JP2006319444A - ワイヤレスlanシステム、中継端末装置および中継方法 - Google Patents

ワイヤレスlanシステム、中継端末装置および中継方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡単な構成で、基地局APを増設せずに、サービスエリアを拡大できるワイヤレスLANシステムを提供する。
【解決手段】 BSSに属し、BSSのアクセスポイント親局と通信する第一端末と、BSSの圏外に存在する第二端末と、を備えたワイヤレスLANシステムであって、第一端末(STA14)は、第一周波数チャネルでBSS内のアクセスポイント親局と通信を行うとともに、BSSでの通信期間のうちの少なくとも一部の期間を使用して、第一周波数チャネルと異なる第二周波数チャネルに切り替えて第二端末と通信を行う無線部132および無線制御部133を含む。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ワイヤレスLANシステム、中継端末装置および中継方法に関し、特に、IEEE802.11規格に準拠したワイヤレスLANシステムに関する。
従来、インフラストラクチャモードにおけるワイヤレスLANシステムのサービスエリアを拡大するには、基地局APを増設する必要があり、基地局APを増設するためにAPそのもののコストや設置工事コスト、およびAP設置の場所を確保するといった課題があった。特許文献1記載の無線通信方法では、BSS内のSTAを中継局としてBSS圏外のSTAに対して通信サービスを提供することにより、基地局APの増設の上記課題を解決している。
特開2004−180121号公報
しかしながら、上記文献記載の従来技術は、以下の点で改善の余地を有していた。
第一に、中継局となるSTAに基地局APとの通信用と圏外STAとの通信用という2組の無線通信手段を実装する必要があった。
第二に、基地局APが圏外STA宛フレームをカプセル化して送信する必要があり、すなわち既存の基地局APをも改良する必要があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構成で、基地局APを増設せずともサービスエリアを拡大できるワイヤレスLANシステムを提供することにある。
本発明によれば、BSSに属し、前記BSSのアクセスポイント親局と通信する第一端末と、
前記BSSの圏外に存在する第二端末と、を備えたワイヤレスLANシステムであって、
前記第一端末は、
第一周波数チャネルで前記BSS内の前記アクセスポイント親局と通信を行うとともに、前記BSSでの通信期間のうちの少なくとも一部の期間を使用して、前記第一周波数チャネルと異なる第二周波数チャネルに切り替えて前記第二端末と通信を行う通信部を含むことを特徴とするワイヤレスLANシステムが提供される。
ここで、ワイヤレスLANシステムは、IEEE802.11規格に準拠するものとする。また、BSS(Basic Service Set:基本サービス・セット)は、たとえば、アクセスポイント親局を介して通信を行うインフラストラクチャモードにて運用されるものである。
たとえば、アクセスポイントから発信されたBSSビーコンフレームを第一端末が受信した後、一定時間経過後に、第一周波数チャネルから第二周波数チャネルに切り替えてBSSと同一の識別情報を含む拡張BSSビーコンフレームを送出する。この拡張BSSビーコンフレーム対して、第二端末が応答することにより、第一端末と第二端末間の通信が確立する。第一端末は、第一周波数チャネルではBSSのアクセスポイント親局と通信を行い、第二周波数チャネルでBSS圏外の第二端末と通信を行い、第二端末と親局との中継局として機能する。
この発明によれば、異なる周波数チャネルを所定間隔で切り替えることにより、BSS圏内の第一端末が中継局となってBSS圏外の第二端末の通信を可能とすることができるので、簡単な構成で、基地局を増設せずとも、BSSを拡張でき、サービスエリアを拡大することが可能となる。
上記ワイヤレスLANシステムにおいて、第一端末は、第二端末からアクセスポイント親局への第一フレームを、第二周波数チャネルの通信により受信する第一受信部と、第一受信部が受信した第一フレームを一時的に蓄積する第一蓄積部と、第一蓄積部に蓄積された第一フレームを第一周波数チャネルの通信によりアクセスポイント親局へ転送する第一転送部と、アクセスポイント親局から第二端末への第二フレームを、第一周波数チャネルでの通信により受信する第二受信部と、第二受信部が受信した第二フレームを一時的に蓄積する第二蓄積部と、第二蓄積部に蓄積された第二フレームを第二周波数チャネルでの通信により第二端末へ転送する第二転送部と、を含むことができる。
ここで、BSSに属する第一端末の通信部は、通常はBSSの第一周波数チャネルにてアクセスポイント親局との間で自身の通信を行いつつ、ある一定期間だけBSSとは別の第二周波数チャネルに切り替えて、拡張BSSを開設する。BSSの圏外に位置する第二端末は、第一端末との通信を確立し、拡張BSSを構成する。第一端末は第二周波数チャネルで動作している期間、第二端末から受信したフレームを一旦バッファリングし、第二周波数チャネルの動作期間が終了した後、第一周波数チャネルの動作期間にてアクセスポイント親局に対して転送する。また、第一端末は第一周波数チャネルの動作期間にて、アクセスポイント親局から送信された第二端末宛てのフレームを一旦受信してバッファリングし、第二周波数チャネルの動作期間にこのフレームを第二端末に対して転送する。
この構成によれば、第一端末が中継局の役割をなすことによって、BSS圏外に位置する第二端末に対してBSSの通信サービスを提供できる。
上記ワイヤレスLANシステムにおいて、第一端末は、第一受信部が受信した第一フレームに含まれる第二端末の識別情報を抽出する抽出部と、抽出部が抽出した第二端末の識別情報を記憶する記憶部と、を含むことができる。
ここで、第二端末の識別情報とは、たとえば、MACアドレスおよびAID(Association IDentifier)情報である。この構成によれば、中継装置として機能する第一端末に、BSS圏外の第二端末の識別情報を記憶することで、記憶された識別情報を有する第二端末とアクセスポイント親局との中継をすることができることとなる。
上記ワイヤレスLANシステムにおいて、第一端末は、第二受信部が受信した第二フレームの送信先が記憶部に記憶されている第二端末の識別情報か否かを判定する送信先判定部を含むことができ、第一端末において、送信先判定部が、第二フレームの送信先が第二端末であると判定した場合、第二転送部は、第二端末に第二フレームを転送することができる。
この構成によれば、中継装置として機能する第一端末に、BSS圏外の第二端末の識別情報を記憶し、送信先に第二端末の識別情報を含むフレームを受信した場合に、アクセスポイント親局からの第二端末宛のフレームを中継することができる。
上記ワイヤレスLANシステムにおいて、第一端末は、第一フレームのマックヘッダに含まれる送信先情報を当該アクセスポイント親局の識別情報に書き換え、第二フレームのマックヘッダに含まれる送信元情報を第一端末の識別情報に書き換える書換部を含むことができる。
ここで、アクセスポイント親局の識別情報とは、たとえば、MACアドレスである。
上記ワイヤレスLANシステムにおいて、アクセスポイント親局は、任意の少なくとも一つの第一端末を中継局として指定する指定部を含むことができ、第一端末は、アクセスポイント親局から指定を受け付ける受付部を含み、第一端末が指定を受け付けた場合、中継局モードに入り、通信部が第二周波数チャネルへの切り替え動作を行うことができる。
この構成によれば、BSSに所属する任意のSTAを中継局にすることができ、これにより、BSS圏外のSTAに対して、APを増設することなく通信サービスが提供可能となる。
上記ワイヤレスLANシステムにおいて、第一端末は、アクセスポイント親局から、BSSビーコンフレームを受信するビーコン受信部と、BSSビーコンフレームを受信した後、一定時間経過後に、第一周波数チャネルから第二周波数チャネルに切り替え、EBSSビーコンフレームを送出する送出部と、を含むことができる。
ここで、BSSビーコンフレームおよびEBSSビーコンフレームには、たとえば、送信先および送信元情報が含まれる。BSSビーコンフレームに応答することにより、第一端末は、アクセスポイント親局と第一周波数チャネルにて通信を確立する。一方、EBSSビーコンフレームに第二端末が応答することにより、第一端末と第二周波数チャネルにて通信を確立する。各ビーコンフレームは一定周期毎に発信される。この構成によれば、簡単な構成で、BSSでの通信期間のうちの少なくとも一部の期間を使用して、第一周波数チャネルを第二周波数チャネルに切り替えることができる。
本発明によれば、BSSに属し、前記BSSのアクセスポイント親局と通信するとともに、前記BSSの圏外に存在する端末装置と通信する中継端末装置であって、
第一周波数チャネルで前記BSS内の前記アクセスポイント親局と通信を行うとともに、前記BSSでの通信期間のうちの少なくとも一部の期間を使用して、前記第一周波数チャネルと異なる第二周波数チャネルに切り替えて前記端末装置と通信を行う通信部を含むことを特徴とする中継端末装置が提供される。
この発明によれば、異なる周波数チャネルを所定間隔で切り替えることにより、BSS圏外の端末装置の通信を中継することができるので、簡単な構成で、基地局を増設せずとも、BSSを拡張でき、サービスエリアを拡大することが可能となる中継端末装置が提供される。
本発明によれば、BSSに属し、前記BSSのアクセスポイント親局と通信する第一端末が、前記BSSの圏外に存在する第二端末および前記アクセスポイント親局間の通信を中継する中継方法であって、
前記第一端末が、第一周波数チャネルで前記BSS内の前記アクセスポイント親局と通信するステップと、
前記BSSでの通信期間のうちの少なくとも一部の期間を使用して、前記第一周波数チャネルと異なる第二周波数チャネルに切り替えて前記第二端末と通信するステップと、を含むことを特徴とする中継方法が提供される。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、簡単な構成で、基地局APを増設せずともサービスエリアを拡大できるワイヤレスLANシステムが提供される。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(第一の実施の形態)
本発明は、IEEE802.11シリーズ規格に準拠し、インフラストラクチャモードにて運用されているワイヤレスLAN通信システムにおいて、BSSに属するいずれかの端末(以後、「STA(STAtion)」と呼ぶ)が中継局となって、BSS圏外に位置するSTAに対して通信サービスを提供できるようにしている。
本発明の実施形態において、STAは、IEEE802.11シリーズ規格のワイヤレスLANを搭載する携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Data AssistanceまたはPersonal Digital Assistants:個人向け携帯型情報通信機器)等の移動体通信端末装置である。また、STAは、IEEE802.11シリーズ規格のワイヤレスLANを搭載する携帯型ノートパソコンでもよい。
図1は、本発明の実施の形態に係るワイヤレスLANシステムの構成を示す図である。本実施形態のワイヤレスLANシステムは、複数のBSS10、BSS20、BBS30、およびBSS40を備えている。各BSS10〜BSS40は、それぞれAP(Access Point:アクセスポイント)が親局となって配下に複数のSTAを収容し、インフラストラクチャモードのネットワークを形成している。たとえば、BSS10は、AP11が親局となり、その配下に複数のSTA12、STA13およびSTA14を収容している。BSS20は、AP21が親局となり、その配下に複数のSTA22、STA23およびSTA24を収容している。BSS30およびBSS40については、APおよびSTAは省略してある。さらに、複数のBSS10〜BSS40がDS(Distribution System:ディストリビューション・システム)60を介して相互に接続され、ESS(Extended Service Set:拡張サービス・セット)70を構成している。
以下、BSS10に属するSTA14が中継局となって、BSS10圏外に位置するSTA、ここではSTA15に対して通信サービスを提供する場合について説明する。本実施形態において、STA14は、BSS10が使用している周波数チャネルと別の周波数チャネルとを時分割に切り替えてBSS10圏外に位置するSTA15と通信を行い、拡張BSS50を構成する。
図2は、図1に示すSTA14の主要なブロック構成を示すブロック図である。本発明の実施形態のワイヤレスLANシステムは、BSS(BSS10)に属し、BSSのアクセスポイント親局(AP11)と通信する第一端末(STA14)と、BSSの圏外に存在する第二端末(STA15)と、を備えたワイヤレスLANシステムであって、第一端末は、第一周波数チャネルでBSS内のアクセスポイント親局と通信を行うとともに、BSSでの通信期間のうちの少なくとも一部の期間を使用して、第一周波数チャネルと異なる第二周波数チャネルに切り替えて第二端末と通信を行う通信部(アンテナ131、無線部132、無線制御部133および中央制御部135)を含む。
具体的には、STA14は、アンテナ131、無線部132(図中、「RF」と示す)、無線制御部133(図中、「MAC/BB」と示す)、第一記憶部134(図中、「メモリ」と示す)、中央制御部135(図中、「CPU」と示す)、および第二記憶部136(図中、「メモリ」と示す)を含む。なお、図において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略してあり、たとえば、STA14の構成である電源部や表示部などは図示されていない。
本実施形態において、中央制御部135は、第二記憶部136にあるプログラムコードを実行し、無線制御部133、無線部132、およびアンテナ131を介して他の通信装置とデータ送受信を行う。第一記憶部134は、無線制御部133にて実行されるファームウェアコード、自局および他局のMACアドレス、および送受信データを格納する。
無線制御部133、無線部132およびアンテナ131は、IEEE802.11シリーズ規格に準拠した無線信号を送受するためのコンポーネントである。
このように構成されたワイヤレスLANシステムの動作の概要について、以下に図を用いて説明する。図3は、本実施形態のAP11と各STA12、STA13、STA14、およびSTA15間のフレーム転送時の動作の一例を示したタイムチャートである。
図3の例において、STA12はアクティブモードで動作し、STA13およびSTA14はパワーセーブモード(以下。「PSモード」と呼ぶ)で動作していて、APおよび各STAのメディアへのアクセスはDCF(Distributed Coordination Function)方式にて行われるものとする。
また、STA14およびSTA15が構成する拡張BSS50においては、アドホックネットワーク(IBSS)をベースとして動作する。なお、DCF、アクティブモード、PSモード、アドホックネットワークの動作については、特に説明がない限りIEEE802.11シリーズ規格に定義されている内容に準拠するものとする。また、このタームチャートでは、スキャニング、同期確立、認証(Authentication)、関連付け(Association:アソシエイション)などのリンク確立手続きがすでに完了しているものとし、送達確認のためのACK(ACKnowledgement)フレームも省略する。
本実施形態において、AP11から一番目のBSSビーコンフレーム201が送信された後、STA12とAP11間でフレーム203、205の送受信が行われ、続いてSTA13とAP11との間でフレーム207、209、211の送受信が行われている。この一番目のBSSビーコンフレーム201のTIM情報には、STA12およびSTA13宛のパケットの存在を示す情報が含まれている。STA13およびSTA14は、PSモードで動作しており、AP11からのビーコンフレームに同期してDoze状態からAwake状態となり、受信したビーコンフレーム中のTIM情報を参照し自局宛てパケットの存在が示されているか否かを判定し、自局宛パケットの存在が示されている場合、PS−POLLフレームを送信して、自局宛パケットを受信する。
図3では、STA13がAP11に自局宛パケットがあることを認知して、PS−POLLフレーム207を送信し、AP11から自局宛パケット209を受信するとともに、さらにSTA13が他局宛フレーム211を送信している。STA14もPSモードで動作しており、AP11からのビーコンフレーム201に同期してDoze状態からAwake状態に遷移しているが、一番目のBSSビーコンフレーム201のTIM情報を参照した結果、自局宛パケットがなく、かつ他局への送信フレームもないため、AP11との間でフレームの送受信は行われていない。
STA14は、AP11から送られてくるビーコンフレームタイミングの一定時間(d1)後、BSS10で使用している周波数チャネル(CH−a)とは別の周波数チャネル(CH−b)に切り替えて、BSS50と同一のSSIDを含む拡張BSS(EBSS)ビーコンフレーム221を送出する。後で説明するが、STA14とSTA15は予め同期確立、認証、関連付けなどのリンク確立手続きを終え、拡張BSS50を開設している。
拡張BSS50は、IEEE802.11規格で定義されるIBSSをベースに動作する。IBSSでは、フレーム送信したいSTAは、EBSSビーコンフレームに続くATIM(Announcement Traffic Indication Message)ウィンドウ期間内に送信先STAに対してATIMフレームを送信し、ATIMウィンドウ期間終了後、送信先STAに対してフレームを送信する。図3の例では、一番目のBSSビーコンフレーム201の通信期間T11の間において、STA14およびSTA15は、互いに送信フレームがないためにATIMフレームの送信がなく、いずれのSTAもATIMウィンドウ期間経過後にDoze状態に戻っている。
STA14は、Doze状態に戻るとともに、BSS10で使用している周波数チャネルCH−aに切り替えている。なお、本実施形態の説明では、STA14およびSTA15がPSモードで動作しているとして説明しているが、双方とも、あるいは片方だけがアクティブモードで動作していてもよい。自身がアクティブモードの場合は、Doze状態とAwake状態の切り替えが不要となり、また送信先STAがアクティブモードの場合、ATIMフレームの送信は不要となる。
STA15は、本実施形態で説明したようにアドホックモードにて中継局STAが開設する拡張BSSに属することが可能な一方で、通常のBSS、すなわちBSS10などにインフラストラクチャモードで参加することも可能である。STA15は、アドホックモードで動作するか、インフラストラクチャモードで動作するかを、BSSの開設局、すなわち本実施形態によるところのAP11またはSTA14が送信するビーコンフレーム等のマネジメントフレームのフレームボディに含まれるベンダー固有インフォメイションエレメントの内容から判断することができる。
AP11は、二番目のBSSビーコンフレーム231にSTA15宛パケットを保持していることを示すTIM情報を付加している。後で説明するが、STA14は、事前に行われているSTA15のリンク確立手続きの過程でSTA15のMACアドレスおよびAID情報を第一記憶部134に記憶している。そして、STA14はAP11からのビーコンフレーム231中のTIM情報にSTA15宛パケットの存在を確認すると、STA15に代わって、STA15のMACアドレスおよびAIDをセットしたPS−POLLフレーム233を送信して、AP11からSTA15宛パケット235を受信、これを一旦第一記憶部134にバッファリングする。
STA15宛パケット235を蓄積したSTA14は、二番目のBSSビーコンフレーム231の一定時間(d1)後、周波数チャネルをCH−bに切り替え、二番目のEBSSビーコンフレーム251を送出後、STA15宛フレームの送信予告のためにATIMウィンドウ内にSTA15に対してATIMフレーム253を送信、ATIMウィンドウ終了後にバッファリングされているSTA15宛パケットを送信する。これにより、STA14を中継してAP11からSTA15にパケットを伝達することが可能となる。STA15へのフレーム255の送信が完了し、またSTA15からの受信がない(ATIMウィンドウ内でSTA15からATIMフレームを受けていない)場合、周波数チャネルをCH−aに戻す。さらにBSS10においてフレームの送受信を行う必要がない場合は、Doze状態となる。
なお、STA14がCH−bで動作中は、AP11とSTA12、およびSTA13は、STA14およびSTA15のフレーム送受信に関係なく、フレーム送受信することができる。図3の例では、AP11とSTA12間でフレーム送受信を行っていることを示している。
三番目のBSSビーコンフレーム271のTIM情報にはSTA14宛パケットがAP11に蓄積されていることが示されている例で、STA14はPS−POLLフレーム273を送信して自局宛パケット275をAP11から受信する。これまで同様、三番目のBSSビーコンフレーム271の一定時間(d1)後、STA14は三番目のEBSSビーコンフレーム291を送出する。そして、ATIMウィンドウ内にSTA15からSTA14に対してATIMフレーム293が送信されている。
STA14は、STA15からATIMフレーム293を受信したので、STA15からのフレームを受信するためにAwake状態を保つ。STA15は、ATIMウィンドウ終了後にSTA14に対して2つの他局宛フレーム295、297を送信、STA14はこれらフレームを一旦第一記憶部134に格納する。ここでも、STA14とSTA15間のフレーム送受信の期間、AP11とSTA12およびSTA13との間では、フレーム送受信を行うことができる。
四番目のBSSビーコンフレーム311の後、STA14は第一記憶部134に格納しているSTA15からの受信したフレーム313、315を、AP11に送信する。これにより、STA14を中継してSTA15からAP11にパケットを伝達することが可能となる。図3では、続いてAP11とSTA13間と、AP11とSTA12間のフレーム送受信、CH−bの動作期間におけるSTA14とSTA15間のフレーム送受信の例が示されている。
次に、本実施形態のワイヤレスLANシステムの中継装置であるSTA14の詳細な機能構成について、説明する。図4は、本実施形態のワイヤレスLANシステムにおけるSTA14の機能を示す機能ブロック図である。本実施形態のSTA14は、BSSビーコン受信部151と、タイマ153と、切替部155と、EBSSビーコン送出部157と、識別情報記憶部161(図中、「MACアドレス」および「AID」と示す)と、受信部163と、情報取得部165と、判定部167と、バッファ169と、書換部171と、送信部173と、を含む。なお、図4の各構成要素は、図2の無線制御部133、第一記憶部134および中央制御部135によって実現される。
なお、ワイヤレスLANシステムの各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶ユニット、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウェアとソフトウェアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。以下説明する各図は、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
BSSビーコン受信部151は、図1のBSS10のAP11から受信部163を介してビーコンフレームを受信し、ビーコンフレームを受信したことをタイマ153に通知する。BSSビーコン受信部151は、受信したビーコンフレームのTIM情報(Traffic Indication Message)を参照し自局宛てパケットの存在が示されているか否かを判定する。自局宛パケットの存在が示されている場合、受信部163に自局宛パケットの存在を通知し、パケット受信を指示する。また、後述するが、STA14が中継局となる拡張BSS50の配下に収容されるSTA15のMACアドレスおよびAID情報をSTA14が取得し、識別情報記憶部161に記憶する。
タイマ153は、BSSビーコン受信部151からのビーコンフレーム受信の通知に呼応して、所定時間d1の計測を開始し、所定時間d1経過後、切替部155に通知する。切替部155は、タイマ153からの所定時間d1経過の通知に呼応して、周波数チャネルCH−aから周波数チャネルCH−bに切り替えを行う。EBSSビーコン送出部157は、切替部155が周波数チャネルCH−bへの切り替えを行った後、EBSSビーコンフレームを送信部173を介して送出する。
識別情報記憶部161は、第一記憶部134に含まれ、上述したように、STA14の拡張BSS50配下に存在するSTA15から送出されるマネジメントフレーム内から取得したMACアドレスおよびAID情報を記憶する。
受信部163は、無線部132を介して、AP11またはSTA15からフレームを受信する。情報取得部165は、受信部163が受信したフレームのTIM情報を取得する。後述するように、EBSSビーコンフレームに応答したSTA15からの認証要求フレームを受信した場合、情報取得部165は、STA15のMACアドレスを取得し、識別情報記憶部161に記憶する。さらに、AP11からの関連付け応答フレームを受信した場合、情報取得部165は、STA15のAID情報を取得し、識別情報記憶部161に記憶する。
判定部167は、情報取得部165が取得したTIM情報に基づいて、自局宛パケットまたは識別情報記憶部161に記憶されているMACアドレスを有するSTA、ここではSTA15宛パケットの存在が示されているか否かを判定する。自局宛またはSTA15宛パケットの存在が示されている場合、受信部163に自局宛またはSTA15宛パケットの存在を通知し、パケット受信を指示する。
また、受信部163は、判定部167からの自局宛パケットの存在通知に呼応して、周波数チャネルCH−aでPS−POLLフレームを送信し、AP11から自局宛パケットを受信する。また、受信部163は、判定部167からのSTA15宛パケットの存在通知に呼応して、PS−POLLフレームを送信し、AP11からSTA15宛パケットを受信する。バッファ169は、第一記憶部134に含まれ、受信部163が受信したフレームおよびパケットを一時的にバッファリングする。なお、バッファ169は、AP11から受信したフレームおよびパケットを一時的に蓄積する第一バッファ(不図示)およびSTA15から受信したフレームおよびパケットを一時的に蓄積する第二バッファ(不図示)を含むことができる。
書換部171は、STA15からSTA14を介してAP11へ送信されるべきフレームのマックヘッダに含まれる送信先情報、すなわちSTA14のMACアドレスおよびAID情報をAP11の識別情報BSSIDに書き換えるとともに、AP11からSTA14を介してSTA15へ送信されるべきフレームのマックヘッダに含まれる送信元情報BSSIDを、STA14の端末の識別情報、すなわちSTA14のMACアドレスおよびAID情報に書き換える。送信部173は、バッファ169に一時的に格納されたフレームおよびパケットを無線部132を介して送出する。
図5は、本実施形態のSTA14が中継局として動作している時のMACアドレス変換ルールを説明するための図である。ここでは、STA15が送信する各種MACフレームのアドレスフィールド変換例を示している。
STA15は認証要求フレームや関連付け要求フレームなどのマネジメントフレームを拡張BSS50の親局として動作するSTA14に対して送信する。STA15から送られたマネジメントフレームは一旦STA14が第一記憶部134に格納した後、図5(a)で示したように、アドレス1およびアドレス3フィールドをBSS10のBSSID、すなわちAP11のMACアドレスに置き換えてからAP11に転送する。この操作により、STA15から送信されたマネジメントフレームは、STA14を中継してAP11に転送することができる。
AP11からSTA15に送られる認証応答フレームや関連付け応答フレームなどのマネジメントフレームは、一旦STA14が受信し、図2の第一記憶部134にバッファリングされた後、STA14は、図5(b)で示したように、アドレス2フィールドおよびアドレス3フィールドをSTA14のMACアドレスに書き換えてSTA15に送信する。これにより、AP11から送信されたSTA15宛のマネジメントフレームは、STA14を中継してSTA15に転送することができる。ただし、STA14は、マネジメントフレームのうちAP11から受信したビーコンフレームとSTA14に転送する必要はないし、またSTA15から受信したATIMフレームをAP11に転送する必要はない。データフレームについても、図5(c)および図5(d)に示した通り、MACヘッダのアドレスフィールドをSTA14が書き換えることによって転送される。
また、本実施形態のワイヤレスLANシステムにおいて、AP11は、BSS10の任意の少なくとも一つのSTAを中継局として指定する指定部(不図示)を含むことができる。そして、BSS10のSTAは、AP11から指定を受け付ける受付部(不図示)を含むことができ、STAが指定を受け付けた場合、中継局モードに入り、無線制御部133において第二周波数チャネルCh−bへの切り替え動作を行うことができる。この構成によれば、BSSに所属する任意のSTAを中継局にすることができ、これにより、BSS圏外のSTAに対して、APを増設することなく通信サービスが提供可能となる。
このように構成された本実施形態のワイヤレスLANシステムの動作について、以下に説明する。図6は、本実施形態において、BSS10圏内のSTA14が中継局となってBSS10圏外のSTA15との通信を可能にし、BSSを拡張する時の動作の一例を示すシーケンス図である。本図では、AP11とSTA14、STA15間の各種フレーム送受信のシーケンスを示している。以下、図2、図3、図5および図6を用いて説明する。
まず、STA14は、BSSを検出するためのスキャンを実施し(S200)、AP11との同期を確立し(S401)、認証シーケンス(S201およびS101)と、関連付けシーケンス(S202およびS102)によりAP11とリンクを確立する。AP11は、STA14からの関連付けを完了すると、STA14のMACアドレスを管理テーブル(不図示)に記憶する(S103)。
なお、本シーケンス図において、フレームの送達確認のためのACKフレーム、AP11が定期的に送信するビーコンフレームは発明に直接関係ないため記載を省略する。また、APとSTA間のリンク確立に最低限必要となるオープン認証および関連付けシーケンスのみを示しており、一般的に多くの場面で利用されている共通鍵認証やアクティブスキャンのシーケンス、802.1X認証のシーケンスなどについても本発明と直接関係ないため省略する。
AP11は、BSS10に所属している、すなわちAP11に関連付けされている複数のSTAの中から任意のSTAを選択し、そのSTAに対して中継局指定を行う(S104)。本実施形態において、AP11はSTA14を中継局に指定したものとする。ここでは、STA14を唯一の中継局としているが、複数の中継局を指定してもよい。また、STA14は拡張BSS50にて複数台のSTAを収容してもよい。中継局の指定を受けたSTA14は、以降、AP11との間で自身の通信を周波数チャネルCH−aで行いつつ、一定期間BSS10とは別の周波数チャネルCH−bに切り替え、BSS10と同一のSSIDを含むEBSSビーコンフレームを送信し、拡張BSS50を開設する(S203)。
なお、本シーケンス図において、STA14が送信するEBSSビーコンフレームは、本発明のシーケンスを説明する上で不要のため省略している。BSS10の圏外に位置するSTA15は、定期的にスキャンを実施していて(S300)、中継局動作を始めたSTA14が送信するEBSSビーコンフレームを検出し、そのEBSSビーコンフレームに含まれるSSIDが自身のものと一致しているか否かを判定し、一致している場合、STA14のEBSSビーコンフレームに対して同期を確立する(S403)。ここではスキャン方法としてパッシブスキャンを記載したが、アクティブスキャンでも良い。EBSSビーコンフレームのフレームボディに含まれるベンダー固有インフォメイションエレメントには、BSS開設局の情報が含まれており、STA15はその情報からアドホックモードでの動作を開始する(S301)。続いて、STA14と同期確立したSTA15は、STA14が開設している拡張BSS50に参加するため、STA14に対して認証要求フレームを送信する(S302)。
STA14は、STA15からの認証要求フレームを受信すると、STA15からの認証要求フレームを一旦バッファ169に格納する(S405)とともに、認証要求フレームからSTA15のMACアドレスを取得し、図3の識別情報記憶部161に格納する(S204)。そして、格納した認証要求フレームのMACヘッダアドレスフィールドを、上述した通り、図5(a)に示されたルールにしたがって書き換えた上で(S407)、次にBSS10の周波数チャネルCH−aで動作する期間にこれをAP11に転送する(S205)。
AP11はSTA14から受信したSTA15からの認証要求フレームの内容を参照し問題なければ、STA15宛の認証応答フレームを送信する(S105)。AP11から送信されたSTA15宛の認証応答フレームは、STA15が直接受信することはできないため、STA14は、AP11から送信されたフレームのMACヘッダアドレス1フィールドが、ステップS204で記憶したSTA15のMACアドレスと一致するか否かを判定し、一致した場合、これを一旦受信し、バッファ169に格納する(S409)。
続いて、STA14は、次の拡張BSS50動作期間にて、バッファ169に格納してあるSTA15宛の認証応答フレームを、図5(b)に示されたルールにしたがってMACヘッダを書き換えた上で(S411)、STA15に転送する(S206)。認証手続きが完了した後(S413)、STA15は関連付け手続きを行う。STA15から関連付け要求フレームがSTA14に送信され(S303)、一旦、バッファ169に関連付け要求フレームを格納する(S415)。続いて、STA14が図5(a)のルールに沿ってMACヘッダアドレスフィールドが書き換えられた上で(S417)、AP11に転送する(S207)。
AP11はSTA15からの関連付け要求に対して関連付け応答フレームを送信する(S106)と同時に、STA15のMACアドレスを管理テーブルに記憶する(S107)。STA14は、AP11から送信されたSTA15宛の関連付け応答フレームをSTA15に代わって一旦受信し、バッファ169に格納する(S419)。そして、このフレームに含まれるAID情報を記憶する(S208)とともに、上記認証手続きと同様、図5(b)のルールにしたがってMACヘッダアドレスフィールドを書き換えた上で(S421)、STA15に転送する(S209)。
ここまでの手続きにより、STA15において関連付け手続きが完了し(S423)、STA15はSTA14が開設する拡張BSS50を介して、すなわちSTA14を中継局として、AP11とリンクを確立し、BSS10に参加することができる。リンクの確立後、いよいよSTA15はデータフレームの送受信が可能となる。STA15は、他局宛データフレームをSTA14に送信する(S304)。STA14では、一旦バッファ169にデータフレームを格納し(S425)、STA14は図5(c)のルールに沿ってMACヘッダアドレスフィールドを書き換えた上で(S427)、AP11に転送する(S210)。データフレームの場合、最終宛先アドレスが指定されているアドレス3フィールドはSTA14にて書き換わらず、AP11は通常通りアドレス3フィールドの値にしたがってフレームの転送処理を行う。
一方、他局からSTA15宛のデータフレームの転送手続きは、STA14の動作モードによって手続きが若干異なる。STA15宛のパケットをSTA14が代理で受信する関係上、STA14がPSモードで動作している場合、STA15もPSモードで動作しているようにAP11に対して通知する必要がある。つまり、STA15の実際の動作モードにかかわらず、AP11が把握するSTA15の動作モードはSTA14と連動する。そうでないと、AP11はSTA15宛パケットをSTA14がDoze状態にある間、リトライ送信を繰り返してしまうことになる。PSモードの申告は、MACヘッダのフレーム制御フィールドのビット12にあるパワー管理ビットを使って行われる。以上のことから、本シーケンスには明示していないが、STA14が動作モードを変更しAP11に通知した場合、STA14は自身の動作モードと同じ状態としてSTA15の動作モードをAP11に通知する。
図6の例では、STA14がPSモードの場合(S429)について記載されており、AP11が定期的に送信するビーコンフレームのTIM情報にSTA15宛フレームの存在が示されている時、STA14はAP11に対して、予めステップS204にて記憶してあったSTA15のMACアドレスと、ステップS208にて記憶していたAID情報をMACヘッダにセットし(S427)、PS−POLLフレームをAP11に送信し(S211)、AP11からSTA15宛のデータフレームを受信(S108)してバッファ169に格納する(S431)。
そして、図5(d)のルールにしたがって、STA14は格納しているSTA15宛データフレームのMACヘッダのアドレスフィールドを書き換えた上で(S433)、STA15に転送する(S212)。言うまでも無いが、ここではSTA14がPSモードであることを前提として、STA15宛データフレームを受信するためにPS−POLLフレームを送信しているが、STA14がアクティブモードにある時は、ステップS211のPS−POLLフレーム送信は不要である。
以上説明したように、本発明の実施形態のワイヤレスLANシステムは、BSS圏内に位置するSTAが中継局となって、BSS圏外に位置するSTAに対してデータ通信を提供することにより、簡単な構成で、基地局APを増設せずともサービスエリアを拡大できる。特に、IEEE802.11シリーズ規格に準拠した既存のハードウェア回路を変更することなく、無線制御部のファームウェアに対して小規模の変更を加える程度で実現できる。
また、BSS10に属する任意のSTA14が中継局となってBSS10を拡張できるので、AP11が存在しないエリアにある、すなわちBSS圏外のSTA15に対して通信サービスを提供できる。さらに、BSS10に属する任意のSTA14が中継局となってBSSを拡張できるので、サービスエリアを拡大するためのAP増設コストを削減できる。
(第二の実施の形態)
図7は、本発明の他の実施形態のワイヤレスLANシステムの動作の一例を示すタイムチャートである。本実施形態において、ワイヤレスLANシステムの基本的構成については、上記実施形態と同様である。本実施形態のワイヤレスLANシステムは、上記実施形態とは、STA14における周波数チャネル切り替え動作時のSTA15へのフレーム転送において、中継局となるSTA14宛フレームより先にSTA15宛フレームを取得し、STA15への転送処理を行っている点で相違する。
詳細には、まずAP11はSTA14とSTA15宛パケットをバッファリングしていることを示すTIM情報を含むビーコンフレームを送信する。中継局であるSTA14は、AP11からのビーコンフレームの一定時間d2後、拡張BSS50の周波数チャネルCH−bに切り替えて、ビーコンフレームを送信した後、ATIMウィンドウ期間内にATIMフレームをSTA15に送信する。ATIMフレームを送られたSTA15は、STA14からのフレームを受信するまでAwake状態を維持する。
ここで一旦STA14は、BSS10の周波数チャネルCH−aに戻して、STA15のPS−POLLフレームをAP11に送信し、AP11からSTA15宛フレームを受信し、記憶部(バッファ169)に記憶する。STA14は、STA15宛フレームを受信し終わると、再び周波数チャネルをCH−bに切り替えて、STA15宛フレームを送信する。終了後、周波数チャネルをCH−aに戻して、今度は自身STA14宛フレームの受信を行う。
このようにして、AP11からSTA15へのフレーム転送遅延時間を短縮することができる。なお、STA14を優先するか、STA15を優先するかは、予め優先度に関して規定しておき、動作時に互いに調停することで決定できる。
(第三の実施の形態)
図8は、本発明の他の実施形態のワイヤレスLANシステムの動作の一例を示すタイムチャートである。本実施形態において、ワイヤレスLANシステムの基本的構成については、上記実施形態と同様である。本実施形態のワイヤレスLANシステムは、上記実施形態とは、STA14が、STA15からフレームを受信し記憶部に格納した後、Doze状態にならないですぐにAP11に送信する点で相違する。
詳細には、上記実施形態で説明した通り、STA14はAP11のBSSビーコンフレーム受信から一定時間d1後にEBSSビーコンフレームを送信する。STA15は、他局宛フレームを送信したい場合、ATIMウィンドウ内にATIMフレームをSTA14に送信する。STA14は、STA15から受信したフレームを記憶部(バッファ169)に記憶し、受信を完了すると周波数チャネルをCH−aに戻す。上記実施形態においてSTA14は、周波数チャネルをCH−aに戻した後、Doze状態に遷移していたが、本実施形態ではAwake状態を維持することにして、BSS10においてメディアへのアクセス権を得たら記憶しているSTA14からの受信フレームをAP11に送信する。これにより、STA15からAP11への転送遅延時間を短縮することができる。
(第四の実施の形態)
図9は、本発明の他の実施形態のワイヤレスLANシステムの動作の一例を示すタイムチャートである。本実施形態において、ワイヤレスLANシステムの基本的構成については、上記実施形態と同様である。本実施形態のワイヤレスLANシステムは、上記実施形態とは、STA14が、拡張BSS50の周波数チャネルCH−bにて中継局の動作をする期間、上記実施形態で示したアドホックモードではなくインフラストラクチャモードでのAPモードで動作する点で相違する。
動作を詳細に説明すると、上記実施形態で説明した通り、STA14はAP11から送信されたBSSビーコンフレームのTIM情報にSTA15宛パケットの存在を見ると、STA15としてのPS−POLLフレームを送信し、AP11からSTA15宛フレームを受信して一旦記憶部(バッファ169)にバッファリングする。続いてBSSビーコンフレームから一定時間d1後、拡張BSS50の周波数チャネルCH−bに切り替えて、STA15宛フレームがあることを示すTIM情報を付加したEBSSビーコンフレームを送信する。
インフラストラクチャモードで動作するSTA15は、EBSSビーコンフレームのTIM情報に自局宛フレームがあることを見るとPS−POLLをSTA14に送信して、STA14から自局宛フレームを取得する。さらに他局宛フレームがあれば、続けてそれをSTA14に送信する。STA14は、インフラストラクチャモードのAPとして動作するので、当然ながらすべてのビーコンフレームを送信すること、TIM情報を生成し付加すること、PS−POLLフレームに応答することなどのAPとしての振る舞いが要求されることになるが、認証要求や関連付け要求などのマネジメントフレームに関しては転送だけを行えばよく、実際にAPが持つ機能をすべて実装する必要はない。これにより、中継局STA14が通常のAPとして動作すれば、STA15は、アドホックモードでの動作が不要となる。
(第五の実施の形態)
図10は、本発明の他の実施形態のワイヤレスLANシステムの動作の一例を示すタイムチャートである。本実施形態において、ワイヤレスLANシステムの基本的構成については、上記実施形態と同様である。本実施形態のワイヤレスLANシステムは、上記実施形態とは、PCF(Point Coordination Function)を利用し、AP11が、CFP(Contention Free Period:非競合期間)にSTA15宛フレームを送信し、またSTA15からのフレームを受信している点で相違する。
動作を詳細に説明すると、まず予めSTA15はAP11に対する関連付け要求時にPCFに参加することを要求する。AP11は、この要求によりSTA15をPCFのポーリングリストに追加する。AP11は、STA15宛フレームをバッファリングすると、ビーコンフレーム送信の直後、STA15宛のCF−POLLフレームとともにバッファリングしているSTA15宛データフレームを送信する。これまで説明した通り、STA14はSTA15宛フレームを代理に受信し、STA15宛データフレームを一旦記憶部(バッファ169)に記憶する。
STA14は、CFPにてSTA15宛データフレームを受信したのでCF−ACKフレームを返送する。もしこの時点でSTA15から送信されたデータフレームをバッファリングしている場合、そのデータフレームもあわせてAP11に送信する。AP11は、CFPにてSTA15からのデータフレームを受信した場合、CF−ACKフレームを返送する。CFPを終了する際、AP11はCF−ENDフレームをSTA15に対して送信する。STA14にバッファリングされているデータフレームは、拡張BSSの動作期間にSTA14からSTA15に転送される。
この構成によれば、優先してAP11からSTA15宛データフレームが送信されるので、たとえば、STA15宛データフレームをAP11がバッファリングしている時、BSS10にトラフィックが多い状態では、AP11からSTA15宛データフレームが送信される前に拡張BSS50の動作期間を迎えてしまい、STA15宛データフレームがAP11に停滞してしまう可能性を低減することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
たとえば、上記実施形態では、中継局STA14を1台、中継局STA14が収容するSTA15を1台としていたが、中継局STAを複数とし、また1台の中継局STAが収容するSTA台数を複数としてもよい。
また、上記実施形態では、拡張BSS50において、常にSTA14がEBSSビーコンフレームを送信しているが、IEEE802.11規格のアドホックモードの規定にしたがってSTA15がビーコンフレームを送信してもよい。ただし、この場合、STA15は、STA14がビーコンフレームに付加しているベンダー固有インフォメイションエレメントを付加してビーコンフレームを送信する。これにより、もし別の新たなSTAがスキャンによりSTA15が送信するビーコンフレームを参照したとしても、中継局STA14の情報を取得することができる。
本発明の実施の形態に係るワイヤレスLANシステムの構成を示す図である。 図1に示すSTAの主要なブロック構成を示すブロック図である。 図1のBSSにおけるAPと各STA間のフレーム転送の動作の一例を示したタイムチャートである。 図2のSTAの機能の詳細を示す機能ブロック図である。 図1のワイヤレスLANシステムにおいて、STAが中継局として動作している時のMACアドレス変換ルールを説明するための図である。 図1のワイヤレスLANシステムにおいて、BSS圏内のSTAが中継局となってBSS圏外のSTAとの通信を可能にし、BSSを拡張する時の動作の一例を示すシーケンス図である。 本発明の他の実施の形態のワイヤレスLANシステムの動作の一例を示すタイムチャートである。 本発明の他の実施の形態のワイヤレスLANシステムの動作の一例を示すタイムチャートである。 本発明の他の実施の形態のワイヤレスLANシステムの動作の一例を示すタイムチャートである。 本発明の他の実施の形態のワイヤレスLANシステムの動作の一例を示すタイムチャートである。
符号の説明
10、20、30、40 BSS
11、21 AP
12、13、14、15、22、23、24 STA
50 拡張BSS
60 DS
70 ESS
131 アンテナ
132 無線部
133 無線制御部
134 第一記憶部
135 中央制御部
136 第二記憶部
151 BSSビーコン受信部
153 タイマ
155 切替部
157 EBSSビーコン送出部
161 識別情報記憶部
163 受信部
165 情報取得部
167 判定部
169 バッファ
171 書換部
173 送信部
201、231、271、311 BSSビーコンフレーム
221、251、291 拡張BSSビーコンフレーム
253、293 ATIMフレーム

Claims (21)

  1. BSSに属し、前記BSSのアクセスポイント親局と通信する第一端末と、
    前記BSSの圏外に存在する第二端末と、を備えたワイヤレスLANシステムであって、
    前記第一端末は、
    第一周波数チャネルで前記BSS内の前記アクセスポイント親局と通信を行うとともに、前記BSSでの通信期間のうちの少なくとも一部の期間を使用して、前記第一周波数チャネルと異なる第二周波数チャネルに切り替えて前記第二端末と通信を行う通信部を含むことを特徴とするワイヤレスLANシステム。
  2. 請求項1に記載のワイヤレスLANシステムにおいて、
    前記第一端末は、
    前記第二端末から前記アクセスポイント親局への第一フレームを、前記第二周波数チャネルの通信により受信する第一受信部と、
    前記第一受信部が受信した前記第一フレームを一時的に蓄積する第一蓄積部と、
    前記第一蓄積部に蓄積された前記第一フレームを前記第一周波数チャネルの通信により前記アクセスポイント親局へ転送する第一転送部と、
    前記アクセスポイント親局から前記第二端末への第二フレームを、前記第一周波数チャネルでの通信により受信する第二受信部と、
    前記第二受信部が受信した前記第二フレームを一時的に蓄積する第二蓄積部と、
    前記第二蓄積部に蓄積された前記第二フレームを前記第二周波数チャネルでの通信により前記第二端末へ転送する第二転送部と、
    を含むことを特徴とするワイヤレスLANシステム。
  3. 請求項2に記載のワイヤレスLANシステムにおいて、
    前記第一端末は、
    前記第一受信部が受信した前記第一フレームに含まれる前記第二端末の識別情報を抽出する抽出部と、
    前記抽出部が抽出した前記第二端末の前記識別情報を記憶する記憶部と、
    を含むことを特徴とするワイヤレスLANシステム。
  4. 請求項3に記載のワイヤレスLANシステムにおいて、
    前記第一端末は、
    前記第二受信部が受信した前記第二フレームの送信先が前記記憶部に記憶されている前記第二端末の前記識別情報か否かを判定する送信先判定部を含み、
    前記第一端末において、前記送信先判定部が、前記第二フレームの前記送信先が前記第二端末であると判定した場合、前記第二転送部は、前記第二端末に前記第二フレームを転送することを特徴とするワイヤレスLANシステム。
  5. 請求項3または4に記載のワイヤレスLANシステムにおいて、
    前記第一端末は、
    前記第一フレームのマックヘッダに含まれる送信先情報を当該アクセスポイント親局の識別情報に書き換え、前記第二フレームのマックヘッダに含まれる送信元情報を前記第一端末の識別情報に書き換える書換部を含むことを特徴とするワイヤレスLANシステム。
  6. 請求項に1乃至5いずれかに記載のワイヤレスLANシステムにおいて、
    前記アクセスポイント親局は、任意の少なくとも一つの前記第一端末を中継局として指定する指定部を含み、
    前記第一端末は、前記アクセスポイント親局から前記指定を受け付ける受付部を含み、
    前記第一端末が前記指定を受け付けた場合、中継局モードに入り、前記通信部が前記第二周波数チャネルへの切り替え動作を行うことを特徴とするワイヤレスLANシステム。
  7. 請求項1乃至6いずれかに記載のワイヤレスLANシステムにおいて、
    前記第一端末は、
    前記アクセスポイント親局から、BSSビーコンフレームを受信するビーコン受信部と、
    前記BSSビーコンフレームを受信した後、一定時間経過後に、前記第一周波数チャネルから前記第二周波数チャネルに切り替え、EBSSビーコンフレームを送出する送出部と、
    を含むことを特徴とするワイヤレスLANシステム。
  8. BSSに属し、前記BSSのアクセスポイント親局と通信するとともに、前記BSSの圏外に存在する端末装置と通信する中継端末装置であって、
    第一周波数チャネルで前記BSS内の前記アクセスポイント親局と通信を行うとともに、前記BSSでの通信期間のうちの少なくとも一部の期間を使用して、前記第一周波数チャネルと異なる第二周波数チャネルに切り替えて前記端末装置と通信を行う通信部を含むことを特徴とする中継端末装置。
  9. 請求項8に記載の中継端末装置において、
    前記端末装置から前記アクセスポイント親局への第一フレームを、前記第二周波数チャネルの通信により受信する第一受信部と、
    前記第一受信部が受信した前記第一フレームを一時的に蓄積する第一蓄積部と、
    前記第一蓄積部に蓄積された前記第一フレームを前記第一周波数チャネルの通信により前記アクセスポイント親局へ転送する第一転送部と、
    前記アクセスポイント親局から前記端末装置への第二フレームを、前記第一周波数チャネルでの通信により受信する第二受信部と、
    前記第二受信部が受信した前記第二フレームを一時的に蓄積する第二蓄積部と、
    前記第二蓄積部に蓄積された前記第二フレームを前記第二周波数チャネルでの通信により前記端末装置へ転送する第二転送部と、
    含むことを特徴とする中継端末装置。
  10. 請求項9に記載の中継端末装置において、
    前記第一受信部が受信した前記第一フレームに含まれる前記端末装置の識別情報を抽出する抽出部と、
    前記抽出部が抽出した前記端末装置の前記識別情報を記憶する記憶部と、
    を含むことを特徴とする中継端末装置。
  11. 請求項10に記載の中継端末装置において、
    前記第二受信部が受信した前記第二フレームの送信先が前記記憶部に記憶されている前記端末装置の前記識別情報か否かを判定する送信先判定部を含み、
    前記送信先判定部が、前記第二フレームの前記送信先が前記端末装置であると判定した場合、前記第二転送部は、前記端末装置に前記第二フレームを転送することを特徴とする中継端末装置。
  12. 請求項10または11に記載の中継端末装置において、
    前記第一フレームのマックヘッダに含まれる送信先情報を当該アクセスポイント親局の識別情報に書き換え、前記第二フレームのマックヘッダに含まれる送信元情報を自装置の識別情報に書き換える書換部を含むことを特徴とする中継端末装置。
  13. 請求項に8乃至12いずれかに記載の中継端末装置において、
    前記アクセスポイント親局から中継局指定を受け付ける受付部を含み、
    前記中継局指定を受け付けた場合、中継局モードに入り、前記通信部が前記第二周波数チャネルへの切り替え動作を行うことを特徴とする中継端末装置。
  14. 請求項8乃至13いずれかに記載の中継端末装置において、
    前記アクセスポイント親局から、BSSビーコンフレームを受信するビーコン受信部と、
    前記BSSビーコンフレームを受信した後、一定時間経過後に、前記第一周波数チャネルから前記第二周波数チャネルに切り替え、EBSSビーコンフレームを送出する送出部と、
    を含むことを特徴とする中継端末装置。
  15. BSSに属し、前記BSSのアクセスポイント親局と通信する第一端末が、前記BSSの圏外に存在する第二端末および前記アクセスポイント親局間の通信を中継する中継方法であって、
    前記第一端末が、第一周波数チャネルで前記BSS内の前記アクセスポイント親局と通信するステップと、
    前記BSSでの通信期間のうちの少なくとも一部の期間を使用して、前記第一周波数チャネルと異なる第二周波数チャネルに切り替えて前記第二端末と通信するステップと、を含むことを特徴とする中継方法。
  16. 請求項15に記載の中継方法において、
    前記第一端末が、前記第二端末から前記アクセスポイント親局への第一フレームを、前記第二周波数チャネルの通信により受信するステップと、
    前記第一端末が、前記受信するステップで受信した前記第一フレームを一時的に第一蓄積部に蓄積するステップと、
    前記第一端末が、前記第一蓄積部に蓄積された前記第一フレームを前記第一周波数チャネルの通信により前記アクセスポイント親局へ転送するステップと、
    前記第一端末が、前記アクセスポイント親局から前記第二端末への第二フレームを、前記第一周波数チャネルでの通信により受信するステップと、
    前記第一端末が、前記受信するステップで受信した前記第二フレームを一時的に第二蓄積部に蓄積するステップと、
    前記第一端末が、前記第二蓄積部に蓄積された前記第二フレームを前記第二周波数チャネルでの通信により前記第二端末へ転送するステップと、
    を含むことを特徴とする中継方法。
  17. 請求項16に記載の中継方法において、
    前記第一端末が、前記受信するステップで受信した前記第一フレームに含まれる前記第二端末の識別情報を抽出するステップと、
    前記第一端末が前記抽出するステップで抽出した前記第二端末の前記識別情報を記憶部に記憶するステップと、
    を含むことを特徴とする中継方法。
  18. 請求項17に記載の中継方法において、
    前記第一端末が、前記受信するステップで受信した前記第二フレームの送信先が前記記憶部に記憶されている前記第二端末の前記識別情報か否かを判定するステップと、
    前記第一端末が、前記判定するステップで前記第二フレームの前記送信先が前記第二端末であると判定された場合、前記第二端末に前記第二フレームを転送するステップと、
    を含むことを特徴とする中継方法。
  19. 請求項17または18に記載の中継方法において、
    前記第一端末が、前記第一フレームのマックヘッダに含まれる送信先情報を当該アクセスポイント親局の識別情報に書き換えるステップと、
    前記第一端末が、前記第二フレームのマックヘッダに含まれる送信元情報を前記第一端末の識別情報に書き換えるステップと、
    を含むことを特徴とする中継方法。
  20. 請求項に15乃至19いずれかに記載の中継方法において、
    前記アクセスポイント親局が、任意の少なくとも一つの前記第一端末を中継局として指定するステップと、
    前記第一端末が、前記アクセスポイント親局から前記指定を受け付けるステップと、
    前記第一端末が前記指定を受け付けた場合、中継局モードに入り、前記第二周波数チャネルへの切り替えるステップと、
    を含むことを特徴とする中継方法。
  21. 請求項15乃至20いずれかに記載の中継方法において、
    前記第一端末が、前記アクセスポイント親局から、BSSビーコンフレームを受信するステップと、
    前記第一端末が、前記BSSビーコンフレームを受信した後、一定時間経過後に、前記第一周波数チャネルから前記第二周波数チャネルに切り替え、EBSSビーコンフレームを送出するステップと、
    を含むことを特徴とする中継方法。
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