JP2006323190A - 高倍率テレコンバータ - Google Patents

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Abstract

【課題】一般のカメラの通常の撮影レンズを用いたままで簡単に10倍及びそれ以上の拡大された良好な映像を撮影することができる高倍率テレコンバータを実現する。
【解決手段】カメラに装備されている通常の撮影レンズによる撮影範囲の少なくとも最短距離に拡大された虚像を発生させるように、前群レンズと後群レンズとプリズムを配設する。前後群レンズの中間に設けられたプリズムにより前後群レンズ間の距離を光路長に対して短縮することができるため、テレコンバータの全長を短くすることができる。それにより、例えば10倍以上の高倍率テレコンバータを短小かつ軽量化することができ、一般のカメラに簡単に装着することができる。その装着には一般の一眼レフカメラの撮影レンズに設けられているフィルタ装着用ねじ部を用いることができ、それにより通常の撮影状態とテレコンバータによる望遠撮影状態との切替を容易に行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高倍率テレコンバータに関するものである。
従来、一般のカメラに装備されている通常の撮影レンズで撮影すると映像が小さくなってしまう場合には望遠レンズなどを用いて拡大して撮影することができるが、一眼レフカメラなどに設けられている交換レンズ用マウントを用いるレンズ交換方式ではレンズの交換が面倒である。そのため、通常の撮影レンズを外すことなくその前面にレンズを装着できるようにしたテレコンバータがあり、そのようなテレコンバータを用いることによりカメラの通常の撮影レンズの前にテレコンバータを装着するだけで簡単に拡大された映像を撮影することができる(例えば特許文献1参照。)。
特開平10−282412号公報
しかしながら、従来のテレコンバータでは簡易なガリレオ式の光学構造が用いられており、そのようなガリレオ式テレコンバータの場合には、基準になるカメラに設けられているレンズに装着してもその基準レンズの最高でも2倍程度以下の倍率しか与えられないという欠点がある。これは、テレコンバータを用いた場合の満足のいく画質を確保するためには、それ以上に倍率を上げることができないためである。
このような課題を解決して、一般のカメラの通常の撮影レンズを用いたままで簡単に10倍及びそれ以上の拡大された良好な映像を撮影することができる高倍率テレコンバータを実現するために本発明に於いては、カメラの通常の撮影レンズの前面に装着される固定筒体と、前記固定筒体に同軸かつ軸線方向に変位自在に支持された可動筒体と、前記装着状態で前記撮影レンズの撮影可能範囲における少なくとも最短位置に被写体の拡大された虚像を発生させるべく前記可動筒体内に互いに所定の距離をおいて配設された前後群の各レンズ及びそれらの中間に設けられたプリズムとを有するものとした。
このように本発明によれば、テレコンバータを構成する前群レンズ及び後群レンズにより、カメラの通常の撮影レンズの最短撮影可能距離にテレコンバータによる拡大された虚像を結像させることができると共に、それら前後群レンズの中間に設けられたプリズムにより前後群レンズ間の距離を光路長に対して短縮することができるため、テレコンバータの全長を短くすることができる。それにより、例えば10倍以上の高倍率テレコンバータを短小かつ軽量化することができ、一般のカメラに簡単に装着可能なものとすることができる。その装着には一般の一眼レフカメラの撮影レンズに設けられているフィルタ装着用ねじ部を用いたねじ結合を利用することができ、それにより通常の撮影状態とテレコンバータによる望遠撮影状態との切替を容易に行うことができる。
また、一般のカメラにあっては、その通常の撮影レンズの撮影可能範囲の最短位置は撮影レンズから約1mの位置に設定されており、本テレコンバータの虚像発生位置をその位置に設定しておくことにより、特殊なカメラを除いたほとんどのカメラに本テレコンバータを装着して高倍率の撮影を行うことができるため、汎用性が高い。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明が適用された一眼レフカメラ用高倍率テレコンバータを示す側断面図である。図に示されるように、本テレコンバータ1の外形は、例えば一眼レフカメラに標準装備されている通常の撮影レンズ2に結合される固定筒体3と、固定筒体3に同軸的かつ軸線方向に変位自在に一部を挿入された可動筒体4とからなる。なお、固定筒体3には、通常の撮影レンズ2の鏡胴の前面開口端部に設けられているフィルタ装着用雌ねじ部にねじ込み可能な雄ねじ部が設けられている。それにより、固定筒体3の通常の撮影レンズ2への着脱を容易に行うことができる。
可動筒体4内には、被写体側(テレコンバータ1の前側)から前群レンズ5・凹レンズ6・プリズム7・後群レンズ8がこの順に同軸的に配設されている。前群レンズ5・プリズム7・後群レンズ8は可動筒体4に固定されており、凹レンズ6は、可動筒体4内に軸線方向変位自在に支持された円筒状の可動レンズ支持体9に固定されている。可動レンズ支持体9は、カメラのレンズ変位構造では周知のヘリコイドによるものであって良く、可動筒体4の外周には可動レンズ支持体9を変位させる際に手動で回動するための操作リング11が嵌装されている。
また、可動筒体4における固定筒体3に挿入されている部分には固定筒体3の外方に半径方向外向きに突出する操作ノブ12が一体的に設けられており、その操作ノブ12は、可動筒体4に突設されたピン13の突出端部にねじ結合されている。また、固定筒体3の周壁にはピン13を軸線方向にガイドするガイドスロット3aが形成されている。これにより、操作ノブ12のピン13への締結力を弱めることにより可動筒体4を固定支持体3に対して自由に変位させることができ、締結力を強めることにより可動筒体4を固定支持体3に対して任意の位置に固定することができる。
上記プリズム7にはダッハプリズムが用いられている。これにより、前群及び後群レンズ5・8による虚像を正立させ、その正立された虚像をカメラにより撮影する。その光学的関係を図2に示す。
図2に示されるように、本テレコンバータ1によれば、遠方の被写体14の虚像14aがカメラ15の撮影レンズ2から約1mの位置に発生する。これは、市販の一般的な一眼レフカメラ(デジタルカメラを含む)に標準で装備されている通常の撮影レンズにあってはその撮影可能範囲は約1mから無限大に設定されており、その最短距離である約1mに虚像14aを発生させることにより、その虚像14aを通常の撮影レンズ2により撮影可能にするためである。したがって、本テレコンバータ1にあっては、前群及び後群レンズ5・8とプリズム7との配置が撮影レンズ2の前方約1mの位置に虚像14aを発生させる関係になっている。
なお、光学的にはテレコンバータ1をできるだけ撮影レンズ2に近づけて装着すると良いため、後群レンズ8が撮影レンズ2に接近し得るように、上記したように可動筒体4が軸線方向に変位可能に設けられている。例えば図1に示されるように、可動筒体4すなわち後群レンズ8を支持する部分小径に形成されており、これにより、撮影レンズ2のフード形状が拡開断面の凹設形状の場合に後群レンズ8を撮影レンズ2にできるだけ接近させることができる(図の実線)。それに対して、図の二点鎖線に示される(後群レンズ8側のみ図示)ように可動筒体4を前方に変位させることができる。なお、可動筒体4の任意の位置での固定は、操作ノブ12により固定筒体3を挟持する締結力による。
また、操作リング11を操作して凹レンズ6を前後に変位させることによりフォーカシングを調整することができ、通常の撮影レンズ2によるフィルム面15aへの結像を容易に行わせることができる。その結像の確認は、フィルム用一眼レフカメラではファインダにより、デジタルカメラにあってはモニタによりそれぞれ容易に確認することができる。このようにして、高倍率(10倍や20倍など)による撮影を容易に行うことができる。
なお、撮影レンズ2のレンズ面からフードの開口端までの軸線方向長さが短い場合には可動筒体4は図1の二点鎖線に示されるように位置する。このようにして、撮影レンズ2の機種別の形状違いに対して後群レンズ8を撮影レンズ2にできるだけ近接させた状態でテレコンバータ1をカメラに装着することができる。
また、上記したようにプリズム7を介在させた光学系の構成により、本高倍率テレコンバータ1の全長を短くすることができ、それにより軽量化し得る。従来のテレコンバータでは2倍以上にすると大型化かつ重量化となってしまうのに対して、高倍率テレコンバータを小型かつ軽量にすることができるため、持ち運びや手持ち撮影も容易であり、高倍率(例えば10倍以上)テレコンバータを容易に取り扱うことができる。そして、本高倍率テレコンバータ1の倍率が10倍であれば、その虚像14aは10倍に拡大されており、その10倍に拡大された虚像14aを通常の撮影レンズ2で撮影することにより、テレコンバータ1を用いないで撮影レンズ2により撮影した映像の10倍の映像を撮影することができる。
本テレコンバータ1を用いた撮影にあっては、通常の撮影レンズ2の10倍の焦点距離による撮影と同一の効果が得られるため、特に単焦点の撮影レンズが装備されているカメラを高倍率の望遠レンズ付きカメラに生まれ変わらせることができる。例えば10倍のテレコンバータ1を50mmの撮影レンズに装着すれば500mmの望遠レンズと同一の、75mmの撮影レンズであれば750mmもの望遠レンズと同一の望遠効果がそれぞれ生じる。さらに、100mmの撮影レンズであれば1000mm、200mmの撮影レンズであれば2000mmの望遠レンズの効果を有することになる。
また、本発明によれば上記した一眼レフカメラに限定されるものではなく、コンパクトデジカメやカメラ付き携帯電話などにも適用可能である。図3に、テレコンバータ21をカメラ付き携帯電話22に装着した例を示す。
図3において、携帯電話22の撮影レンズ23が臨む面22aであって撮影レンズ23を囲む部分に環状のホルダ24が取り付けられている。例えば両面粘着テープを用いることにより、必要に応じてホルダ24を携帯電話22に取り付けることができる。テレコンバータ21を構成する固定筒体25の撮影レンズ23側軸線方向端部の外周面に雄ねじを形成し、ホルダ24の内周面に雌ねじを形成し、両者をねじ結合することにより携帯電話22に一体的に固定筒体25が固定されている。
図示例では、固定筒体25により本テレコンバータ21の全長となる部分が形成され、その被写体側となる前端部分の内側に筒状の前群レンズ支持体26が軸線方向変位可能に設けられている。その前群レンズ支持体26内に前群レンズ27が設けられ、固定筒体25内に被写体側からプリズム28と後群レンズ29とが前群レンズ27に対して同軸となるように配設されている。
携帯電話22のカメラ用としては、よりコンパクトにするために倍率を4〜5倍に設定すると良い。その場合には前群及び後群レンズ27・29を共に変位させて調整しなくても良いため、前群レンズ27のみ調整可能な構造とする。図示例では上記したように前群レンズ支持体26がテレコンバータ21の軸線方向に変位するものであり、その変位可能な構造としては、カメラのレンズ変位構造では周知のヘリコイドによるものであって良く、固定筒体25の外周には前群レンズ支持体26を変位させる際に手動で回動するためのピントリング30が嵌装されている。
また、前群及び後群レンズ27・29とプリズム28との配置が撮影レンズ23の最短撮影距離となる前方約1mの位置に虚像を発生させる関係になっていると共に、機種別により最短撮影距離が前後した場合には、前群レンズ支持体26を前後に変位させることにより、撮影レンズ23によるCCD31の撮像面へ容易に結像させることができる。結像の確認は携帯電話22のモニタにより可能である。このようにして構成された携帯電話用テレコンバータ21にあっても、上記したカメラ用の効果と同様の効果を奏し得る。
なお、携帯電話22の場合には、その撮影レンズ23の光軸に同軸にテレコンバータ21を装着することは難しいが、予め固定筒体25にホルダ24を結合しておくと共にホルダ24に両面テープを接着しておき、モニタで確認しながら両面テープにより面22aに接着固定することができる。この場合、厳密な意味で光軸を一致させることはできないが、実用上問題ない。
本発明が適用された一眼レフカメラ用高倍率テレコンバータを示す側断面図である。 本テレコンバータにおける虚像の撮影要領を示す説明図である。 携帯電話に適用した例を示す要部破断側断面図である。
符号の説明
1 テレコンバータ
2 撮影レンズ
3 固定筒体
4 可動筒体
5 前群レンズ
6 凹レンズ
7 プリズム
8 後群レンズ
9 可動レンズ支持体
14 被写体、14a 虚像
21 テレコンバータ
22 携帯電話
23 撮影レンズ
24 ホルダ
27 前群レンズ
28 プリズム
29 後群レンズ

Claims (2)

  1. カメラの通常の撮影レンズの前面に装着される固定筒体と、前記固定筒体に同軸かつ軸線方向に変位自在に支持された可動筒体と、前記装着状態で前記撮影レンズの撮影可能範囲における少なくとも最短位置に被写体の拡大された虚像を発生させるべく前記可動筒体内に互いに所定の距離をおいて配設された前後群の各レンズ及びそれらの中間に設けられたプリズムとを有することを特徴とする高倍率テレコンバータ。
  2. 前記最短位置が前記撮影レンズから約1mの位置であることを特徴とする請求項1に記載の高倍率テレコンバータ。
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