JP2006322367A - 副室式内燃機関 - Google Patents

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守洋 長嶺
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章彦 角方
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Abstract

【課題】 主燃焼室における燃焼を安定化することができる副室式内燃機関を提供する。
【解決手段】 副室式内燃機関1は、主燃焼室63と、副燃焼室61と、点火プラグ29と、連通路61fとを備える。副燃焼室61は、主燃焼室63に隣接する。点火プラグ29は、主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61に導入された新気混合気を点火する。連通路61fは、主燃焼室63と副燃焼室61とを連通する。連通路61fでは、新気混合気が主燃焼室63から副燃焼室61に導入されるときの総開口面積が、火炎が副燃焼室61から主燃焼室63へ放射されるときの総開口面積よりも大きい。火炎は、点火プラグ29が新気混合気を点火することにより生成される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、副室式内燃機関に関する。
従来から、主燃焼室とその主燃焼室に隣接する副燃焼室とを備えた副室式内燃機関が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭60−45716(第1−5頁、第1−12図)
特許文献1の技術では、主燃焼室と副燃焼室とを連通する連通路がさらに備えられている。
しかし、連通路の総開口面積を小さくすると、主燃焼室から連通路を介して副燃焼室へ導入される新気混合気の量が不十分になる傾向がある。このため、副燃焼室における燃焼が不安定になることがあり、火炎が放射される速度が減少する傾向がある。したがって、主燃焼室における燃焼が不安定になることがある。
本発明の課題は、主燃焼室における燃焼を安定化することができる副室式内燃機関を提供することにある。
本発明に係る副室式内燃機関は、主燃焼室と、副燃焼室と、点火部と、連通路とを備える。副燃焼室は、主燃焼室に隣接する。点火部は、主燃焼室から連通路経由で副燃焼室に導入された新気混合気を点火する。連通路は、主燃焼室と副燃焼室とを連通する。連通路では、新気混合気が主燃焼室から副燃焼室に導入されるときの総開口面積が、火炎が副燃焼室から主燃焼室へ放射されるときの総開口面積よりも大きい。火炎は、点火部が新気混合気を点火することにより生成される。
この副室式内燃機関では、新気混合気が主燃焼室から副燃焼室に導入されるときの連通路の総開口面積が、火炎が副燃焼室から主燃焼室へ放射されるときの連通路の総開口面積よりも大きい。このため、十分な量の新気混合気を主燃焼室から連通路経由で副燃焼室に導入することができるので、副燃焼室における燃焼を安定化することができる。
また、火炎が副燃焼室から主燃焼室へ放射されるときの連通路の総開口面積が、新気混合気が主燃焼室から副燃焼室に導入されるときの連通路の総開口面積よりも小さい。このため、副燃焼室から連通路経由で主燃焼室へ放射される火炎の速度を増大させることができる。
本発明に係る副室式内燃機関では、副燃焼室における燃焼を安定化することができ、副燃焼室から主燃焼室へ放射される火炎の速度を増大させることができる。したがって、主燃焼室における燃焼を安定化することができる。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る副室式内燃機関の断面図を図1に示す。
(副室式内燃機関の概略構成)
副室式内燃機関1は、主として、主燃焼室63、吸排気機構、燃料噴射弁27、副燃焼室61、点火プラグ(点火部)29、開閉機構(開閉部)70及びECU(制御部)40を備える。
主燃焼室63は、シリンダヘッド20,シリンダブロック10およびピストン3に囲まれた室である。シリンダヘッド20には、主燃焼室63に新気混合気を供給するための吸気ポート23と、主燃焼室63から既燃ガスを排気ガスとして排出するための排気ポート24とが形成されている。
また、吸排気機構として、吸気ポート23の下流には吸気バルブ21が配備されている。一方、排気ポート24の上流には排気バルブ22が配備されている。クランクシャフトの回転に連動して回転する吸気用カム軸21b/排気用カム軸22bに固定された吸気用カム21a/排気用カム22aは、吸気バルブ21/排気バルブ22の上方に配置されており、吸気バルブ21/排気バルブ22を開閉させる。
燃料噴射弁27は、吸気ポート23に燃料を噴射する弁である。燃料噴射弁27は、吸気ポート23を貫通するように設けられている。燃料噴射弁27の先端は、吸気ポート23に突出している。
副燃焼室61は、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁61cに囲まれている。具体的には、シリンダヘッド20において吸気ポート23と排気ポート24との間に形成された空間に、略円筒形状の副燃焼室壁61cが配置され、副燃焼室61が形成される。
また、副燃焼室壁61cの底面には、主燃焼室63と副燃焼室61とを連通する連通路61fが形成されている。連通路61fは、第1連通開口(連通開口)61dと複数の第2連通開口(連通開口)61eとを有する。
点火プラグ29は、副燃焼室壁61cを貫通しており、先端部分29a(図2参照)が副燃焼室61に突出するように設けられている。
開閉機構70は、一部(弁体82)が第1連通開口61dの近傍に設置され、第1連通開口61dを開閉する。この開閉機構70は、主として主燃焼室63から副燃焼室61へ向かう方向への流体の流れを許容し、逆方向への流れを抑制するものであり、逆止弁80である。
ECU40は、燃料噴射弁27、点火プラグ29などに電気的に接続されている。
(副室式内燃機関の概略動作)
副室式内燃機関1では、吸気行程において、加圧された燃料が燃料噴射弁27に供給される。燃料噴射弁27は、吸気ポート23に導入された新気空気に燃料を噴射する。これにより、新気混合気が生成される。そして、吸気用カム21aにより吸気バルブ21は開状態とされ、新気混合気は吸気ポート23から主燃焼室63へ導入される。
圧縮行程においては、主燃焼室63で新気混合気が圧縮されるとともに、主燃焼室63の新気混合気の一部が、連通路61fを介して主燃焼室63から副燃焼室61へ導入される。
点火プラグ29により、副燃焼室61の新気混合気は所定のタイミングで点火され燃焼する。副燃焼室61の燃焼ガス(火炎)は、連通路61fを介して主燃焼室63へ放射され、主燃焼室63の均質な新気混合気を燃焼させる。
膨張行程では、新気混合気が燃焼して発生した燃焼圧力によって、ピストン3が押し下げられる。
排気行程では、排気用カム22aにより排気バルブ22が開状態とされ、主燃焼室63で燃焼された既燃ガスが、排気ガスとして排気ポート24へ排出される。
ECU40は、燃料噴射弁27、点火プラグ29などに対して、制御の信号を供給し各種の制御を行う。ECU40は、各種の制御を行うためのロジックを実行する。例えば、ECU40は、所定のロジックを、電気回路的に、ソフト的に又はその両方により実行する。
(ECUの詳細構成)
ECU40は、主として、負荷演算部41,速度演算部42,燃料噴射制御部43,点火時期制御部44及び記憶部47を備える。負荷演算部41,速度演算部42,燃料噴射制御部43及び点火時期制御部44は、CPUなどで構成されている。記憶部47は、ROM,RAMなどで構成されており、プログラムなどを記憶している。
ECU40は、各種の制御を行うためのロジックを実行する。
(ECUの詳細動作)
ECU40には、クランク角センサ(図示せず)で検出されたクランク角信号、水温センサ(図示せず)で検出された冷却水温信号、アクセル開度センサ(図示せず)で検出されたアクセル開度信号などが入力される。負荷演算部41や速度演算部42は、これらの信号を受け取る。負荷演算部41は、これらの信号に基づいて、機関負荷を演算する。速度演算部42は、これらの信号に基づいて、機関速度を演算する。
燃料噴射制御部43は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取り、機関負荷や機関速度の情報などに基づいて、噴射量制御信号を生成する。これにより、燃料噴射弁27は、噴射量制御信号に基づいて所定の噴射量で燃料を噴射する。
点火時期制御部44は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取り、機関負荷や機関速度の情報などに基づいて、点火時期制御信号を生成する。これにより、点火プラグ29は、点火時期制御信号に基づいて所定のタイミングでスパークを発生させる。
(開閉機構及び副燃焼室の詳細構成)
開閉機構70及び副燃焼室61の拡大断面図を、図2,図3に示す。図2,図3に示す断面図は、シリンダ軸CAを含む面で切った断面図である。
副燃焼室61は、図2に示すように、副燃焼室壁61cに囲まれた室である。副燃焼室61は、シリンダ軸CAを中心軸とする略円筒形状である。また、副燃焼室壁61cの底面には、主燃焼室63と副燃焼室61とを連通する連通路61fが形成されている。連通路61fは、第1連通開口61dと複数の第2連通開口61eとを有する。第1連通開口61dは、シリンダ軸CA近傍に設けられている。第2連通開口61eは、シリンダ軸CAからオフセットした位置に設けられている。
一方、副燃焼室61には、上部から下部に至る位置に、開閉機構70が設けられている。開閉機構70は、主として、バネ機構81及び弁体82を備える。バネ機構81は、主として、スプリング74,移動部材71,固定部材73,ハウジング78及び連結軸79を備える。
移動部材71は、ハウジング78の内壁に沿った方向で上下に移動することができるようになっている。そして、移動部材71は、スプリング74から受ける力と連結軸79から受ける力とが釣り合う位置で安定するように設けられている。それに対して、固定部材73は、ハウジング78に固定されている。
弁体82は、主燃焼室63に近づくに従って直径が小さくなる逆円錐台形状をしている。そして、弁体82が下に移動したときに副燃焼室壁61cに接する部分61bもそれに合わせて傾斜している。これにより、第1連通開口61dを閉じることができるようになっている(図3参照)。
弁体82と移動部材71とは連結軸79で連結されており、スプリング74から移動部材71が受ける力は、連結軸79を介して弁体82に伝達されるようになっている。あるいは、弁体82が受ける力は、連結軸79を介して移動部材71に伝達されるようになっている。また、弁体82は、第1連通開口61dの近傍に設けられており、第1連通開口61dを開閉する。連結軸79は、副燃焼室61の上方の外側から、上壁(副燃焼室壁61c)を下方へ貫通して、弁体82に連結されている先端が副燃焼室61に位置するように取り付けられている。
(開閉機構の詳細動作)
図2に示すように、副燃焼室61の圧力(Ps)から主燃焼室63の圧力(Pm)を引いた値である圧力差(Ps−Pm)が境界値(Pc)未満になると、移動部材71において、スプリング74から受ける力よりも連結軸79を介して弁体82から受ける力の方が大きくなり、移動部材71に上向きの力が働く。移動部材71は、上向きの力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71の動作は連結軸79を介して弁体82に伝達され、弁体82が引き上げられる。これにより、弁体82は、開状態にされ、第1連通開口61dを開く。
ここで、第1連通開口61dの開口面積Sdは、弁体82と副燃焼室壁61cとの間隔L11,L21に対応した値Sd1となっている。また、複数の第2連通開口61eの開口面積の合計Seは、一定値Se1となっている。そして、連通路61fの総開口面積は、
S1=Sd1+Se1 (1)
となっている。
一方、図3に示すように、圧力差(Ps−Pm)が境界値(Pc)以上になると、移動部材71において、連結軸79を介して弁体82から受ける力よりもスプリング74から受ける力の方が大きくなり、移動部材71に下向きの力が働く。移動部材71は、下向きの力を受けたことにより、図面上において下方に下がる。その移動部材71の動作は連結軸79を介して弁体82に伝達され、弁体82が押し下げられる。これにより、弁体82は、閉状態にされ、第1連通開口61dを閉じる。
ここで、第1連通開口61dの開口面積Sdは、第1連通開口61dが閉じているので、0となっている。また、複数の第2連通開口61eの開口面積の合計Seは、一定値Se1となっている。そして、連通路61fの総開口面積は、
S2=Se1 (2)
となっている。さらに、式(1)と式(2)とにより、
S1>S2 (3)
であることが導かれる。
このように、開閉機構70は、圧力差(Ps−Pm)に応じて、第1連通開口61dを開閉する。具体的には、開閉機構70は、図4(c)に示すようなタイミングで動作する。なお、図4(a)には、副燃焼室の圧力(Ps)の変化が示されている。図4(b)には、圧力差(Ps−Pm)の変化が示されている。
圧縮行程において、ピストン3が上昇するのに伴い、主燃焼室63で新気混合気が圧縮されて、主燃焼室63の圧力(Pm)が上昇する。また、主燃焼室63の新気混合気の一部が、連通路61fを介して主燃焼室63から副燃焼室61へ導入されるので、副燃焼室61の圧力(Ps)も上昇する。ここで、主燃焼室63と副燃焼室61とは連通路61fで連通されているが、主燃焼室63の圧力上昇が急激であるので、主燃焼室63の圧力(Pm)は副燃焼室61の圧力(Ps)よりも高くなる。このため、圧力差(Ps−Pm)は、図4に示すように、境界値Pcよりも小さい値であり、減少していく。これにより、開閉機構70(逆止弁80)は、開状態であり、第1連通開口61dを開いている。そして、連通路61fの総開口面積はS1となっている。
次に、タイミング(CA2)において、点火プラグ29は、副燃焼室61の新気混合気を点火する。これにより、副燃焼室61において燃焼が行われ、副燃焼室61の圧力(Ps)が急激に上昇する。このため、圧力差(Ps−Pm)は増加し始める。このとき、開閉機構70(逆止弁80)は、開状態であり、第1連通開口61dを依然として開いている。そして、連通路61fの総開口面積はS1となっている。
そして、タイミング(CA1)において、圧力差(Ps−Pm)は境界値Pcとなる。このため、開閉機構70(逆止弁80)は、開状態から閉状態に変わり、第1連通開口61dを閉じる。そして、連通路61fの総開口面積はS1からS2へ変わる。
その後、副燃焼室61の圧力(Ps)がさらに上昇し、副燃焼室61の燃焼ガス(火炎)は、連通路61fを介して主燃焼室63へ放射される。このとき、圧力差(Ps−Pm)は境界値Pc以上であり、開閉機構70(逆止弁80)が第1連通開口61dを閉じているので、連通路61fの総開口面積はS2となっている。
そして、タイミング(CA3)において、副燃焼室61の圧力(Ps)は最大となる。このため、圧力差(Ps−Pm)も最大となり、副燃焼室61の燃焼ガス(火炎)は、連通路61fを介して主燃焼室63へ放射されている。このときも、圧力差(Ps−Pm)は境界値Pc以上であり、開閉機構70(逆止弁80)が第1連通開口61dを閉じているので、連通路61fの総開口面積はS2となっている。
以上のように、新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61に導入されるときの連通路61fの総開口面積S1が、火炎が副燃焼室61から連通路61f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fの総開口面積S2よりも大きい。このため、十分な新気混合気を主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61に導入することができるようになっている。
また、火炎が副燃焼室61から連通路61f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fの総開口面積S2が、新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61に導入されるときの連通路61fの総開口面積S1よりも小さい。このため、副燃焼室61から連通路61f経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度を増大させることができるようになっている。
(副室式内燃機関の特徴)
(1)
ここでは、新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61に導入されるときの連通路61fの総開口面積S1が、火炎が副燃焼室61から連通路61f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fの総開口面積S2よりも大きい。このため、十分な新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61に導入されるので、副燃焼室61における燃焼は安定化する。
また、火炎が副燃焼室61から連通路61f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fの総開口面積S2が、新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61に導入されるときの連通路61fの総開口面積S1よりも小さい。このため、副燃焼室61から連通路61f経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度は増大する。
このように、副燃焼室61における燃焼は安定化し、主燃焼室63へ放射される火炎の速度は増大する。したがって、主燃焼室63における燃焼期間が短縮するので、主燃焼室63における燃焼は安定化する。
(2)
ここでは、開閉機構70は、第1連通開口61d及び複数の第2連通開口61eのうち第1連通開口61dを開閉する。具体的には、新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61に導入されるときに、第1連通開口61d及び複数の第2連通開口61eのうち第1連通開口61dが開かれる。このため、新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61に導入されるときの連通路61fの総開口面積S1は、火炎が副燃焼室61から連通路61f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fの総開口面積S2よりも大きくなる。
また、火炎が副燃焼室61から連通路61f経由で主燃焼室63へ放射されるときに、第1連通開口61d及び複数の第2連通開口61eのうち第1連通開口61dが閉められる。このため、火炎が副燃焼室61から連通路61f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fの総開口面積S2は、新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61に導入されるときの連通路61fの総開口面積S1よりも小さくなる。
(3)
ここでは、逆止弁80は、圧力差(Ps−Pm)が境界値(Pc)未満である場合に開状態となる。このため、新気混合気が副燃焼室61に導入されるときに、逆止弁80が開状態になるので、第1連通開口61dが開かれている。これにより、新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61に導入されるときの連通路61fの総開口面積S1は、火炎が副燃焼室61から連通路61f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fの総開口面積S2よりも大きくなる。
また、逆止弁80は、圧力差(Ps−Pm)が境界値(Pc)以上である場合に閉状態となる。このため、火炎が副燃焼室61から主燃焼室63へ放射されるときに、逆止弁80が閉状態になるので、第1連通開口61dが閉められている。これにより、火炎が副燃焼室61から連通路61f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fの総開口面積S2は、新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61に導入されるときの連通路61fの総開口面積S1よりも小さくなる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る副室式内燃機関の断面図を図5に示す。
副室式内燃機関1iは、基本的な構成は第1実施形態と同様であるが、開閉機構70の代わりに開閉機構(開閉部)70iを備えている点と、ECU40の代わりにECU(制御部)40iを備えている点と、副燃焼室61の代わりに副燃焼室61iを備えている点とで、第1実施形態と異なる。
(副室式内燃機関の概略構成)
開閉機構70iは、一部(弁体82i)が第1連通開口61dの近傍に設置され、第1連通開口61dを開閉する。この開閉機構70iは、電磁力を利用するものであり、電磁弁80iである。
ECU40iは、燃料噴射弁27、点火プラグ29、開閉機構70iなどに電気的に接続されている。
その他の点は、第1実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の概略動作)
ECU40iは、燃料噴射弁27、点火プラグ29、開閉機構70iなどに対して、制御の信号を供給し各種の制御を行う。
その他の点は、第1実施形態と同様である。
(開閉機構及び副燃焼室の詳細構成)
開閉機構70i及び副燃焼室61iの拡大断面図を、図6,図7に示す。図6,図7に示す断面図は、シリンダ軸CAを含む面で切った断面図である。
副燃焼室61iには、上部から下部に至る位置に、開閉機構70iが設けられている。開閉機構70iは、主として、電磁駆動機構(駆動部)81i及び弁体82iを備える。電磁駆動機構81iは、主として、電磁コイル75i,スプリング74,移動部材71i,固定部材73,ハウジング78i及び連結軸79を備える。
移動部材71iは、ハウジング78iの内壁に沿った方向で上下に移動することができるようになっている。そして、移動部材71iは、スプリング74から受ける力と電磁コイル75iから受ける電磁力とが釣り合う位置で安定するように設けられている。
弁体82iは、主燃焼室63に近づくに従って直径が小さくなる逆円錐台形状をしている。そして、弁体82iが下に移動したときに副燃焼室壁61cに接する部分61bもそれに合わせて傾斜している。これにより、第1連通開口61dを閉じることができるようになっている(図7参照)。
弁体82iと移動部材71iとは連結軸79で連結されており、スプリング74から受ける力と電磁コイル75iから受ける電磁力との差に相当する力が、連結軸79を介して弁体82iに伝達されるようになっている。また、弁体82iは、第1連通開口61dの近傍に設けられており、第1連通開口61dを開閉する。連結軸79は、副燃焼室61iの上方の外側から、上壁(副燃焼室壁61c)を下方へ貫通して、弁体82iに連結されている先端が第1連通開口61d又は副燃焼室61iに位置するように取り付けられている。
(開閉機構の詳細動作)
図6に示すように、電磁コイル75iに電流が流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体82iに伝達され、弁体82iが引き上げられる。これにより、弁体82iは、開状態にされ、第1連通開口61dを開く。
ここで、第1連通開口61dの開口面積Sdは、弁体82iと副燃焼室壁61cとの間隔L11i,L21iに対応した値Sd1iとなっている。また、複数の第2連通開口61eの開口面積の合計Seは、一定値Se1となっている。そして、連通路61fの総開口面積は、
S1i=Sd1i+Se1 (4)
となっている。
一方、図7に示すように、電磁コイル75iに電流が流されずに磁界が発生しなくなると、移動部材71iには電磁力が働かなくなる。そして、移動部材71iは、電磁力が働かなくなることにより、図面上において下方に下がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体82iに伝達され、弁体82iが押し下げられる。これにより、弁体82iは、閉状態にされ、第1連通開口61dを閉める。
ここで、第1連通開口61dの開口面積Sdは、第1連通開口61dが閉じているので、0となっている。また、複数の第2連通開口61eの開口面積の合計Seは、一定値Se1となっている。そして、連通路61fの総開口面積は、
S2=Se1 (5)
となっている。さらに、式(4)と式(5)とにより、
S1i>S2 (6)
であることが導かれる。
このように、電磁駆動機構81iは、電磁力を介して弁体82iを駆動する。
(ECUの詳細構成)
ECU40iは、開閉制御部45iをさらに備え、記憶部47の代わりに記憶部47iを備える。記憶部47iは、開閉制御情報(図8(b)参照)をさらに記憶している。
ECU40iは、各種の制御を行うためのロジックを実行するだけでなく、開閉機構70iを制御するためのロジックを実行する。
その他の点は、第1実施形態と同様である。
(ECUの詳細動作)
開閉制御部45iは、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、開閉制御部45iは、記憶部47iを参照し、開閉制御情報(図8(b)参照)を記憶部47iから受け取る。開閉制御部45iは、機関負荷や機関速度の情報と開閉制御情報(図8(b)参照)となどに基づいて、開閉制御信号を生成する。これにより、開閉機構70iは、開閉制御信号に基づいて、所定のタイミングで第1連通開口61dを開閉する。すなわち、ECU40iは、電磁駆動機構81iが移動部材71iを介して弁体82iをリフトさせるように制御することにより、開閉機構70iに開閉をさせる。
その他の点は、第1実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の制御)
副室式内燃機関1iの制御を、図8(a),(b)を参照して説明する。
圧縮行程において、ECU40iは、開閉機構70i(電磁弁80i)を開状態に制御する。これにより、第1連通開口61dは開かれている。そして、連通路61fの総開口面積はS1iとなっている。また、このとき、主燃焼室63の新気混合気の一部が、連通路61fを介して主燃焼室63から副燃焼室61iへ導入される。
次に、タイミング(CA1i)において、ECU40iは、開閉機構70i(電磁弁80i)を開状態から閉状態に変えるように制御する。これにより、第1連通開口61dは閉められる。そして、連通路61fの総開口面積はS1iからS2へ変わる。なお、タイミング(CA1i)は、後述のタイミング(CA2)の直前のタイミングである。
そして、タイミング(CA2)において、点火プラグ29は、副燃焼室61iの新気混合気を点火する。これにより、副燃焼室61iにおいて燃焼が行われ、副燃焼室61iの圧力(Ps)が急激に上昇する。このとき、開閉機構70i(電磁弁80i)は、閉状態であり、第1連通開口61dを閉じている。そして、連通路61fの総開口面積はS2となっている。
その後、副燃焼室61iの圧力(Ps)がさらに上昇し、副燃焼室61iの燃焼ガス(火炎)は、連通路61fを介して主燃焼室63へ放射される。このとき、開閉機構70i(電磁弁80i)が第1連通開口61dを閉じているので、連通路61fの総開口面積はS2となっている。
そして、タイミング(CA3)において、副燃焼室61iの圧力(Ps)は最大となる。このため、副燃焼室61iの燃焼ガス(火炎)は、連通路61fを介して主燃焼室63へ放射されている。このときも、開閉機構70i(電磁弁80i)が第1連通開口61dを閉じているので、連通路61fの総開口面積はS2となっている。
以上のように、新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61iに導入されるときの連通路61fの総開口面積S1iが、火炎が副燃焼室61iから連通路61f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fの総開口面積S2よりも大きい。このため、十分な新気混合気を主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61iに導入することができるようになっている。
また、火炎が副燃焼室61iから連通路61f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fの総開口面積S2が、新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61iに導入されるときの連通路61fの総開口面積S1iよりも小さい。このため、副燃焼室61iから連通路61f経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度を増大させることができるようになっている。
(副室式内燃機関の特徴)
(1)
ここでは、新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61iに導入されるときの連通路61fの総開口面積S1iが、火炎が副燃焼室61iから連通路61f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fの総開口面積S2よりも大きい。このため、十分な新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61iに導入されるので、副燃焼室61iにおける燃焼は安定化する。
また、火炎が副燃焼室61iから連通路61f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fの総開口面積S2が、新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61iに導入されるときの連通路61fの総開口面積S1iよりも小さい。このため、副燃焼室61iから連通路61f経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度は増大する。
このように、副燃焼室61iにおける燃焼は安定化し、主燃焼室63へ放射される火炎の速度は増大する。したがって、主燃焼室63における燃焼期間が短縮するので、主燃焼室63における燃焼は安定化する。
(2)
ここでは、開閉機構70iは、第1連通開口61d及び複数の第2連通開口61eのうち第1連通開口61dを開閉する。具体的には、新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61iに導入されるときに、第1連通開口61d及び複数の第2連通開口61eのうち第1連通開口61dが開かれる。このため、新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61iに導入されるときの連通路61fの総開口面積S1iは、火炎が副燃焼室61iから連通路61f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fの総開口面積S2よりも大きくなる。
また、火炎が副燃焼室61iから連通路61f経由で主燃焼室63へ放射されるときに、第1連通開口61d及び複数の第2連通開口61eのうち第1連通開口61dが閉められる。このため、火炎が副燃焼室61iから連通路61f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fの総開口面積S2は、新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61iに導入されるときの連通路61fの総開口面積S1iよりも小さくなる。
(3)
ここでは、ECU40iは、新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61iに導入されるときに第1連通開口61dを開くように、開閉機構70iを制御する。このため、新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61iに導入されるときの連通路61fの総開口面積S1iは、火炎が副燃焼室61iから連通路61f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fの総開口面積S2よりも大きくなる。
また、ECU40iは、火炎が副燃焼室61iから連通路61f経由で主燃焼室63へ放射されるときに第1連通開口61dを閉じるように、開閉機構70iを制御する。このため、火炎が副燃焼室61iから連通路61f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fの総開口面積S2は、新気混合気が主燃焼室63から連通路61f経由で副燃焼室61iに導入されるときの連通路61fの総開口面積S1iよりも小さくなる。
(第2実施形態の変形例)
開閉機構において、電磁コイル75iに電流が流され磁界が発生したときに移動部材71iに下向きの電磁力が働いて下方に下がり、電磁コイル75iに電流が流されずに磁界が発生しなくなったときに移動部材71iに電磁力が働かなくなって上方に上がるようになっていてもよい。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る副室式内燃機関の断面図を図9に示す。
副室式内燃機関1jは、基本的な構成は第2実施形態と同様であるが、開閉機構70iの代わりに開閉機構(開閉部)70jを備えている点と、ECU40iの代わりにECU(制御部)40jを備えている点と、副燃焼室61iの代わりに副燃焼室61jを備えている点とで、第2実施形態と異なる。
(副室式内燃機関の概略構成)
副燃焼室61jは、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁61cjに囲まれている。具体的には、シリンダヘッド20において吸気ポート23と排気ポート24との間に形成された空間に、略円筒形状の副燃焼室壁61cjが配置され、副燃焼室61jが形成される。
また、副燃焼室壁61cjの底面には、主燃焼室63と副燃焼室61jとを連通する連通路61fjが形成されている。連通路61fjは、第1連通開口61dを有する。
開閉機構70jは、一部(弁体82i)が第1連通開口61dの近傍に設置され、第1連通開口61dを所定の開度で開く。すなわち、開閉機構70jは、開度が可変である。この開閉機構70jは、電磁力を利用するものであり、電磁弁80jである。
ECU40jは、燃料噴射弁27、点火プラグ29、開閉機構70jなどに電気的に接続されている。
その他の点は、第2実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の概略動作)
ECU40jは、燃料噴射弁27、点火プラグ29、開閉機構70jなどに対して、制御の信号を供給し各種の制御を行う。
その他の点は、第2実施形態と同様である。
(開閉機構及び副燃焼室の詳細構成)
開閉機構70j及び副燃焼室61jの拡大断面図を、図10,図11に示す。図10,図11に示す断面図は、シリンダ軸CAを含む面で切った断面図である。
副燃焼室61jは、図10に示すように、副燃焼室壁61cjに囲まれた室である。副燃焼室61jは、シリンダ軸CAを中心軸とする略円筒形状である。また、副燃焼室壁61cjの底面には、主燃焼室63と副燃焼室61jとを連通する連通路61fjが形成されている。連通路61fjは、第1連通開口61dを有する。第1連通開口61dは、シリンダ軸CA近傍に設けられている。
開閉機構70jは、電磁駆動機構81iの代わりに電磁駆動機構(駆動部)81jを備える。電磁駆動機構81jは、ストッパー72jをさらに備える。
移動部材71iは、ハウジング78iの内壁に沿った方向で上下に移動することができるようになっている。ただし、ハウジング78iの内壁からシリンダ軸CA側へ突出するように設けられているストッパー72jは、移動部材71iの下方への移動を制限している。すなわち、電磁駆動機構81jは、弁体82iをリフトする量を変えることにより、弁体82iと副燃焼室壁61cjとの間隔L11j,L21jに対応した第1開度と、弁体82iと副燃焼室壁61cjとの間隔L12j,L22jに対応した第2開度とを、変えることができるようになっている。
その他の点は、第2実施形態と同様である。
(開閉機構の詳細動作)
図10に示すように、電磁コイル75iに電流が流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体82iに伝達され、弁体82iが引き上げられる。これにより、弁体82iは、第1開度で第1連通開口61dを開く。
ここで、第1連通開口61dの開口面積Sdは、第1開度で第1連通開口61dを開いているので、弁体82iと副燃焼室壁61cjとの間隔L11j,L21jに対応した値Sd1jとなっている。そして、連通路61fjの総開口面積は、
S1j=Sd1j (7)
となっている。
一方、図11に示すように、電磁コイル75iに電流が流されずに磁界が発生しなくなると、移動部材71iには電磁力が働かなくなる。そして、移動部材71iは、電磁力が働かなくなることにより、図面上において下方に下がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体82iに伝達され、弁体82iが押し下げられる。そして、移動部材71iの下方への移動は、図11に示すように、ストッパー72jに接する位置まで下がったところで止まる。これにより、弁体82iは、第2開度で第1連通開口61dを開く。
ここで、第1連通開口61dの開口面積Sdは、第2開度で第1連通開口61dを開いているので、弁体82iと副燃焼室壁61cjとの間隔L12j,L22jに対応した値Sd2jとなっている。そして、連通路61fjの総開口面積は、
S2j=Sd2j (8)
となっている。
また、図10,図11から
L11j>L12j (9)
L21j>L22j (10)
であり、
Sd1j>Sd2j (11)
となる。さらに、式(7)及び式(8)と式(11)とにより、
S1j>S2j (12)
であることが導かれる。
このように、電磁駆動機構81jは、電磁力を介して弁体82iを駆動する。
(ECUの詳細構成)
ECU40jは、開閉制御部45iの代わりに開閉制御部45jを備え、記憶部47iの代わりに記憶部47jを備える。記憶部47jは、開閉制御情報(図8(b)参照)の代わりに開閉制御情報(図12(b)参照)を記憶している。
ECU40jは、各種の制御を行うためのロジックを実行するだけでなく、開閉機構70jを制御するためのロジックを実行する。
その他の点は、第2実施形態と同様である。
(ECUの詳細動作)
開閉制御部45jは、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、開閉制御部45jは、記憶部47jを参照し、開閉制御情報(図12(b)参照)を記憶部47jから受け取る。開閉制御部45jは、機関負荷や機関速度の情報と開閉制御情報となどに基づいて、開閉制御信号を生成する。これにより、開閉機構70jは、開閉制御信号に基づいて、所定のタイミングにおいて弁体82iを所定量だけリフトさせて第1連通開口61dを開く。すなわち、ECU40jは、電磁駆動機構81jが移動部材71iを介して弁体82iをリフトする量を制御することにより、開閉機構70jの開度を制御する。
その他の点は、第2実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の制御)
副室式内燃機関1jの制御を、図12(a),(b)を参照して説明する。
圧縮行程において、ECU40jは、開閉機構70j(電磁弁80j)の開度を第1開度に制御する。これにより、第1連通開口61dは第1開度で開かれている。そして、連通路61fjの総開口面積はS1jとなっている。また、このとき、主燃焼室63の新気混合気の一部が、連通路61fjを介して主燃焼室63から副燃焼室61jへ導入される。
次に、タイミング(CA1j)において、ECU40jは、開閉機構70j(電磁弁80j)の開度を第1開度から第2開度へ変えるように制御する。これにより、第1連通開口61dは第2開度で開かれるようになる。そして、連通路61fjの総開口面積はS1jからS2jへ変わる。なお、タイミング(CA1j)は、後述のタイミング(CA2)の直前のタイミングである。
そして、タイミング(CA2)において、点火プラグ29は、副燃焼室61jの新気混合気を点火する。これにより、副燃焼室61jにおいて燃焼が行われ、副燃焼室61jの圧力(Ps)が急激に上昇する。このとき、開閉機構70j(電磁弁80j)は、その開度が第2開度であり、第1連通開口61dを第2開度で開いている。そして、連通路61fjの総開口面積はS2jとなっている。
その後、副燃焼室61jの圧力(Ps)がさらに上昇し、副燃焼室61jの燃焼ガス(火炎)は、連通路61fjを介して主燃焼室63へ放射される。このとき、開閉機構70j(電磁弁80j)が第1連通開口61dを第2開度で開いているので、連通路61fjの総開口面積はS2jとなっている。
そして、タイミング(CA3)において、副燃焼室61jの圧力(Ps)は最大となる。このため、副燃焼室61jの燃焼ガス(火炎)は、連通路61fjを介して主燃焼室63へ放射されている。このときも、開閉機構70j(電磁弁80j)が第1連通開口61dを第2開度で開いているので、連通路61fjの総開口面積はS2jとなっている。
以上のように、新気混合気が主燃焼室63から連通路61fj経由で副燃焼室61jに導入されるときの連通路61fjの総開口面積S1jが、火炎が副燃焼室61jから連通路61fj経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fjの総開口面積S2jよりも大きい。このため、十分な新気混合気を主燃焼室63から連通路61fj経由で副燃焼室61jに導入することができるようになっている。
また、火炎が副燃焼室61jから連通路61fj経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fjの総開口面積S2jが、新気混合気が主燃焼室63から連通路61fj経由で副燃焼室61jに導入されるときの連通路61fjの総開口面積S1jよりも小さい。このため、副燃焼室61jから連通路61fj経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度を増大させることができるようになっている。
(副室式内燃機関の特徴)
(1)
ここでは、新気混合気が主燃焼室63から連通路61fj経由で副燃焼室61jに導入されるときの連通路61fjの総開口面積S1jが、火炎が副燃焼室61jから連通路61fj経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fjの総開口面積S2jよりも大きい。このため、十分な新気混合気が主燃焼室63から連通路61fj経由で副燃焼室61jに導入されるので、副燃焼室61jにおける燃焼は安定化する。
また、火炎が副燃焼室61jから連通路61fj経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fjの総開口面積S2jが、新気混合気が主燃焼室63から連通路61fj経由で副燃焼室61jに導入されるときの連通路61fjの総開口面積S1jよりも小さい。このため、副燃焼室61jから連通路61fj経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度は増大する。
このように、副燃焼室61jにおける燃焼は安定化し、主燃焼室63へ放射される火炎の速度は増大する。したがって、主燃焼室63における燃焼期間が短縮するので、主燃焼室63における燃焼は安定化する。
(2)
ここでは、ECU40jは、開閉機構70jの開度を制御する。このため、新気混合気が副燃焼室61jに導入されるときに、ECU40jが開閉機構70jの開度を大きく(第1開度に)するので、第1連通開口61dの開口面積Sd1jが大きくなり、連通路61fjの総開口面積S1jは大きくなる。
また、火炎が副燃焼室61jから放射されるときに、ECU40jが開閉機構70jの開度を小さく(第2開度に)するので、第1連通開口61dの開口面積Sd2jが小さくなり、連通路61fjの総開口面積S2jは小さくなる。
(3)
ここでは、ECU40jは、電磁駆動機構81jが弁体82iをリフトする量を制御することにより、開閉機構70jの開度を制御する。具体的には、電磁駆動機構81jは、開閉制御信号をECU40jから受け取る。そして、電磁駆動機構81jは、開閉制御信号に基づいて、弁体82iをリフトする量を変える。これにより、開閉機構70jの開度は、第1開度又は第2開度になる。このように、開閉機構70jの開度は簡易に制御される。
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態に係る副室式内燃機関の断面図を図13に示す。
副室式内燃機関1kは、基本的な構成は第3実施形態と同様であるが、開閉機構70jの代わりに開閉機構(開閉部)70kを備えている点と、ECU40jの代わりにECU(制御部)40kを備えている点と、副燃焼室61jの代わりに副燃焼室61kを備えている点とで、第3実施形態と異なる。
(副室式内燃機関の概略構成)
副燃焼室61kは、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁61ckに囲まれている。具体的には、シリンダヘッド20において吸気ポート23と排気ポート24との間に形成された空間に、略円筒形状の副燃焼室壁61ckが配置され、副燃焼室61kが形成される。
開閉機構70kは、一部(弁体82i)が第1連通開口61dの近傍に設置され、第1連通開口61dを所定の開度で開閉する。すなわち、開閉機構70kは、開度が可変である。この開閉機構70kは、逆ピエゾ効果による力を利用するものであり、ピエゾ駆動弁80kである。
ECU40kは、燃料噴射弁27、点火プラグ29、開閉機構70kなどに電気的に接続されている。
その他の点は、第3実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の概略動作)
ECU40kは、燃料噴射弁27、点火プラグ29、開閉機構70kなどに対して、制御の信号を供給し各種の制御を行う。
その他の点は、第3実施形態と同様である。
(開閉機構及び副燃焼室の詳細構成)
開閉機構70k及び副燃焼室61kの拡大断面図を、図14〜図16に示す。図14〜図16に示す断面図は、シリンダ軸CAを含む面で切った断面図である。
副燃焼室61kは、図14に示すように、副燃焼室壁61ckに囲まれた室である。副燃焼室61kは、シリンダ軸CAを中心軸とする略円筒形状である。
開閉機構70kは、主として、電磁駆動機構81jの代わりにピエゾ駆動機構(駆動部)81kを備える。ピエゾ駆動機構81kは、主として、圧電体77k,移動部材71i,固定部材73,ハウジング78及び連結軸79を備える。
移動部材71iは、ハウジング78の内壁に沿った方向で上下に移動することができるようになっている。圧電体77kは、移動部材71iと固定部材73とを連結している。この圧電体77kは、印加される電圧の大きさに応じて、上下に伸縮することができるようになっている。これにより、開閉機構70kの開度が可変になっている。すなわち、ピエゾ駆動機構81kは、弁体82iをリフトする量を変えることにより、弁体82iと副燃焼室壁61ckとの間隔L11k,L21kに対応した第1開度と、弁体82iと副燃焼室壁61ckとの間隔L12k,L13kに対応した第2開度(図16参照)と、弁体82iと副燃焼室壁61ckとの間隔が0となる第3開度(図15参照)とを、変えることができるようになっている。
その他の点は、第3実施形態と同様である。
(開閉機構の詳細動作)
図14に示すように、圧電体77kに第1電圧V1が印加されると、逆ピエゾ効果により圧電体77kが上下に縮むように変形して、移動部材71iに上向きの力が働く。そして、移動部材71iは、上向きの力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体82iに伝達され、圧電体77kに電圧が印加されていない状態(図15参照)に比べて、第1リフト量で弁体82iが引き上げられた状態になる。これにより、弁体82iは、第1開度で第1連通開口61dを開く。
ここで、第1連通開口61dの開口面積Sdは、第1開度で第1連通開口61dを開いているので、弁体82iと副燃焼室壁61ckとの間隔L11k,L21kに対応した値Sd1kとなっている。そして、連通路61fjの総開口面積は、
S1k=Sd1k (13)
となっている。
一方、図15に示すように、圧電体77kに電圧が印加されなくなると、圧電体77kが上下に伸びて元の大きさになり、移動部材71iには逆ピエゾ効果による力が働かなくなる。そして、移動部材71iは、逆ピエゾ効果による力が働かなくなることにより、図面上において下方に下がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体82iに伝達され、弁体82iが押し下げられる。これにより、弁体82iは、第3開度(=0%)で第1連通開口61dを開く。すなわち、弁体82iは、第1連通開口61dを閉じる。
ここで、第1連通開口61dの開口面積Sdは、第3開度で第1連通開口61dを開いているので、0となっている。そして、連通路61fjの総開口面積は、
S3k=0 (14)
となっている。
そして、図16に示すように、圧電体77kに第2電圧V2(<V1)が印加されると、逆ピエゾ効果により圧電体77kが上下に縮むように変形して、移動部材71iに上向きの力が働く。そして、移動部材71iは、上向きの力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体82iに伝達され、圧電体77kに電圧が印加されていない状態(図15参照)に比べて、第2リフト量(<第1リフト量)で弁体82iが引き上げられた状態になる。これにより、弁体82iは、第2開度(<第1開度,>第3開度)で第1連通開口61dを開く。
ここで、第1連通開口61dの開口面積Sdは、第2開度で第1連通開口61dを開いているので、弁体82iと副燃焼室壁61ckとの間隔L12k,L22kに対応した値Sd2kとなっている。そして、連通路61fjの総開口面積は、
S2k=Sd2k (15)
となっている。
また、図14,図16から
L11k>L12k (16)
L21k>L22k (17)
であり、
Sd1k>Sd2k>0 (18)
となる。さらに、式(13)〜式(15)と式(18)とにより、
S1k>S2k>S3k (19)
であることが導かれる。
このように、ピエゾ駆動機構81kは、逆ピエゾ効果による力を介して弁体82iを駆動する。
(ECUの詳細構成)
ECU40kは、開閉制御部45jの代わりに開閉制御部45kを備え、記憶部47jの代わりに記憶部47kを備える。記憶部47kは、開閉制御情報(図12(b)参照)の代わりに開閉制御情報(図17(b)参照)を記憶している。
ECU40kは、各種の制御を行うためのロジックを実行するだけでなく、開閉機構70kを制御するためのロジックを実行する。
その他の点は、第3実施形態と同様である。
(ECUの詳細動作)
開閉制御部45kは、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、開閉制御部45kは、記憶部47kを参照し、開閉制御情報(図17(b)参照)を記憶部47kから受け取る。開閉制御部45kは、機関負荷や機関速度の情報と開閉制御情報となどに基づいて、開閉制御信号を生成する。これにより、開閉機構70kは、開閉制御信号に基づいて、所定のタイミングにおいて弁体82iを所定量だけリフトさせて第1連通開口61dを開閉する。すなわち、ECU40kは、ピエゾ駆動機構81kが移動部材71iを介して弁体82iをリフトする量を制御することにより、開閉機構70kの開度を制御する。
その他の点は、第3実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の制御)
副室式内燃機関1kの制御を、図17(a),(b)を参照して説明する。なお、図17(a)において、第1期間T1(図17(b)参照)において開閉機構70kの開度が第2開度に制御された場合について、副燃焼室の圧力(Ps)が破線で示されている。
圧縮行程において、ECU40kは、開閉機構70k(ピエゾ駆動弁80k)の開度を第1開度に制御する。これにより、第1連通開口61dは第1開度で開かれている。そして、連通路61fjの総開口面積はS1kとなっている。また、このとき、主燃焼室63の新気混合気の一部が、連通路61fjを介して主燃焼室63から副燃焼室61kへ導入される。
次に、タイミング(CA1k)において、ECU40kは、開閉機構70k(ピエゾ駆動弁80k)の開度を第1開度から第3開度へ変えるように制御する。これにより、第1連通開口61dは第3開度で開かれるようになる。すなわち、第1連通開口61dは閉じる。そして、連通路61fjの総開口面積はS1kからS3kへ変わる。なお、タイミング(CA1k)は、後述のタイミング(CA2)の直前のタイミングである。
そして、タイミング(CA2)において、点火プラグ29は、副燃焼室61kの新気混合気を点火する。これにより、副燃焼室61kにおいて燃焼が行われ、副燃焼室61kの圧力(Ps)が急激に上昇する。このとき、開閉機構70k(ピエゾ駆動弁80k)は、その開度が第3開度であり、第1連通開口61dを第3開度で開いている。すなわち、第1連通開口61dは閉じている。そして、連通路61fjの総開口面積はS3k(=0)となっている。これにより、図17(a)に示すように、第1期間T1において、開閉機構70kの開度が第2開度に制御された場合に比べて、副燃焼室61kの圧力(Ps)は主燃焼室63の圧力よりも十分に高くなる。
その後、副燃焼室61kの圧力(Ps)がさらに上昇するが、第1連通開口61dは閉じているので、副燃焼室61kの燃焼ガス(火炎)は、連通路61fjを介して主燃焼室63へ放射されない。このとき、開閉機構70k(ピエゾ駆動弁80k)が第1連通開口61dを閉じている(第3開度で開いている)ので、連通路61fjの総開口面積はS3kとなっている。そして、第1期間T1において開閉機構70kの開度が第2開度に制御された場合よりも、副燃焼室61kの圧力(Ps)は主燃焼室63の圧力よりもさらに十分に高くなっている。なお、第1期間T1は、タイミング(CA1k)から後述のタイミング(CA3)までの期間である。
そして、タイミング(CA3)において、副燃焼室61kの圧力(Ps)は最大となる。このとき、ECU40kは、開閉機構70k(ピエゾ駆動弁80k)の開度を第3開度から第2開度へ変えるように制御する。これにより、第1連通開口61dは第2開度で開かれるようになる。そして、連通路61fjの総開口面積はS3kからS2kへ変わる。これにより、副燃焼室61kの燃焼ガス(火炎)は、連通路61fjを介して主燃焼室63へ放射され始める。
以上のように、新気混合気が主燃焼室63から連通路61fj経由で副燃焼室61kに導入されるときの連通路61fjの総開口面積S1kが、火炎が副燃焼室61kから連通路61fj経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fjの総開口面積S2kよりも大きい。このため、十分な新気混合気を主燃焼室63から連通路61fj経由で副燃焼室61kに導入することができるようになっている。
また、火炎が副燃焼室61kから連通路61fj経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fjの総開口面積S2kが、新気混合気が主燃焼室63から連通路61fj経由で副燃焼室61kに導入されるときの連通路61fjの総開口面積S1kよりも小さい。このため、副燃焼室61kから連通路61fj経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度を増大させることができるようになっている。
さらに、第1期間T1における連通路61fjの総開口面積S3kが、火炎が副燃焼室61kから連通路61fj経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fjの総開口面積S2kよりも小さくなっている。このため、第1期間T1において開閉機構70kの開度が第2開度に制御された場合よりも、火炎が副燃焼室61kから連通路61fj経由で主燃焼室63へ放射されるときの副燃焼室61kの圧力はさらに高くなっている。この結果、副燃焼室61kから連通路61fj経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度をさらに増大させることができるようになっている。
(副室式内燃機関の特徴)
(1)
ここでは、新気混合気が主燃焼室63から連通路61fj経由で副燃焼室61kに導入されるときの連通路61fjの総開口面積S1kが、火炎が副燃焼室61kから連通路61fj経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fjの総開口面積S2kよりも大きい。このため、十分な新気混合気が主燃焼室63から連通路61fj経由で副燃焼室61kに導入されるので、副燃焼室61kにおける燃焼は安定化する。
また、火炎が副燃焼室61kから連通路61fj経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fjの総開口面積S2kが、新気混合気が主燃焼室63から連通路61fj経由で副燃焼室61kに導入されるときの連通路61fjの総開口面積S1kよりも小さい。このため、副燃焼室61kから連通路61fj経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度は増大する。
このように、副燃焼室61kにおける燃焼は安定化し、主燃焼室63へ放射される火炎の速度は増大する。したがって、主燃焼室63における燃焼期間が短縮するので、主燃焼室63における燃焼は安定化する。
(2)
ここでは、ECU40kは、開閉機構70kの開度を制御する。このため、新気混合気が副燃焼室61kに導入されるときに、ECU40kが開閉機構70kの開度を大きく(第1開度に)するので、第1連通開口61dの開口面積Sd1kが大きくなり、連通路61fjの総開口面積S1kは大きくなる。
また、火炎が副燃焼室61kから放射されるときに、ECU40kが開閉機構70kの開度を小さく(第2開度に)するので、第1連通開口61dの開口面積Sd2kが小さくなり、連通路61fjの総開口面積S2kは小さくなる。
(3)
ここでは、ECU40kは、ピエゾ駆動機構81kが弁体82iをリフトする量を制御することにより、開閉機構70kの開度を制御する。具体的には、ピエゾ駆動機構81kは、開閉制御信号をECU40kから受け取る。そして、ピエゾ駆動機構81kは、開閉制御信号に基づいて、弁体82iをリフトする量を変える。これにより、開閉機構70kの開度は、第1開度,第3開度又は第2開度になる。このように、開閉機構70kの開度は簡易に制御される。
(4)
ここでは、ECU40kは、第1期間T1における連通路61fjの総開口面積S3kが、火炎が副燃焼室61kから主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fjの総開口面積S2kよりも小さくなるように、開閉機構70kを制御する。このため、第1期間T1において開閉機構70kの開度が第2開度に制御された場合に比べて、副燃焼室61kの圧力(Ps)が主燃焼室63の圧力よりも十分に大きくなるので、十分な速度の火炎が副燃焼室61kから連通路61fj経由で主燃焼室63へ放射されるようになる。これにより、主燃焼室63での燃焼は安定化する。
(5)
ここでは、第1期間T1は、点火プラグ29が新気混合気を点火するタイミング(CA2)から、副燃焼室61kの圧力が最大となるタイミング(CA3)までの期間を含む。このため、第1期間T1において開閉機構70kの開度が第2開度に制御された場合に比べて、副燃焼室61kの圧力(Ps)は主燃焼室63の圧力よりも十分に大きくなる。
(第4実施形態の変形例)
(A)ECU40kは、第1期間T1における連通路61fjの総開口面積S3kを0よりも大きな値になるように制御しても良い。この場合でも、第1期間T1における連通路61fjの総開口面積S3kが、火炎が副燃焼室61kから主燃焼室63へ放射されるときの連通路61fjの総開口面積S2kよりも小さくなるように制御されれば、第1期間T1において開閉機構70kの開度が第2開度に制御された場合に比べて、副燃焼室61kの圧力(Ps)は主燃焼室63の圧力よりも十分に大きくなる。
(B)開閉機構70kにおいて、圧電体77kに電圧が印加されたときに逆ピエゾ効果により圧電体77kが上下に伸びるように変形し、圧電体77kに電圧が印加されなくなったときに圧電体77kが上下に縮んで元の大きさになってもよい。
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態に係る1pは、基本的な構成は第1実施形態と同様であるが、図18に示すように、開閉機構70の代わりに開閉構造を備えている点と、副燃焼室61の代わりに副燃焼室61pを備えている点とで、第1実施形態と異なる。
(副室式内燃機関の概略構成)
図18に示すように、副燃焼室61pは、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁61cpに囲まれている。具体的には、シリンダヘッド20において吸気ポート23と排気ポート24との間に形成された空間に、略円筒形状の副燃焼室壁61cpが配置され、副燃焼室61pが形成される。
また、副燃焼室壁61cpの底面には、主燃焼室63と副燃焼室61pとを連通する連通路61hが形成されている。連通路61hは、第1連通開口(連通開口)61gを有する。
開閉構造は、第1連通開口61gの構造であり、第1連通開口61gを所定の開度で開くような構造である。すなわち、開閉構造は、その開度が可変である。
その他の点は、第1実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の概略動作)
第1実施形態と同様である。
(ECUの詳細構成)
第1実施形態と同様である。
(ECUの詳細動作)
第1実施形態と同様である。
(開閉構造及び副燃焼室の詳細構成)
開閉構造及び副燃焼室61pの拡大断面図を、図18,図19に示す。図18,図19に示す断面図は、シリンダ軸CAを含む面で切った断面図である。
副燃焼室61pは、図18に示すように、副燃焼室壁61cpに囲まれた室である。副燃焼室61pは、シリンダ軸CAを中心軸とする略円筒形状である。また、副燃焼室壁61cpは、第1副燃焼室壁64と第2副燃焼室壁65とを有する。第1副燃焼室壁64は、副燃焼室壁61cpの側面及び底面を形成している。第1副燃焼室壁64は、セラミックスなどの熱膨張率が小さい材質で形成されている。一方、第2副燃焼室壁65は、副燃焼室壁61cpの上面を形成している。第2副燃焼室壁65は、金属などの熱膨張率の大きい材質で形成されている。
さらに、副燃焼室61pには、上部から下部に至る位置に、棒状部材66が設けられている。棒状部材66は、第2副燃焼室壁65に接合されており、副燃焼室61pの上部から下部へシリンダ軸CAに沿って延びている。棒状部材66は、金属などの熱膨張率の大きい材質で形成されている。棒状部材66の先端部分66aは、シリンダ軸CAの近傍で且つ主燃焼室63に接する位置に配置されている。
副燃焼室壁61cpの底面(第1副燃焼室壁64)には、主燃焼室63と副燃焼室61pとを連通する連通路61hが形成されている。連通路61hは、第1連通開口61gを有する。この第1連通開口61gは、棒状部材66の先端部分66aと第1副燃焼室壁64とで囲まれた部分であり、環状である。すなわち、第1連通開口61gは、第1壁部64bと第2壁部66bとに囲まれて形成されている。第1壁部64bは、第1副燃焼室壁64において棒状部材66の先端部分66aと対向する部分である。第2壁部66bは、棒状部材66の先端部分66aにおいて第1副燃焼室壁64と対向する部分である。
ここで、第2壁部66bは、第1壁部64bよりも熱膨張率が大きい材質で形成されている。すなわち、開閉構造は、第1壁部64bと、その第1壁部64bの材質よりも熱膨張率の大きい材質を含む第2壁部66bとに囲まれて第1連通開口61gが形成されている構造である。これにより、開閉構造は、第1壁部64bの熱膨張率と第2壁部66bの熱膨張率との違いに基づいて、第1壁部64bと第2壁部66bとの間隔L11p,L21pに対応した第1開度(図18)と、第1壁部64bと第2壁部66bとの間隔L12p,L22pに対応した第2開度(図19)とを、変えることができるようになっている。
(開閉構造の詳細動作)
図18に示すように、副燃焼室61pの温度が常温のとき、第1壁部64bと第2壁部66bとは、間隔L11p,L21pで離れている。これにより、開閉構造は、第1連通開口61gを第1開度で開いている。
ここで、第1連通開口61gの開口面積Sgは、第1開度で第1連通開口61gが開かれているので、第1壁部64bと第2壁部66bとの間隔L11p,L21pに対応した値Sg1pとなっている。そして、連通路61hの総開口面積は、
S1p=Sg1p (20)
となっている。
一方、図19に示すように、副燃焼室61pの温度が高くなると、第1壁部64bに比べて第2壁部66bは大きく熱膨張する。このため、第1壁部64bと第2壁部66bとの間隔はL12p,L22pになる。これにより、開閉構造は、第1連通開口61gを第2開度で開くようになる。
ここで、第1連通開口61gの開口面積Sgは、第2開度で第1連通開口61gが開かれているので、第1壁部64bと第2壁部66bとの間隔L12p,L22pに対応した値Sg2pとなっている。そして、連通路61hの総開口面積は、
S2p=Sg2p (21)
となっている。
また、図18,図19から
L11p>L12p (22)
L21p>L22p (23)
であり、
Sg1p>Sg2p (24)
となる。さらに、式(20)及び式(21)と式(24)とにより、
S1p>S2p (25)
であることが導かれる。
このように、開閉構造は、第1壁部64bの熱膨張率と第2壁部66bの熱膨張率との違いに基づいて、その開度を変えて第1連通開口61gを開く。具体的には、開閉構造は、図20(b)に示すようなタイミングで動作する。なお、図20(a)には、副燃焼室の圧力(Ps)の変化が示されている。
圧縮行程において、ピストン3が上昇するのに伴い、主燃焼室63で新気混合気が圧縮されて、主燃焼室63の圧力が上昇する。また、主燃焼室63の新気混合気の一部が、連通路61hを介して主燃焼室63から副燃焼室61pへ導入されるので、副燃焼室61pの圧力(Ps)も上昇する。ここで、副燃焼室61pでは、まだ燃焼が行われていないので、その温度が高くなっていない。これにより、開閉構造は、第1開度で第1連通開口61gを開いている。そして、連通路61hの総開口面積はS1pとなっている。
次に、タイミング(CA2)において、点火プラグ29は、副燃焼室61pの新気混合気を点火する。これにより、副燃焼室61pにおいて燃焼が行われ、副燃焼室61pの圧力(Ps)及び温度が急激に上昇する。このため、第1壁部64bに比べて第2壁部66bは大きく熱膨張し始める。これにより、開閉構造は、その開度を第1開度から第2開度へと徐々に変え始める。そして、連通路61hの総開口面積はS1pからS2pへと徐々に変わり始める。
そして、タイミング(CA1p)において、開閉構造の開度は第2開度になる。これにより、開閉構造は、第2開度で第1連通開口61gを開くようになる。そして、連通路61hの総開口面積はS2pになる。
その後、副燃焼室61pの圧力(Ps)がさらに上昇し、副燃焼室61pの燃焼ガス(火炎)は、連通路61hを介して主燃焼室63へ放射される。このとき、開閉構造が第1連通開口61gを第2開度で開いているので、連通路61hの総開口面積はS2pとなっている。
そして、タイミング(CA3)において、副燃焼室61pの圧力(Ps)は最大となる。このため、圧力差(Ps−Pm)も最大となり、副燃焼室61pの燃焼ガス(火炎)は、連通路61hを介して主燃焼室63へ放射されている。このときも、開閉構造が第1連通開口61gを第2開度で開いているので、連通路61hの総開口面積はS2pとなっている。
以上のように、新気混合気が主燃焼室63から連通路61h経由で副燃焼室61pに導入されるときの連通路61hの総開口面積S1pが、火炎が副燃焼室61pから連通路61h経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61hの総開口面積S2pよりも大きい。このため、十分な新気混合気を主燃焼室63から連通路61h経由で副燃焼室61pに導入することができるようになっている。
また、火炎が副燃焼室61pから連通路61h経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61hの総開口面積S2pが、新気混合気が主燃焼室63から連通路61h経由で副燃焼室61pに導入されるときの連通路61hの総開口面積S1pよりも小さい。このため、副燃焼室61pから連通路61h経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度を増大させることができるようになっている。
(副室式内燃機関の特徴)
(1)
ここでは、新気混合気が主燃焼室63から連通路61h経由で副燃焼室61pに導入されるときの連通路61hの総開口面積S1pが、火炎が副燃焼室61pから連通路61h経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61hの総開口面積S2pよりも大きい。このため、十分な新気混合気が主燃焼室63から連通路61h経由で副燃焼室61pに導入されるので、副燃焼室61pにおける燃焼は安定化する。
また、火炎が副燃焼室61pから連通路61h経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路61hの総開口面積S2pが、新気混合気が主燃焼室63から連通路61h経由で副燃焼室61pに導入されるときの連通路61hの総開口面積S1pよりも小さい。このため、副燃焼室61pから連通路61h経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度は増大する。
このように、副燃焼室61pにおける燃焼は安定化し、主燃焼室63へ放射される火炎の速度は増大する。したがって、主燃焼室63における燃焼期間が短縮するので、主燃焼室63における燃焼は安定化する。
(2)
ここでは、開閉構造は、副燃焼室61pの温度に基づいて、その開度を変える。このため、新気混合気が副燃焼室61pに導入されるときに、副燃焼室61pの温度が高くなっていないので、開閉構造の開度が大きく(第1開度に)なる。このため、第1連通開口61gの開口面積Sg1pが大きくなり、連通路61hの総開口面積S1pは大きくなる。
また、火炎が副燃焼室61pから放射されるときに、副燃焼室61pの温度が高くなっているので、開閉構造の開度が小さく(第2開度に)なる。このため、第1連通開口61gの開口面積Sg2pが小さくなり、連通路61hの総開口面積S2pは小さくなる。
(3)
ここでは、開閉構造は、第1壁部64bの熱膨張率と第2壁部66bの熱膨張率との違いに基づいて、その開度を変えて第1連通開口61gを開く。具体的には、第2壁部66bは、第1壁部64bの材質よりも熱膨張率の大きい材質を含む。このため、新気混合気が副燃焼室61pに導入されるときに、第1壁部64bと第2壁部66bとの間隔L11p,L21pが大きくなるので、連通路61hの総開口面積S1pは大きくなる。
また、火炎が副燃焼室61pから放射されるときに、第1壁部64bと第2壁部66bとの間隔L12p,L22pが小さくなるので、連通路61hの総開口面積S2pは小さくなる。
<第6実施形態>
本発明の第6実施形態に係る副室式内燃機関の断面図を図21に示す。
副室式内燃機関100は、基本的な構成は第2実施形態と同様であるが、開閉機構70iの代わりに開閉機構(開閉部)170を備えている点と、ECU40iの代わりにECU(制御部)140を備えている点と、副燃焼室61iの代わりに副燃焼室161を備えている点とで、第2実施形態と異なる。
(副室式内燃機関の概略構成)
副燃焼室161は、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁161cに囲まれている。具体的には、シリンダヘッド20において吸気ポート23と排気ポート24との間に形成された空間に、略円筒形状の副燃焼室壁161cが配置され、副燃焼室161が形成される。
また、副燃焼室壁161cの底面には、主燃焼室63と副燃焼室161とを連通する連通路161fが形成されている。連通路161fは、複数の第1連通開口(連通開口)161dと複数の第2連通開口(連通開口)161eとを有する。
開閉機構170は、一部(弁体182)が複数の第1連通開口161dの近傍に設置され、第1連通開口161dを所定の開度で開閉する。すなわち、開閉機構170は、その開度が可変である。この開閉機構170は、電磁力を利用するものであり、電磁弁180である。
ECU140は、燃料噴射弁27、点火プラグ29、開閉機構170などに電気的に接続されている。
その他の点は、第2実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の概略動作)
ECU140は、燃料噴射弁27、点火プラグ29、開閉機構170などに対して、制御の信号を供給し各種の制御を行う。
その他の点は、第2実施形態と同様である。
(開閉機構及び副燃焼室の詳細構成)
開閉機構170及び副燃焼室161の拡大断面図を、図22,図24,図25に示す。図22,図24,図25に示す断面図は、シリンダ軸CAを含む面で切った断面図である。
副燃焼室161には、上部から下部に至る位置に、開閉機構170が設けられている。開閉機構170は、主として、電磁駆動機構81i及び弁体182を備える。
弁体182と移動部材71iとは連結軸79で連結されており、スプリング74から受ける力と電磁コイル75iから受ける電磁力との差に相当する力が、連結軸79を介して弁体182に伝達されるようになっている。
また、弁体182は、第1連通開口161dの近傍に設けられており、第1連通開口161dを開閉する。連結軸79は、副燃焼室161の上方の外側から、上壁(副燃焼室壁161c)を下方へ貫通して、弁体182に連結されている先端が第1連通開口161d又は主燃焼室63に位置するように取り付けられている。
この弁体182は、図23の斜視図に示すように、円柱を斜めに切った形状をしている。弁体182の傾斜面182cにおいて、第1部分182aは、連結軸79に対して第2部分182bと反対側に設けられている。また、第1部分182aは、第2部分182bよりも底面182dから離れている。一方、複数の第1連通開口161dは、底面182dからの距離が略等しい(図22参照)。これにより、弁体182が複数の第1連通開口161dの一部を閉めることができるようになっており、開閉機構170の開度が可変である。すなわち、開閉機構170は、第1開度と、第1開度と異なる開度である第2開度とを、変えることができるようになっている。
例えば、第1連通開口161dが2つしかない場合を考える。図22の場合、第1部分182aが副室側開口部161daよりも下方に位置しており、第2部分182bが副室側開口部161dbよりも下方に位置している。このため、第1連通開口161dが2つとも開かれているので、開度が100%である。
図24の場合、第1部分182aが副室側開口部161daよりも上方に位置しており、第2部分182bが副室側開口部161dbよりも下方に位置している。このため、第1連通開口161dが1つだけ開かれているので、開度が50%である。
図25の場合、第1部分182aが副室側開口部161daよりも上方に位置しており、第2部分182bが副室側開口部161dbよりも上方に位置している。このため、第1連通開口161dが2つとも閉められているので、開度が0%である。
その他の点は、第2実施形態と同様である。
(開閉機構の詳細動作)
電磁コイル75iに第1電流I101が流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第1電流I101は、開閉機構170の開度が第1開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体182に伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第1リフト量で弁体182が引き上げられた状態になる。これにより、弁体182は、第1開度で第1連通開口161dを開く。
ここで、第1連通開口161dの開口面積Sdは、第1開度に対応した値Sd101となっている。また、複数の第2連通開口161eの開口面積の合計Seは、一定値Se101となっている。そして、連通路161fの総開口面積は、
S101=Sd101+Se101 (26)
となっている。
一方、電磁コイル75iに第2電流I102(>I101)が流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第2電流I102は、開閉機構170の開度が第2開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体182に伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態に比べて、第2リフト量(>第1リフト量)で弁体182が引き上げられた状態になる。これにより、弁体182は、第2開度(<第1開度)で第1連通開口161dを開く。
ここで、第1連通開口161dの開口面積Sdは、第2開度に対応した値Sd102となっている。また、複数の第2連通開口161eの開口面積の合計Seは、一定値Se101となっている。そして、連通路161fの総開口面積は、
S102=Sd102+Se101 (27)
となっている。
また、
第1開度>第2開度 (28)
であるので、
Sd101>Sd102 (29)
となる。さらに、式(26)及び式(27)と式(29)とにより、
S101>S102 (30)
であることが導かれる。
このように、電磁駆動機構81iは、電磁力を介して弁体182を駆動する。
(ECUの詳細構成)
ECU140は、開閉制御部45iの代わりに開閉制御部145を備え、記憶部47iの代わりに記憶部147を備える。記憶部147は、開閉制御情報(図8(b)参照)の代わりに開閉制御情報(図28(b)参照)を記憶し、マップ情報(図26,図27参照)をさらに記憶している。
ECU140は、各種の制御を行うためのロジックを実行するだけでなく、開閉機構170を制御するためのロジックを実行する。
その他の点は、第2実施形態と同様である。
(ECUの詳細動作)
開閉制御部145は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、開閉制御部145は、記憶部147を参照し、開閉制御情報(図28(b)参照)及びマップ情報(図26,図27参照)を記憶部147から受け取る。開閉制御部145は、機関負荷や機関速度の情報と開閉制御情報及びマップ情報となどに基づいて、開閉制御信号を生成する。これにより、開閉機構170は、開閉制御信号に基づいて、所定のタイミングにおいて弁体182を所定量だけリフトさせて第1連通開口161dを開く。すなわち、ECU140は、電磁駆動機構81iが移動部材71iを介して弁体182をリフトする量を制御することにより、開閉機構170の開度を制御する。
その他の点は、第2実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の制御)
((タイミングに関する制御))
副室式内燃機関100におけるタイミングに関する制御を、図28(a),(b)を参照して説明する。
圧縮行程において、ECU140は、開閉機構170(電磁弁180)の開度を第1開度に制御する。これにより、第1連通開口161dは第1開度で開かれている。そして、連通路161fの総開口面積はS101となっている。また、このとき、主燃焼室63の新気混合気の一部が、連通路161fを介して主燃焼室63から副燃焼室161へ導入される。
次に、タイミング(CA2)において、点火プラグ29は、副燃焼室161の新気混合気を点火する。これにより、副燃焼室161において燃焼が行われ、副燃焼室161の圧力(Ps)が急激に上昇する。このとき、開閉機構170(電磁弁180)は、その開度が第2開度であり、第1連通開口161dを第2開度で開いている。そして、連通路161fの総開口面積はS102となっている。
そして、タイミング(CA101)において、ECU140は、開閉機構170(電磁弁180)の開度を第1開度から第2開度へ変えるように制御する。これにより、第1連通開口161dは第2開度で開かれるようになる。そして、連通路161fの総開口面積はS101からS102へ変わる。
その後、副燃焼室161の圧力(Ps)がさらに上昇し、副燃焼室161の燃焼ガス(火炎)は、連通路161fを介して主燃焼室63へ放射される。このとき、開閉機構170(電磁弁180)が第1連通開口161dを第2開度で開いているので、連通路161fの総開口面積はS102となっている。
そして、タイミング(CA3)において、副燃焼室161の圧力(Ps)は最大となる。このため、副燃焼室161の燃焼ガス(火炎)は、連通路161fを介して主燃焼室63へ放射されている。このときも、開閉機構170(電磁弁180)が第1連通開口161dを第2開度で開いているので、連通路161fの総開口面積はS102となっている。
以上のように、新気混合気が主燃焼室63から連通路161f経由で副燃焼室161に導入されるときの連通路161fの総開口面積S101が、火炎が副燃焼室161から連通路161f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路161fの総開口面積S102よりも大きい。このため、十分な新気混合気を主燃焼室63から連通路161f経由で副燃焼室161に導入することができるようになっている。
また、火炎が副燃焼室161から連通路161f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路161fの総開口面積S102が、新気混合気が主燃焼室63から連通路161f経由で副燃焼室161に導入されるときの連通路161fの総開口面積S101よりも小さい。このため、副燃焼室161から連通路161f経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度を増大させることができるようになっている。
((総開口面積に関する制御))
副室式内燃機関100における総開口面積に関する制御を、図26,図27を参照して説明する。
ECU140の開閉制御部145が参照するマップ情報を、図26,図27に示す。
図26に示すマップ情報には、機関負荷や機関速度と総開口面積S101との関係が示されている。すなわち、機関速度が速い場合に、機関速度が遅い場合に比べて、同一クランク角度に対する実時間が短くなり新気混合気が導入されるための実時間が短くなるので、主燃焼室63の新気混合気が連通路161f経由で副燃焼室161に導入されにくくなる傾向がある。これに対して、ECU140は、マップ情報に基づいて、新気混合気が主燃焼室63から連通路161f経由で副燃焼室161に導入されるときの連通路161fの総開口面積S101を、機関速度が速い場合に、機関速度が遅い場合に比べて大きくする。これにより、機関速度が速い場合に、主燃焼室63の新気混合気が連通路161f経由で副燃焼室161に導入されにくくなることは低減される。
また、機関負荷が低い場合に、機関負荷が高い場合に比べて、副燃焼室161の燃焼期間が長くなる傾向がある。これに対して、ECU140は、新気混合気が主燃焼室63から連通路161f経由で副燃焼室161に導入されるときの連通路161fの総開口面積S101を、機関負荷が低い場合に、機関負荷が高い場合に比べて小さくする。これにより、機関負荷が低い場合に、副燃焼室161に導入された新気混合気の乱流強度が大きくなるので、副燃焼室161の燃焼期間が長くなることは抑えられる。
次に、図27に示すマップ情報には、機関負荷や機関速度と総開口面積S102との関係が示されている。すなわち、機関速度が速い場合に、機関速度が遅い場合に比べて、同一クランク角度に対する実時間が短くなり、クランク角度単位で見た場合に火炎の放射速度が遅くなる傾向がある。これに対して、ECU140は、マップ情報に基づいて、火炎が副燃焼室161から連通路161f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路161fの総開口面積S102を、機関速度が速い場合に、機関速度が遅い場合に比べて大きくする。このため、機関速度が速い場合でも、クランク角度単位で見た場合の火炎の放射速度が低下することは抑えられる。
また、機関負荷が低い場合に、機関負荷が高い場合に比べて、火炎のエネルギーが小さくなり、火炎の放射速度が遅くなる傾向がある。これに対して、ECU140は、火炎が副燃焼室161から連通路161f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路161fの総開口面積S102を、機関負荷が低い場合に、機関負荷が高い場合に比べて小さくする。このため、機関負荷が低い場合でも、火炎の放射速度が低下することは抑えられる。
なお、図26のマップ情報と図27のマップ情報とは、
S101>S102 (30)
の関係が保たれるように決められている。
(副室式内燃機関の特徴)
(1)
ここでは、新気混合気が主燃焼室63から連通路161f経由で副燃焼室161に導入されるときの連通路161fの総開口面積S101が、火炎が副燃焼室161から連通路161f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路161fの総開口面積S102よりも大きい。このため、十分な新気混合気が主燃焼室63から連通路161f経由で副燃焼室161に導入されるので、副燃焼室161における燃焼は安定化する。
また、火炎が副燃焼室161から連通路161f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路161fの総開口面積S102が、新気混合気が主燃焼室63から連通路161f経由で副燃焼室161に導入されるときの連通路161fの総開口面積S101よりも小さい。このため、副燃焼室161から連通路161f経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度は増大する。
このように、副燃焼室161における燃焼は安定化し、主燃焼室63へ放射される火炎の速度は増大する。したがって、主燃焼室63における燃焼期間が短縮するので、主燃焼室63における燃焼は安定化する。
(2)
ここでは、開閉機構170は、第1連通開口161d及び複数の第2連通開口161eのうち第1連通開口161dを開閉する。具体的には、新気混合気が主燃焼室63から連通路161f経由で副燃焼室161に導入されるときに、第1連通開口161d及び複数の第2連通開口161eのうち第1連通開口161dが開かれる。このため、新気混合気が主燃焼室63から連通路161f経由で副燃焼室161に導入されるときの連通路161fの総開口面積S101は、火炎が副燃焼室161から連通路161f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路161fの総開口面積S102よりも大きくなる。
また、火炎が副燃焼室161から連通路161f経由で主燃焼室63へ放射されるときに、第1連通開口161d及び複数の第2連通開口161eのうち第1連通開口161dが閉められる。このため、火炎が副燃焼室161から連通路161f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路161fの総開口面積S102は、新気混合気が主燃焼室63から連通路161f経由で副燃焼室161に導入されるときの連通路161fの総開口面積S101よりも小さくなる。
(3)
ここでは、ECU140は、開閉機構170の開度を制御する。このため、新気混合気が副燃焼室161に導入されるときに、ECU140が開閉機構170の開度を大きく(第1開度に)するので、第1連通開口161dの開口面積Sd101が大きくなり、連通路161fの総開口面積S101は大きくなる。
また、火炎が副燃焼室161から放射されるときに、ECU140が開閉機構170の開度を小さく(第2開度に)するので、第1連通開口161dの開口面積Sd102が小さくなり、連通路161fの総開口面積S102は小さくなる。
(4)
ここでは、ECU140は、電磁駆動機構81iが弁体182をリフトする量を制御することにより、開閉機構170の開度を制御する。具体的には、電磁駆動機構81iは、開閉制御信号をECU140から受け取る。そして、電磁駆動機構81iは、開閉制御信号に基づいて、弁体182をリフトする量を変える。これにより、開閉機構170の開度は、第1開度又は第2開度になる。このように、開閉機構170の開度は簡易に制御される。
(5)
ここでは、ECU140は、新気混合気が主燃焼室63から連通路161f経由で副燃焼室161に導入されるときの連通路161fの総開口面積S101を運転条件に応じて変えるように、開閉機構170を制御する。これにより、開閉機構170は、開閉制御信号に基づいて、その第1開度を適切な開度にする。このため、種々の運転条件において、副燃焼室161に導入される新気混合気が適切なものとなり、副燃焼室161での燃焼は安定化する。
(6)
ここでは、機関速度が速い場合に、機関速度が遅い場合に比べて、主燃焼室63から連通路161f経由で副燃焼室161に新気混合気が導入されにくくなる傾向がある。この場合でも、ECU140は、新気混合気が主燃焼室63から連通路161f経由で副燃焼室161に導入されるときの連通路161fの総開口面積S101を、機関速度が速い場合に、機関速度が遅い場合に比べて大きくする。このため、機関速度が速い場合でも、新気混合気が主燃焼室63から連通路161f経由で副燃焼室161に導入しやすくなる。これにより、種々の運転条件において、十分な量の新気混合気が副燃焼室161に導入されるので、副燃焼室161での燃焼は安定化する。
(7)
ここでは、機関負荷が低い場合に、機関負荷が高い場合に比べて、副燃焼室161の燃焼期間が長くなる傾向がある。この場合でも、ECU140は、新気混合気が主燃焼室63から連通路161f経由で副燃焼室161に導入されるときの連通路161fの総開口面積S101を、機関負荷が低い場合に、機関負荷が高い場合に比べて小さくする。このため、機関負荷が低い場合に、副燃焼室161に導入された新気混合気の乱流強度が大きくなるので、副燃焼室161の燃焼期間が長くなることは抑えられる。このため、種々の機関負荷において、副燃焼室161の燃焼期間は適切なものとなるので、副燃焼室161での燃焼は安定化する。
(8)
ここでは、ECU140は、火炎が副燃焼室161から連通路161f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路161fの総開口面積S102を運転条件に応じて変えるように、開閉機構170を制御する。これにより、開閉機構170は、開閉制御信号に基づいて、その第2開度を適切な開度にする。このため、種々の運転条件において、主燃焼室63へ放射される火炎が適切なものとなり、主燃焼室63での燃焼は安定化する。
(9)
ここでは、機関速度が速い場合に、機関速度が遅い場合に比べて、同一クランク角度に対する実時間が短くなり、クランク角度単位で見た場合に火炎の放射速度が遅くなる傾向がある。この場合でも、ECU140は、火炎が副燃焼室161から連通路161f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路161fの総開口面積S102を、機関速度が速い場合に、機関速度が遅い場合に比べて大きくする。このため、機関速度が速い場合でも、クランク角度単位で見た場合の火炎の放射速度が低下することは抑えられる。これにより、種々の運転条件において、十分な速度の火炎が副燃焼室161から連通路161f経由で主燃焼室63へ放射されるので、主燃焼室63での燃焼は安定化する。
(10)
ここでは、機関負荷が低い場合に、機関負荷が高い場合に比べて、火炎のエネルギーが小さくなり、火炎の放射速度が遅くなる傾向がある。この場合でも、ECU140は、火炎が副燃焼室161から連通路161f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路161fの総開口面積S102を、機関負荷が低い場合に、機関負荷が高い場合に比べて小さくする。このため、機関負荷が低い場合でも、火炎の放射速度が低下することは抑えられる。これにより、種々の運転条件において、十分な速度の火炎が副燃焼室161から連通路161f経由で主燃焼室63へ放射されるので、主燃焼室63での燃焼は安定化する。
(第6実施形態の変形例)
(A)図29に示すように、副室式内燃機関100iは、開閉機構170の代わりに開閉機構(開閉部)170iを備えてもよく、副燃焼室161の代わりに副燃焼室161iを備えてもよい。
この場合、副燃焼室161iは、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁161ciに囲まれている。また、副燃焼室壁161ciの底面には、主燃焼室63と副燃焼室161iとを連通する連通路161fiが形成されている。連通路161fiは、第1連通開口(連通開口)161diと複数の第2連通開口161eとを有する。
副燃焼室161iには、上部から下部に至る位置に、開閉機構170iが設けられている。開閉機構170iは、一部(弁体182i)が第1連通開口161diの近傍に設置され、第1連通開口161diを所定の開度で開閉する。すなわち、開閉機構170iは、その開度が可変である。この開閉機構170iは、電磁力を利用するものであり、電磁弁180iである。そして、開閉機構170iは、主として、電磁駆動機構81i及び弁体182iを備える。
弁体182iは、主燃焼室63に近づくに従って直径が大きくなる円錐台形状をしている。そして、主燃焼室63に最も近い部分の直径が第1連通開口161diの直径よりも大きくなっている。これにより、第1連通開口161diを閉じることができるようになっている。
弁体182iと移動部材71iとは連結軸79で連結されており、スプリング74から受ける力と電磁コイル75iから受ける電磁力との差に相当する力が、連結軸79を介して弁体182iに伝達されるようになっている。
また、弁体182iは、第1連通開口161diの近傍に設けられており、第1連通開口161diを開閉する。連結軸79は、副燃焼室161iの上方の外側から、上壁(副燃焼室壁161ci)を下方へ貫通して、弁体182iに連結されている先端が第1連通開口161di又は主燃焼室63に位置するように取り付けられている。
電磁コイル75iに第1電流I101iが流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第1電流I101iは、開閉機構170iの開度が第1開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体182iに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第1リフト量で弁体182iが引き上げられた状態になる。これにより、弁体182iと副燃焼室壁161ciとの距離L3i,L4iが第1間隔になり、弁体182iは、第1開度で第1連通開口161diを開く。
一方、電磁コイル75iに第2電流I102i(>I101i)が流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第2電流I102iは、開閉機構170iの開度が第2開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体182iに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第2リフト量(>第1リフト量)だけ弁体182iが引き上げられた状態になる。これにより、弁体182iと副燃焼室壁161ciとの距離L3i,L4iが第2間隔(<第1間隔)になり、弁体182iは、第2開度(<第1開度)で第1連通開口161diを開く。
このように、開閉機構170iは、電磁駆動機構81iが弁体182iをリフトする量を変えることにより、その開度を変えて連通路161fiの総開口面積を変えることができるようになっている。
(B)図30に示すように、副室式内燃機関100jは、開閉機構170の代わりに開閉機構(開閉部)170jを備えてもよく、副燃焼室161の代わりに副燃焼室161jを備えてもよい。
この場合、副燃焼室161jは、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁161cjに囲まれている。また、副燃焼室壁161cjの底面には、主燃焼室63と副燃焼室161jとを連通する連通路161fjが形成されている。連通路161fjは、複数の第1連通開口(連通開口)161djと複数の第2連通開口161eと第3連通開口(連通開口)161tjとを有する。第3連通開口161tjは、複数の第1連通開口161djを介して、主燃焼室63と副燃焼室161jとを連通している。
副燃焼室161jには、上部から下部に至る位置に、開閉機構170jが設けられている。開閉機構170jは、一部(針弁182j)が第3連通開口161tjの近傍に設置され、第3連通開口161tjを所定の開度で開閉する。すなわち、開閉機構170jは、その開度が可変である。この開閉機構170jは、電磁力を利用するものであり、電磁弁180jである。そして、開閉機構170jは、主として、電磁駆動機構81i及び針弁182jを備える。
針弁182jは、主燃焼室63に近づくに従って直径が小さくなる逆錐形状をしている。そして、主燃焼室63から最も遠い部分の直径が第3連通開口161tjの直径よりも大きくなっている。これにより、第3連通開口161tjを閉じることができるようになっている。
針弁182jと移動部材71iとは連結軸79で連結されており、スプリング74から受ける力と電磁コイル75iから受ける電磁力との差に相当する力が、連結軸79を介して針弁182jに伝達されるようになっている。
また、針弁182jは、第3連通開口161tjの近傍に設けられており、第3連通開口161tjを開閉する。これにより、針弁182jは、複数の第1連通開口161djを間接的に開閉することになる。連結軸79は、副燃焼室161jの上方の外側から、上壁(副燃焼室壁161cj)を下方へ貫通して、針弁182jに連結されている先端が主燃焼室63に位置するように取り付けられている。
電磁コイル75iに第1電流I101jが流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第1電流I101jは、開閉機構170jの開度が第1開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して針弁182jに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第1リフト量で針弁182jが引き上げられた状態になる。これにより、針弁182jと副燃焼室壁161cjとの距離L3j,L4jが第1間隔になり、針弁182jは、第1開度で第3連通開口161tjを開く。
一方、電磁コイル75iに第2電流I102j(<I101j)が流され磁界が発生するようになると、移動部材71iに働く上向きの電磁力が弱まる。こで、第2電流I102jは、開閉機構170jの開度が第2開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力が弱まったことにより、図面上において下方に下がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して針弁182jに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第2リフト量(<第1リフト量)で針弁182jが引き上げられた状態になる。これにより、針弁182jと副燃焼室壁161cjとの距離L3j,L4jが第2間隔(<第1間隔)になり、針弁182jは、第2開度(<第1開度)で第3連通開口161tjを開く。
このように、開閉機構170jは、電磁駆動機構81iが針弁182jをリフトする量を変えることにより、その開度を変えて連通路161fjの総開口面積を変えることができるようになっている。
(C)図31に示すように、副室式内燃機関100kは、開閉機構170の代わりに開閉機構(開閉部)170kを備えてもよく、副燃焼室161の代わりに副燃焼室161kを備えてもよい。
この場合、副燃焼室161kは、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁161ckに囲まれている。また、副燃焼室壁161ckの底面には、主燃焼室63と副燃焼室161kとを連通する連通路161fkが形成されている。連通路161fkは、複数の第1連通開口(連通開口)161dkと複数の第2連通開口161eと第3連通開口(連通開口)161tkとを有する。第3連通開口161tkは、複数の第1連通開口161dkを介して、主燃焼室63と副燃焼室161kとを連通している。
副燃焼室161kには、上部から下部に至る位置に、開閉機構170kが設けられている。開閉機構170kは、一部(弁体182k)が第3連通開口161tkの近傍に設置され、第3連通開口161tkを所定の開度で開閉する。すなわち、開閉機構170kは、その開度が可変である。この開閉機構170kは、電磁力を利用するものであり、電磁弁180kである。そして、開閉機構170kは、主として、電磁駆動機構81i及び弁体182kを備える。
弁体182kは、主燃焼室63に近づくに従って直径が大きくなる円錐台形状をしている。そして、主燃焼室63に最も近い部分の直径が第3連通開口161tkの直径よりも大きくなっている。これにより、第3連通開口161tkを閉じることができるようになっている。
弁体182kと移動部材71iとは連結軸79で連結されており、スプリング74から受ける力と電磁コイル75iから受ける電磁力との差に相当する力が、連結軸79を介して弁体182kに伝達されるようになっている。
また、弁体182kは、第3連通開口161tkの近傍に設けられており、第3連通開口161tkを開閉する。これにより、弁体182kは、複数の第1連通開口161dkを間接的に開閉することになる。連結軸79は、副燃焼室161kの上方の外側から、上壁(副燃焼室壁161ck)を下方へ貫通して、弁体182kに連結されている先端が第3連通開口161tk付近に位置するように取り付けられている。
電磁コイル75iに第1電流I101kが流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第1電流I101kは、開閉機構170kの開度が第1開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体182kに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第1リフト量で弁体182kが引き上げられた状態になる。これにより、弁体182kと副燃焼室壁161ckとの距離L3k,L4kが第1間隔になり、弁体182kは、第1開度で第3連通開口161tkを開く。
一方、電磁コイル75iに第2電流I102k(>I101k)が流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第2電流I102kは、開閉機構170kの開度が第2開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体182kに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第2リフト量(>第1リフト量)で弁体182kが引き上げられた状態になる。これにより、弁体182kと副燃焼室壁161ckとの距離L3k,L4kが第2間隔(<第1間隔)になり、弁体182kは、第2開度(<第1開度)で第3連通開口161tkを開く。
このように、開閉機構170kは、電磁駆動機構81iが弁体182kをリフトする量を変えることにより、その開度を変えて連通路161fkの総開口面積を変えることができるようになっている。
<第7実施形態>
本発明の第7実施形態に係る副室式内燃機関の断面図を図32に示す。
副室式内燃機関200は、基本的な構成は第4実施形態と同様であるが、開閉機構70kの代わりに開閉機構(開閉部)270を備えている点と、ECU40kの代わりにECU(制御部)240を備えている点と、副燃焼室61kの代わりに副燃焼室261を備えている点とで、第4実施形態と異なる。
(副室式内燃機関の概略構成)
副燃焼室261は、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁261cに囲まれている。具体的には、シリンダヘッド20において吸気ポート23と排気ポート24との間に形成された空間に、略円筒形状の副燃焼室壁261cが配置され、副燃焼室261が形成される。
また、副燃焼室壁261cの底面には、主燃焼室63と副燃焼室261とを連通する連通路261fが形成されている。連通路261fは、複数の第1連通開口(連通開口)261dと第3連通開口(連通開口)261tとを有する。第3連通開口261tは、複数の第1連通開口261dを介して、主燃焼室63と副燃焼室261とを連通している。
開閉機構270は、一部(弁体282)が第3連通開口261tの近傍に設置され、第3連通開口261tを所定の開度で開閉する。すなわち、開閉機構270は、開度が可変である。この開閉機構270は、電磁力を利用するものであり、電磁弁280である。
ECU240は、燃料噴射弁27、点火プラグ29、開閉機構270などに電気的に接続されている。
その他の点は、第4実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の概略動作)
ECU240は、燃料噴射弁27、点火プラグ29、開閉機構270などに対して、制御の信号を供給し各種の制御を行う。
その他の点は、第4実施形態と同様である。
(開閉機構及び副燃焼室の詳細構成)
開閉機構270及び副燃焼室261の拡大断面図を、図33〜図35に示す。図33〜図35に示す断面図は、シリンダ軸CAを含む面で切った断面図である。
副燃焼室261は、図33に示すように、副燃焼室壁261cに囲まれた室である。副燃焼室261は、シリンダ軸CAを中心軸とする略円筒形状である。
副燃焼室261には、上部から下部に至る位置に、開閉機構270が設けられている。開閉機構270は、主として、電磁駆動機構81i及び弁体282を備える。
弁体282は、主燃焼室63に近づくに従って直径が大きくなる円錐台形状をしている。そして、主燃焼室63に最も近い部分の直径が第3連通開口261tの直径よりも大きくなっている。これにより、第3連通開口261tを閉じることができるようになっている(図34参照)。
弁体282と移動部材71iとは連結軸79で連結されており、スプリング74から受ける力と電磁コイル75iから受ける電磁力との差に相当する力が、連結軸79を介して弁体282に伝達されるようになっている。
また、弁体282は、第3連通開口261tの近傍に設けられており、第3連通開口261tを開閉する。これにより、弁体282は、複数の第1連通開口261dを間接的に開閉することになる。連結軸79は、副燃焼室261の上方の外側から、上壁(副燃焼室壁261c)を下方へ貫通して、弁体282に連結されている先端が第3連通開口261t付近に位置するように取り付けられている。ここで、電磁駆動機構81iは、弁体282をリフトする量を変えることにより、弁体282と副燃焼室壁261cとの間隔L51,L61に対応した第1開度と、弁体282と副燃焼室壁261cとの間隔L52,L62に対応した第2開度(図35参照)と、弁体282と副燃焼室壁261cとの間隔が0となる第3開度(図34参照)とを、変えることができるようになっている。
その他の点は、第4実施形態と同様である。
(開閉機構の詳細動作)
図33に示すように、電磁コイル75iに第1電流I201が流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第1電流I201は、開閉機構270の開度が第1開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体282に伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第1リフト量で弁体282が引き上げられた状態になる。これにより、弁体282と副燃焼室壁261cとの距離が第1間隔L51,L61になり、弁体282は、第1開度で第3連通開口261tを開く。
ここで、第3連通開口261tの開口面積Stは、第1開度で第3連通開口261tを開いているので、第1間隔L51,L61に対応した値St201となっている。そして、連通路261fの総開口面積は、
S201=St201 (31)
となっている。
次に、図34に示すように、電磁コイル75iに第3電流I203(>I201)が流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第3電流I203は、開閉機構270の開度が第3開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体282に伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第3リフト量(>第1リフト量)で弁体282が引き上げられた状態になる。これにより、弁体282と副燃焼室壁261cとの距離が第3間隔(=0)になり、弁体282は、第3開度(=0%)で第3連通開口261tを開く。すなわち、弁体282は、第3連通開口261tを閉じる。
ここで、第3連通開口261tの開口面積Stは、第3開度で第3連通開口261tを開いているので、0となっている。そして、連通路261fの総開口面積は、
S203=0 (32)
となっている。
そして、図35に示すように、電磁コイル75iに第2電流I202(>I201,<I203)が流され磁界が発生するようになると、移動部材71iに働く上向きの電磁力が弱まる。ここで、第2電流I202は、開閉機構270の開度が第2開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を弱まったことにより、図面上において下方に下がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体282に伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第2リフト量(>第1リフト量,<第3リフト量)で弁体282が引き上げられた状態になる。これにより、弁体282と副燃焼室壁261cとの距離が第2間隔L52,L62になり、弁体282は、第2開度(<第1開度、>第3開度)で第3連通開口261tを開く。
ここで、第3連通開口261tの開口面積Stは、第2開度で第3連通開口261tを開いているので、第2間隔L52,L62(<第1間隔,>第3間隔)に対応した値St202となっている。そして、連通路261fの総開口面積は、
S202=St202 (33)
となっている。
また、図33,図35から
L51>L52 (34)
L61>L62 (35)
であり、
St201>St202>0 (36)
となる。さらに、式(31)〜式(33)と式(36)とにより、
S201>S202>S203 (37)
であることが導かれる。
このように、電磁駆動機構81iは、電磁力を介して弁体282を駆動する。
(ECUの詳細構成)
ECU240は、燃焼噴射制御部43の代わりに燃焼噴射制御部243を備え、点火時期制御部44の代わりに点火時期制御部244を備え、開閉制御部45kの代わりに開閉制御部245を備え、記憶部47kの代わりに記憶部247を備える。記憶部247は、開閉制御情報(図17(b)参照)の代わりに開閉制御情報(図43(b)参照)を記憶し、マップ情報(図36〜図41参照)をさらに記憶している。
ECU240は、各種の制御を行うためのロジックを実行するだけでなく、開閉機構270を制御するためのロジックを実行する。
その他の点は、第4実施形態と同様である。
(ECUの詳細動作)
燃料噴射制御部243は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、燃料噴射制御部243は、記憶部247を参照し、マップ情報(図38参照)を記憶部247から受け取る。燃料噴射制御部243は、機関負荷や機関速度の情報とマップ情報となどに基づいて、噴射量制御信号を生成する。これにより、燃料噴射弁27は、噴射量制御信号に基づいて所定の噴射量で燃料を噴射する。
点火時期制御部244は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、点火時期制御部244は、記憶部247を参照し、マップ情報(図41参照)を記憶部247から受け取る。点火時期制御部244は、機関負荷や機関速度の情報などに基づいて、点火時期制御信号を生成する。これにより、点火プラグ29は、点火時期制御信号に基づいて所定のタイミングでスパークを発生させる。
開閉制御部245は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、開閉制御部245は、記憶部247を参照し、開閉制御情報(図43(b)参照)及びマップ情報(図36,図37,図39,図40参照)を記憶部247から受け取る。開閉制御部245は、機関負荷や機関速度の情報と開閉制御情報及びマップ情報となどに基づいて、開閉制御信号を生成する。これにより、開閉機構270は、開閉制御信号に基づいて、所定のタイミングにおいて弁体282を所定量だけリフトさせて第1連通開口261dを開閉する。すなわち、ECU240は、電磁駆動機構81iが移動部材71iを介して弁体282をリフトする量を制御することにより、開閉機構270の開度を制御する。
その他の点は、第4実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の制御)
((タイミングに関する制御))
副室式内燃機関におけるタイミングに関する制御を、図43(a),(b)を参照して説明する。なお、図43(a)において、第1期間T1(図43(b)参照)において開閉機構270の開度が第2開度に制御された場合について、副燃焼室の圧力(Ps)が破線で示されている。
圧縮行程において、ECU240は、開閉機構270(電磁弁280)の開度を第1開度に制御する。これにより、第3連通開口261tは第1開度で開かれている。そして、連通路261fの総開口面積はS201となっている。また、このとき、主燃焼室63の新気混合気の一部が、連通路261fを介して主燃焼室63から副燃焼室261へ導入される。
次に、タイミング(CA201)において、ECU240は、開閉機構270(電磁弁280)の開度を第1開度から第3開度へ変えるように制御する。これにより、第3連通開口261tは第3開度で開かれるようになる。すなわち、第3連通開口261tは閉じる。そして、連通路261fの総開口面積はS201からS203へ変わる。なお、タイミング(CA201)は、後述のタイミング(CA2)の直前のタイミングである。これにより、第1期間T1において、連通路261fの総開口面積はS203になる。なお、第1期間T1は、タイミング(CA201)から後述のタイミング(CA204)までの期間である。
そして、タイミング(CA2)において、点火プラグ29は、副燃焼室261の新気混合気を点火する。これにより、副燃焼室261において燃焼が行われ、副燃焼室261の圧力(Ps)が急激に上昇する。このとき、開閉機構270(電磁弁280)は、その開度が第3開度であり、第3連通開口261tを第3開度で開いている。すなわち、第3連通開口261tは閉じている。そして、連通路261fの総開口面積はS203(=0)となっている。これにより、図43(a)に示すように、第1期間T1において開閉機構270の開度が第2開度に制御された場合に比べて、副燃焼室261の圧力(Ps)は主燃焼室63の圧力よりも十分に高くなる。
その後、副燃焼室261の圧力(Ps)がさらに上昇するが、第3連通開口261tは閉じているので、副燃焼室261の燃焼ガス(火炎)は、連通路261fを介して主燃焼室63へ放射されない。このとき、開閉機構270(電磁弁280)が第3連通開口261tを閉じている(第3開度で開いている)ので、連通路261fの総開口面積はS203となっている。そして、第1期間T1において開閉機構270の開度が第2開度に制御された場合よりも、副燃焼室261の圧力(Ps)は主燃焼室63の圧力よりもさらに十分に高くなっている。
そして、タイミング(CA3)において、副燃焼室261の圧力(Ps)は最大となる。このときも、第3連通開口261tは閉じているので、副燃焼室261の燃焼ガス(火炎)は、連通路261fを介して主燃焼室63へ放射されない。
タイミング(CA204)において、ECU240は、開閉機構270(電磁弁280)の開度を第3開度から第2開度へ変えるように制御する。これにより、第3連通開口261tは第2開度で開かれるようになる。そして、連通路261fの総開口面積はS203からS202へ変わる。これにより、副燃焼室261の燃焼ガス(火炎)は、連通路261fを介して主燃焼室63へ放射される。すなわち、火炎が主燃焼室63へ放射されるときに、連通路261fの総開口面積はS202となっている。
以上のように、新気混合気が主燃焼室63から連通路261f経由で副燃焼室261に導入されるときの連通路261fの総開口面積S201が、火炎が副燃焼室261から連通路261f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路261fの総開口面積S202よりも大きい。このため、十分な新気混合気を主燃焼室63から連通路261f経由で副燃焼室261に導入することができるようになっている。
また、火炎が副燃焼室261から連通路261f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路261fの総開口面積S202が、新気混合気が主燃焼室63から連通路261f経由で副燃焼室261に導入されるときの連通路261fの総開口面積S201よりも小さい。このため、副燃焼室261から連通路261f経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度を増大させることができるようになっている。
さらに、第1期間T1における連通路261fの総開口面積S203が、火炎が副燃焼室261から連通路261f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路261fの総開口面積S202よりも小さくなっている。このため、第1期間T1において開閉機構270の開度が第2開度に制御された場合よりも、火炎が副燃焼室261から連通路261f経由で主燃焼室63へ放射されるときの副燃焼室261の圧力はさらに高くなっている。この結果、副燃焼室261から連通路261f経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度をさらに増大させることができるようになっている。
((第1期間に関する制御))
副室式内燃機関における第1期間に関する制御を、図36〜図41を参照して説明する。
ECU240の開閉制御部245が参照するマップ情報を、図36〜図41に示す。図36,図39に示すマップ情報には、機関負荷や機関速度と第1期間T1の長さとの関係が示されている。
すなわち、機関速度が速い場合に、機関速度が遅い場合に比べて、同一クランク角度に対する実時間が短くなり、クランク角度単位で見た場合に火炎の放射速度が遅くなる傾向がある。この場合でも、図36,図39(b)に示すように、ECU240は、機関速度が速い場合の第1期間T1を、機関速度が遅い場合の第1期間T1に比べてクランク角度単位で長くする。このため、機関速度が速い場合でも、副燃焼室261の圧力(Ps)が主燃焼室63の圧力よりも十分に大きくなるので、クランク角度単位で見た場合に火炎の放射速度が低下することは抑えられる。
ここで、図37,図40(b)に示すように、ECU240は、第3連通開口261tを第2開度で開き始めるタイミング(CA204)を主として変えることにより、第1期間T1を変える。すなわち、ECU240は、機関速度が速い場合のタイミング(CA204)を、機関速度が遅い場合のタイミング(CA204)に比べて遅角する。これにより、機関速度が速い場合の第1期間T1は、機関速度が遅い場合の第1期間T1に比べてクランク角度単位で長くなる。これに伴い、図41(b)に示すように、ECU240は、機関速度が速い場合の点火タイミング(CA2)を、機関速度が遅い場合のタイミング(CA2)に比べて進角する。
また、図38に示すように、ECU240は、副燃焼室261の当量比を、機関負荷が低い場合に、機関負荷が高い場合に比べて小さくする。そして、副燃焼室261の当量比が小さくなることにより、火炎のエネルギーが小さくなり、実時間単位で火炎の放射速度が遅くなる傾向がある。この場合でも、図36,図39(a)に示すように、ECU240は、機関負荷が低い場合の第1期間T1を、機関負荷が高い場合の第1期間T1に比べて実時間単位で長くする。このため、機関負荷が低い場合でも、副燃焼室261の圧力(Ps)が主燃焼室63の圧力よりも十分に大きくなるので、実時間単位で見た場合に火炎の放射速度が低下することは抑えられる。
ここで、図37,図40(a)に示すように、ECU240は、第3連通開口261tを第2開度で開き始めるタイミング(CA204)を主として変えることにより、第1期間T1を変える。すなわち、ECU240は、機関負荷が低い場合のタイミング(CA204)を、機関負荷が高い場合のタイミング(CA204)に比べて遅角する。これにより、機関負荷が低い場合の第1期間T1は、機関負荷が高い場合の第1期間T1に比べて実時間単位で長くなる。これに伴い、図41(a)に示すように、ECU240は、機関負荷が低い場合の点火タイミング(CA2)を、機関負荷が高い場合のタイミング(CA2)に比べて進角する。
なお、図36,図37に示すマップ情報において、制御範囲の境界線291,292と縦軸及び横軸とで囲まれた領域は、機関負荷に応じて副燃焼室261の当量比が制御される範囲を示している。
((副室式内燃機関の制御の流れ))
副室式内燃機関の制御の流れを、図42に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS1では、センサによる検出が行われる。すなわち、ECU240には、クランク角センサ(図示せず)で検出されたクランク角信号、水温センサ(図示せず)で検出された冷却水温信号、アクセル開度センサ(図示せず)で検出されたアクセル開度信号などが入力される。
ステップS2では、運転条件が演算される。すなわち、負荷演算部41や速度演算部42は、クランク角信号、冷却水温信号及びアクセル開度信号などを受け取る。負荷演算部41は、これらの信号に基づいて、機関負荷を演算する。速度演算部42は、これらの信号に基づいて、機関速度を演算する。
ステップS3では、副燃焼室の当量比が制御される。すなわち、燃料噴射制御部243は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、燃料噴射制御部243は、記憶部247を参照し、マップ情報(図38参照)を記憶部247から受け取る。燃料噴射制御部243は、機関負荷や機関速度の情報とマップ情報となどに基づいて、噴射量制御信号を生成する。これにより、燃料噴射弁27は、噴射量制御信号に基づいて所定の噴射量で燃料を噴射する。このように、主燃焼室63の当量比が制御されるので、主燃焼室63と連通されている副燃焼室261の当量比も制御される。
ステップS4では、第1期間が制御される。すなわち、開閉制御部245は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、開閉制御部245は、記憶部247を参照し、開閉制御情報(図43(b)参照)及びマップ情報(図36,図37,図39,図40参照)を記憶部247から受け取る。開閉制御部245は、機関負荷や機関速度の情報と開閉制御情報及びマップ情報となどに基づいて、開閉制御信号を生成する。これにより、開閉機構270は、開閉制御信号に基づいて、所定のタイミングにおいて弁体282を所定量だけリフトさせて第1連通開口261dを開閉する。すなわち、ECU240は、電磁駆動機構81iが弁体282をリフトする量を制御することにより、開閉機構270の開度を制御する。
具体的には、ECU240は、第1期間T1における連通路261fの総開口面積S203が、火炎が副燃焼室261から連通路261f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路261fの総開口面積S202よりも小さくなるように、開閉機構270を制御する。また、ECU240は、運転条件に応じて第1期間T1を変えるように、開閉機構270の開度を制御する。
ステップS5では、点火時期が制御される。すなわち、点火時期制御部244は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、点火時期制御部244は、記憶部247を参照し、マップ情報(図41参照)を記憶部247から受け取る。点火時期制御部244は、機関負荷や機関速度の情報などに基づいて、点火時期制御信号を生成する。これにより、点火プラグ29は、点火時期制御信号に基づいて所定のタイミングでスパークを発生させる。
(副室式内燃機関の特徴)
(1)
ここでは、新気混合気が主燃焼室63から連通路261f経由で副燃焼室261に導入されるときの連通路261fの総開口面積S201が、火炎が副燃焼室261から連通路261f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路261fの総開口面積S202よりも大きい。このため、十分な新気混合気が主燃焼室63から連通路261f経由で副燃焼室261に導入されるので、副燃焼室261における燃焼は安定化する。
また、火炎が副燃焼室261から連通路261f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路261fの総開口面積S202が、新気混合気が主燃焼室63から連通路261f経由で副燃焼室261に導入されるときの連通路261fの総開口面積S201よりも小さい。このため、副燃焼室261から連通路261f経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度は増大する。
このように、副燃焼室261における燃焼は安定化し、主燃焼室63へ放射される火炎の速度は増大する。したがって、主燃焼室63における燃焼期間が短縮するので、主燃焼室63における燃焼は安定化する。
(2)
ここでは、ECU240は、開閉機構270の開度を制御する。このため、新気混合気が副燃焼室261に導入されるときに、ECU240が開閉機構270の開度を大きく(第1開度に)するので、第3連通開口261tの開口面積St201が大きくなり、連通路261fの総開口面積S201は大きくなる。
また、火炎が副燃焼室261から放射されるときに、ECU240が開閉機構270の開度を小さく(第2開度に)するので、第3連通開口261tの開口面積St202が小さくなり、連通路261fの総開口面積S202は小さくなる。
(3)
ここでは、ECU240は、電磁駆動機構81iが弁体282をリフトする量を制御することにより、開閉機構270の開度を制御する。具体的には、電磁駆動機構81iは、開閉制御信号をECU240から受け取る。そして、電磁駆動機構81iは、開閉制御信号に基づいて、弁体282をリフトする量を変える。これにより、開閉機構270の開度は、第1開度,第2開度又は第3開度になる。このように、開閉機構270の開度は簡易に制御される。
(4)
ここでは、ECU240は、第1期間T1における連通路261fの総開口面積S203が、火炎が副燃焼室261から主燃焼室63へ放射されるときの連通路261fの総開口面積S202よりも小さくなるように、開閉機構270を制御する。このため、第1期間T1において開閉機構270の開度が第2開度に制御された場合に比べて、副燃焼室261の圧力(Ps)が主燃焼室63の圧力よりも十分に大きくなるので、十分な速度の火炎が副燃焼室261から連通路261f経由で主燃焼室63へ放射されるようになる。これにより、主燃焼室63での燃焼は安定化する。
(5)
ここでは、第1期間T1は、点火プラグ29が新気混合気を点火するタイミング(CA2)から、副燃焼室261の圧力が最大となるタイミング(CA3)までの期間を含む。このため、第1期間T1において開閉機構270の開度が第2開度に制御された場合に比べて、副燃焼室261の圧力(Ps)は主燃焼室63の圧力よりも十分に大きくなる。
(6)
ここでは、ECU240は、運転条件に応じて第1期間T1を変えるように、開閉機構270を制御する。これにより、開閉機構270は、開閉制御信号に基づいて、適切な期間においてその開度が第3開度になる。このため、種々の運転条件において、十分な量の火炎が副燃焼室261から連通路261f経由で主燃焼室63へ放射されるようになる。この結果、主燃焼室63での燃焼は安定化する。
(7)
ここでは、機関速度が速い場合に、機関速度が遅い場合に比べて、同一クランク角度に対する実時間が短くなり、クランク角度単位で見た場合に火炎の放射速度が遅くなる傾向がある。この場合でも、ECU240は、機関速度が速い場合の第1期間T1を、機関速度が遅い場合の第1期間T1に比べてクランク角度単位で長くする。このため、機関速度が速い場合でも、副燃焼室261の圧力(Ps)が主燃焼室63の圧力よりも十分大きくなるので、クランク角度単位で見た場合に火炎の放射速度が低下することは抑えられる。これにより、種々の運転条件において、クランク角度単位で見た場合に十分な速度の火炎が副燃焼室261から連通路261f経由で主燃焼室63へ放射する。
(8)
ここでは、機関負荷が低い場合に、機関負荷が高い場合に比べて、火炎のエネルギーが小さくなり、実時間単位で火炎の放射速度が遅くなる傾向がある。この場合でも、ECU240は、機関負荷が低い場合の第1期間T1を、機関負荷が高い場合の第1期間T1に比べて実時間単位で長くする。このため、機関負荷が低い場合でも、副燃焼室261の圧力(Ps)が主燃焼室63の圧力よりも十分大きくなるので、実時間単位で見た場合に火炎の放射速度が低下することは抑えられる。これにより、種々の運転条件において、実時間単位で見た場合に十分な速度の火炎が副燃焼室261から連通路261f経由で主燃焼室63へ放射される。
(9)
ここでは、ECU240は、主としてタイミング(CA204)を変えることにより第1期間T1を変えるように、開閉機構270を制御する。ここで、主燃焼室63の燃焼期間が適切なものとなるように、火炎が副燃焼室261から連通路261f経由で主燃焼室63へ放射される適切な時期は、図37に示すマップ情報と同様の傾向になる。そして、第1期間T1の始期となるタイミング(CA201)がほとんど変えられずに、運転条件に応じて、第1期間T1の終期となるタイミング(CA204)が変えられることにより、第1機関T1の長さは、図36に示すマップ情報のようになる。このように、運転条件に応じて第1期間T1の主として終期が変えられることにより、種々の運転条件において、火炎が副燃焼室261から連通路261f経由で主燃焼室63へ放射される時期は適切なものとなり、主燃焼室63の燃焼期間が適切なものとなる。
(10)
ここでは、ECU240は、機関速度が速い場合のタイミング(CA204)を、機関速度が遅い場合のタイミング(CA204)に比べて遅角する。これにより、機関速度が速い場合の第1期間T1は、機関速度が遅い場合の第1期間T1に比べてクランク角度単位で長くなる。
(11)
ここでは、ECU240は、機関負荷が低い場合のタイミング(CA204)を、機関負荷が高い場合のタイミング(CA204)に比べて遅角する。これにより、機関負荷が低い場合の第1期間T1は、機関負荷が高い場合の第1期間T1に比べて実時間単位で長くなる。
(第7実施形態の変形例)
(A)ECU240は、第1期間T1における連通路261fの総開口面積S203を0よりも大きな値になるように制御しても良い。この場合でも、第1期間T1における連通路261fの総開口面積S203が、火炎が副燃焼室261から主燃焼室63へ放射されるときの連通路261fの総開口面積S202よりも小さくなるように制御されれば、第1期間T1において開閉機構270の開度が第2開度に制御された場合に比べて、副燃焼室261の圧力(Ps)は主燃焼室63の圧力よりも十分に大きくなる。
(B)副室式内燃機関200では、さらにタイミング(CA201)が変えられても良い。この場合、ECU240は、タイミング(CA204)に加えてさらにタイミング(CA201)を変えることにより第1期間T1を変えるように、開閉機構270を制御する。ここで、第1期間T1の始期となるタイミング(CA201)がほとんど変えられずに主としてタイミング(CA204)が変えられると、タイミング(CA204)は、運転状態に応じて、図36に示すマップ情報に基づいて決まる第1期間T1の長さに従って、決まることになる。そうすると、タイミング(CA204)が、必ずしも、火炎が副燃焼室261から連通路261f経由で主燃焼室63へ放射される適切な時期と一致しないこともある。
この場合でも、タイミング(CA204)が、火炎が副燃焼室261から連通路261f経由で主燃焼室63へ放射される適切な時期と一致するようにされた上で、運転条件に応じて第1期間T1のさらに始期が変えられれば、種々の運転条件において、火炎が副燃焼室261から連通路261f経由で主燃焼室63へ放射される時期は適切なものとなる。
(C)図44に示すように、副室式内燃機関200iは、開閉機構270の代わりに開閉機構(開閉部)270iを備えてもよく、副燃焼室261の代わりに副燃焼室261iを備えてもよい。
この場合、副燃焼室261iは、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁261ciに囲まれている。また、副燃焼室壁261ciの底面には、主燃焼室63と副燃焼室261iとを連通する連通路261fiが形成されている。連通路261fiは、第1連通開口(連通開口)261diと複数の第2連通開口(連通開口)261eiとを有する。
副燃焼室261iには、上部から下部に至る位置に、開閉機構270iが設けられている。開閉機構270iは、一部(弁体282i)が第1連通開口261diの近傍に設置され、第1連通開口261diを所定の開度で開閉する。すなわち、開閉機構270iは、その開度が可変である。この開閉機構270iは、電磁力を利用するものであり、電磁弁280iである。そして、開閉機構270iは、主として、電磁駆動機構81i及び弁体282iを備える。
弁体282iは、主燃焼室63に近づくに従って直径が大きくなる円錐台形状をしている。そして、主燃焼室63に最も近い部分の直径が第1連通開口261diの直径よりも大きくなっている。これにより、第1連通開口261diを閉じることができるようになっている。
弁体282iと移動部材71iとは連結軸79で連結されており、スプリング74から受ける力と電磁コイル75iから受ける電磁力との差に相当する力が、連結軸79を介して弁体282iに伝達されるようになっている。
また、弁体282iは、第1連通開口261diの近傍に設けられており、第1連通開口261diを開閉する。連結軸79は、副燃焼室261iの上方の外側から、上壁(副燃焼室壁261ci)を下方へ貫通して、弁体282iに連結されている先端が第1連通開口261di付近に位置するように取り付けられている。
電磁コイル75iに第1電流I201iが流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第1電流I201iは、開閉機構270iの開度が第1開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体282iに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第1リフト量で弁体282iが引き上げられた状態になる。これにより、弁体282iと副燃焼室壁261ciとの距離L5i,L6iが第1間隔になり、弁体282iは、第1開度で第1連通開口261diを開く。
次に、電磁コイル75iに第3電流I203i(>I201i)が流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第3電流I203iは、開閉機構270iの開度が第3開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体282iに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第3リフト量(>第1リフト量)で弁体282iが引き上げられた状態になる。これにより、弁体282iと副燃焼室壁261ciとの距離が第3間隔(=0)になり、弁体282iは、第3開度(=0%)で第1連通開口261diを開く。すなわち、弁体282iは、第1連通開口261diを閉じる。
一方、電磁コイル75iに第2電流I202i(>I201i,<I203i)が流され磁界が発生するようになると、移動部材71iに働く上向きの電磁力が弱まる。ここで、第2電流I202iは、開閉機構270iの開度が第2開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を弱まったことにより、図面上において下方に下がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体282iに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第2リフト量(>第1リフト量,<第3リフト量)で弁体282iが引き上げられた状態になる。これにより、弁体282iと副燃焼室壁261ciとの距離L5i,L6iが第2間隔(<第1間隔,>第3間隔)になり、弁体282iは、第2開度(<第1開度,>第3開度)で第1連通開口261diを開く。
このように、開閉機構270iは、電磁駆動機構81iが弁体282iをリフトする量を変えることにより、その開度を変えて連通路261fiの総開口面積を変えることができるようになっている。
(D)図45に示すように、副室式内燃機関200jは、開閉機構270の代わりに開閉機構(開閉部)270jを備えてもよく、副燃焼室261の代わりに副燃焼室261jを備えてもよい。
この場合、副燃焼室261jは、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁261cjに囲まれている。また、副燃焼室壁261cjの底面には、主燃焼室63と副燃焼室261jとを連通する連通路261fjが形成されている。連通路261fjは、複数の第1連通開口(連通開口)261djと複数の第2連通開口(連通開口)261ejと第3連通開口(連通開口)261tjとを有する。第3連通開口261tjは、複数の第1連通開口261djを介して、主燃焼室63と副燃焼室261jとを連通している。
副燃焼室261jには、上部から下部に至る位置に、開閉機構270jが設けられている。開閉機構270jは、一部(針弁282j)が第3連通開口261tjの近傍に設置され、第3連通開口261tjを所定の開度で開閉する。すなわち、開閉機構270jは、その開度が可変である。この開閉機構270jは、電磁力を利用するものであり、電磁弁280jである。そして、開閉機構270jは、主として、電磁駆動機構81i及び針弁282jを備える。
針弁282jは、主燃焼室63に近づくに従って直径が小さくなる逆錐形状をしている。そして、主燃焼室63から最も遠い部分の直径が第3連通開口261tjの直径よりも大きくなっている。これにより、第3連通開口261tjを閉じることができるようになっている。
針弁282jと移動部材71iとは連結軸79で連結されており、スプリング74から受ける力と電磁コイル75iから受ける電磁力との差に相当する力が、連結軸79を介して針弁282jに伝達されるようになっている。
また、針弁282jは、第3連通開口261tjの近傍に設けられており、第3連通開口261tjを開閉する。これにより、弁体282jは、複数の第1連通開口261djを間接的に開閉することになる。連結軸79は、副燃焼室261jの上方の外側から、上壁(副燃焼室壁261cj)を下方へ貫通して、針弁282jに連結されている先端が第3連通開口261tjの付近に位置するように取り付けられている。
電磁コイル75iに第1電流I201jが流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第1電流I201jは、開閉機構270jの開度が第1開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して針弁282jに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第1リフト量で針弁282jが引き上げられた状態になる。これにより、針弁282jと副燃焼室壁261cjとの距離L5j,L6jが第1間隔になり、針弁282jは、第1開度で第3連通開口261tjを開く。
次に、電磁コイル75iに第3電流I203j(<I201j)が流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第3電流I203jは、開閉機構270jの開度が第1開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体282jに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第3リフト量(<第1リフト量)で弁体282jが引き上げられた状態になる。これにより、弁体282jと副燃焼室壁261cjとの距離が第3間隔(=0)になり、弁体282jは、第3開度(=0%)で第3連通開口261tjを開く。すなわち、弁体282jは、第3連通開口261tjを閉じる。
一方、電磁コイル75iに第2電流I202j(<I201j,>I203j)が流され磁界が発生するようになると、移動部材71iに働く上向きの電磁力が弱まる。ここで、第2電流I202jは、開閉機構270jの開度が第2開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を弱まったことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して針弁282jに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第2リフト量(<第1リフト量,>第3リフト量)で針弁282jが引き上げられた状態になる。これにより、針弁282jと副燃焼室壁261cjとの距離L5j,L6jが第2間隔(<第1間隔,>第3間隔)になり、針弁282jは、第2開度(<第1開度,>第3開度)で第3連通開口261tjを開く。
このように、開閉機構270jは、電磁駆動機構81iが針弁282jをリフトする量を変えることにより、その開度を変えて連通路261fjの総開口面積を変えることができるようになっている。
(E)図46に示すように、副室式内燃機関200kは、開閉機構270の代わりに開閉機構(開閉部)270kを備えてもよく、副燃焼室261の代わりに副燃焼室261kを備えてもよい。
この場合、副燃焼室261kは、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁261ckに囲まれている。また、副燃焼室壁261ckの底面には、主燃焼室63と副燃焼室261kとを連通する連通路261fkが形成されている。連通路261fkは、複数の第1連通開口261dと複数の第2連通開口(連通開口)261ekと第3連通開口(連通開口)261tkとを有する。第3連通開口261tkは、複数の第1連通開口261dを介して、主燃焼室63と副燃焼室261kとを連通している。
副燃焼室261kには、上部から下部に至る位置に、開閉機構270kが設けられている。開閉機構270kは、一部(弁体282k)が第3連通開口261tkの近傍に設置され、第3連通開口261tkを所定の開度で開閉する。すなわち、開閉機構270kは、その開度が可変である。この開閉機構270kは、電磁力を利用するものであり、電磁弁280kである。そして、開閉機構270kは、主として、電磁駆動機構81i及び弁体282kを備える。
弁体282kは、主燃焼室63に近づくに従って直径が大きくなる円錐台形状をしている。そして、主燃焼室63に最も近い部分の直径が第3連通開口261tkの直径よりも大きくなっている。これにより、第3連通開口261tkを閉じることができるようになっている。
弁体282kと移動部材71iとは連結軸79で連結されており、スプリング74から受ける力と電磁コイル75iから受ける電磁力との差に相当する力が、連結軸79を介して弁体282kに伝達されるようになっている。
また、弁体282kは、第3連通開口261tkの近傍に設けられており、第3連通開口261tkを開閉する。これにより、弁体282kは、複数の第1連通開口261dを間接的に開閉することになる。連結軸79は、副燃焼室261kの上方の外側から、上壁(副燃焼室壁261ck)を下方へ貫通して、弁体282kに連結されている先端が第3連通開口261tk付近に位置するように取り付けられている。
電磁コイル75iに第1電流I201kが流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第1電流I201kは、開閉機構270kの開度が第1開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体282kに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第1リフト量で弁体282kが引き上げられた状態になる。これにより、弁体282kと副燃焼室壁261ckとの距離L5k,L6kが第1間隔になり、弁体282kは、第1開度で第3連通開口261tkを開く。
次に、電磁コイル75iに第3電流I203k(>I201k)が流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第3電流I203kは、開閉機構270kの開度が第3開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体282kに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第3リフト量(>第1リフト量)で弁体282kが引き上げられた状態になる。これにより、弁体282kと副燃焼室壁261ckとの距離が第3間隔(=0)になり、弁体282kは、第3開度(=0%)で第1連通開口261dを開く。すなわち、弁体282kは、第1連通開口261dを閉じる。
一方、電磁コイル75iに第2電流I202k(>I201k,<I203k)が流され磁界が発生するようになると、移動部材71iに働く上向きの電磁力が弱まる。ここで、第2電流I202kは、開閉機構270kの開度が第2開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を弱まったことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体282kに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第2リフト量(>第1リフト量,<第3リフト量)で弁体282kが引き上げられた状態になる。これにより、弁体282kと副燃焼室壁261ckとの距離L5k,L6kが第2間隔(<第1間隔,>第3間隔)になり、弁体282kは、第2開度(<第1開度,>第3開度)で第3連通開口261tkを開く。
このように、開閉機構270kは、電磁駆動機構81iが弁体282kをリフトする量を変えることにより、その開度を変えて連通路261fkの総開口面積を変えることができるようになっている。
<第8実施形態>
本発明の第8実施形態に係る副室式内燃機関の断面図を図47に示す。
副室式内燃機関300は、基本的な構成は第7実施形態と同様であるが、開閉機構270の代わりに開閉機構(開閉部)370を備えている点と、ECU240の代わりにECU(制御部)340を備えている点と、副燃焼室261の代わりに副燃焼室361を備えている点とで、第7実施形態と異なる。
(副室式内燃機関の概略構成)
副燃焼室361は、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁361cに囲まれている。具体的には、シリンダヘッド20において吸気ポート23と排気ポート24との間に形成された空間に、略円筒形状の副燃焼室壁361cが配置され、副燃焼室361が形成される。
また、副燃焼室壁361cの底面には、主燃焼室63と副燃焼室361とを連通する連通路361fが形成されている。連通路361fは、複数の第1連通開口(連通開口)361dと第3連通開口(連通開口)361tとを有する。第3連通開口361tは、複数の第1連通開口361dを介して、主燃焼室63と副燃焼室361とを連通している。
開閉機構370は、一部(弁体382)が第3連通開口361tの近傍に設置され、第3連通開口361tを所定の開度で開閉する。すなわち、開閉機構370は、開度が可変である。この開閉機構370は、電磁力を利用するものであり、電磁弁380である。
ECU340は、燃料噴射弁27、点火プラグ29、開閉機構370などに電気的に接続されている。
その他の点は、第7実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の概略動作)
ECU340は、燃料噴射弁27、点火プラグ29、開閉機構370などに対して、制御の信号を供給し各種の制御を行う。
その他の点は、第7実施形態と同様である。
(開閉機構及び副燃焼室の詳細構成)
開閉機構370及び副燃焼室361の拡大断面図を、図48〜図50に示す。図48〜図50に示す断面図は、シリンダ軸CAを含む面で切った断面図である。
副燃焼室361は、図48に示すように、副燃焼室壁361cに囲まれた室である。副燃焼室361は、シリンダ軸CAを中心軸とする略円筒形状である。
副燃焼室361には、上部から下部に至る位置に、開閉機構370が設けられている。開閉機構370は、主として、電磁駆動機構81i及び弁体382を備える。
弁体382は、主燃焼室63に近づくに従って直径が大きくなる円錐台形状をしている。そして、主燃焼室63に最も近い部分の直径が第3連通開口361tの直径よりも大きくなっている。これにより、第3連通開口361tを閉じることができるようになっている(図50参照)。
弁体382と移動部材71iとは連結軸79で連結されており、スプリング74から受ける力と電磁コイル75iから受ける電磁力との差に相当する力が、連結軸79を介して弁体382に伝達されるようになっている。
また、弁体382は、第3連通開口361tの近傍に設けられており、第3連通開口361tを開閉する。これにより、弁体382は、複数の第1連通開口361dを間接的に開閉することになる。連結軸79は、副燃焼室361の上方の外側から、上壁(副燃焼室壁361c)を下方へ貫通して、弁体382に連結されている先端が第3連通開口361t付近に位置するように取り付けられている。すなわち、電磁駆動機構81iは、弁体382をリフトする量を変えることにより、弁体382と副燃焼室壁361cとの間隔L71,L81に対応した第1開度と、弁体382と副燃焼室壁361cとの間隔L72,L82に対応した第2開度(図49参照)と、弁体382と副燃焼室壁361cとの間隔が0となる第4開度(図50参照)とを、変えることができるようになっている。
その他の点は、第7実施形態と同様である。
(開閉機構の詳細動作)
図48に示すように、電磁コイル75iに第1電流I301が流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第1電流I301は、開閉機構370の開度が第1開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体382に伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第1リフト量で弁体382が引き上げられた状態になる。これにより、弁体382と副燃焼室壁361cとの距離が第1間隔L71,L81になり、弁体382は、第1開度で第3連通開口361tを開く。
ここで、第3連通開口361tの開口面積Stは、第1開度で第3連通開口361tを開いているので、第1間隔L71,L81に対応した値St301となっている。そして、連通路361fの総開口面積は、
S301=St301 (38)
となっている。
次に、図49に示すように、電磁コイル75iに第2電流I302(>I301)が流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第2電流I302は、開閉機構370の開度が第2開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体382に伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第2リフト量(>第1リフト量)で弁体382が引き上げられた状態になる。これにより、弁体382と副燃焼室壁361cとの距離が第2間隔L72,L82になり、弁体382は、第2開度(<第1開度)で第3連通開口361tを開く。
ここで、第3連通開口361tの開口面積Stは、第2開度で第3連通開口361tを開いているので、第2間隔L72,L82(<第1間隔)に対応した値St302となっている。そして、連通路361fの総開口面積は、
S302=St302 (40)
となっている。
そして、図50に示すように、電磁コイル75iに第4電流I304(>I301,>I302)が流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第4電流I304は、開閉機構370の開度が第4開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体382に伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第4リフト量(>第1リフト量,>第2リフト量)で弁体382が引き上げられた状態になる。これにより、弁体382と副燃焼室壁361cとの距離が第4間隔(=0)になり、弁体382は、第4開度(=0%)で第3連通開口361tを開く。すなわち、弁体382は、第3連通開口361tを閉じる。
ここで、第3連通開口361tの開口面積Stは、第4開度で第3連通開口361tを開いているので、0となっている。そして、連通路361fの総開口面積は、
S304=0 (39)
となっている。
また、図48,図49から
L71>L72 (41)
L81>L82 (42)
であり、
St301>St302>0 (43)
となる。さらに、式(38)〜式(40)と式(43)とにより、
S301>S302>S304 (44)
であることが導かれる。
このように、電磁駆動機構81iは、電磁力を介して弁体382を駆動する。
(ECUの詳細構成)
ECU340は、燃料噴射制御部243の代わりに燃料噴射制御部343を備え、開閉制御部245の代わりに開閉制御部345を備え、記憶部247の代わりに記憶部347を備える。記憶部347は、開閉制御情報(図43(b)参照)の代わりに開閉制御情報(図57(b)参照)を記憶し、マップ情報(図51〜図55参照)をさらに記憶している。
ECU340は、各種の制御を行うためのロジックを実行するだけでなく、開閉機構370を制御するためのロジックを実行する。
その他の点は、第7実施形態と同様である。
(ECUの詳細動作)
燃料噴射制御部343は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、燃料噴射制御部343は、記憶部347を参照し、マップ情報(図53参照)を記憶部347から受け取る。燃料噴射制御部343は、機関負荷や機関速度の情報とマップ情報となどに基づいて、噴射量制御信号を生成する。これにより、燃料噴射弁27は、噴射量制御信号に基づいて所定の噴射量で燃料を噴射する。
開閉制御部345は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、開閉制御部345は、記憶部347を参照し、開閉制御情報(図57(b)参照)及びマップ情報(図51,図52,図54,図55参照)を記憶部347から受け取る。開閉制御部345は、機関負荷や機関速度の情報と開閉制御情報及びマップ情報となどに基づいて、開閉制御信号を生成する。これにより、開閉機構370は、開閉制御信号に基づいて、所定のタイミングにおいて弁体382を所定量だけリフトさせて第3連通開口361tを開閉する。すなわち、ECU340は、電磁駆動機構81iが移動部材71iを介して弁体382をリフトする量を制御することにより、開閉機構370の開度を制御する。
その他の点は、第7実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の制御)
((タイミングに関する制御))
副室式内燃機関におけるタイミングに関する制御を、図57(a),(b)を参照して説明する。
圧縮行程において、ECU340は、開閉機構370(電磁弁380)の開度を第1開度に制御する。これにより、第3連通開口361tは第1開度で開かれている。そして、連通路361fの総開口面積はS301となっている。また、このとき、主燃焼室63の新気混合気の一部が、連通路361fを介して主燃焼室63から副燃焼室361へ導入される。
次に、タイミング(CA301)において、ECU340は、開閉機構370(電磁弁380)の開度を第1開度から第2開度へ変えるように制御する。これにより、第3連通開口361tは第2開度で開かれるようになる。そして、連通路361fの総開口面積はS301からS302へ変わる。これにより、第2期間T2において、連通路361fの総開口面積はS302になる。なお、第2期間T2は、連通路361fの総開口面積が小さくなるタイミング(CA301)から、連通路361fの総開口面積がさらに小さくなる後述のタイミング(CA305)までの期間である。
そして、タイミング(CA2)において、点火プラグ29は、副燃焼室361の新気混合気を点火する。これにより、副燃焼室361において燃焼が行われ、副燃焼室361の圧力(Ps)が急激に上昇する。このとき、開閉機構370(電磁弁380)は、その開度が第2開度であり、第3連通開口361tを第2開度で開いている。そして、連通路361fの総開口面積はS302となっている。
その後、副燃焼室361の圧力(Ps)がさらに上昇し、副燃焼室361の燃焼ガス(火炎)は、連通路361fを介して主燃焼室63へ放射される。このとき、開閉機構370(電磁弁380)が第3連通開口361tを第2開度で開いているので、連通路361fの総開口面積はS302となっている。
そして、タイミング(CA3)において、副燃焼室361の圧力(Ps)は最大となる。このときも、火炎が副燃焼室361から連通路361fを介して主燃焼室63へ放射されている。開閉機構370(電磁弁380)が第3連通開口361tを第2開度で開いているので、連通路361fの総開口面積はS302となっている。
タイミング(CA305)において、ECU340は、開閉機構370(電磁弁380)の開度を第2開度から第4開度へ変えるように制御する。これにより、第3連通開口361tは第4開度(=0%)で開かれるようになる。すなわち、第3連通開口361tは閉められる。そして、連通路361fの総開口面積はS302からS304(=0)へ変わる。
さらに、タイミング(CA306)において、ECU340は、開閉機構370(電磁弁380)の開度を第4開度から第1開度へ変えるように制御する。これにより、第3連通開口361tは第1開度で開かれるようになる。そして、連通路361fの総開口面積はS304からS301へ変わる。これにより、第3期間T3において、連通路361fの総開口面積はS301になる。なお、タイミング(CA306)は排気行程におけるタイミングであり、第3期間T3は排気行程に含まれる期間である。
以上のように、新気混合気が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361に導入されるときの連通路361fの総開口面積S301が、火炎が副燃焼室361から連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路361fの総開口面積S302よりも大きい。このため、十分な新気混合気を主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361に導入することができるようになっている。
また、火炎が副燃焼室361から連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路361fの総開口面積S302が、新気混合気が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361に導入されるときの連通路361fの総開口面積S301よりも小さい。このため、副燃焼室361から連通路361f経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度を増大させることができるようになっている。
さらに、第2期間T2の終期直後における連通路361fの総開口面積S304が、第2期間T2における連通路361fの総開口面積S302よりも小さくなっている。このため、第2期間T2において火炎が副燃焼室361から連通路361f経由で主燃焼室63へ放射された後に、主燃焼室63の圧力が副燃焼室361の圧力(Ps)より大きくなっても、火炎が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361へ逆流しにくくなっている。
また、第3期間T3における連通路361fの総開口面積S301が、第2期間T2の終期直後における連通路361fの総開口面積S304よりも大きくなっている。このため、第3期間T3において、副燃焼室361の残留ガスは、連通路361fと主燃焼室63とを経由して排出されやすくなっている
なお、第3連通開口361tが第3開度で開かれるタイミングはなく、第1期間T1は設けられていない。
((第2期間に関する制御))
副室式内燃機関における第2期間に関する制御を、図51〜図55を参照して説明する。
ECU340の開閉制御部345が参照するマップ情報を、図51〜図55に示す。図51,図54に示すマップ情報には、機関負荷や機関速度と第2期間T2の長さとの関係が示されている。
すなわち、機関速度が速い場合に、機関速度が遅い場合に比べて、同一クランク角度に対する実時間が短くなり、クランク角度単位で見た場合に火炎の放射速度が遅くなる傾向がある。この場合でも、図51,図54(b)に示すように、ECU340は、機関速度が速い場合の第2期間T2を、機関速度が遅い場合の第2期間T2に比べてクランク角度単位で長くする。このため、機関速度が速い場合でも、火炎が副燃焼室361から連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるための十分なクランク角度単位の時間は確保される。
ここで、図52,図55(b)に示すように、ECU340は、第3連通開口361tを閉める(第4開度で開き始める)タイミング(CA305)を主として変えることにより、第2期間T2を変える。すなわち、ECU340は、機関速度が速い場合のタイミング(CA305)を、機関速度が遅い場合のタイミング(CA305)に比べて遅角する。これにより、機関速度が速い場合の第2期間T2は、機関速度が遅い場合の第2期間T2に比べてクランク角度単位で長くなる。
また、図53に示すように、ECU340は、副燃焼室361の当量比を、機関負荷が低い場合に、機関負荷が高い場合に比べて小さくする。そして、副燃焼室361の当量比が小さくなることにより、火炎のエネルギーが小さくなり、実時間単位で火炎の放射速度が遅くなる傾向がある。この場合でも、図51,図54(a)に示すように、ECU340は、機関負荷が低い場合の第2期間T2を、機関負荷が高い場合の第2期間T2に比べて実時間単位で長くする。このため、機関負荷が低い場合でも、火炎が副燃焼室361から連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるための十分な実時間は確保される。
ここで、図52,図55(a)に示すように、ECU340は、第3連通開口361tを閉める(第4開度で開き始める)タイミング(CA305)を主として変えることにより、第2期間T2を変える。すなわち、ECU340は、機関負荷が低い場合のタイミング(CA305)を、機関負荷が高い場合のタイミング(CA305)に比べて遅角する。これにより、機関負荷が低い場合の第2期間T2は、機関負荷が高い場合の第2期間T2に比べて実時間単位で長くなる。
((副室式内燃機関の制御の流れ))
副室式内燃機関の制御の流れは、図56に示すように、次の点で第7実施形態と異なる。
ステップS13では、副燃焼室の当量比が制御される。すなわち、燃料噴射制御部343は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、燃料噴射制御部343は、記憶部347を参照し、マップ情報(図53参照)を記憶部347から受け取る。燃料噴射制御部343は、機関負荷や機関速度の情報とマップ情報となどに基づいて、噴射量制御信号を生成する。これにより、燃料噴射弁27は、噴射量制御信号に基づいて所定の噴射量で燃料を噴射する。このように、主燃焼室63の当量比が制御されるので、主燃焼室63と連通されている副燃焼室361の当量比も制御される。
ステップS14では、第2期間が制御される。すなわち、開閉制御部345は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、開閉制御部345は、記憶部347を参照し、開閉制御情報(図57(b)参照)及びマップ情報(図51,図52,図54,図55参照)を記憶部347から受け取る。開閉制御部345は、機関負荷や機関速度の情報と開閉制御情報及びマップ情報となどに基づいて、開閉制御信号を生成する。これにより、開閉機構370は、開閉制御信号に基づいて、所定のタイミングにおいて弁体382を所定量だけリフトさせて第3連通開口361tを開閉する。すなわち、ECU340は、電磁駆動機構81iが弁体382をリフトする量を制御することにより、開閉機構370の開度を制御する。
具体的には、ECU340は、第2期間T2の終期直後における連通路361fの総開口面積S304が、第2期間T2における連通路361fの総開口面積S302よりも小さくなるように、開閉機構370を制御する。また、ECU340は、運転条件に応じて第2期間T2を変えるように、開閉機構370の開度を制御する。
(副室式内燃機関の特徴)
(1)
ここでは、新気混合気が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361に導入されるときの連通路361fの総開口面積S301が、火炎が副燃焼室361から連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路361fの総開口面積S302よりも大きい。このため、十分な新気混合気が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361に導入されるので、副燃焼室361における燃焼は安定化する。
また、火炎が副燃焼室361から連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路361fの総開口面積S302が、新気混合気が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361に導入されるときの連通路361fの総開口面積S301よりも小さい。このため、副燃焼室361から連通路361f経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度は増大する。
このように、副燃焼室361における燃焼は安定化し、主燃焼室63へ放射される火炎の速度は増大する。したがって、主燃焼室63における燃焼期間が短縮するので、主燃焼室63における燃焼は安定化する。
(2)
ここでは、ECU340は、開閉機構370の開度を制御する。このため、新気混合気が副燃焼室361に導入されるときに、ECU340が開閉機構370の開度を大きく(第1開度に)するので、第3連通開口361tの開口面積St301が大きくなり、連通路361fの総開口面積S301は大きくなる。
また、火炎が副燃焼室361から放射されるときに、ECU340が開閉機構370の開度を小さく(第2開度に)するので、第3連通開口361tの開口面積St302が小さくなり、連通路361fの総開口面積S302は小さくなる。
(3)
ここでは、ECU340は、電磁駆動機構81iが弁体382をリフトする量を制御することにより、開閉機構370の開度を制御する。具体的には、電磁駆動機構81iは、開閉制御信号をECU340から受け取る。そして、電磁駆動機構81iは、開閉制御信号に基づいて、弁体382をリフトする量を変える。これにより、開閉機構370の開度は、第1開度,第2開度又は第4開度になる。このように、開閉機構370の開度は簡易に制御される。
(4)
ここでは、ECU340は、第2期間T2の終期直後における連通路361fの総開口面積S304が、第2期間T2における連通路361fの総開口面積S302よりも小さくなるように、開閉機構370を制御する。これにより、火炎が副燃焼室361から連通路361f経由で主燃焼室63へ放射された後に、火炎が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361へ逆流することは低減される。このため、主燃焼室63での燃焼が安定化するので、リーン限界は拡大する。
(5)
ここでは、第2期間T2は、連通路361fの総開口面積が小さくなるタイミング(CA301)から、連通路361fの総開口面積がさらに小さくなるタイミング(CA305)までの期間である。これにより、火炎が副燃焼室361から連通路361f経由で主燃焼室63へ放射された後に、火炎が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361へ逆流することは低減される。
(6)
ここでは、ECU340は、運転条件に応じて第2期間T2を変えるように、開閉機構370を制御する。これにより、開閉機構370は、開閉制御信号に基づいて、適切な期間においてその開度が第2開度になる。このため、種々の運転条件において、十分な量の火炎が副燃焼室361から連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるので、主燃焼室63での燃焼は安定化する。
(7)
ここでは、機関速度が速い場合に、機関速度が遅い場合に比べて、同一クランク角度に対する実時間が短くなり、クランク角度単位で見た場合に火炎の放射速度が遅くなる傾向がある。この場合でも、ECU340は、機関速度が速い場合の第2期間T2を、機関速度が遅い場合の第2期間T2に比べてクランク角度単位で長くする。このため、機関速度が速い場合でも、火炎が副燃焼室361から連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるための十分なクランク角度単位の時間は確保される。これにより、種々の運転条件において、十分な量の火炎が副燃焼室から連通路経由で主燃焼室へ放射される。
(8)
ここでは、機関負荷が低い場合に、機関負荷が高い場合に比べて、火炎のエネルギーが小さくなり、実時間単位で火炎の放射速度が遅くなる傾向がある。この場合でも、ECU340は、機関負荷が低い場合の第2期間T2を、機関負荷が高い場合の第2期間T2に比べて実時間単位で長くする。このため、機関負荷が低い場合でも、火炎が副燃焼室361から連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるための十分な実時間は確保される。これにより、種々の運転条件において、十分な量の火炎が副燃焼室361から連通路361f経由で主燃焼室63へ放射される。
(9)
ここでは、ECU340は、第3連通開口361tを閉める(第4開度で開き始める)タイミング(CA305)を主として変えることにより第2期間T2を変えるように、開閉機構370を制御する。ここで、副燃焼室の圧力(Ps)が主燃焼室63の圧力より低くなり、火炎が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361へ逆流しやすくなり始める直前の時期は、図52に示すマップ情報と同様の傾向になる。そして、第2期間の始期となるタイミング(CA301)がほとんど変えられずに、運転条件に応じて、第2期間の終期となるタイミング(CA305)が変えられることにより、第2期間T2の長さは、図51に示すマップ情報のようになる。このように、運転条件に応じて第2期間T2の主として終期が変えられることにより、種々の運転条件において、火炎が副燃焼室361から連通路361f経由で主燃焼室63へ放射され終わる時期が適切なものとなるので、火炎が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361へ逆流することは低減される。
(10)
ここでは、ECU340は、機関速度が速い場合のタイミング(CA305)を、機関速度が遅い場合のタイミング(CA305)に比べて遅角する。これにより、機関速度が速い場合の第2期間T2は、機関速度が遅い場合の第2期間T2に比べてクランク角度単位で長くなる。
(11)
ここでは、ECU340は、機関負荷が低い場合のタイミング(CA305)を、機関負荷が高い場合のタイミング(CA305)に比べて遅角する。これにより、機関負荷が低い場合の第2期間T2は、機関負荷が高い場合の第2期間T2に比べて実時間単位で長くなる。
(12)
ここでは、ECU340は、第3期間T3における連通路361fの総開口面積S301が、第2期間T2の終期直後における連通路361fの総開口面積S304よりも大きくなるように、開閉機構370を制御する。ここで、第3期間T3は、排気行程において連通路361fの総開口面積が大きくなるタイミング(CA306)から始まる。このため、第3期間T3において、副燃焼室361の残留ガスは、連通路361fと主燃焼室63とを経由して排出されやすくなっている。
(第8実施形態の変形例)
(A)ECU340は、第2期間T2の終期直後における連通路361fの総開口面積S304を0よりも大きな値になるように制御しても良い。この場合でも、第2期間T2の終期直後における連通路361fの総開口面積S304が、第2期間T2における連通路361fの総開口面積S302よりも小さくなるように制御されれば、火炎が副燃焼室361から連通路361f経由で主燃焼室63へ放射された後に、火炎が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361へ逆流することは低減される。
また、ECU340は、第3期間T3における連通路361fの総開口面積がS301と異なる値になるように制御しても良い。この場合でも、第3期間T3における連通路361fの総開口面積が、第2期間T2の終期直後における連通路361fの総開口面積S304よりも大きくなるように制御されれば、第3期間T3において、副燃焼室361の残留ガスは、連通路361fと主燃焼室63とを経由して排出されやすくなる。
(B)副室式内燃機関300では、さらにタイミング(CA301)が変えられても良い。この場合、ECU340は、タイミング(CA305)に加えてさらにタイミング(CA301)を変えることにより第2期間T2を変えるように、開閉機構370を制御する。ここで、第2期間T2の始期となるタイミング(CA301)がほとんど変えられずに主としてタイミング(CA305)が変えられると、タイミング(CA305)は、運転状態に応じて、図51に示すマップ情報に基づいて決まる第1期間T1の長さに従って、決まることになる。そうすると、タイミング(CA305)が、必ずしも、火炎が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361へ逆流しやすくなり始める直前の時期と一致しないこともある。
この場合でも、タイミング(CA305)が、火炎が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361へ逆流しやすくなり始める直前の時期と一致するようにされた上で、運転条件に応じて第2期間T2のさらに始期が変えられれば、種々の運転条件において、火炎が副燃焼室361から連通路361f経由で主燃焼室63へ放射される時期は適切なものとなる。
(C)図58に示すように、副室式内燃機関300iは、開閉機構370の代わりに開閉機構(開閉部)370iを備えてもよく、副燃焼室361の代わりに副燃焼室361iを備えてもよい。
この場合、副燃焼室361iは、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁361ciに囲まれている。また、副燃焼室壁361ciの底面には、主燃焼室63と副燃焼室361iとを連通する連通路361fiが形成されている。連通路361fiは、第1連通開口(連通開口)361diと複数の第2連通開口(連通開口)361eiとを有する。
副燃焼室361iには、上部から下部に至る位置に、開閉機構370iが設けられている。開閉機構370iは、一部(弁体382i)が第1連通開口361diの近傍に設置され、第1連通開口361diを所定の開度で開閉する。すなわち、開閉機構370iは、その開度が可変である。この開閉機構370iは、電磁力を利用するものであり、電磁弁380iである。そして、開閉機構370iは、主として、電磁駆動機構81i及び弁体382iを備える。
弁体382iは、主燃焼室63に近づくに従って直径が大きくなる円錐台形状をしている。そして、主燃焼室63に最も近い部分の直径が第1連通開口361diの直径よりも大きくなっている。これにより、第1連通開口361diを閉じることができるようになっている。
弁体382iと移動部材71iとは連結軸79で連結されており、スプリング74から受ける力と電磁コイル75iから受ける電磁力との差に相当する力が、連結軸79を介して弁体382iに伝達されるようになっている。
また、弁体382iは、第1連通開口361diの近傍に設けられており、第1連通開口361diを開閉する。連結軸79は、副燃焼室361iの上方の外側から、上壁(副燃焼室壁361ci)を下方へ貫通して、弁体382iに連結されている先端が第1連通開口361di又は主燃焼室63に位置するように取り付けられている。
電磁コイル75iに第1電流I301iが流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第1電流I301iは、開閉機構370iの開度が第1開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体382iに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第1リフト量で弁体382iが引き上げられた状態になる。これにより、弁体382iと副燃焼室壁361ciとの距離L7i,L8iが第1間隔になり、弁体382iは、第1開度で第1連通開口361diを開く。
次に、電磁コイル75iに第2電流I302i(>I301i)が流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第2電流I302iは、開閉機構370iの開度が第2開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体382iに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第2リフト量(>第1リフト量)で弁体382iが引き上げられた状態になる。これにより、弁体382iと副燃焼室壁361ciとの距離L7i,L8iが第2間隔(<第1間隔)になり、弁体382iは、第2開度(<第1開度)で第1連通開口361diを開く。
一方、電磁コイル75iに第4電流I304i(>I301i,>I302i)が流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第4電流I304iは、開閉機構370iの開度が第4開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体382iに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第4リフト量(>第1リフト量,>第2リフト量)で弁体382iが引き上げられた状態になる。これにより、弁体382iと副燃焼室壁361ciとの距離が第4間隔(=0)になり、弁体382iは、第4開度(=0%)で第1連通開口361diを開く。すなわち、弁体382iは、第1連通開口361diを閉じる。
このように、開閉機構370iは、電磁駆動機構81iが弁体382iをリフトする量を変えることにより、その開度を変えて連通路361fiの総開口面積を変えることができるようになっている。
(D)図59に示すように、副室式内燃機関300jは、開閉機構370の代わりに開閉機構(開閉部)370jを備えてもよく、副燃焼室361の代わりに副燃焼室361jを備えてもよい。
この場合、副燃焼室361jは、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁361cjに囲まれている。また、副燃焼室壁361cjの底面には、主燃焼室63と副燃焼室361jとを連通する連通路361fjが形成されている。連通路361fjは、複数の第1連通開口(連通開口)361djと複数の第2連通開口(連通開口)361ejと第3連通開口(連通開口)361tjとを有する。第3連通開口361tjは、複数の第1連通開口361djを介して、主燃焼室63と副燃焼室361jとを連通している。
副燃焼室361jには、上部から下部に至る位置に、開閉機構370jが設けられている。開閉機構370jは、一部(針弁382j)が第3連通開口361tjの近傍に設置され、第3連通開口361tjを所定の開度で開閉する。すなわち、開閉機構370jは、その開度が可変である。この開閉機構370jは、電磁力を利用するものであり、電磁弁380jである。そして、開閉機構370jは、主として、電磁駆動機構81i及び針弁382jを備える。
針弁382jは、主燃焼室63に近づくに従って直径が小さくなる逆錐形状をしている。そして、主燃焼室63から最も遠い部分の直径が第3連通開口361tjの直径よりも大きくなっている。これにより、第3連通開口361tjを閉じることができるようになっている。
針弁382jと移動部材71iとは連結軸79で連結されており、スプリング74から受ける力と電磁コイル75iから受ける電磁力との差に相当する力が、連結軸79を介して針弁382jに伝達されるようになっている。
また、針弁382jは、第3連通開口361tjの近傍に設けられており、第3連通開口361tjを開閉する。これにより、針弁382jは、複数の第1連通開口361djを間接的に開閉することになる。連結軸79は、副燃焼室361jの上方の外側から、上壁(副燃焼室壁361cj)を下方へ貫通して、針弁382jに連結されている先端が主燃焼室63に位置するように取り付けられている。
電磁コイル75iに第1電流I301jが流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第1電流I301jは、開閉機構370jの開度が第1開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して針弁382jに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第1リフト量で針弁382jが引き上げられた状態になる。これにより、針弁382jと副燃焼室壁361cjとの距離L7j,L8jが第1間隔になり、針弁382jは、第1開度で第3連通開口361tjを開く。
次に、電磁コイル75iに第2電流I302j(<I301j)が流され磁界が発生するようになると、移動部材71iに働く上向きの電磁力が弱まる。ここで、第2電流I302jは、開閉機構370jの開度が第2開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を弱まったことにより、図面上において下方に下がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して針弁382jに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第2リフト量(<第1リフト量)で針弁382jが引き上げられた状態になる。これにより、針弁382jと副燃焼室壁361cjとの距離L7j,L8jが第2間隔(<第1間隔)になり、針弁382jは、第2開度(<第1開度)で第3連通開口361tjを開く。
一方、電磁コイル75iに第4電流I304j(<I301j,<I302j)が流され磁界が発生するようになると、移動部材71iに働く上向きの電磁力がさらに弱まる。ここで、第4電流I304jは、開閉機構370jの開度が第4開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力が弱まったことにより、図面上において下方に下がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して針弁382jに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第4リフト量(<第1リフト量,<第2リフト量)で針弁382jが引き上げられた状態になる。これにより、針弁382jと副燃焼室壁361cjとの距離が第4間隔(=0)になり、針弁382jは、第4開度(=0%)で第3連通開口361tjを開く。すなわち、針弁382jは、第3連通開口361tjを閉じる。
このように、開閉機構370jは、電磁駆動機構81iが針弁382jをリフトする量を変えることにより、その開度を変えて連通路361fjの総開口面積を変えることができるようになっている。
(E)図60に示すように、副室式内燃機関300kは、開閉機構370の代わりに開閉機構(開閉部)370kを備えてもよく、副燃焼室361の代わりに副燃焼室361kを備えてもよい。
この場合、副燃焼室361kは、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁361ckに囲まれている。また、副燃焼室壁361ckの底面には、主燃焼室63と副燃焼室361kとを連通する連通路361fkが形成されている。連通路361fkは、複数の第1連通開口361dと複数の第2連通開口(連通開口)361ekと第3連通開口(連通開口)361tkとを有する。第3連通開口361tkは、複数の第1連通開口361dを介して、主燃焼室63と副燃焼室361kとを連通している。
副燃焼室361kには、上部から下部に至る位置に、開閉機構370kが設けられている。開閉機構370kは、一部(弁体382k)が第3連通開口361tkの近傍に設置され、第3連通開口361tkを所定の開度で開閉する。すなわち、開閉機構370kは、その開度が可変である。この開閉機構370kは、電磁力を利用するものであり、電磁弁380kである。そして、開閉機構370kは、主として、電磁駆動機構81i及び弁体382kを備える。
弁体382kは、主燃焼室63に近づくに従って直径が大きくなる円錐台形状をしている。そして、主燃焼室63に最も近い部分の直径が第3連通開口361tkの直径よりも大きくなっている。これにより、第3連通開口361tkを閉じることができるようになっている。
弁体382kと移動部材71iとは連結軸79で連結されており、スプリング74から受ける力と電磁コイル75iから受ける電磁力との差に相当する力が、連結軸79を介して弁体382kに伝達されるようになっている。
また、弁体382kは、第3連通開口361tkの近傍に設けられており、第3連通開口361tkを開閉する。これにより、弁体382kは、複数の第1連通開口361dを間接的に開閉することになる。連結軸79は、副燃焼室361kの上方の外側から、上壁(副燃焼室壁361ck)を下方へ貫通して、弁体382kに連結されている先端が第3連通開口361tk付近に位置するように取り付けられている。
電磁コイル75iに第1電流I301kが流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第1電流I301kは、開閉機構370kの開度が第1開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体382kに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第1リフト量で弁体382kが引き上げられた状態になる。これにより、弁体382kと副燃焼室壁361ckとの距離L7k,L8kが第1間隔になり、弁体382kは、第1開度で第3連通開口361tkを開く。
次に、電磁コイル75iに第2電流I302k(>I301k)が流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第2電流I302kは、開閉機構370kの開度が第2開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体382kに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第2リフト量(>第1リフト量)で弁体382kが引き上げられた状態になる。これにより、弁体382kと副燃焼室壁361ckとの距離L7k,L8kが第2間隔(<第1間隔)になり、弁体382kは、第2開度(<第1開度)で第3連通開口361tkを開く。
一方、電磁コイル75iに第4電流I304k(>I301k,>I302k)が流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第4電流I304kは、開閉機構370kの開度が第4開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体382kに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第4リフト量(>第1リフト量,>第2リフト量)で弁体382kが引き上げられた状態になる。これにより、弁体382kと副燃焼室壁361ckとの距離が第4間隔(=0)になり、弁体382kは、第4開度(=0%)で第1連通開口361dを開く。すなわち、弁体382kは、第1連通開口361dを閉じる。
このように、開閉機構370kは、電磁駆動機構81iが弁体382kをリフトする量を変えることにより、その開度を変えて連通路361fkの総開口面積を変えることができるようになっている。
<第9実施形態>
本発明の第9実施形態に係る副室式内燃機関の断面図を図61に示す。
副室式内燃機関300pは、基本的な構成は第7実施形態と同様であるが、開閉機構270の代わりに開閉機構(開閉部)370pを備えている点と、ECU240の代わりにECU(制御部)340pを備えている点と、副燃焼室261の代わりに副燃焼室361pを備えている点とで、第7実施形態と異なる。
(副室式内燃機関の概略構成)
副燃焼室361pは、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁361cに囲まれている。具体的には、シリンダヘッド20において吸気ポート23と排気ポート24との間に形成された空間に、略円筒形状の副燃焼室壁361cが配置され、副燃焼室361pが形成される。
また、副燃焼室壁361cの底面には、主燃焼室63と副燃焼室361pとを連通する連通路361fが形成されている。連通路361fは、複数の第1連通開口361dと第3連通開口361tとを有する。第3連通開口361tは、複数の第1連通開口361dを介して、主燃焼室63と副燃焼室361pとを連通している。
開閉機構370pは、一部(弁体382p)が第3連通開口361tの近傍に設置され、第3連通開口361tを所定の開度で開閉する。すなわち、開閉機構370pは、開度が可変である。この開閉機構370pは、電磁力を利用するものであり、電磁弁380pである。
ECU340pは、燃料噴射弁27、点火プラグ29、開閉機構370pなどに電気的に接続されている。
その他の点は、第7実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の概略動作)
ECU340pは、燃料噴射弁27、点火プラグ29、開閉機構370pなどに対して、制御の信号を供給し各種の制御を行う。
その他の点は、第7実施形態と同様である。
(開閉機構及び副燃焼室の詳細構成)
開閉機構370p及び副燃焼室361pの拡大断面図を、図62〜図65に示す。図62〜図65に示す断面図は、シリンダ軸CAを含む面で切った断面図である。
副燃焼室361pは、図62に示すように、副燃焼室壁361cに囲まれた室である。副燃焼室361pは、シリンダ軸CAを中心軸とする略円筒形状である。
副燃焼室361pには、上部から下部に至る位置に、開閉機構370pが設けられている。開閉機構370pは、主として、電磁駆動機構81i及び弁体382pを備える。
弁体382pは、主燃焼室63に近づくに従って直径が大きくなる円錐台形状をしている。そして、主燃焼室63に最も近い部分の直径が第3連通開口361tの直径よりも大きくなっている。これにより、第3連通開口361tを閉じることができるようになっている(図63参照)。
弁体382pと移動部材71iとは連結軸79で連結されており、スプリング74から受ける力と電磁コイル75iから受ける電磁力との差に相当する力が、連結軸79を介して弁体382pに伝達されるようになっている。
また、弁体382pは、第3連通開口361tの近傍に設けられており、第3連通開口361tを開閉する。これにより、弁体382pは、複数の第1連通開口361dを間接的に開閉することになる。連結軸79は、副燃焼室361pの上方の外側から、上壁(副燃焼室壁361c)を下方へ貫通して、弁体382pに連結されている先端が第3連通開口361t付近に位置するように取り付けられている。すなわち、電磁駆動機構81iは、弁体382pをリフトする量を変えることにより、弁体382pと副燃焼室壁361cとの間隔L71p,L81pに対応した第1開度と、弁体382pと副燃焼室壁361cとの間隔L72p,L82pに対応した第2開度(図64参照)と、弁体382pと副燃焼室壁361cとの間隔が0となる第3開度(図63参照)と、弁体382pと副燃焼室壁361cとの間隔が0となる第4開度(図65参照)とを、変えることができるようになっている。
その他の点は、第7実施形態と同様である。
(開閉機構の詳細動作)
図62に示すように、電磁コイル75iに第1電流I301pが流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第1電流I301pは、開閉機構370pの開度が第1開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体382pに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第1リフト量で弁体382pが引き上げられた状態になる。これにより、弁体382pと副燃焼室壁361cとの距離が第1間隔L71p,L81pになり、弁体382pは、第1開度で第3連通開口361tを開く。
ここで、第3連通開口361tの開口面積Stは、第1開度で第3連通開口361tを開いているので、第1間隔L71p,L81pに対応した値St301pとなっている。そして、連通路361fの総開口面積は、
S301p=St301p (45)
となっている。
次に、図63に示すように、電磁コイル75iに第3電流I303p(>I301p)が流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第3電流I303pは、開閉機構370pの開度が第3開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体382pに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第3リフト量(>第1リフト量)で弁体382pが引き上げられた状態になる。これにより、弁体382pと副燃焼室壁361cとの距離が第3間隔(=0)になり、弁体382pは、第3開度(=0%)で第3連通開口361tを開く。すなわち、弁体382pは、第3連通開口361tを閉じる。
ここで、第3連通開口361tの開口面積Stは、第3開度で第3連通開口361tを開いているので、0となっている。そして、連通路361fの総開口面積は、
S303p=0 (46)
となっている。
そして、図64に示すように、電磁コイル75iに第2電流I302p(>I301p,<I303p)が流され磁界が発生するようになると、移動部材71iに働く上向きの電磁力が弱まる。ここで、第2電流I302pは、開閉機構370pの開度が第2開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力が弱まったことにより、図面上において下方に下がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体382pに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第2リフト量(>第1リフト量,<第3リフト量)で弁体382pが引き上げられた状態になる。これにより、弁体382pと副燃焼室壁361cとの距離が第2間隔L72p,L82pになり、弁体382pは、第2開度(<第1開度,>第3開度)で第3連通開口361tを開く。
ここで、第3連通開口361tの開口面積Stは、第2開度で第3連通開口361tを開いているので、第2間隔L72p,L82p(<第1間隔,>第3間隔)に対応した値St302pとなっている。そして、連通路361fの総開口面積は、
S302p=St302p (47)
となっている。
さらに、図65に示すように、電磁コイル75iに第4電流I304p(>I301p,<I303p,>I302p)が流され磁界が発生すると、移動部材71iに上向きの電磁力が働く。ここで、第4電流I304pは、開閉機構370pの開度が第4開度となるような電流である。そして、移動部材71iは、上向きの電磁力を受けたことにより、図面上において上方に上がる。その移動部材71iの動作は連結軸79を介して弁体382pに伝達され、移動部材71iに電磁力が働いていない状態(図示せず)に比べて、第4リフト量(>第1リフト量,<第3リフト量,>第2リフト量)で弁体382pが引き上げられた状態になる。これにより、弁体382pと副燃焼室壁361cとの距離が第4間隔(=0)になり、弁体382pは、第4開度(=0%)で第3連通開口361tを開く。すなわち、弁体382pは、第3連通開口361tを閉じる。
ここで、第3連通開口361tの開口面積Stは、第4開度で第3連通開口361tを開いているので、0となっている。そして、連通路361fの総開口面積は、
S304p=0 (48)
となっている。
また、図62,図64から
L71p>L72p (49)
L81p>L82p (50)
であり、
St301p>St302p>0 (51)
となる。さらに、式(45)〜式(48)と式(51)とにより、
S301p>S302p>S303p (52)
あるいは、
S301p>S302p>S304p (53)
であることが導かれる。
このように、電磁駆動機構81iは、電磁力を介して弁体382pを駆動する。
(ECUの詳細構成)
ECU340pは、燃料噴射制御部243の代わりに燃料噴射制御部343pを備え、開閉制御部245の代わりに開閉制御部345pを備え、記憶部247の代わりに記憶部347pを備える。記憶部347pは、開閉制御情報(図43(b)参照)の代わりに開閉制御情報(図72(b)参照)を記憶し、マップ情報(図66〜図70参照)をさらに記憶している。
ECU340pは、各種の制御を行うためのロジックを実行するだけでなく、開閉機構370pを制御するためのロジックを実行する。
その他の点は、第7実施形態と同様である。
(ECUの詳細動作)
燃料噴射制御部343pは、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、燃料噴射制御部343pは、記憶部347pを参照し、マップ情報(図68参照)を記憶部347pから受け取る。燃料噴射制御部343pは、機関負荷や機関速度の情報とマップ情報となどに基づいて、噴射量制御信号を生成する。これにより、燃料噴射弁27は、噴射量制御信号に基づいて所定の噴射量で燃料を噴射する。
開閉制御部345pは、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、開閉制御部345pは、記憶部347pを参照し、開閉制御情報(図72(b)参照)及びマップ情報(図66,図67,図69,図70参照)を記憶部347pから受け取る。開閉制御部345pは、機関負荷や機関速度の情報と開閉制御情報及びマップ情報となどに基づいて、開閉制御信号を生成する。これにより、開閉機構370pは、開閉制御信号に基づいて、所定のタイミングにおいて弁体382pを所定量だけリフトさせて第3連通開口361tを開閉する。すなわち、ECU340pは、電磁駆動機構81iが移動部材71iを介して弁体382pをリフトする量を制御することにより、開閉機構370pの開度を制御する。
その他の点は、第7実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の制御)
((タイミングに関する制御))
副室式内燃機関におけるタイミングに関する制御を、図72(a),(b)を参照して説明する。なお、図72(a)において、第1期間T1(図72(b)参照)において開閉機構370pの開度が第2開度に制御された場合について、副燃焼室の圧力(Ps)が破線で示されている。
圧縮行程において、ECU340pは、開閉機構370p(電磁弁380p)の開度を第1開度に制御する。これにより、第3連通開口361tは第1開度で開かれている。そして、連通路361fの総開口面積はS301pとなっている。また、このとき、主燃焼室63の新気混合気の一部が、連通路361fを介して主燃焼室63から副燃焼室361pへ導入される。
次に、タイミング(CA301p)において、ECU340pは、開閉機構370p(電磁弁380p)の開度を第1開度から第3開度へ変えるように制御する。これにより、第3連通開口361tは第3開度で開かれるようになる。すなわち、第3連通開口361tは閉じる。そして、連通路361fの総開口面積はS301pからS303pへ変わる。なお、タイミング(CA301p)は、後述のタイミング(CA2)の直前のタイミングである。これにより、第1期間T1において、連通路361fの総開口面積はS303pになる。なお、第1期間T1は、タイミング(CA301p)から後述のタイミング(CA304p)までの期間である。
そして、タイミング(CA2)において、点火プラグ29は、副燃焼室361pの新気混合気を点火する。これにより、副燃焼室361pにおいて燃焼が行われ、副燃焼室361pの圧力(Ps)が急激に上昇する。このとき、開閉機構370p(電磁弁380p)は、その開度が第3開度であり、第3連通開口361tを第3開度で開いている。すなわち、第3連通開口361tは閉じている。そして、連通路361fの総開口面積はS303p(=0)となっている。これにより、図72(a)に示すように、第1期間T1において開閉機構370pの開度が第2開度に制御された場合に比べて、副燃焼室361pの圧力(Ps)は主燃焼室63の圧力よりも十分に高くなる。
その後、副燃焼室361pの圧力(Ps)がさらに上昇するが、第3連通開口361tは閉じているので、副燃焼室361pの燃焼ガス(火炎)は、連通路361fを介して主燃焼室63へ放射されない。このとき、開閉機構370p(電磁弁380p)が第3連通開口361tを閉じている(第3開度で開いている)ので、連通路361fの総開口面積はS303pとなっている。そして、第1期間T1において開閉機構370pの開度が第2開度に制御された場合よりも、副燃焼室361pの圧力(Ps)は主燃焼室63の圧力よりもさらに十分に高くなっている。
そして、タイミング(CA3)において、副燃焼室361pの圧力(Ps)は最大となる。このときも、第3連通開口361tは閉じているので、副燃焼室361pの燃焼ガス(火炎)は、連通路361fを介して主燃焼室63へ放射されない。
タイミング(CA304p)において、ECU340pは、開閉機構370p(電磁弁380p)の開度を第3開度から第2開度へ変えるように制御する。これにより、第3連通開口361tは第2開度で開かれるようになる。そして、連通路361fの総開口面積はS303pからS302pへ変わる。これにより、副燃焼室361pの燃焼ガス(火炎)は、連通路361fを介して主燃焼室63へ放射される。すなわち、火炎が主燃焼室63へ放射されるとき(第2期間T2)において、連通路361fの総開口面積はS302pになる。なお、第2期間T2は、連通路361fの総開口面積が大きくなるタイミング(CA304p)から、連通路361fの総開口面積が小さくなる後述のタイミング(CA305p)までの期間である。
タイミング(CA305p)において、ECU340pは、開閉機構370p(電磁弁380p)の開度を第2開度から第4開度へ変えるように制御する。これにより、第3連通開口361tは第4開度(=0%)で開かれるようになる。すなわち、第3連通開口361tは閉められる。そして、連通路361fの総開口面積はS302pからS304p(=0)へ変わる。
さらに、タイミング(CA306p)において、ECU340pは、開閉機構370p(電磁弁380p)の開度を第4開度から第1開度へ変えるように制御する。これにより、第3連通開口361tは第1開度で開かれるようになる。そして、連通路361fの総開口面積はS304pからS301pへ変わる。これにより、第3期間T3において、連通路361fの総開口面積はS301pになる。なお、タイミング(CA306)は排気行程におけるタイミングであり、第3期間T3は排気行程に含まれる期間である。
以上のように、新気混合気が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361pに導入されるときの連通路361fの総開口面積S301pが、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路361fの総開口面積S302pよりも大きい。このため、十分な新気混合気を主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361pに導入することができるようになっている。
また、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路361fの総開口面積S302pが、新気混合気が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361pに導入されるときの連通路361fの総開口面積S301pよりも小さい。このため、副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度を増大させることができるようになっている。
さらに、第1期間T1における連通路361fの総開口面積S303pが、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路361fの総開口面積S302pよりも小さくなっている。このため、第1期間T1において開閉機構370pの開度が第2開度に制御された場合よりも、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるときの副燃焼室361pの圧力はさらに高くなっている。この結果、副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度をさらに増大させることができるようになっている。
そして、第2期間T2の終期直後における連通路361fの総開口面積S304pが、第2期間T2における連通路361fの総開口面積S302pよりも小さくなっている。このため、第2期間T2において火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射された後に、副燃焼室361pの圧力(Ps)が主燃焼室63の圧力より大きくなっても、火炎が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361pへ逆流しにくくなっている。
また、第3期間における連通路361fの総開口面積S301pが、第2期間T2の終期直後における連通路361fの総開口面積S304pよりも大きくなっている。このため、第3期間T3において、副燃焼室361pの残留ガスは、連通路361fと主燃焼室63とを経由して排出されやすくなっている。
((第1期間に関する制御))
第7実施形態と同様である。
((第2期間に関する制御))
副室式内燃機関における第2期間に関する制御を、図66〜図70を参照して説明する。
ECU340pの開閉制御部345pが参照するマップ情報を、図66〜図70に示す。図66に示すマップ情報には、機関負荷や機関速度と第2期間T2の長さとの関係が示されている。
すなわち、機関速度が速い場合に、機関速度が遅い場合に比べて、同一クランク角度に対する実時間が短くなり、クランク角度単位で見た場合に火炎の放射速度が遅くなる傾向がある。この場合でも、図66,図69(b)に示すように、ECU340pは、機関速度が速い場合の第2期間T2を、機関速度が遅い場合の第2期間T2に比べてクランク角度単位で長くする。このため、機関速度が速い場合でも、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるための十分なクランク角度単位の時間は確保される。
ここで、図67,図70(b)に示すように、ECU340pは、第3連通開口361tを閉める(第4開度で開き始める)タイミング(CA305p)を主として変えることにより、第2期間T2を変える。すなわち、ECU340pは、機関速度が速い場合のタイミング(CA305p)を、機関速度が遅い場合のタイミング(CA305p)に比べて遅角する。これにより、機関速度が速い場合の第2期間T2は、機関速度が遅い場合の第2期間T2に比べてクランク角度単位で長くなる。
また、図68に示すように、ECU340pは、副燃焼室361pの当量比を、機関負荷が低い場合に、機関負荷が高い場合に比べて小さくする。そして、副燃焼室361pの当量比が小さくなることにより、火炎のエネルギーが小さくなり、実時間単位で火炎の放射速度が遅くなる傾向がある。この場合でも、図66,図69(a)に示すように、ECU340pは、機関負荷が低い場合の第2期間T2を、機関負荷が高い場合の第2期間T2に比べて実時間単位で長くする。このため、機関負荷が低い場合でも、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるための十分な実時間は確保される。
ここで、図67,図70(a)に示すように、ECU340pは、第3連通開口361tを閉める(第4開度で開き始める)タイミング(CA305p)を主として変えることにより、第2期間T2を変える。すなわち、ECU340pは、機関負荷が低い場合のタイミング(CA305p)を、機関負荷が高い場合のタイミング(CA305p)に比べて遅角する。これにより、機関負荷が低い場合の第2期間T2は、機関負荷が高い場合の第2期間T2に比べて実時間単位で長くなる。
((副室式内燃機関の制御の流れ))
副室式内燃機関の制御の流れは、図71に示すように、次の点で第7実施形態と異なる。
ステップS23では、副燃焼室の当量比が制御される。すなわち、燃料噴射制御部343pは、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、燃料噴射制御部343pは、記憶部347pを参照し、マップ情報(図68参照)を記憶部347pから受け取る。燃料噴射制御部343pは、機関負荷や機関速度の情報とマップ情報となどに基づいて、噴射量制御信号を生成する。これにより、燃料噴射弁27は、噴射量制御信号に基づいて所定の噴射量で燃料を噴射する。このように、主燃焼室63の当量比が制御されるので、主燃焼室63と連通されている副燃焼室361pの当量比も制御される。
ステップS24では、第1期間及び第2期間が制御される。すなわち、開閉制御部345pは、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、開閉制御部345pは、記憶部347pを参照し、開閉制御情報(図72(b)参照)及びマップ情報(図66〜図70参照)を記憶部347pから受け取る。開閉制御部345pは、機関負荷や機関速度の情報と開閉制御情報及びマップ情報となどに基づいて、開閉制御信号を生成する。これにより、開閉機構370pは、開閉制御信号に基づいて、所定のタイミングにおいて弁体382pを所定量だけリフトさせて第3連通開口361tを開閉する。すなわち、ECU340pは、電磁駆動機構81iが弁体382pをリフトする量を制御することにより、開閉機構370pの開度を制御する。
具体的には、ECU340pは、第1期間T1における連通路361fの総開口面積S303pが、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路361fの総開口面積S302pよりも小さくなるように、開閉機構370pを制御する。また、ECU340pは、運転条件に応じて第1期間T1を変えるように、開閉機構370pの開度を制御する。
また、ECU340pは、第2期間T2の終期直後における連通路361fの総開口面積S304pが、第2期間T2における連通路361fの総開口面積S302pよりも小さくなるように、開閉機構370pを制御する。また、ECU340pは、運転条件に応じて第2期間T2を変えるように、開閉機構370pの開度を制御する。
(副室式内燃機関の特徴)
(1)
ここでは、新気混合気が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361pに導入されるときの連通路361fの総開口面積S301pが、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路361fの総開口面積S302pよりも大きい。このため、十分な新気混合気が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361pに導入されるので、副燃焼室361pにおける燃焼は安定化する。
また、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるときの連通路361fの総開口面積S302pが、新気混合気が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361pに導入されるときの連通路361fの総開口面積S301pよりも小さい。このため、副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度は増大する。
このように、副燃焼室361pにおける燃焼は安定化し、主燃焼室63へ放射される火炎の速度は増大する。したがって、主燃焼室63における燃焼期間が短縮するので、主燃焼室63における燃焼は安定化する。
(2)
ここでは、ECU340pは、開閉機構370pの開度を制御する。このため、新気混合気が副燃焼室361pに導入されるときに、ECU340pが開閉機構370pの開度を大きく(第1開度に)するので、第3連通開口361tの開口面積St301pが大きくなり、連通路361fの総開口面積S301pは大きくなる。
また、火炎が副燃焼室361pから放射されるときに、ECU340pが開閉機構370pの開度を小さく(第2開度に)するので、第3連通開口361tの開口面積St302pが小さくなり、連通路361fの総開口面積S302pは小さくなる。
(3)
ここでは、ECU340pは、電磁駆動機構81iが弁体382pをリフトする量を制御することにより、開閉機構370pの開度を制御する。具体的には、電磁駆動機構81iは、開閉制御信号をECU340pから受け取る。そして、電磁駆動機構81iは、開閉制御信号に基づいて、弁体382pをリフトする量を変える。これにより、開閉機構370pの開度は、第1開度,第3開度,第2開度又は第4開度になる。このように、開閉機構370pの開度は簡易に制御される。
(4)
ここでは、ECU340pは、第1期間T1における連通路361fの総開口面積S303pが、火炎が副燃焼室361pから主燃焼室63へ放射されるときの連通路361fの総開口面積S302pよりも小さくなるように、開閉機構370pを制御する。このため、第1期間T1において開閉機構370pの開度が第2開度に制御された場合に比べて、副燃焼室361pの圧力(Ps)が主燃焼室63の圧力よりも十分に大きくなるので、十分な速度の火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるようになる。これにより、主燃焼室63での燃焼は安定化する。
(5)
ここでは、第1期間T1は、点火プラグ29が新気混合気を点火するタイミング(CA2)から、副燃焼室361pの圧力が最大となるタイミング(CA3)までの期間を含む。このため、第1期間T1において開閉機構370pの開度が第2開度に制御された場合に比べて、副燃焼室361pの圧力(Ps)は主燃焼室63の圧力よりも十分に大きくなる。
(6)
ここでは、ECU340pは、運転条件に応じて第1期間T1を変えるように、開閉機構370pを制御する。これにより、開閉機構370pは、開閉制御信号に基づいて、適切な期間においてその開度が第3開度になる。このため、種々の運転条件において、十分な量の火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるようになる。この結果、主燃焼室63での燃焼は安定化する。
(7)
ここでは、機関速度が速い場合に、機関速度が遅い場合に比べて、同一クランク角度に対する実時間が短くなり、クランク角度単位で見た場合に火炎の放射速度が遅くなる傾向がある。この場合でも、ECU340pは、機関速度が速い場合の第1期間T1を、機関速度が遅い場合の第1期間T1に比べてクランク角度単位で長くする。このため、機関速度が速い場合でも、副燃焼室361pの圧力(Ps)が主燃焼室63の圧力よりも十分大きくなるので、クランク角度単位で見た場合に火炎の放射速度が低下することは抑えられる。これにより、種々の運転条件において、クランク角度単位で見た場合に十分な速度の火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射する。
(8)
ここでは、機関負荷が低い場合に、機関負荷が高い場合に比べて、火炎のエネルギーが小さくなり、実時間単位で火炎の放射速度が遅くなる傾向がある。この場合でも、ECU340pは、機関負荷が低い場合の第1期間T1を、機関負荷が高い場合の第1期間T1に比べて実時間単位で長くする。このため、機関負荷が低い場合でも、副燃焼室361pの圧力(Ps)が主燃焼室63の圧力よりも十分大きくなるので、実時間単位で見た場合に火炎の放射速度が低下することは抑えられる。これにより、種々の運転条件において、実時間単位で見た場合に十分な速度の火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射される。
(9)
ここでは、ECU340pは、主としてタイミング(CA304p)を変えることにより第1期間T1を変えるように、開閉機構370pを制御する。ここで、主燃焼室63の燃焼期間が適切なものとなるように、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射される適切な時期は、図37に示すマップ情報と同様の傾向になる。そして、第1期間T1の始期となるタイミング(CA301p)がほとんど変えられずに、運転条件に応じて、第1期間T1の終期となるタイミング(CA304p)が変えられることにより、第1機関T1の長さは、図36に示すマップ情報のようになる。このように、運転条件に応じて第1期間T1の主として終期が変えられることにより、種々の運転条件において、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射される時期は適切なものとなり、主燃焼室63の燃焼期間が適切なものとなる。
(10)
ここでは、ECU340pは、機関速度が速い場合のタイミング(CA304p)を、機関速度が遅い場合のタイミング(CA304p)に比べて遅角する。これにより、機関速度が速い場合の第1期間T1は、機関速度が遅い場合の第1期間T1に比べてクランク角度単位で長くなる。
(11)
ここでは、ECU340pは、機関負荷が低い場合のタイミング(CA304p)を、機関負荷が高い場合のタイミング(CA304p)に比べて遅角する。これにより、機関負荷が低い場合の第1期間T1は、機関負荷が高い場合の第1期間T1に比べて実時間単位で長くなる。
(12)
ここでは、ECU340pは、第2期間T2の終期直後における連通路361fの総開口面積S304pが、第2期間T2における連通路361fの総開口面積S302pよりも小さくなるように、開閉機構370pを制御する。これにより、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射された後に、火炎が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361pへ逆流することは低減される。このため、主燃焼室63での燃焼が安定化するので、リーン限界は拡大する。
(13)
ここでは、第2期間T2は、連通路361fの総開口面積が大きくなるタイミング(CA304p)から、連通路361fの総開口面積が小さくなるタイミング(CA305p)までの期間である。これにより、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射された後に、火炎が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361pへ逆流することは低減される。
(14)
ここでは、ECU340pは、運転条件に応じて第2期間T2を変えるように、開閉機構370pを制御する。これにより、開閉機構370pは、開閉制御信号に基づいて、適切な期間においてその開度が第2開度になる。このため、種々の運転条件において、十分な量の火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるので、主燃焼室63での燃焼は安定化する。
(15)
ここでは、機関速度が速い場合に、機関速度が遅い場合に比べて、同一クランク角度に対する実時間が短くなり、クランク角度単位で見た場合に火炎の放射速度が遅くなる傾向がある。この場合でも、ECU340pは、機関速度が速い場合の第2期間T2を、機関速度が遅い場合の第2期間T2に比べてクランク角度単位で長くする。このため、機関速度が速い場合でも、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるための十分なクランク角度単位の時間は確保される。これにより、種々の運転条件において、十分な量の火炎が副燃焼室から連通路経由で主燃焼室へ放射される。
(16)
ここでは、機関負荷が低い場合に、機関負荷が高い場合に比べて、火炎のエネルギーが小さくなり、実時間単位で火炎の放射速度が遅くなる傾向がある。この場合でも、ECU340pは、機関負荷が低い場合の第2期間T2を、機関負荷が高い場合の第2期間T2に比べて実時間単位で長くする。このため、機関負荷が低い場合でも、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射されるための十分な実時間は確保される。これにより、種々の運転条件において、十分な量の火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射される。
(17)
ここでは、ECU340pは、第3連通開口361tを閉める(第4開度で開き始める)タイミング(CA305p)を主として変えることにより第2期間T2を変えるように、開閉機構370pを制御する。ここで、副燃焼室の圧力(Ps)が主燃焼室63の圧力より低くなり、火炎が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361pへ逆流しやすくなり始める時期は、図67に示すマップ情報と同様の傾向になる。そして、第2期間の始期となるタイミング(CA304p)がほとんど変えられずに、運転条件に応じて、第2期間の終期となるタイミング(CA305p)が変えられることにより、第2期間T2の長さは、図66に示すマップ情報のようになる。このように、運転条件に応じて第2期間T2の主として終期が変えられることにより、種々の運転条件において、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射され終わる時期が適切なものとなるので、火炎が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361pへ逆流することは低減される。
(18)
ここでは、ECU340pは、機関速度が速い場合のタイミング(CA305p)を、機関速度が遅い場合のタイミング(CA305p)に比べて遅角する。これにより、機関速度が速い場合の第2期間T2は、機関速度が遅い場合の第2期間T2に比べてクランク角度単位で長くなる。
(19)
ここでは、ECU340pは、機関負荷が低い場合のタイミング(CA305p)を、機関負荷が高い場合のタイミング(CA305p)に比べて遅角する。これにより、機関負荷が低い場合の第2期間T2は、機関負荷が高い場合の第2期間T2に比べて実時間単位で長くなる。
(20)
ここでは、ECU340pは、第3期間T3における連通路361fの総開口面積S301pが、第2期間T2の終期直後における連通路361fの総開口面積S304pよりも大きくなるように、開閉機構370pを制御する。ここで、第3期間T3は、排気行程において連通路361fの総開口面積が大きくなるタイミング(CA306p)から始まる。このため、第3期間T3において、副燃焼室361pの残留ガスは、連通路361fと主燃焼室63とを経由して排出されやすくなっている。
(21)
ここでは、ECU340pは、タイミング(CA304p)をさらに変えることにより第2期間T2を変えるように、開閉機構370pを制御する。ここで、第2期間T2の始期となるタイミング(CA304p)がほとんど変えられずに主としてタイミング(CA304p)が変えられると、タイミング(CA305p)は、運転状態に応じて、図51に示すマップ情報に基づいて決まる第1期間T1の長さに従って、決まることになる。そうすると、タイミング(CA305p)が、必ずしも、火炎が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361pへ逆流しやすくなり始める直前の時期と一致しないこともある。
この場合でも、タイミング(CA305p)が、火炎が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361pへ逆流しやすくなり始める直前の時期と一致するようにされた上で、運転条件に応じて第2期間T2のさらに始期が変えられれば、種々の運転条件において、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射される時期は適切なものとなる。
(第9実施形態の変形例)
(A)ECU340pは、第1期間T1における連通路361fの総開口面積S303pを0よりも大きな値になるように制御しても良い。この場合でも、第1期間T1における連通路361fの総開口面積S303pが、火炎が副燃焼室361pから主燃焼室63へ放射されるときの連通路361fの総開口面積S302pよりも小さくなるように制御されれば、第1期間T1において開閉機構370pの開度が第2開度に制御された場合に比べて、副燃焼室361pの圧力(Ps)は主燃焼室63の圧力よりも十分に大きくなる。
また、ECU340pは、第3期間T3における連通路361fの総開口面積がS301pと異なる値になるように制御しても良い。この場合でも、第3期間T3における連通路361fの総開口面積が、第2期間T2の終期直後における連通路361fの総開口面積S304pよりも大きくなるように制御されれば、第3期間T3において、副燃焼室361pの残留ガスは、連通路361fと主燃焼室63とを経由して排出されやすくなる。
(B)ECU340pは、第2期間T2の終期直後における連通路361fの総開口面積S304pを0よりも大きな値になるように制御しても良い。この場合でも、第2期間T2の終期直後における連通路361fの総開口面積S304pが、第2期間T2における連通路361fの総開口面積S302pよりも小さくなるように制御されれば、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射された後に、火炎が主燃焼室63から連通路361f経由で副燃焼室361pへ逆流することは低減される。
(C)副室式内燃機関300pでは、さらにタイミング(CA301p)が変えられても良い。この場合、ECU340pは、タイミング(CA304p)に加えてさらにタイミング(CA301p)を変えることにより第1期間T1を変えるように、開閉機構370pを制御する。ここで、第1期間T1の始期となるタイミング(CA301p)がほとんど変えられずに主としてタイミング(CA304p)が変えられると、タイミング(CA304p)は、運転状態に応じて、図36に示すマップ情報に基づいて決まる第1期間T1の長さに従って、決まることになる。そうすると、タイミング(CA304p)が、必ずしも、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射される適切な時期と一致しないこともある。
この場合でも、タイミング(CA304p)が、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射される適切な時期と一致するようにされた上で、運転条件に応じて第1期間T1のさらに始期が変えられれば、種々の運転条件において、火炎が副燃焼室361pから連通路361f経由で主燃焼室63へ放射される時期は適切なものとなる。
本発明に係る副室式内燃機関は、主燃焼室における燃焼を安定化することができるという効果を有し、副室式内燃機関等として有用である。
本発明の第1実施形態に係る副室式内燃機関の断面図。 本発明の第1実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第1実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 開閉機構の動作を示す図。 本発明の第2実施形態に係る副室式内燃機関の断面図。 本発明の第2実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第2実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 副室式内燃機関の制御を示す図。 本発明の第3実施形態に係る副室式内燃機関の断面図。 本発明の第3実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第3実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 副室式内燃機関の制御を示す図。 本発明の第4実施形態に係る副室式内燃機関の断面図。 本発明の第4実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第4実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第4実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 副室式内燃機関の制御を示す図。 本発明の第5実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第5実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 副室式内燃機関の制御を示す図。 本発明の第6実施形態に係る副室式内燃機関の断面図。 本発明の第6実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 弁体の形状を示す斜視図。 本発明の第6実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第6実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 マップ情報を示す図。 マップ情報を示す図。 副室式内燃機関の制御を示す図。 本発明の第6実施形態の変形例における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第6実施形態の変形例における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第6実施形態の変形例における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第7実施形態に係る副室式内燃機関の断面図。 本発明の第7実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第7実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第7実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 マップ情報を示す図。 マップ情報を示す図。 マップ情報を示す図。 マップ情報を示す図。 マップ情報を示す図。 マップ情報を示す図。 副室式内燃機関の制御の流れを示すフローチャート。 副室式内燃機関の制御を示す図。 本発明の第7実施形態の変形例における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第7実施形態の変形例における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第7実施形態の変形例における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第8実施形態に係る副室式内燃機関の断面図。 本発明の第8実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第8実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第8実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 マップ情報を示す図。 マップ情報を示す図。 マップ情報を示す図。 マップ情報を示す図。 マップ情報を示す図。 副室式内燃機関の制御の流れを示すフローチャート。 副室式内燃機関の制御を示す図。 本発明の第8実施形態の変形例における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第8実施形態の変形例における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第8実施形態の変形例における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第9実施形態に係る副室式内燃機関の断面図。 本発明の第9実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第9実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第9実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第9実施形態における副燃焼室の拡大断面図。 マップ情報を示す図。 マップ情報を示す図。 マップ情報を示す図。 マップ情報を示す図。 マップ情報を示す図。 副室式内燃機関の制御の流れを示すフローチャート。 副室式内燃機関の制御を示す図。
符号の説明
1,1i,1j,1k,1p,100,100i,100j,100k,200,200i,200j,200k,300,300i,300j,300k,300p 副室式内燃機関
29 点火プラグ(点火部)
40,40i,40j,40k,140,240,340,340p ECU(制御部)
61,61i,61j,61k,61p,161,161i,161j,161k,261,261i,261j,261k,361,361i,361j,361k,361p 副燃焼室
61f,61fj,61h,161f,161fi,161fj,161fk,261f,261fi,261fj,261fk,361f,361fi,361fj,361fk 連通路
63 主燃焼室
61d,61g,161d,161di,161dj,161dk,261d,261di,261dj,361d,361di,361dj 第1連通開口(連通開口)
61e,161e,261ei,261ej,261ek,361ei,361ej,361ek 第2連通開口(連通開口)
64b 第1壁部
66b 第2壁部
70,70i、70j,70k,170,170i,170j,170k,270,270i,270j,270k,370,370i,370j,370k,370p 開閉機構(開閉部)
80 逆止弁
80i、80j,180,180i,180j,180k,280,280i,280j,280k,380,380i,380j,380k,380p 電磁弁
80k ピエゾ駆動弁
81 バネ機構
81i,81j 電磁駆動機構(駆動部)
81k ピエゾ駆動機構(駆動部)
82,82i,182,182i,182j,182k,282,282i,282j,282k,382,382i,382j,382k,382p 弁体
161tj,161tk,261t,261tj,261tk,361t,361tj,361tk 第3連通開口(連通開口)

Claims (33)

  1. 主燃焼室と、
    前記主燃焼室に隣接する副燃焼室と、
    前記主燃焼室から前記副燃焼室に導入された新気混合気を点火する点火部と、
    前記主燃焼室と前記副燃焼室とを連通し、前記新気混合気が前記主燃焼室から前記副燃焼室に導入されるときの総開口面積が、前記点火部が前記新気混合気を点火することにより生成された火炎が前記副燃焼室から前記主燃焼室へ放射されるときの総開口面積よりも大きい連通路と、
    を備えた、
    副室式内燃機関。
  2. 前記連通路は、複数の連通開口を有し、
    複数の前記連通開口のうち少なくとも一部の前記連通開口を開閉する開閉部をさらに備えた、
    請求項1に記載の副室式内燃機関。
  3. 前記開閉部は、逆止弁を有し、
    前記逆止弁は、複数の連通開口のうち一部の連通開口を開閉し、前記副燃焼室の圧力から前記主燃焼室の圧力を引いた値である圧力差が境界値未満である場合に開状態となり、前記圧力差が境界値以上である場合に閉状態となる、
    請求項2に記載の副室式内燃機関。
  4. 前記連通路は、1以上の連通開口を有し、
    前記連通開口は、
    第1壁部と、
    前記第1壁部の材質よりも熱膨張率の大きい材質を含む第2壁部と、
    に囲まれて形成されている、
    請求項1に記載の副室式内燃機関。
  5. 前記制御部は、前記新気混合気が前記主燃焼室から前記連通路経由で前記副燃焼室に導入されるときに少なくとも一部の前記連通開口を開き、前記火炎が前記副燃焼室から前記連通路経由で前記主燃焼室へ放射されるときに少なくとも一部の前記連通開口を閉じるように、前記開閉部を制御する、
    請求項2に記載の副室式内燃機関。
  6. 前記連通路は、1以上の連通開口を有し、
    前記1以上の連通開口を開閉する開閉部をさらに備え、
    前記開閉部は、開度が可変であり、
    前記制御部は、前記開閉部の開度を制御する、
    請求項1に記載の副室式内燃機関。
  7. 前記開閉部は、
    前記連通開口を開閉する弁体と、
    前記弁体を駆動する駆動部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記駆動部が前記弁体をリフトする量を制御することにより、前記開閉部の開度を制御する、
    請求項6に記載の副室式内燃機関。
  8. 前記制御部は、前記新気混合気が前記主燃焼室から前記副燃焼室に導入されるときの前記連通路の総開口面積を運転条件に応じて変えるように、前記開閉部を制御する、
    請求項5から7のいずれか1項に記載の副室式内燃機関。
  9. 前記制御部は、前記新気混合気が前記主燃焼室から前記副燃焼室に導入されるときの前記連通路の総開口面積を、機関速度が速い場合に、機関速度が遅い場合に比べて大きくする、
    請求項8に記載の副室式内燃機関。
  10. 前記制御部は、前記新気混合気が前記主燃焼室から前記副燃焼室に導入されるときの前記連通路の総開口面積を、機関負荷が低い場合に、機関負荷が高い場合に比べて小さくする、
    請求項8に記載の副室式内燃機関。
  11. 前記制御部は、前記火炎が前記副燃焼室から前記主燃焼室へ放射されるときの前記連通路の総開口面積を運転条件に応じて変えるように、前記開閉部を制御する、
    請求項8に記載の副室式内燃機関。
  12. 前記制御部は、前記火炎が前記副燃焼室から前記主燃焼室へ放射されるときの前記連通路の総開口面積を、機関速度が速い場合に、機関速度が遅い場合に比べて大きくする、
    請求項11に記載の副室式内燃機関。
  13. 前記制御部は、前記火炎が前記副燃焼室から前記主燃焼室へ放射されるときの前記連通路の総開口面積を、機関負荷が低い場合に、機関負荷が高い場合に比べて小さくする、
    請求項11に記載の副室式内燃機関。
  14. 前記制御部は、前記点火部が前記新気混合気を点火するタイミングの近傍の期間である第1期間における前記連通路の総開口面積が、前記火炎が前記副燃焼室から前記主燃焼室へ放射されるときの前記連通路の総開口面積よりも小さくなるように、前記開閉部を制御する、
    請求項5から13のいずれか1項に記載の副室式内燃機関。
  15. 前記第1期間は、前記点火部が前記新気混合気を点火するタイミングから、前記副燃焼室の圧力が最大となるタイミングまでの期間を含む、
    請求項14に記載の副室式内燃機関。
  16. 前記制御部は、運転条件に応じて前記第1期間を変えるように、前記開閉部を制御する、
    請求項14又は15に記載の副室式内燃機関。
  17. 前記制御部は、機関速度が速い場合の前記第1期間を、機関速度が遅い場合の前記第1期間に比べてクランク角度単位で長くする、
    請求項16に記載の副室式内燃機関。
  18. 前記制御部は、機関負荷が低い場合の前記第1期間を、機関負荷が高い場合の前記第1期間に比べて実時間単位で長くする、
    請求項16に記載の副室式内燃機関。
  19. 前記制御部は、少なくとも一部の前記連通開口を開く時期である開時期を主として変えることにより前記第1期間を変えるように、前記開閉部を制御する、
    請求項16から18のいずれか1項に記載の副室式内燃機関。
  20. 前記制御部は、機関速度が速い場合の前記開時期を、機関速度が遅い場合の前記開時期に比べて遅角する、
    請求項19に記載の副室式内燃機関。
  21. 前記制御部は、機関負荷が低い場合の前記開時期を、機関負荷が高い場合の前記開時期に比べて遅角する、
    請求項19に記載の副室式内燃機関。
  22. 前記制御部は、前記点火部が前記新気混合気を点火するタイミングより前に少なくとも一部の前記連通開口を閉じる時期である第1閉時期をさらに変えることにより前記第1期間を変えるように、前記開閉部を制御する、
    請求項19に記載の副室式内燃機関。
  23. 前記制御部は、前記火炎が前記副燃焼室から前記連通路経由で前記主燃焼室へ放射される期間である第2期間の終期直後における前記連通路の総開口面積が、前記第2期間における前記連通路の総開口面積よりも小さくなるように、前記開閉部を制御する、
    請求項5から22のいずれか1項に記載の副室式内燃機関。
  24. 前記第2期間は、前記連通路の総開口面積が小さくなるタイミングから、前記連通路の総開口面積がさらに小さくなるタイミングまでの期間を含む、
    請求項23に記載の副室式内燃機関。
  25. 前記第2期間は、前記連通路の総開口面積が大きくなるタイミングから、前記連通路の総開口面積が小さくなるタイミングまでの期間を含む、
    請求項23に記載の副室式内燃機関。
  26. 前記制御部は、運転条件に応じて前記第2期間を変えるように、前記開閉部を制御する、
    請求項23から25のいずれか1項に記載の副室式内燃機関。
  27. 前記制御部は、機関速度が速い場合の前記第2期間を、機関速度が遅い場合の前記第2期間に比べてクランク角度単位で長くする、
    請求項26に記載の副室式内燃機関。
  28. 前記制御部は、機関負荷が低い場合の前記第2期間を、機関負荷が高い場合の前記第2期間に比べて実時間単位で長くする、
    請求項26に記載の副室式内燃機関。
  29. 前記制御部は、前記点火部が前記新気混合気を点火するタイミングより後に少なくとも一部の前記連通開口を閉じる時期である第2閉時期を主として変えることにより前記第2期間を変えるように、前記開閉部を制御する、
    請求項26から28のいずれか1項に記載の副室式内燃機関。
  30. 前記制御部は、機関速度が速い場合の前記第2閉時期を、機関速度が遅い場合の前記第2閉時期に比べて遅角する、
    請求項29に記載の副室式内燃機関。
  31. 前記制御部は、機関負荷が低い場合の前記第2閉時期を、機関負荷が高い場合の前記第2閉時期に比べて遅角する、
    請求項29に記載の副室式内燃機関。
  32. 前記制御部は、排気行程に含まれる期間である第3期間における前記連通路の総開口面積が、前記第2期間の終期直後における前記連通路の総開口面積よりも大きくなるように、前記開閉部を制御する、
    請求項23から31のいずれか1項に記載の副室式内燃機関。
  33. 前記第3期間は、排気行程において前記連通路の総開口面積が大きくなるタイミングから始まる、
    請求項32に記載の副室式内燃機関。
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