JP2009079640A - 斜接玉軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】 外輪の軸方向寸法を小さくして軽量化するとともに、その組立性の低下を防止した斜接玉軸受を提供する。
【解決手段】 外輪2上に玉4と保持器5の組立品を載せた状態での玉4の外輪2上端面からの突出量をδA、玉径をBd、外輪の上端面内径をOD、玉4の外接円径をRDとして、外輪2上端面より玉4の中心Cが上側に位置しないように、δAは、0.35Bd≦δA≦0.5Bdとされており、さらに、RD≦OD≦1.1RDの関係が満たされている。
【選択図】 図2

Description

この発明は、斜接玉軸受に関し、特に、軽量化された斜接玉軸受に関する。
外輪、内輪、両輪の間に配置された複数の玉、およびこれらの玉を保持する保持器を備えている斜接玉軸受は、デファレンシャルケースをデファレンシャルキャリアに支持する軸受装置などにおいて、よく使用されている(特許文献1)。
特開2004−211856号公報
各種転がり軸受において、軽量化が求められており、斜接玉軸受については、外輪および/または内輪の軸方向寸法を小さくして、軽量化することが考えられている。一方、斜接玉軸受では、外輪アッシーの状態としておいてから、組み付けられるのが一般的であり、外輪の軸方向寸法を小さくするという軽量化手法には、玉および保持器の組立品を外輪に組み込む際に、不安定で玉が移動しやすいという問題があった。
この発明の目的は、外輪の軸方向寸法を小さくして軽量化するとともに、外輪アッシーとする際の組付け性の低下を防止した斜接玉軸受を提供することにある。
この発明による斜接玉軸受は、外輪、内輪、両輪の間に配置された複数の玉、およびこれらの玉を保持する保持器を備えており、外輪のカウンタボア側端面が内輪の肩部側端面よりも軸方向内方に位置させられる斜接玉軸受において、外輪上に玉および保持器の組立品を載せた状態での玉の突出量をδA、玉径をBd、外輪の肩径をOD、玉外接円径をRDとして、δAは、Bdの0.35倍以上で0.5倍以下、かつ、ODは、RD以上でRDの1.1倍以下の関係が満たされていることを特徴とするものである。
外輪のカウンタボア側端面が内輪の肩部側端面よりも軸方向内方に位置させられることで、軽量化が図られ、玉の突出量δAおよび外輪の肩径ODを所要の寸法に規定することで、軽量化の際に悪化する外輪アッシーの組付け性の低下が防止される。
外輪端面よりも玉中心が外側にある場合には組付けが不安定となるため、玉の突出量δAは、Bdの0.5倍以下とされる。そして、外輪の軽量化を確保するために、玉の突出量δAは、Bdの0.35倍以上とされる。外輪の肩径ODについては、大きすぎると組付けが不安定となるため、玉外接円径RDの1.1倍以下とされ、玉外接円径RD以上であれば、挿入に支障がないので、玉外接円径RDと同じ径が下限とされる。
外輪軸方向寸法については、外輪の一端面を保持器の端面よりも軸方向外方に位置させてもよく、外輪の一端面を保持器の端面よりも軸方向内方に位置させてもよい。内輪軸方向寸法については、内輪の一端面を保持器の端面よりも軸方向内方に位置させることが好ましい。
斜接玉軸受は、単列でも複列でもよく、外輪、内輪、玉および保持器の材料については、限定されない。
この発明の斜接玉軸受によると、外輪上に玉および保持器の組立品を載せた状態での玉の突出量をδA、玉径をBd、外輪の肩径をOD、玉外接円径をRDとして、δAは、Bdの0.35倍以上で0.5倍以下、かつ、ODは、RD以上でRDの1.1倍以下の関係が満たされていることによって、軽量化の際に悪化する外輪アッシーの組付け性の低下が防止される。
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。以下の説明において、左右および上下は、それぞれ図の左右および上下をいうものとする。
図3は、この発明が対象としている斜接玉軸受の軽量化品を示している。
同図において、斜接玉軸受(31)は、内周に軌道面(32a)が形成された外輪(32)、外周に軌道面(33a)が形成された内輪(33)、両輪(32)(33)の間に周方向に所定間隔で配置された複数の玉(34)、およびこれらの玉(34)を保持するわん形保持器(35)を備えている。
この斜接玉軸受(31)は、従来の非軽量化品と比べると、外輪(32)の右端面(カウンタボア側端面)が内輪(33)の右端面(肩部側端面)よりも軸方向内方でかつ保持器(35)の右端面よりも軸方向内方に位置させられるとともに、内輪(33)の左端面(カウンタボア側端面)が外輪(32)の左端面(肩部側端面)よりも軸方向内方でかつ保持器(35)の左端面よりも軸方向内方に位置させられている。
このような斜接玉軸受(31)は、軸受装置に取り付けられるに際し、内輪(33)は、単体で回転軸に取り付けられ、外輪(32)、玉(34)および保持器(35)は、玉(34)と保持器(35)の組立品を外輪(32)に組み込んで外輪アッシーとしておいて、ハウジング等に取り付けられる。
図4は、図3に示した斜接玉軸受(31)の外輪アッシーの組付け状態を示すもので、玉(34)と保持器(35)の組立品を外輪(32)に挿入する際、玉(34)と保持器(35)の組立品が同図に二点鎖線で示すように傾くことで、組付けが不安定となっている。この原因について調査したところ、図4に示す組付け時において、外輪(32)端面(上端面)より玉(34)の中心Cが上側にある(Δ>0)場合に、組付け不安定となることが確認された。
図1および図2は、上記問題を解消した本発明による斜接玉軸受を示している。
図1に示すように、斜接玉軸受(1)は、内周に軌道面(2a)が形成された外輪(2)、外周に軌道面(3a)が形成された内輪(3)、両輪(2)(3)の間に周方向に所定間隔で配置された複数の玉(4)、およびこれらの玉(4)を保持するわん形保持器(5)を備えている。
斜接玉軸受(1)は、軽量化品であり、従来の非軽量化品と比べると、外輪(2)の右端面(カウンタボア側端面)が内輪(3)の右端面(肩部側端面)よりも軸方向内方に位置させられるとともに、内輪(3)の左端面(カウンタボア側端面)が外輪(2)の左端面(肩部側端面)よりも軸方向内方に位置させられている。
外輪(2)の右端部(カウンタボア側端面)には、玉(4)と保持器(5)の組立品を外輪(2)に挿入する際に、玉(4)と保持器(5)の組立品を案内する案内部(6)が設けられている。
案内部(6)は、円筒状で、玉(4)の右方への移動を防止している外輪(2)の右側小径部分(2b)に連なって設けられており、その右端面(カウンタボア側端面)が内輪(3)の右端面(肩部側端面)よりも軸方向内方に位置させられていることで、軽量化を妨げないようになされている。
内輪(3)の左端面(カウンタボア側端面)は、図3のものと同様に、保持器(5)の左端面よりも軸方向内方に位置させられている。
案内部(6)は、外輪(2)端面(アッシーとされる際の上端面)位置と玉(4)の中心位置との寸法関係に着目し、その他関連寸法を含めた寸法設定を行うことで外輪アッシーの組付け性を向上するものとされている。
図2は、図1に示した斜接玉軸受(1)の外輪アッシーの組付け状態を示している。同図において、水平に置かれた外輪(2)上に玉(4)と保持器(5)の組立品を載せた場合、外輪(2)の右側小径部分(2b)の径が保持器(5)に保持された状態での玉(4)の外接円径よりも小さいので、外輪(2)の右側小径部分(2b)によって玉(4)と保持器(5)の組立品が支持される。この状態での玉(4)の外輪(2)上端面からの突出量をδA、玉(4)径をBd、外輪(2)の肩径すなわち案内部(6)の内径をOD、保持器(5)に保持された状態での玉(4)の外接円径をRDとして、外輪(2)端面(上端面)より玉(4)の中心Cが上側に位置しないように、δAは、Bdの0.35倍以上で0.5倍以下(0.35Bd≦δA≦0.5Bd)とされている。そして、この条件に加えて、、ODは、RD以上でRDの1.1倍以下(RD≦OD≦1.1RD)の関係が満たされていることにより、図4に示したような玉と保持器の組立品の傾きが防止され、組付けが不安定となることが解消されている。
なお、図1における外輪(2)の案内部(6)の右端面と保持器(5)の右端面との位置関係については、δAがBdの0.35倍に近い値に設定された場合には、外輪(2)の案内部(6)の右端面が保持器(5)の右端面よりも右方にあり、δAがBdの0.5倍に近い値に設定された場合には、外輪(2)の案内部(6)の右端面が保持器(5)の右端面よりも左方にくるようになる。
上記において、斜接玉軸受(1)は、単列として説明したが、上記の外輪アッシーの組付け性向上の条件は、複列等の多列斜接玉軸受にも同様に適用することができる。
図1は、この発明による斜接玉軸受の実施形態を示す縦断面図である。 図2は、この発明による斜接玉軸受の外輪アッシー組み付け状態を示す縦断面図である。 図3は、従来の斜接玉軸受を示す縦断面図である。 図4は、従来の斜接玉軸受の外輪アッシー組み付け状態を示す縦断面図である。
符号の説明
(1) 斜接玉軸受
(2) 外輪
(3) 内輪
(4) 玉
(5) 保持器

Claims (1)

  1. 外輪、内輪、両輪の間に配置された複数の玉、およびこれらの玉を保持する保持器を備えており、外輪のカウンタボア側端面が内輪の肩部側端面よりも軸方向内方に位置させられる斜接玉軸受において、
    外輪上に玉および保持器の組立品を載せた状態での玉の突出量をδA、玉径をBd、外輪の肩径をOD、玉外接円径をRDとして、δAは、Bdの0.35倍以上で0.5倍以下、かつ、ODは、RD以上でRDの1.1倍以下の関係が満たされていることを特徴とする斜接玉軸受。
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