JP2002069344A - オゾン検知用インキ及びオゾン検知カード - Google Patents

オゾン検知用インキ及びオゾン検知カード

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JP2002069344A JP2000259716A JP2000259716A JP2002069344A JP 2002069344 A JP2002069344 A JP 2002069344A JP 2000259716 A JP2000259716 A JP 2000259716A JP 2000259716 A JP2000259716 A JP 2000259716A JP 2002069344 A JP2002069344 A JP 2002069344A
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聡 丸山
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】より容易に変色を視認することができるオゾン
検知用インキ及びオゾン検知カードを提供する。 【解決手段】1)オゾン雰囲気下で変色する色素成分及
び2)オゾン雰囲気下で変色しない色素成分を含有する
オゾン検知用インキ、及びそれによりオゾン変色層が形
成されてなるオゾン検知カードに係る。特に、オゾン雰
囲気下で変色する色素成分としては、第一アミノ基及び
第二アミノ基の少なくとも1種のアミノ基を有するアン
トラキノン系染料を用いることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なオゾン検知
用インキ及びオゾン検知カードに関する。
【0002】
【従来技術】オゾンは、その殺菌性等に優れているた
め、食品、器具類等の殺菌・消毒、あるいは病院の手術
室のような一定雰囲気中における殺菌・消毒又は消臭に
利用されている。その一方で、オゾンは、毒性がきわめ
て強く、人体にも影響を及ぼすので、その許容濃度に限
界がある。他方、光化学スモッグ予報においては、大気
中のオキシダント濃度が重要な要素となる。
【0003】このため、オゾン濃度を監視すべく、その
検知方法が種々開発されている。従来におけるオゾン
(オキシダント)検知方法としては、主として下式
(1)の反応による変色が利用されている。 この原理を利用した検知方法としては、例えばヨウ化カ
リ溶液にオゾンを含むガスを導入し、発生するヨウ素の
量に比例した変色度合いを比色計により光学的に測定す
る方法、あるいは簡便なタイプの検知管による方法等が
従来より知られている。
【0004】しかしながら、上記の光学的な検知方法で
は、その方法が煩雑であり、検知結果がでるまでにある
程度の時間がかかる。また、この方法を実施するための
装置が非常に高価である。特に、複数箇所のオゾン濃度
を同時に測定しようとする場合には、複数の装置が必要
になることから多大な費用がかかる。
【0005】また、上記検知管による方法では、光学的
検知方法よりも簡便なものの、なお高価であり、しかも
測定するたびに手動又は自動でオキシダントを吸引する
必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、いずれの
従来技術においても、オゾンを簡便にかつ確実に検知す
る方法は未だ開発されていないのが現状である。
【0007】また、いずれの技術においても、その変色
が退色又は消色によるものであることから、変色が視認
しにくい場合もある。このため、これらの技術では、オ
ゾン検知あるいはオゾン濃度の定量が必ずしも容易とは
言えない。
【0008】従って、本発明の主な目的は、より容易に
変色を視認できるオゾン検知用インキ及びオゾン検知カ
ードを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これら従来
技術の問題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定組成の
インキによりオゾン変色層を形成することにより、上記
目的を達成できることを見出し、ついに本発明を完成す
るに至った。
【0010】すなわち、本発明は、下記のオゾン検知用
インキ及びオゾン検知カードに係るものである。
【0011】1.1)オゾン雰囲気下で変色する色素成
分及び2)オゾン雰囲気下で変色しない色素成分を含有
するオゾン検知用インキ。
【0012】2.基材上にオゾン変色層を少なくとも1
層有するカードであって、当該オゾン変色層が、上記オ
ゾン検知用インキにより形成されていることを特徴とす
るオゾン検知カード。
【0013】また、本発明は、上記オゾン検知カードを
オゾン雰囲気中に設置した後、変色層の変色による色差
又は変色域によりCT値を求めることを特徴とするオゾ
ン濃度の測定方法にも係る。
【0014】
【発明の実施の形態】1.オゾン検知用インキ 本発明のオゾン検知用インキは、1)オゾン雰囲気下で
変色する色素成分及び2)オゾン雰囲気下で変色しない
色素成分を含有する。
【0015】上記1)のオゾン雰囲気下で変色する色素
成分としては、オゾンと接触することにより変色するも
のであれば特に限定されず、公知のもの又は市販品も使
用することができる。例えば、ヨウ化カリウム、トリフ
ェニルメタン系ロイコ体、p−n−ブトキシアニリン等
を用いたインキを用いることができる。
【0016】特に、本発明インキでは、変色色素として
第一アミノ基及び第二アミノ基の少なくとも1種のアミ
ノ基を有するアントラキノン系染料を用いることが望ま
しい。上記アントラキノン系染料は、アントラキノンを
基本骨格とし、第一アミノ基及び第二アミノ基の少なく
とも1種のアミノ基を有する限りは特に制限されず、公
知のアントラキノン系分散染料等も使用できる。上記ア
ミノ基は、2以上有していても良く、これらは互いに同
種又は相異なっても良い。
【0017】このようなアントラキノン系染料として
は、例えば1,4−ジアミノアントラキノン(C.I.Disp
erse Violet 1)、1−アミノ−4−ヒドロキシ−2−
メトキシアントラキノン(C.I.Disperse Red 4)、1−
アミノ−4−メチルアミノアントラキノン(C.I.Disper
se Violet 4)、1,4−ジアミノ−2−メトキシアン
トラキノン(C.I.Disperse Red 11)、1−アミノ−2
−メチルアントラキノン(C.I.Disperse Orange 11)、
1−アミノ−4−ヒドロキシアントラキノン(C.I.Disp
erse Red 15)、1,4,5,8−テトラアミノアント
ラキノン(C.I.Disperse Blue 1)、1,4−ジアミノ
−5−ニトロアントラキノン(C.I.DisperseViolet 8)
等を挙げることができる(カッコ内は染料番号)。その
他にも C.I.Solvent Blue 14、C.I.Solvent Blue 63、
C.I.Solvent Violet 13、C.I.SolventViolet 14、C.I.S
olvent Red 52、C.I.Solvent Red 114、C.I.Vat Blue 2
1、C.I.Vat Blue 30、C.I.Vat Violet 15、C.I.Vat Vio
let 17、C.I.Vat Red 19、C.I.Vat Red 28、C.I.Acid B
lue 23、C.I.Acid Blue 80、C.I.Acid Violet 43、C.I.
Acid Violet 48、C.I.Acid Red 81、C.I.Acid Red 83、
C.I.Reactive Blue 4、C.I.Reactive Blue 19、C.I.Dis
perse Blue 7 等として知られている染料も使用するこ
とができる。これらのアントラキノン系染料は、単独で
又は2種以上併用することができる。これらアントラキ
ノン系染料の中でも、C.I Disperse Blue7、C.I Disper
se Violet 1 等が好ましい。また、本発明では、これら
のアントラキノン系染料の種類(分子構造等)を変える
ことによって、オゾンの検知感度の制御を行うこともで
きる。
【0018】上記2)のオゾン雰囲気下で変色しない色
素成分としては、特に限定的でなく、例えば市販の普通
色インキ、油溶性染料、顔料等を使用することができ
る。これらは、単独又は2種以上用いることができる。
【0019】本発明インキでは、オゾン検知用インキ中
に4級アンモニウム塩型のカチオン系界面活性剤をさら
に含有することがより好ましい。
【0020】上記4級アンモニウム塩型のカチオン系界
面活性剤(以下単に「カチオン系界面活性剤」ともい
う)としては、特に制限されず、通常はアルキルアンモ
ニウム塩を用いることができ、これは市販品も使用でき
る。また、これらは1種又は2種以上で使用することが
できる。本発明では、これらカチオン系界面活性剤を前
記アントラキノン系染料と併用することによって、オゾ
ン検知感度をより高めることができる。
【0021】これらカチオン系界面活性剤の中でも、ア
ルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチル
アンモニウム塩等が好ましい。具体的には、塩化ヤシア
ルキルトリメチルアンモニウム、塩化牛脂アルキルトリ
メチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニ
ウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化
ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化オクタデシルト
リメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモ
ニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化
アルキルベンジルジメチルアンモニウム等が挙げられ、
特に塩化ラウリルトリメチルアンモニウムが好ましい。
【0022】オゾン検知用インキでは、必要に応じて樹
脂系バインダー、増量剤、溶剤等の公知のインキに用い
られている成分を適宜配合することができる。
【0023】樹脂系バインダーとしては、基材の種類等
に応じて適宜選択すれば良く、例えば筆記用、印刷用等
のインキ組成物に用いられている公知の樹脂成分をその
まま採用できる。具体的には、例えばマレイン酸樹脂、
アミド樹脂、ケトン樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロ
ジン変性樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロ
リドン、セルロース系樹脂等を挙げることができる。
【0024】増量剤としては、特に制限されず、例えば
ベントナイト、活性白土、酸化アルミニウム、シリカゲ
ル等を挙げることができる。その他にも公知の体質顔料
として知られている材料を用いることができる。この中
でも、多孔質のものが好ましく、特にシリカゲルがより
好ましい。このような増量剤を添加することにより、主
として検知感度を高めることができる。
【0025】本発明で使用できる溶剤としては、通常、
印刷用、筆記用等のインキ組成物に用いられる溶剤であ
ればいずれも使用できる。例えば、アルコール系、エス
テル系、エーテル系、ケトン系、炭化水素系等の各種溶
剤が使用でき、使用する染料、樹脂系バインダーの溶解
性等に応じて適宜選択すれば良い。
【0026】これらの配合割合は用いる成分の種類、用
途等に応じて適宜設定すれば良いが、一般的にはインキ
中変色色素0.05〜10重量%(好ましくは0.1〜
3重量%)、非変色色素0.05〜10重量%(好まし
くは0.1〜3重量%)、樹脂系バインダー50重量%
以下(好ましくは5〜35重量%)、増量剤1〜30重
量%(好ましくは2〜20重量%)とし、残部を溶剤と
すれば良い。
【0027】また、カチオン系界面活性剤をさらに配合
する場合は、一般的にはインキ中変色色素0.05〜1
0重量%(好ましくは0.1〜3重量%)、非変色色素
0.05〜10重量%(好ましくは0.1〜3重量
%)、樹脂系バインダー50重量%以下(好ましくは5
〜35重量%)、カチオン系界面活性剤0.2〜30重
量%(好ましくは0.5〜10重量%)、増量剤1〜3
0重量%(好ましくは2〜20重量%)とし、残部を溶
剤とすれば良い。
【0028】これら各成分は、同時に又は順次に配合
し、ホモジナイザー、デゾルバー等の公知の攪拌機を用
いて均一に混合すれば良い。例えば、まず溶剤にアント
ラキノン系染料、カチオン系界面活性剤、樹脂系バイン
ダー、増量剤等を順に配合し、混合・攪拌すれば良い。 2.オゾン検知カード 本発明のオゾン検知カードは、基材上にオゾン変色層を
少なくとも1層有するカードであって、当該オゾン変色
層が、上記オゾン検知用インキにより形成されているこ
とを特徴とする。
【0029】本発明オゾン検知カードで用いる基材とし
ては、オゾン変色層が形成できるものであれば特に制限
されない。例えば、金属・合金、木質材料、紙、セラミ
ックス、ガラス、コンクリート、プラスチックス、繊維
類(不織布、織布、その他の繊維シート)、これらの複
合材料等を用いることができる。
【0030】本発明のオゾン検知カードでは、必要に応
じて、基材上又はオゾン変色層上に非変色層を形成して
も良い。非変色層は、オゾン雰囲気下でも変色しない層
であり、通常はオゾンにより変色しないインキによって
形成される。非変色層を形成するためのインキとして
は、オゾンにより変色しない限りいずれの公知のインキ
も用いることができる。従って、例えば前記の非変色色
素(普通色インキ等)も使用できる。また、非変色層を
形成するためのインキには、公知のインキに配合されて
いる成分(例えば、樹脂系バインダー、増量剤、溶剤
等)が含まれていても良い。
【0031】非変色層は、オゾンにより変色しない限り
は基材そのものも包含する。従って、例えばオゾンによ
り変色しない基材上にオゾン検知用インキによってオゾ
ン変色層が形成されたものも本発明オゾン検知カードと
して用いることができる。また、例えばオゾンにより変
色しない基材(紙、不織布等)にオゾン検知用インキを
含浸させることによりオゾン変色層が形成されたものも
本発明オゾンインジケーターとして用いることができ
る。この場合は、上記基材が非変色層となる。
【0032】本発明におけるオゾン変色層(場合によっ
ては非変色層)の形成は、本発明オゾン検知用インキ
(非変色層の形成は)を用い、シルクスクリーン印刷、
グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印
刷等の公知の印刷方法に従って行うことができる。非変
色層を形成する場合、オゾン変色層・非変色層の印刷の
順序は特に制限されず、印刷するデザイン等に応じて適
宜選択すれば良い。また、基材をインキ中に浸漬するこ
とによって各層を形成することもできる。紙、不織布等
のようにインキが浸透する材料には特に好適である。
【0033】本発明では、オゾン変色層又は非変色層は
それぞれ1層ずつ形成しても良く、あるいはそれぞれ複
数層を積層しても良い。また、オゾン変色層どうし又は
非変色層どうしを積層しても良い。また、オゾン変色層
どうしが互いに同じ組成であっても又は異なる組成であ
っても良い。非変色層どうしが互いに同じ組成であって
も又は異なる組成であっても良い。
【0034】オゾン変色層又は非変色層は、基材又は各
層の全面に形成しても良く、あるいは部分的に形成して
も良い。非変色層を形成する場合、本発明では、特にオ
ゾン変色層の変色を確保するために、少なくとも1つの
オゾン変色層の一部又は全部がオゾン雰囲気に晒される
ように変色層及び非変色層を形成すれば良い。
【0035】本発明のオゾン検知カードでは、特にCT
値と色差(ΔE)との関係、CT値と変色域との関係等
の既知のデータに基づいて、検出された色差、変色域の
大きさ等からオゾン濃度、CT値等を定性的又は定量的
に検知することもできる。例えば、本発明オゾン検知カ
ードのオゾン変色層に沿ってCT値に応じた目盛りを設
けることにより、オゾン変色層の変色域の大きさに基づ
いて定量的にCT値を測定することもできる。さらに、
得られたCT値に基づいて、オゾン濃度あるいは暴露時
間を定量的又は定性的に測定することも可能である。
【0036】また、非変色層を形成する場合は、オゾン
の存在が識別できる限りは、オゾン変色層の変色により
はじめて変色層と非変色層との色差が識別できるように
オゾン変色層及び非変色層を形成したり、あるいは変色
によってはじめてオゾン変色層と非変色層との色差が生
じないように形成することもできる。特に、変色しては
じめてオゾン変色層と非変色層との色差が識別できるよ
うにオゾン変色層及び非変色層を形成することが好まし
い。
【0037】色差が識別できるようにする場合には、例
えばオゾン変色層の変色によりはじめて文字、図柄及び
記号の少なくとも1つが出現するようにオゾン変色層及
び非変色層を形成することができる。本発明では、文
字、図柄及び記号は、変色(すなわちオゾンの存在)を
知らせるすべての情報を包含する。これら文字等は、使
用目的等に応じて適宜デザインすれば良い。
【0038】また、変色前におけるオゾン変色層と非変
色層とを互いに異なる色としても良いが、特に両者を実
質的に同じ色とし、変色後にはじめてオゾン変色層と非
変色層との色差(コントラスト)が識別できるようにし
ても良い。
【0039】本発明オゾン検知カードでは、オゾン変色
層と非変色層とが重ならないようにオゾン変色層及び非
変色層を形成しても良い。これにより、使用するインキ
量を節約することもできる。例えば、基材の一部にオゾ
ン変色層を形成し、残りの部分には非変色層を形成した
り、あるいは基材のまま露出させても良い。
【0040】さらに、本発明では、オゾン変色層及び非
変色層の少なくとも一方の層上にさらにオゾン変色層又
は非変色層を形成しても良い。例えば、オゾン変色層と
非変色層とが重ならないようにオゾン変色層及び非変色
層を形成した層(「変色−非変色層」という)の上から
さらに別のデザインを有するオゾン変色層を形成すれ
ば、変色−非変色層におけるオゾン変色層及び非変色層
の境界線が実質的に識別できない状態にできるので、よ
り優れた外観を達成することができる。
【0041】
【発明の効果】本発明のオゾン検知用インキは、特に、
1)オゾン雰囲気下で変色する色素成分及び2)オゾン
雰囲気下で変色しない色素成分を含有するので、このイ
ンキにより形成されたオゾン変色層、すなわち本発明オ
ゾン検知カードはより容易に変色を視認することができ
る。すなわち、ある特定の色から別の色へと変色するよ
うな設計ができるので、変色をより容易かつ確実に視認
することが可能となる。その結果、高いオゾン検知精度
を達成することができ、より正確な定量も可能となる。
【0042】また、非変色層を形成する場合には、変色
をより容易に識別することができる。しかも、オゾン変
色層と非変色層を適当に組み合わせることによって使用
目的に応じた図柄、文字、記号等を表わすことができ、
優れた意匠性を付与することもできることから、幅広い
用途に適用することができる。
【0043】さらに、変色色素として第一アミノ基及び
第二アミノ基の少なくとも1種のアミノ基を有するアン
トラキノン系染料を用いる場合には、実質的に乾燥した
状態であってもオゾンと効果的に反応して変色し、より
優れた検知精度(選択性)、感度、安定性等を発揮し、
オゾンの存在を肉眼でも容易に検知できる。さらに、上
記アントラキノン系染料、増量剤等の成分の種類及び配
合割合を変えることによって検知感度、変色速度等を自
由に制御でき、より確実にオゾン濃度を検知することも
可能である。
【0044】特に、オゾン検知用インキに4級アンモニ
ウム塩型のカチオン系界面活性剤がともに配合されてい
る場合は、より優れた変色性が得られ、より低濃度のオ
ゾンも確実に検知することが可能である。条件によって
は、例えば0.03ppmという低濃度のオゾンも検知
することができる。
【0045】さらに、オゾン検知用インキにおける変色
色素及び非変色色素の種類及び配合割合を変えることに
よって検知感度、変色速度等を自由に制御することが可
能である。
【0046】また、オゾン検知用インキに樹脂系バイン
ダー等を配合することにより印刷用、筆記用、スタンプ
用インキとしても利用することができ、紙、フィルム等
の基材に塗布、含浸等の処理をして用いることができ
る。このため、例えば一定のオゾン濃度ではじめて変色
又は消色する本発明インキの塗膜を基材上に数種形成さ
せれば、簡易なオゾン検知カードとして用いることがで
きる。
【0047】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明の特
徴とするところをより一層明確にする。なお、本発明
は、これら実施例に限定されるものではない。
【0048】実施例1 アントラキノン系分散染料(「ミケトンファストレッド
バイオレットR」三井BASF社製)1.68重量部、
油溶性染料(「VALIFAST YELLOW 412
0」オリエント化学工業製、C.I.Solvent Yellow 82)
0.84重量部、樹脂系バインダーとしてエチルセルロ
ース系樹脂(「エトセル10」ダウケミカル社製)6.
55重量部、増量剤としてシリカゲル(「アエロジルR
−972」日本アエロジル社製)7.20重量部、カチ
オン系界面活性剤として塩化ヤシアルキルトリメチルア
ンモニウム(「CA−2150」NIKKOL社製)
2.06重量部及び溶剤としてエチルセロソルブ(「シ
ーホゾールMG」日本触媒社製)81.66重量部を均
一に攪拌機により混合し、オゾン検知用インキを調製し
た。このオゾン検知用インキを用いてシルクスクリーン
印刷(150メッシュ)によってケント紙上に印刷を行
い、オゾン検知カードを得た。
【0049】比較例1 油溶性染料を使用しないほかは、実施例1と同様にして
オゾン検知用インキを調製した。このオゾン検知用イン
キを用いてシルクスクリーン印刷(150メッシュ)に
よってケント紙上に印刷を行い、オゾン検知カードを得
た。
【0050】試験例1 実施例及び比較例で作製されたオゾン検知カードを濃度
20ppmのオゾン雰囲気中に約10分間曝露した。そ
の結果、実施例1では印刷された色がえんじ色から黄色
に変色することが確認された。また、比較例1では印刷
された色が徐々に消色して最終的にケント紙の地色(白
色)となった。各カードの変色前後の色差(ΔE)を調
べた。その結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1の結果より、えんじ色から黄色に変色
した実施例1の方がその色差ΔEも大きく、それだけ変
色の確認が容易に行えることがかわる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G042 AA01 BB10 CB01 DA08 FA13 FB07 FC01 FC02 2G054 AA01 AB10 CA08 EA06 GB04 GE06 4J039 AB02 AB08 AD07 AD14 AD23 AE02 AE09 AE13 AF01 BA10 BC03 BC12 BC33 BC67 BC74 BC77 BE01 BE02 BE07 BE08 BE22 EA29 GA34

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1)オゾン雰囲気下で変色する色素成分及
    び2)オゾン雰囲気下で変色しない色素成分を含有する
    オゾン検知用インキ。
  2. 【請求項2】オゾン雰囲気下で変色する色素成分が、第
    一アミノ基及び第二アミノ基の少なくとも1種のアミノ
    基を有するアントラキノン系染料である請求項1記載の
    オゾン検知用インキ。
  3. 【請求項3】さらに4級アンモニウム塩型のカチオン系
    界面活性剤を含有する請求項1又は2に記載のオゾン検
    知用インキ。
  4. 【請求項4】4級アンモニウム塩型のカチオン系界面活
    性剤が、アルキルトリメチルアンモニウム塩である請求
    項3記載のオゾン検知用インキ。
  5. 【請求項5】さらに増量剤を含有する請求項1〜4のい
    ずれかに記載のオゾン検知用インキ。
  6. 【請求項6】さらに樹脂系バインダーを含有する請求項
    1〜5のいずれかに記載のオゾン検知用インキ。
  7. 【請求項7】基材上にオゾン変色層を少なくとも1層有
    するカードであって、当該オゾン変色層が、請求項1〜
    6のいずれかに記載のオゾン検知用インキにより形成さ
    れていることを特徴とするオゾン検知カード。
  8. 【請求項8】オゾン雰囲気下で変色しない非変色層をさ
    らに有する請求項7記載のオゾン検知カード。
  9. 【請求項9】請求項7又は8に記載のオゾン検知カード
    をオゾン雰囲気中に設置した後、変色層の変色による色
    差又は変色域によりCT値を求めることを特徴とするオ
    ゾン濃度の測定方法。
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