物であることを特徴とする請求項4に記載の重合性組成物。
(請求項6)
オキセタン環の2位に置換基を有さないオキセタン化合物が二つ以上のオキセタン環を有する多官能のオキセタン化合物であることを特徴とする請求項4または5に記載の重合性組成物。
オキセタン環の2位に置換基を有さないオキセタン化合物が二つ以上のオキセタン環を有する多官能のオキセタン化合物であることを特徴とする請求項4または5に記載の重合性組成物。
(請求項7)
さらに下記一般式(B)で表されるエポキシ化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の重合性組成物。
さらに下記一般式(B)で表されるエポキシ化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の重合性組成物。
(式中、R201、R202は置換基を表し、m20、n20は0、1または2を表す。r0は1〜3を表す。L0は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15のr0+1価の連結基または単結合を表す。)
(請求項8)
前記一般式(B)で表されるエポキシ化合物が下記一般式(B−I)または一般式(B−II)で表される化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に記載の重合性組成物。
(請求項8)
前記一般式(B)で表されるエポキシ化合物が下記一般式(B−I)または一般式(B−II)で表される化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に記載の重合性組成物。
(式中、R211、R212は置換基を表し、m21、n21は0、1または2を表す。p21、q21はそれぞれ0または1を表す。r1は1〜3を表す。L1は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15のr1+1価の連結基または単結合を表す。)
(式中、R221、R222は置換基を表し、m22、n22は0、1または2を表す。p22、q22はそれぞれ0または1を表す。r2は1〜3を表す。L2は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15のr2+1価の連結基または単結合を表す。)
(請求項9)
前記一般式(B)で表されるエポキシ化合物が下記一般式(B−III)または(B−IV)で表される化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に記載の重合性組成物。
(請求項9)
前記一般式(B)で表されるエポキシ化合物が下記一般式(B−III)または(B−IV)で表される化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に記載の重合性組成物。
(式中、R231、R232は置換基を表し、m23、n23は0、1または2を表す。p23、q23はそれぞれ0または1を表す。r3は1〜3を表す。L3は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15のr3+1価の連結基または単結合を表す。)
(式中、R241、R242は置換基を表し、m24、n24は0または1を表す。p24、q24はそれぞれ0または1を表す。r4は1〜3を表す。L4は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15のr4+1価の連結基または単結合を表す。
)
(請求項10)
さらに重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の重合性組成物。
)
(請求項10)
さらに重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の重合性組成物。
(請求項11)
前記重合開始剤が活性光線の照射により酸を発生する化合物であることを特徴とする請求項10に記載の重合性組成物。
前記重合開始剤が活性光線の照射により酸を発生する化合物であることを特徴とする請求項10に記載の重合性組成物。
(請求項12)
活性光線の照射により酸を発生する化合物がオニウム塩化合物であることを特徴とする請求項11に記載の重合性組成物。
活性光線の照射により酸を発生する化合物がオニウム塩化合物であることを特徴とする請求項11に記載の重合性組成物。
(請求項13)
活性光線の照射により酸を発生する化合物がスルホニウム塩化合物であることを特徴とする請求項11または12に記載の重合性組成物。
活性光線の照射により酸を発生する化合物がスルホニウム塩化合物であることを特徴とする請求項11または12に記載の重合性組成物。
(請求項14)
活性光線の照射により酸を発生する化合物が下記一般式(I−1)、一般式(I−2)または一般式(I−3)で表されるスルホニウム塩化合物であることを特徴とする請求項11に記載の重合性組成物。
活性光線の照射により酸を発生する化合物が下記一般式(I−1)、一般式(I−2)または一般式(I−3)で表されるスルホニウム塩化合物であることを特徴とする請求項11に記載の重合性組成物。
(式中、R11、R12、R13は置換基を表し、m、n、pは0〜2の整数を表す。X11 -は対イオンを表す。)
(式中、R14は置換基を表し、qは0〜2の整数を表す。R15、R16は置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のアルケニル基、置換、無置換のアルキニル基、または置換、無置換のアリール基を表す。X12 -は対イオンを表す。)
(式中、R17は置換基を表し、rは0〜3の整数を表す。R18は水素原子または置換、無置換のアルキル基を表し、R19、R20は置換基を置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のアルケニル基、置換、無置換のアルキニル基、または置換、無置換のアリール基を表す。X13 -は対イオンを表す。)
(請求項15)
25℃における粘度が1〜500mPa・sであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の重合性組成物。
(請求項15)
25℃における粘度が1〜500mPa・sであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の重合性組成物。
(請求項16)
請求項1〜15のいずれか1項に記載の重合性組成物を活性光線により重合することを特徴とする重合方法。
請求項1〜15のいずれか1項に記載の重合性組成物を活性光線により重合することを特徴とする重合方法。
(請求項17)
請求項1〜15のいずれか1項に記載の重合性組成物を含有することを特徴とする重合性インク。
請求項1〜15のいずれか1項に記載の重合性組成物を含有することを特徴とする重合性インク。
(請求項18)
25℃における粘度が7〜40mPa・sであることを特徴とする請求項17に記載の重合性インク。
25℃における粘度が7〜40mPa・sであることを特徴とする請求項17に記載の重合性インク。
(請求項19)
顔料を含有することを特徴とする請求項17または18に記載の重合性インク。
顔料を含有することを特徴とする請求項17または18に記載の重合性インク。
(請求項20)
インクジェット記録ヘッドより、請求項17〜19のいずれか1項に記載の重合性インクを記録材料上に画像様に噴射し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該重合性インクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性光線を照射して重合性インクを硬化させることを特徴とする画像形成方法。
インクジェット記録ヘッドより、請求項17〜19のいずれか1項に記載の重合性インクを記録材料上に画像様に噴射し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該重合性インクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性光線を照射して重合性インクを硬化させることを特徴とする画像形成方法。
(請求項21)
インクジェット記録ヘッドより、請求項17〜19のいずれか1項に記載の重合性インクを記録材料上に画像様に噴射して該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該インクジェット記録ヘッドの各ノズルより吐出する最小インク液滴量が、2〜15plであることを特徴とする画像形成方法。
インクジェット記録ヘッドより、請求項17〜19のいずれか1項に記載の重合性インクを記録材料上に画像様に噴射して該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該インクジェット記録ヘッドの各ノズルより吐出する最小インク液滴量が、2〜15plであることを特徴とする画像形成方法。
(請求項22)
請求項20または21に記載の画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置が、重合性インク及び記録ヘッドを35〜100℃に加熱した後、該重合性インクを吐出するインクジェット記録装置であることを特徴とするインクジェット記録装置。
請求項20または21に記載の画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置が、重合性インク及び記録ヘッドを35〜100℃に加熱した後、該重合性インクを吐出するインクジェット記録装置であることを特徴とするインクジェット記録装置。
(請求項23)
請求項20または21に記載の画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置が、35〜60℃に加温した記録媒体に、重合性インクを吐出するインクジェット記録装置であることを特徴とするインクジェット記録装置。
請求項20または21に記載の画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置が、35〜60℃に加温した記録媒体に、重合性インクを吐出するインクジェット記録装置であることを特徴とするインクジェット記録装置。
(請求項24)
下記一般式(Xa)で表されることを特徴とするエポキシ化合物。
下記一般式(Xa)で表されることを特徴とするエポキシ化合物。
(式中、Rx1aおよびRx2aは水素原子またはアルキル基を表し、R1aはカチオン重合性あるいはラジカル重合性の反応性の官能基を含まない置換基を表し、R2aは水素原子またはカチオン重合性あるいはラジカル重合性の反応性の官能基を含まない置換基を表し、Lxaは酸素原子または硫黄原子のいずれかを少なくとも1原子以上含む2価の連結基を表し、haは0または1または2の整数を表し、jaは0から9の整数を表す。)
(請求項25)
前記一般式(Xa)で表されるエポキシ化合物のRX1aとRX2aの少なくともいずれかがアルキル基であることを特徴とする請求項24に記載のエポキシ化合物。
(請求項25)
前記一般式(Xa)で表されるエポキシ化合物のRX1aとRX2aの少なくともいずれかがアルキル基であることを特徴とする請求項24に記載のエポキシ化合物。
本発明により、保存性に優れ、高感度で、高硬度で且つ長期間の保存前後にも十分な柔軟性を保持する硬化膜を形成可能な塗膜を、様々な印字環境下、特に湿度の高い雰囲気下においても形成することが出来る重合性組成物とそれを用いた重合性インク、画像形成方法、インクジェット記録装置及びエポキシ化合物を提供することができた。
本発明者は、上記課題に鑑みて鋭意検討を行った結果、分本発明の一般式(X)で表される化合物を含有する重合性組成物を用いた場合に、低照度の光源でも環境湿度に影響を受けずに強固で、かつ長期間の保存前後でも十分な柔軟性を保持した硬化膜を形成し得る事を見出し、それを用いた重合性インクは高画質な画像が得られることを見いだし、本発明に至った次第である。
本発明の一般式(X)で表される化合物は、反応性を持たない置換基を有するため、分子内のオキシラン環が硬化反応に取り込まれて生成するポリマー構造に適度な柔軟性を付与すると共に、硬化反応後に不要な低分子量化合物を硬化膜中に残さない。
本発明の一般式(X)で表される化合物をオキセタン化合物と共に用いた場合、強固で、かつ長期間の保存前後でも十分な柔軟性を保持した硬化膜を形成することが可能になった。
さらに特定のオキセタン化合物本発明のオキセタン化合物として2官能以上の多官能の化合物と共に用いた場合、より一層の硬化性の向上、重合性組成物の保存安定性向上効果があり、生成する硬化膜の硬度を高め、高活性かつ経時保存後でも性能の低下の無い保存安定性に優れた重合性組成物を得ることができる。
本発明の重合性組成物においては、本発明の一般式(X)で表される脂環式エポキシ化合物とオキセタン化合物と共に用いるカチオン重合性の化合物として、2官能の脂環式エポキシ化合物と併用することで、より好ましい反応性の向上、硬化膜強度の強化が可能となる。そして本発明の重合性組成物を重合性インクに用いることで、上述した種々の性能を満足した高画質な画像を得ることができる。
以下本発明を更に詳しく説明する。一般式(X)において、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、酸素原子がより好ましい。Rx1およびRx2は各々水素原子またはアルキル基を表し、アルキル基の例としては、炭素数1〜20個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基等)等が挙げられる。これらは更に置換基を有していても良く、置換基を有するアルキル基の置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子、等)、炭素数1〜20個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、等)、アシル基(例えばアセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、等)、炭素数1〜20個のアシルオキシ基(例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、等)、炭素数1〜20個のアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、等)、炭素数2〜20のアルキルチオカルボニル基(メチルチオカルボニル基、エチルチオカルボニル基、tert−ブチルチオカルボニル基、等)、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基、ニトロ基、等が挙げられる。
Rx1およびRx2は好ましくは各々独立に水素原子または炭素数1から6のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基)であり、より好ましくは各々独立に水素原子またはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基である。
オキシラン環を構成する二つの炭素に結合するRx1およびRx2は、Rx1およびRx2のいずれか一方がアルキル基、残った一方が水素原子である場合、硬化性の向上に加えて、保存安定性の向上の点で好ましく、この場合のRx1およびRx2のいずれか一方のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基である事が好ましく、Rx1およびRx2のいずれか一方はメチル基であることが最も好ましい。
R1はカチオン重合性あるいはラジカル重合性の反応性の官能基を含まない置換基を表し、R2は水素原子またはカチオン重合性あるいはラジカル重合性の反応性の官能基を含まない置換基を表す。置換基の例としては、上述したアルキル基、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子、等)、炭素数1〜20個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、等)、アシル基(例えばアセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、等)、炭素数1〜20個のアシルオキシ基(例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、等)、炭素数1〜20個のアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、等)、炭素数2〜20のアルキルチオカルボニル基(メチルチオカルボニル基、エチルチオカルボニル基、tert−ブチルチオカルボニル基、等)、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基、ニトロ基、アシルアミノ基、アリールオキシアミノ基、アミノ基、ウレイド基、ウレタン基、等が挙げられ、置換基として好ましいのは、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基である。R1およびR2が置換基の場合、おのおの独立に更に置換基を有していても良く、該置換基の例としては、上述した置換基と同義の基を挙げる事ができる。R1が複数ある場合、それぞれ同一でも異なっていてもよく、任意の位置で結合して環を形成しても良い。
Lは酸素原子または硫黄原子のいずれかを少なくとも1個以上含む2価の連結基を表し、例としては以下の基およびこれらの基と−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基−SO−基、−SO2−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
メチレン基[−CH2−]
エチリデン基[>CHCH3]
イソプロピリデン[>C(CH3)2]
1,2−エチレン基[−CH2CH2−]
1,2−プロピレン基[−CH(CH3)CH2−]
1,3−プロパンジイル基[−CH2CH2CH2−]
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(CH3)2CH2−]
2,2−ジメトキシ−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(OCH3)2CH2−]
2,2−ジメトキシメチル−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(CH2OCH3)2CH2−]
1−メチル−1,3−プロパンジイル基[−CH(CH3)CH2CH2−]
1,4−ブタンジイル基[−CH2CH2CH2CH2−]
1,5−ペンタンジイル基[−CH2CH2CH2CH2CH2−]
オキシジエチレン基[−CH2CH2OCH2CH2−]
チオジエチレン基[−CH2CH2SCH2CH2−]
3−オキソチオジエチレン基[−CH2CH2SOCH2CH2−]
3,3−ジオキソチオジエチレン基[−CH2CH2SO2CH2CH2−]
1,4−ジメチル−3−オキサ−1,5−ペンタンジイル基[−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−]
3−オキソペンタンジイル基[−CH2CH2COCH2CH2−]
1,5−ジオキソ−3−オキサペンタンジイル基[−COCH2OCH2CO−]
4−オキサ−1,7−ヘプタンジイル基[−CH2CH2CH2OCH2CH2CH2−]
3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基[−CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2−]
1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基[−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−]
5,5−ジメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(CH3)2CH2OCH2CH2−]
5,5−ジメトキシ−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(OCH3)2CH2OCH2CH2−]
5,5−ジメトキシメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(CH2OCH3)2CH2OCH2CH2−]
4,7−ジオキソ−3,8−ジオキサ−1,10−デカンジイル基[−CH2CH2O−COCH2CH2CO−OCH2CH2−]
3,8−ジオキソ−4,7−ジオキサ−1,10−デカンジイル基[−CH2CH2CO−OCH2CH2O−COCH2CH2−]
1,3−シクロペンタンジイル基[−1,3−C5H8−]
1,2−シクロヘキサンジイル基[−1,2−C6H10−]
1,3−シクロヘキサンジイル基[−1,3−C6H10−]
1,4−シクロヘキサンジイル基[−1,4−C6H10−]
2,5−テトラヒドロフランジイル基[2,5−C4H6O−]
p−フェニレン基[−p−C6H4−]
m−フェニレン基[−m−C6H4−]
α,α’−o−キシリレン基[−o−CH2−C6H4−CH2−]
α,α’−m−キシリレン基[−m−CH2−C6H4−CH2−]
α,α’−p−キシリレン基[−p−CH2−C6H4−CH2−]
フラン−2,5−ジイル−ビスメチレン基[2,5−CH2−C4H2O−CH2−]
チオフェン−2,5−ジイル−ビスメチレン基[2,5−CH2−C4H2S−CH2−]
イソプロピリデンビス−p−フェニレン基[−p−C6H4−C(CH3)2−p−C6H4−]
Lは置換基を有していても良い。置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子、等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、等)、アシル基(例えばアセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、等)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、等)、等が挙げられる。置換基として好ましいのは、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基である。
エチリデン基[>CHCH3]
イソプロピリデン[>C(CH3)2]
1,2−エチレン基[−CH2CH2−]
1,2−プロピレン基[−CH(CH3)CH2−]
1,3−プロパンジイル基[−CH2CH2CH2−]
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(CH3)2CH2−]
2,2−ジメトキシ−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(OCH3)2CH2−]
2,2−ジメトキシメチル−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(CH2OCH3)2CH2−]
1−メチル−1,3−プロパンジイル基[−CH(CH3)CH2CH2−]
1,4−ブタンジイル基[−CH2CH2CH2CH2−]
1,5−ペンタンジイル基[−CH2CH2CH2CH2CH2−]
オキシジエチレン基[−CH2CH2OCH2CH2−]
チオジエチレン基[−CH2CH2SCH2CH2−]
3−オキソチオジエチレン基[−CH2CH2SOCH2CH2−]
3,3−ジオキソチオジエチレン基[−CH2CH2SO2CH2CH2−]
1,4−ジメチル−3−オキサ−1,5−ペンタンジイル基[−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−]
3−オキソペンタンジイル基[−CH2CH2COCH2CH2−]
1,5−ジオキソ−3−オキサペンタンジイル基[−COCH2OCH2CO−]
4−オキサ−1,7−ヘプタンジイル基[−CH2CH2CH2OCH2CH2CH2−]
3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基[−CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2−]
1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基[−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−]
5,5−ジメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(CH3)2CH2OCH2CH2−]
5,5−ジメトキシ−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(OCH3)2CH2OCH2CH2−]
5,5−ジメトキシメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(CH2OCH3)2CH2OCH2CH2−]
4,7−ジオキソ−3,8−ジオキサ−1,10−デカンジイル基[−CH2CH2O−COCH2CH2CO−OCH2CH2−]
3,8−ジオキソ−4,7−ジオキサ−1,10−デカンジイル基[−CH2CH2CO−OCH2CH2O−COCH2CH2−]
1,3−シクロペンタンジイル基[−1,3−C5H8−]
1,2−シクロヘキサンジイル基[−1,2−C6H10−]
1,3−シクロヘキサンジイル基[−1,3−C6H10−]
1,4−シクロヘキサンジイル基[−1,4−C6H10−]
2,5−テトラヒドロフランジイル基[2,5−C4H6O−]
p−フェニレン基[−p−C6H4−]
m−フェニレン基[−m−C6H4−]
α,α’−o−キシリレン基[−o−CH2−C6H4−CH2−]
α,α’−m−キシリレン基[−m−CH2−C6H4−CH2−]
α,α’−p−キシリレン基[−p−CH2−C6H4−CH2−]
フラン−2,5−ジイル−ビスメチレン基[2,5−CH2−C4H2O−CH2−]
チオフェン−2,5−ジイル−ビスメチレン基[2,5−CH2−C4H2S−CH2−]
イソプロピリデンビス−p−フェニレン基[−p−C6H4−C(CH3)2−p−C6H4−]
Lは置換基を有していても良い。置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子、等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、等)、アシル基(例えばアセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、等)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、等)、等が挙げられる。置換基として好ましいのは、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基である。
Lとしては酸素原子、−CO−、主鎖に酸素原子または−CO−を含む炭素数1〜8の2価の連結基が好ましく、酸素原子、−CO−、酸素原子または−CO−を含む炭素数1〜5の2価の連結基が好ましく、酸素原子、−CO−、酸素原子を含む炭素数1〜5の2価の連結基がより好ましく、酸素原子もしくは酸素原子を含む炭素数1〜3の2価の連結基が最も好ましい。
hは0または1または2の整数を表し、0または1が好ましい。jは0から9の整数を表し、好ましくは0から5の整数であり、より好ましくは0から3の整数であり、0または1または2であることがもっとも好ましい。
本発明の一般式(X)で表される化合物は、前記一般式(Xa)で表されるエポキシ化合物であることがより好ましい。
一般式(Xa)において、Rx1aおよびRx2aは水素原子またはアルキル基を表し、これらのRx1aおよびRx2aは、上述したRx1およびRx2と同義の基である。
R1aはカチオン重合性あるいはラジカル重合性の反応性の官能基を含まない置換基を表し、R2aは水素原子またはカチオン重合性あるいはラジカル重合性の反応性の官能基を含まない置換基を表し、これらのR1aおよびR2aは、各々上述したR1およびR2と同義の基を表す。
Lxaは酸素原子または硫黄原子のいずれかを少なくとも1原子以上含む2価の連結基を表し、Lxaは上述したLと同義の基である。
haは0または1または2の整数を表し、0または1が好ましい。jaは0から9の整数を表し、好ましくは0から5の整数であり、より好ましくは0から3の整数であり、0または1または2であることがもっとも好ましい。
以下に、本発明の一般式(X)および一般式(Xa)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
これらの一般式(X)で表される化合物は、その製法は問わないが、例えば、J.Org.Chem.,33,1656(1968).、J.Org.Chem.,42,1197(1977).、J.Org.Chem.,62,3748(1997).、Tetrahedron Lett., 29,4177(1988).、後述する本発明の一般式(B)で表される化合物の製法で記載した文献等を参考にして合成できる。
一般式(X)で表される化合物の合成例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
合成例1
例示化合物X−2の合成
例示化合物X−2の合成
中間体Aの22.4gを塩化メチレン80mlに溶解した。m−クロロ過安息香酸の14.7gを塩化メチレン100mlに溶解し、先の中間体Aの溶液に2時間かけて滴下した。室温下2時間反応を行い、ガスクロマトグラフィーにて原料の消失を確認した。反応終了後、適量の亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、過剰のm−クロロ過安息香酸を失活させた。有機層を分取し、重炭酸ソーダ水溶液で数回洗浄後、有機層を分取し、溶媒を減圧留去した。残渣を。残渣を減圧蒸留にて精製し、X−2を得た。収量17.3g(収率72%)。NMR、元素分析およびマススペクトルにて目的物を確認した。
(1H−NMR)(CDCl3) δ(ppm)
0.8〜2.2(m,24H上記aの炭素原子に置換した水素)、
3.0〜3.4(m,4H、上記bの炭素原子に置換した水素)。
個々のプロトンのケミカルシフトは複雑な多重線を示した。これは複数の立体異性体を含むためと推察される。
0.8〜2.2(m,24H上記aの炭素原子に置換した水素)、
3.0〜3.4(m,4H、上記bの炭素原子に置換した水素)。
個々のプロトンのケミカルシフトは複雑な多重線を示した。これは複数の立体異性体を含むためと推察される。
元素分析:(実測値(+H2O))C:69.9、H:11.9
(計算値(+H2O))C:69.7、H:11.7
マススペクトル:M+=258(+H2O)
合成例2
例示化合物X−10の合成
(計算値(+H2O))C:69.7、H:11.7
マススペクトル:M+=258(+H2O)
合成例2
例示化合物X−10の合成
中間体Bの33.6gを塩化メチレン90mlに溶解した。m−クロロ過安息香酸の29.2gを塩化メチレン100mlに溶解し、先の中間体Bの溶液に3時間かけて滴下した。室温下3時間反応を行い、ガスクロマトグラフィーにて原料の消失を確認した。反応終了後、適量の亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、過剰のm−クロロ過安息香酸を失活させた。有機層を分取し、重炭酸ソーダ水溶液で数回洗浄後、有機層を分取し、溶媒を減圧留去した。残渣を減圧蒸留にて精製し、X−10を得た。収量26.9g(収率73%)。NMR、元素分析およびマススペクトルにて目的物を確認した。
(1H−NMR)(CDCl3) δ(ppm)
1.0〜2.2(m,20H,上記aの炭素原子に置換した水素)、
3.0〜3.4(m,4H、上記bの炭素原子に置換した水素)。
個々のプロトンのケミカルシフトは複雑な多重線を示した。これは複数の立体異性体を含むためと推察される。
元素分析:(実測値(+H2O))C:68.1、H:11.6
(計算値(+H2O))C:67.8、H:11.4
マススペクトル:M+=230(+H2O)
合成例3
例示化合物X−89の合成
1.0〜2.2(m,20H,上記aの炭素原子に置換した水素)、
3.0〜3.4(m,4H、上記bの炭素原子に置換した水素)。
個々のプロトンのケミカルシフトは複雑な多重線を示した。これは複数の立体異性体を含むためと推察される。
元素分析:(実測値(+H2O))C:68.1、H:11.6
(計算値(+H2O))C:67.8、H:11.4
マススペクトル:M+=230(+H2O)
合成例3
例示化合物X−89の合成
中間体Cの23.8gを塩化メチレン45mlに溶解した。m−クロロ過安息香酸の14.6gを塩化メチレン100mlに溶解し、先の中間体Cの溶液に2時間かけて滴下した。室温下2時間反応を行い、ガスクロマトグラフィーにて原料の消失を確認した。反応終了後、適量の亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、過剰のm−クロロ過安息香酸を失活させた。有機層を分取し、重炭酸ソーダ水溶液で数回洗浄後、有機層を分取し、溶媒を減圧留去した。残渣を減圧蒸留にて精製し、X−89を得た。収量17.5g(収率65%)。NMR、元素分析およびマススペクトルにて目的物を確認した。
(1H−NMR)(CDCl3) δ(ppm)
0.8〜1.8(m,23H,上記aの炭素原子に置換した水素)、
3.3〜3.5(m,1H、上記bの炭素原子に置換した水素)、
4.1〜4.4(m,1H、上記cの炭素原子に置換した水素)、
2.2〜2.4(m,1H、下記dの炭素原子に置換した水素)。
個々のプロトンのケミカルシフトは複雑な多重線を示した。これは複数の立体異性体を含むためと推察される。
元素分析:(実測値(+H2O))C:66.1、H:10.5
(計算値(+H2O))C:66.1、H:10.4
マススペクトル:M+=272(+H2O)
合成例4
例示化合物X−94の合成
0.8〜1.8(m,23H,上記aの炭素原子に置換した水素)、
3.3〜3.5(m,1H、上記bの炭素原子に置換した水素)、
4.1〜4.4(m,1H、上記cの炭素原子に置換した水素)、
2.2〜2.4(m,1H、下記dの炭素原子に置換した水素)。
個々のプロトンのケミカルシフトは複雑な多重線を示した。これは複数の立体異性体を含むためと推察される。
元素分析:(実測値(+H2O))C:66.1、H:10.5
(計算値(+H2O))C:66.1、H:10.4
マススペクトル:M+=272(+H2O)
合成例4
例示化合物X−94の合成
中間体Dの35.6gを塩化メチレン120mlに溶解した。m−クロロ過安息香酸の14.6gを塩化メチレン100mlに溶解し、先の中間体Cの溶液に2時間かけて滴下した。室温下3時間反応を行い、TLCにて原料の消失を確認した。反応終了後、適量の亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、過剰のm−クロロ過安息香酸を失活させた。有機層を分取し、重炭酸ソーダ水溶液で数回洗浄後、有機層を分取し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、X−94を得た。収量31.3g(収率84%)。NMR、元素分析およびマススペクトルにて目的物を確認した。
(1H−NMR)(CDCl3) δ(ppm)
0.8〜1.8(m,35H、上記aの炭素原子に置換した水素)、
3.3〜3.5(m,1H、上記bの炭素原子に置換した水素)、
3.9〜4.0(m,1H、上記cの炭素原子に置換した水素)、
6.5〜6.7(m,1H、上記dの炭素原子に置換した水素)、
6.9〜7.1(m,1H、上記eの炭素原子に置換した水素)、
7.1〜7.3(m,1H、上記fの炭素原子に置換した水素)。
個々のプロトンのケミカルシフトは複雑な多重線を示した。これは複数の立体異性体を含むためと推察される。
元素分析:(実測値(+H2O))C:77.0、H:10.7
(計算値(+H2O))C:76.9、H:10.8
マススペクトル:M+=390(+H2O)
合成例5
例示化合物X−58の合成
上述した合成例1〜4と同様の方法により、例示化合物X−58を得た。NMR、元素分析およびマススペクトルにて目的物を確認した。
0.8〜1.8(m,35H、上記aの炭素原子に置換した水素)、
3.3〜3.5(m,1H、上記bの炭素原子に置換した水素)、
3.9〜4.0(m,1H、上記cの炭素原子に置換した水素)、
6.5〜6.7(m,1H、上記dの炭素原子に置換した水素)、
6.9〜7.1(m,1H、上記eの炭素原子に置換した水素)、
7.1〜7.3(m,1H、上記fの炭素原子に置換した水素)。
個々のプロトンのケミカルシフトは複雑な多重線を示した。これは複数の立体異性体を含むためと推察される。
元素分析:(実測値(+H2O))C:77.0、H:10.7
(計算値(+H2O))C:76.9、H:10.8
マススペクトル:M+=390(+H2O)
合成例5
例示化合物X−58の合成
上述した合成例1〜4と同様の方法により、例示化合物X−58を得た。NMR、元素分析およびマススペクトルにて目的物を確認した。
(1H−NMR)(CDCl3) δ(ppm)
1.1〜1.8(m,10H、上記aの炭素原子に置換した水素)、
2.7〜3.2(m,2H、上記bの炭素原子に置換した水素)、
3.5〜3.8(m,2H、上記cの炭素原子に置換した水素)、
4.1〜4.5(bs,1H、水酸基由来の水素)。
水酸基由来のプロトン以外の個々のプロトンのケミカルシフトは複雑な多重線を示した。これは複数の立体異性体を含むためと推察される。
元素分析:(実測値(+H2O))C:56.8、H:9.4
(計算値(+H2O))C:56.8、H:9.5
マススペクトル:M+=190(+H2O)
合成例6
例示化合物X−1の合成
上述した合成例1〜4と同様の方法により、例示化合物X−1を得た。NMR、元素分析およびマススペクトルにて目的物を確認した。
1.1〜1.8(m,10H、上記aの炭素原子に置換した水素)、
2.7〜3.2(m,2H、上記bの炭素原子に置換した水素)、
3.5〜3.8(m,2H、上記cの炭素原子に置換した水素)、
4.1〜4.5(bs,1H、水酸基由来の水素)。
水酸基由来のプロトン以外の個々のプロトンのケミカルシフトは複雑な多重線を示した。これは複数の立体異性体を含むためと推察される。
元素分析:(実測値(+H2O))C:56.8、H:9.4
(計算値(+H2O))C:56.8、H:9.5
マススペクトル:M+=190(+H2O)
合成例6
例示化合物X−1の合成
上述した合成例1〜4と同様の方法により、例示化合物X−1を得た。NMR、元素分析およびマススペクトルにて目的物を確認した。
(1H−NMR)(CDCl3) δ(ppm)
0.9〜1.9(m,21H,上記aの炭素原子に置換した水素)、
2.8〜3.4(m,5H、上記bの炭素原子に置換した水素)。
個々のプロトンのケミカルシフトは複雑な多重線を示した。これは複数の立体異性体を含むためと推察される。
元素分析:(実測値(+H2O))C:68.8、H:11.5
(計算値(+H2O))C:68.8、H:11.6
マススペクトル:M+=244(+H2O)
本発明の一般式(X)で表される化合物としては、10〜30質量%含有することが好ましい。10質量%未満であると硬化膜への柔軟性の付与が不充分になり。30質量%を超えると、硬化後の膜物性が弱く、使えない。本発明では、本発明のエポキシ化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
0.9〜1.9(m,21H,上記aの炭素原子に置換した水素)、
2.8〜3.4(m,5H、上記bの炭素原子に置換した水素)。
個々のプロトンのケミカルシフトは複雑な多重線を示した。これは複数の立体異性体を含むためと推察される。
元素分析:(実測値(+H2O))C:68.8、H:11.5
(計算値(+H2O))C:68.8、H:11.6
マススペクトル:M+=244(+H2O)
本発明の一般式(X)で表される化合物としては、10〜30質量%含有することが好ましい。10質量%未満であると硬化膜への柔軟性の付与が不充分になり。30質量%を超えると、硬化後の膜物性が弱く、使えない。本発明では、本発明のエポキシ化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明の重合性組成物においては、一般式(X)で表される化合物と共に、オキセタン環の2位が置換されていないオキセタン化合物を併用することが好ましい。
以下、2位が置換されていないオキセタン化合物について説明する。2位が置換されていないオキセタン化合物の一例としては、下記一般式(101)で示される化合物が挙げられる。
一般式(101)において、R1は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基である。R2はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、またはエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等である。
本発明で使用するオキセタン化合物としては、2個のオキセタン環を有する化合物を使用することが、得られる組成物が粘着性に優れ、低粘度で作業性に優れるため、特に好ましい。
2個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(102)で示される化合物等が挙げられる。
一般式(102)において、R1は上記一般式(101)におけるそれと同様の基である。R3は、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の線状または分枝状アルキレン基、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等の線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等の線状または分枝状不飽和炭化水素基、またはカルボニル基またはカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基等である。
またR3としては、下記一般式(103)、(104)及び(105)で示される基から選択される多価基も挙げることができる。
一般式(103)において、R4は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、またはカルバモイル基である。
一般式(104)において、R5は酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF3)2、またはC(CH3)2を表す。
一般式(105)において、R6はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。nは0〜2000の整数である。R7はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。R7としては、更に下記一般式(106)で示される基から選択される基も挙げることができる。
一般式(106)において、R8はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。mは0〜100の整数である。2個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
例示化合物11は、前記一般式(102)においてR1がエチル基、R3がカルボキシル基である化合物である。また例示化合物12は、前記一般式(102)においてR1がエチル基、R3が前記一般式(105)でR6及びR7がメチル基、nが1である化合物である。
2個のオキセタン環を有する化合物において、上記の化合物以外の好ましい例としては、下記一般式(107)で示される化合物がある。一般式(107)において、R1は前記一般式(101)のR1と同義である。
また、3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(108)で示される化合物が挙げられる。
一般式(108)において、R1は、前記一般式(101)におけるR1と同義である。R9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基または下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは3または4である。
上記Aにおいて、R10はメチル基、エチル基またはプロピル基等の低級アルキル基である。また、上記Dにおいてpは1〜10の整数である。
3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、例示化合物13が挙げられる。
更に上記説明した以外の1〜4個のオキセタン環を有する化合物の例としては、下記一般式(109)で示される化合物が挙げられる。
一般式(109)において、R8は前記一般式(106)のR8と同義である。R11はメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基またはトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
本発明で使用するオキセタン化合物の好ましい具体例としては、以下に示す化合物がある。
上述したオキセタン環を有する各化合物の製造方法は特に限定されず、従来知られた方法に従えばよく、例えば、パティソン(D.B.Pattison,J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している、ジオールからのオキセタン環合成法等がある。また、これら以外にも、分子量1000〜5000程度の高分子量を有する1〜4個のオキセタン環を有する化合物も挙げられる。これらの具体的化合物例としては、以下の化合物が挙げられる。
本発明の重合性組成物においては、一般式(X)で表される化合物と共に、多官能の脂環式エポキシ化合物を併用することで、感度向上効果あるいは硬化膜物性の改良効果を得ることができ好ましい。
多官能の脂環式エポキシドとして好ましいのは前記一般式(B)で表される多官能のエポキシ化合物である。
一般式(B)において、R201、R202は置換基を表す、置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子、等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、等)、アシル基(例えばアセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、等)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、等)、等が挙げられる。置換基として好ましいのは、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基である。
m20、n20は0〜2を表し、0または1が好ましい。
L0は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15のr0+1価の連結基あるいは単結合を表す。主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15の2価の連結基の例としては以下の基およびこれらの基と−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
メチレン基[−CH2−]
エチリデン基[>CHCH3]
イソプロピリデン[>C(CH3)2]
1,2−エチレン基[−CH2CH2−]
1,2−プロピレン基[−CH(CH3)CH2−]
1,3−プロパンジイル基[−CH2CH2CH2−]
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(CH3)2CH2−]
2,2−ジメトキシ−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(OCH3)2CH2−]
2,2−ジメトキシメチル−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(CH2OCH3)2CH2−]
1−メチル−1,3−プロパンジイル基[−CH(CH3)CH2CH2−]
1,4−ブタンジイル基[−CH2CH2CH2CH2−]
1,5−ペンタンジイル基[−CH2CH2CH2CH2CH2−]
オキシジエチレン基[−CH2CH2OCH2CH2−]
チオジエチレン基[−CH2CH2SCH2CH2−]
3−オキソチオジエチレン基[−CH2CH2SOCH2CH2−]
3,3−ジオキソチオジエチレン基[−CH2CH2SO2CH2CH2−]
1,4−ジメチル−3−オキサ−1,5−ペンタンジイル基[−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−]
3−オキソペンタンジイル基[−CH2CH2COCH2CH2−]
1,5−ジオキソ−3−オキサペンタンジイル基[−COCH2OCH2CO−]
4−オキサ−1,7−ヘプタンジイル基[−CH2CH2CH2OCH2CH2CH2−]
3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基[−CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2−]
1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基[−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−]
5,5−ジメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(CH3)2CH2OCH2CH2−]
5,5−ジメトキシ−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(OCH3)2CH2OCH2CH2−]
5,5−ジメトキシメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(CH2OCH3)2CH2OCH2CH2−]
4,7−ジオキソ−3,8−ジオキサ−1,10−デカンジイル基[−CH2CH2O−COCH2CH2CO−OCH2CH2−]
3,8−ジオキソ−4,7−ジオキサ−1,10−デカンジイル基[−CH2CH2CO−OCH2CH2O−COCH2CH2−]
1,3−シクロペンタンジイル基[−1,3−C5H8−]
1,2−シクロヘキサンジイル基[−1,2−C6H10−]
1,3−シクロヘキサンジイル基[−1,3−C6H10−]
1,4−シクロヘキサンジイル基[−1,4−C6H10−]
2,5−テトラヒドロフランジイル基[2,5−C4H6O−]
p−フェニレン基[−p−C6H4−]
m−フェニレン基[−m−C6H4−]
α,α′−o−キシリレン基[−o−CH2−C6H4−CH2−]
α,α′−m−キシリレン基[−m−CH2−C6H4−CH2−]
α,α′−p−キシリレン基[−p−CH2−C6H4−CH2−]
フラン−2,5−ジイル−ビスメチレン基[2,5−CH2−C4H2O−CH2−]
チオフェン−2,5−ジイル−ビスメチレン基[2,5−CH2−C4H2S−CH2−]
イソプロピリデンビス−p−フェニレン基[−p−C6H4−C(CH3)2−p−C6H4−]
3価以上の連結基としては、以上に挙げた2価の連結基から任意の部位の水素原子を必要なだけ除いてできる基、及びそれらと−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
エチリデン基[>CHCH3]
イソプロピリデン[>C(CH3)2]
1,2−エチレン基[−CH2CH2−]
1,2−プロピレン基[−CH(CH3)CH2−]
1,3−プロパンジイル基[−CH2CH2CH2−]
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(CH3)2CH2−]
2,2−ジメトキシ−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(OCH3)2CH2−]
2,2−ジメトキシメチル−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(CH2OCH3)2CH2−]
1−メチル−1,3−プロパンジイル基[−CH(CH3)CH2CH2−]
1,4−ブタンジイル基[−CH2CH2CH2CH2−]
1,5−ペンタンジイル基[−CH2CH2CH2CH2CH2−]
オキシジエチレン基[−CH2CH2OCH2CH2−]
チオジエチレン基[−CH2CH2SCH2CH2−]
3−オキソチオジエチレン基[−CH2CH2SOCH2CH2−]
3,3−ジオキソチオジエチレン基[−CH2CH2SO2CH2CH2−]
1,4−ジメチル−3−オキサ−1,5−ペンタンジイル基[−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−]
3−オキソペンタンジイル基[−CH2CH2COCH2CH2−]
1,5−ジオキソ−3−オキサペンタンジイル基[−COCH2OCH2CO−]
4−オキサ−1,7−ヘプタンジイル基[−CH2CH2CH2OCH2CH2CH2−]
3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基[−CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2−]
1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基[−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−]
5,5−ジメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(CH3)2CH2OCH2CH2−]
5,5−ジメトキシ−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(OCH3)2CH2OCH2CH2−]
5,5−ジメトキシメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(CH2OCH3)2CH2OCH2CH2−]
4,7−ジオキソ−3,8−ジオキサ−1,10−デカンジイル基[−CH2CH2O−COCH2CH2CO−OCH2CH2−]
3,8−ジオキソ−4,7−ジオキサ−1,10−デカンジイル基[−CH2CH2CO−OCH2CH2O−COCH2CH2−]
1,3−シクロペンタンジイル基[−1,3−C5H8−]
1,2−シクロヘキサンジイル基[−1,2−C6H10−]
1,3−シクロヘキサンジイル基[−1,3−C6H10−]
1,4−シクロヘキサンジイル基[−1,4−C6H10−]
2,5−テトラヒドロフランジイル基[2,5−C4H6O−]
p−フェニレン基[−p−C6H4−]
m−フェニレン基[−m−C6H4−]
α,α′−o−キシリレン基[−o−CH2−C6H4−CH2−]
α,α′−m−キシリレン基[−m−CH2−C6H4−CH2−]
α,α′−p−キシリレン基[−p−CH2−C6H4−CH2−]
フラン−2,5−ジイル−ビスメチレン基[2,5−CH2−C4H2O−CH2−]
チオフェン−2,5−ジイル−ビスメチレン基[2,5−CH2−C4H2S−CH2−]
イソプロピリデンビス−p−フェニレン基[−p−C6H4−C(CH3)2−p−C6H4−]
3価以上の連結基としては、以上に挙げた2価の連結基から任意の部位の水素原子を必要なだけ除いてできる基、及びそれらと−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
L0は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等)等が挙げられる。置換基として好ましいのは、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基である。
L0としては主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜8の2価の連結基が好ましく、主鎖が炭素のみからなる炭素数1〜5の2価の連結基がより好ましい。
高硬度の硬化膜を生成し、更に硬化膜の基材密着性を良くすると言う点で特に好ましい脂環式エポキシドは、前記一般式(B−I)または一般式(B−II)で表される化合物である。
一般式(B−I)または一般式(B−II)において、R211、R212、R221、R222は置換基を表す、置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子、等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、等)、アシル基(例えばアセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、等)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、等)、等が挙げられる。置換基として好ましいのは、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基である。
m21、n21、m22、n22は0〜2を表し、0または1が好ましい。
L1は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15のr1+1価の連結基あるいは単結合を表し、L2は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15のr2+1価の連結基あるいは単結合を表す。主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15の2価の連結基の例としてはL0の説明で示したものを同じものが挙げられる。
L1、L2としては主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜8の2価の連結基が好ましく、主鎖が炭素のみからなる炭素数1〜5の2価の連結基がより好ましい。
硬化感度が高く、さらに印字環境の変動によっても硬化感度が影響されにくいという点で特に好ましい脂環式エポキシドは前記一般式(B−III)または一般式(B−IV)で表される化合物である。
一般式(B−III)または一般式(B−IV)において、R231、R232、R241、R242は置換基を表す、置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子、等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、等)、アシル基(例えばアセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、等)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、等)、等が挙げられる。置換基として好ましいのは、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基である。
m23、n23、m24、n24は0〜2を表し、0または1が好ましい。
L3は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15のr3+1価の連結基あるいは単結合を表し、L4は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15のr4+1価の連結基あるいは単結合を表す。
主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15の2価の連結基の例としてはL0の説明で示したものを同じものが挙げられる。
L3、L4としては主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜8の2価の連結基が好ましく、主鎖が炭素のみからなる炭素数1〜5の2価の連結基がより好ましい。
エポキシ化合物の添加量としては、10〜40質量%含有することが好ましい。10質量%未満であると、硬化環境(温度、湿度)により硬化性が著しく変わってしまい使えない。50質量%を超えると、硬化後の膜物性が弱く使えない。より好ましい添加量としては20〜40質量%含有することが好ましい。本発明では、多官能エポキシ化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
これらの脂環式エポキシ化合物は、その製法は問わないが、例えば、丸善KK出版、第四版実験化学講座20有機合成II、213〜、平成4年、Ed.by Alfred Hasfner,The chemistry of heterocyclic compounds−Small Ring Heterocycles part3 Oxiranes,John & Wiley and Sons,An Interscience Publication,New York,1985、吉村、接着、29巻12号、32、1985、吉村、接着、30巻5号、42、1986、吉村、接着、30巻7号、42、1986、特開平11−100378号、同4−36263号、同4−69360号の各公報等の文献を参考にして合成できる。
本発明の重合性組成物を用いたカチオン重合型インクで用いる光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C6F5)4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、p−CH3C6H4SO3 -塩、CF3SO3 -塩などのスルホン酸塩を挙げることができる。対アニオンとしてボレート化合物をもつもの及びPF6 -塩が酸発生能力が高く好ましい。オニウム化合物の具体的な例を以下に示す。
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。具体的な化合物を以下に例示する。
第3に、ハロゲン化水素を発生するハロゲン化物も用いることができる。以下に具体的な化合物を例示する。
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
本発明で用いられる光カチオン重合開始剤としては、アリールスルホニウム塩誘導体(例えば、ユニオン・カーバイド社製のサイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−6974、旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172)、アリルヨードニウム塩誘導体(例えば、ローディア社製のRP−2074)、アレン−イオン錯体誘導体(例えば、チバガイギー社製のイルガキュア261)、ジアゾニウム塩誘導体、トリアジン系開始剤及びその他のハロゲン化物等の酸発生剤が挙げられる。カチオン重合開始剤は、カチオン重合性を有する化合物100質量部に対して、0.2〜20質量部の比率で含有させることが好ましい。重合開始剤の含有量が0.2質量部未満では、硬化物を得ることが困難であり、20質量部を越えて含有させても、更なる硬化性向上効果はない。これら光カチオン重合開始剤は、1種または2種以上を選択して使用することができる。
本発明で用いられる光酸発生剤として好ましいのは、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、等のオニウム塩であり、中でもスルホニウム塩化合物が好ましい。より好ましいスルホニウム塩化合物の構造として、前記一般式(I−1)、(I−2)または(I−3)で表されるスルホニウム塩化合物が挙げられる。
一般式(I−1)で、R11、R12、R13は置換基を表す。置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等)、炭素数3〜6個のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基等)、炭素数1〜6個のアルキ二ル基(例えば、アセチレニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等)、炭素数1〜6個のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基等)、炭素数6〜14のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基等)、炭素数6〜10のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等)、炭素数4〜8のヘテロ原子含有芳香族環基(例えば、フリル基、チエニル基等)、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。置換基として好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基である。これらの置換基のうち可能なものは更に置換されていてもよい。
m、n、pは0〜2の整数を表しそれぞれが1以上であることが好ましい。
X11 -は対アニオンを表す。対アニオンとしては、BF4 -、B(C6F5)4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、などの錯イオン、p−CH3C6H4SO3 -、CF3SO3 -などのスルホネートイオンを挙げることができる。対アニオンとしてはボレートイオン及びPF6 -が酸発生能力が高く好ましい。
一般式(I−2)で、R14はR11、R12、R13と同義である。qは0〜2の整数を表し1以上であることが好ましく、より好ましくは2である。
またR15、R16は置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のアルケニル基、置換、無置換のアルキニル基、または置換、無置換のアリール基を表す。置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等)、炭素数3〜6個のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基等)、炭素数1〜6個のアルキ二ル基(例えば、アセチレニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等)、炭素数1〜6個のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基等)、炭素数6〜14のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基等)、炭素数6〜10のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等)、炭素数4〜8のヘテロ原子含有芳香族環基(例えば、フリル基、チエニル基等)、ニトロ基、シアノ基、水酸基等が挙げられる。好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基である。
X12 -はX11 -と同義である。
一般式(I−3)で、R17はR11、R12、R13と同義である。rは0〜3の整数を表し1以上であることが好ましく、より好ましくは2である。R18は水素原子または置換、無置換のアルキル基を表し、R19、R20はR15、R16と同義である。
X13 -はX11 -と同義である。
以下に、一般式(I−1)、(I−2)または(I−3)で表されるスルホニウム塩化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
光重合促進剤としては、アントラセン、アントラセン誘導体(例えば、旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−100)、フェノチアジン(10H−フェノチアジン)、フェノチアジン誘導体が(例えば、10−メチルフェノチアジン、10−エチルフェノチアジン、10−デシルフェノチアジン、10−アセチルフェノチアジン、10−デシルフェノチアジン−5−オキシド、10−デシルフェノチアジン−5,5−ジオキシド、10−アセチルフェノチアジン−5,5−ジオキシド等)挙げられる。これらの光重合促進剤は1種または複数を組み合わせて使用することができる。
本発明の重合性組成物には、上記説明した構成要素の他に各種の添加剤を用いることができる。
本発明の重合性組成物を用いた重合性インク、本発明の重合性インクを用いたインクジェットインク(以下、「本発明のインクジェットインク」とも記載する)で用いる色材としては、重合性化合物の主成分に溶解または分散できる色材が使用できるが、耐候性の点から顔料が好ましい。
本発明で好ましく用いることのできる顔料を、以下に列挙する。
C.I.Pigment Yellow−1、3、12、13、14、17、81、83、87、95、109、42
C.I.Pigment Orange−16、36、38
C.I.Pigment Red−5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、144、146、185、101
C.I.Pigment Violet−19、23
C.I.Pigment Blue−15:1、15:3、15:4、18、60、27、29
C.I.Pigment Green−7、36
C.I.Pigment White−6、18、21
C.I.Pigment Black−7
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としてはAvecia社のSolsperseシリーズが挙げられる。また分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明に用いる重合性インクでは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤ではなく重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
C.I.Pigment Orange−16、36、38
C.I.Pigment Red−5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、144、146、185、101
C.I.Pigment Violet−19、23
C.I.Pigment Blue−15:1、15:3、15:4、18、60、27、29
C.I.Pigment Green−7、36
C.I.Pigment White−6、18、21
C.I.Pigment Black−7
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としてはAvecia社のSolsperseシリーズが挙げられる。また分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明に用いる重合性インクでは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤ではなく重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化の感度を維持することができる。
本発明のインクジェットインクにおいては、色材濃度として、インク全体の1質量%乃至10質量%であることが好ましい。
本発明においては、吐出安定性、保存性を向上させる目的で、熱塩基発生剤も用いることができる。
熱塩基発生剤としては、例えば、加熱により脱炭酸して分解する有機酸と塩基の塩、分子内求核置換反応、ロッセン転位、ベックマン転位等の反応により分解してアミン類を放出する化合物や、加熱により何らかの反応を起こして塩基を放出するものが好ましく用いられる。具体的には、英国特許第998,949号明細書記載のトリクロロ酢酸の塩、米国特許第4,060,420号明細書に記載のアルファースルホニル酢酸の塩、特開昭59−157637号公報に記載のプロピール酸類の塩、2−カルボキシカルボキサミド誘導体、特開昭59−168440号公報に記載の塩基成分に有機塩基の他にアルカリ金属、アルカリ土類金属を用いた熱分解性酸との塩、特開昭59−180537号公報に記載のロッセン転位を利用したヒドロキサムカルバメート類、加熱によりニトリルを生成する特開昭59−195237号公報に記載のアルドキシムカルバメート類等が挙げられる。その他、英国特許第998,945号、米国特許第3,220,846号、英国特許第279,480号の各明細書、特開昭50−22625号、同61−32844号、同61−51139号、同61−52638号、同61−51140号、同61−53634号〜同61−53640号、同61−55644号、同61−55645号の各公報等に記載の熱塩基発生剤が有用である。
更に具体的に例を挙げると、トリクロロ酢酸グアニジン、トリクロロ酢酸メチルグアニジン、トリクロロ酢酸カリウム、フェニルスルホニル酢酸グアニジン、p−クロロフェニルスルホニル酢酸グアニジン、p−メタンスルホニルフェニルスルホニル酢酸グアニジン、フェニルプロピオール酸カリウム、フェニルプロピオール酸グアニジン、フェニルプロピオール酸セシウム、p−クロロフェニルプロピオール酸グアニジン、p−フェニレン−ビス−フェニルプロピオール酸グアニジン、フェニルスルホニル酢酸テトラメチルアンモニウム、フェニルプロピオール酸テトラメチルアンモニウムがある。上記の熱塩基発生剤は広い範囲で用いることができる。
本発明のインクジェットインクは、特開平8−248561号、同9−34106号の各公報を始めとし、既に公知となっている活性光線の照射で発生した酸により新たに酸を発生する酸増殖剤を含有することも可能である。
本発明のインクジェットインクは、重合性組成物、顔料分散剤と共に、顔料をサンドミル等の通常の分散機を用いてよく分散することにより製造される。予め、顔料高濃度の濃縮液を調製しておき、活性エネルギー線硬化性化合物で希釈することが好ましい。通常の分散機による分散でも充分な分散が可能であり、このため、過剰な分散エネルギーがかからず、多大な分散時間を必要としないため、インク成分の分散時の変質を招きにくく、安定性に優れたインクが調製される。インクは孔径3μm以下、更には1μm以下のフィルターにて濾過することが好ましい。
本発明の重合性組成物は、25℃での粘度を1〜500mPa・sに調整することが好ましい。本発明の重合性インクは、25℃での粘度が7〜40mPa・sと高めに調整することが好ましい。25℃での粘度が7〜40mPa・sのインクは、特に通常の4〜10KHzの周波数を有するヘッドから、10〜50KHzの高周波数のヘッドにおいても安定した吐出特性を示す。粘度が5mPa・s未満の場合は、高周波数のヘッドにおいて、吐出の追随性の低下が認められ、40mPa・sを越える場合は、加熱による粘度の低下機構をヘッドに組み込んだとしても吐出特性そのものの低下を生じ、吐出の安定性が不良となり、全く吐出できなくなる。
また、本発明のインクジェットインクは、ピエゾヘッドにおいては10μS/cm以下の電導度とし、ヘッド内部での電気的な腐食のないインクとすることが好ましい。またコンティニュアスタイプにおいては、電解質による電導度の調整が必要であり、この場合には、0.5mS/cm以上の電導度に調整する必要がある。
本発明においては、インクの25℃における表面張力が25〜40mN/mの範囲にあることが好ましい。25℃におけるインクの表面張力が25mN/m未満では、安定した出射が得られにくく、また40mN/mを越えると所望のドット径を得ることができない。25〜40mN/mの範囲外では、本発明のように、インクの粘度や含水率を制御しながら出射、光照射しても、様々な支持体に対して均一なドット径を得ることが困難となる。
表面張力を調整するために、必要に応じて界面活性剤を含有させてもよい。本発明のインクジェットインクに好ましく使用される界面活性剤としては、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤、重合性基を有する界面活性化合物などが挙げられる。これらの中で、特にシリコーン変性アクリレート、フッ素変性アクリレート、シリコーン変性エポキシ、フッ素変性エポキシ、シリコーン変性オキセタン、フッ素変性オキセタンなど、不飽和結合やオキシラン、オキセタン環など重合性基を有する界面活性化合物が好ましい。
本発明のインクジェットインクには、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。記録媒体との密着性を改善するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その使用量は0.1〜5%の範囲であり、好ましくは0.1〜3%である。また、ラジカル重合性モノマーと開始剤を組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも可能である。
本発明の画像形成方法においては、インク組成物をインクジェット記録方式により記録材料上に吐出、描画し、次いで紫外線などの活性光線を照射してインクを硬化させる。
本発明の画像形成方法においては、インク出射時にはインクをインクジェットノズルごと加温し、インク液を低粘度させることが好ましい。加熱温度としては30〜100℃、好ましくは35〜100℃、より好ましくは35〜60℃である。
本発明において、インクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることが好ましい。スクリーン印刷分野の重合性インクジェット記録では、総インク膜厚が20μmを越えているのが現状であるが、記録材料が薄いプラスチック材料であることが多い軟包装印刷分野では、前述した記録材料のカール・しわの問題でだけでなく、印刷物全体のこし・質感が変わってしまうという問題が有るため使えない。また本発明では、各ノズルより吐出する液滴量が2〜15plであることが好ましい。
本発明においては、高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早い方が好ましいが、本発明においては、インクの粘度または含水率が好ましい状態となるタイミングで光照射を開始することが好ましい。
詳しくは発生光線の照射条件として、インク着弾後0.001〜2.0秒の間に活性光線照射を開始することが好ましく、好ましくは0.001〜1.0秒、より好ましくは0.001〜0.4秒である。また0.1〜3秒後、好ましくは0.2〜1秒以内に、インクの流動性が失われる程度まで光照射を行なった後、終了させることが好ましい。上記条件とすることにより、ドット径の拡大やドット間の滲みを防止することができる。
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号公報に開示されている。これによると、記録ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式で記録ヘッドと光源を走査する。照射はインク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号明細書では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源を記録ヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらのいずれの照射方法も用いることができる。
また活性光線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性光線を照射し、且つ全印字終了後、更に活性光線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性光線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
活性光線照射で用いる光源の例としては、水銀アークランプ、キセノンアークランプ、螢光ランプ、炭素アークランプ、タングステン−ハロゲン複写ランプ高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極UVランプ、低圧水銀ランプ、UVレーザー、キセノンフラッシュランプ、捕虫灯、ブラックライト、殺菌灯、冷陰極管、LEDをなどがあるが、これらに限定されないが、この中でも蛍光管が低エネルギー・低コストであり、好ましい。光源波長としては250〜370nm、好ましくには270〜320nmに発光波長のピークがある光源が、感度の点で好ましい。照度は1〜3000mW/cm2、好ましくは1〜200mW/cm2である。また電子線により硬化させる場合には、通常300eVの以下のエネルギーの電子線で硬化させるが、1〜5Mradの照射量で瞬時に硬化させることも可能である。
本発明のインクジェットインクを用いて、被記録媒体(基材ともいう)への画像印字を行うが、被記録媒体としては従来各種の用途で使用されている広汎な合成樹脂を全て用いることができ、具体的には、例えば、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブタジエンテレフタレート等が挙げられ、これらの合成樹脂基材の厚みや形状は何ら限定されない。
本発明で用いることのできる基材としては、通常の非コート紙、コート紙などの他に、非吸収性支持体を用いることができるが、その中でも基材として非吸収性支持体を用いることが好ましい。
本発明においては、非吸収性支持体としては各種非吸収性のプラスチック及びそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルムを挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが使用できる。また、金属類やガラス類にも適用可能である。これらの記録材料の中でも、特に熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムへ画像を形成する場合に本発明の構成は有効となる。これらの基材はインクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などにより、フィルムのカール、変形が生じやすいばかりでなく、インク膜が基材の収縮に追従し難い。
これら、各種プラスチックフィルムの表面エネルギーは大きく異なり、記録材料によってインク着弾後のドット径が変わってしまうことが、従来から問題となっていた。本発明の構成では、表面エネルギーの低いOPPフィルム、OPSフィルムや表面エネルギーの比較的大きいPETまでを含むが、基材として濡れ指数が40〜60mN/mであることが好ましい。
本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録材料のコスト、プリントの作製効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺(ウェブ)な記録材料を使用する方が有利である。
次いで、本発明のインクジェット記録装置について説明する。
以下、本発明のインクジェット記録装置について、図面を適宜参照しながら説明する。なお、図面の記録装置はあくまでも本発明のインクジェット記録装置の一態様であり、本発明のインクジェット記録装置はこの図面に限定されない。
図1は、本発明のインクジェット記録装置の要部の構成を示す正面図である。記録装置1は、ヘッドキャリッジ2、記録ヘッド3、照射手段4、プラテン部5等を備えて構成される。この記録装置1は、記録材料Pの下にプラテン部5が設置されている。プラテン部5は、紫外線を吸収する機能を有しており、記録材料Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現できる。
記録材料Pは、ガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図1における手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキャリッジ2を図1におけるY方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ2に保持された記録ヘッド3の走査を行なう。
ヘッドキャリッジ2は記録材料Pの上側に設置され、記録材料P上の画像印刷に用いる色の数に応じて後述する記録ヘッド3を複数個、吐出口を下側に配置して収納する。ヘッドキャリッジ2は、図1におけるY方向に往復自在な形態で記録装置1本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に往復移動する。
なお、図1ではヘッドキャリッジ2がホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ホワイト(W)の記録ヘッド3を収納するものとして描図を行なっているが、実施の際にはヘッドキャリッジ2に収納される記録ヘッド3の色数は適宜決められるものである。
記録ヘッド3は、インク供給手段(図示せず)により供給された重合性インク(例えば、紫外線硬化インク)を、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から記録材料Pに向けて吐出する。記録ヘッド3により吐出される紫外線硬化インクは色材、重合性モノマー、開始剤等を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで開始剤が触媒として作用することに伴なうモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有する。
記録ヘッド3は記録材料Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に記録材料Pの他端まで移動するという走査の間に、記録材料Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対して紫外線硬化インクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
上記走査を適宜回数行ない、1領域の着弾可能領域に向けて紫外線硬化インクの吐出を行なった後、搬送手段で記録材料Pを図1における手前から奥方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行ないながら、記録ヘッド3により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対して紫外線硬化インクの吐出を行なう。
上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッド3から紫外線硬化インクを吐出することにより、記録材料P上に紫外線硬化インク滴の集合体からなる画像が形成される。
照射手段4は特定の波長領域の紫外線を安定した露光エネルギーで発光する紫外線ランプ及び特定の波長の紫外線を透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外線ランプとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザ、紫外線レーザ、冷陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が適用可能であり、帯状のメタルハライドランプ管、冷陰極管、水銀ランプ管もしくはブラックライトが好ましい。特に波長365nmの紫外線を発光する冷陰極管及びブラックライトが滲み防止、ドット径制御を効率よく行なえ、且つ硬化の際の皺も低減でき好ましい。ブラックライトを照射手段4の放射線源に用いることで、紫外線硬化インクを硬化するための照射手段4を安価に作製することができる。
照射手段4は、記録ヘッド3がヘッド走査手段の駆動による1回の走査によって紫外線硬化インクを吐出する着弾可能領域のうち、記録装置(紫外線硬化型インクジェットプリンタ)1で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
照射手段4はヘッドキャリッジ2の両脇に、記録材料Pに対してほぼ平行に、固定して設置される。
前述したようにインク吐出部の照度を調整する手段としては、記録ヘッド3全体を遮光することはもちろんであるが、加えて照射手段4と記録材料Pの距離h1より、記録ヘッド3のインク吐出部31と記録材料Pとの距離h2を大きくしたり(h1<h2)、記録ヘッド3と照射手段4との距離dを離したり(dを大きく)することが有効である。又、記録ヘッド3と照射手段4の間を蛇腹構造7にすると更に好ましい。
ここで、照射手段4で照射される紫外線の波長は、照射手段4に備えられた紫外線ランプ又はフィルターを交換することで適宜変更することができる。
図2は、インクジェット記録装置の要部の構成の他の一例を示す図である。
図2で示したインクジェット記録装置は、ラインヘッド方式と呼ばれており、ヘッドキャリッジ2に、各色のインクジェット記録ヘッド3を、記録材料Pの全幅をカバーするようにして、複数個、固定配置されている。ヘッドキャリッジ2は遮光されている。
一方、ヘッドキャリッジ2の下流側には、同じく記録材料Pの全幅をカバーするようにして、インク印字面全域をカバーするように配置されている照射手段4が設けられている。照明手段4に用いられる紫外線ランプは、図1に記載したのと同様のものを用いることができる。
このラインヘッド方式では、ヘッドキャリッジ2及び照射手段4は固定され、記録材料Pのみが、搬送されて、インク出射及び硬化を行って画像形成を行う。
実施例1
重合製組成物の調製
重合性化合物(各10g),重合開始剤(各0.5g),溶媒(各20ml)を表1に示すように添加、溶解させて、重合性組成物を調製した。
重合製組成物の調製
重合性化合物(各10g),重合開始剤(各0.5g),溶媒(各20ml)を表1に示すように添加、溶解させて、重合性組成物を調製した。
重合製組成物の重合
以下の方法により、重合を行った。得られた重合性組成物を窒素気流下、加熱還流しながら1時間撹拌した。トリエチルアミン1gを加えて反応を停止させた後、メタノール20mlを加え、析出物を濾取した。析出物をメタノールで十分に洗浄し、減圧乾燥後、析出物の質量を測定した。
以下の方法により、重合を行った。得られた重合性組成物を窒素気流下、加熱還流しながら1時間撹拌した。トリエチルアミン1gを加えて反応を停止させた後、メタノール20mlを加え、析出物を濾取した。析出物をメタノールで十分に洗浄し、減圧乾燥後、析出物の質量を測定した。
重合性組成物の評価
得られた重合物の収率を比較した。収率が15%以下のものを×、収率が15−30%のものを△、収率が30%−45のものを○、収率が45%以上のものを◎とした。結果を表1にあわせて示す。
得られた重合物の収率を比較した。収率が15%以下のものを×、収率が15−30%のものを△、収率が30%−45のものを○、収率が45%以上のものを◎とした。結果を表1にあわせて示す。
表1より本発明の重合性組成物は、比較化合物に対して、比較的短い重合時間においても高収率で重合が進むことが分る。
また、試料No.4を高圧水銀灯照射下に重合反応を行い、重合が進行することを確認した。試料No.11、12の重合開始剤をPI−1に変更し、高圧水銀灯照射下に重合反応を行い、重合が進行することを確認した。
実施例2
硬化組成物の作製
光重合性化合物、光重合開始剤、本発明の化合物及びその他添加剤を表2に示すように添加、溶解させて硬化組成物を作製した。
硬化組成物の作製
光重合性化合物、光重合開始剤、本発明の化合物及びその他添加剤を表2に示すように添加、溶解させて硬化組成物を作製した。
使用した化合物を以下に示す。
〔光重合性化合物〕
〈脂環式エポキシ化合物〉
セロキサイド2021P:ダイセル化学工業社製
セロキサイド3000 :ダイセル化学工業社製
エポリードGT301 :ダイセル化学工業社製
α−ピネンオキシド :東京化成工業社製
〈エポキシ化大豆油〉
Vf7010:Vikoflex7010(ATOFINA社製)
〈オキセタン化合物〉
OXT−221:東亞合成社製
OXT−212:東亞合成社製
〔光酸発生剤〕
SP−152:アデカオプトマーSP−152 旭電化社製
UVI6992:ダウ・ケミカル社製 プロピオンカーボネート50%液
〔界面活性剤〕
F178k:メガファックスF178k パーフルオロアルキル基含有アクリルオリゴマー(大日本インキ化学工業社製)
F1405:メガファックスF1405 パーフルオロアルキル基含有エチレンオキサイド付加物(大日本インキ化学工業社製)
〔塩基性化合物〕
塩基性化合物A:N−エチルジエタノールアミン
塩基性化合物B:トリイソプロパノールアミン
《硬化組成物の硬化》
以下の方法によって、塗膜を形成した後、硬化させた。得られた硬化組成物をPVCに膜厚が7μmになるように塗布した後、800mJ/cm2の紫外線をメタルハライドランプにより2秒以内で照射し、硬化物を得た。
〈脂環式エポキシ化合物〉
セロキサイド2021P:ダイセル化学工業社製
セロキサイド3000 :ダイセル化学工業社製
エポリードGT301 :ダイセル化学工業社製
α−ピネンオキシド :東京化成工業社製
〈エポキシ化大豆油〉
Vf7010:Vikoflex7010(ATOFINA社製)
〈オキセタン化合物〉
OXT−221:東亞合成社製
OXT−212:東亞合成社製
〔光酸発生剤〕
SP−152:アデカオプトマーSP−152 旭電化社製
UVI6992:ダウ・ケミカル社製 プロピオンカーボネート50%液
〔界面活性剤〕
F178k:メガファックスF178k パーフルオロアルキル基含有アクリルオリゴマー(大日本インキ化学工業社製)
F1405:メガファックスF1405 パーフルオロアルキル基含有エチレンオキサイド付加物(大日本インキ化学工業社製)
〔塩基性化合物〕
塩基性化合物A:N−エチルジエタノールアミン
塩基性化合物B:トリイソプロパノールアミン
《硬化組成物の硬化》
以下の方法によって、塗膜を形成した後、硬化させた。得られた硬化組成物をPVCに膜厚が7μmになるように塗布した後、800mJ/cm2の紫外線をメタルハライドランプにより2秒以内で照射し、硬化物を得た。
硬化物の評価方法
得られた硬化物の物理的特性を下記に示す試験で評価した。
得られた硬化物の物理的特性を下記に示す試験で評価した。
1.鉛筆引っかき試験
JIS K 5400に従って、各硬化物の硬度を測定した。硬度のランクは(軟)6B〜B、HB、F、H〜9H(硬)の順に6Bが最も柔らかく、9Hが最も硬い。
JIS K 5400に従って、各硬化物の硬度を測定した。硬度のランクは(軟)6B〜B、HB、F、H〜9H(硬)の順に6Bが最も柔らかく、9Hが最も硬い。
2.基盤目テープ剥離残留付着率試験
JIS K 5400の碁盤目試験で得た硬化組成物試料に粘着テープ(スコッチ#250、住友スリーエム製)を張り合わせて2kgのローラーで1往復圧着した後、一気に剥がし、残留している碁盤目状の試料の数を調査した。
JIS K 5400の碁盤目試験で得た硬化組成物試料に粘着テープ(スコッチ#250、住友スリーエム製)を張り合わせて2kgのローラーで1往復圧着した後、一気に剥がし、残留している碁盤目状の試料の数を調査した。
3.柔軟性の評価
得られた硬化膜をJIS K 5600 の耐屈曲性評価の方法にのっとり評価した。
得られた硬化膜をJIS K 5600 の耐屈曲性評価の方法にのっとり評価した。
粘度の評価
25℃における粘度が50mPa・s以下の組成物に◎、50〜500mPa・sの組成物を○、500mPa・s以上の組成物を×とした。
25℃における粘度が50mPa・s以下の組成物に◎、50〜500mPa・sの組成物を○、500mPa・s以上の組成物を×とした。
硬化膜保存性の評価
得られた硬化組成物を室内蛍光灯下、55℃で半年間間保存した後の、硬化組成物の柔軟性の評価を上述したのと同様の試験にて評価した。試験結果に大きな変化の無いものを○、劣化が見られるものを△、大きく劣化が見られたものを×とした。○が実用上問題の無いレベルである。結果は表3に示す。
得られた硬化組成物を室内蛍光灯下、55℃で半年間間保存した後の、硬化組成物の柔軟性の評価を上述したのと同様の試験にて評価した。試験結果に大きな変化の無いものを○、劣化が見られるものを△、大きく劣化が見られたものを×とした。○が実用上問題の無いレベルである。結果は表3に示す。
表3より、本発明の試料は、密着性及び硬度が十分であり、硬化膜は長期間保存後においても膜の柔軟性の劣化が殆ど無いことが判る。
実施例3
《インク組成》
分散剤(PB822 味の素ファインテクノ社製)を5質量部と、表4に記載の各光重合性化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間かけて撹拌、混合して溶解させた。次いで、この溶液に以下に示す各種顔料を3質量部添加した後、直径1mmのジルコニアビーズ200gと共にポリ瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて2時間分散処理を行った。次いで、ジルコニアビーズを取り除き、各光重合開始剤、塩基性化合物、界面活性剤等の各種添加剤を表4に記載の組み合わせで添加し、これをプリンター目詰まり防止のため0.8μmメンブランフィルターで濾過して、インク組成物セットを調製した。
《インク組成》
分散剤(PB822 味の素ファインテクノ社製)を5質量部と、表4に記載の各光重合性化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間かけて撹拌、混合して溶解させた。次いで、この溶液に以下に示す各種顔料を3質量部添加した後、直径1mmのジルコニアビーズ200gと共にポリ瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて2時間分散処理を行った。次いで、ジルコニアビーズを取り除き、各光重合開始剤、塩基性化合物、界面活性剤等の各種添加剤を表4に記載の組み合わせで添加し、これをプリンター目詰まり防止のため0.8μmメンブランフィルターで濾過して、インク組成物セットを調製した。
使用した顔料は下記の通り
K:CI pigment Black 7
C:CI pigment Blue 15:3
M:CI pigment Red 57:1
Y:CI pigment Yellow 13
W:酸化チタン(アナターゼ型:粒径0.2μm)
Lk:CI pigment Black 7
Lc:CI pigment Blue 15:3
Lm:CI pigment Red 57:1
Ly:CI pigment Yellow 13
K:CI pigment Black 7
C:CI pigment Blue 15:3
M:CI pigment Red 57:1
Y:CI pigment Yellow 13
W:酸化チタン(アナターゼ型:粒径0.2μm)
Lk:CI pigment Black 7
Lc:CI pigment Blue 15:3
Lm:CI pigment Red 57:1
Ly:CI pigment Yellow 13
使用した化合物を以下に示す。
〔相溶化剤〕
R100:ハリタックR100(ロジン変性マレイン酸樹脂 播磨化学社製)
145P:ハリタック145P(ロジン変性マレイン酸樹脂 播磨化学社製)
《インクジェット画像形成方法》
ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図1に記載の構成からなるインクジェット記録装置に、上記調製した各硬化組成物インクを装填し、巾600mm、長さ20mの長尺の各記録材料へ、下記の画像記録を連続して行った。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。なお、各硬化組成物インクの粘度にあわせてヘッド部を加温し、2〜15plの液滴量のマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動して、上記記載の硬化組成物インクを連続吐出した。また、記録材料は面ヒーターにより50℃に加温した。着弾した後、キャリッジ両脇の照射光源A:高圧水銀ランプVZero085(INTEGRATION TECHNOLOGY社製)または、照射光源B:メタルハライドランプ(日本電池社製 MAL400NL 電力=3kW・hr 120W/cm)により瞬時(着弾後0.4秒未満)に硬化させた。画像記録後に、総インク膜厚を測定したところ、2.3〜13μmの範囲であった。なお、インクジェット画像の形成は、上記方法に従って、30℃・80%RHと25℃・20%RHの環境下で印字を行った。
R100:ハリタックR100(ロジン変性マレイン酸樹脂 播磨化学社製)
145P:ハリタック145P(ロジン変性マレイン酸樹脂 播磨化学社製)
《インクジェット画像形成方法》
ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図1に記載の構成からなるインクジェット記録装置に、上記調製した各硬化組成物インクを装填し、巾600mm、長さ20mの長尺の各記録材料へ、下記の画像記録を連続して行った。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。なお、各硬化組成物インクの粘度にあわせてヘッド部を加温し、2〜15plの液滴量のマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動して、上記記載の硬化組成物インクを連続吐出した。また、記録材料は面ヒーターにより50℃に加温した。着弾した後、キャリッジ両脇の照射光源A:高圧水銀ランプVZero085(INTEGRATION TECHNOLOGY社製)または、照射光源B:メタルハライドランプ(日本電池社製 MAL400NL 電力=3kW・hr 120W/cm)により瞬時(着弾後0.4秒未満)に硬化させた。画像記録後に、総インク膜厚を測定したところ、2.3〜13μmの範囲であった。なお、インクジェット画像の形成は、上記方法に従って、30℃・80%RHと25℃・20%RHの環境下で印字を行った。
なお、各照射光源の照度は、岩崎電機社製のUVPF−A1を用いて、254nmの積算照度を測定した。
また、記載した各記録材料の略称の詳細は、以下の通りである。
合成紙:ユポコーポレーション社製合成紙 ユポFGS
PVC:polyvinyl chioride
粘度の評価
25℃における粘度が7〜40mPa・sの範囲内のインクを◎、80mPa・s以上のインクを×とした。
PVC:polyvinyl chioride
粘度の評価
25℃における粘度が7〜40mPa・sの範囲内のインクを◎、80mPa・s以上のインクを×とした。
ミストによる地汚れの評価
ベタ部横の非画像部に付着したミスト汚れを目視により、◎○△×の4段階で評価した。
◎:ミストがほとんどなく、良好なレベル。
○:ミストがわずかにあるが、問題の無いレベル。
△:ミストがあり、画質に影響を与えるレベル。
×:ミストが多発し、許容できないレベル。
◎および○が、インクが十分に低粘度で、実用上問題の無いレベルである。
ベタ部横の非画像部に付着したミスト汚れを目視により、◎○△×の4段階で評価した。
◎:ミストがほとんどなく、良好なレベル。
○:ミストがわずかにあるが、問題の無いレベル。
△:ミストがあり、画質に影響を与えるレベル。
×:ミストが多発し、許容できないレベル。
◎および○が、インクが十分に低粘度で、実用上問題の無いレベルである。
射出性の評価
連続でインクを30分間吐出させた後、インク欠の状況を目視にて評価した。
◎:欠がなく、良好なレベル。
○:欠がわずかにあるが、問題の無いレベル。
△:欠があり、画質に影響を与えるレベル。
×:欠が多発し、許容できないレベル。
連続でインクを30分間吐出させた後、インク欠の状況を目視にて評価した。
◎:欠がなく、良好なレベル。
○:欠がわずかにあるが、問題の無いレベル。
△:欠があり、画質に影響を与えるレベル。
×:欠が多発し、許容できないレベル。
インクジェット記録画像の評価
上記画像形成方法で記録した各画像について、下記の各評価を行った。目標濃度で6ポイントMS明朝体文字を印字し、文字のガサツキをルーペで拡大評価し、下記の基準に則り文字品質の評価を行った。
◎:ガサツキなし
○:僅かにガサツキが見える
△:ガサツキが見えるが、文字として判別でき、ギリギリ使えるレベル
×:ガサツキがひどく、文字がかすれていて使えないレベル
(色混じり(滲み、皺))
720dpiで、Y、M、C、K各色1ドットが隣り合うように印字し、隣り合う各色ドットをルーペで拡大し、滲み及び皺の具合を目視観察し、下記の基準に則り色混じりの評価を行った。
◎:隣り合うドット形状が真円を保ち、滲みがない
○:隣り合うドット形状はほぼ真円を保ち、ほとんど滲みがない
△:隣り合うドットが少し滲んでいてドット形状が少しくずれているが、ギリ
ギリ使えるレベル
×:隣り合うドットが滲んで混じりあっており、また、重なり部に皺の発生が
あり、使えないレベル。
上記画像形成方法で記録した各画像について、下記の各評価を行った。目標濃度で6ポイントMS明朝体文字を印字し、文字のガサツキをルーペで拡大評価し、下記の基準に則り文字品質の評価を行った。
◎:ガサツキなし
○:僅かにガサツキが見える
△:ガサツキが見えるが、文字として判別でき、ギリギリ使えるレベル
×:ガサツキがひどく、文字がかすれていて使えないレベル
(色混じり(滲み、皺))
720dpiで、Y、M、C、K各色1ドットが隣り合うように印字し、隣り合う各色ドットをルーペで拡大し、滲み及び皺の具合を目視観察し、下記の基準に則り色混じりの評価を行った。
◎:隣り合うドット形状が真円を保ち、滲みがない
○:隣り合うドット形状はほぼ真円を保ち、ほとんど滲みがない
△:隣り合うドットが少し滲んでいてドット形状が少しくずれているが、ギリ
ギリ使えるレベル
×:隣り合うドットが滲んで混じりあっており、また、重なり部に皺の発生が
あり、使えないレベル。
硬化膜硬度、硬化膜の耐屈曲性の評価
マゼンタ顔料を分散したマゼンタインクを用い上記のインクジェット画像形成方法によって印刷して作製した硬化膜の物理的特性を下記に示す試験で評価した。
マゼンタ顔料を分散したマゼンタインクを用い上記のインクジェット画像形成方法によって印刷して作製した硬化膜の物理的特性を下記に示す試験で評価した。
1.鉛筆引っかき試験
JIS K 5400に従って、各硬化物の硬度を測定した。硬度のランクは(軟)6B〜B、HB、F、H〜9H(硬)の順に6Bが最も柔らかく、9Hが最も硬い。
JIS K 5400に従って、各硬化物の硬度を測定した。硬度のランクは(軟)6B〜B、HB、F、H〜9H(硬)の順に6Bが最も柔らかく、9Hが最も硬い。
2.柔軟性の評価
硬化組成物をPVCに膜厚が4μmになるように射出塗布した後、800mJ/cm2の紫外線をメタルハライドランプにより1秒以内で照射し、硬化膜を得た。得られた硬化膜をJIS K 5600の耐屈曲性評価の方法にのっとり評価した。
硬化組成物をPVCに膜厚が4μmになるように射出塗布した後、800mJ/cm2の紫外線をメタルハライドランプにより1秒以内で照射し、硬化膜を得た。得られた硬化膜をJIS K 5600の耐屈曲性評価の方法にのっとり評価した。
インク保存性の評価
調製したインクを密栓容器に入れ、暗所にて室温1ヶ月間保存した後、上述した方法と同様の画像形成および試験を行い、保存安定性を判断した。1ヶ月保存後も試験結果に大きな変動が無いものを○、いずれかの試験において一つ以上の項目で大きな変動が見られたものを△、インク粘度が増加し、画像形成ができなかったものを×とした。○が実用上問題の無い保存安定性である。
調製したインクを密栓容器に入れ、暗所にて室温1ヶ月間保存した後、上述した方法と同様の画像形成および試験を行い、保存安定性を判断した。1ヶ月保存後も試験結果に大きな変動が無いものを○、いずれかの試験において一つ以上の項目で大きな変動が見られたものを△、インク粘度が増加し、画像形成ができなかったものを×とした。○が実用上問題の無い保存安定性である。
硬化膜保存性の評価
得られた硬化組成物を室内蛍光灯下、55℃で半年間保存した後の、硬化組成物の柔軟性の評価を上述したのと同様の試験にて評価した。試験結果に大きな変化の無いものを○、劣化が見られるものを△、大きく劣化が見られたものを×とした。○が実用上問題の無いレベルである。結果を表5に示す。
得られた硬化組成物を室内蛍光灯下、55℃で半年間保存した後の、硬化組成物の柔軟性の評価を上述したのと同様の試験にて評価した。試験結果に大きな変化の無いものを○、劣化が見られるものを△、大きく劣化が見られたものを×とした。○が実用上問題の無いレベルである。結果を表5に示す。
表5の結果より、本発明の試料は、射出性も良く、かつ、画質も向上していることが判る。本発明の試料は、環境の違いによらず、良好な硬化性を示すことが判る。本発明の試料は、長期間保存後でも諸性能・諸物性を維持することがわかる。
1 記録装置
2 ヘッドキャリッジ
3 記録ヘッド
4 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
7 蛇腹構造
P 記録材料
2 ヘッドキャリッジ
3 記録ヘッド
4 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
7 蛇腹構造
P 記録材料
Claims (25)
- 前記一般式(X)で表される化合物のRx1およびRx2のいずれか一方がアルキル基、残った一方が水素原子であることを特徴とする請求項1に記載の重合性組成物。
- 前記一般式(X)で表される化合物のRx1およびRx2のいずれか一方が炭素数1から3のアルキル基、残った一方が水素原子であることを特徴とする請求項1に記載の重合性組成物。
- さらにオキセタン化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合性組成物。
- オキセタン化合物がオキセタン環の2位に置換基を有さないオキセタン化合物であることを特徴とする請求項4に記載の重合性組成物。
- オキセタン環の2位に置換基を有さないオキセタン化合物が二つ以上のオキセタン環を有する多官能のオキセタン化合物であることを特徴とする請求項4または5に記載の重合性組成物。
- 前記一般式(B)で表されるエポキシ化合物が下記一般式(B−I)または一般式(B−II)で表される化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に記載の重合性組成物。
- 前記一般式(B)で表されるエポキシ化合物が下記一般式(B−III)または(B−IV)で表される化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に記載の重合性組成物。
) - さらに重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の重合性組成物。
- 前記重合開始剤が活性光線の照射により酸を発生する化合物であることを特徴とする請求項10に記載の重合性組成物。
- 活性光線の照射により酸を発生する化合物がオニウム塩化合物であることを特徴とする請求項11に記載の重合性組成物。
- 活性光線の照射により酸を発生する化合物がスルホニウム塩化合物であることを特徴とする請求項11または12に記載の重合性組成物。
- 活性光線の照射により酸を発生する化合物が下記一般式(I−1)、一般式(I−2)または一般式(I−3)で表されるスルホニウム塩化合物であることを特徴とする請求項11に記載の重合性組成物。
- 25℃における粘度が1〜500mPa・sであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の重合性組成物。
- 請求項1〜15のいずれか1項に記載の重合性組成物を活性光線により重合することを特徴とする重合方法。
- 請求項1〜15のいずれか1項に記載の重合性組成物を含有することを特徴とする重合性インク。
- 25℃における粘度が7〜40mPa・sであることを特徴とする請求項17に記載の重合性インク。
- 顔料を含有することを特徴とする請求項17または18に記載の重合性インク。
- インクジェット記録ヘッドより、請求項17〜19のいずれか1項に記載の重合性インクを記録材料上に画像様に噴射し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該重合性インクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性光線を照射して重合性インクを硬化させることを特徴とする画像形成方法。
- インクジェット記録ヘッドより、請求項17〜19のいずれか1項に記載の重合性インクを記録材料上に画像様に噴射して該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該インクジェット記録ヘッドの各ノズルより吐出する最小インク液滴量が、2〜15plであることを特徴とする画像形成方法。
- 請求項20または21に記載の画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置が、重合性インク及び記録ヘッドを35〜100℃に加熱した後、該重合性インクを吐出するインクジェット記録装置であることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項20または21に記載の画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置が、35〜60℃に加温した記録媒体に、重合性インクを吐出するインクジェット記録装置であることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 前記一般式(Xa)で表されるエポキシ化合物のRX1aとRX2aの少なくともいずれかがアルキル基であることを特徴とする請求項24に記載のエポキシ化合物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005211146A JP2006328339A (ja) | 2005-04-28 | 2005-07-21 | 重合性組成物、重合方法、重合性インク、それを用いた画像形成方法、インクジェット記録装置及びエポキシ化合物 |
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JP2005131497 | 2005-04-28 | ||
JP2005211146A JP2006328339A (ja) | 2005-04-28 | 2005-07-21 | 重合性組成物、重合方法、重合性インク、それを用いた画像形成方法、インクジェット記録装置及びエポキシ化合物 |
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- 2005-07-21 JP JP2005211146A patent/JP2006328339A/ja active Pending
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