JP2004031115A - サイクロトロンで加速するビームの位相幅制限方法および位相幅制限装置 - Google Patents

サイクロトロンで加速するビームの位相幅制限方法および位相幅制限装置 Download PDF

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佐々木 雄一朗
Kichiji Hatanaka
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Abstract

【課題】サイクロトロンにおけるビームの位相幅を制限して、且つ、透過率を向上してビーム電流値を大きくする位相幅制限方法および位相幅制限装置を提供する。
【解決手段】ディ―電極間のギャップを通過するときに高周波加速電圧を印加して、且つ、ディ―電極間のギャップで印加したものと位相が異なる高周波加速電圧を印加できる加速電圧印加部と、粒子を遮断するビーム遮断部を少なくとも有し、加速電圧印加部、又は、ビーム遮断部の少なくとも一方は移動操作可能なことを特徴とする構成のサイクロトロンとする。加速電圧印加部はサイクロトロンの中心方向に開口部を持つ電極を少なくとも有することが望ましい。移動操作はサイクロトロンの真空を破ることなく外部からの操作で行える方が望ましい。
【選択図】  図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サイクロトロンで加速するビームの位相幅を効率よく制限する方法および位相幅制限装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
サイクロトロンは一般的に電磁石とディ―電極1からなる。ディ―電極1全体は真空箱の中に入っている。陽子等の加速粒子はサイクロトロン中心3部に置かれたイオン源でつくられる。このように真空箱の内部に設置されたイオン源を内部イオン源と呼ぶことが多い。一方、最近ではイオン源をサイクロトロンの外部に配置して、外部のイオン源からサイクロトロン中心3部にビームを輸送する構成のものが増加している。これはイオン源を外部に設置することで真空箱の真空を破らずにイオン源のメンテナンスができるという利点があるからである。内部イオン源に対して、真空箱の外部に設置したイオン源は外部イオン源と呼ぶ。外部イオン源から輸送されたビームはサイクロトロン中心3部に入射された後、加速される。
【0003】
図1はサイクロトロンによる粒子の加速を説明する図である。ディ―電極1に高周波加速電圧が印加される。粒子はディー電極1間のギャップ2を通過するときにディー電極1間に発生している電場に対応したエネルギーを獲得する。電場はディ―電極1の内部深く入り込むことはないので、ディ―電極1の中を通過しているとき、粒子は電場の影響を受けない。半周回って再びギャップ2に達したとき、高周波加速電圧の位相は180度逆転しており、粒子は再び電場によりエネルギーを獲得する。このようにサイクロトロン中心3部から出発した粒子は半周毎に電場からエネルギーを獲得し、それに伴って軌道半径が大きくなる。磁極の外周付近にはビーム取り出し用の高圧電極であるデフレクター4が置かれており、そこに飛び込んだ粒子は外向きの力を受けてサイクロトロンの磁場の外に取り出される。サイクロトロン内部で粒子は500回程度周回して1000回程度の加速を受けることが一般的である。ここで、サイクロトロン中心3部から出発するときの高周波加速電圧に対する位相が違う粒子は、受ける加速電圧が異なるのでエネルギーや軌道にばらつきが生じる。エネルギーや軌道のばらつきがあると、ビーム取り出し効率が悪く、また取り出したビーム5のエネルギー幅が広くなりビームの質が悪くなる。そこで、サイクロトロンでは最初のターンでビームの位相幅を狭くして良質のビームを加速することが求められる。
【0004】
この要望に対してビームの位相幅を制限する様々な方法が提案されている。例えば”Recent Developments at the Osaka RCNP 230−cm Cyclotron and a Proposal for a New Ring Accelerator”, IEEE Trans NS−26, 2, 1904−1911. に粒子が内部イオン源から出発してギャップ2を2回通過した後、ディ―電極1の中を通過しているときにスリットで不要な粒子を遮断して所望の粒子だけを通過させる構成の位相スリットが開示されている。これらの位相スリットはビームの中心軌道に対してサイクロトロン中心3から半径方向に移動可能なビーム遮断部を備える。図2と図3を参照して説明する。図2は、高周波加速電圧の位相に換算して±40度の時間幅をもったビームがギャップ2で受ける高周波加速電圧を説明する図である。プラスの電荷を持つ粒子を加速する場合について説明する。ビームは時間幅の中心粒子がギャップ2を通過するとき、位相が270度の高周波加速電圧で加速されるように調整されることが一般的である。つまり、中心粒子は図2のA3の点でエネルギーを獲得する。そして、中心粒子から40度、および20度位相が遅れている粒子は、A1およびA2の各点で加速される。位相が40度、および20度進んでいる粒子は、A5およびA4の各点でエネルギーを獲得する。粒子の軌道は、獲得したエネルギーの差により異なる。最初のターンにおける軌道の傾向は容易に説明できる。図3はサイクロトロンの加速における最初のターンの軌道を説明する図である。軌道n(n=1〜5)は、Anの点の加速電圧からエネルギーを得た粒子の軌道を示している。中心粒子は最大の加速電圧でエネルギーを得るので、軌道の曲率半径は最大となる。よって、軌道3で示すように最も外側を回る軌道をとる。一方、中心粒子から位相がずれている粒子の獲得するエネルギーはそれよりも小さいので、軌道の曲率半径も小さくなる。A2とA4の点で加速された粒子は同じ軌道2、4をとり、A1とA5の点で加速された粒子は同じ軌道1、5をとる。従来の位相スリット6は上記の軌道の差を利用するものが多い。つまり、サイクロトロン中心3側から半径方向外側に向かって移動操作可能なビーム遮断部を設置する。図3では一例として楕円形状の遮断部7を示した。楕円形状の遮断部7を回転することでビームを遮断する割合を変化できる。図3に図示した楕円形状の遮断部7位置では、軌道1、5の粒子は遮断される。一方で軌道3と軌道2、4の粒子は通過する。これにより、ビームの位相幅は±20度に制限できる。さらには従来の位相スリット14を設けることで中心軌道外側からも粒子を遮断できる。内部イオン源を用いたときはこのような仕組みでビームの位相幅を所望の値に制限でき、エネルギー幅の小さいビームを取り出すことができた。
【0005】
しかし、外部イオン源を使用したときは従来の位相スリット6や従来の位相スリット14を用いるとビームの透過率が約1/50になり、ビーム電流値が小さくなってしまうという課題があった。原因はサイクロトロンへの粒子の入射エネルギーの違いにあると考えている。内部イオン源を用いたときは、粒子はギャップ2に発生する高周波加速電圧でイオン源から引き出される。よって、サイクロトロンへの入射エネルギーはほぼ零である。一方、外部イオン源では、粒子はイオン源の引き出し電極にかけた電圧によってイオン源から引き出されるのでサイクロトロンに入射する以前にエネルギーを持っている。そして、軸入射系を輸送されてサイクロトロンに入射される。ここで、陽子で10 keV以上の入射エネルギーをもつことが一般的である。従来は前述のような各粒子がギャップで獲得するエネルギー差による軌道の違いを利用して位相幅を制限していたが、外部イオン源を用いたときには粒子の入射エネルギーがあるのでエネルギーの絶対値に対するエネルギー差の割合が相対的に小さくなる。これにより、軌道の違いが小さくなるので、不要な粒子だけを遮断しにくくなったと考えている。
【0006】
この課題に対して、例えば”リングサイクロトロンの現状”, 原子核研究 Vol. 36 No. 2, 1991, 3−15. や”The Research Center for Nuclear Physics Ring Cyclotron”, Proceedings of the 1993 Particle Accelerator Conference Volume3 of 5, 1650−1654. に外部イオン源を使用する場合の位相スリットが提案されている。図4は提案された従来の位相スリット8である。従来の位相スリット8は、サイクロトロンの中心方向に開口部を持つ電極9と、それに対向するようにサイクロトロンの半径方向外側に配置された電極10からなる。そして、粒子がサイクロトロン中心3から出発してギャップ2を1回通過した後、ディ―電極1の中を通過しているときに不要な粒子は上記2つの電極に遮断される。さらに詳しく説明する。開口部を持つ電極9では、開口部から電場がディ―電極1の中に漏れる。通常はディ―電極1の中で粒子は電場の影響を受けないが、上記の漏れ電場から粒子はエネルギーを獲得する。漏れ電場は高周波加速電圧のマイナスからプラスに変化する途中の電場となる。この漏れ電場により、時間幅を持ったビームは時間的な分布が軌道曲率半径の分布に置き換わり、位相スリットの出口ではサイクロトロンの半径方向に広がりを持つビームとなると考えられた。図4は位相の中心粒子の軌道から±15度ずれた粒子の軌道を示している。そして、位相がずれた粒子は、開口部を持つ電極9と、それに対向するように半径方向外側に配置された電極10に衝突して遮断されるので、±15度以上位相がずれた粒子を遮断できることを説明した図である。ここで、±15度位相がずれた粒子は中心粒子の軌道から半径方向の内側と外側に等しい間隔離れた軌道をとると考えられた。そして、2つの電極の形状と位置は±15度ずれた粒子の軌道上に接触するように設計され、固定された。”OPERATION OF RCNP AVF CYCLOTRON”, RCNP Annual Report 1991, 207−210. に、上記従来の位相スリット8を用いた実験結果が開示されている。これによると外部イオン源を使用した場合のビーム透過率は1/5〜1/7に改善された。
【0007】
ところで、位相幅が同等であればビーム電流値は大きい方が一般的に好ましい。そこで、位相幅を同等にしてビーム電流値を増加させる方法の提供が求められていた。”A NEW BEAM PHASE SELECTOR FOR THE AVF CYCLOTORON”, RCNP Annual Report 1996, 178−181. に、この課題に対する取り組みの経過が報告されている。この報告ではサイクロトロンの中心領域を3次元磁界解析し、計算機を用いて粒子の軌道計算を行った結果が開示されている。軌道計算の結果によると、ビーム透過率は1/16〜1/30程度であり性能改善に直接寄与する報告ではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
サイクロトロンにおけるビームの位相幅を制限して、且つ、透過率を向上してビーム電流値を大きくする位相幅制限方法および位相幅制限装置の提供が求められていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
ディ―電極間のギャップを通過するときに高周波加速電圧を印加して、且つ、ディ―電極間のギャップで印加したものと位相が異なる高周波加速電圧を印加できる加速電圧印加部と、粒子を遮断するビーム遮断部を少なくとも有し、加速電圧印加部、又は、ビーム遮断部の少なくとも一方は移動操作可能なことを特徴とする構成のサイクロトロンとする。以下に詳細を説明する。
【0010】
本発明の加速電圧印加部の機能を原理に基づいて説明する。図5は、時間幅をもったビームが本発明の加速電圧印加部で受ける高周波加速電圧の一例である。ギャップ2を通過するときに粒子に印加される加速電圧は、A1〜A5の点で示した。これは図2の従来例と同様である。本発明では、さらにギャップ2で印加したものと位相が異なる高周波加速電圧を印加する。例えばAnから位相が50度ずれた点を図5のBnで示した。本発明では、それぞれの粒子はAnとBnの点で加速された合計のエネルギーを得る。図6はそれぞれの粒子が獲得する合計のエネルギーを説明する図である。図6の縦軸は各粒子の獲得する合計のエネルギーである。ただし、従来例の中心粒子が得るエネルギーで規格化している。横軸はギャップ2を通過するときの高周波加速電圧の位相である。本発明では、例えばA1で加速された粒子は、B1でさらにエネルギーを獲得するので、従来例の中心粒子の約1.75倍に相当するエネルギーを得る。これにより曲率半径の大きな軌道をとる。一方、A5で加速された粒子はB5の点では電圧がほとんど零なのでエネルギーをさらに加えることができない。本発明ではA5とB5の点で加速された粒子は、従来例の中心粒子の約0.75倍に相当するエネルギーである。上記のように本発明では位相の違う粒子間で獲得するエネルギーの差が従来よりも大きい。よって外部イオン源を用いたときのように粒子が入射エネルギーを有していても、位相の差を軌道の差に変換しやすい。
【0011】
本発明の加速電圧印加部は、図4の従来の位相スリット8を改良することで実現できる。つまり図7に示すようなサイクロトロンの中心方向に開口部を持つ電極9と、移動可能な半径方向外側に配置された電極B19をディ―電極1の中に配置する。図8を参照して詳細を説明する。開口部から加速電場がディー電極1の中に漏れるが、漏れた電場はギャップの中心線11と成す角度が例えば50度程度から90度程度に分布する構成とする。粒子は等電位線Aと等電位線Bの間の電場で加速される。時間幅の中心粒子は、ギャップの中心線11上で270度の位相の高周波加速電圧を受ける。そして、軌道上を進行して、ギャップの中心線11と50度の角度を通過するときに電場から320度の位相の高周波加速電圧を受ける。さらに軌道上を進んでギャップの中心線11と90度の角度を通過するときに電場から360度の位相の高周波加速電圧を受ける。その後は一般的な加速と同様にギャップ2を通過するときだけエネルギーを獲得する。電場が存在するのは等電位線Aと等電位線Bの間だけなので粒子が受ける電場は上記だけである。ここで、ギャップの中心線11と90度の角度を通過するときに受けた電場の振幅はほぼ零なので、粒子はエネルギーを獲得しない。そこで、粒子の軌道はギャップ2を通過するときと、ギャップの中心線11と50度の角度を通過するときに獲得するエネルギーによって決まることになる。つまり上記で説明した本発明の加速電圧印加部の機能を実現できる。ただし、図4の従来例では2つの電極は設計上の最適な位置に固定されているが、本発明では移動可能とする方が望ましい。それは異なる種類の粒子を加速する場合や異なる加速電圧で加速する場合に、最適な位置が変化するからである。さらにイオン源やビーム輸送系の微妙な調整の違いにより最適な位置は異なるという事情にも寄る。また、電極の位置を変えることで等電位線の分布を調整できるので、上記例では50度とした位相の違いを自由に調整できるという利点もある。ところで、本発明では加速電圧印加部とビーム遮断部の機能を分離する方がさらに望ましい。つまり、加速電圧印加部で粒子の位相毎に軌道を分離した後、ビーム遮断部で不要な粒子を遮断して所望の粒子だけを選別する仕組みとする方が望ましい。これは機能を分離した方が、加速電圧印加部とビーム遮断部を各最適位置に配置しやすくなるからである。機能を分離した加速電圧印加部は、図4の従来例で提案された位相スリットをスリットの出口付近に粒子が衝突しないように図7の移動可能な半径方向外側に配置された電極B19のように改良することで実現できる。
【0012】
次にビーム遮断部について説明する。図8の軌道nは、本発明の加速電圧印加部によってAnとBnの点で加速された粒子の軌道に対応する。軌道1と軌道5で示すように、図3の従来例では同じであったA1とA5の点で加速された粒子の軌道は本発明では同じではない。さらに従来は中心粒子の軌道が最外周であったが、本発明では中心粒子の軌道を中心にサイクロトロンの半径方向に軌道が分布する。よって、例えばサイクロトロンの半径方向に外側と内側の両側から移動可能なビーム遮断部16を設置することで位相幅を制限できる。本発明のビーム遮断部は、従来の位相スリット6や従来の位相スリット14をそのまま用いてもよい。ところで、位相がずれた粒子の軌道は必ずしも中心粒子の軌道から半径方向の内側と外側に等間隔に分布するわけではない。また分布は粒子のイオン種や、加速エネルギー、高周波加速電圧、高周波加速電圧の周波数、磁場、入射エネルギー、環境温度、電磁石の冷却水温度などによって違う。現実には全ての条件を一定にすることは困難で、軌道の分布は実験条件や季節、時間帯によって変化すると考えられる。この変化に対応するためにも、加速電圧印加部、又は、ビーム遮断部の少なくとも一方は移動操作可能とすることが有効である。
【0013】
本発明により、サイクロトロンにおけるビームの位相幅を制限して、且つ、透過率を向上してビーム電流値を大きくする位相幅制限方法および位相幅制限装置を提供できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明を、実施例を用いてさらに詳しく説明する。
【0015】
従来の技術で説明した軌道計算は直接性能改善に寄与するものではなかったが、サイクロトロン内部における粒子の軌道の傾向を掴むことができた。その後、軌道計算結果に考察を加えて本実施例の位相スリットの実機を作成した。
【0016】
図9は実施例で用いた本発明の位相スリット18である。実施例の加速電圧印加部は図4に提案された従来のものを改良して作成したものである。すなわち、サイクロトロンの中心方向に開口部を持つ電極9と移動可能な半径方向外側に配置された電極A15を備える。移動可能な半径方向外側に配置された電極A15とは、半径方向外側に配置された電極10を架台に載せて駆動装置に接続して移動操作可能にしたものである。移動操作はサイクロトロンの真空を破ることなく外部から行える。また、移動は縦、横、回転方向に動かすことができる。ビーム遮断部は移動可能な半径方向外側に配置された電極A15を兼用した。すなわち粒子は本発明の位相スリット18の出口付近で開口部を持つ電極9と移動可能な半径方向外側に配置された電極A15に衝突して遮断される。遮断する割合は移動可能な半径方向外側に配置された電極A15の位置を変えることで変化できる。本発明の位相スリット18を備えたAVFサイクロトロンで64〜65 MeV陽子の加速を行った。高周波加速電圧の周波数は16.84〜16.89 MHz、高周波加速電圧は60〜70 kVである。陽子は、外部イオン源で発生させて軸入射系で輸送した後、15 keVの入射エネルギーでサイクロトロン中心3に入射した。ここで、入射前段にバンチャーを設置して作動させることが一般的であるが、位相スリットの働きを個別に調べる目的で本実施例では作動させていない。ビーム電流値は、サイクロトロンの入口と出口で測定した。そして、その比を計算してビーム透過率を求めた。また、サイクロトロンから取り出したビーム5のパルス幅を測定した。位相幅はパルス幅から換算して求めた。ビーム電流値とパルス幅の測定は移動可能な半径方向外側に配置された電極A15の位置を変えて行った。比較のために、図4に提案された固定式の従来の位相スリット8を用いての測定も行った。さらに、図3に参照した従来の位相スリット6と従来の位相スリット14を用いての測定結果も記述した。
【0017】
図10は本発明の位相スリット18を用いたときのサイクロトロンから取り出したビーム5の強度の時間分布である。横軸は時間である。縦軸はビーム電流値に比例する。半値幅は1.48 nsec. であった。これは位相幅に変換すると9.0度に相当する。図11は位相スリットを用いていないときのビーム強度の時間分布である。半値幅は9.13 nsec. であった。位相幅にして55.5度に相当する。以上より本発明の位相スリット18を用いることで、55.5度のビームの位相幅を9.0度に制限できたことが了解できる。なお、図10と図11はビームをプローブにあてて発生したエックス線をシンチレーションカウンターでカウントし、時間で積分して測定した。縦軸はビーム電流値に比例するが、図10と図11を所得したときの積分時間が異なるので両者の縦軸の値は直接比較できない。
【0018】
図12はパルス幅とビーム透過率の関係である。データ取得前に、サイクロトロンから取り出したビーム5の電流値を測定しながら移動可能な半径方向外側に配置された電極A15の図9における縦、横、回転の位置をあらかじめ調整した。その後、移動可能な半径方向外側に配置された電極A15を図9の横方向に移動させて、各位置でパルス幅とビーム電流値の測定を行った。なお、ビームのパルス幅は上記のようにして測定したビームの半値幅を意味する。本発明の位相スリット18を用いることで、パルス幅を0.67 nsec. から1.12 nsec. の範囲で変えることができた。位相幅にして4.1度から6.8度に相当する。このときビーム透過率は0.4から0.6程度の範囲で変化した。一方、従来の位相スリット8を用いたときのパルス幅は1.27 nsec. であった。位相幅にして7.7度に相当する。ビーム透過率は0.15であった。上記のように本発明の位相スリット18は、実験条件に合わせて移動可能な半径方向外側に配置された電極A15の位置を調整することで従来よりも位相幅を狭く制限して、且つ、ビーム透過率を0.4から0.6程度まで向上できる。また、従来例と異なり電極の位置調整をすることで所望のパルス幅とビーム透過率、すなわちビーム電流値を選択できる。なお、図3に参照した従来の位相スリット6と従来の位相スリット14を用いた場合は、ビーム透過率は0.02程度でありビーム電流値が非常に小さかった。
【0019】
ところで、本発明は実施例に限定されるものではない。図13と図14は本発明の位相スリットのその他の例である。図13は半径方向外側に配置された電極がない場合の本発明の位相スリット例である。加速条件やイオン種により半径方向外側に配置された電極がなくてもギャップで印加したものと位相が異なる高周波加速電圧を印加できれば本発明を実現できることは明らかである。また開口部を持つ電極は移動可能にする方が望ましい。さらにビーム遮断部はビーム遮断部21のように開口部を持つ電極のあるディ―電極の中に配置しても良い。図14は半径方向外側に配置された電極を薄肉形状にした本発明の位相スリット例である。移動可能な半径方向外側に配置された電極A15の可動範囲を大きく取りたい場合は、駆動装置や架台の機構を改良して可動範囲を広げる。このとき、移動可能な半径方向外側に配置された薄肉の電極C23のように電極を薄肉形状にして2ターン目の軌道と交錯しにくいようにする方が望ましい。
【0020】
【発明の効果】
本発明により、サイクロトロンにおけるビームの位相幅を制限して、且つ、透過率を向上してビーム電流値を大きくする位相幅制限方法および位相幅制限装置を提供できる。同様の方法でビームの位相幅とビーム電流値を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】サイクロトロンによる粒子の加速を説明する図
【図2】時間幅をもったビームがギャップで受ける高周波加速電圧を説明する図
【図3】サイクロトロンの加速における最初のターンの軌道を説明する図
【図4】従来の位相スリット8の要部断面図
【図5】時間幅をもったビームが本発明の加速電圧印加部で受ける高周波加速電圧を説明する図
【図6】位相の異なる粒子が獲得するエネルギーを説明する図
【図7】本発明の位相スリット17の要部断面図
【図8】図7を詳細に説明する図
【図9】本発明の位相スリット18の要部断面図
【図10】本発明の位相スリット18を用いたときのビーム強度の時間分布図
【図11】位相スリットを用いていないときのビーム強度の時間分布図
【図12】パルス幅とビーム透過率の関係図
【図13】本発明の位相スリットのその他の例を示す図
【図14】本発明の位相スリットのその他の例を示す図
【符号の説明】
1  ディ―電極
2  ギャップ
3  サイクロトロン中心
4  デフレクター
5  取り出したビーム
6  従来の位相スリット
7  楕円形状の遮断部
8  従来の位相スリット
9  開口部を持つ電極
10  半径方向外側に配置された電極
11  ギャップの中心線
12  発振器
13  従来の位相スリット8における中心粒子の軌道
14  従来の位相スリット
15  移動可能な半径方向外側に配置された電極A
16  ビーム遮断部
17  本発明の位相スリット
18  本発明の位相スリット
19  移動可能な半径方向外側に配置された電極B
20  ディー電極支持部
21  ビーム遮断部
22  移動可能な開口部を持つ電極
23  移動可能な半径方向外側に配置された薄肉の電極C

Claims (11)

  1. ディ―電極間のギャップを通過するときに高周波加速電圧を印加して、且つ、ディ―電極間のギャップで印加したものと位相が異なる高周波加速電圧を印加できる加速電圧印加部と、粒子を遮断するビーム遮断部を少なくとも有し、加速電圧印加部、又は、ビーム遮断部の少なくとも一方は移動操作可能なことを特徴とするサイクロトロン。
  2. 位相は零以上、180度以下異なることを特徴とする請求項1記載のサイクロトロン。
  3. 加速電圧印加部はサイクロトロンの中心方向に開口部を持つ電極を少なくとも有することを特徴とする請求項1記載のサイクロトロン。
  4. 加速電圧印加部はサイクロトロンの中心方向に開口部を持つ電極に対向するようにサイクロトロンの半径方向外側に配置された電極を少なくとも有することを特徴とする請求項3記載のサイクロトロン。
  5. ビーム遮断部はサイクロトロンの半径方向外側に配置された電極であることを特徴とする請求項4記載のサイクロトロン。
  6. サイクロトロンの中心方向に開口部を持つ電極はディ―電極の中に配置されることを特徴とする請求項3記載のサイクロトロン。
  7. ビーム遮断部はサイクロトロンの加速における最初のターンの粒子を遮断することを特徴とする請求項1記載のサイクロトロン。
  8. ビーム遮断部はビームの中心軌道よりもサイクロトロンの半径方向内側、又は、外側の少なくとも方側に配置されていることを特徴とする請求項1記載のサイクロトロン。
  9. ビーム遮断部は加速電圧印加部と兼用されることを特徴とする請求項1記載のサイクロトロン。
  10. 移動操作はサイクロトロンの真空箱の真空を破ることなく外部からの操作で行えることを特徴とする請求項1記載のサイクロトロン。
  11. 請求項1記載のサイクロトロンを用いて製造したポジトロン薬剤。
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