JP2006328178A - ラジカル滅菌検知用インキ組成物及びラジカル滅菌検知インジケーター - Google Patents

ラジカル滅菌検知用インキ組成物及びラジカル滅菌検知インジケーター Download PDF

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Abstract

【課題】ラジカル滅菌処理の検知に適したインジケータを提供する。
【解決手段】アルコールを原料とするラジカル含有ガスによる滅菌処理を検知するために用いるラジカル滅菌検知用インキ組成物であって、アントラキノン系染料、アゾ系染料及びトリアリールメタン系染料の少なくとも1種を含むインキ組成物に係る。
【選択図】なし

Description

本発明は、ラジカル滅菌検知用インキ組成物及びラジカル滅菌検知インジケーターに関する。
病院、研究所等において使用される各種の器材、器具等は、消毒・殺菌のために滅菌処理が施される。この滅菌処理として、高温蒸気滅菌処理、エチレンオキサイドガス滅菌処理、ラジカル滅菌処理等が知られている。
最近では、これらの滅菌方法のほかにも、メタノールラジカル(・CHOH,ヒドロキシメチルラジカル)による殺菌方法も提案されている(非特許文献1)。この方法では、メタノールを原料として用い、メタノールラジカル等を含む雰囲気を形成し、その雰囲気中で被処理物を滅菌するという方法である。
このラジカル滅菌処理においては、滅菌処理の前後の被処理物の外観から滅菌処理の完了が確認できないため、その滅菌処理の完了を確認するためのインジケーターの設置が必要となる。
石川、羽柴、佐野、民谷、二木「新規ガス殺菌法の特性とその効果の検証」日本化学会第79春季年会(2001年3月)講演Snmmary
しかしながら、上記のようなラジカル滅菌処理の完了を知らせるためのインジケーターは、未だ開発されていないのが現状である。
従って、本発明の主な目的は、ラジカル滅菌処理の検知に適したインジケータを提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定組成のインキ組成物を採用することによって、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記のラジカル滅菌検知用インキ組成物及びラジカル滅菌検知インジケーターに係る。
1. アルコールを原料とするラジカル含有ガスによる滅菌処理を検知するために用いるラジカル滅菌検知用インキ組成物であって、アントラキノン系染料、アゾ系染料及びトリアリールメタン系染料の少なくとも1種を含むインキ組成物。
2. カチオン系界面活性剤をさらに含有する、前記項1に記載のインキ組成物。
3. カチオン系界面活性剤が、アルキルトリメチルアンモニウム塩、イソキノリニウム塩、イミダゾリニウム塩及びピリジニウム塩から選ばれる少なくとも1種である、前記項1又は2に記載のインキ組成物。
4. さらに増量剤及び樹脂バインダーの少なくとも1種を含有する、前記項1〜3のいずれかに記載のインキ組成物。
5. 増量剤の一部又は全部が、シリカである、前記項4に記載のインキ組成物。
6. ラジカル滅菌処理雰囲気下で変色しない色素成分の少なくとも1種をさらに含有する、前記項1〜5のいずれかに記載のインキ組成物。
7. 前記項1〜6のいずれかに記載のインキ組成物からなる変色層を含む、ラジカル滅菌検知インジケーター。
8. ラジカル滅菌処理雰囲気下で変色しない非変色層をさらに含む、前記項7に記載のインジケーター。
9. 前記項7又は8に記載のインジケーターを、アルコールを原料とするラジカル含有ガス雰囲気下に配置する工程、インジケーターの変色層の変色度合を確認する工程を含む、ラジカル滅菌処理の検知方法。
本発明インキ組成物及びインジケーターは、特定の染料を用いるので、ラジカル滅菌処理の完了をより確実に検知することができる。特に、アルコールを原料とするラジカルを含有する雰囲気により滅菌処理する方法において、その滅菌処理の完了の検知に好適に用いることができる。
また、増量剤としてシリカを用いる場合には、変色層の表面に効果的にクラックを発生させることができ、これによって検知感度のさらなる向上に寄与することができる。
本発明インキ組成物では、樹脂バインダー等を配合することによって印刷用、筆記用又はスタンプ用インキとしても用いることができ、合成紙、フィルム等の基材上に塗布して用いることができる。
1.インキ組成物
本発明のインキ組成物は、アルコールを原料とするラジカル含有ガスによる滅菌処理を検知するために用いるラジカル滅菌検知用インキ組成物であって、アントラキノン系染料、アゾ系染料及びトリアリールメタン系染料の少なくとも1種(以下「本発明染料」ともいう。)を含む。
本発明染料
本発明染料としてアントラキノン系染料、アゾ系染料及びトリアリールメタン系染料の少なくとも1種を用いる。本発明染料がラジカル滅菌雰囲気に曝露された場合には、ヒドロキシメチルラジカル等の活性種と反応して変色が起こる。望ましくは、本発明染料は、特定の色から別の色に変化するものである。この点において、従来のオゾン検知用インキ等で使用されている染料の変色メカニズム(特定の色が退色ないしは消色するもの)と本質的に異なる。
アントラキノン系染料はアントラキノンを基本骨格とするものであれば限定的でなく、公知のアントラキノン系分散染料等も使用できる。特にアミノ基を有するアントラキノン系染料が好ましい。より好ましくは、第一アミノ基及び第二アミノ基の少なくとも1種のアミノ基を有するアントラキノン系染料である。この場合、各アミノ基は、2以上有していても良く、これらは互いに同種又は相異なっても良い。
より具体的には、例えば1,4−ジアミノアントラキノン(C.I.Disperse Violet 1)、1−アミノ−4−ヒドロキシ−2−メチルアミノアントラキノン(C.I.Disperse Red 4)、1−アミノ−4−メチルアミノアントラキノン(C.I.Disperse Violet 4)、1,4−ジアミノ−2−メトキシアントラキノン(C.I.Disperse Red 11)、1−アミノ−2−メチルアントラキノン(C.I.Disperse Orange 11)、1−アミノ−4−ヒドロキシアントラキノン(C.I.Disperse Red 15)、1,4,5,8−テトラアミノアントラキノン(C.I.Disperse Blue 1)、1,4−ジアミノ−5−ニトロアントラキノン(C.I.Disperse Violet 8)等を挙げることができる(カッコ内は染料番号)。その他にも C.I.Solvent Blue 14、C.I.Solvent Blue 35、C.I.Solvent Blue 63、C.I.Solvent Violet 13、C.I.Solvent Violet 14、C.I.Solvent Red 52、C.I.Solvent Red 114、C.I.Vat Blue 21、C.I.Vat Blue 30、C.I.Vat Violet 15、C.I.Vat Violet 17、C.I.Vat Red 19、C.I.Vat Red 28、C.I.Acid Blue 23、C.I.Acid Blue 80、C.I.Acid Violet 43、C.I.Acid Violet 48、C.I.Acid Red 81、C.I.Acid Red 83、C.I.Reactive Blue 4、C.I.Reactive Blue 19、C.I.Disperse Blue 7 等として知られている染料も使用することができる。これらのアントラキノン系染料は、単独で又は2種以上併用することができる。これらアントラキノン系染料の中でも、C.I Disperse Blue 7、C.I Disperse Violet 1 等が好ましい。また、本発明では、これらのアントラキノン系染料の種類(分子構造等)を変えることによって検知感度の制御を行うこともできる。
アゾ系染料としては、発色団としてアゾ基−N=N−を有するものであれば限定されない。例えば、モノアゾ染料、ポリアゾ染料、金属錯塩アゾ染料、スチルベンアゾ染料、チアゾールアゾ染料等が挙げられる。より具体的に染料番号で表記すれば、C.I.Disperse Red 13、C.I.Disperse Red 52、C.I.Disperse Violet 24、C.I.Disperse Blue、44、C.I.Disperse Red 58、C.I.Disperse Red 88、C.I.Disperse Yellow 23、C.I.Disperse Orange 1、C.I.Disperse Orange 5、C.I.Solvent Red 1、 C.I.Solvent Red 3、 C.I.Solvent Red 23等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上で用いることができる。
トリアリールメタン系染料は限定的でなく、公知又は市販のものを使用することができる。例えば、C.I.Basic Blue 1、C.I.Basic Blue 26、C.I.Basic Blue 5、C.I.Basic Blue 8、C.I.Basic Green 1、C.I.Basic Red 9、C.I.Basic Violet 12、C.I.Basic Violet 14、C.I.Basic Violet 3、C.I.Solvent Green 15、C.I.Solvent Violet 8等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上で用いることができる。これらトリアリールメタン系染料の中でも、C.I.Solvent Violet 8、C.I.Basic Green 1、C.I.Basic Red 9、C.I.Basic Blue 1等を好適に用いることができる。
本発明染料の含有量は、その種類、所望の色相等に応じて適宜決定できるが、一般的には本発明組成物中0.05〜5重量%程度、特に0.1〜1重量%とすることが望ましい。
本発明では、本発明染料以外の染料又は顔料を併存させても良い。特に、ラジカル滅菌処理雰囲気下で変色しない色素成分(「非変色色素」という)を含有させても良い。これによって、ある色から他の色への色調の変化により視認効果をいっそう高めることができる。非変色色素としては、公知のインキ(普通色インキ)を使用することができる。この場合の非変色色素の含有量は、その非変色色素の種類等に応じて適宜設定すれば良い。
カチオン系界面活性剤
本発明インキ組成物では、カチオン系界面活性剤を含有することが望ましい。上記カチオン系界面活性剤としては、特に制限されないが、特にアルキルアンモニウム塩、イソキノリニウム塩、イミダゾリニウム塩及びピリジニウム塩の少なくともを用いることが望ましい。これらは、公知のもの又は市販品も使用できる。本発明では、これらカチオン系界面活性剤を本発明染料と併用することによって、より優れた検知感度を得ることができる。
アルキルアンモニウム塩の中でも、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等が好ましい。具体的には、塩化ヤシアルキルトリメチルアンモニウム、塩化牛脂アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化アルキルベンジルジメチルアンモニウム等が挙げられる。特に、塩化ヤシアルキルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等が好ましい。
イソキノリニウム塩としては、例えばラウリルイソキノリニウムブロマイド、セチルイソキノリニウムブロマイド、セチルイソキノリニウムクロライド、ラウリルイソキノリニウムクロライド等が挙げられる。この中でも、特にラウリルイソキノリニウムブロマイドが好ましい。
イミダゾリニウム塩としては、例えば1−ヒドロキシエチル−2−オレイルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド等が挙げられる。この中でも、特に2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライドが好ましい。
ピリジニウム塩としては、例えばピリジニウムクロライド、1−エチルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、1−ブチルピリジニウムクロライド、N−n−ブチルピリジニウムクロライド、ヘキサデシルピリジニウムブロマイド、N−ヘキサデシルピリジニウムブロマイド、1−ドデシルピリジニウムクロライド、3−メチルヘキシルピリジニウムクロライド、4−メチルヘキシルピリジニウムクロライド、3−メチルオクチルピリジニウムクロライド、2−クロロ−1−メチルピリジニウムアイオダイド、3,4−ジメチルブチルピリジニウムクロリド、ピリジニウム−n−ヘキサデシルクロリド−水和物、N−(シアノメチル)ピリジニウムクロリド、N−アセトニルピリジニウムブロマイド、1−(アミノホルミルメチル)ピリジニウムクロライド、2−アミジノピリジニウムクロライド、2−アミノピリジニウムクロライド、N−アミノピリジニウムアイオダイド、1−アミノピリジニウムアイオダイド、1−アセトニルピリジニウムクロリド、N−アセトニルピリジニウムブロマイド等が挙げられる。この中でも、特にヘキサデシルピリジニウムクロライドが好ましい。
カチオン系界面活性剤の含有量は、上記界面活性剤の種類、用いる着色剤の種類等に応じて適宜決定できるが、一般的には本発明組成物中0.2〜10重量%程度、特に0.5〜5重量%とすることが望ましい。
樹脂バインダー、増量剤等
本発明のインキ組成物では、必要に応じて樹脂バインダー、増量剤、溶剤、レベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、表面調整剤等の公知のインキに用いられている成分を適宜配合することができる。
樹脂バインダーとしては、基材の種類等に応じて適宜選択すれば良く、例えば筆記用、印刷用等のインキ組成物に用いられている公知の樹脂成分をそのまま採用できる。具体的には、例えばマレイン酸樹脂、ケトン樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、スチレンアクリル酸樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂等を挙げることができる。本発明では、特にセルロース系樹脂を好適に用いることができる。セルロース系樹脂を用いることによって、増量剤(シリカ等)が含まれていても、優れた定着性を得ることができ、基材からの脱落、剥離等を効果的に防止することができる。
樹脂バインダーの含有量は、樹脂バインダーの種類、用いる着色剤の種類等に応じて適宜決定できるが、一般的には本発明組成物中50重量%程度以下、特に5〜35重量%とすることが望ましい。
増量剤としては、特に制限されず、例えばベントナイト、活性白土、酸化アルミニウム、シリカ、シリカゲル等の無機材料を挙げることができる。その他にも公知の体質顔料として知られている材料を用いることができる。この中でも、シリカ、シリカゲル及びアルミナの少なくとも1種が好ましい。特にシリカがより好ましい。シリカ等を使用する場合には、特に変色層表面に複数のクラックを効果的に生じさせることができる。その結果、インジケータの検知感度をより高めることができる。
増量剤の含有量は、用いる増量剤の種類、用いる着色剤の種類等に応じて適宜決定できるが、一般的には本発明組成物中1〜30重量%程度、特に2〜20重量%とすることが望ましい。
本発明で使用できる溶剤としては、通常、印刷用、筆記用等のインキ組成物に用いられる溶剤であればいずれも使用できる。例えば、アルコール又は多価アルコール系、エステル系、エーテル系、ケトン系、炭化水素系、グリコールエーテル系等の各種溶剤が使用でき、使用する染料、樹脂系バインダーの溶解性等に応じて適宜選択すれば良い。
溶剤の含有量は、用いる溶剤の種類、用いる着色剤の種類等に応じて適宜決定できるが、一般的には本発明組成物中40〜95重量%程度、特に60〜90重量%とすることが望ましい。
これら各成分は、同時に又は順次に配合し、ホモジナイザー、デゾルバー等の公知の攪拌機を用いて均一に混合すれば良い。例えば、まず溶剤に前記着色剤、必要に応じてカチオン系界面活性剤、樹脂系バインダー、増量剤等を順に配合し、攪拌機により混合・攪拌すれば良い。
2.ラジカル滅菌検知インジケーター
本発明のインジケーターは、前記の本発明インキ組成物からなる変色層を含む。一般的には、基材上に本発明インキ組成物を塗布又は印刷することによって変色層を形成することができる。この場合の基材としては、変色層を形成できるものであれば特に制限されない。例えば、金属又は合金、セラミックス、ガラス、コンクリート、プラスチックス(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン等)、繊維類(不織布、織布、その他の繊維シート)、これらの複合材料等を用いることができる。また、ポリプロピレン合成紙、ポリエチレン合成紙等の合成樹脂繊維紙(合成紙)も好適に用いることができる。
本発明における変色層は、色が他の色に変化するもののほか、色が退色又は消色するものも包含される。
変色層の形成は、本発明インキ組成物を用い、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷等の公知の印刷方法に従って行うことができる。また、印刷以外の方法でも形成できる。例えば、基材をインキ組成物中に浸漬することによって変色層を形成することもできる。不織布等のようにインキが浸透する材料には特に好適である。
変色層は、その表面に複数のクラックを有することが望ましい。すなわち、変色層の表面に開放気孔が形成され、多孔質化していることが望ましい。かかる構成により、ラジカル滅菌検知の感度をより高めることができる。この場合には、ラジカル滅菌用包装体の内部に変色層が配置されても、所望の変色効果が得られる。
本発明では、さらにラジカル滅菌雰囲気下で変色しない非変色層が基材上及び/又は変色層上に形成されていても良い。非変色層は、通常は市販の普通色インキにより形成することができる。例えば、水性インキ、油性インキ、無溶剤型インキ等を用いることができる。非変色層の形成に用いるインキには、公知のインキに配合されている成分、例えば樹脂バインダー、増量剤、溶剤等が含まれていても良い。
非変色層の形成は、変色層の場合と同様にすれば良い。例えば、普通色インキを用い、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷等の公知の印刷方法に従って行うことができる。なお、変色層・非変色層の印刷の順序は特に制限されず、印刷するデザイン等に応じて適宜選択すれば良い。
本発明インジケーターでは、変色層及び非変色層をそれぞれ1層ずつ形成しても良いし、あるいはそれぞれ複数層形成しても良い。また、変色層どうし又は非変色層どうしを積層しても良い。この場合、変色層どうしが互いに同じ組成であっても又は異なる組成であっても良い。同様に、非変色層どうしが互いに同じ組成であっても又は異なる組成であっても良い。
さらに、変色層及び非変色層は、基材又は各層の全面に形成しても良く、あるいは部分的に形成しても良い。これらの場合、特に変色層の変色を確保するために、少なくとも1つの変色層の一部又は全部がラジカル滅菌処理雰囲気に晒されるように変色層及び非変色層を形成すれば良い。
本発明では、ラジカル滅菌処理の完了が確認できる限り、変色層と非変色層とをどのように組み合わせても良い。例えば、変色層の変色によりはじめて変色層と非変色層の色差が識別できるように変色層及び非変色層を形成したり、あるいは変色によってはじめて変色層及び非変色層との色差が消滅するように形成することもできる。本発明では、特に、変色によってはじめて変色層と非変色層との色差が識別できるように変色層及び非変色層を形成することが好ましい。
色差が識別できるようにする場合には、例えば変色層の変色によりはじめて文字、図柄及び記号の少なくとも1種が現れるように変色層及び非変色層を形成すれば良い。本発明では、文字、図柄及び記号は、変色を知らせるすべての情報を包含する。これら文字等は、使用目的等に応じて適宜デザインすれば良い。
また、変色前における変色層と非変色層とを互いに異なる色としても良い。例えば、両者を実質的に同じ色とし、変色後にはじめて変色層と非変色層との色差(コントラスト)が識別できるようにしても良い。
本発明インジケーターでは、変色層と非変色層とが重ならないように変色層及び非変色層を形成することができる。これにより、使用するインキ量を節約することが可能である。
さらに、本発明では、変色層及び非変色層の少なくとも一方の層上にさらに変色層又は非変色層を形成しても良い。例えば、変色層と非変色層とが重ならないように変色層及び非変色層を形成した層(「変色−非変色層」という)の上からさらに別のデザインを有する変色層を形成すれば、変色−非変色層における変色層及び非変色層の境界線が実質的に識別できない状態にすることができるので、より優れた意匠性を達成することができる。
本発明のインジケーターは、アルコールを原料とするラジカル含有雰囲気下で行う滅菌処理であればいずれにも適用できる。アルコールとしては、ラジカルを生成させるものであれば限定されないが、特に1級アルコールが好ましく、炭素数1〜4の1級アルコールがより好ましく、メタノール及びエタノールの少なくとも1種がさらに好ましく、メタノールが最も好ましい。
従って、本発明のインジケーターは、例えば市販のラジカル滅菌処理装置(例えば、メタノールを原料として少なくともメタノールラジカルを発生させることにより滅菌を行う装置)におけるインジケーターとして有用である。
インジケーターの使用に際しては、例えばラジカル滅菌処理装置内に本発明インジケーターを置き、被処理物(滅菌処理すべき器材等)とともにラジカル滅菌処理雰囲気下にインジケーターを配置すれば良い。この場合、装置内に置かれたインジケーターがラジカルに曝露され、変色することにより所定のラジカル滅菌処理が完了したことを検知することができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴を一層明確にする。なお、本発明は、実施例の態様に制限されない。
実施例1〜7
表1に示す各成分を攪拌機にて均一に混合することによって、各インキ組成物を調製した。具体的には、まず溶剤及び染料をディゾルバーで攪拌混合した。次いで、非変色色素及び樹脂バインダーを投入してさらに加熱攪拌した後、常温に戻して界面活性剤及び増量剤を添加し、均一に攪拌することによって、インキ組成物を得た。
Figure 2006328178
表1に示す成分は具体的には下記の通りである。
1)C.I.Disperse Violet 1:アントラキノン系染料
2)C.I.Basic Red 9:トリアリールメタン系染料
3)C.I.Basic Brown 1:アゾ系染料
4)C.I.Basic Orange 2:アゾ系染料
5)C.I. Basic Red 2:アゾ系染料
6)エトセル10:エチルセルロース、製品名「エトセル10」ダウケミカル社製
7)バーサミド756:ポリアミド樹脂、製品名「バーサミド756」コグニスジャパン製
8)NIKKOL CA−2150:4級アンモニウム塩型界面活性剤、製品名「NIKKOL CA−2150」日光ケミカルズ製
9)アエロジルR−972:シリカゲル、製品名「アエロジルR−972」日本アエロジル製
10)ブチルセロソルブ:溶剤
11)マイクロリスエロー3R−T:非変色色素、製品名「マイクロリスエロー3R−T」チバスペシャリティケミカル製
試験例1
各実施例及び比較例で得られたインキ組成物のメタノールラジカル滅菌処理における変色性を調べた。各インキ組成物を用いてシルクスクリーン印刷(350メッシュ)によりPETフィルム上に印刷した。市販のラジカル発生器中において温度40℃及び相対湿度80%RHの状態で4cc/minとなるようにメタノールを導入し、その雰囲気中に印刷物を暴露した。試験前のサンプルと暴露後のサンプルとの変色(色差ΔE)を測定した。その結果を表1に示す。表1に示すように、いずれの実施例もΔEが10以上(特に13以上)であり、十分な変色が得られることがわかる。

Claims (9)

  1. アルコールを原料とするラジカル含有ガスによる滅菌処理を検知するために用いるラジカル滅菌検知用インキ組成物であって、アントラキノン系染料、アゾ系染料及びトリアリールメタン系染料の少なくとも1種を含むインキ組成物。
  2. カチオン系界面活性剤をさらに含有する、請求項1に記載のインキ組成物。
  3. カチオン系界面活性剤が、アルキルトリメチルアンモニウム塩、イソキノリニウム塩、イミダゾリニウム塩及びピリジニウム塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のインキ組成物。
  4. さらに増量剤及び樹脂バインダーの少なくとも1種を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載のインキ組成物。
  5. 増量剤の一部又は全部が、シリカである、請求項4に記載のインキ組成物。
  6. ラジカル滅菌処理雰囲気下で変色しない色素成分の少なくとも1種をさらに含有する、請求項1〜5のいずれかに記載のインキ組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のインキ組成物からなる変色層を含む、ラジカル滅菌検知インジケーター。
  8. ラジカル滅菌処理雰囲気下で変色しない非変色層をさらに含む、請求項7に記載のインジケーター。
  9. 請求項7又は8に記載のインジケーターを、アルコールを原料とするラジカル含有ガス雰囲気下に配置する工程、インジケーターの変色層の変色度合を確認する工程を含む、ラジカル滅菌処理の検知方法。
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