JP2006327647A - 包装袋 - Google Patents

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浩一 岩谷
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Abstract

【課題】 両側辺をヒートシールしてなる包装袋において、開口部の不用意な開裂を防止すると共に、異物混入をも防止し得る構造の包装袋を提供する。
【解決手段】 重ね合わせた包装用フィルムの両側辺をヒートシールして当該上部を開口部とした包装袋において、前記両側辺とで形成される開口部の両端角隅部それぞれに内側に向かう斜めの切込みを設けた。切込みは、側辺とのなす角度が45度以下に形成する。また切込みは、曲線として形成する。さらに、包装フィルムは側辺と直交する方向の一軸延伸フィルムまたは共押出フィルムを用いる。さらにまた、重ね合わせた包装用フィルムのうち表裏何れか一方を開口部から上方に延成してリップを形成すると共に、該リップに袋支持用ピンを仮挿入するための穴を設ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、少なくとも両側辺が重ね合わせた包装用フィルムをヒートシールしてなる包装袋に係り、より詳しくは前記した両側辺ヒートシールの基端となる開口部の両端角隅部が物品装填時の衝撃によって不用意に開裂することを防止しうる構造に関する
食パンやサンドイッチの包装袋を例に挙げれば、この種包装袋は従来から、ポリプロピレン等の包装用フィルムを折り返して当該折返し部を底部とするか、若しくは、二枚に重ね合わせた包装用フィルムを横断するようにヒートシールして底部を形成する一方、両側辺をヒートシールして、残る上辺を開口部とした態様が一般的である。そして、当該態様の包装袋に食パン等を装填するには、開口部から包装袋内部に空気を送って包装袋を膨らませ、開口部にガイド板を挿入した状態で、当該開口部より食パン等をシューターによって投入する。なお、サンドイッチを装填する場合も、これと同じである。
上記従来の包装袋は、単に両側辺をヒートシールしたものであるため、内容物装填時に開口部を充分に開くために行われる空気の送り込みやガイド板の挿入による衝撃によって、両側辺のヒートシール部の基端である開口部の両端角隅部から不用意に開裂するおそれがあった。
こうした開口部の開裂を防止するために、開口部の両端に切欠を設けた包装袋が公知である(例えば特許文献1、2を参照)。
特開平9−12039号公報 特開2000−191038号公報
特許文献1、2に開示の包装袋は、開口部の両端に切欠を設けることによって、開口部の両端角隅部を鋭角な小突片としているため、内容物装填時の衝撃が前記両端角隅部に集中し難く、もって開口部の不用意な開裂が防止できるものである。しかしながら、その切欠は包装用フィルムを完全に切り落として形成されるものであるため、切り落としたフィルムが包装袋に混入するおそれがある。特に、内容物が食パンやサンドイッチ等の食品である場合には、こうした異物混入は是が非でも回避しなければならない。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、両側辺をヒートシールしてなる包装袋において、開口部の不用意な開裂を防止すると共に、異物混入をも防止し得る構造の包装袋を提供することである。
上述した目的を達成するために本発明では、重ね合わせた包装用フィルムの両側辺をヒートシールして当該上部を開口部とした包装袋において、前記両側辺とで形成される開口部の両端角隅部それぞれに内側に向かう斜めの切込みを設けるという手段を用いる。当該手段によれば、切込みによって開口部の両端角隅部が二角に分断され、両側辺の開口部側基端部が山形となるため、開口部を内容物装填のために充分に開いたとしても、その応力が前記山形の基端部に集中し難い。また、切込みは開口部の両端角隅部を単にカットするのみであるから、切り落としによるフィルムの破片などが発生しない。
また請求項2では、切込みは側辺とのなす角度が45度以下に形成するという手段を選択的に用いる。両側辺の開口部側基端部をより鋭角な山形とすることによって、前記基端部に引裂応力が集中することを防止できるからである。
これに対して請求項3では、切込みは曲線によって形成する。曲線状の切込みによって引裂応力を効果的に分散させることができるからである。
ところで、フィルムの種類としては、単体フィルムと複合フィルムに大別される。単体フィルムはさらに無延伸フィルム、延伸フィルムに分類され、複合フィルムはコーテッドフィルム、共押出フィルム、ラミネートフィルムに分類される。本発明においては、従来から使用されているフィルムを使用することが可能であるが、切込みへの破断伸びや引裂伝搬抵抗を高めるため、請求項4では、包装フィルムは側辺と直交する方向の一軸延伸フィルムまたは共押出フィルムを選択的に用いることとした。開裂時の引裂応力は側辺と同じ方向、即ち縦方向に作用するが、この縦方向の応力が切込みの根元(切込みの終端)に作用したとしても、フィルムの延伸方向と異なるため、切込みの不用意な拡大を防止することができる。なお、一軸延伸フィルムは単体フィルム、共押出フィルムは複合フィルムである。さらにまた、請求項5では、重ね合わせた包装用フィルムのうち表裏何れか一方を開口部から上方に延成してリップを形成すると共に、該リップに袋支持用ピンを仮挿入するための穴を設けるという手段を選択的に採用する。この手段により、本発明を食パンやサンドイッチの包装袋に適用することができる。
なお、本発明でいう切込みの形成態様には、切込みの始点によって2つの態様が存在する。その一つは開口部の両端角隅部の角先端を始点とするものである。他の一つは前記角先端を始点とはせず、やや内側に入ったところ、即ち、角先端付近を始点とするものである。両者の違いは、袋を開いた状態において前者態様では両側辺の開口部側基端部が当初より山形となるのに対して、後者態様では当初は切込みと前記両端角隅部との間に連結部が残っており、袋に空気の充填や内容物の装填等による一定以上の荷重がかかったときに、ヒートシールよりも強度の低い前記連結部が先に破断し、結果、前者態様と同じように前記基端部が山形となって、以後の荷重を分散させるものである。また、本発明は、少なくとも両側辺がヒートシールによって接合され、その上端が未接合で開封された開口部を有するものが対象であって、底部の形成方法を特に限定するものではない。つまり、一枚の包装用フィルムを二つ折りにして折返し部を底部とするか、二枚の包装用フィルムを重ね合わせて、横断方向にヒートシールして底部を形成するものであってもよく、その他の方法によって閉塞した底部を形成するものも本発明に含む。また、本発明でいうヒートシールとは、フィルムを熱溶着により接合するものと定義し、熱接着、熱シール、溶着シール、溶断シール、溶切シール、熱接合などと称されるものも含むものとする。さらに、内容物は食パン、サンドイッチに限定されず、その他の食品、さらには郵送物であってもよく、内容物を限定するものでない。
以上説明した本発明によれば、両側辺のヒートシールの基端となる開口部の両端角隅部に角先端から内側に向かって斜めにカットした切込みを設けることとしたので、当該切込みによって両側辺の前記基端部が山側となって、その先端に開口部の開口応力が集中し難く、よって両側辺のヒートシール部が不用意に開裂することを防止できた。また切込みを形成する際にフィルムを切り落とさないため、破片の発生がなく、包装袋への異物混入のおそれも全くない。切込みの形成も両側辺のヒートシール後にカッタによるカット工程を追加するのみで、容易に実現できる。さらに切込みを側辺とのなす角度を45度以下として側辺の前記基端部を鋭角にしたので、より応力が集中し難く、開裂防止を確実なものとすることができた。さらに、切込みを曲線によって形成したものにあっては、直線的に作用しやすい開口応力が曲線状の切込みによって分散低減されるため、効果的に開裂防止を図ることができる。さらに、側辺と直交する方向の一軸延伸フィルムまたは共押出フィルムを用いることによって、仮に、切込みの終端に縦方向や切込みと同じ方向の開口応力が作用したとしても、これら方向に対してフィルムはカットされにくいから、切込みが不用意に拡大することがない。
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る包装袋の全体斜視図を示したもので、食パンの包装袋に適用したものである。本実施形態の包装袋の基本的な構造は、従来のものと何ら変わるところがない。即ち、ポリプロピレン等の包装フィルムを二つ折りにして、両側辺を熱溶着することによりヒートシール部1・2を形成すると共に、その上端を開放して食パンを投入する開口部3としたものである。なお、底部4は折返し部を内側にさらに折り込んでなる。また、開口部3から表裏一方のフィルムのみを延成してリップ5とし、該リップ5の二箇所に食パン投入時にピンを挿入する穴6・6を設け、さらに穴6・6からリップ5の上縁に向かってはミシン目7・7を形成することにより、食パン投入時の重みによってミシン目7・7が破断して穴6・6からピンが自動的に外れるようにしている。
上記構成の包装袋において、本発明の特徴点は、開口部3の両端角隅部それぞれに角先端から内側に向かって斜めにカットされた切込み8・8を形成した点にある。換言すれば、開口部3と両側辺ヒートシール部1・2によって形成される直角な角隅部を分断するように切込み8・8を形成している。
図2は、包装袋を開口した状態の側面図である。包装袋の開口部3は、同図に示されるように、切込み8・8によって両側辺ヒートシール部1・2の開口部側基端部が先端が尖った山形となるため、開口部3の開口応力が前記基端部に集中し難く、もってヒートシール部1・2の不用意な開裂が回避される。
また、この実施形態では、切込み8・8とヒートシール部1・2のなす角度αを45度以下に設定してるため、ヒートシール部1・2の基端部先端がより鋭角となって、応力集中の効果的回避を図っている。さらに、包装フィルムとして、矢印で示したように、ヒートシール部1・2と直交する方向(図示、横方向)の一軸延伸フィルムまたは共押出フィルムを用いることによって、開口応力が切込み8・8の終端8’・8’に作用したとしても、フィルムの延伸作用によって縦方向の亀裂が阻止され、結果、切込み8・8が拡大することを防止することができる。
なお、上記実施形態では、切込み8・8の始点を角隅部の角先端としたが、第二実施形態として、その始点を図3に示すように、角先端からやや内側に入ったところとして、切込み8・8と角先端との間に連結部10を残すように切込み8・8を形成してもよい。この場合、連結部10は袋にかかる荷重に対してヒートシール部1・2よりも強度を低くして、荷重がかかった場合には連結部10がヒートシール部1・2よりも先に破断するように連結部10の長さ等を設定する。こうすることによって、袋にかかった荷重は、先ず連結部10が破断することによって吸収され、さらに大きい荷重は切込み8・8によって分散されて、ヒートシール部1・2の不用意な開裂を防止することができる。
他方、上記実施形態では、切込み8・8を直線に形成したが、切込み8の形状は、図4に示すように曲線としたり、図5に示すように、直線を屈折させることであってもよい。切込み8を曲線としたり、屈折させることによって、一直線とした場合よりも開口応力の分散が高い。
この他の実施形態において、フィルムは上記実施形態と同様、横方向の一軸延伸フィルムまたは共押出フィルムを採用したため、切込み8の亀裂拡大を防止するため、前記延伸方向に逆らうように、曲線は下向きに反る方向に、また屈折の方向も縦方向に設定してる。これらの方向は、図4・5に示した形態に限定されず、フィルムの延伸方向に応じて、変更できることはもちろんである。さらに、曲線は円弧に限らず、楕円弧、自由曲線、波形であってもよく、直線と組み合わせた態様としてもよい。
また、内容物は食パンに限定されず、サンドイッチやおにぎりであれば、包装フィルムを方形から台形状に変更することも可能である。また、内容物は食品でなくとも、いわゆるダイレクトメールのような郵送物であってもよく、この場合、立体的形状とするための襠はないが、やはり開口部の両端角隅部に切込みを設けることによって両側辺ヒートシール部の不用意な開裂を防止することができる。
本発明の第一実施形態に係る包装袋の全体斜視図 同実施形態の側面図 本発明の第二実施形態に係る包装袋の切込み付近の拡大図 曲線状の切込みとした他の実施形態に係る包装袋の要部平面図 屈折状の切込みとした他の実施形態に係る包装袋の要部平面図
符号の説明
1・2 両側辺ヒートシール部
3 開口部
4 底部
5 リップ
6 ピン穴
7 ミシン目
8 切込み
10 連結部

Claims (5)

  1. 重ね合わせた包装用フィルムの両側辺をヒートシールして当該上部を開口部とした包装袋において、前記両側辺とで形成される開口部の両端角隅部それぞれに内側に向かう斜めの切込みを設けたことを特徴とする包装袋。
  2. 切込みは、側辺とのなす角度が45度以下に形成される請求項1記載の包装袋。
  3. 切込みは、曲線として形成される請求項1記載の包装袋。
  4. 包装フィルムは側辺と直交する方向の一軸延伸フィルムまたは共押出フィルムである請求項1、2または3記載の包装袋。
  5. 重ね合わせた包装用フィルムのうち表裏何れか一方を開口部から上方に延成してリップを形成すると共に、該リップに袋支持用ピンを仮挿入するための穴を設けた請求項1から4のうち何れか一項記載の包装袋。
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