JP2006322822A - 検査用マイクロチップおよびそれを用いた検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マイクロポンプを用いて、駆動液によって目的の液体を圧送する場合に、流路内を流れる液体、例えば、試薬、検体などを、流路内において、供給流速を流路断面内で均一にすることができ、これにより、使用できない液体部分が生じず、製造コストも低減することが可能で、しかも、駆動液が混入することなく、所期の量の液体を供給でき、これにより所期の反応が生じて、正確な検査を実施でき、信頼性に優れる検査用マイクロチップおよびそれを用いた検査装置を提供する。
【解決手段】 検体収容部と、試薬収容部と、反応部と、検査部とが一連の流路で、上流側から下流側に連続的に流路によって接続された検査用マイクロチップであって、流路内に、流路内を流れる液体の供給流速を流路断面内で均一にする流速制御手段を設けた。
【選択図】 図8

Description

本発明は、例えば、遺伝子検査などにおいて、マイクロリアクタとして利用可能な検査用マイクロチップおよびそれを用いた検査装置に関する。
最近では、従来の試料調製、化学分析、化学合成などを行うための装置、手段、例えば、ポンプ、バルブ、流路、センサーなどを、マイクロマシン技術および超微細加工技術を駆使して微細化することによって、1チップ上に集積化したシステムが開発されている。
このようなシステムは、μ−TAS(Micro total Analysis System)、バイオリアクタ
、ラブ・オン・チップ(Lab-on-chips)、バイオチップとも呼ばれ、医療検査・診断分野、環境測定分野、農産製造分野などでその応用が期待されている。
特に、遺伝子検査の場合のように、煩雑な工程、熟練した手技、機器類の操作が必要とされる場合には、自動化、高速化および簡便化されたミクロ化分析システムは、コスト、必要試料量、所要時間などの低減できるだけではなく、時間と場所を選ばない分析が可能であり、その効果は非常に大きいものである。
この場合、臨床検査を始めとする各種検査を行う現場では、場所を選ばず、迅速に結果を出すことができるチップタイプのマイクロリアクタを用いた測定の際にも、その定量性、解析の精度などが重要視されている。
しかしながら、このようなチップタイプのマイクロリアクタのような分析チップでは、そのサイズ、形態の点から厳しい制約があるため、シンプルな構成で、高い信頼性の送液システムを確立することが課題となる。そのため、精度が高く、信頼性に優れるマイクロ流体制御素子が求められている。本発明者等は、特許文献1(特開2001−322099号公報)、特許文献2(特開2004−108285号公報)において、既に、このような要求を満足するマイクロ流体制御素子として好適なマイクロポンプシステムを提案している。
また、特許文献3(特願2004−138959号)において、本発明者等は、検体を収容する検体収容部と、試薬が収容される試薬収容部と、検体収容部に収容された検体と、試薬収容部に収容された試薬とを合流させて、所定の反応処理を行う反応流路を有する反応部と、反応部の反応で得られた反応処理物質に対して、所定の検査を行う検査流路を有する検査部とを備え、これらの検体収容部と、試薬収容部と、反応部と、検査部とが一連の流路で、上流側から下流側に連続的に流路によって接続された検査用マイクロチップ(マイクロリアクタ)を、既に提案している。
この特許文献3(特願2004−138959号)のマイクロリアクタには、この試薬収容部から試薬を定量的に供給する方法として以下のような方法が提案されている。
すなわち、特許文献3では、図示しないが、複数の試薬収容部から送液された試薬混合液は、図6に示したように、貯留部17aに充填されるようになっている。なお、貯留部17aの上流側の逆流防止部(逆止弁)16と、下流側の送液制御部13aとの間で、試薬充填流路が構成され、駆動液を送液するマイクロポンプ11に連通する分岐流路に設けられた送液制御部13bとともに、試薬定量部を構成している。
そして、試薬定量部は、図6に示したように、逆止弁から構成される逆流防止部16と
、送液制御部13aとの間の流路(試薬充填流路15a)には、所定量の試薬混合液が充填される。また、この試薬充填流路15aから分岐し、駆動液を送液するマイクロポンプ11に連通する分岐流路15bが設けられている。
そして、試薬の定量送液は、次のように行われる。最初に、逆流防止部16側から、送液制御部13aから先へ試薬31が通過しない送液圧力で、試薬充填流路15aに試薬31を供給することにより試薬31を充填する。
次に、送液制御部13aから先へ試薬31が通過することを許容する送液圧力で、マイクロポンプ11により、分岐流路15bから試薬充填流路15aに向かう方向へ、駆動液25を送液することにより、試薬充填流路15a内に充填された試薬31を送液制御部13aから先の試薬供給流路24へ押し出し、これにより試薬31を定量的に送液するようになっている。なお、試薬充填流路15aに、大容積の貯留部17aを設けることによって、定量のバラツキが小さくなるようになっている。
特開2001−322099号公報 特開2004−108285号公報 特願2004−138959号 「DNAチップ技術とその応用」、「蛋白質 核酸 酵素」43巻、13号(1998年)君塚房夫、加藤郁之進、共立出版(株)発行
しかしながら、このような従来の特許文献3に記載されているような試薬収容部から試薬を定量的に供給する方法では、図7の矢印Cに示したように、試薬供給流路24内において、流路抵抗によって、試薬供給流路24の略中央部分24aの流速が大きく、試薬供給流路24の側面24bにかけて流速が漸次小さくなるように分布することになる。
従って、図7に示したように、試薬供給流路24内の長さが長くなるにつれて、駆動液25が試薬供給流路24の略中央部分24aで前方に突出した状態25aで流れて、試薬供給流路24の側面24bにかけて後退した状態25bで流れることになる。このため、試薬31側で見れば、試薬供給流路24の側面24b近傍の部分に駆動液25を使用しないようにするための境界線Aの後方に、使用できない試薬31の試薬部分31aが生じてしまうことになる。
従って、試薬31を使用できない部分が生じてしまい、所期の目的とする一定量の試薬が供給されないことになり、検査部において所期の検査を実施できないことになるおそれがある。また、高価な試薬31を使用できない部分が生じるため、コストが高くつくことにもなる。
さらに、このように駆動液25が試薬供給流路24の略中央部分24aで前方に突出した状態25aで流れることになるので、駆動液を送液するマイクロポンプ11を正確に制御しなければ、境界線Bまで試薬31を供給するおそれがあり、これによって、検体との反応流路内に、駆動液25の略中央部分の突出した駆動液部分25aが、反応流路内に入ってしまい、試薬と検体との反応の妨げとなって、所期の反応結果が得られず、検査部において精密な検査を実施できないおそれもある。
なお、以上の事情は、試薬収容部から試薬を試薬供給流路に供給する場合だけでなく、マイクロポンプを用いて、駆動液によって目的の液体を圧送する場合、例えば、検体収容部から検体を検体供給経路内に供給する際にも、マイクロポンプを用いて、駆動液によって検体を圧送して供給するので、生じるおそれがあった。
本発明は、このような現状に鑑み、マイクロポンプを用いて、駆動液によって目的の液体を圧送する場合に、流路内を流れる液体、例えば、試薬、検体などを、流路内において、供給流速を流路断面内で均一にすることができ、これにより、使用できない液体部分が生じず、製造コストも低減することが可能で、しかも、駆動液が混入することなく、所期の量の液体を供給でき、これにより所期の反応が生じて、正確な検査を実施でき、信頼性に優れる検査用マイクロチップおよびそれを用いた検査装置を提供することを目的とする。
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の検査用マイクロチップは、
検体を収容する検体収容部と、
試薬が収容される試薬収容部と、
前記検体収容部に収容された検体と、試薬収容部に収容された試薬とを合流させて、所定の反応処理を行う反応流路を有する反応部と、
前記反応部の反応で得られた反応処理物質に対して、所定の検査を行う検査流路を有する検査部とを備え、
これらの検体収容部と、試薬収容部と、反応部と、検査部とが一連の流路で、上流側から下流側に連続的に流路によって接続された検査用マイクロチップであって、
前記流路内に、流路内を流れる液体の供給流速を流路断面内で均一にする流速制御手段を設けたことを特徴とする。
このように構成することによって、流速制御手段によって、流路内を流れる液体の供給流速を流路断面内で均一にすることができるので、マイクロポンプを用いて、駆動液によって目的の液体を圧送する場合に、流路内を流れる液体、例えば、試薬、検体などを、流路内において、供給流速を流路断面内で均一にすることができる。
従って、使用できない液体部分が生じず、製造コストも低減することが可能で、しかも、駆動液が混入することなく、所期の量の液体を供給でき、これにより所期の反応が生じて、正確な検査を実施でき、信頼性に優れることになる。
また、本発明の検査用マイクロチップは、前記流速制御手段を設けた流路が、試薬収容部から試薬を供給する試薬供給流路であることを特徴とする。
このように構成することによって、流速制御手段によって、試薬供給流路内を流れる試薬の供給流速を流路断面内で均一にすることができるので、マイクロポンプを用いて、駆動液によって試薬収容部から試薬を供給する場合に、試薬供給流路内を流れる試薬を、試薬供給流路内において、供給流速を流路断面内で均一にすることができる。
従って、使用できない試薬部分が生じず、製造コストも低減することが可能で、しかも、駆動液が混入することなく、所期の量の試薬を供給でき、これにより所期の反応が生じて、正確な検査を実施でき、信頼性に優れることになる。
また、本発明の検査用マイクロチップは、前記流速制御手段を設けた流路が、検体収容部から検体を供給する検体供給流路であることを特徴とする。
このように構成することによって、流速制御手段によって、検体供給流路内を流れる検体の供給流速を流路断面内で均一にすることができるので、マイクロポンプを用いて、駆動液によって検体収容部から検体を供給する場合に、検体供給流路内を流れる検体を、検体供給流路内において、供給流速を流路断面内で均一にすることができる。
従って、使用できない検体部分が生じず、しかも、駆動液が混入することなく、所期の量の検体を供給でき、これにより所期の反応が生じて、正確な検査を実施でき、信頼性に優れることになる。
また、本発明の検査用マイクロチップは、前記流速制御手段が、流路内の略中央部分に設けた制御板部材であることを特徴とする。
このように構成することによって、このような制御板部材が存在しない場合には、流路内において、流路抵抗によって、流路の略中央部分の流速が大きく、流路の側面にかけて流速が漸次小さくなるように分布するが、流速が大きい部分にこのような制御板部材を設けることによって、これが流路抵抗となる。
従って、これにより、流路内を流れる液体の供給流速を流路断面内で均一にすることができるので、マイクロポンプを用いて、駆動液によって目的の液体を圧送する場合に、流路内を流れる液体、例えば、試薬、検体などを、流路内において、供給流速を流路断面内で均一にすることができる。
また、本発明の検査用マイクロチップは、前記流路内の略中央部分に設けた制御板部材が、流路の流れ方向に一定間隔離間して形成されていることを特徴とする。
このように、流路内の略中央部分に設けた制御板部材が、流路の流れ方向に一定間隔離間して形成することにとって、流路の長さが長くなっても、常に、流路内を流れる液体の供給流速を流路断面内で均一にすることができるので、マイクロポンプを用いて、駆動液によって目的の液体を圧送する場合に、流路内を流れる液体、例えば、試薬、検体などを、流路内において、供給流速を流路断面内で常に均一にすることができる。
また、本発明の検査用マイクロチップは、前記流路内の略中央部分に設けた制御板部材と流路の側面との間の略中央部分に副制御板部材を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、このような副制御板部材が存在しない場合には、流路内において、流路抵抗によって、流路内の略中央部分に設けた制御板部材と流路の側面との間の流路の略中央部分の流速が大きく、流路の側面、制御板部材にかけて流速が漸次小さくなるように分布するが、流速が大きい部分にこのような副制御板部材を設けることによって、これが流路抵抗となる。
従って、これにより、流路内を流れる液体の供給流速を流路断面内でさらに均一にすることができるので、マイクロポンプを用いて、駆動液によって目的の液体を圧送する場合に、流路内を流れる液体、例えば、試薬、検体などを、流路内において、供給流速を流路断面内でさらに均一にすることができる。
また、本発明の検査用マイクロチップは、前記流路内の略中央部分に設けた制御板部材と流路の側面との間の略中央部分に設けた副制御板部材が、流路の流れ方向に一定間隔離間して形成されていることを特徴とする。
このように、流路内の略中央部分に設けた制御板部材と流路の側面との間の略中央部分に設けた副制御板部材が、流路の流れ方向に一定間隔離間して形成することにとって、流路の長さが長くなっても、常に、流路内を流れる液体の供給流速を流路断面内でさらに均一にすることができるので、マイクロポンプを用いて、駆動液によって目的の液体を圧送する場合に、流路内を流れる液体、例えば、試薬、検体などを、流路内において、供給流速を流路断面内で常に均一にすることができる。
また、本発明の検査用マイクロチップは、前記流速制御手段が、流路内の略中央部分から流路の側面との間に、配置密度が略中央部分の方が大きくなるように設けた複数の制御
板部材から構成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、このような制御板部材が存在しない場合には、流路内において、流路抵抗によって、流路の略中央部分の流速が大きく、流路の側面にかけて流速が漸次小さくなるように分布するが、流速が大きい部分に、配置密度が大きくなるように、このような制御板部材を複数個設けることによって、流路の略中央部分の流路抵抗の方が大きくなる。
従って、これにより、流路内を流れる液体の供給流速を流路断面内で均一にすることができるので、マイクロポンプを用いて、駆動液によって目的の液体を圧送する場合に、流路内を流れる液体、例えば、試薬、検体などを、流路内において、供給流速を流路断面内で均一にすることができる。
また、本発明の検査用マイクロチップは、前記検体収容部が、検体と検体前処理液を合流させて、検体前処理を行う検体前処理部を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、例えば、分析対象物(アナライト)の分離または濃縮、除タンパクなどの検体に対して増幅反応に適した前処理を行うことができ、効率良く且つ迅速に、所定の検査を実施することが可能な検査用マイクロチップを提供することができる。
また、本発明の検査用マイクロチップは、前記流速制御手段を設けた流路が、流路断面の流路断面寸法の縦横比であるアスペクト比が、1とならないように、流速制御手段を配置することを特徴とする。
すなわち、微細流路内の流速分布は、流路断面のアスペクト比(流路断面寸法の縦横比)によって決定されるものである。従って、アスペクト比が1の場合(縦寸法と横寸法が
同じ場合)が流速分布が1番大きく、試薬に駆動液がいわゆるめり込んだ状態となる。
従って、試薬に駆動液がいわゆるめり込んだ状態となるのを防止するためには、流速分布を小さくするのが良く、このためにはアスペクト比を大きくすれば良く、例えば、縦横比が1対∞や、∞対1の時が最も小さい流速分布となり理想的である。
しかしながら、流速制御手段50の制御板の数を増やし過ぎると、流路の流路抵抗が大きくなるので、流路抵抗と流速分布のバランスで配置する数を決定すればよく、制御板の配置は、アスペクト比を1から外す方向に、この流路抵抗と流速分布のバランスを考慮し
て配置するのが望ましく、これにより、供給流速を流路断面内で常に均一にすることができる。
さらに、本発明の検査装置は、上記の検査用マイクロチップを脱着自在に装着して、検査用マイクロチップの検査部における検査を実施するように構成したことを特徴とする。
さらに、本発明の検査方法は、上記の検査用マイクロチップを用いて、検体の検査を行うことを特徴とする。
このように構成することによって、携帯に便利で、取り扱いに優れた検査用マイクロチップを検査装置に装着するだけで、特別な技術、複雑で煩雑な操作を必要とすることなく、正確にかつ迅速に所定の検査を実施することが可能である。
本発明によれば、流速制御手段によって、流路内を流れる液体の供給流速を流路断面内で均一にすることができるので、マイクロポンプを用いて、駆動液によって目的の液体を
圧送する場合に、流路内を流れる液体、例えば、試薬、検体などを、流路内において、供給流速を流路断面内で均一にすることができる。
従って、使用できない液体部分が生じず、製造コストも低減することが可能で、しかも、駆動液が混入することなく、所期の量の液体を供給でき、これにより所期の反応が生じて、正確な検査を実施でき、信頼性に優れることになる。
また、本発明によれば、携帯に便利で、取り扱いに優れた検査用マイクロチップを検査装置に装着するだけで、特別な技術、複雑で煩雑な操作を必要とすることなく、正確にかつ迅速に所定の検査を実施することが可能である。
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
図1は、本発明の検査用マイクロチップと、検査用マイクロチップを脱着自在に装着する検査装置本体から構成される本発明の検査装置の実施例を示す斜視図、図2は、図1の検査用マイクロチップに形成された流路全体のみを示す上面図、図3は、図2の流路の試薬収容部を示す部分拡大図、図4は、図2の流路の試薬収容部から分岐した流路の全体を示す部分拡大図である。
図1において、1は、全体で、本発明の検査装置を示しており、検査装置1は、検査用マイクロチップ2と、この検査用マイクロチップ2を脱着自在に装着して、所定の検査を実施する検査装置本体3とを備えている。
検査用マイクロチップ2は、図1に示したように、略矩形のカード形状であり、例えば、樹脂、ガラス、シリコン、セラミックスなどで作製される一枚のチップから構成されるものである。
そして、検査用マイクロチップ2内には、図2に示したように、一連の流路が形成されている。
なお、以下の説明については、遺伝子検査用の検査用マイクロチップ2を例にして、説明するが、もちろん、検査用マイクロチップ2は、これに限定されるものではなく、様々な検体を検査するために用いられるものである。また、以下に述べる流路構成については、その配置、形状、寸法、大きさなどは、検体の種類、検査項目などに応じて、種々変更可能である。
すなわち、この実施例の検査用マイクロチップ2は、ICAN法(Isothermal chimera primer initiated nucleic acid amplification )により増幅反応を行うものであり、検
査用マイクロチップ2内で、血液もしくは喀痰から抽出した検体と、検出対象である遺伝子に特異的にハイブリダイゼーションするビオチン修飾したキメラプライマー、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼ、およびエンドヌクレアーゼを含む試薬とにより、遺伝子増幅反応を行うものである(特許第3433929号参照)。
そして、反応液は、変性処理した後にストレプトアビジンを吸着させた流路に送液され、増幅された遺伝子が流路に固定化される。
次に、末端をフルオレセインイソチオシアネート(FITC)で修飾したプローブDNAと、固定化した遺伝子とをハイブリダイゼーションさせる。そして、FITC抗体で表面を修飾した金コロイドを、固定化した遺伝子にハイブリダイズしたプローブに吸着させ、金コロイドの濃度を光学的に測定することにより、増幅された遺伝子を検出するものである。
図1に示した検査用マイクロチップ2は、樹脂製の一枚のチップからなり、血液などの検体を注入することにより、検査用マイクロチップ2内で、遺伝子増幅反応およびその検出を自動的に行い、多項目について同時に遺伝子診断ができるように構成されている。
検査用マイクロチップ2は、例えば、縦横の長さが数cmのチップに、2〜3μl程度の血液検体を滴下するだけで、図1に示した検査装置本体3に、検査用マイクロチップ2を装着することによって、増幅反応とその検出ができるようになっている。
検査用マイクロチップ2には、図2に示したように、遺伝子増幅反応に用いる試薬を収容する試薬収容部18が形成されている。
すなわち、図3に示したように、検出対象である遺伝子に特異的にハイブリダイゼーションするビオチン修飾したキメラプライマー、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼ、およびエンドヌクレアーゼなどの試薬が、試薬収容部18a、18b、18cに収容されている。
この場合、これらの試薬収容部18a、18b、18cには、場所や時間を問わず迅速に検査ができるように、予め試薬が収容されていることが望ましい。検査用マイクロチップ2内に内蔵される試薬類などは、蒸発、漏失、気泡の混入、汚染、変性などを防止するため、その試薬収容部18a、18b、18cの表面が密封処理されている。
さらに、検査用マイクロチップ2の保管時に、試薬収容部18a、18b、18cから試薬が微細流路内に勝手に漏出して試薬が反応してしまうことなどを防止するために、冷蔵条件下では、固化もしくはゲル化しており、使用時、室温にすると融解し流動状態となる物質、例えば、油脂などの封止材により封入されている。
そして、これらの試薬収容部18a、18b、18cの上流側にはそれぞれ、マイクロポンプ11が、ポンプ接続部12で接続されている。これらのマイクロポンプ11により、試薬収容部18a、18b、18cから、下流側の流路15aへ試薬が送液されるようになっている。
なお、この場合、マイクロポンプ11としては、検査用マイクロチップ2とは別途の検査装置本体3に組み込まれており、検査用マイクロチップ2を検査装置本体3に装着することによって、ポンプ接続部12から検査用マイクロチップ2に接続されるようになっている。しかしながら、マイクロポンプ11を検査用マイクロチップ2の流路に予め組み込んでおくことも可能である。
また、このようなマイクロポンプ11として、ピエゾポンプを用いるのが望ましい。図5(a)は、ピエゾポンプを用いたマイクロポンプ11の一例を示した断面図、図5(b)は、その上面図である。
このマイクロポンプ11には、第1液室48と、第1流路46と、加圧室45と、第2流路47と、第2液室49が形成された基板42を備えている。そして、この基板42上に積層された上側基板41と、上側基板41上に積層された振動板43と、振動板43の加圧室45と反対側に積層された圧電素子44と、圧電素子44を駆動するための駆動部(図示せず)とが設けられている。
図5(c)は、このマイクロポンプ11の他の実施例を示した断面図である。この実施例では、マイクロポンプ11を、シリコン基板71と、圧電素子44と、図示しないフレキシブル配線から構成している。シリコン基板71は、シリコンウエハを公知のフォトリソグラフィー技術により所定の形状に加工したものであり、エッチングにより加圧室45
と、ダイヤフラム43と、第1流路46と、第1液室48と、第2流路47と、第2液室49が形成されている。第1液室48には、ポート72が、第2液室49には、ポート73がそれぞれ設けられ、このポートを介して検査用マイクロチップ2のポンプ接続部12と連通するように構成されている。
このように構成されたマイクロポンプ11によれば、ポンプの駆動電圧と周波数を変えることによって、液体の送液方向、送液速度を制御できるようになっている。
このように構成されるマイクロポンプ11によって、図3に示したように、試薬収容部18a、18b、18cから、送液制御部13を介して、下流側の流路15aへ試薬が送液され、流路15a内で混合状態が安定した後に、試薬混合液が、3本に分岐した流路15b、15c、15dへ送液されるようになっている。
すなわち、流路15bは、図2に示した左側の流路を構成する検体との反応、検出系へ連通している。また、流路15cは、図2の中央の流路を構成するポジティブコントロールとの反応、検出系へ連通している。さらに、流路15dは、図2の右側の流路を構成するネガティブコントロールとの反応、検出系へ連通している。
以下については、図2および図4を参照して、流路15bの流路について主として説明する。
流路15bに送液された試薬混合液は、図4に示したように、貯留部17aに充填される。なお、貯留部17aの上流側の逆流防止部(逆止弁)16と、下流側の送液制御部13aとの間で、試薬充填流路が構成され、駆動液を送液するマイクロポンプ11に連通する分岐流路に設けられた送液制御部13bとともに、試薬定量部を構成している。
すなわち、試薬定量部は、図6に示したように、逆止弁から構成される逆流防止部16と、送液制御部13aとの間の流路(試薬充填流路15a)には、所定量の試薬混合液が充填される。また、この試薬充填流路15aから分岐し、駆動液を送液するマイクロポンプ11に連通する分岐流路15bが設けられている。
そして、試薬の定量送液は、次のように行われる。最初に、逆流防止部16側から、送液制御部13aから先へ試薬31が通過しない送液圧力で、試薬充填流路15aに試薬31を供給することにより試薬31を充填する。
次に、送液制御部13aから先へ試薬31が通過することを許容する送液圧力で、マイクロポンプ11により、分岐流路15bから試薬充填流路15aに向かう方向へ、駆動液25を送液することにより、試薬充填流路15a内に充填された試薬31を送液制御部13aから先へ押し出し、これにより試薬31を定量的に送液する。
なお、試薬充填流路15aに、大容積の貯留部17aを設けることによって、定量のバラツキが小さくなるようになっている。
一方、図4に示したように、血液もしくは喀痰から抽出した検体は、検体収容部20から注入され、貯留部17bに充填されるようになっている。なお、この検体収容部20は、図示しないが、検体と検体前処理液を合流させて、検体前処理を行う検体前処理部を備えるようにしても良い。
そして、この検体収容部20は、上記の試薬定量部とほぼ同じ機構で、マイクロポンプ11により、検体が定量に充填され、後続する流路15eへ定量送液されるようになっている。
すなわち、貯留部17bに充填された検体と、貯留部17aに充填された試薬混合液は
、Y字流路を介して、流路15eに送液され、この流路15e内で混合およびICAN反応が行われる。
なお、検体と試薬との送液は、例えば、交互に各マイクロポンプ11を駆動して、流路15eへ輪切り状に検体と試薬混合液とを交互に導入し、迅速に検体と試薬とが拡散、混合するようにすることが望ましい。
また、図4に示したように、停止液収容部21aには、予め反応停止液が収容されており、マイクロポンプ11により、反応停止液を流路15fに送液して、ビオチン修飾したプライマーを用いて増幅反応させた後の反応液と停止液とを混合することにより、増幅反応が停止されるようになっている。
次に、図4に示したように、反応停止処理を行った混合液に対して、変性液収容部21bの変性液を流路15gで混合して、増幅された遺伝子を一本鎖に変性させる。その後、ハイブリダイゼーションバッファー収容部21cに収容されたバッファー液を流路15hで混合し、得られた混合液を目的物質検出用およびインターナルコントロール検出用の2つの検出部22a,22bに分割して送液する。これによって、一本鎖に変性された遺伝子は、検出部22a,22bに吸着されたストレプトアビジンにより検出部22a,22bに固定化される。
この検出部22a内へ、単一のポンプ11により、各収容部21d、21f、21eに収容された洗浄液、プローブDNA溶液、およびFITC抗体で標識した金コロイドの溶液を、同図に示した順序で送液する。同様に、検出部22b内へ、単一のポンプ11により、各収容部21d、21g、21eに収容された洗浄液、インターナルコントロール用プローブDNA溶液、およびFITC抗体で標識した金コロイドの溶液を、同図に示した順序で送液する。
このようにして、末端をFITCで蛍光標識したプローブDNAを検出部22a,22bに固定化された一本鎖の増幅遺伝子にハイブリダイズさせ、その後FITCを介して金コロイドを結合させる。この結合した金コロイドを、例えばLEDから測定光を照射し、フォトダイオード、光電子増倍管などの光検出手段で透過光もしくは反射光を検出することによって、増幅の有無または増幅効率を測定する。
なお、図2および図3に示したように、流路15cは、図2の中央の流路を構成するポジティブコントロールとの反応、検出系へ連通しており、流路15dは、図2の右側の流路を構成するネガティブコントロールとの反応、検出系へ連通している。試薬混合液をこれらの流路15c、15dに送液することにより、上述した流路15bの検体の反応、検出系における場合と同様に、試薬と流路内で増幅反応させた後、プローブDNA収容部に収容されたプローブDNAと流路内でハイブリダイゼーションさせ、この反応生成物に基いて増幅反応が検出されるようになっている。
ところで、上記のような試薬収容部から試薬を定量的に供給する方法では、図7の矢印Cに示したように、試薬供給流路24内において、流路抵抗によって、試薬供給流路24の略中央部分24aの流速が大きく、試薬供給流路24の側面24bにかけて流速が漸次小さくなるように分布することになる。
従って、図7に示したように、試薬供給流路24内の長さが長くなるにつれて、駆動液25が試薬供給流路24の略中央部分24aで前方に突出した状態25aで流れて、試薬供給流路24の側面24bにかけて後退した状態25bで流れることになる。このため、試薬31側で見れば、試薬供給流路24の側面24b近傍の部分に駆動液25を使用しな
いようにするための境界線Aの後方に、使用できない試薬31の試薬部分31aが生じてしまうことになる。
従って、試薬31を使用できない部分が生じてしまい、所期の目的とする一定量の試薬が供給されないことになり、検査部において所期の検査を実施できないことになるおそれがある。また、高価な試薬31を使用できない部分が生じるため、コストが高くつくことにもなる。
さらに、このように駆動液25が試薬供給流路24の略中央部分24aで前方に突出した状態25aで流れることになるので、駆動液を送液するマイクロポンプ11を正確に制御しなければ、境界線Bまで試薬31を供給するおそれがあり、これによって、検体との反応流路内に、駆動液25の略中央部分の突出した駆動液部分25aが、反応流路内に入ってしまい、試薬と検体との反応の妨げとなって、所期の反応結果が得られず、検査部において精密な検査を実施できないおそれもある。
このため、本願発明では、図8に示したように、試薬供給流路24内に、試薬供給流路24内を流れる試薬31の供給流速を流路断面内で均一にする流速制御手段50を設けている。
すなわち、図8に示したように、この流速制御手段50は、試薬供給流路24内の略中央部分24aに制御板部材51を設けている。
このように構成することによって、図8の矢印Dで示したように、このような制御板部材51が存在しない部分では、試薬供給流路24内において、流路抵抗によって、試薬供給流路24内の略中央部分24aの流速が大きく、流路の側面24bにかけて流速が漸次小さくなるように分布するが、流速が大きい部分にこのような制御板部材51を設けることによって、これが流路抵抗となる。
従って、これにより、試薬供給流路24内を流れる液体の供給流速を流路断面内で均一にすることができるので、図8の矢印Eで示したように、マイクロポンプ11を用いて、駆動液25によって試薬収容部18から試薬31を供給する場合に、試薬供給流路24内を流れる試薬31を、試薬供給流路24内において、供給流速を流路断面内で均一にすることができる。
従って、使用できない試薬部分が生じず、製造コストも低減することが可能で、しかも、駆動液25が混入することなく、所期の量の試薬を供給でき、これにより所期の反応が生じて、正確な検査を実施でき、信頼性に優れることになる。
なお、この場合、図9に示したように、試薬供給流路24内の略中央部分24aに、流路の流れ方向に一定間隔離間して、制御板部材52、52を設けても良い。
このように、試薬供給流路24内の略中央部分24aに、流路の流れ方向に一定間隔離間して、制御板部材52、52を設けることにとって、流路の長さが長くなっても、図9の矢印Fで示したように、常に、試薬供給流路24を流れる液体の供給流速を流路断面内で均一にすることができるので、マイクロポンプ11を用いて、駆動液25によって試薬収容部18から試薬を供給する場合に、試薬供給流路24内を流れる試薬31を、試薬供給流路24内において、供給流速を流路断面内で常に均一にすることができる。
また、図10(a)に示したように、試薬供給流路24内の略中央部分24aに設けた制御板部材51と試薬供給流路24の側面24bとの間の略中央部分24cに、副制御板部材53を設けるようにしてもよい。
このように構成することによって、このような副制御板部材53が存在しない場合には、図10(b)の矢印Gで示したように、試薬供給流路24内において、流路抵抗によって、試薬供給流路24内の略中央部分24aに設けた制御板部材51と試薬供給流路24の側面24bとの間の流路の略中央部分24cの流速が大きく、試薬供給流路24の側面24b、制御板部材51にかけて流速が漸次小さくなるように分布するが、流速が大きい部分にこのような副制御板部材53を設けることによって、これが流路抵抗となる。
従って、これにより、図10(a)の矢印Hに示したように、試薬供給流路24内を流れる試薬31の供給流速を流路断面内でさらに均一にすることができるので、マイクロポンプ11を用いて、駆動液25によって試薬収容部18から試薬を供給する場合に、試薬供給流路24内を流れる試薬31を、試薬供給流路24内において、供給流速を流路断面内でさらに均一にすることができる。
さらに、図11に示したように、試薬供給流路24内の略中央部分24aに設けた制御板部材51と試薬供給流路24の側面24bとの間の略中央部分24cに、流路の流れ方向に一定間隔離間して、副制御板部材54、54を設けても良い。
このように、試薬供給流路24内の略中央部分24aに設けた制御板部材51と試薬供給流路24の側面24bとの間の略中央部分24cに、流路の流れ方向に一定間隔離間して、副制御板部材54、54を設けることにとって、試薬供給流路24の長さが長くなっても、図11の矢印Iで示したように、常に、試薬供給流路24内を流れる試薬31の供給流速を流路断面内でさらに均一にすることができるので、マイクロポンプ11を用いて、駆動液25によって試薬収容部18から試薬を供給する場合に、試薬供給流路24内を流れる試薬31を、試薬供給流路24内において、供給流速を流路断面内で常に均一にすることができる。
また、図12に示したように、試薬供給流路24内の略中央部分24aから流路の側面との間に、配置密度が略中央部分24aの方が大きくなるように、複数の制御板部材55、55を設けても良い。
このように構成することによって、図12の矢印Jで示したように、このような制御板部材55が存在しない場合には、試薬供給流路24内において、流路抵抗によって、試薬供給流路24の略中央部分24aの流速が大きく、試薬供給流路24の側面24bにかけて流速が漸次小さくなるように分布するが、流速が大きい部分に、配置密度が大きくなるように、このような制御板部材55を複数個設けることによって、試薬供給流路24の略中央部分24aの流路抵抗の方が大きくなる。
従って、これにより、試薬供給流路24内を流れる試薬31の供給流速を流路断面内でさらに均一にすることができるので、マイクロポンプ11を用いて、駆動液25によって試薬収容部18から試薬を供給する場合に、試薬供給流路24内を流れる試薬31を、試薬供給流路24内において、供給流速を流路断面内で均一にすることができる。
なお、以上の事情は、試薬収容部18から試薬31を供給する場合だけでなく、マイクロポンプ11を用いて、駆動液25によって目的の液体を圧送する場合、例えば、検体収容部20から検体を検体供給経路内に供給する際にも、マイクロポンプ11を用いて、駆動液25によって検体を圧送して供給するので、生じるおそれがある。
従って、図8〜図12に示したような流速制御手段50を、マイクロポンプ11を用いて、駆動液25によって目的の液体を圧送する様々流路、例えば、反応流路、検体収容部20から検体を供給する検体供給経路内、停止液収容部21aから反応停止液を供給する
反応停止液供給経路、変性液収容部21bの変性液を供給する変性液供給経路、ハイブリダイゼーションバッファー収容部21cに収容されたバッファー液を供給するバファー液供給経路に適用することが可能である。
なお、上記のいずれの場合にあっても、微細流路内の流速分布は、流路断面のアスペクト比(流路断面寸法の縦横比)によって決定されるものである。従って、アスペクト比が1の場合(縦寸法と横寸法が同じ場合)が流速分布が1番大きく、試薬に駆動液がいわゆるめり込んだ状態となり、図7に示したように、試薬供給流路24内の長さが長くなるにつれて、駆動液25が試薬供給流路24の略中央部分24aで前方に突出した状態25aで流れて、試薬供給流路24の側面24bにかけて後退した状態25bで流れることになる。
すなわち、例えば、幅200μm、深さ200μmの流路や、幅50μm、深さ50μmの流路が一番流速分布が大きくなり、この現象が生じてしまうことになる。
従って、試薬に駆動液がいわゆるめり込んだ状態となるのを防止するためには、流速分布を小さくするのが良く、このためにはアスペクト比を大きくすれば良く、例えば、縦横比が1対∞や、∞対1の時が最も小さい流速分布となり理想的である。
しかしながら、流速制御手段50の制御板の数を増やし過ぎると、流路の流路抵抗が大きくなるので、流路抵抗と流速分布のバランスで配置する数を決定すればよく、制御板の配置は、アスペクト比を1から外す方向に、この流路抵抗と流速分布のバランスを考慮し
て配置するのが望ましい。
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上記実施例では、遺伝子検査用の検査用マイクロチップとしてICAN法について説明したが、その配置、形状、寸法、大きさなどは、検体の種類、検査項目などに応じて、種々変更可能であるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
図1は、本発明の検査用マイクロチップと、検査用マイクロチップを脱着自在に装着する検査装置本体から構成される本発明の検査装置の実施例を示す斜視図である。 図2は、図1の検査用マイクロチップに形成された流路全体のみを示す上面図である。 図3は、図2の流路の試薬収容部を示す部分拡大図である。 図4は、図2の流路の試薬収容部から分岐した流路の全体を示す部分拡大図である。 図5(a)は、ピエゾポンプを用いたマイクロポンプ11の一例を示した断面図、図5(b)は、その上面図、図5(c)は、マイクロポンプ11の他の実施例を示した断面図である。 図6は、試薬定量部の構成を示した概略上面図である。 図7は、試薬供給経路における流れの状態を模式的に示す概略上面図である。 図8は、本発明の流速制御手段の実施例の構成を模式的に示す概略上面図である。 図9は、本発明の流速制御手段の実施例の構成を模式的に示す概略上面図である。 図10は、本発明の流速制御手段の実施例の構成を模式的に示す概略上面図である。 図11は、本発明の流速制御手段の実施例の構成を模式的に示す概略上面図である。 図12は、本発明の流速制御手段の実施例の構成を模式的に示す概略上面図である。
符号の説明
1 検査装置
2 検査用マイクロチップ
3 検査装置本体
11 マイクロポンプ
12 ポンプ接続部
13 送液制御部
13a 送液制御部
13b 送液制御部
15a〜15h 流路
16 逆流防止部
17a 貯留部
17b 貯留部
18 試薬収容部
18a 試薬収容部
20 検体収容部
21a 停止液収容部
21b 変性液収容部
21c ハイブリダイゼーションバッファー収容部
21d 洗浄液収容部
21e 金コロイド収容部
21f プローブDNA収容部
21g インターナルコントロール用プローブDNA収容部
21h ポジティブコントロール収容部
21i ネガティブコントロール収容部
22a 検出部
22b 検出部
23 廃液貯留部
24a 略中央部分
24b 側面
24c 略中央部分
25 駆動液
25a 駆動液部分
31 試薬
41 上側基板
42 基板
43 ダイヤフラム(振動板)
44 圧電素子
45 加圧室
46 第1流路
47 第2流路
48 第1液室
49 第2液室
50 流速制御手段
51 制御板部材
52 制御板部材
53 副制御板部材
54 副制御板部材
55 制御板部材
71 シリコン基板
72 ポート
73 ポート

Claims (12)

  1. 検体を収容する検体収容部と、
    試薬が収容される試薬収容部と、
    前記検体収容部に収容された検体と、試薬収容部に収容された試薬とを合流させて、所定の反応処理を行う反応流路を有する反応部と、
    前記反応部の反応で得られた反応処理物質に対して、所定の検査を行う検査流路を有する検査部とを備え、
    これらの検体収容部と、試薬収容部と、反応部と、検査部とが一連の流路で、上流側から下流側に連続的に流路によって接続された検査用マイクロチップであって、
    前記流路内に、流路内を流れる液体の供給流速を流路断面内で均一にする流速制御手段を設けたことを特徴とする検査用マイクロチップ。
  2. 前記流速制御手段を設けた流路が、試薬収容部から試薬を供給する試薬供給流路であることを特徴とする請求項1に記載の検査用マイクロチップ。
  3. 前記流速制御手段を設けた流路が、検体収容部から検体を供給する検体供給流路であることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の検査用マイクロチップ。
  4. 前記流速制御手段が、流路内の略中央部分に設けた制御板部材であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の検査用マイクロチップ。
  5. 前記流路内の略中央部分に設けた制御板部材が、流路の流れ方向に一定間隔離間して形成されていることを特徴とする請求項4に記載の検査用マイクロチップ。
  6. 前記流路内の略中央部分に設けた制御板部材と流路の側面との間の略中央部分に副制御板部材を備えることを特徴とする請求項4から5のいずれかに記載の検査用マイクロチップ。
  7. 前記流路内の略中央部分に設けた制御板部材と流路の側面との間の略中央部分に設けた副制御板部材が、流路の流れ方向に一定間隔離間して形成されていることを特徴とする請求項6に記載の検査用マイクロチップ。
  8. 前記流速制御手段が、流路内の略中央部分から流路の側面との間に、配置密度が略中央部分の方が大きくなるように設けた複数の制御板部材から構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の検査用マイクロチップ。
  9. 前記検体収容部が、検体と検体前処理液を合流させて、検体前処理を行う検体前処理部を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の検査用マイクロチップ。
  10. 前記流速制御手段を設けた流路が、流路断面の流路断面寸法の縦横比であるアスペクト比が、1とならないように、流速制御手段を配置することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の検査用マイクロチップ。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の検査用マイクロチップを脱着自在に装着して、検査用マイクロチップの検査部における検査を実施するように構成したことを特徴とする検査装置。
  12. 請求項1から10のいずれかに記載の検査用マイクロチップを用いて、検体の検査を行うことを特徴とする検査方法。
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