JP2006322525A - 摩擦ローラ式変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 構成各部材の製作誤差や組付誤差、さらには構成各部材の弾性変形などに基づくずれを吸収でき、更なる高速化及び動力伝達効率の向上を図ることができる摩擦ローラ式変速機を提供する。
【解決手段】 ハウジング14に回動自在に支持され、一端部に低速側リング31を設ける低速側シャフト32と、低速側リング31及び低速側シャフト32に対して偏心して、ハウジング14に回動自在に支持される高速側シャフト15と、低速側リング31と高速側シャフト15との間でローラ軸19,20,21により回動自在に支持される、少なくとも1個のガイドローラ24,25と少なくとも1個の可動ローラ26とからなるくさび作用を利用した摩擦ローラ式変速機であって、高速側シャフト15は少なくとも1個の転がり軸受17で支持されており、且つ転がり軸受17で支持される高速側シャフト15の内径部分には高速側シャフト15とは別体である駆動シャフト18が結合される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、摩擦ローラ式変速機に関し、より具体的には、各種機械装置に組み込んで減速あるいは増速しつつ回動運動を伝達する摩擦ローラ式変速機の改良に関する。
摩擦ローラ式変速機は、遊星歯車式などの歯車変速機と比較して、運転時に発生する騒音が小さいことで知られている。この為、例えば摩擦ローラ式変速機を電動モータの出力部に組み付けて減速機として使用し、この電動モータの回転運動を減速すると共にトルクを増大させる構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)
しかし、特許文献1に記載の摩擦ローラ式変速機は、固定輪と太陽軸との間に配置される各中間ローラの接触面圧(接触荷重)が常に一定に設定保持されているため、伝達効率は必ずしも良好とはいえなかった。そこで、良好な伝達効率を確保すべく、伝達すべきトルクの大きさに応じて、摩擦係合により動力を伝達する部分の面圧を変化させる構造が知られている(例えば、特許文献2参照。)
特許文献2に記載の摩擦ローラ式変速機は、3個の中間ローラのうち2個をハウジングに対して円周方向及び直径方向に若干の変位自在な可動ローラとするとともに、中心ローラを外輪に対して偏心して配置させ、中心ローラの外周面と外輪の内周面と間に形成された環状空間の幅が円周方向に亘って異なるように構成する。これにより、中心ローラが所定の方向に回転した際、一方の可動ローラが環状空間の幅の狭い部分に向けて移動し、中心ローラの外周面と外輪の内周面とを押圧し、伝達すべきトルクの大きさに応じて、各中間ローラの接触面圧を変化させる。また、2個の可動ローラは、回転始動時にスリップを生じさせないため、蓋体のシリンダ孔に装着した圧縮コイルばね等の圧縮ばねにより、ローラ軸を環状空間の幅の狭い部分に向けて移動させることで弾性的に押圧されている。
しかし、特許文献2に記載の摩擦ローラ式変速機において、更なる動力伝達効率の向上を図るためには、構成各部材の製作誤差や組付誤差、さらには構成各部材の弾性変形などに基づくずれを吸収できる構造(例えば、特許文献3,4参照。)としなければならない。
特許文献3に記載の摩擦ローラ式変速機は、中心ローラをラジアル方向に若干変位自在に設け、蓋体に中心ローラを挿通するための通孔の内径を中心ローラの外径よりも大きくして、中心ローラがこの通孔の内側でラジアル方向に変位できるようにしている。また、中心ローラの基端部に形成される係合凹溝と、駆動軸の先端部に形成される係合突部とを緩く係合させ、係合凹溝の幅を係合突部の幅よりも大きくして、中心ローラと駆動軸とを回転力の伝達を自在に、且つラジアル方向の相対変位を自在にしている。さらに、中心ローラの先端面中心部に鋼球を圧入固定し、この鋼球と各ローラ軸を支持する連結板とでピボット軸受を構成している。
特許文献4に記載の摩擦ローラ式変速機は、モータケース及び仕切板に軸受を介して回動自在に支持される回転駆動軸及び中心ローラと、変速機ケースに軸受を介して回動自在に支持される出力軸及び外輪と、この中心ローラと外輪との間に配置される可動ローラ及びガイドローラとを備えるもので、回転駆動軸及び中心ローラの中心と、出力軸及び外輪の中心とは互いに偏心しており、回転駆動軸と中心ローラとは一体構造になっている。また、外輪の端部と出力軸の一端部とは、回転力を伝達自在に、且つラジアル方向に若干の位置調整を可能に結合されているため、ガイドローラの外径や取付位置などがずれた場合には、可動ローラが外輪内に形成される環状空間の幅寸法が狭い部分変位するのに伴って、外輪15がラジアル方向に変位するように構成されている。
特開平8−210455号公報(第2−3頁、第1図) 米国特許4709589号公報 特開2001−271897号公報(第5頁、第1図) 特開2003−83408号公報(第4−6頁、第1図)
しかしながら、特許文献3に記載の摩擦ローラ式変速機の高速側シャフト(中心ローラ)は、ラジアル方向を軸受で支持されておらず、また、アキシアル方向については、中心ローラの先端面に鋼球を設けたピボット軸受とシャフト(駆動軸)とで挟まれた構造であるため、上記した課題を解決することはできるが、高速側シャフトを高速回転領域で回転させる場合、高速側シャフトの挙動が不安定になる虞があり、本来の性能、機能が発揮できない可能性がある。
また、特許文献4に記載の摩擦ローラ式変速機では、低速側リング(外輪)と低速側シャフト(出力軸)のみが別体に構成されており、高速側シャフト(中心ローラ)のラジアル方向の自由度は主に高速側シャフトを回動自在に支持する軸受のモーメント剛性に依存してしまう。即ち、モータシャフトである回転駆動軸が傾き易く、高速側シャフトがラジアル方向に動き易くなる。これにより、高速側シャフトの傾き量が大きくなり、モータの回転振れが大きくなってしまう可能性がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、構成各部材の製作誤差や組付誤差、さらには構成各部材の弾性変形などに基づくずれを吸収でき、更なる高速化及び動力伝達効率の向上を図ることができる摩擦ローラ式変速機を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) ハウジングに回動自在に支持され、一端部に低速側リングを設ける低速側シャフトと、前記低速側リング及び前記低速側シャフトに対して偏心して、前記ハウジングに回動自在に支持される高速側シャフトと、前記低速側リングと前記高速側シャフトとの間でローラ軸により回動自在に支持される、少なくとも1個のガイドローラと少なくとも1個の可動ローラとからなるくさび作用を利用した摩擦ローラ式変速機であって、前記高速側シャフトは少なくとも1個の転がり軸受で支持されており、且つ前記転がり軸受で支持される前記高速側シャフトの内径部分には前記高速側シャフトとは別体であるシャフトが結合されることを特徴とする摩擦ローラ式変速機。
(2) 前記転がり軸受は、前記ローラ軸が嵌合されている前記ハウジング内に配置されることを特徴とする(1)に記載の摩擦ローラ式変速機。
(3) 前記転がり軸受として、玉軸受を用いることを特徴とする(1)に記載の摩擦ローラ式変速機。
(4) 前記玉軸受は、ラジアル内部隙間をもつことを特徴とする(3)に記載の摩擦ローラ式変速機。
本発明の摩擦ローラ式変速機によれば、高速側シャフトは少なくとも1個の転がり軸受で支持されており、且つ転がり軸受で支持される高速側シャフトの内径部分には高速側シャフトとは別体であるシャフトが結合されるので、構成各部材の製作誤差や組付誤差、さらには構成各部材の弾性変形などに基づくずれを吸収でき、摩擦ローラ式変速機の更なる高速化、及び動力伝達効率の向上を図ることができる。
以下、本発明に係る摩擦ローラ式変速機の各実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図示の例では、3個の中間ローラのうちの2個の中間ローラをガイドローラ24,25とし、残り1個の中間ローラのみを可動ローラ26として、摩擦ローラ式変速機に一方向クラッチの機能を持たせた構造に、本発明を適用した場合について示している。
(第1実施形態)
図1〜図3は本発明の第1実施形態を示すもので、図1は本発明に係る摩擦ローラ式変速機の第1実施形態を説明するための縦断面図、図2は図1のA−A線に沿った断面図、図3は低速側シャフトに設けた鍔部の形状を説明するための平面図である。
摩擦ローラ式変速機10は、図1に示すように、鋼或いはアルミニウム合金製の有底円筒状の本体11と、この本体11の基端開口部を塞ぐ鋼製の蓋体12と、本体11内で蓋体12と結合する連結板13と、からなるハウジング14を有する。そして、このハウジング14内には、高速側シャフト15が蓋体12の略中央部に形成した通孔16を通じて挿入されている。図示の例では、高速側シャフト15がこの通孔16の内側に配置された転がり軸受17により回転自在に支持される。また、転がり軸受17に支持される高速側シャフト15の外端部(図1の右端部)の内径部分には、不図示の電動モータの回転軸を構成する駆動シャフト(シャフト)18の端部が結合されている。さらに、高速シャフト15及び転がり軸受17を通孔16の段部(図1の左部)に挿入させた状態で、高速シャフト15の外端部の外周面に形成した係止溝15a及び蓋体12の通孔16の内周面に形成した係止溝12bに、それぞれ止め輪40,41を係止して、高速シャフト15及び転がり軸受17が通孔16から抜け出ないようにしている。なお、この通孔16は、蓋体12の略中央部で、ハウジング14の中心から少しだけ外れた位置となる部分に設けられる。
特に、本発明の場合には、高速側シャフト15を、駆動シャフト18により回転駆動自在としつつ、ラジアル方向(高速側シャフト15の直径方向)に若干の変位自在に設けている。このために、高速側シャフト15を回動自在に支持する転がり軸受17に、内輪及び外輪と転動体との間にラジアル内部隙間を有する深溝玉軸受(玉軸受)を使用して、高速側シャフト15がラジアル方向に変位できるようにすると共に、円滑に回転できるようにしている。また、駆動シャフト18と高速側シャフト15との結合を若干ガタをもたせたスプライン結合にして、高速側シャフト15と駆動シャフト18とを回転力の伝達を自在に、且つラジアル方向に相対変位自在に結合させている。従って、高速側シャフト15のラジアル方向の動きは、深溝玉軸受である転がり軸受17のラジアル内部隙間に生じると共に、高速側シャフト15と駆動シャフト18との間隙に生じる。
また、図2に示すように、ハウジング14の内側で高速側シャフト15の周囲部分には、3本のローラ軸19,20,21が、それぞれこの高速側シャフト15と平行に配置されている。即ち、これら各ローラ軸19,20,21の一端部(図1の右端部)は蓋体12の側板部12aに支持されると共に、他端部(図1の左端部)は、側板部12aと略平行な連結板13の側板部13aに支持されている。なお、これら各ローラ軸19,20,21のうち、図2の上部中央並びに下部左側に位置する2本のローラ軸19,20は、その両端部を蓋体12の側板部12a及び連結板13の側板部13aに形成した嵌合孔22、22に圧入又はガタつきなく挿入固定している。これにより、これら両ローラ軸19,20が、ハウジング14内で円周方向あるいはラジアル方向に変位する事はない。これに対して、図2の下部右側に位置する残り1本のローラ軸21は、両端部を蓋体12及び連結板13に対し、ハウジング14の円周方向及びラジアル方向に関して若干の変位自在に支持している。このため、蓋体12の側板部12a及び連結板13の側板部13aの一部でローラ軸21の両端部に整合する部分には、このローラ軸21の外径よりも大きな幅及び長さを有する支持孔23、23を形成し、これら各支持孔23、23に、ローラ軸21の両端部を緩く係合させている。
そして、これら各ローラ軸19,20,21の中間部周囲に、それぞれが中間ローラであるガイドローラ24,25及び可動ローラ26を、それぞれラジアルニードル軸受27により、回転自在に支持している。なお、連結板13は、蓋体12の内面(ガイドローラ24,25及び可動ローラ26を設置した空間側の面で、図1の左面)の一部で、ガイドローラ24,25及び可動ローラ26から外れた位置に、連結板13から突設する柱部28、28を突き当てた状態で、連結ボルト29,29により、蓋体12に連結固定されている。また、ガイドローラ24,25及び可動ローラ26の軸方向両端面と連結板13及び蓋体12との間には、それぞれスラストニードル軸受30,30を設けて、これら各中間ローラ24,25,26の回転が円滑に行なわれるようにしている。
また、ハウジング14の内側でガイドローラ24,25及び可動ローラ26を囲む部分には、円筒状の低速側リング31が設けられ、この低速側リング31の内周面とガイドローラ24,25及び可動ローラ26の外周面とを当接自在としている。また、低速側リング31には、鍔部32aを介して、低速側シャフト32の一端部が結合されている。この低速側シャフト32は、ハウジング14を構成する本体11の中央部に形成した支持筒部33の内側に挿通され、この支持筒部33の内側に配置された深溝型の玉軸受34により回転自在に支持されている。
また、低速側リング31と低速側シャフト32は、回転力の伝達を自在に、且つ、ラジアル方向に相対変位自在に結合されている。即ち、低速側シャフト32の一端部(図1の右端部)に、外向フランジ状の鍔部32aを形成している。そして、この鍔部32aの外周縁に形成した、図3に示すような突片32b,32b・・と、低速側リング31の軸方向一端縁部(図1の左端縁部)に形成した係止切り欠き31a,31a・・とを、ラジアル方向に若干の変位自在に係合させている。また、各突片32b,32b・・を各係止切り欠き31a,31a・・の凹部(図1の右部)に嵌挿させた状態で、低速側リング31の端部内周面に形成した係止溝31bに止め輪42を係止して、各突片32b,32b・・が各係止切り欠き31a,31a・・から抜け出ないようにしている。
また、ガイドローラ24,25及び可動ローラ26の外周面は、それぞれ高速側シャフト15の外周面と、低速側リング31の内周面とに当接されている。高速側シャフト15の中心と低速側シャフト32及び低速側リング31の中心とは互いに偏心している。即ち、前述の様に、高速側シャフト15を挿通する通孔16は、ハウジング14の中心から少しだけ外れた位置に設けているのに対して、低速側シャフト32を挿通する支持筒部33は、ハウジング14の中心に設けている。また、この支持筒部33の内側に回転自在に支持された低速側シャフト32と低速側リング31とは、互いに同心である。従って、高速側シャフト15と低速側リング31及び低速側シャフト32とは、通孔16のハウジング14の中心からのずれ量δ(図1参照)分だけ、互いに偏心している。そして、高速側シャフト15の外周面と低速側リング31の内周面との間に形成されガイドローラ24,25及び可動ローラ26が設けられる環状空間35の幅は、δ分の偏心量に見合う分だけ、円周方向に亘って異なっている。
この様に、環状空間35の幅寸法を円周方向に亘って異ならせた分、ガイドローラ24,25及び可動ローラ26の外径を異ならせている。即ち、低速側リング31に対し高速側シャフト15が偏心している側(図2の下側)に位置するガイドローラ25及び可動ローラ26の径を、互いに同じとすると共に比較的小径にしている。これに対して、低速側リング31に対し高速側シャフト15が偏心しているのと反対側(図2の上側)に位置するガイドローラ24の径を、ガイドローラ25及び可動ローラ26の径よりも大きくしている。そして、これら3個の、それぞれが中間ローラであるガイドローラ24,25及び可動ローラ26の外周面を、高速側シャフト15の外周面と低速側リング31の内周面に当接させている。
なお、それぞれが中間ローラである、2個のガイドローラ24,25及び1個の可動ローラ26のうち、両ガイドローラ24,25を支持したローラ軸19,20は、前述の様に、ハウジング14内に固定されている。これに対して、可動ローラ26を支持したローラ軸21は、前述した様に、ハウジング14内に円周方向及びラジアル方向に若干の変位自在に支持されている。従って、可動ローラ26も、ハウジング14内で円周方向及びラジアル方向に若干の変位自在である。そして、図2に示すように、蓋体12及び連結板13に形成したシリンダ孔36,36内に装着した圧縮コイルばね37,37等の圧縮ばねにより、可動ローラ26を支持したローラ軸21は、このローラ軸21に回転自在に支持した可動ローラ26を環状空間35の幅の狭い部分に向け移動させるべく、弾性的に押圧している。図示の例では、圧縮コイルばね37,37により、それぞれの先端部(図2の左下端部)に外向フランジ状の鍔部38を形成した押圧ピン39、39が押圧され、また、これら両押圧ピン39,39により、ローラ軸21の両端部が同方向に押圧されている。
以上に述べたように構成する本実施形態の摩擦ローラ式変速機の場合、駆動シャフト18と結合した高速側シャフト15の回転は、この高速側シャフト15の外周面と、ガイドローラ24,25及び可動ローラ26の外周面との当接により、各ガイドローラ24,25及び可動ローラ26に伝わる。さらに、これらガイドローラ24,25及び可動ローラ26の回転は、これらローラ24,25,26の外周面と低速側リングの内周面との当接により、低速側リング31に伝わる。そして、この低速側リング31に結合した低速側シャフト32が、高速側シャフト15とは逆方向に回転駆動される。
駆動シャフト18より低速側シャフト32を回転駆動すべく、高速側シャフト15が図2の時計方向に回転すると、可動ローラ26が、高速側シャフト15から加わる力と各圧縮コイルばね37の弾力とにより、高速側シャフト15と低速側リング31の間に存在する環状空間35内で、この環状空間35の幅の狭い部分(図2の下側中央部分)に向け移動する。この結果、可動ローラ26の外周面が、高速側シャフト15の外周面と低速側リング31の内周面とを強く押圧する。そして、この可動ローラ26の外周面と高速側シャフト15の外周面との当接部、及び、可動ローラ26の外周面と低速側リング31の内周面との当接部での当接圧が高くなる。
可動ローラ26は、外周面における高速側シャフト15と低速側リング31との当接圧が高くなると、高速側シャフト15と低速側リング31とのうちの少なくとも一方の部材が、組み付け隙間、あるいは弾性変形等に基づき、それぞれの直径方向に関して僅かに変位する。この結果、残り2個の中間ローラであるガイドローラ24,25の外周面と高速側シャフト15の外周面と低速側リング31の内周面との当接部での当接圧が高くなる。そして、低速側リング31及び低速側シャフト32が、図2の反時計方向に回転する。なお、この状態では、可動ローラ26を支持したローラ軸21と、各押圧ピン39,39の先端部に形成した鍔部38,38とが離隔しても差し支えない。
可動ローラ26を、環状空間35内でこの環状空間35の幅の狭い部分に向け移動させようとする力は、高速側シャフト15から低速側リング31に伝達するトルクの大きさに応じて変化する。即ち、高速側シャフト15の駆動トルクが大きくなる程、可動ローラ26を環状空間35の幅の狭い部分に向け移動させようとする力が大きくなる。そして、この力が大きくなる程、各ローラ間での当接部の当接圧が大きくなる。逆に言えば、駆動トルクが小さい場合には、各ローラ間での当接部の当接圧が小さい。この為、各ローラ間での当接部の当接圧を、駆動シャフト18と低速側シャフト32との間で伝達すべきトルクの大きさに応じた適正値にできて、摩擦ローラ式変速機の伝達効率を高くできる。この状態では、クラッチ機構がONとなる。
一方、駆動シャフト18が停止した状態のまま、低速側リング31が、図2の反時計方向に回転する等、低速側シャフト32の回転速度が駆動シャフト18の回転速度に見合う速度よりも速くなるような場合には、可動ローラ26が、低速側リング31から加わる力により、各圧縮コイルばね37,37の弾力に抗し、環状空間35内で、この環状空間35の幅の広い部分(図2の右側中央部分)に向け移動する。この結果、可動ローラ26の外周面が、高速側シャフト15の外周面と低速側リング31の内周面とを押圧しなくなる。そして、この可動ローラ26並びに各ガイドローラ24,25の外周面と、高速側シャフト15の外周面及び低速側リング31の内周面との間の当接部の当接圧が、低下もしくは喪失する。この結果、低速側リング31の回転が駆動シャフト18にまで伝達されなくなる。この状態では、クラッチ機構がOFFとなる。
さらに、本実施形態の摩擦ローラ式変速機10では、ガイドローラ24,25の外径や取付位置が多少ずれたり、構成各部材が弾性変形したり、低速側リング31が熱膨張した場合でも、可動ローラ26が環状空間35の幅寸法が狭い部分に変位するのに伴って、高速側シャフト15及び低速側リング31がラジアル方向に変位して、ガイドローラ24,25及び可動ローラと26の外周面と、高速側シャフト15の外周面と、低速側リング31の内周面との接触面圧を設定値通りにする。そして、高速側シャフト15及び低速側リング31のラジアル方向への変位を、高速側シャフト15を回動自在に支持する転がり軸受17のラジアル内部隙間と、若干ガタをもたせてスプライン結合する高速側シャフト15と駆動シャフト18との間隙と、ラジアル方向に若干の変位自在に係合させた低速側リング31と低速側シャフト32との隙間と、により吸収するので、高い動力伝達効率を得ることができる。さらに、高速側シャフト15が転がり軸受17で回動自在に支持されるので、高速側シャフト15を円滑に回転させ、高速回転領域でも安定して回転させることができると共に、高速側シャフト15を傾きにくくすることができる。
従って、本実施形態の摩擦ローラ式変速機10によれば、高速側シャフト15が転がり軸受17で支持されており、且つ転がり軸受17で支持される高速側シャフト15の内径部分には高速側シャフト15とは別体である駆動シャフト18が結合されるので、高速側シャフト15を高速回転領域でも安定して回転させることができると共に、高速側シャフト15を傾きにくくすることができる。これにより、構成各部材の製作誤差や組付誤差、さらには構成各部材の弾性変形などに基づくずれを吸収でき、摩擦ローラ式変速機の更なる高速化、及び動力伝達効率の向上を図ることができる。
また、本実施形態の摩擦ローラ式変速機10によれば、転がり軸受17は、前記ローラ軸19,20,21が嵌合されているハウジング14内に配置されるので、構成各部材の製作誤差や組付誤差、さらには構成各部材の弾性変形などに基づくずれを蓋体12を介して効率よく吸収でき、摩擦ローラ式変速機の更なる高速化、及び動力伝達効率の向上を図ることができる。
なお、本実施形態の摩擦ローラ式変速機10によれば、高速側シャフト15及び低速側リング31がラジアル方向に若干の変位自在に設けられるので、ガイドローラ24,25の外径や取付位置が多少ずれたり、構成各部材が弾性変形したり、さらには低速側リング31が熱膨張した場合でも、これら構成各部材のずれを吸収することができ、摩擦ローラ式変速機の更なる高速化、及び動力伝達効率の向上を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、図4を参照して、本発明の第2実施形態における摩擦ローラ式変速機について説明する。なお、第1実施形態と同等部分については同一符号を付して、説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態の摩擦ローラ式変速機50は、図4に示すように、第1実施形態と基本構造は同様であるが、ハウジング14を構成する蓋体12の略中央部に形成した通孔16の内周面に、円周方向に沿ってOリング溝12cを形成し、このOリング溝12cにOリング43を取り付けた構造の部分が相違している。
この場合、転がり軸受17の外輪17aとハウジング14との間にOリング43が配置されるので、外輪17aとハウジング14との嵌め合いが若干ルーズになり、転がり軸受17自体がラジアル方向に若干の変位自在に設けられる。従って、高速側シャフト15のラジアル方向の動き量を第1実施形態よりも大きくすることができる。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
尚、本発明は、前述した実施形態及び実施例に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、本実施形態では、3個の中間ローラのうち、2個の中間ローラをガイドローラ、1個の中間ローラを可動ローラとした摩擦ローラ式変速機の場合を説明したが、これに限定されず、1個の中間ローラをガイドローラ、2個の中間ローラを可動ローラとした摩擦ローラ式変速機の場合にも適用できる。
また、本実施形態では、高速側シャフトに駆動シャフトを結合して、摩擦ローラ式変速機を減速機として使用する場合を示したが、これに限定されず、低速側シャフトを駆動側にし、高速側シャフトに被駆動シャフトを結合して、摩擦ローラ式変速機を増速機として使用してもよい。
さらに、本実施形態では、駆動シャフトと高速側シャフトとの結合を若干ガタをもたせたスプライン結合とした場合を示したが、これに限定されず、緩いキー係合等の結合方法を採用してもよい。
本発明に係る摩擦ローラ式変速機の第1実施形態を説明するための縦断面図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。 低速側シャフトに設けた鍔部の形状を説明するための平面図である。 本発明に係る摩擦ローラ式変速機の第2実施形態を説明するための縦断面図である。
符号の説明
10,50 摩擦ローラ式変速機
11 本体
12 蓋体
13 連結板
12a,13a 側板部
14 ハウジング
15 高速側シャフト
16 通孔
17 転がり軸受(玉軸受)
18 駆動シャフト(シャフト)
19,20,21 ローラ軸
23 支持孔
24,25 ガイドローラ(中間ローラ)
26 可動ローラ(中間ローラ)
27 ラジアルニードル軸受
30 スラストニードル軸受
31 低速側リング
32 低速側シャフト
35 環状空間
36 シリンダ孔
37 圧縮コイルばね

Claims (4)

  1. ハウジングに回動自在に支持され、一端部に低速側リングを設ける低速側シャフトと、前記低速側リング及び前記低速側シャフトに対して偏心して、前記ハウジングに回動自在に支持される高速側シャフトと、前記低速側リングと前記高速側シャフトとの間でローラ軸により回動自在に支持される、少なくとも1個のガイドローラと少なくとも1個の可動ローラとからなるくさび作用を利用した摩擦ローラ式変速機であって、
    前記高速側シャフトは少なくとも1個の転がり軸受で支持されており、且つ前記転がり軸受で支持される前記高速側シャフトの内径部分には前記高速側シャフトとは別体であるシャフトが結合されることを特徴とする摩擦ローラ式変速機。
  2. 前記転がり軸受は、前記ローラ軸が嵌合されている前記ハウジング内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の摩擦ローラ式変速機。
  3. 前記転がり軸受として、玉軸受を用いることを特徴とする請求項1に記載の摩擦ローラ式変速機。
  4. 前記玉軸受は、ラジアル内部隙間をもつことを特徴とする請求項3に記載の摩擦ローラ式変速機。
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