JP2006324051A - 荷電粒子ビーム照射方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 回転体を回転させながら各被照射物に荷電粒子ビームを照射する装置または方法において、被照射物の角度可変機構を設けることなく、各被照射物中における荷電粒子の飛程の分布を均一化する。
【解決手段】 この荷電粒子ビーム照射装置は、回転体6上の被照射物4に入射する荷電粒子ビーム2のエネルギーを変化させる電圧可変電源20、28を備えている。更に、電圧可変電源20または28を制御するものであって、回転体6の回転に伴う荷電粒子ビーム2の入射角度の変化に同期させて、各被照射物4に入射する荷電粒子ビーム2のエネルギーを変化させて、各被照射物4中における荷電粒子の飛程の垂直方向成分RP の分布を均一化するエネルギー制御器32を備えている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、回転体に複数の被照射物を配置して回転体を回転させながら各被照射物に、イオンビーム、電子ビーム等の荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム照射方法および荷電粒子ビーム照射装置に関する。この方法および装置は、荷電粒子ビームとしてイオンビームを使用する場合は、イオンビーム照射方法およびイオンビーム照射装置と呼ぶことができる。また、イオンビームを使用して被照射物にイオン注入を行う場合は、イオン注入方法およびイオン注入装置と呼ぶことができる。この技術は、後でも述べているように、例えば、半導体デバイスの製造、半導体デバイスを製造する元になるシリコン基板およびSOI基板の製造等の分野に利用することができる。
上記分野で使用されている荷電粒子ビーム照射装置の例として、大電流イオン注入装置がある。この装置では、荷電粒子として、水素イオンまたはそれよりも重い重イオン(例えばヘリウムイオン、アルゴンイオン等)を用い、そのビーム電流値は例えば10mAを超し、そのビームエネルギーは例えば10keVを超すので、被照射物(例えばシリコン基板)は、ビーム照射による加熱と、その結果として生じる変質を防ぐために、回転体(例えば回転ディスクまたは回転円筒)に保持して高速回転させつつ、荷電粒子ビームの照射を受けるよう構成されている。回転体には、通常は複数の被照射物が保持される。
各被照射物は、回転体の高速回転時の遠心力を利用して回転体に押し付けて保持するために、かつ遠心力で被照射物が飛び出すのを防ぐために、回転体の回転軸に直交する方向に対して斜めに交差させて配置されている。
図12は、回転体6として回転ディスクを用いた場合の従来の荷電粒子ビーム照射装置の一例を示す。なお、各被照射物4は、この例では円形をしており、従って図12(B)では実際は楕円形に図示されるべきであるが、ここでは図示を簡略化して円形で図示している(図8においても同様)。
回転体6は、その周縁部が内側に傾斜しており、回転軸8を中心にして例えばQ方向に高速回転する。この回転体6に、複数の被照射物4を、回転軸8を中心とする円周方向に並べると共に、回転軸8に直交する線9に交差させて(例えば斜めに傾けて)配置して、回転体6を回転させながら各被照射物4に荷電粒子ビーム2(例えばイオンビーム)を照射するよう構成されている。仮に線9と平行に被照射物4を配置すると、遠心力で被照射物4は飛び出してしまう。
荷電粒子ビーム2は、この例では断面がスポット状をしているので、各被照射物4の全面に荷電粒子ビーム2を照射するために、回転体6は、図示しない機械走査機構によって、矢印Xに示すように、被照射物4の回転方向と交差する方向(例えば実質的に直交する方向)に機械的に走査される。
このような回転ディスクを用いたイオン注入装置の一例が、特許文献1に記載されている。
図13は、回転体6として回転円筒を用いた従来の荷電粒子ビーム照射装置の一例を示す。回転ディスクを回転円筒にした以外は、図12の例とほぼ同様であるが、線9に対する各被照射物4の交差角度が大きいので、この例の方が被照射物4の保持により大きな遠心力を利用することができる。
特開2004−227958号公報
上記従来の荷電粒子ビーム照射装置においては、回転体6が回転すると、その回転に伴い、各被照射物4に対する荷電粒子ビーム2の入射角度が逐次変化する。これを図14を参照して説明する。
この明細書においては、被照射物4の表面に立てた垂線5と荷電粒子ビーム2との成す角度であって、被照射物4の矢印Qに示す回転の前後方向における角度を入射角度θとしている。図14(A)に示すように、被照射物4の回転方向前端の位置aでの入射角度θは最大となり、同(B)に示すように被照射物4の回転方向の中央の位置bでは入射角度θは0度となり、同(C)に示すように被照射物4の回転方向後端の位置cでは入射角度θは負の最大となる。即ち、中央の位置b以外では入射角度θの絶対値は0度よりも大きくなる。これは、各被照射物4が、ある回転半径上を回転しているからであり、程度の差はあれ、図12の例も図13の例も同様の現象が生じる。
入射角度θの変化は、図15に示す例のように、被照射物4中の荷電粒子(例えばイオン)の飛程に差を生じさせ、当該飛程のビーム入射面から垂直方向成分RP (以下、これを「飛程の垂直方向成分RP 」と呼ぶ)の分布P1 を不均一にする。これは、簡単に言えば、被照射物4中の荷電粒子の進行距離が同じとすると、入射角度θが大きいほど荷電粒子は斜めに進行して、それが止まる入射表面からの深さは浅くなるので、飛程の垂直方向成分RP が小さくなるからである。
上記のように飛程の垂直方向成分RP の分布P1 が不均一になると、種々の不具合が生じる。例えば、貼り合わせ方法でSOI基板を製造する場合、上記分布P1 を境界にして基板を剥離した後に研磨することになるが、分布P1 が不均一であるためにこの研磨が難しくなる。SOI基板の製造に限らず、分布P1 を境界にして被照射物4を剥離して金属や非金属の薄片を製造する場合にも、薄くて平坦な薄片を得ることが困難になる。
上記飛程の垂直方向成分RP の分布の不均一を防ぐために、各被照射物への荷電粒子ビームの入射角度を一定にするように、各被照射物の保持部ひいてはそれに保持された各被照射物の角度を、回転体の回転に同期させてそれぞれ変化させる角度可変機構を設けるという技術が従来から提案されている(上記特許文献1に記載の技術もその一種である)。
しかし、上記のような角度可変機構を設けると、装置の構造が複雑になり、それによって装置のコストが嵩み、動作の信頼性も低下し、かつ機構部から汚染物質が発生して被照射物を汚染しやすくなる。
そこでこの発明は、回転体を回転させながら各被照射物に荷電粒子ビームを照射する装置または方法において、被照射物の角度可変機構を設けることなく、各被照射物中における荷電粒子の飛程の垂直方向成分(RP )の分布を均一化することを主たる目的としている。
この発明に係る荷電粒子ビーム照射方法は、回転体に複数の被照射物を、回転体の回転軸を中心とする円周方向に並べると共に当該回転軸に直交する方向に対して交差させて配置して、回転体を回転させながら各被照射物に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム照射方法において、被照射物の表面に立てた垂線と荷電粒子ビームとの成す角度であって被照射物の回転の前後方向における角度を荷電粒子ビームの入射角度としたとき、各被照射物に対する荷電粒子ビームの入射角度が0度のときに、各被照射物に入射する荷電粒子ビームのエネルギーが所定値となり、各被照射物に対する荷電粒子ビームの入射角度の絶対値が0度よりも大きいときに、当該入射角度の絶対値の大きさに応じて、各被照射物に入射する荷電粒子ビームのエネルギーが前記所定値よりも大きくなるように、回転体の回転に伴う荷電粒子ビームの入射角度の変化に同期させて、各被照射物に入射する荷電粒子ビームの入射エネルギーを変化させて、各被照射物中における荷電粒子の飛程のビーム入射面から垂直方向成分(RP )の分布を均一化することを特徴としている。
上記荷電粒子ビーム照射方法によれば、被照射物の角度可変機構を設けることなく、各被照射物中における荷電粒子の飛程の垂直方向成分(RP )の分布を均一化することができる。
前記荷電粒子ビームの入射エネルギーであって前記入射角度が0度の場合のものからの差を、前記入射角度の2乗に比例させて変化させるのが好ましい。
前記荷電粒子ビームを、前記被照射物の回転方向と交差する方向に走査し、かつ当該走査方向と逆方向に曲げ戻して平行ビーム化しても良い。
前記荷電粒子ビームの走査速度を、前記回転体の回転中心からの距離が大きくなるほど遅くして、各被照射物が受ける荷電粒子ビーム量の分布を各被照射物の面内において均一化するのが好ましい。
前記荷電粒子ビームの走査および曲げ戻しを行う電気信号の大きさを、時間の平方根に比例させて変化させるのが好ましい。
この発明に係る荷電粒子ビーム照射装置は、回転体に複数の被照射物を、回転体の回転軸を中心とする円周方向に並べると共に当該回転軸に直交する方向に対して交差させて配置して、回転体を回転させながら各被照射物に荷電粒子ビームを照射する構成の荷電粒子ビーム照射装置において、前記被照射物に入射する荷電粒子ビームのエネルギーを変化させるエネルギー変化手段と、前記エネルギー変化手段を制御するものであって、被照射物の表面に立てた垂線と荷電粒子ビームとの成す角度であって被照射物の回転の前後方向における角度を荷電粒子ビームの入射角度としたとき、各被照射物に対する荷電粒子ビームの入射角度が0度のときに、各被照射物に入射する荷電粒子ビームのエネルギーが所定値となり、各被照射物に対する荷電粒子ビームの入射角度の絶対値が0度よりも大きいときに、当該入射角度の絶対値の大きさに応じて、各被照射物に入射する荷電粒子ビームのエネルギーが前記所定値よりも大きくなるように、回転体の回転に伴う荷電粒子ビームの入射角度の変化に同期させて、各被照射物に入射する荷電粒子ビームの入射エネルギーを変化させて、各被照射物中における荷電粒子の飛程のビーム入射面から垂直方向成分(RP )の分布を均一化するエネルギー制御器とを備えていることを特徴としている。
上記荷電粒子ビーム照射装置によれば、上記エネルギー変化手段とエネルギー制御器とによって、被照射物の角度可変機構を設けることなく、各被照射物中における荷電粒子の飛程の垂直方向成分(RP )の分布を均一化することができる。
前記エネルギー制御器は、前記荷電粒子ビームの入射エネルギーであって前記入射角度が0度の場合のものからの差を、前記入射角度の2乗に比例させて変化させる制御を行うものが好ましい。
前記荷電粒子ビームを、前記被照射物の回転方向と交差する方向に走査し、かつ当該走査方向と逆方向に曲げ戻して平行ビーム化するビーム平行走査器を備えていても良い。
前記ビーム平行走査器に前記荷電粒子ビームの走査および曲げ戻しを行う走査電気信号を供給するものであって、前記ビーム平行走査器による前記荷電粒子ビームの走査速度を、前記回転体の回転中心からの距離が大きくなるほど遅くして、各被照射物が受ける荷電粒子ビーム量の分布を各被照射物の面内において均一化する走査電源を備えているのが好ましい。
前記走査電源は、前記走査電気信号の大きさを、時間の平方根に比例させて変化させるものが好ましい。
前記ビーム平行走査器は、2対の磁極を有しており、その一方の対の磁極間で前記荷電粒子ビームの走査を行い、他方の対の磁極間で前記荷電粒子ビームの曲げ戻しを行うよう構成されていても良い。
前記ビーム平行走査器は、2対の電極を有しており、その一方の対の電極間で前記荷電粒子ビームの走査を行い、他方の対の電極間で前記荷電粒子ビームの曲げ戻しを行うよう構成されていても良い。
請求項1および6に記載の発明によれば、被照射物の角度可変機構を設けることなく、各被照射物中における荷電粒子の飛程の垂直方向成分(RP )の分布を均一化することができる。その結果、角度可変機構を設ける場合に比べて、装置の構造が簡単になり、それによって装置のコストが安くなり、動作の信頼性も向上し、かつ機構部からの汚染物質による被照射物の汚染を防ぐことができる。
請求項2および7に記載の発明によれば、各被照射物中における荷電粒子の飛程の垂直方向成分(RP )の分布をより正確に均一化することができる、という更なる効果を奏する。
請求項3および8に記載の発明によれば、荷電粒子ビームを平行ビーム化することによって、回転体を機械的に走査することなく、各被照射物の全面に荷電粒子ビームを照射することができると共に、各被照射物に平行性の良い荷電粒子ビームを入射させることができる、という更なる効果を奏する。
請求項4および9に記載の発明によれば、回転体を機械的に走査することなく、各被照射物が受ける荷電粒子ビーム量の分布を各被照射物の面内において均一化することができる、という更なる効果を奏する。
請求項5および10に記載の発明によれば、各被照射物が受ける荷電粒子ビーム量の分布を各被照射物の面内においてより正確に均一化することができる、という更なる効果を奏する。
図1は、この発明に係る荷電粒子ビーム照射方法を実施する荷電粒子ビーム照射装置の一実施形態を示す概略図である。図12〜図15に示した従来例と同一または相当する部分には同一符号を付し、以下においては当該従来例との相違点を主に説明する。
この荷電粒子ビーム照射装置は、荷電粒子源12から引き出した荷電粒子ビーム2を、質量分離器22を通して質量分離し、質量分離後の荷電粒子ビーム2を、加減速器24を通して加速または減速し、中性粒子分離器30を通して中性粒子を分離(除去)した後、前記回転体6上の各被照射物4に照射して、各被照射物4にイオン注入等の処理を施すよう構成されている。荷電粒子源12および質量分離器22は高電位部23に設置されている。
なお、荷電粒子源12から引き出された荷電粒子ビームと、質量分離器22による質量分離後の荷電粒子ビームとは、その内容が異なるが、即ち前者は不要荷電粒子を含む荷電粒子ビームであり、後者は質量分離された所要荷電粒子ビームであるが、両者の相違は自明であるので、この明細書では両者の符号を区別せずに、いずれも荷電粒子ビーム2として表している。
荷電粒子ビーム2は、例えば、前述したように、イオンビームである。その場合、荷電粒子源12はイオン源と呼ばれる。このイオンビームを構成するイオンは、例えば、水素イオン、ヘリウムイオン、アルゴンイオン等の不活性ガスイオンも含むが、具体的には、被照射物4に対する処理内容に応じて決めれば良い。
被照射物4は、例えばシリコン基板であるが、シリコン以外の材質でも良い。即ち、被照射物4の材質、大きさ、形状等は、特定のものに限定されない。
荷電粒子源12は、荷電粒子発生部14と、そこから荷電粒子ビーム2を引き出す荷電粒子引出し部16とを有している。荷電粒子引出し部16は、この例では2枚の電極16aおよび16bを有している。荷電粒子発生部14と電極16aとの間には、直流の引出し電源18から、荷電粒子ビーム2を引き出す引出し電圧VE が印加される。更にこの実施形態のように、電極16aと16bとの間に、出力電圧が可変の電圧可変電源20を接続しておいても良い。この電圧可変電源20は、被照射物4に入射する荷電粒子ビーム2のエネルギーを変化させる、一つのエネルギー変化手段を構成している。
加減速器24の両端には、直流の加減速電源26から、荷電粒子ビーム2を加速または減速する加減速電圧VA が印加される。図1中の加減速電源26は、正の荷電粒子ビーム2を加速する場合の向きを示しており、減速する場合はこれとは逆向きに接続される。更にこの実施形態のように、加減速電源26に直列に、出力電圧が可変の電圧可変電源28を設けておいても良い。この電圧可変電源28は、被照射物4に入射する荷電粒子ビーム2のエネルギーを変化させる、もう一つのエネルギー変化手段を構成している。
但し、必ずしも電圧可変電源20および28の両者を設ける必要はなく、電圧可変電源20および28の少なくとも一方を設けて、それでエネルギー変化手段を構成しておいても良い。例えば、加減速器24を設けない場合は電圧可変電源20を設ければ良い。加減速器24を設ける場合は、電圧可変電源28を設けて電圧可変電源20を省略しても良い。
回転体6は、回転装置10によって、回転軸8を介して、前記のように例えばQ方向に回転させられる。
回転体6は、図1の例では、図12に示したのと同様の回転ディスクであるが、図13に示したような回転円筒でも良い。
荷電粒子ビーム2の断面は、例えばスポット状、長方形等の形状をしており、後述するようなビーム平行走査器40aまたは40bを設けない場合は、従来例と同様に、回転体6を、矢印Xに示すように、被照射物4の回転方向と交差する方向(例えば実質的に直交する方向)に機械的に走査する機械走査機構を設けておいても良い。それによって、各被照射物4の全面に荷電粒子ビーム2を照射することができる。
電圧可変電源20および28の少なくとも一方は、簡単には電圧可変電源20または28の一方は、エネルギー制御器32によって制御されて、それらから出力する出力電圧V1 、V2 が制御される。
上記制御に供するために、エネルギー制御器32には、回転装置10から回転体6の回転速度を表す信号が供給される。またエネルギー制御器32には、回転体6に配置されている各被照射物4の回転半径および荷電粒子ビーム2の入射位置を表す情報が与えられる。これらの信号、情報を用いて、エネルギー制御器32は、回転体6上の各被照射物4に対する前述した入射角度θ(図2参照)を求める機能を有している。更に必要に応じて、回転装置10からエネルギー制御器32に、回転体6の回転位置の同期信号および回転体6の回転角度を表す信号が供給される。またエネルギー制御器32に、回転体6上の各被照射物4の寸法、間隔を表す情報が与えられる。エネルギー制御器32は、これらの信号、情報を更に用いて、上記出力電圧V1 、V2 を制御しても良い。
そしてエネルギー制御器32は、図2をも参照して、各被照射物4に対する荷電粒子ビーム2の入射角度θが0度のときに、各被照射物4に入射する荷電粒子ビーム2のエネルギーが所定値となり、各被照射物4に対する荷電粒子ビーム2の入射角度θの絶対値が0度よりも大きいときに、当該入射角度θの絶対値の大きさに応じて、各被照射物4に入射する荷電粒子ビーム2のエネルギーが前記所定値よりも大きくなるように、回転体6の回転に伴う荷電粒子ビーム2の入射角度θの変化に同期させて、各被照射物4に入射する荷電粒子ビーム2の入射エネルギーを変化させて、各被照射物4中における荷電粒子の飛程の垂直方向成分RP の分布を均一化する機能を有している。
例えば、エネルギー制御器32は、電圧可変電源28からの出力電圧V2 を図3に示す例のように、波状に、より具体的にはこの例では富士山の山型状に変化させる。即ち、出力電圧V2 を、入射角度θが0度のときに0になり、入射角度θの絶対値が0度よりも大きいときに0よりも大になり、入射角度θの絶対値が最大のときに最大になるように変化させる。この出力電圧V2 は、回転体6の回転速度を一定とすると、一つの被照射物4の一端から他端まで荷電粒子ビーム2が通過する時間を1周期とする波状のものである。この出力電圧V2 の波形の決定方法は後で詳述する。図3中の位置a〜cは、図2中の位置a〜cにそれぞれ対応している。
上記制御によって、被照射物4の角度可変機構を設けることなく、例えば図4に示す例のように、被照射物4中における荷電粒子(例えばイオン)の飛程の垂直方向成分RP の分布P2 を均一化することができる。その結果、角度可変機構を設ける場合に比べて、装置の構造が簡単になり、それによって装置のコストが安くなり、動作の信頼性も向上し、かつ機構部からの汚染物質による被照射物4の汚染を防ぐことができる。
なお、出力電圧V2 が0のときの荷電粒子ビーム2のエネルギーが前記所定値であって、当該エネルギーの所定値は、この例では前記引出し電圧VE および加減速電圧VA によって決定される。
図3は、回転体6上に複数の被照射物4が互いの間に間隔をあけずに配置されている場合の例であり、間隔をあけて配置されている場合は、図5に示す例のように、当該間隔に相当する期間T2 だけ、各周期T1 の波形をずらせば良い。
図3に示した出力電圧V2 の波形の決定方法の一例を図6を参照して説明する。
前記回転体6上の各被照射物4の回転半径をRとして、半径Rの円Sを描く。この円Sの接線をABとする。接線ABに垂直の線で、円Sの中心Kを通る線をCDとする。直線CDが円Sの中心Kからα度傾いた直線をEFとする。このαは、前記入射角度θに相当する。直線EFと円Sとの交点をLとする。直線CDと円Sとの交点をMとする。点Lを通り円Sの接線をGHとする。接線GHと直線CDとの交点をNとする。点MN間の距離をyとすると、次の数1が成立する。
[数1]
y=NK−MK=R/cosα−R
=R(1−cosα)/cosα
一方、回転体6の回転速度(回転角速度)をω、時間をtとすると、α=ωtである。このαが微小(α≪1)であると、次の数2が成立し、この数2と上記数1とから次の数3が得られる。
[数2]
cosα≒1−α2 /2
[数3]
y=R{1−(1−α2 /2)}/(1−α2 /2)
≒R・(α2 /2)・(1+α2 /2)
≒Rα2 /2
荷電粒子ビーム2を構成する荷電粒子の被照射物4中での透過距離UとそのエネルギーEとの関係は、一般的に、エネルギーEの増大と共に透過距離Uが増大する関係にあり、次の数4で表すことができる。ここでf(E)はEの関数を表す意味である。
[数4]
U=f(E)
上記数3で表される距離yは、被照射物4中における荷電粒子の飛程の垂直方向成分RP を一定にするために必要な、角度α(即ち入射角度θ)のときの荷電粒子の被照射物4中での過剰透過距離(飛程の垂直方向成分RP ではなくて進む距離)であり、従って数3および数4から次の数5が得られる。これは、荷電粒子ビーム2のエネルギーを変化させる波形を表す式である。
[数5]
f(E)≒Rα2 /2=R(ωt)2 /2
一方、回転体6に保持される被照射物4の枚数をkとすると、上記f(E)で表される関係は、1枚の被照射物4につき2回表れるから、回転体6の1回転当たり2k回表れる。これを、回転体6の回転速度ωで表せば、1秒当たり次の数6の回数表れる。これは、荷電粒子ビーム2のエネルギーを変化させる周期に相当する式である。
[数6]
2kω
回転体6の回転速度ωを一定とすれば、ある被照射物4の片端が直線CD上にあり、その被照射物4の中心線が直線EF上にあるとすると、回転体6が回転して角度αが最大の+α1 から順次減少し、0となり、更に−α1 に移行すると、+α1 から−α1 までの変化に応じて、荷電粒子ビーム2のエネルギーの関数f(E)の変化の様子は、当該関数f(E)がエネルギーEの一次式で代用されるとすれば、その時間変化は、上記数5から、(ωt)2 すなわちα2 に比例するので、図3に示す出力電圧V2 と同様に、富士山の山型状になる。
上記出力電圧V2 を図3のように変化させることは、取りも直さず荷電粒子ビーム2のエネルギーを図3のように変化させることである。即ち、荷電粒子ビーム2の被照射物4への入射エネルギーであって前記入射角度が0度の場合のものからの差を、上記角度αの2乗、即ち入射角度θの2乗に比例させて変化させることによって、入射角度θに依らずに、被照射物4中の荷電粒子の飛程の垂直方向成分RP を一定にすることができる。即ち、被照射物4中における荷電粒子の飛程の垂直方向成分RP の分布をより正確に均一化することができる。
また、図3に示す出力電圧V2 の周期T1 は、回転体6の回転速度ωを一定とすれば、上記数6から、次の数7で表すことができる。
[数7]
1 =1/kω
なお、図3に示す出力電圧V2 の振幅は、具体的には、回転体6に保持される被照射物4の枚数k、各被照射物4の回転半径Rおよび被照射物4への荷電粒子ビーム2の入射エネルギーE等に応じて決めれば良い。
また、エネルギー制御器32によって、電圧可変電源28の代わりに電圧可変電源20を制御するときは、電圧可変電源20の出力電圧V1 を上記出力電圧V2 と同様に制御すれば良い。
次に、回転体6を上記X方向に機械的に走査することなく、各被照射物4の全面に荷電粒子ビーム2を照射することができる実施形態を説明する。
例えば図7に示すようなビーム平行走査器40aを、回転体6の上流側に設ける。このビーム平行走査器40aは、図1との関係で言えば、中性粒子分離器30と回転体6との間に設けても良いし、ビーム平行走査器40aに中性粒子分離器30の機能を兼ねさせても良い。後述するビーム平行走査器40bの場合も同様である。中性粒子分離器30の機能を兼ねさせる場合は、後述する走査電流IS または走査電圧VS に、直流のバイアス電流またはバイアス電圧を重畳させれば良い。
ビーム平行走査器40aは、荷電粒子ビーム2を、回転体6上の各被照射物4の回転方向Qと交差する(好ましくは実質的に直交する)X方向に走査し、かつ当該走査方向と逆方向に曲げ戻して、各走査された荷電粒子ビーム2を互いに平行にする(即ち平行ビーム化する)ものである。
より具体的には、このビーム平行走査器40aは、荷電粒子ビーム2が通るギャップをあけて相対向する2対の磁極44、46を有する鉄心42と、それを励磁するコイル48とを有している。コイル48には、荷電粒子ビーム2の走査および曲げ戻しを行う走査電気信号(この例では走査電流IS )を当該コイル48に供給する走査電源54aが接続されている。
上記磁極44間のギャップと、磁極46間のギャップには、互いに逆方向の交番磁界50、52が発生し、上流側の磁界50によって荷電粒子ビーム2はX方向に走査され、下流側の磁界52によって荷電粒子ビーム2は走査方向と逆方向に曲げ戻され、全体として、荷電粒子ビーム2はX方向に平行走査される。図8も参照して、荷電粒子ビーム2のX方向の走査幅は、各被照射物4より幾分大きくする(オーバースキャンする)のが好ましい。
ビーム平行走査器40aによって荷電粒子ビーム2を平行ビーム化することによって、荷電粒子ビーム2の断面がスポット状、長方形等の形状をしていて、被照射物4の全体をカバーする大きさでなくても、回転体6を機械的に走査することなく、回転体6上の各被照射物4の全面に荷電粒子ビーム2を照射することができる。しかも、各被照射物4に平行性の良い荷電粒子ビーム2を入射させることができる。
走査電源54aは、ビーム平行走査器40aによる荷電粒子ビーム2の走査速度を、回転体6の回転軸8からの距離が大きくなるほど(即ち外側ほど)遅くして(反対に言えば当該距離が小さくなるほど(即ち内側ほど)速くして)、各被照射物4が受ける荷電粒子ビーム量の分布を各被照射物4の面内において均一化する走査電流IS を供給するものが好ましい。そのような走査電流IS の波形の一例を図9に示す。図9中の位置d、eは、図8中の位置d、eにそれぞれ対応している。
回転体6の回転速度が一定の場合、被照射物4はその外側ほど移動速度が速く、内側ほど移動速度が遅いので、上記のようにそれと逆の関係の速度で荷電粒子ビーム2を走査する走査電源54aを設けることによって、回転体を機械的に走査することなく、各被照射物4が受ける荷電粒子ビーム量の分布を各被照射物4の面内において均一化することができる。
図9に示した走査電流IS の波形の決定方法の一例を図10を参照して説明する。
回転体6に相当する円盤S1 を考える。断面が長方形でX方向に走査される荷電粒子ビーム2が円盤S1 に入射するとする。円盤S1 上で長方形の長辺が直線C1 1 に直角、短辺が直線C1 1 に平行にあるとする。K1 は円盤S1 の中心である。荷電粒子ビーム2は直線C1 1 に平行なX方向に走査される。そして、円盤S1 上にある被照射物4は、その全面に亘り均一な荷電粒子ビーム照射量を受けるとする。
この場合の走査電流IS の波形を求める。ここで、円盤S1 の中心K1 から半径rだけ離れた所での荷電粒子ビーム照射量を考える。この場所での単位時間当たりの荷電粒子ビーム照射量をD0 、照射面積をS0 、照射時間をt、荷電粒子ビーム電流をI0 、定数をc1 とすると、次の数8が成立する。
[数8]
0 0 =c1 0
ここで、微小時間Δtを考えると、S0 =2πrΔr、t=Δtだから、数8は次の数9で表される。
[数9]
0 2πrΔr=c1 0 Δt
上記数9を積分すると、次の数10、数11が得られる。c2 は定数である。
[数10]
0 πr2 =c1 0
[数11]
r=√(c1 0 /D0 π)・√t
=c2 √t
上記数11は、荷電粒子ビーム2が照射される位置(即ち走査位置)rの時間変化を示し、走査電流IS が走査位置rに比例する場合、次の数12となる。c3 は定数である。
[数12]
S =c3 √t
上記数12は、走査電流IS の大きさを、時間の平方根に比例させて変化させることを表している。その場合の走査電流IS の波形の一例を図9に示す。この走査電流IS は、椀型の波状をしている。このような走査電流IS によって、回転体6上の各被照射物4が受ける荷電粒子ビーム量の分布を、各被照射物4の面内においてより正確に均一化することができる。
上記走査電流IS の周期T3 は、前記出力電圧V2 の周期T1 (図3等参照)に比べて十分に小さい値に(即ちT3 ≪T1 に)設定するのが好ましい。それによって、荷電粒子ビーム2の走査が、荷電粒子の飛程分布の均一化に及ぼす影響を排除することができる。
磁界によって荷電粒子ビーム2を走査する上記ビーム平行走査器40aの代わりに、図11に示す例のように、電界によって荷電粒子ビーム2を走査するビーム平行走査器40bを設けても良い。
このビーム平行走査器40bは、荷電粒子ビーム2が通る空間をあけて相対向する2対の電極56、58を有している。上流側の1対の電極56と、下流側の1対の電極58とには、走査電源54bから、走査電気信号として、互いに180度位相の異なる走査電圧VS が印加される。これによって、上流側の電極56によって荷電粒子ビーム2はX方向に走査され、下流側の電極58によって荷電粒子ビーム2は走査方向と逆方向に曲げ戻されて、全体として、荷電粒子ビーム2はX方向に平行走査される。この場合も、荷電粒子ビーム2のX方向の走査幅は、各被照射物4より幾分大きくするのが好ましい。
ビーム平行走査器40aおよびそれ用の走査電源54aの場合と同様、走査電源54bは、ビーム平行走査器40bによる荷電粒子ビーム2の走査速度を、回転体6の回転軸8からの距離が大きくなるほど(即ち外側ほど)遅くして(反対に言えば当該距離が小さくなるほど(即ち内側ほど)速くして)、各被照射物4が受ける荷電粒子ビーム量の分布を各被照射物4の面内において均一化する走査電圧VS を供給するものが好ましい。そのような走査電圧VS の波形は、例えば、図9に示した走査電流IS の波形と同様であり、それの決定方法も前記と同様である。
上記のような走査電源54bを設けることによって、回転体6を機械的に走査することなく、各被照射物4が受ける荷電粒子ビーム量の分布を各被照射物4の面内において均一化することができる。
更に、走査電圧VS の大きさを、時間の平方根に比例させて変化させることによって、回転体6上の各被照射物4が受ける荷電粒子ビーム量の分布を各被照射物4の面内においてより正確に均一化することができる。
この発明は、例えば、半導体デバイスの製造、半導体デバイスを製造する元になるシリコン基板およびSOI(Silicon on Insulator)基板の製造、更にはMEMS(Microelectro Mechanical System)等の製造に利用することができる。
この発明に係る荷電粒子ビーム照射方法を実施する荷電粒子ビーム照射装置の一実施形態を示す概略図である。 図1中の被照射物に対する荷電粒子ビームの入射角度の変化の様子の一例を示す図である。 電圧可変電源の出力電圧波形の一例を示す図である。 被照射物中の荷電粒子の飛程の垂直方向成分RP の分布の一例を示す概略図である。 電圧可変電源の出力電圧波形の他の例を示す図である。 電圧可変電源の出力電圧波形の決定方法の一例を説明するための図である。 ビーム平行走査器の一例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は断面図である。 回転体上の被照射物と、走査された荷電粒子ビームとの位置関係の一例を示す正面図であり、図7(A)のP視図に相当する。 ビーム平行走査器に供給する走査電流波形の一例を示す図である。 走査電流波形の決定方法の一例を説明するための図である。 ビーム平行走査器の他の例を示す図である。 従来の荷電粒子ビーム照射装置の一例を示す概略図であり、(A)は断面図、(B)はP視正面図である。 従来の荷電粒子ビーム照射装置の他の例を示す概略図であり、(A)は断面図、(B)は平面図である。 図12または図13中の被照射物に対する荷電粒子ビームの入射角度の変化の様子の一例を示す図である。 従来の荷電粒子ビーム照射装置による場合であって被照射物の支持部が角度変化を起こさないときの被照射物中の荷電粒子の飛程の垂直方向成分RP の分布の一例を示す概略図である。
符号の説明
2 荷電粒子ビーム
4 被照射物
6 回転体
8 回転軸
20 電圧可変電源(エネルギー変化手段)
28 電圧可変電源(エネルギー変化手段)
32 エネルギー制御器
40a、40b ビーム平行走査器
54a、54b 走査電源
θ 入射角度
P 飛程の垂直方向成分

Claims (12)

  1. 回転体に複数の被照射物を、回転体の回転軸を中心とする円周方向に並べると共に当該回転軸に直交する方向に対して交差させて配置して、回転体を回転させながら各被照射物に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム照射方法において、
    被照射物の表面に立てた垂線と荷電粒子ビームとの成す角度であって被照射物の回転の前後方向における角度を荷電粒子ビームの入射角度としたとき、各被照射物に対する荷電粒子ビームの入射角度が0度のときに、各被照射物に入射する荷電粒子ビームのエネルギーが所定値となり、各被照射物に対する荷電粒子ビームの入射角度の絶対値が0度よりも大きいときに、当該入射角度の絶対値の大きさに応じて、各被照射物に入射する荷電粒子ビームのエネルギーが前記所定値よりも大きくなるように、回転体の回転に伴う荷電粒子ビームの入射角度の変化に同期させて、各被照射物に入射する荷電粒子ビームの入射エネルギーを変化させて、各被照射物中における荷電粒子の飛程のビーム入射面から垂直方向成分(RP )の分布を均一化することを特徴とする荷電粒子ビーム照射方法。
  2. 前記荷電粒子ビームの入射エネルギーであって前記入射角度が0度の場合のものからの差を、前記入射角度の2乗に比例させて変化させる請求項1記載の荷電粒子ビーム照射方法。
  3. 前記荷電粒子ビームを、前記被照射物の回転方向と交差する方向に走査し、かつ当該走査方向と逆方向に曲げ戻して平行ビーム化する請求項1または2記載の荷電粒子ビーム照射方法。
  4. 前記荷電粒子ビームの走査速度を、前記回転体の回転中心からの距離が大きくなるほど遅くして、各被照射物が受ける荷電粒子ビーム量の分布を各被照射物の面内において均一化する請求項3記載の荷電粒子ビーム照射方法。
  5. 前記荷電粒子ビームの走査および曲げ戻しを行う電気信号の大きさを、時間の平方根に比例させて変化させる請求項4記載の荷電粒子ビーム照射方法。
  6. 回転体に複数の被照射物を、回転体の回転軸を中心とする円周方向に並べると共に当該回転軸に直交する方向に対して交差させて配置して、回転体を回転させながら各被照射物に荷電粒子ビームを照射する構成の荷電粒子ビーム照射装置において、
    前記被照射物に入射する荷電粒子ビームのエネルギーを変化させるエネルギー変化手段と、
    前記エネルギー変化手段を制御するものであって、被照射物の表面に立てた垂線と荷電粒子ビームとの成す角度であって被照射物の回転の前後方向における角度を荷電粒子ビームの入射角度としたとき、各被照射物に対する荷電粒子ビームの入射角度が0度のときに、各被照射物に入射する荷電粒子ビームのエネルギーが所定値となり、各被照射物に対する荷電粒子ビームの入射角度の絶対値が0度よりも大きいときに、当該入射角度の絶対値の大きさに応じて、各被照射物に入射する荷電粒子ビームのエネルギーが前記所定値よりも大きくなるように、回転体の回転に伴う荷電粒子ビームの入射角度の変化に同期させて、各被照射物に入射する荷電粒子ビームの入射エネルギーを変化させて、各被照射物中における荷電粒子の飛程のビーム入射面から垂直方向成分(RP )の分布を均一化するエネルギー制御器とを備えていることを特徴とする荷電粒子ビーム照射装置。
  7. 前記エネルギー制御器は、前記荷電粒子ビームの入射エネルギーであって前記入射角度が0度の場合のものからの差を、前記入射角度の2乗に比例させて変化させる制御を行うものである請求項6記載の荷電粒子ビーム照射装置。
  8. 前記荷電粒子ビームを、前記被照射物の回転方向と交差する方向に走査し、かつ当該走査方向と逆方向に曲げ戻して平行ビーム化するビーム平行走査器を備えている請求項6または7記載の荷電粒子ビーム照射装置。
  9. 前記ビーム平行走査器に前記荷電粒子ビームの走査および曲げ戻しを行う走査電気信号を供給するものであって、前記ビーム平行走査器による前記荷電粒子ビームの走査速度を、前記回転体の回転中心からの距離が大きくなるほど遅くして、各被照射物が受ける荷電粒子ビーム量の分布を各被照射物の面内において均一化する走査電源を備えている請求項8記載の荷電粒子ビーム照射装置。
  10. 前記走査電源は、前記走査電気信号の大きさを、時間の平方根に比例させて変化させるものである請求項9記載の荷電粒子ビーム照射装置。
  11. 前記ビーム平行走査器は、2対の磁極を有しており、その一方の対の磁極間で前記荷電粒子ビームの走査を行い、他方の対の磁極間で前記荷電粒子ビームの曲げ戻しを行うよう構成されている請求項8、9または10記載の荷電粒子ビーム照射装置。
  12. 前記ビーム平行走査器は、2対の電極を有しており、その一方の対の電極間で前記荷電粒子ビームの走査を行い、他方の対の電極間で前記荷電粒子ビームの曲げ戻しを行うよう構成されている請求項8、9または10記載の荷電粒子ビーム照射装置。
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