JP2006324509A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 誘導素子において高いインダクタンスを得ることができ、しかも小型化が可能な半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 電極3が形成された半導体基板1と、第1の絶縁樹脂層11と、第1の配線層12と、第2の絶縁樹脂層13と、第1の配線層12に接続された第2の配線層14とを備え、第2の配線層14が誘導素子15を有し、半導体基板1の、電極3が形成された面とは反対の面1bには、磁性体6が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体基板上に誘導素子を備えた半導体装置およびその製造方法に関する。
従来、半導体基板上に、スパイラルコイル等の誘導素子(インダクタ)が設けられた半導体装置が用いられている(例えば特許文献1を参照)。特許文献1には、半導体基板上に、誘導素子と磁性膜を備えた素子が開示されている。
特開平5−267085号公報
近年では、半導体装置の小型化が要望されているが、従来の半導体装置では、特に磁性膜が厚い場合に、配線の位置に制約が生じたり、フリップチップ実装が難しくなることがあり、小型化は容易ではなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、誘導素子において十分なインダクタンスを得ることができ、しかも小型化が可能な半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る半導体装置は、一方の面に電極が形成された半導体基板と、該半導体基板の上に設けられた絶縁層と、該絶縁層の上に設けられ、前記電極と電気的に接続された誘導素子を備えた半導体装置であって、前記半導体基板の、電極が形成された面とは反対の面には、磁性体が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る半導体装置は、請求項1において、前記半導体基板の、電極が形成された面とは反対の面に、凹所が形成され、該凹所内に、前記磁性体が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る半導体装置は、請求項1または2に記載において、前記凹所が、前記誘導素子に対応する位置のみに形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る半導体装置の製造方法は、一方の面に電極が形成された半導体基板の上に、絶縁層を形成する工程と、該絶縁層の上に、前記電極と電気的に接続される誘導素子を形成する工程と、前記半導体基板の、電極が形成された面とは反対の面に、板状の磁性体を配置する工程を含むことを特徴とする。
本発明の請求項5に係る半導体装置の製造方法は、請求項4において、前記半導体基板に磁性体を設けるに先だって、前記半導体基板の、電極が形成された面とは反対の面に、エッチングにより凹所を形成し、該凹所内に、前記磁性体を設けることを特徴とする。
本発明の半導体装置では、半導体基板の、電極が形成された面とは反対の面に、磁性体が設けられているので、電極が形成された面に磁性体を設ける場合に比べ、磁性体を形成する位置に制約が少なく、設計の自由度が高くなる。また、電極およびそれに接続される配線等がない面に磁性体が設けられるため、磁性体はフリップチップ実装性に影響を与えない。従って、装置の小型化を図ることができる。
また、実装性に影響を与えることなく、厚い磁性体を使用することができるため、誘導素子のインダクタンスを高めることができる。
図1ないし図3は、本発明の半導体装置の一例を示すものであり、図1は断面図、図2は部分切欠斜視図、図3は平面図である。図1は、図3に示すA−A線に沿う断面図である。
半導体装置10は、半導体基板1上に設けられた第1の絶縁樹脂層11(第1の絶縁層)と、第1の絶縁樹脂層11の上に設けられた第1の配線層12(第1の導電部)と、第1の絶縁樹脂層11および第1の配線層12の上に設けられた第2の絶縁樹脂層13(第2の絶縁層)と、第2の絶縁樹脂層13上に設けられた第2の配線層14(第2の導電部)とを有する。
半導体基板1は、シリコンウエハ等の半導体ウエハなどからなり、その上面1aには、集積回路(図示略)の電極3と、パッシベーション膜4が形成されている。
電極3は、Al、Cuなどで構成することができる。
パッシベーション膜4は、不動態化された絶縁膜であり、SiN、SiO等からなる。パッシベーション膜4には、電極3と整合する位置に開口部5が設けられており、この開口部5で電極3が露出している。パッシベーション膜4は、例えばLP−CVD法等により形成することができ、その厚さは例えば0.1〜0.5μmである。
第1の絶縁樹脂層11は、パッシベーション膜4を覆うように設けられ、電極3と整合する位置に形成された第1の開口部16を有する。第1の絶縁樹脂層11は、例えばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等からなり、その厚さは例えば1〜30μmとすると良い。
第2の絶縁樹脂層13は、第1の絶縁樹脂層11と同様の材料が使用でき、第1の絶縁樹脂層11および第1の配線層12を覆うように設けられ、第2の配線層14の端部14a、14bに整合する位置に、第2の開口部17が形成されている。
第1の配線層12は、電極3と第2の配線層14とを接続する再配線層である。第1の配線層12の一端部12aは、第1の開口部16を介して電極3と接続されている。第1の配線層12の他端部12bは、第2の開口部17と整合する位置まで延びている。
第1の配線層12の材料としては例えばCu等が用いられ、その厚さは例えば1〜20μmである。
第2の配線層14は、平面視らせん状に形成されたスパイラルコイルである誘導素子15(インダクタ)を有する。
第2の配線層14の端部14a、14bは、第2の開口部17を介して、それぞれ第1の配線層12の他端部12bと接続されている。
第2の配線層14の材料としては例えばCu等が用いられ、その厚さは例えば1〜30μmとすると良い。
半導体基板1の、電極3が形成された面とは反対の面、すなわち下面1bには、凹所2が形成されており、この部分において半導体基板1は薄肉化されている。
一般に、誘導素子を有する半導体装置では、誘導素子で発生した磁束が半導体基板を通過することにより生じる渦電流によって電磁エネルギーの一部が失われることがあるが、半導体装置10では、半導体基板1が薄肉化されているため、渦電流による損失を低減することができる。
凹所2は、誘導素子15に対応する位置、すなわち、誘導素子15と厚み方向に重なる位置にのみ形成するのが好ましい。これによって、半導体基板1全体を薄くすることなく、誘導素子15と磁性体6とを近づけることができる。このため、半導体基板1の強度を低下させずに、インダクタンスなどの特性を向上させることができる。
凹所2は、磁性体6を収容できるように形成されている。
図3に示すように、凹所2は、平面視矩形状に形成され、その周縁部2aは、ほぼ誘導素子15の外周縁に沿って形成されている。
凹所2の深さは、その部分における半導体基板1の厚さが100μm以下となるようにするのが好ましい。また、凹所2の深さは、磁性体6の厚さ以上とするのが好ましい。
凹所2内には、板状の磁性体6が設けられている。
磁性体6は、フェライト、パーマロイ等の磁性材料からなるものであり、特に、フェライトの焼結体を使用するのが好ましい。フェライトとしては、MIIO・Feで表されるものを挙げることができ、MIIとしてはMn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mg、Cdなどがある。
なかでも特に、Fe、Ni、Znを主成分とするもの、すなわちMIIとしてNiとZnを用いたもの(Ni−Znフェライト)が好ましい。
図3に示すように、磁性体6は、誘導素子15に対応する位置、すなわち、誘導素子15と厚み方向に重なる位置に形成するのが好ましい。図示例では、磁性体6は誘導素子15の全体を覆う大きさの矩形状とされている。磁性体6の周縁部6aは、ほぼ凹所2の周縁部2aに沿って形成されている。
磁性体6の厚さは、50μm以上、好ましくは100μm以上とすると、インダクタンスを高めることができるため好適である。
磁性体6で発生した磁束は、磁性体6から出て再び磁性体6に戻る磁路を形成し、その一部は磁性体6内部を通る。磁性体6は空気に比べ透磁率が高いため、誘導素子15で得られるインダクタンスは、この透磁率に応じて大きくなる。
なお、磁性体6は、少なくとも誘導素子15の最内周より内側の中央領域を覆うように形成した場合でも、インダクタンスを高める効果を得ることができる。
半導体装置10では、磁性体6が凹所2内に設けられているので、全体の厚みを増大させずに、十分な厚みをもつ磁性体6を使用できる。従って、装置サイズを大きくすることなく、優れたインダクタンスを得ることができる。
さらには、磁性体6が凹所2内に設けられているので、磁性体6と誘導素子15との距離を小さくすることができる。このため、磁性体6を通る磁束が増し、インダクタンスが高められる。
誘導素子15に対応する位置に凹所2が形成されているので、この部分で半導体基板1が薄肉となり抵抗が大きくなることから、誘導素子15で発生する磁束を原因とする渦電流損失が抑制され、高いQ値が得られる。
第2の絶縁樹脂層13および第2の配線層14の上には、必要に応じて、少なくとも第2の配線層14を覆う封止層(図示略)を設けることができる。
封止層は、例えばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等からなり、その厚さは例えば10〜150μmである。封止層には、外部への端子を出力するための開口部が設けられる。
また、半導体装置10には、バンプ等の外部への出力端子等の構造物を付加することができる。
次に、半導体装置10の製造方法について説明する。
図4に示すように、下面1bに凹所2を形成した半導体基板1の上面1aに、電極3およびパッシベーション膜4を設ける。
半導体基板1に凹所2を形成する方法としては、エッチングが好ましく、例えば水酸化カリウム(KOH)水溶液などによるウェットエッチング法を用いてもよいし、DeepRIE法(Deep-Reactive Ion Etching法)などのドライエッチング法も採用できる。
DeepRIE法は、反応性ガスによってエッチングをおこなう反応性イオンエッチング法であり、例えば次の方法をとることができる。半導体基板1の下面1bにエッチングマスクを形成した後、エッチングガスである六フッ化硫黄(SF)を下面1bに作用させてエッチングを行う。次に、デポジションガスである八フッ化シクロブタン(C)を作用させ、エッチングで形成された凹所の側壁に有機物膜を形成させる。これらの工程を繰り返してエッチッグを進行させることによって、十分な深さをもつ凹所2を形成することができる。
このように、エッチングを採用することによって、効率よく凹所2を形成することができる。
図5に示すように、半導体基板1のパッシベーション膜4の上に、第1の開口部16を有する第1の絶縁樹脂層11を形成する。
第1の絶縁樹脂層11は、回転塗布法、印刷法、ラミネート法などによって、上記樹脂からなる膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術等を利用して、電極3と整合する位置に第1の開口部16を形成する方法によって得ることができる。
図6に示すように、第1の絶縁樹脂層11の上に第1の配線層12を形成する。
第1の配線層12は、例えば次のようにして形成することができる。スパッタ法等によりシード層を第1の絶縁樹脂層11上に形成する。シード層は、例えばCu層とCr層からなる積層体、またはCu層とTi層からなる積層体とすることができる。
次いで、シード層の上に、電解メッキ用のレジスト膜(図示略)を形成する。このレジスト膜は第1の配線層12を形成すべき領域以外の領域に形成する。
シード層上に、電解銅メッキ法等のメッキ法、スパッタ法、蒸着法等により、Cu等からなる第1の配線層12を形成する。第1の配線層12を形成した後、不要なレジスト膜およびシード層をエッチング等により除去する。
図7に示すように、第1の絶縁樹脂層11および第1の配線層12を覆うように第2の絶縁樹脂層13を形成する。
第2の絶縁樹脂層13は、第1の絶縁樹脂層11と同様に、樹脂膜を形成した後、第2の配線層14の端部14a,14bに整合する位置に第2の開口部17を形成する方法によって得ることができる。
第2の絶縁樹脂層13上には、誘導素子15を有する第2の配線層14を形成する。第2の配線層14は、第1の配線層12と同様にして形成することができる。
図1に示すように、半導体基板1の下面1b側に、磁性体6を設ける。
磁性体6は、フェライト等からなる板材を所望の大きさおよび形状にしたものを使用できる。磁性体6は、エポキシ樹脂などからなる接着剤等を用いて半導体基板1に固定するのが好ましいが、半導体基板1に対し非接着とすることもできる。
この製造方法では、別途作製した板状の磁性体6を用いるので、スパッタ法などにより磁性体を形成する方法に比べ、容易な操作で磁性体6を設けることができる。
封止層(図示略)は、ポリイミド樹脂等からなる膜をフォトリゾグラフィ技術によりパターニングすることによって形成することができる。
以上の工程を経て、図1〜図3に示す半導体装置10が得られる。
半導体装置10では、半導体基板1の下面1bに磁性体6が設けられているので、電極3および配線層12、14が形成された上面1aに磁性体6を設ける場合に比べ、磁性体6を形成する位置に制約が少なく、設計の自由度が高くなる。
また、厚い磁性体を半導体基板の上面側に設けると、フリップチップ実装が難しくなるおそれがあるが、半導体装置10では、半導体基板1の下面1bに磁性体6が設けられているので、フリップチップ実装性に悪影響が及ぶことはない。従って、装置の小型化を図ることができる。
また、実装性に影響を与えずに厚い磁性体6を使用することができるため、誘導素子15のインダクタンスを高めることができる。
図示例では、半導体基板1の下面1bに凹所2を形成し、凹所2内に磁性体6を設けたが、本発明では、半導体基板1に凹所2を形成しない構成も可能である。
また、半導体ウエハなどの半導体基板1の全体を研磨によって薄肉化し、下面全体に磁性体を積層することも可能である。
また、磁性体6は、半導体基板1の下面1b側に設けられるため、磁性体6を形成する工程と、絶縁樹脂層11、13および配線層12、14を形成する工程との前後関係に制約はない。
本発明は、例えば誘導素子がアンテナコイルとして機能する非接触ICタグ用半導体装置など、誘導素子を有する各種半導体装置に適用できる。
本発明の半導体装置の一例を示す断面図である。 図1に示す半導体装置の部分切欠斜視図である。 図1に示す半導体装置を示す平面図である。 図1に示す半導体装置の製造方法の一例を示す工程図である。 前図に続く工程図である。 前図に続く工程図である。 前図に続く工程図である。
符号の説明
1…半導体基板、1a…上面(一方の面)、1b…下面(電極が形成された面とは反対の面)、2…凹所、3…電極、6…磁性体、10…半導体装置、11…第1の絶縁樹脂層(絶縁層)、13…第2の絶縁樹脂層(絶縁層)、14…第2の配線層、15…誘導素子

Claims (5)

  1. 一方の面に電極が形成された半導体基板と、
    該半導体基板の上に設けられた絶縁層と、
    該絶縁層の上に設けられ、前記電極と電気的に接続された誘導素子を備えた半導体装置であって、
    前記半導体基板の、電極が形成された面とは反対の面には、磁性体が設けられていることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、前記半導体基板の、電極が形成された面とは反対の面に、凹所が形成され、該凹所内に、前記磁性体が設けられていることを特徴とする半導体装置。
  3. 前記凹所は、前記誘導素子に対応する位置のみに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 一方の面に電極が形成された半導体基板の上に、絶縁層を形成する工程と、
    該絶縁層の上に、前記電極と電気的に接続される誘導素子を形成する工程と、
    前記半導体基板の、電極が形成された面とは反対の面に、板状の磁性体を配置する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 前記半導体基板に磁性体を設けるに先だって、前記半導体基板の、電極が形成された面とは反対の面に、エッチングにより凹所を形成し、該凹所内に、前記磁性体を設けることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
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EP2583287A4 (en) * 2010-06-16 2017-11-15 National Semiconductor Corporation Inductive structure

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