JP2006322496A - 多列アンギュラ玉軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】 温度上昇時の配列内側の軸受とハウジング内径面との隙間の詰まりによる軸受予圧の増加を軽減できて、発熱を小さくでき、かつ発熱防止のために主軸精度の低下を伴わなず、また低コストとできる多列アンギュラ玉軸受を提供する。
【解決手段】 軸方向に配列された3個以上のアンギュラ玉軸受4A〜4Dの内輪14を軸方向に押圧することにより軸受に予圧を与える。この多列アンギュラ玉軸受において、軸方向外側の軸受4A,4Dに比べて、軸方向内側の軸受4B,4Cの外径寸法を小さくする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、工作機械主軸の支持や、一般産業機械に用いられる多列アンギュラ玉軸受に関する。
一般に、工作機械主軸の支持に用いられる多列アンギュラ玉軸受では、主軸回転精度および剛性を得るために予圧を与えた状態で使用される。主軸軸受の配列としては、図8(A)のような通常のDB配列(2列)とする場合のほかに、主軸剛性を高めるために図8(B)〜(D)のようなDTBT配列(4列)とする場合が多い。
DTBT配列のうち、図8(B)に示す配置は、軸受間に間座が無い配列であり、図8(C)の例は軸受間の間座が短い配列、図8(D)の例は中央に長い間座を設けた配列である。
また、特許文献1では、一対の組み合わせアンギュラ玉軸受における一方の軸受の外輪と軸受ハウジング間の隙間を、他方の軸受の外輪と軸受ハウジング間の隙間の大きさと異ならせる(一方を最少限隙間として、他方を大きくする)ことで、主軸の軸受ハウジングに対する傾き防止や予圧過大防止を図っている。
多列軸受の内側軸受の異常温度上昇を抑える手法としては、軸方向外側の軸受に比べて軸方向内側の軸受の予圧量を小さくしたものが提案されている(特許文献2)。
特開2002−34681号公報 実公平8−9446号公報
DTBT配列のうち、図8(B)のように軸受間に間座が無いものや、図8(C)のように軸受間の間座が短いものでは、図8(D)のような中央に長い間座が有る場合に比較して、中央2列の軸受に熱がこもり易く、全体の温度も高くなる傾向にある。図11(A)は、図8(B),(C)の例の温度上昇の傾向を示す。同図において、横軸の数値は図8における主軸3の左側からの軸受番号を示す。また、同図の棒グラフにおける白抜き部分は外輪24aの温度上昇値を示し、ハッチング部分は内外輪温度差を示す。同図からわかるように、中央2列の軸受の温度が高い。
この配列の場合に、図9(B)のように、軸受の外輪24aと軸受ハウジング2の内径面との隙間G’を4列共大きくすることで、温度低減が可能がことが分かっている。この場合の各列軸受の温度上昇を図11(B)に示す。
このように、隙間G’を大きくした場合に各列の温度上昇が低減される理由は、運転による発熱で外輪外径が膨張し、軸受ハウジング2の内径面との隙間G’が無くなった後、さらなる外輪膨張が軸受ハウジング2で抑制されるが、その抑制される量がこれまでより低減されるため、軸受内部予圧の上昇を回避できるからである。
しかし、隙間G’をあまり大きくすると、図10(A)に強調して示すように、主軸3の軸受ハウジング2に対する傾きが大きくなる。主軸3の傾きが大きくなると、主軸精度の低下に繋がったり、回転時に振動が発生する原因となる恐れがある。
なお、図11(A)と図11(B)の比較から分かるように、隙間G’を大きくすることで、軸受温度は4列全体にわたって低減されるものの、依然、中央2列の軸受(軸受番号2,3)が両端列の軸受(軸受番号1,4)に比較して熱がこもり易い状況は変わらないままである。このことは、中央2列の軸受に掛かる内部予圧が高く、両端列の軸受よりも余計な負荷が掛かっていることを意味する。
この状態から、さらに隙間G’を大きくすれば軸受温度の低下が期待できるが、大きくし過ぎると、図10(B)に示すように、さらに主軸3の傾きが大きくなり、主軸精度が劣化するという問題に繋がる。
特許文献1に示されるように、一対の組み合わせアンギュラ玉軸受における一方の軸受の外輪と軸受ハウジング間の隙間を、他方の軸受の外輪と軸受ハウジング間の隙間の大きさと異ならせるた場合、上記温度上昇の低下がある程度は解決できるが、今一つ、十分ではない。また、アンギュラ玉軸受の配列がDTBT配列ではないので主軸剛性を高める上で問題がある。
特許文献2には、異常温度上昇を押える手法として、外側軸受よりも内側軸受の予圧を小さくする手法が示されているが、これも今一つ、異常温度上昇の抑制効果が不十分である。また、外側軸受と内側軸受とで予圧を異ならせるのに、内外輪の幅寸法を異ならせるため、標準の軸受が使用できない。
この他に、多列アンギュラ玉軸受における内側列の異常昇温を抑える手法として、例えば図8(D)のように間座を設けることも行われているが、この場合、軸長が長くなる、間座のコストが掛かる、部品点数が増える等の問題がある。
また、内側列の軸受の転動体径や軌道径を小さくすることにより、多列アンギュラ玉軸受における内側列の異常昇温を抑えることも行われているが、設計仕様の異なる2種類の軸受を製作する必要があり、コストが掛かるという問題がある。
この発明の目的は、温度上昇時の配列内側の軸受とハウジング内径面との隙間の詰まりによる軸受予圧の増加を軽減できて、発熱を小さくでき、かつ発熱防止のために軸の傾きによる主軸精度の低下を伴わず、また低コストとできる多列アンギュラ玉軸受を提供することである。
この発明の多列アンギュラ玉軸受は、軸方向に配列された3個以上のアンギュラ玉軸受の内輪を軸方向に押圧することにより軸受に予圧を与えたものにおいて、軸方向外側の軸受に比べて、軸方向内側の軸受の外径寸法を小さくしたことを特徴とする。
この構成によると、軸方向内側の軸受の外径寸法を小さくすることで、軸受外輪と軸受ハウジングの内径面との間の隙間が、軸方向外側の軸受に比べて、軸方向内側の軸受で大きくなるようにしているので、軸受温度の上昇時に軸方向内側の軸受での隙間の詰まりを軽減させることができる。そのため、軸受予圧の増加を抑え発熱を小さくすることができる。軸方向外側の軸受では軸受ハウジングとの隙間が大きくならないので、主軸の傾き度合いが大きくなることはなく、主軸精度を確保できる。
軸受のみで効果が得られるため、余計な部品コストが掛からない。軸方向外側の軸受と軸方向内側の軸受の設計仕様は、外径寸法のみを異ならせるだけで良く、内輪、保持器、転動体などは同一の設計仕様とでき、コスト増を小さくすることができる。
この構成の場合に、上記軸方向外側の軸受と軸方向内側の軸受の外径寸法の差は、5〜20μmとすることが好ましい。外径寸法の差が5μm未満であると、温度上昇時の上記隙間の詰まり軽減の効果が十分には得られず、また20μmを超えると、外部荷重負荷の不均一さが問題となってくる。
この発明の他の多列アンギュラ玉軸受は、軸方向に配列された3個以上のアンギュラ玉軸受の内輪を軸方向に押圧することにより軸受に予圧を与えたものにおいて、軸方向外側の軸受に比べて、軸方向内側の軸受の接触角を小さくしたものである。
このように軸方向内側の軸受の接触角を小さくした場合も、軸受温度の上昇時に軸方向内側の軸受での隙間の詰まりを軽減させることができて、軸受予圧の増加を抑え、発熱を小さくすることができる。この場合も、軸受のみで効果を得ることができて、余分な部品コトスが掛からない。接触角の違いは、例えば外輪の溝径を僅かに変化させることで与えても良く、その場合、内輪、保持器、転動体等の同一設計とできて、コスト増を抑えることができる。
上記接触角の差は3〜5°とするのが好ましい。接触角の差が3°未満であると、上記隙間の詰まり軽減の効果が十分には得られず、また5°を超えると、主動剛性に影響を与える可能性があるからである。
この発明のさらに他の多列アンギュラ玉軸受は、軸方向に配列された3個以上のアンギュラ玉軸受の内輪を軸方向に押圧することにより軸受に予圧を与えたものにおいて、軸受ハウジングの内径に段差を設けることにより、軸方向外側の軸受に比べて、軸方向内側の軸受の外輪と軸受ハウジング内径面間の隙間を大きくしたものである。
ハウジングの内径に段差を設けて軸方向内側の軸受とハウジング間の隙間を小さくした場合も、温度上昇時に軸方向内側の軸受で隙間が詰まることが軽減され、軸受予圧の増加を抑えて発熱を小さくすることができる。また、軸方向外側の軸受で前記隙間が大きくならないので、主軸の傾き度合いが大きくなることはなく、主軸精度を確保できる。この構成の場合、軸受は、軸方向外側と軸方向内側とに同じものが使用できる。
この発明のさらに他の多列アンギュラ玉軸受は、軸方向に4列にアンギュラ玉軸受を配列し、中央2列の外輪の軸受ハウジング内径面の隙間を、両端の軸受よりも大きくしたものである。
この構成の場合、軸受外輪と軸受ハウジングの内径面との間の隙間が、軸方向外側の各1列の軸受に比べて、軸方向内側の2列の軸受で大きくなるようにしているので、軸受温度の上昇時に軸方向内側の軸受での隙間の詰まりを軽減させることができ、軸受予圧の増加を抑え発熱を小さくすることができる。また、軸方向外側の軸受で前記隙間が大きくならないので、主軸の傾き度合いが大きくなることはなく、主軸精度を確保できる。この構成の場合、軸受を4列配置とするが、この配列について対向配列や並列配列等の配列形式上の制限はなく、剛性を高める軸受配列を自由に選ぶことが可能である。
この発明の多列アンギュラ玉軸受は、軸方向に配列された3個以上のアンギュラ玉軸受の内輪を軸方向に押圧することにより軸受に予圧を与えたものにおいて、軸方向外側の軸受に比べて、軸方向内側の軸受の外径寸法を小さくしたため、温度上昇時の配列内側の軸受とハウジング内径面との隙間の詰まりによる軸受予圧の増加を軽減できて、発熱を小さくでき、かつ発熱防止のために軸の傾きによる主軸精度の低下を生じず、かつ低コストとできる。
この発明の他の多列アンギュラ玉軸受は、軸方向外側の軸受に比べて、軸方向内側の軸受の接触角を小さくしたため、軸受温度の上昇時の内側軸受での軸受予圧の増加を抑え、発熱を小さくすることができる。また発熱防止のために主軸精度が低下することがなく、かつ低コストとできる。
この発明のさらに他の多列アンギュラ玉軸受は、軸受ハウジングの内径に段差を設けることにより、軸方向外側の軸受に比べて、軸方向内側の軸受の外輪と軸受ハウジング内径面間の隙間を大きくしたため、軸受予圧の増加を抑え発熱を小さくできて、主軸剛性の確保およびコストの低減が可能である。発熱防止のために主軸精度が低下することがなく、かつ各軸受は同一仕様のものが使用できて、コスト増が抑えられる。
この発明のさらに他の多列アンギュラ玉軸受は、軸方向に4列にアンギュラ玉軸受を配列し、中央2列の外輪の軸受ハウジング内径面の隙間を、両端の軸受よりも大きくしたため、軸受温度の上昇時の内側の軸受での隙間の詰まりを軽減させることができて、軸受予圧の増加を抑え、発熱を小さくすることができる。また発熱防止のために主軸精度が低下することがない。さらに、対向配列や並列配列等の配列形式上の制限はなく、剛性を高める軸受配列を自由に選ぶことが可能である。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図6と共に説明する。図1はこの実施形態の多列アンギュラ玉軸受の断面図を示し、図2は同多列アンギュラ玉軸受が用いられる主軸装置の断面図を示す。図2の主軸装置1は、軸受ハウジング2内において、主軸3の前端側を多列アンギュラ玉軸受4で、主軸3の後端側を単列のアンギュラ玉軸受5で回転自在に支持したものである。主軸3の中間部に設けられたモータ6により主軸3が回転駆動される。多列アンギュラ玉軸受4の各内輪14は、内輪固定ナット7の締め付けにより、主軸3の段部3aと内輪固定ナット7との間で主軸3に締め付け固定されている。多列アンギュラ玉軸受4の各外輪15は、外輪押え蓋8をボルト(図示せず)等で軸受ハウジング2に締め付けることにより、外輪押え蓋8と軸受ハウジング2の段部2aとの間で締め付け固定されている。これらの締め付けと、各軸受5の間に介在させる内輪間座31および外輪間座32(図2)の寸法差により、多列アンギュラ玉軸受4には定位置予圧が与えられる。なお、間座31,32を設けずに、内外輪の幅寸法の差で定位置予圧を与えるようにしても良い。
単列アンギュラ玉軸受5の内輪16は、内輪固定ナット9により主軸3に締め付け固定されている。単列アンギュラ玉軸受5の外輪17は、軸受ハウジング2から分離されたハウジング別材10の内径面に嵌合し、ハウジング別材10の内径面の前端に設けられた環状突部10aに幅面が係合している。ハウジング別材10と軸受ハウジング2の後端との間には、ハウジング別材10を後方へ付勢するばね11が介在し、このばね11により単列アンギュラ玉軸受5に定圧予圧が与えられる。
モータ6は、主軸3に固定されたロータ12と、このロータ12に対向して軸受ハウジング2の内周に設けられたステータ13とでなる。
なお、図2では、多列アンギュラ玉軸受4を各軸受間に間座を介在させたものとしているが、図1のように各軸受4A〜4D間に間座が介在しないものとしても良い。
多列アンギュラ玉軸受4は、4個の軸受4A〜4Dが軸方向にDTBT配列されたものである。すなわち、中央2列の内側軸受4B,4Cは互いに背面合わせとなるDB配列とされ、また一方の内側軸受4Bに隣接する軸方向外側の軸受4Aは軸受4Bと同じ向きに配列され、さらに他方の内側軸受4Cに隣接する軸方向外側の軸受4Dは軸受4Cと同じ向きに配列されている。
この多列アンギュラ玉軸受4では、軸方向外側の軸受4A,4Dに比べて、軸方向内側である中央2列の軸受4B,4Cの外径寸法を小さくしている。ここでは、前記外径寸法の差を5〜20μmとしている。これらの軸受4A〜4Dの外輪15が固定される軸受ハウジング2の内径面は、軸受4A〜4Dの設置部の全長にわたって同径とされている。これにより、軸受4A〜4Dの外輪15と軸受ハウジング2の内径面との間の隙間Gが、軸方向外側の軸受4A,4Dに比べて、軸方向内側である中央2列の軸受4B,4Cで大きくなるようにしている。
この構成の多列アンギュラ玉軸受4によると、軸方向内側の軸受4B,4Cの外径寸法を小さくすることで、軸受4A〜4Dの外輪15と軸受ハウジング2の内径面との間の隙間Gを、軸方向外側の軸受4A,4Dに比べて、軸方向内側である中央2列の軸受4B,4Cで大きくしている。そのため、軸受温度の上昇時に軸方向内側の軸受4B,4Cでの隙間Gの詰まりを軽減させることができ、軸受予圧の増加を抑え発熱を小さくすることができる。
外側の軸受4A,4Dでの隙間Gの大きさは、軸受ハウジング2との隙間Gが大きくならないので、主軸3の傾き度合いが大きくなることはなく、主軸精度を確保できる。例えば、外側の軸受4A,4Dでの隙間Gを、従来例における図8(B)の多列アンギュラ玉軸受24の場合の隙間G’と同じとした場合、図3(A)のようにこの多列アンギュラ玉軸受4の場合の主軸3の傾き度合いは、図3(B)のように従来例の多列アンギュラ玉軸受24(図8(B))の場合の主軸3の傾き度合いと同じになり、同程度の主軸精度を確保できる。
また、軸受温度については、従来例である図8(B)の多列アンギュラ玉軸受24の場合の隙間G’を、この多列アンギュラ玉軸受4の中央2列の軸受4B,4Cの隙間G程度に大きくした場合、主軸3の運転時の温度上昇は図4(A)のようになる。この場合、隙間G’を大きくしない場合(図11(A))に比べて改善されるものの、この実施形態の多列アンギュラ玉軸受4の場合の温度上昇の改善(図4(B)に示す)比べれば及ばない。この実施形態の多列アンギュラ玉軸受4では、中央2列の軸受4B,4Cでの温度上昇がさらに低減されており、軸方向外側の軸受4A,4Dの温度も中央2列の軸受4B,4Cでの温度低下の影響で若干低下しているが、全体の温度分布としては均一化されて低減されていることが分かり、軸受内部予圧もバランスが良くなっていると言える。
また、この実施形態の多列アンギュラ玉軸受4では、4個の軸受4A〜4DをDTBT配列としており、中央2列の軸受4B,4CがDB配列となり、両端側の軸受4A,4Dの間でもDB配列となっているので、主軸3の剛性を高める効果がある。例えば、図5のようなDBDF配列の多列アンギュラ玉軸受24において、上記実施形態のような隙間Gを付与した場合でも、温度低下の効果は同様に得られるが、主軸3の剛性を高めることはできない。図5の多列アンギュラ玉軸受24において、図6(A)のように隣接する2列の軸受24A,24Bの間では剛性を高めるDB配列とされているが、別の隣接する2列の軸受24C,24Dの間ではDF配列とされているからである。
また、この多列アンギュラ玉軸受4の場合、間座等を用いずに、軸受のみで温度抑制の効果が得られるため、余計な部品コストが掛からない。勿論、図2のように間座31,32を設けても構わない。
軸方向外側の軸受4A,4Dと軸方向内側の軸受4B,4Cとは、外径寸法が異なっているが、他の設計仕様、例えば内輪、保持器、転動体などは同一で良いため、製造コストの増大が抑えられる。
上記構成において、軸方向外側の軸受4A,4Dと軸方向内側の軸受4B,4Cの外径寸法の差は、5〜20μmとすることが好ましい。外径寸法の差が5μm未満であると、温度上昇時の上記隙間の詰まり軽減の効果が十分には得られず、また20μmを超えると、外部荷重負荷の不均一さが問題となってくる。
なお、上記実施形態では、軸方向外側の軸受4A,4Dと軸方向内側の軸受4B,4Cとの外径寸法を異ならせたが、外径寸法は同じとし、接触角につき、軸方向外側の軸受4A,4Dに比べて、軸方向内側である中央2列の軸受4B,4Cが小さいものとしても良い。ここでは、接触角の差を3〜5°としている。
このように、軸方向外側の軸受4A,4Dに比べて、軸方向内側である中央2列の軸受4B,4Cの接触角を小さく(接触角の差3〜5°)した場合も、軸受温度の上昇時に軸方向内側の軸受4B,4Cでの隙間の詰まりを軽減させることができて、軸受予圧の増加を抑え、発熱を小さくすることができる。この場合も、軸受のみで効果を得ることができて、余分な部品コトスが掛からない。接触角の違いは、例えば外輪の軌道溝の径を僅かに変化させることで与えて良く、その場合、内輪、保持器、転動体等の同一設計とできて、コスト増を抑えることができる。
上記接触角の差は3〜5°とするのが好ましい。接触角の差が3°未満であると、上記隙間の詰まり軽減の効果が十分には得られず、また5°を超えると、主動剛性に影響を与える可能性があるからである。
また、第1の実施形態、つまり軸方向外側の軸受4A,4Dと軸方向内側の軸受4B,4Cとの外径寸法を異ならせた多列アンギュラ玉軸受において、上記のように、さらに接触角の差を設けても良い。
図7は、この発明の他の実施形態を示す。この多列アンギュラ玉軸受4は、図1の実施形態において、軸受ハウジング2の内径面に段差部2aを設けることにより、軸方向外側の軸受4A,4Dに比べて、軸方向内側の軸受4B,4Cの外輪15と軸受ハウジング2の内径面との間の隙間Gを大きくしている。各軸受4A〜4Dの外径面は同一である。その他の構成は図1の実施形態の場合と同じである。
この実施形態の場合、軸受4A〜4Dについては全く同一仕様のものを用いて、図1の実施形態の場合と同様に、温度上昇時のハウジング内径面との隙間の詰まりによる軸受予圧の増加を軽減できて、発熱を小さくでき、また発熱防止のために軸の傾きにより主軸精度が低下することが防止される。
この発明の一実施形態に係る多列アンギュラ玉軸受を示す断面図である。 同多列アンギュラ玉軸受が用いられる主軸装置の断面図である。 (A)は同多列アンギュラ玉軸受を用いた主軸装置における主軸の傾きを示す説明図、(B)は従来の多列アンギュラ玉軸受を用いた主軸装置における主軸の傾きを示す説明図である。 (A)は従来の多列アンギュラ玉軸受の温度分布を示すグラフ、(B)はこの実施例の多列アンギュラ玉軸受の温度分布を示すグラフである。 DTBT配列でない多列アンギュラ玉軸受に、この実施形態の軸受外輪外径と軸受ハウジング内径との隙間構造を適用した例を示す断面図である。 (A)は図5におけるDB配列の軸受部分を示す断面図、(B)は図5におけるDF配列の軸受部分を示す断面図である。 この発明の他の実施形態に係る多列アンギュラ玉軸受を示す断面図である。 (A)はDB配列(2列)のアンギュラ玉軸受の断面図、(B)〜(D)はDTBT配列(4列)の多列アンギュラ玉軸受の各従来例の断面図である。 (A)は図8(B)の多列アンギュラ玉軸受で外輪と軸受ハウジング内径との隙間が小さい場合の断面図、(B)は同軸受で前記隙間が大きい場合の断面図である。 (A)は図9(A)における軸受の場合の主軸の傾きの説明図、(B)は図9(B)における軸受の主軸の傾きの説明図である。 (A)は図9(A)における軸受の場合の温度分布を示すグラフ、(B)は図9(B)における軸受の場合の温度分布を示すグラフである。
符号の説明
2…軸受ハウジング
2a…段差
4…多列アンギュラ玉軸受
4A〜4D…軸受
14…内輪
15…外輪
G…隙間

Claims (6)

  1. 軸方向に配列された3個以上のアンギュラ玉軸受の内輪を軸方向に押圧することにより軸受に予圧を与えたものにおいて、軸方向外側の軸受に比べて、軸方向内側の軸受の外径寸法を小さくしたことを特徴とする多列アンギュラ玉軸受。
  2. 請求項1において、上記軸方向外側の軸受と軸方向内側の軸受の外径寸法の差を、5〜20μmとした多列アンギュラ玉軸受。
  3. 軸方向に配列された3個以上のアンギュラ玉軸受の内輪を軸方向に押圧することにより軸受に予圧を与えたものにおいて、軸方向外側の軸受に比べて、軸方向内側の軸受の接触角を小さくした多列アンギュラ玉軸受。
  4. 請求項3において、軸方向外側の軸受と軸方向内側の軸受の接触角の差を、3〜5°とした多列アンギュラ玉軸受。
  5. 軸方向に配列された3個以上のアンギュラ玉軸受の内輪を軸方向に押圧することにより軸受に予圧を与えたものにおいて、軸受ハウジングの内径に段差を設けることにより、軸方向外側の軸受に比べて、軸方向内側の軸受の外輪と軸受ハウジング内径面間の隙間を大きくした多列アンギュラ玉軸受。
  6. 軸方向に4列にアンギュラ玉軸受を配列し、中央2列の外輪と軸受ハウジング内径面との隙間を、両端の軸受と軸受ハウジング内径面との隙間よりも大きくした多列アンギュラ玉軸受。
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