以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る無線アクセスシステム10の構成の一例を示すシステム構成図である。無線アクセスシステム10は、移動無線端末20、狭域無線アクセスポイント30、および広域無線アクセスポイント40を備える。通信可能エリア41は、広域無線アクセスポイント40によってカバーされる無線通信可能エリアを示す。通信可能エリア31−1および31−2は、狭域無線アクセスポイント30−1および30−2によってカバーされる無線通信可能エリアを示す。
広域無線アクセスポイント40は、有線ネットワーク11に接続されており、有線ネットワーク11を介して、有線ネットワーク11に接続されている他の通信機器12と、例えばイーサネット(登録商標)等の通信規格に基づいて有線通信を行う。また、広域無線アクセスポイント40は、移動無線端末20や狭域無線アクセスポイント30と無線により通信を行う。
本実施形態において、広域無線アクセスポイント40は、IEEE802.11aやIEEE802.11b等の無線LANの規格に基づいて、移動無線端末20および狭域無線アクセスポイント30と無線通信を行う。広域無線アクセスポイント40は、移動無線端末20との無線通信に用いる無線チャネルとは異なる無線チャネルを用いて狭域無線アクセスポイント30との間で無線通信を行う。広域無線アクセスポイント40は、例えば、無線LANにおけるチャネル1を用いて移動無線端末20との間で無線LANに基づく無線通信を行い、無線LANにおけるチャネル11を用いて狭域無線アクセスポイント30との間で無線LANに基づく無線通信を行う。
狭域無線アクセスポイント30は、広域無線アクセスポイント40の通信可能エリア41内に配置される。狭域無線アクセスポイント30は、広域無線アクセスポイント40よりも電波の送信電力が低く、狭域無線アクセスポイント30の通信可能エリア31は、広域無線アクセスポイント40の通信可能エリア41よりも狭い。狭域無線アクセスポイント30は、広域無線アクセスポイント40および移動無線端末20と無線により通信を行う。
本実施形態において、狭域無線アクセスポイント30は、IEEE802.11aやIEEE802.11b等の無線LANの規格に基づいて、広域無線アクセスポイント40および移動無線端末20と無線通信を行う。ただし、移動無線端末20との通信は広域無線アクセスポイントよりも小さい送信電力とし、必要であれば送信電力に関しては前記無線LANの規格から外れても良い。狭域無線アクセスポイント30は、広域無線アクセスポイント40との無線通信に用いる無線チャネルおよび広域無線アクセスポイント40が移動無線端末20との無線通信に用いる無線チャネルとは異なる無線チャネルを用いて、移動無線端末20との間で無線通信を行う。狭域無線アクセスポイント30は、例えば、無線LANにおけるチャネル6を用いて、移動無線端末20との間で無線LANに基づく無線通信を行う。
なお、本実施形態において、広域無線アクセスポイント40の通信可能エリア41内には、複数の狭域無線アクセスポイント30が、それぞれの狭域無線アクセスポイント30の通信可能エリア31が配置されている。
移動無線端末20は、狭域無線アクセスポイント30または広域無線アクセスポイント40との間で無線通信を行うことにより、狭域無線アクセスポイント30または広域無線アクセスポイント40を介して、例えば通信機器12等と通信を行う。なお、本実施形態において、移動無線端末20は、狭域無線アクセスポイント30から広域無線アクセスポイント40へ、または広域無線アクセスポイント40から狭域無線アクセスポイント30への帰属の切り替えを、無線LANに規定されているハンドオーバ手順に従って実行する。
図2は、移動無線端末20の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。移動無線端末20は、閾値格納部200、通信データ送受信部201、帰属処理部202、無線通信部203、狭域AP情報格納部204、および送信電力制御部205を備える。
閾値格納部200は、狭域無線アクセスポイント30への帰属を試行するか否かを判定するための受信電波強度の閾値を格納する。本実施形態において、閾値格納部200は、例えば−90dBmを受信電波強度の閾値として格納する。狭域AP情報格納部204は、狭域無線アクセスポイント30の識別情報を予め格納している。
無線通信部203は、狭域無線アクセスポイント30または広域無線アクセスポイント40との間で、例えば無線LANに基づく無線通信を行う。本実施形態において、無線通信部203は、広域無線アクセスポイント40との間では無線LANにおけるチャネル1、狭域無線アクセスポイント30との間では無線LANにおけるチャネル6を用いて、無線LANに基づく無線通信を行う。
また、無線通信部203は、狭域無線アクセスポイント30および広域無線アクセスポイント40のそれぞれから送信される電波の受信電波強度を測定し、当該電波に含まれる信号から、当該電波を送信したアクセスポイントの識別情報を抽出して、測定した受信電波強度と共に帰属処理部202および送信電力制御部205へ通知する。
本実施形態において、無線通信部203は、例えば、狭域無線アクセスポイント30および広域無線アクセスポイント40のそれぞれから送信されるビーコン信号の受信電波強度を測定すると共に、当該ビーコン信号に含まれる、当該ビーコン信号を送信したアクセスポイントの識別情報を抽出する。
帰属処理部202は、無線通信部203から通知された受信電波強度および識別情報に基づいて、狭域AP情報格納部204を参照し、受信した電波の送信元が狭域無線アクセスポイント30か否かを判定する。受信した電波の送信元が狭域無線アクセスポイント30の場合、帰属処理部202は、閾値格納部200を参照して、無線通信部203から通知された受信電波強度が閾値格納部200内の閾値以上か否かを判定する。
受信電波強度が閾値以上である場合、帰属処理部202は、受信した電波の送信元の狭域無線アクセスポイント30に帰属中でなければ、当該狭域無線アクセスポイント30へ、無線通信部203を介して帰属要求を送信することにより、当該狭域無線アクセスポイント30への帰属を試行する。
受信した電波の送信元が広域無線アクセスポイント40か、または受信したビーコンの送信元が狭域無線アクセスポイント30であるが受信電波強度が閾値未満である場合、帰属処理部202は、狭域無線アクセスポイント30または広域無線アクセスポイント40に帰属中であれば、当該狭域無線アクセスポイント30または広域無線アクセスポイント40への帰属を継続し、いずれにも帰属していなければ、無線通信部203を介して最寄りの広域無線アクセスポイント40へ帰属要求を送信することにより、当該広域無線アクセスポイント40への帰属を試行する。
このように、移動無線端末20は、広域無線アクセスポイント40に帰属することが可能であっても、狭域無線アクセスポイント30からの受信電波強度が閾値以上である場合には、狭域無線アクセスポイント30への帰属を優先的に試行する。
そして、帰属処理部202は、いずれかのアクセスポイントへの帰属に成功した場合、帰属相手のアクセスポイントの識別情報を記憶すると共に、当該識別情報を通信データ送受信部201および送信電力制御部205へ通知する。
なお、本実施形態において、移動無線端末20は、帰属中のアクセスポイントから定期的に帰属を確認するための信号である帰属確認要求を受信し、当該帰属確認要求を受信した場合に、帰属中である旨を示す信号である帰属確認応答を返信する。これにより、移動無線端末20は、所定の時間間隔で帰属確認要求を受信しなかった場合に、帰属中のアクセスポイントの通信可能エリア外へ移動したと判定し、いずれのアクセスポイントにも帰属していないものと判定することができる。
通信データ送受信部201は、帰属中のアクセスポイントの識別情報を通知された場合に、当該識別情報に対応するアクセスポイントとの間で、無線通信部203を介して通信データの送受信を行なう。
送信電力制御部205は、無線通信部203から通知された受信電波強度に応じて、送信電力の値を無線通信部203に指示する。送信電力制御部205は、例えば、アクセスポイントからの受信電波強度が高い場合には、送信電力を低く、アクセスポイントからの受信電波強度が低い場合には、送信電力を高く設定するよう無線通信部203に指示する。これにより、移動無線端末20は、無駄に高い電力で送信することを防止することができると共に、移動無線端末20からの電波をアクセスポイントに略一定の強度で受信させることができる。
このとき、送信電力制御部205は、無線通信部203から通知された識別情報に基づいて、帰属処理部202から通知された識別情報に対応するアクセスポイントに帰属中か否かを判定する。受信した電波の送信元のアクセスポイントに帰属中である場合、帰属処理部202は、狭域AP情報格納部204を参照し、受信した電波の送信元が狭域無線アクセスポイント30か否かを判定する。
受信した電波の送信元が狭域無線アクセスポイント30の場合、送信電力制御部205は、広域無線アクセスポイント40に対して送信するよりも送信電力を低く設定するよう無線通信部203に指示する。
本実施形態において、送信電力制御部205は、狭域無線アクセスポイント30へ電波を送信する場合、狭域無線アクセスポイント30からの受信電波強度が例えば−80dBmであるとき、送信電力を例えば0dBmに設定するよう無線通信部203に指示する。一方、広域無線アクセスポイント40へ電波を送信する場合、送信電力制御部205は、広域無線アクセスポイント40からの受信電波強度が例えば−80dBmであるとき、送信電力を例えば20dBmに設定するよう無線通信部203に指示する。
このように、移動無線端末20は、狭域無線アクセスポイント30へ送信する場合と、広域無線アクセスポイント40へ送信する場合とで、送信電力を異なる値に設定することにより、移動無線端末20への送信電力が異なる狭域無線アクセスポイント30および広域無線アクセスポイント40に対して、適切な強度で電波を受信させることができる。また、受信電波強度が同等であっても、狭域無線アクセスポイント30へ送信する場合と広域無線アクセスポイント40へ送信する場合とで、送信電力を異なる値に設定することにより、移動無線端末20は、狭域無線アクセスポイント30との間の無線通信においては、広域無線アクセスポイント40との無線通信よりも、消費電力を低く抑えることができる。
図3は、狭域無線アクセスポイント30の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。狭域無線アクセスポイント30は、端末間無線通信部300、帰属処理部301、端末間受信データ判定部302、端末間送信データ判定部303、帰属情報格納部304、端末向けRTバッファ305、端末向けデータバッファ306、AP向けRTバッファ307、AP向けデータバッファ308、帰属情報登録部309、AP間無線通信部310、AP間受信データ判定部311、およびAP間送信データ判定部312を備える。
端末間無線通信部300は、移動無線端末20との間で、例えば無線LANに基づく無線通信を行う。本実施形態において、端末間無線通信部300は、移動無線端末20との間で無線LANにおけるチャネル6を用いて無線通信を行う。
図4は端末間無線通信部300の通信フレーム構造を示す。端末間無線通信部300は、例えば図4(a)に示す形式で移動無線端末20から通信フレームを受信し、受信した通信フレームの中から通信データ51を抽出し、抽出した通信データ51を端末間受信データ判定部302へ送る。また、端末間無線通信部300は、図4(b)に示す通信データ51を端末間送信データ判定部303から受け取った場合、受け取った通信データ51に端末間無線通信用ヘッダ50を付加して、宛先の移動無線端末20へ無線送信する。図4(a)において、端末間無線通信用ヘッダ50は、移動無線端末20と狭域無線アクセスポイント30との間の無線通信に必要な、プリアンブルやフレームの開始を示す情報、フレームサイズ等を格納する。
帰属処理部301は、端末間無線通信部300を介して、移動無線端末20から帰属要求を受信することにより、当該移動無線端末20との間で帰属処理を実行し、帰属を許可する場合には、当該移動無線端末20へ帰属許可を送信すると共に、帰属を許可した移動無線端末20の識別情報を帰属情報格納部304に格納する。
また、帰属処理部301は、定期的に帰属情報格納部304を参照して、帰属中の移動無線端末20に対して、端末間無線通信部300を介して帰属確認要求を送信する。そして、帰属確認要求に対する帰属確認応答がない場合に、帰属処理部301は、帰属確認応答を返信しなかった移動無線端末20の識別情報を帰属情報格納部304から削除する。
端末間受信データ判定部302は、端末間無線通信部300から通信データ51を受け取った場合、当該通信データ51が、音声データやストリームデータ等のようなリアルタイム性を要するデータか否かを判定する。本実施形態において、通信データ51は、IPパケットにより構成されており、端末間受信データ判定部302は、通信データ51を構成するIPパケットのヘッダを参照して、通信データ51内のデータ本体がUDPか否かを判定することにより、当該通信データ51がリアルタイム性を要するものか否かを判定する。
受信した通信データ51がリアルタイム性を要するものである場合、端末間受信データ判定部302は、受信した通信データ51をAP向けRTバッファ307に格納する。一方、受信した通信データ51がリアルタイム性を要するものでない場合、端末間受信データ判定部302は、受信した通信データ51をAP向けデータバッファ308に格納する。
端末間送信データ判定部303は、端末向けRTバッファ305または端末向けデータバッファ306内に通信データ51が格納されている場合に、当該通信データ51を読み出して、端末間無線通信部300へ送る。端末向けRTバッファ305および端末向けデータバッファ306の両方に通信データ51が格納されている場合、端末間送信データ判定部303は、端末向けRTバッファ305内の通信データ51を優先的に端末間無線通信部300へ送り、端末向けRTバッファ305内に通信データ51が無くなってから端末向けデータバッファ306内の通信データ51を端末間無線通信部300へ送る。
AP間無線通信部310は、広域無線アクセスポイント40との間で、例えば無線LANに基づく無線通信を行う。本実施形態において、AP間無線通信部310は、広域無線アクセスポイント40との間で無線LANにおけるチャネル11を用いて無線通信を行う。
AP間無線通信部310は、例えば図4(c)に示す形式で広域無線アクセスポイント40から通信フレームを受信し、受信した通信フレームの中から通信データ51を抽出し、抽出した通信データ51をAP間受信データ判定部311へ送る。また、AP間無線通信部310は、図4(b)に示す通信データ51をAP間送信データ判定部312から受け取った場合、受け取った通信データ51にAP間無線通信用ヘッダ52を付加して、広域無線アクセスポイント40へ無線送信する。図4(c)において、AP間無線通信用ヘッダ52は、狭域無線アクセスポイント30と広域無線アクセスポイント40との間の無線通信に必要な、プリアンブルやフレームの開始を示す情報、フレームサイズ等を格納する。
帰属情報登録部309は、帰属情報格納部304を監視しており、移動無線端末20の識別情報の新たな登録や登録されていた識別情報の削除等の帰属情報格納部304に変更が生じた場合に、当該変更分をAP間無線通信部310を介して広域無線アクセスポイント40へ送信する。
AP間送信データ判定部312は、AP向けRTバッファ307またはAP向けデータバッファ308内に通信データ51が格納されている場合に、当該通信データ51を読み出してAP間無線通信部310へ送る。AP向けRTバッファ307およびAP向けデータバッファ308の両方に通信データ51が格納されている場合、AP間送信データ判定部312は、AP向けRTバッファ307内の通信データ51を優先的にAP間無線通信部310へ送り、AP向けRTバッファ307内に通信データ51が無くなってからAP向けデータバッファ308内の通信データ51をAP間無線通信部310へ送る。
AP間受信データ判定部311は、AP間無線通信部310から通信データ51を受け取った場合、当該通信データ51が、音声データやストリームデータ等のようなリアルタイム性を要するデータか否かを判定する。本実施形態において、AP間受信データ判定部311は、通信データ51を構成するIPパケットのヘッダを参照して、通信データ51内のデータ本体がUDPか否かを判定することにより、当該通信データ51がリアルタイム性を要するものか否かを判定する。
受信した通信データ51がリアルタイム性を要するものである場合、AP間受信データ判定部311は、受信した通信データ51を端末向けRTバッファ305に格納する。一方、受信した通信データ51がリアルタイム性を要するものでない場合、AP間受信データ判定部311は、受信した通信データ51を端末向けデータバッファ306に格納する。
なお、本実施形態において、端末間無線通信部300とAP間無線通信部310とは互いに独立して無線通信を行うものであり、端末間無線通信部300による移動無線端末20との間の無線通信は、AP間無線通信部310による広域無線アクセスポイント40との間の無線通信に影響を与えない。さらに、端末間無線通信部300による無線通信とAP間無線通信部310による無線通信とは制御上も互いに独立しており、端末間無線通信部300が移動無線端末20との間で通信フレームを送受信している間であっても、AP間無線通信部310はいつでも広域無線アクセスポイント40との間で通信フレームの送受信を行なうことができる。
図5は、広域無線アクセスポイント40の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。広域無線アクセスポイント40は、有線通信部400、帰属情報格納部402、端末間無線通信部403、帰属処理部404、およびAP間無線通信部405を備える。
端末間無線通信部403は、移動無線端末20との間で、例えば無線LANに基づく無線通信を行う。本実施形態において、端末間無線通信部403は、移動無線端末20との間で、無線LANにおけるチャネル1を用いて無線通信を行う。
端末間無線通信部403は、移動無線端末20から無線LANに基づく通信フレームを受信した場合に、当該通信フレームから通信データを抽出して有線通信部400へ送り、帰属処理に関する通信フレームを移動無線端末20から受信した場合には、当該通信フレームから帰属処理に関するデータを抽出して帰属処理部404へ送る。
また、有線通信部400から通信データを受信した場合、端末間無線通信部403は、当該通信データに、移動無線端末20との無線通信に使用するヘッダを付加した通信フレームを作成し、作成した通信フレームを宛先の移動無線端末20へ無線送信する。帰属処理部404は、端末間無線通信部403を介して、当該帰属要求を送信した移動無線端末20との間で帰属処理を実行する。
そして、帰属処理の結果に応じて帰属を許可する場合、帰属処理部404は、端末間無線通信部403を介して当該移動無線端末20へ帰属許可応答を送信する。一方、帰属中の移動無線端末20の台数が最大帰属可能台数以上の場合、帰属処理部404は、端末間無線通信部403を介して、帰属要求を送信してきた移動無線端末20へ帰属拒否応答を送信する。
狭域無線アクセスポイント30は、広域無線アクセスポイント40と無線により通信するので、ケーブルの取り回し等を気にすることなく、一時的に開催される会議やイベント等に応じて、狭域無線アクセスポイント30を迅速に配置することができ、通信可能な移動無線端末20の台数を即座に増加させることができる。このように、本実施形態の無線アクセスシステム10は、より柔軟な無線通信環境を迅速に構築することができる。
図6は図4に示す帰属情報格納部402に格納されるデータ構造図を示す。帰属情報格納部402は、例えば図6に示すように、狭域無線アクセスポイント30に帰属している移動無線端末20の識別情報である端末ID4021を、帰属中の狭域無線アクセスポイント30の識別情報である狭域無線APID4020に対応付けて格納する。
AP間無線通信部405は、狭域無線アクセスポイント30との間で、例えば無線LANに基づく無線通信を行う。本実施形態において、AP間無線通信部405は、狭域無線アクセスポイント30との間で無線LANにおけるチャネル11を用いて無線通信を行う。AP間無線通信部405は、狭域無線アクセスポイント30から無線LANに基づく通信フレームを受信した場合に、当該通信フレームから通信データを抽出して有線通信部400へ送る。
また、有線通信部400から通信データを受け取った場合、AP間無線通信部405は、当該通信データに、狭域無線アクセスポイント30との無線通信に使用するヘッダを付加した通信フレームを作成し、作成した通信フレームを狭域無線アクセスポイント30へ無線送信する。
また、AP間無線通信部405は、狭域無線アクセスポイント30から帰属情報を含む通信フレームを受信した場合、受信した通信フレームから帰属情報を抽出し、抽出した帰属情報に基づいて帰属情報格納部402の内容を変更する。帰属情報には、識別情報を新たに登録する旨や登録している識別情報を削除する旨等が格納されている。
有線通信部400は、イーサネット等の通信規格に基づいて、有線ネットワーク11を介して通信機器12や他の広域無線アクセスポイント40と有線通信を行う。有線通信部400は、有線ネットワーク11を介して、イーサネットに基づく通信フレームを受信した場合、当該通信フレームから通信データを抽出する。そして、有線通信部400は、抽出した通信データに含まれる宛先アドレスに基づいて帰属情報格納部402を参照し、当該宛先アドレスが帰属情報格納部402に格納されているか否かを判定する。
通信データ内の宛先アドレスが帰属情報格納部402に格納されている場合、有線通信部400は、抽出した通信データをAP間無線通信部405へ送る。通信データ内の宛先アドレスが帰属情報格納部402に格納されていない場合、有線通信部400は、抽出した通信データを端末間無線通信部403へ送る。
なお、有線通信部400は、AP間無線通信部405から受信した通信データに含まれる宛先に応じて、当該通信データを端末間無線通信部403へ送ることにより、広域無線アクセスポイント40に帰属中の移動無線端末20と狭域無線アクセスポイント30に帰属中の移動無線端末20との間の通信を中継してもよい。
図7は、移動無線端末20の帰属制御処理の一例を示すフローチャートである。例えば電源を投入される等の所定のタイミングで、移動無線端末20は、本フローチャートに示す帰属制御処理を開始する。
まず、帰属処理部202は、無線通信部203から通知されたアクセスポイントの識別情報に基づいて狭域AP情報格納部204を参照し、狭域無線アクセスポイント30から電波を受信しているか否かを判定する(S100)。狭域無線アクセスポイント30から電波を受信している場合(S100:Yes)、帰属処理部202は、閾値格納部200を参照して、無線通信部203から通知された受信電波強度が閾値格納部200に格納された閾値以上か否かを判定する(S101)。無線通信部203から通知された受信電波強度が閾値格納部200に格納された閾値未満である場合(S101:No)、帰属処理部202は、再びステップ100に示した処理を実行する。
無線通信部203から通知された受信電波強度が閾値格納部200に格納された閾値以上である場合(S101:Yes)、帰属処理部202は、受信している電波が既に帰属中の狭域無線アクセスポイント30からのものであるか否かを判定する(S102)。受信している電波が既に帰属中の狭域無線アクセスポイント30からのものである場合(S102:Yes)、帰属処理部202は、再びステップ100に示した処理を実行する。
受信している電波が既に帰属中の狭域無線アクセスポイント30からのものではない場合(S102:No)、帰属処理部202は、広域無線アクセスポイント40に帰属中か否かを判定する(S103)。広域無線アクセスポイント40に帰属中である場合(S103:Yes)、帰属処理部202は、帰属中の広域無線アクセスポイント40へ帰属解除要求を送信した後に、電波を受信している狭域無線アクセスポイント30へ帰属要求を送信することにより、帰属先のアクセスポイントを変更する帰属変更処理を実行し(S104)、帰属処理部202は、再びステップ100に示した処理を実行する。
広域無線アクセスポイント40に帰属中でない場合(S103:No)、すなわち、いずれのアクセスポイントにも帰属していない場合、帰属処理部202は、電波を受信している狭域無線アクセスポイント30へ帰属要求を送信することにより、当該狭域無線アクセスポイント30との間で帰属処理を実行し(S105)、帰属処理部202は、再びステップ100に示した処理を実行する。
ステップ100において、狭域無線アクセスポイント30から電波を受信していない場合(S100:No)、帰属処理部202は、広域無線アクセスポイント40からの電波を受信しているか否かを判定する(S106)。広域無線アクセスポイント40からの電波を受信している場合(S106:Yes)、帰属処理部202は、既に狭域無線アクセスポイント30に帰属しているか否かを判定する(S107)。既に狭域無線アクセスポイント30に帰属中である場合(S107:Yes)、帰属処理部202は、再びステップ100に示した処理を実行する。
狭域無線アクセスポイント30に帰属していない場合(S107:No)、帰属処理部202は、広域無線アクセスポイント40に帰属中であるか否かを判定する(S108)。広域無線アクセスポイント40に帰属中でない場合(S108:No)、すなわち、いずれのアクセスポイントにも帰属していない場合、帰属処理部202は、電波を受信している広域無線アクセスポイント40へ帰属要求を送信することにより、当該広域無線アクセスポイント40との間で帰属処理を実行し(S105)、帰属処理部202は、再びステップ100に示した処理を実行する。
広域無線アクセスポイント40に帰属中である場合(S108:Yes)、帰属処理部202は、受信した電波が帰属中の広域無線アクセスポイント40からのものであるか否かを判定する(S109)。受信した電波が帰属中の広域無線アクセスポイント40からのものである場合(S109:Yes)、帰属処理部202は、再びステップ100に示した処理を実行する。
受信した電波が帰属中の広域無線アクセスポイント40からのものでない場合(S109:No)、帰属処理部202は、帰属中の広域無線アクセスポイント40と電波を受信している広域無線アクセスポイント40との受信信号品質に応じて帰属変更処理を実行し(S104)、帰属処理部202は、再びステップ100に示した処理を実行する。
ステップ106において、広域無線アクセスポイント40からの電波を受信していない場合(S106:No)、帰属処理部202は、帰属中のアクセスポイントから帰属確認要求を受信したか否かを判定する(S110)。帰属確認要求を受信していない場合(S110:No)、帰属処理部202は、再びステップ100に示した処理を実行する。帰属確認要求を受信した場合(S110:Yes)、帰属処理部202は、帰属確認応答を返信し(S111)、再びステップ100に示した処理を実行する。
図8は、移動無線端末20の送信電力制御動作の一例を示すフローチャートである。例えば電源を投入される等の所定のタイミングで、移動無線端末20は、本フローチャートに示す送信電力制御動作を開始する。
まず、送信電力制御部205は、帰属処理部202からの通知に基づいて、帰属中か否かを判定する(S120)。帰属中でない場合(S120:No)、送信電力制御部205は、いずれかのアクセスポイントに帰属するまでステップ120を繰り返す。
帰属中である場合(S120:Yes)、送信電力制御部205は、帰属処理部202から通知された帰属中のアクセスポイントの識別情報に基づいて狭域AP情報格納部204を参照し、狭域無線アクセスポイント30に帰属しているか否かを判定する(S121)。狭域無線アクセスポイント30に帰属している場合(S121:Yes)、送信電力制御部205は、送信電力を狭域無線アクセスポイント30向けの低い値に設定するよう無線通信部203に指示し(S121)、送信電力制御部205は、再びステップ120に示した処理を実行する。
狭域無線アクセスポイント30に帰属していない場合(S121:No)、送信電力制御部205は、送信電力を広域無線アクセスポイント40向けの高い値に設定するよう無線通信部203に指示し(S123)、送信電力制御部205は、再びステップ120に示した処理を実行する。
図9は、狭域無線アクセスポイント30によって実行される移動無線端末20との間の通信処理の一例を示すフローチャートである。例えば電源を投入される等の所定のタイミングで、狭域無線アクセスポイント30は、本フローチャートに示す通信処理を開始する。
まず、帰属処理部301は、端末間無線通信部300を介して移動無線端末20から帰属要求を受信したか否かを判定する(S200)。帰属要求を受信した場合(S200:Yes)、帰属処理部301は、帰属要求を送信した移動無線端末20との間で帰属処理を実行し(S201)、帰属処理の結果に応じて、帰属を許可するか否かを判定する(S202)。帰属を許可しない場合(S202:No)、帰属処理部301は、端末間無線通信部300を介して移動無線端末20へ帰属拒否応答を送信して、再びステップ200に示した処理を実行する。
帰属を許可する場合(S202:Yes)、帰属処理部301は、端末間無線通信部300を介して移動無線端末20へ帰属許可応答を送信すると共に、帰属を許可する移動無線端末20の識別情報を帰属情報格納部304に格納し(S203)、再びステップ200に示した処理を実行する。
ステップ200において、帰属要求を受信していない場合(S200:No)、帰属処理部301は、帰属確認要求を送信するタイミングか否かを判定する(S204)。帰属確認要求を送信するタイミングである場合(S204:Yes)、帰属処理部301は、端末間無線通信部300を介して、移動無線端末20へ帰属確認要求を送信し(S205)、当該移動無線端末20から帰属確認応答を受信したか否かを判定する(S206)。帰属確認要求を受信した場合(S206:Yes)、帰属処理部301は、再びステップ200に示した処理を実行する。
帰属確認応答を受信しなかった場合(S206:No)、帰属処理部301は、帰属確認応答を返信しなかった移動無線端末20の識別情報を帰属情報格納部304から削除し(S207)、帰属処理部301は、再びステップ200に示した処理を実行する。
帰属確認要求を送信するタイミングではない場合(S204:No)、端末間受信データ判定部302は、端末間無線通信部300を介して移動無線端末20から通信データを受信したか否かを判定する(S208)。通信データを受信した場合(S208:Yes)、端末間受信データ判定部302は、当該通信データがリアルタイム性を要するものか否かを判定する(S209)。
当該通信データがリアルタイム性を要する場合(S209:Yes)、端末間受信データ判定部302は、当該通信データをAP向けRTバッファ307に格納し(S210)、帰属処理部301は、再びステップ200に示した処理を実行する。当該通信データがリアルタイム性を要しない場合(S209:No)、端末間受信データ判定部302は、当該通信データをAP向けデータバッファ308に格納し(S211)、帰属処理部301は、再びステップ200に示した処理を実行する。
ステップ208において、通信データを受信していない場合(S208:No)、端末間送信データ判定部303は、端末向けRTバッファ305内に通信データが格納されているか否かを判定する(S212)。端末向けRTバッファ305内に通信データが格納されている場合(S212:Yes)、端末間送信データ判定部303は、端末向けRTバッファ305内の全ての通信データを、端末間無線通信部300を介して宛先の移動無線端末20へ送信し(S213)、帰属処理部301は、再びステップ200に示した処理を実行する。
端末向けRTバッファ305内に通信データが格納されていない場合(S212:No)、端末間送信データ判定部303は、端末向けデータバッファ306内に通信データが格納されているか否かを判定する(S214)。端末向けデータバッファ306内に通信データが格納されていない場合(S214:No)、帰属処理部301は、再びステップ200に示した処理を実行する。
端末向けデータバッファ306内に通信データが格納されている場合(S214:Yes)、端末間送信データ判定部303は、端末向けデータバッファ306内の通信データの一部を、端末間無線通信部300を介して宛先の移動無線端末20へ送信し(S215)、帰属処理部301は、再びステップ200に示した処理を実行する。ステップ215において、端末間送信データ判定部303が端末向けデータバッファ306内の通信データを一度に全て送信しないことにより、リアルタイム性を要しない通信データが端末向けデータバッファ306内に大量に存在する場合であっても、端末間送信データ判定部303は、ステップ213において、リアルタイム性を要する端末向けRTバッファ305内の通信データを優先して送信することができる。
図10は、狭域無線アクセスポイント30によって実行される広域無線アクセスポイント40との間の通信処理の一例を示すフローチャートである。例えば電源を投入される等の所定のタイミングで、狭域無線アクセスポイント30は、本フローチャートに示す通信処理を開始する。
まず、AP間受信データ判定部311は、AP間無線通信部310を介して広域無線アクセスポイント40から通信データを受信したか否かを判定する(S220)。広域無線アクセスポイント40から通信データを受信した場合(S220:Yes)、AP間受信データ判定部311は、当該通信データがリアルタイム性を要するものか否かを判定する(S221)。
当該通信データがリアルタイム性を要する場合(S221:Yes)、AP間受信データ判定部311は、当該通信データを端末向けRTバッファ305に格納し(S222)、AP間受信データ判定部311は、再びステップ220に示した処理を実行する。当該通信データがリアルタイム性を要しない場合(S221:No)、AP間受信データ判定部311は、当該通信データを端末向けデータバッファ306に格納し(S223)、AP間受信データ判定部311は、再びステップ220に示した処理を実行する。
ステップ220において、通信データを受信していない場合(S220:No)、AP間送信データ判定部312は、AP向けRTバッファ307内に通信データが格納されているか否かを判定する(S224)。AP向けRTバッファ307内に通信データが格納されている場合(S224:Yes)、AP間送信データ判定部312は、AP向けRTバッファ307内の全ての通信データを、AP間無線通信部310を介して広域無線アクセスポイント40へ送信し(S225)、AP間受信データ判定部311は、再びステップ220に示した処理を実行する。
AP向けRTバッファ307内に通信データが格納されていない場合(S224:No)、AP間送信データ判定部312は、AP向けデータバッファ308内に通信データが格納されているか否かを判定する(S226)。AP向けデータバッファ308内に通信データが格納されている場合(S226:Yes)、AP間送信データ判定部312は、AP向けデータバッファ308内の通信データの一部を、AP間無線通信部310を介して広域無線アクセスポイント40へ送信し(S227)、AP間受信データ判定部311は、再びステップ220に示した処理を実行する。
AP向けデータバッファ308内に通信データが格納されていない場合(S226:No)、帰属情報登録部309は、帰属情報格納部304を参照して、帰属情報が変更されたか否かを判定する(S228)。帰属情報が変更されていない場合(S228:No)、AP間受信データ判定部311は、再びステップ220に示した処理を実行する。帰属情報が変更された場合(S228:Yes)、帰属情報登録部309は、帰属情報の変更分を、AP間無線通信部310を介して広域無線アクセスポイント40へ送信し(S229)、AP間受信データ判定部311は、再びステップ220に示した処理を実行する。
図11は、広域無線アクセスポイント40によって実行される帰属制御処理の一例を示すフローチャートである。例えば電源を投入される等の所定のタイミングで、広域無線アクセスポイント40は、本フローチャートに示す帰属制御処理を開始する。
まず、帰属処理部404は、端末間無線通信部403を介して移動無線端末20から帰属要求を受信したか否かを判定する(S300)。帰属要求を受信した場合(S300:Yes)、帰属処理部404は、帰属要求を送信してきた移動無線端末20との間で帰属処理を実行し(S301)、帰属処理の結果に応じて、帰属を許可するか否かを判定する(S302)。
帰属を許可する場合(S302:Yes)、帰属処理部404は、帰属要求を送信してきた移動無線端末20へ、端末間無線通信部403を介して帰属許可応答を送信し(S303)、再びステップ300に示した処理を実行する。帰属を許可しない場合(S302:No)、帰属処理部404は、帰属要求を送信してきた移動無線端末20へ、端末間無線通信部403を介して帰属拒否応答を送信し(S304)、再びステップ300に示した処理を実行する。
ステップ300において、帰属要求を受信していない場合(S300:No)、帰属処理部404は、帰属確認要求を送信するタイミングか否かを判定する(S305)。帰属確認要求を送信するタイミングではない場合(S305:No)、帰属処理部404は、再びステップ300に示した処理を実行する。
帰属確認要求を送信するタイミングである場合(S305:Yes)、帰属処理部404は、端末間無線通信部403を介して、1台の移動無線端末20へ帰属確認要求を送信し(S306)、帰属処理部404は、再びステップ300に示した処理を実行する。
図12は、広域無線アクセスポイント40によって実行される移動無線端末20または狭域無線アクセスポイント30と有線ネットワーク11との間の通信データの中継処理の一例を示すフローチャートである。例えば電源を投入される等の所定のタイミングで、広域無線アクセスポイント40は、本フローチャートに示す中継処理を開始する。
まず、有線通信部400は、有線ネットワーク11を介して通信データを受信したか否かを判定する(S320)。有線ネットワーク11を介して通信データを受信した場合(S320:Yes)、有線通信部400は、受信した通信データに含まれる宛先アドレスが帰属情報格納部402内に格納されているか否かを判定することにより、当該通信データが狭域無線アクセスポイント30を経由すべき通信データであるか否かを判定する(S321)。
受信した通信データが狭域無線アクセスポイント30を経由すべき通信データである場合(S321:Yes)、有線通信部400は、AP間無線通信部405に、受信した通信データを狭域無線アクセスポイント30へ送信させ(S322)、有線通信部400は、再びステップ320に示した処理を実行する。
受信した通信データが狭域無線アクセスポイント30を経由すべき通信データではない場合(S321:No)、有線通信部400は、端末間無線通信部403に、受信した通信データを移動無線端末20へ送信させ(S323)、有線通信部400は、再びステップ320に示した処理を実行する。
ステップ320において、有線ネットワーク11を介して通信データを受信していない場合(S320:No)、AP間無線通信部405は、狭域無線アクセスポイント30から通信データを受信したか否かを判定する(S324)。狭域無線アクセスポイント30から通信データを受信した場合(S324:Yes)、AP間無線通信部405は、有線通信部400に、受信した通信データを、有線ネットワーク11を介して転送させ(S325)、有線通信部400は、再びステップ320に示した処理を実行する。
狭域無線アクセスポイント30から通信データを受信していない場合(S324:No)、端末間無線通信部403は、広域無線アクセスポイント40に帰属中の移動無線端末20から通信データを受信したか否かを判定する(S326)。広域無線アクセスポイント40に帰属中の移動無線端末20から通信データを受信した場合(S326:Yes)、端末間無線通信部403は、有線通信部400に、受信した通信データを、有線ネットワーク11を介して転送させ(S327)、有線通信部400は、再びステップ320に示した処理を実行する。
広域無線アクセスポイント40に帰属中の移動無線端末20から通信データを受信していない場合(S326:No)、AP間無線通信部405は、狭域無線アクセスポイント30から帰属情報を受信したか否かを判定する(S328)。帰属情報を受信していない場合(S328:No)、有線通信部400は、再びステップ320に示した処理を実行する。帰属情報を受信した場合(S328:Yes)、AP間無線通信部405は、受信した帰属情報で帰属情報格納部402の内容を更新し(S329)、有線通信部400は、再びステップ320に示した処理を実行する。
以上、本発明の実施の形態について説明した。
上記説明から明らかなように、本実施形態の無線アクセスシステム10によれば、広域無線アクセスポイントによる広域の無線通信環境を維持しつつ、要所に設置された狭域無線アクセスポイントと端末の通信において、端末側の低送信電力に伴う電池による長時間連続使用を可能とする環境を柔軟に構築することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
例えば、上記した実施形態では、移動無線端末20、狭域無線アクセスポイント30、および広域無線アクセスポイント40は、使用チャネルは異なるものの、同一の無線LAN方式に基づいて無線通信を行ったが、移動無線端末20と広域無線アクセスポイント40との第1の無線通信手段、移動無線端末20と狭域無線アクセスポイント30との第2の無線通信手段、および狭域無線アクセスポイント30と広域無線アクセスポイント40との第3の無線通信手段のそれぞれにおいて、全く異なる無線通信方式を用いてもよい。
無線通信方式としては、例えば、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)やPDC(Personal Digital Cellular)等の携帯電話方式やPHS(Personal Handyphone System)、Bluetooth、Zigbee(登録商標)、Wimax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等が考えられる。
また、上記した実施形態において、狭域無線アクセスポイント30と広域無線アクセスポイント40との間の通信は、無線によって実現されていたが、本発明はこれに限られず、有線通信によって実現されていてもよい。また、この場合、狭域無線アクセスポイント30は、広域無線アクセスポイント40を経由することなく、直接有線ネットワーク11を介して通信を行ってもよい。
さらに、上記した実施形態において、狭域無線アクセスポイントは、配下の移動無線端末が送受信する通信データの内、音声データを優先して中継すると共に、音声データを送受信する移動無線端末の台数を所定の台数に制限し、音声通信の品質低下を防止するようにするとさらに効果的である。
10・・・無線アクセスシステム、11・・・有線ネットワーク、12・・・通信機器、20・・・移動無線端末、200・・・閾値格納部、201・・・通信データ送受信部、202、301、404・・・帰属処理部、203・・・無線通信部、204・・・狭域AP情報格納部、205・・・送信電力制御部、30・・・狭域無線アクセスポイント、31、41・・・通信可能エリア、300、403・・・端末間無線通信部、302・・・端末間受信データ判定部、303・・・端末間送信データ判定部、304、402・・・帰属情報格納部、305・・・端末向けRTバッファ、306・・・端末向けデータバッファ、307・・・AP向けRTバッファ、308・・・AP向けデータバッファ、309・・・帰属情報登録部、310、405・・・AP間無線通信部、311・・・AP間受信データ判定部、312・・・AP間送信データ判定部、40・・・広域無線アクセスポイント、400・・・有線通信部、4020・・・狭域無線APID、4021・・・端末ID、50・・・端末間無線通信用ヘッダ、51・・・通信データ、52・・・AP間無線通信用ヘッダ