JP2006322085A - 割繊型複合繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】 割繊型複合繊維であって、セルロースエステルを主成分とする成分と、ポリアミドを主成分とする成分とからなることを特徴とする複合繊維によって、柔軟性、吸湿性、割繊性を同時に満足することが可能な割繊型複合繊維を得ること。
【解決手段】 セルロースエステルを主成分とする構成成分Aと、ポリアミドを主成分とする構成成分Bとからなる割繊型複合繊維であって、いずれかの構成成分が他方の構成成分によって少なくとも3つの成分に分割される構造を有する割繊型複合繊維。
【選択図】図1

Description

本発明は、セルロースエステルを主成分とする構成成分とポリアミドを主成分とする構成成分からなる割繊型複合繊維に関する。より詳しくは、構成成分のポリマー種および収縮率が異なるため容易に割繊が可能で、極細繊維化が容易な割繊型複合繊維に関する。
極細繊維を発生可能な割繊型複合繊維の技術に関しては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルと、ナイロン6などのポリアミドとを構成成分とする複合繊維が古くから提案されてきた(特許文献1参照)。これらの複合繊維は不織布などの形態に形成された後、ウォータージェットパンチなどの外力をかけることによって割繊が行われ、極細繊維化したポリエステル繊維とポリアミド繊維が発生するというものである。しかし、これらの割繊型複合繊維を用いた場合には、割繊後に極細化されたポリエステル部分の染色性が悪く、良好な発色性が得られないことや、吸湿性がほとんどないため、静電気の発生や着用時のむれ感などの問題があった。
染色性などを向上させるため、ポリプロピレンテレフタレートとポリアミドからなる分割形複合繊維が提案されているが(特許文献2参照)、ポリプロピレンテレフタレートにもほとんど吸湿性がないため、静電気の発生などの問題があった。
一方、吸湿性を向上させた複合繊維として、セルロースアセテートからなる中間層を挟みその両側にセルローストリアセテートからなる層が存在する3成分複合繊維が提案されている(特許文献3)。この複合繊維は繊維化後にアルカリ処理などによってさらに吸湿性を向上させることができ吸湿性能については高いレベルのものとなっている。しかしながら、溶媒を用いる乾式紡糸であるため繊維そのものを細くすることができないうえ、セルローストリアセテート成分はセルロースアセテートによって2つに分割されているものの、セルロースアセテート成分はセルローストリアセテートによって分割されておらず、結局合計3成分のみの複合繊維であるため、割繊後の単糸繊度が細くできないという問題があった。実施例においては84dtex/20フィラメントの3分割繊維であるため、おおよそ単糸の繊度は1.4dtex程度と計算される。
特開昭62−133164号公報 特開2005−2508号公報 特開2001−55629号公報
本発明の課題は、割繊型複合繊維であって、セルロースエステルを主成分とする成分と、ポリアミドを主成分とする成分とからなることを特徴とする複合繊維によって、発色性と吸湿性を両立可能な割繊型複合繊維を得ることにある。
上述した本発明の課題は、セルロースエステルを主成分とする構成成分Aと、ポリアミドを主成分とする構成成分Bとからなる割繊型複合繊維であって、いずれかの構成成分が他方の構成成分によって少なくとも3つの成分に分割される構造を有する割繊型複合繊維によって解決が可能である。
この場合、セルロースエステルが、少なくとも一部のエステルが炭素数3以上のアシル基を有するものであることが好適に採用可能であり、具体的には、セルロースエステルが、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートから選ばれる少なくとも1種からなるものであることができる。
さらに、高い割繊性の観点からは、構成成分Aの沸騰水収縮率Sが0〜5%であり、沸騰水Bの沸騰水収縮率Sが、Sよりも2%以上高いことが好ましく採用できる。
また本発明の別の課題は、上記の割繊型複合繊維を割繊して得られた極細混繊糸によって解決が可能である。さらには、該極細混繊糸を少なくとも一部に用いてなる繊維構造物が好適に採用できる。
本発明の割繊型複合繊維は割繊性に優れるため、極細繊維発生型繊維として好適に用いることができる。また、この複合繊維を用いてなる繊維構造物は、セルロースエステルの高い発色性と、セルロースエステルおよびポリアミドの優れた吸湿性により、人工皮革や自動車内装材、家具の表層材などへ好適に使用することができる。
本発明の割繊型複合繊維は、セルロースエステルを主成分とする構成成分Aと、ポリアミドを主成分とする構成成分Bとからなる割繊型複合繊維であって、いずれかの構成成分が他方の構成成分によって少なくとも3つの成分に分割される構造を有する割繊型複合繊維である。
セルロースエステルを主成分とする構成成分Aとしては、ポリアミドとの溶融複合紡糸を行うために熱可塑性を有していることが必要であり、セルロースエステルは、少なくとも一部のエステルが炭素数3以上のアシル基を有するものであることが好ましく採用できる。
本発明の少なくとも一部のアシル基が炭素数3以上のものであるセルロースエステルの具体例としては、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースフタレートなどのセルロースエステルや、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレートなどのセルロース混合エステルなどがあげられる。中でも、成形のしやすさの観点からセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートが好適に使用できる。
セルロースエステルを主成分とする構成成分Aは、主成分であるセルロースエステルの他に、その他の構成成分を含んでなることが可能である。含有できる成分には、例えば、可塑剤、着色防止剤、滑剤、帯電防止剤、染料、顔料、紫外線吸収剤、抗菌剤、潤滑剤、艶消剤、生分解促進剤等があげられる。また、これらの化合物は、単独もしくは併用して含有することができる。可塑剤以外の添加剤の含有量については、セルロースエステルを主成分とする組成物全体に対して5wt%以下であることが好ましく、2wt%以下であることが最も好ましい。
ポリアミドとの溶融複合紡糸を可能とし、外力を付与して割繊を行う際の割繊性を良好にするため、セルロースエステルを主成分とする構成成分Aは、構成成分Aの重量に対して2〜30wt%の可塑剤を含有することができる。可塑剤の含有量が2wt%以上であれば、繊維間の割繊性が良好になる効果があり、30wt%以下であれば、余剰の可塑剤がブリードアウトして繊維構造体表面に析出するなどのトラブルを回避することができるため好ましい。可塑剤含有量は、割繊性を高める観点から、5wt%以上であることがより好ましく、10wt%以上であることが最も好ましい。また、ブリードアウトを抑制する観点からは、25wt%以下であることがより好ましく、20wt%以下であることが最も好ましい。
本発明において用いられる可塑剤は、本発明のセルロースエステルに混和するものであれば特に制限なく用いることができる。例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどのフタル酸エステル類、テトラオクチルピロメリテート、トリオクチルトリメリテートなどの芳香族多価カルボン酸エステル類、ジブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、ジオクチルセバケートなどの脂肪族多価カルボン酸エステル類、グリセリントリアセテート、ジグリセリンテトラアセテート、グリセリンジアセトモノオレート、グリセリンジアセトモノラウレートなどの多価アルコールの脂肪酸エステル類、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリクレジルホスフェートなどのリン酸エステル類などを挙げることができる。また、より高分子量の可塑剤として、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートなどのグリコールと二塩基酸とからなる脂肪族ポリエステル類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸などのオキシカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル類、ポリカプロラクトン、ポリプロピオラクトン、ポリバレロラクトンなどのラクトンからなる脂肪族ポリエステル類などを挙げることができる。これらの高分子量可塑剤は共重合体であってもよいし、重合体の一部が修飾されているものであってもよい。
さらには水溶性の可塑剤として、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、一般式(1)で示されるポリエーテル類などを挙げることができる。ここで水溶性とは、20〜100℃の温度の水にその10重量%以上が溶解可能であることをいう。
−O−{(CH2)nO}m−R ・・・(1)
(但し、RとRは、H、アルキル基およびアシル基よりなる群から選ばれた同一または異なる基を表す。nは2〜5の整数、mは3〜30の整数。)
上記の一般式(1)で示されるポリエーテル化合物は、セルロース混合脂肪酸エステルとの相溶性が優れているため好適に採用することができる。具体的なポリエーテル化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールの共重合体などを挙げることができるが、中でも水溶性の観点からはポリエチレングリコールが好適に使用できる。
ポリアミドを主成分とする構成成分Bについては、溶融複合紡糸ができるものであれば特に制限はなく用いることができる。具体的には、ポリεカプラミド(ナイロン6)や、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)などのポリアミドや、これらの共重合体であることができる。
本発明の割繊型複合繊維においては、いずれかの構成成分が他方の構成成分によって少なくとも3つの成分に分割される構造を有する割繊型複合繊維であることが必要である。一方の構成成分が他方の構成成分によって少なくとも3つの成分に分割可能であることによって、ひとつひとつの構成成分が充分小さくなり、割繊後の繊維の繊度が小さくなることが重要である。
本発明において採用可能な繊維の断面形状を図1および図2に示す。図1および図2は放射型形状の構成成分Bと、該放射部を補完する形状の構成成分Aが接合された形状の断面を有しており、割繊後、極細糸とするためにはA成分は少なくとも3個以上のセグメントに分割されていることが必要である。この場合極細化を容易に行う観点から構成成分Aのセグメント数は3〜20であることが好ましい。
割繊前の繊維の繊度については、1.1〜20dtexであることが割繊前の工程における繊維通過性を良好にするため好ましい。割繊前の繊維の繊度が1.1dtex以上であれば工程通過性が良好であり、20dtex以下であれば極細繊維とするための構成成分の数を多くする必要なく繊維製造が容易となる。割繊前の繊維の繊度については1.5〜15dtexであることがより好ましく、2.0〜10dtexであることが最も好ましい。
割繊後の単糸繊度は0.1〜1.0dtexとなることが好ましい。0.1dtex以上であれば、繊維のフィブリル化などの問題が発生せず、また発色性低下なども起こりにくいため好ましい。また、1.0dtex以下であれば極細繊維のタッチが必要となる分野に好適に用いることができる。割繊後の単糸繊度は0.2〜0.8dtexであることがより好ましい。
本発明における割繊型複合繊維は短繊維であることができる。短繊維である場合には、繊維長の平均値が25〜150mmであることが好ましい。繊維長が25mm以上であり、150mm以下である場合には、混綿工程において均一分散がしやすいため好ましい。繊維長は30mm以上であることがより好ましく、40mm以上であることが最も好ましい。また、140mm以下であることがより好ましく、130mm以下であることが最も好ましい。
割繊型複合繊維の繊維断面形状に関しては特に制限がなく、真円状の円形断面であっても良いし、また、多葉形、扁平形、楕円形、W字形、S字形、X字形、H字形、C字形、田字形、井桁形および中空などの異形断面糸でも良い。異形断面とすることによって光沢付与、吸水性付与などを図ることが出来る。
本発明の割繊型複合繊維は、捲縮を付与されてなるものであることができる。その際、捲縮数が3山/25mm〜20山/25mmであることが好ましい。捲縮数が3山/25mm〜20山/25mmの範囲にある場合には、捲縮による体積排除効果が発現し、軽量感のある繊維構造体が得られる。捲縮数は5山/25mm以上であることがより好ましく、7山/25mm以上であることがさらに好ましい。また、18山/25mm以下であることが好ましく、16山/25mm以下であることがさらに好ましい。
本発明の割繊型繊維は、セルロースエステルを主成分とする熱可塑性組成物と、ポリアミドを主成分とする熱可塑性組成物を2成分溶融紡糸機を用い、割繊型繊維が得られる口金を使用して繊維化することによって得られる。引き取った紡出糸は、一旦巻きとった後に捲縮付与工程に供給するか、一旦巻き取ることなくトウ状に収束して集缶した後に捲縮工程に供給するか、あるいは、巻き取ることも集缶することもなく連続的に捲縮付与工程に供給することができる。捲縮付与工程における捲縮付与の具体的な方法については、特に限定されず公知の方法を適用することができる。例えばスタッファーボックス法、押し込み加熱ギア法、高速エアー噴射押し込み法等を採用することができる。また、必要に応じて、油剤を仕上げ剤として捲縮付与前あるいは捲縮付与後に付与することも好適に行いうる。捲縮を付与された、あるいは付与されない繊維束は、公知のカッターによって繊維長25〜150mmとなるように切断することができる。
本発明の割繊型複合繊維は、30℃×90%RH(相対湿度90%)における吸湿率と20℃×65%RH(相対湿度65%)における吸湿率の差で表される吸湿率差(△MR)が1〜5%であることが好ましい。吸湿率差(△MR)が1%以上であることによって、夏期の高湿時に蒸れ感が発生することがなく、また冬季の低湿時における静電気の発生も抑制される。逆に10%以下であることによって、繊維構造体の吸湿による重量増加などのトラブルを防ぐことができる。吸湿率差(△MR)については、快適性の観点からは、2%以上であることがより好ましい。重量増加を抑制する観点からは4%以下であることが好ましい。吸湿による形態変化を避ける必要がある場合に、吸湿率差(△MR)を1〜3%、あるいは1〜2%などの糸設計することについても、適宜行いうる。
本発明の割繊型複合繊維は、織物、編物、不織布などの形態に成形した後、および/または成形する前に、ニードルパンチ、エアージェットパンチ、ウォータージェットパンチ等の物理的処理を施すことによってより細繊度の極細繊維を得ることができる。熱水による加熱処理や、ベンジルアルコールなどポリアミドを膨潤させることができる化学薬品による膨潤処理を行うことによって割繊性を高める処方も好適に採用できる。
この際の割繊性を良好にする観点から、構成成分Aの沸騰水収縮率Sが0〜5%であり、沸騰水Bの沸騰水収縮率Sが、Sよりも2%以上高いことが好適に採用できる。それぞれの構成成分の沸騰水収縮率は、割繊を行った単糸について別々に沸騰水収縮率を求めた場合に得られる測定値を意味している。沸騰水収縮率Sが、Sよりも2%以上高いことによって熱水処理を行った場合の割繊性が高くなり、より容易に極細繊維化することが可能となる。
本発明における繊維構造物は、本発明の割繊型複合繊維を割繊してなる極細混繊糸を少なくとも一部に用いてなるものである。この繊維構造物は割繊されたセルロースエステルおよびポリアミド繊維に起因して優れた吸湿性、柔軟性、光沢を示す。
以下に実施例をあげて本発明をより具体的に説明する。なお、吸湿率差、風合い柔軟性、割繊性、沸騰水収縮率については、下記の方法で測定、評価を行った。
1.吸湿率差(△MR)(%)
割繊型複合繊維を約1g用意し、その絶乾時の重量(W)を測定した。この試料を20℃×65%RHの状態に調湿された恒温恒湿(ナガノ科学機械製LH−20−11M)中に24時間放置し、平衡状態となった試料の重量(W20)を測定し、その後30℃×90%RHの状態に変更して24時間放置し、平衡状態となった試料の重量(W30)を測定した。下記式により求めた。
吸湿率差(△MR)(%)={(W30−W20)/W}×100
2.風合い柔軟性
繊維シートの触感について、官能評価を行い、ポリエチレンテレフタレートとナイロン6からなる従来の割繊布帛と比較して、柔軟性がまさるものを○、同程度の物を△、劣るものを×とした。
3.割繊性
繊維シート表面をSEM写真に撮り、下記式によって分割率を計算して、95%以上を○、70%以上95%未満を△、70%未満で割繊性が不足しているものを×とした。
分割率(%)=(分割した繊維本数/全体繊維本数)×100
4.沸騰水収縮率
得られた複合繊維からなるウエブをウォータージェットパンチして得られた割繊後の単繊を試料として、処理前の繊維長(L)を測定し、100℃の沸水バス中で15分間沸騰水処理を行った。風乾後に処理後の繊維長Lを測定し、
沸騰水収縮率(%)={(L−L)/L}×100

実施例1
セルロースアセテートプロピオネート(イーストマンケミカル社製CAP−482−20)90wt%と、可塑剤のポリエチレングリコール10wt%を、30mmφエクストルーダーを用いて混合し、セルロースエステル組成物のペレットを得た。続いてペレットを真空乾燥した。一方、ポリアミドとしては東レ(株)製ナイロン6のペレットを用いた。
それぞれのペレットを2成分複合溶融紡糸機において紡糸温度250℃にて溶融し、図1に示す断面となるように8分割口金を使用して紡出した。紡出糸は25℃のチムニー風により冷却した後、油剤を付与して集束し、1500m/minで回転するゴデットローラーにより引き取り、84dtex−24fil(単糸繊度3.5dtex)の割繊型複合繊維を得た。その後繊維を引き揃えてトウ状とし、得られたトウを延伸倍率を1.0としたステープル延伸機を使用し、スタッファーボックスで機械捲縮を付与した後、その後繊維長が51mmとなるようにカッティングを行った。捲縮数は9山/25mmと適切なレベルであった。
上述の割繊型複合繊維をカードで解繊後、積層して目付100g/cmのウエブとなし、150kg/cm2の圧力でウォータージェットパンチを表裏3回繰り返して処理し、得られた繊維シートの品位を評価した。
表1に示すように、得られた繊維シートの割繊性は良好であり、風合い柔軟性はきわめてソフトであった。また、吸湿率差(△MR)を測定したところ、2.1%と良好な値であった。

実施例2〜4
実施例2では図2に示す6分割の断面形状とする他は、実施例3、4ではセルロースアセテートブチレート(イーストマンケミカル社製CAB−381−20)90wt%と可塑剤のポリエチレングリコール10wt%からなる組成物を用い、割繊前の繊度をそれぞれ表1に記載の通りとする他は、実施例1と同様にして繊維シートを得た。
表1に示すように、割繊後の繊度が0.28dtexと極めて細い実施例3では割繊性がやや劣っていたが、許容できる範囲であった。割繊後の繊度が0.69dtexとやや太い実施例4では、風合い柔軟性がやや劣っていたが、許容できる範囲であった。吸湿率差(△MR)は、1.8〜2.1%と良好な値であった。
Figure 2006322085
比較例1
それぞれの成分が相手を分割しない複合形状であるバイメタル繊維とする他は、実施例1と同様にして繊維シートを得た。割繊性は良好であったが、割繊後の繊度が1.75dtexと太すぎるため、風合い柔軟性が劣っていた。
比較例2
セルロースエステル組成物にかえて、ポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製PET)を用い、紡糸温度を290℃とし、延伸倍率を3.0倍とする他は実施例3と同様に繊維シートを得た。割繊性は優れていたが、風合いの柔軟性にやや難があり、吸湿率差が0.9%と劣っていた。
Figure 2006322085
本発明の繊維断面の具体例を示す図面である。 本発明の繊維断面の具体例を示す図面である。 本発明の繊維断面の具体例を示す図面である。 本発明の繊維断面の具体例を示す図面である。
符号の説明
A:構成成分A
B:構成成分B

Claims (6)

  1. セルロースエステルを主成分とする構成成分Aと、ポリアミドを主成分とする構成成分Bとからなる割繊型複合繊維であって、いずれかの構成成分が他方の構成成分によって少なくとも3つの成分に分割される構造を有する割繊型複合繊維。
  2. セルロースエステルが、少なくとも一部のエステルが炭素数3以上のアシル基を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の割繊型複合繊維。
  3. セルロースエステルが、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートから選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1あるいは2項に記載の割繊型複合繊維。
  4. 構成成分Aの沸騰水収縮率Sが0〜5%であり、沸騰水Bの沸騰水収縮率Sが、Sよりも2%以上高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の割繊型複合繊維。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の割繊型複合繊維を割繊して得られた極細混繊糸。
  6. 請求項5に記載の極細混繊糸を少なくとも一部に用いてなる繊維構造物。
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