JP4526105B2 - オゾンインジケーター及びオゾン濃度測定方法 - Google Patents

オゾンインジケーター及びオゾン濃度測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オゾンインジケーター及びオゾン濃度測定方法に関する。
【0002】
【従来技術】
オゾンは、その殺菌性等に優れているため、食品、器具類等の殺菌・消毒、あるいは病院の手術室のような一定雰囲気中における殺菌・消毒又は消臭に利用されている。その一方で、オゾンは、毒性がきわめて強く、人体にも影響を及ぼすので、その許容濃度に限界がある。他方、光化学スモッグ予報においては、大気中のオキシダント濃度が重要な要素となる。
【0003】
このため、オゾン濃度を監視すべく、その検知方法が種々開発されている。従来におけるオゾン(オキシダント)検知方法としては、主として下式(1)の反応による変色が利用されている。
Figure 0004526105
この原理を利用した検知方法としては、例えばヨウ化カリ溶液にオゾンを含むガスを導入し、発生するヨウ素の量に比例した変色度合いを比色計により光学的に測定する方法、あるいは簡便なタイプの検知管による方法等が従来より知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの検知方法はいずれも比較的低濃度のオゾンの検知を目的としたものであり、高濃度のオゾン検知には適していない。すなわち、これらの方法により高濃度のオゾンを検知しようとしても、瞬時に変色してしまうため、オゾンの有無は検知できたとしても、オゾン濃度、CT値(オゾン濃度と暴露時間の積算値)等を定量的に検知することはできない。
【0005】
従って、本発明の主な目的は、特に高濃度オゾン雰囲気下でもオゾン濃度等の測定が可能なオゾンインジケーターを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、かかる従来技術の問題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の構成をもつオゾンインジケーターにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、少なくとも▲1▼オゾン検知用インキからなる変色層及び▲2▼当該変色層上の一部又は全部に形成されたオーバーコート層を有することを特徴とするオゾンインジケーターに係るものである。
【0008】
また、本発明は、上記オゾンインジケーターをオゾン雰囲気中に設置した後、変色層の変色による色差又は変色域によりCT値を求めることを特徴とするオゾン濃度の測定方法に係るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のオゾンインジケーターは、少なくとも▲1▼オゾン検知用インキからなる変色層及び▲2▼当該変色層上の一部又は全部に形成されたオーバーコート層を有することを特徴とする。
【0010】
上記変色層は、オゾンの存在下で変色する層であり、主としてオゾン検知用インキにより形成される。本発明における「変色」とは、当初の色(明度、色相等)が変わるすべての現象を包含する概念であり、例えば褪色、消色、発色等を含む。変色層は基材上に形成しても良いし、変色層自体に成形性(形状保持性能)があれば基材なしでも形成できる。
【0011】
基材を用いる場合、その基材の種類は特に制限されず、例えば金属・合金、木質材料、紙、セラミックス、ガラス、コンクリート、プラスチックス、繊維類(不織布、織布、その他の繊維シート)、これらの複合材料等を用いることができる。
【0012】
変色層を形成するためのオゾン検知用インキは、オゾン雰囲気(オゾンを含有する雰囲気)に晒されることにより変色するものであれば特に制限されず、公知のインキ又は市販品を用いることができる。例えば、ヨウ化カリウム、トリフェニルメタン系ロイコ体、p−n−ブトキシアニリン等を用いたインキを用いることができる。
【0013】
本発明では、オゾン検知用インキとして特に第一アミノ基及び第二アミノ基の少なくとも1種のアミノ基を有するアントラキノン系染料を含有するインキを用いることが望ましい。
【0014】
本発明で用いるアントラキノン系染料は、アントラキノンを基本骨格とし、第一アミノ基及び第二アミノ基の少なくとも1種のアミノ基を有する限りは特に制限されず、公知のアントラキノン系分散染料等も使用できる。上記アミノ基は、2以上有していても良く、これらは互いに同種又は相異なっても良い。
【0015】
このようなアントラキノン系染料としては、例えば1,4−ジアミノアントラキノン(C.I.Disperse Violet 1)、1−アミノ−4−ヒドロキシ−2−メトキシアントラキノン(C.I.Disperse Red 4)、1−アミノ−4−メチルアミノアントラキノン(C.I.Disperse Violet 4)、1,4−ジアミノ−2−メトキシアントラキノン(C.I.Disperse Red 11)、1−アミノ−2−メチルアントラキノン(C.I.Disperse Orange 11)、1−アミノ−4−ヒドロキシアントラキノン(C.I.Disperse Red 15)、1,4,5,8−テトラアミノアントラキノン(C.I.Disperse Blue 1)、1,4−ジアミノ−5−ニトロアントラキノン(C.I.Disperse Violet 8)等を挙げることができる(カッコ内は染料番号)。その他にも C.I.Solvent Blue 14、C.I.Solvent Blue 63、C.I.Solvent Violet 13、C.I.Solvent Violet 14、C.I.Solvent Red 52、C.I.Solvent Red 114、C.I.Vat Blue 21、C.I.Vat Blue 30、C.I.Vat Violet 15、C.I.Vat Violet 17、C.I.Vat Red 19、C.I.Vat Red 28、C.I.Acid Blue 23、C.I.Acid Blue 80、C.I.Acid Violet 43、C.I.Acid Violet 48、C.I.Acid Red 81、C.I.Acid Red 83、C.I.Reactive Blue 4、C.I.Reactive Blue 19、C.I.Disperse Blue 7 等として知られている染料も使用することができる。これらのアントラキノン系染料は、単独で又は2種以上併用することができる。これらアントラキノン系染料の中でも、C.I Disperse Blue 7、C.I Disperse Violet 1 等が好ましい。また、本発明では、これらのアントラキノン系染料の種類(分子構造等)を変えることによって、オゾンの検知感度の制御を行うこともできる。
【0016】
本発明では、上記アントラキノン系染料を含有するインキ中に4級アンモニウム塩型のカチオン系界面活性剤をさらに含有することがより好ましい。
【0017】
上記4級アンモニウム塩型のカチオン系界面活性剤(以下単に「カチオン系界面活性剤」ともいう)としては、特に制限されず、通常はアルキルアンモニウム塩を用いることができ、これは市販品も使用できる。また、これらは1種又は2種以上で使用することができる。本発明では、これらカチオン系界面活性剤を前記アントラキノン系染料と併用することによって、より優れたオゾン検知感度を得ることができる。
【0018】
これらカチオン系界面活性剤の中でも、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等が好ましい。具体的には、塩化ヤシアルキルトリメチルアンモニウム、塩化牛脂アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化アルキルベンジルジメチルアンモニウム等が挙げられ、特に塩化ラウリルトリメチルアンモニウムが好ましい。
【0019】
本発明のインキでは、必要に応じて樹脂系バインダー、増量剤、溶剤等の公知のインキに用いられている成分を適宜配合することができる。
【0020】
樹脂系バインダーとしては、基材の種類等に応じて適宜選択すれば良く、例えば筆記用、印刷用等のインキ組成物に用いられている公知の樹脂成分をそのまま採用できる。具体的には、例えばマレイン酸樹脂、アミド樹脂、ケトン樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等を挙げることができる。
【0021】
増量剤としては、特に制限されず、例えばベントナイト、活性白土、酸化アルミニウム、シリカゲル等を挙げることができる。その他にも公知の体質顔料として知られている材料を用いることができる。この中でも、多孔質のものが好ましく、特にシリカゲルがより好ましい。このような増量剤を添加することにより、主として検知感度を高めることができる。
【0022】
本発明で使用できる溶剤としては、通常、印刷用、筆記用等のインキ組成物に用いられる溶剤であればいずれも使用できる。例えば、アルコール系、エステル系、エーテル系、ケトン系、炭化水素系等の各種溶剤が使用でき、使用する染料、樹脂系バインダーの溶解性等に応じて適宜選択すれば良い。
【0023】
これらの配合割合は用いる成分の種類、用途等に応じて適宜設定すれば良い。例えば、オゾン検知用インキとして上記アントラキノン系染料を含有するインキを用いる場合は、通常はインキ中アントラキノン系染料0.05〜5重量%(好ましくは0.1〜1重量%)とし、樹脂系バインダー50重量%以下(好ましくは5〜35重量%)、増量剤1〜30重量%(好ましくは2〜20重量%)等で調整すれば良い。
【0024】
また、カチオン系界面活性剤をさらに配合する場合は、通常はインキ中アントラキノン系染料0.05〜10重量%(好ましくは0.1〜1重量%)、カチオン系界面活性剤0.2〜30重量%(好ましくは0.5〜10重量%)とした上で、樹脂系バインダー50重量%以下(好ましくは5〜35重量%)、増量剤1〜30重量%(好ましくは2〜20重量%)等で調整すれば良い。
【0025】
これら各成分は、同時に又は順次に配合し、ホモジナイザー、デゾルバー等の公知の攪拌機を用いて均一に混合すれば良い。例えば、まず溶剤にアントラキノン系染料、カチオン系界面活性剤、樹脂系バインダー、増量剤等を順に配合し、混合・攪拌すれば良い。
【0026】
一方、オーバーコート層は、上記変色層上の一部又は全部に形成される。本発明では、変色層がオゾン雰囲気にさらされる部分の全体にオーバーコート層が形成されることが望ましい。オーバーコート層は、必要に応じて2層以上を形成しても良い。
【0027】
オーバーコート層は、造膜性高分子を含むことが好ましい。特に実質的に造膜性高分子のみからなることが好ましい。これにより、変色層の変色をより確実かつ容易に認識することができる。従って、本発明では、オーバーコート層は着色剤を含有しないことが望ましい。
【0028】
本発明では、造膜性高分子として水溶性高分子を好適に用いることができる。特にその種類は限定されず、オゾンイジケーターの性能、使用目的等に応じて公知の水溶性高分子の中から適宜選ぶことができる。例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、水溶性アルキッド、ポリビニルエーテル、ポリマレイン酸共重合体、ポリエチレンイミン等の水溶性樹脂のほか、可溶性デンプン、カルボキシルデンプン、ブリティッシュゴム、ジアルデヒドデンプン、デキストリン、カチオンデンプン等のデンプン類;ビスコース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース類等が挙げられる。これらは1種又は2種以上で使用することができる。この中でも、特にカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が好ましい。
【0029】
また、水溶性高分子以外の造膜性高分子としては、例えばマレイン酸樹脂、アミド樹脂、ケトン樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。これらは、エマルジョン樹脂として使用することもできる。
【0030】
オーバーコート層の形成は、例えば造膜性高分子を水、アルコール類等の水性溶媒(特に水が好ましい。)に溶解させたコート溶液を用いて行うことができる。この場合、オーバーコート層は実質的に水溶性高分子のみからなる。
【0031】
コート溶液中の造膜性高分子の濃度は、造膜性高分子の種類、所望のオゾンインジケーター感度等に応じて適宜設定すれば良いが、通常は1〜30重量%程度、好ましくは5〜25重量%とすれば良い。
【0032】
コート溶液には、本発明の効果を妨げない範囲内で消泡剤等の添加剤を配合することもできる。
【0033】
本発明では、変色層及びオーバーコート層のほかに、必要に応じてオゾンの存在下でも変色しない層である非変色層を設けることもできる。非変色層の形成により、変色がより容易に識別でき、かつ、デザインも自由にできる。
【0034】
非変色層は、通常はオゾンにより変色しないインキによって形成することができる。また、非変色層は、オゾンにより変色しない限りは基材そのものも包含する。従って、例えばオゾンにより変色しない基材上にオゾン検知用インキによって変色層が形成されたものも本発明オゾンインジケーターとして用いることができる。また、例えばオゾンにより変色しない基材(紙、不織布等)にオゾン検知用インキを含浸させることにより変色層が形成されたものも本発明オゾンインジケーターとして用いることができる。この場合は、上記基材が非変色層となる。非変色層の形成も、変色層と同様にして行うことができる。
【0035】
非変色層を形成するためのインキとしては、オゾンにより変色しない限りいずれのインキも用いることができる。このようなインキとして、市販の普通色インキも使用できる。例えば、水性インキ、油性インキ、無溶剤型インキ等を用いることができる。また、印刷する場合は印刷方法に応じて公知の凸版インキ、グラビアインキ、スクリーンインキ、オフセットインキ等を適宜使い分けることができる。これらのインキは、そのまま単独で用いたり、あるいは2種以上を混合して調色しても良い。また、非変色層におけるインキには、公知のインキに配合されている成分(例えば、樹脂系バインダー、増量剤、溶剤等)が含まれていても良い。
【0036】
本発明における変色層、非変色層及びオーバーコート層の形成は、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷等の公知の印刷方法に従って行うことができる。また、基材をオゾン検知用インキ中に浸漬することによって各層を形成することもできる。紙、不織布等のようにインキが浸透する材料には特に好適である。なお、変色層、非変色及びオーバーコート層の厚さは、各層で使用する原料の種類、オゾンインジケーターの使用目的等に応じて適宜設定すれば良い。
【0037】
本発明オゾンインジケーターでは、変色層、非変色層及びオーバーコート層はそれぞれ1層ずつ形成しても良く、あるいはそれぞれ複数層を積層しても良い。また、変色層どうしを積層しても良い。この場合、変色層どうしが互いに同じ組成であっても又は異なる組成であっても良い。非変色層どうしを積層しても良い。非変色層どうしが互いに同じ組成であっても又は異なる組成であっても良い。同様に、オーバーコート層どうしを積層する場合も、各層が互いに同じ組成であっても又は異なる組成であっても良い。
【0038】
各層は、基材又は各層の全面に形成しても良く、あるいは部分的に形成しても良い。この場合も、変色層の変色が確保できるようなかたちで各層を形成することが必要である。
【0039】
非変色を形成する場合、特に基材上に▲1▼オゾン検知用インキからなる変色層、▲2▼非変色層、▲3▼当該変色層上の一部又は全部に形成されたオーバーコート層を有し、かつ、当該変色層の一部又は全部がオゾンにより変色できるように各層が形成されているオゾンインジケーターが好ましい。
【0040】
変色層が変色できるようにするためには、例えば変色層の少なくとも一部がオゾン雰囲気に露出するように変色層上に非変色層を形成し、その露出している変色層の一部又は全部をオーバーコート層で被覆すれば良い。この場合、非変色層もオーバーコート層で被覆されていても良い。
【0041】
また、変色層の変色によりはじめて変色層と非変色層との色差が識別できるように変色層及び非変色層を形成したり、あるいは変色によってはじめて変色層と非変色層との色差が生じないように形成することもできる。特に、変色してはじめて変色層と非変色層との色差が識別できるように変色層及び非変色層を形成することが好ましい。
【0042】
色差が識別できるようにする場合には、例えば変色層の変色によりはじめて文字、図柄及び記号の少なくとも1つが出現するように変色層及び非変色層を形成することができる。本発明では、文字、図柄及び記号は、変色(すなわちオゾンの存在)を知らせるすべての情報を包含する。これら文字等は、使用目的等に応じて適宜デザインすれば良い。
【0043】
また、変色前における変色層と非変色層とを互いに異なる色としても良いが、特に両者を実質的に同じ色とし、変色後にはじめて変色層と非変色層との色差(コントラスト)が識別できるようにしても良い。
【0044】
本発明オゾンインジケーターでは、変色層と非変色層とが重ならないように変色層及び非変色層を形成しても良い。これにより、使用するインキ量を節約することもできる。例えば、基材の一部に変色層を形成し、残りの部分には非変色層を形成したり、あるいは基材のまま露出させても良い。
【0045】
さらに、本発明では、変色層及び非変色層の少なくとも一方の層上にさらに変色層又は非変色層を形成しても良い。例えば、変色層と非変色層とが重ならないように変色層及び非変色層を形成した層(「変色−非変色層」という)の上からさらに別のデザインを有する変色層を形成すれば、変色−非変色層における変色層及び非変色層の境界線が実質的に識別できない状態にできるので、より優れた外観を達成することができる。
【0046】
本発明のオゾンインジケーターは、これをオゾン雰囲気中に設置することによって、より正確かつ迅速にオゾン濃度及びCT値(オゾン濃度×暴露時間)を検知することができる。特に、本発明オゾンインジケーターはオーバーコート層を有することから、高濃度のオゾン雰囲気下でも定性的な検知はもとより、定量的な検知を実施することも可能である。例えば、オゾン濃度1000ppm以上、特に3000pm以上のオゾン雰囲気にも適用することができる。かかる点より、本発明のインジケーターは、食品、医療器具等の殺菌・消毒、手術室、無菌室等の特定雰囲気中における殺菌、消毒、消臭等に好適に用いることができる。
【0047】
本発明では、特にCT値と色差(ΔE)との関係、CT値と変色域との関係等の既知のデータに基づいて、検出された色差、変色域の大きさ等からオゾン濃度、CT値等を定性的又は定量的に検知することもできる。例えば、本発明オゾンインジケーターの変色層に沿ってCT値に応じた目盛りを設けることにより、変色層の変色域の大きさに基づいて定量的にCT値を測定することもできる。さらに、得られたCT値に基づいて、オゾン濃度あるいは暴露時間を定量的又は定性的に測定することも可能である。
【0048】
また、オゾンインジケーターにCT値依存性のほか、温度依存性、湿度依存性等を制御することができる。例えば、特定の温度又は湿度において、変色度合が高くなるように制御したり、あるいは変色度合が低くなるように(又は変色しなくなるように)制御することができる。すなわち、本発明オゾンインジケーターでは、湿度又は温度の条件に応じて変色度合が異なるように設計することが可能である。
【0049】
【発明の効果】
本発明のオゾンインジケーターは、特定のオーバーコート層を有しているので、高濃度オゾン雰囲気下でも定性的・定量的にオゾンを検知することができる。特に、オゾン濃度1000ppm以上という高濃度でも定量的にオゾン濃度を測定することが可能である。
【0050】
変色層として第一アミノ基及び第二アミノ基の少なくとも1種のアミノ基を有するアントラキノン系染料を用いる場合は、実質的に乾燥した状態であってもオゾンと効果的に反応して変色し、より優れた検知精度(選択性)、感度、安定性等を発揮し、オゾンの存在を肉眼でも容易に検知できる。
【0051】
また、上記アントラキノン系染料等の成分の種類及び配合割合を変えることによって検知感度、変色速度等を自由に制御でき、より確実にオゾン濃度を検知することも可能である。さらに、オーバーコート層の形成により、温度又は湿度に応じて変色度合が異なるように設計することが可能である。
【0052】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより詳細に説明する。但し、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0053】
実施例1
アントラキノン系分散染料(「ミケトンファストレッドバイオレットR」三井BASF社製)0.4重量部、樹脂系バインダーとしてエチルセルロース系樹脂(「エトセル10」ダウケミカル社製)7.5重量部、カチオン系界面活性剤として塩化ヤシアルキルトリメチルアンモニウム(「CA−2150」NIKKOL社製)2重量部及び溶剤としてエチルセロソルブ(「シーホゾールMG」日本触媒社製)90.1重量部を均一に攪拌機により混合し、オゾン検知用インキを調製した。一方、オーバーコート層の形成に用いるコート溶液として、カルボキシメチルセルロース(「セロゲン5A」第一工業製薬製)を水に溶解させた10重量%カルボキシメチルセルロース水溶液を調製した。
【0054】
基材(ケント紙)上に、上記オゾン検知用インキを120メッシュのシルクスクリーンを用いてシルクスクリーン印刷することにより、基材全体に変色層を形成した。次いで、この変色層の全体に上記コート溶液を100メッシュのシルクスクリーンを用いてシルクスクリーン印刷することにより、シート状オゾンインジケーターを作製した。
【0055】
実施例2
アントラキノン系分散染料(「ミケトンファストレッドバイオレットR」三井BASF社製)0.9重量部、樹脂系バインダーとしてエチルセルロース系樹脂(「エトセル10」ダウケミカル社製)7.5重量部、カチオン系界面活性剤として塩化ヤシアルキルトリメチルアンモニウム(「CA−2150」NIKKOL社製)2重量部、シリカゲル(「アエロジルR−972」日本アエロジル社製)10重量部及び溶剤としてエチルセロソルブ(「シーホゾールMG」日本触媒社製)89.6重量部を均一に攪拌機により混合し、オゾン検知用インキを調製した。
【0056】
基材(ケント紙)上に、上記オゾン検知用インキを120メッシュのシルクスクリーンを用いてシルクスクリーン印刷することにより、基材全体に変色層を形成した。次いで、この変色層の全体に実施例1と同じコート溶液を実施例1と同様にしてシルクスクリーン印刷することにより、シート状オゾンインジケーターを作製した。
【0057】
比較例1
オーバーコート層を形成しないほかは、実施例1と同様にしてシート状オゾンインジケーターを作製した。
【0058】
比較例2
オーバーコート層を形成しないほかは、実施例2と同様にしてシート状オゾンインジケーターを作製した。
【0059】
試験例1
各実施例及び比較例で作製された各オゾンインジケーターについて、CT値依存性、温度依存性及び湿度依存性を調べた。これらの結果を図1に示す。
【0060】
CT値依存性は、温度25℃、相対湿度95%RHの条件下において、CT値を70000から756000の範囲で変化させた場合の変色性を色差ΔEで評価した。
【0061】
湿度依存性は、温度25℃、CT値470000の条件下において、相対湿度を30%RH、70%RH及び95%RHと変化させた場合の変色性を色差ΔEで評価した。
【0062】
温度依存性は、CT値400000、相対湿度95%RHの条件下において、温度を10℃、25℃及び40℃と変化させた場合の変色性を色差ΔEで評価した。
【0063】
図1の結果からも明らかなように、本発明オゾンインジケーターは、CT値の違いによって明確な変色が認められ、比較的高い濃度でもオゾンを確実に検知できることがわかる。
【0064】
さらに、実施例1では湿度又は温度によっても変色度合が異なるのに対し、実施例2では湿度又は温度による変色度合に変化がないことがかわる。すなわち、本発明オゾンインジケーターによれば、CT値依存性のほか、湿度依存性及び温度依存性を自由に制御できることもわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1の結果を示す図である。グラフ1及び4はCT値依存性について調べた結果、グラフ2及び5は湿度依存性について調べた結果、グラフ3及び6は温度依存性について調べた結果を示す。

Claims (9)

  1. 少なくとも(1)オゾン検知用インキからなる変色層及び(2)当該変色層上の一部又は全部に形成されたオーバーコート層を有するオゾンインジケーターであって、
    前記オゾン検知用インキが、第一アミノ基及び第二アミノ基の少なくとも1種のアミノ基を有するアントラキノン系染料を含有し、かつ、
    前記オーバーコート層が造膜性高分子を含む、
    オゾンインジケーター
  2. オゾン検知用インキが、さらに4級アンモニウム塩型のカチオン系界面活性剤を含有する請求項記載のオゾンインジケーター。
  3. 4級アンモニウム塩型のカチオン系界面活性剤が、アルキルトリメチルアンモニウム塩である請求項記載のオゾンインジケーター。
  4. オゾン検知用インキが、増量剤を含有する請求項のいずれかに記載のオゾンインジケーター。
  5. オゾン検知用インキが、樹脂系バインダーを含有する請求項のいずれかに記載のオゾンインジケーター。
  6. 造膜性高分子が水溶性高分子の少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載のオゾンインジケーター。
  7. オーバーコート層が着色剤を含有しない請求項1〜のいずれかに記載のオゾンインジケーター。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載のオゾンインジケーターをオゾン雰囲気中に設置した後、変色層の変色による色差又は変色域によりCT値を求めることを特徴とするオゾン濃度の測定方法。
  9. オゾン雰囲気中のオゾン濃度が1000ppm以上である請求項記載の測定方法。
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