JP2006318696A - 筒内直接燃料噴射式エンジン用の点火栓 - Google Patents

筒内直接燃料噴射式エンジン用の点火栓 Download PDF

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全幸 富田
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Abstract

【課題】筒内に直接燃料を噴射する火花点火式エンジンにおいて、接地電極に衝突した燃料が中心電極方向に反射することによって生じる失火を防止する。
【解決手段】筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えるエンジンに使用する点火栓1であって、中心電極2と、中心電極2の軸方向先端部2aとの間に火花ギャップ5を形成するように中心電極の先端部2aよりも軸方向先端側に突出して設けられた突出接地電極4と、中心電極2の側面部2bとの間に火花ギャップ6を形成するように設けられた少なくとも一以上の接地電極3と、を備え、突出接地電極4に衝突した燃料が中心電極2方向へ反射することを抑制する反射方向制御部7を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガソリンエンジン用の点火栓に関し、特に、筒内直接燃料噴射式エンジン用の点火栓の、中心電極への燃料噴霧の付着を防止して着火性を安定させるための構造に関する。
一般に、ガソリンエンジン用の点火栓は、中心電極と、中心電極との間に火花放電ギャップを設けて対向する接地電極とを備える。
特許文献1には、複数の接地電極を備え、一つの接地電極は中心電極の先端面との間に第1火花放電ギャップを形成し、他の接地電極は中心電極の側面との間に第2火花放電ギャップを形成する点火栓が開示されている。このように火花放電ギャップを複数に分散形成することにより、中心電極と対向する面積(電極対抗面積)が増加し、点火栓の長寿命化を図ることができ、また、一つ一つの放電ギャップは電極対向面積が過度に大きくなることがないので、点火性を悪化させることもない。
特開2003−257585号
しかしながら、特許文献1に開示された点火栓は中心電極の先端面との間に第1火花ギャップを形成する接地電極の断面形状が長方形なので、当該接地電極が中心電極に対して燃料の流れ方向の下流側位置する場合、燃料が当該接地電極に衝突すると中心電極方向に反射することになる。このようにして反射した燃料が中心電極に付着すると、中心電極付近の空燃比がリッチになり、失火を生じるおそれがある。
そこで、本発明では、接地電極に衝突した燃料が中心電極方向に反射することを防止する構造とすることを目的とする。
本発明の筒内直接燃料噴射式エンジン用の点火栓は、筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えるエンジンに使用する点火栓であって、中心電極と、前記中心電極の軸方向先端部との間に火花ギャップを形成するように前記中心電極の先端部よりも軸方向先端側に突出して設けられた突出接地電極と、前記中心電極の側面部との間に火花ギャップを形成するように設けられた少なくとも一以上の接地電極と、を備え、前記突出接地電極に衝突した燃料が前記中心電極方向へ反射することを抑制する反射方向制御部を備える。
本発明によれば、燃料噴射弁から噴射された燃料が突出接地電極に衝突した際の中心電極方向への反射量を抑制できるので、中心電極に燃料が付着して中心電極近傍の混合気の空燃比がリッチになることによって生じる失火を防止できる。
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は第1実施形態の点火栓の側面図、図2は図1の点火栓を下面側から見た図(A−A矢視図)である。
1は点火栓、2は中心電極、3及び4は接地電極である。複数の接地電極3はそれぞれ点火栓1の本体の先端面1aの外周縁もしくはその近傍から軸方向先端側に向けて突出する軸方向延設部3aと、軸方向延設部3aの先端から点火栓1の中心軸方向に延びる径方向延設部3bとで構成され、径方向延設部3bの先端面3cは中心電極2の側面2bと対向する。
接地電極4も接地電極3と同様に軸方向延設部4aと径方向延設部4bとで構成される。ただし、軸方向延設部4aは中心電極2よりも軸方向先端方向に突出しており、径方向延設部4bは中心電極2の先端面2aと対向する位置まで延びている(以下、接地電極4を突出接地電極4という)。ここで、径方向延設部4bの中心電極2の先端面2aと対向する部分を対向面4cとする。
接地電極3は合計3つ設けられ、各接地電極3の先端面3cと中心電極2の側面2bとの間には火花放電ギャップ6が形成される。突出接地電極4と隣り合う2つの接地電極3を設ける位置については後述する。
突出接地電極4は一つだけ設けられ、対向面4cと中心電極2の先端面2aとの間には火花放電ギャップ5が形成される。
このように接地電極4の他に接地電極3を複数設けることにより、火花放電ギャップ5の他にも複数の火花放電ギャップ6が形成され、電極対向面積(中心電極と接地電極とが対向する面積)が増大する。すなわち、火花放電ギャップ一箇所当りの電極対向面積を増大させることなく合計の電極対向面積を増大させることができる。これにより、点火栓1の点火性能を損なうことなく耐久性を向上させることが可能となる。
上記のように構成される点火栓1は、点火栓1の本体部に設けるネジ部(図示せず)とエンジンに設けた点火栓用孔のネジ部とが螺合することによってエンジンのシリンダヘッドに固定される。なお、本実施形態の点火栓1はエンジンの筒内に直接燃料を噴射する、いわゆる筒内直接噴射式エンジンに適用する。したがって、噴射された燃料は点火栓1に対して所定の方向(図1、2中に矢印で示した方向)に流れる。
そこで、図1及び図2に示すように、点火栓1を燃料の流れに対して突出接地電極4が中心電極2よりも下流側となり、かつ中心電極2と突出接地電極4とが燃料の流れ方向に対して略同一線上に並ぶような向きでエンジンに固定する。
このように点火栓を固定したときの向きを一定に管理する方法としては、点火栓1及びエンジンにネジ部を設ける際に、ネジ部の切り始め位置やネジ溝の数等を管理する等、公知の方法を用いる。
次に接地電極3、突出接地電極4について説明する。
接地電極3の軸方向延設部3aの断面形状は略長方形である。これに対して突出接地電極4の軸方向延設部4aは、前記燃料が衝突しても、その後中心電極2の方向に反射するのを防ぐために反射方向制御部7を備える。反射方向制御部7は、図2に示すように中心電極2側の円弧4dと点火栓1の外周に沿った円弧4eとで構成される断面形状となっている。
このような形状にすることで、突出接地電極4の軸方向延設部4aに燃料が衝突しても、衝突後に中心電極2方向に反射することを防止できる。これにより、中心電極2に燃料が付着することによって火花ギャップ5近傍の空燃比がリッチ化し、失火が生じやすくなることを防止できる。なお、円弧4eは点火栓1の外周縁に沿った形状に限られるものではなく、例えば円弧4d端部同士を結ぶ直線であってもよい。
突出接地電極4の両隣の接地電極3は、いずれも突出接地電極4に衝突して反射した燃料が付着しないような位置に設けられる。具体的には、接地電極3の長手方向の軸心を含む面のいずれもが、軸方向延設部4aの断面を形成する中心電極2側の円弧4dと垂直に交わらないように円弧4dの半径を設定する。これにより、火花ギャップ6近傍の空燃比がリッチ化することによって失火が生じやすくなることを防止できる。
第2実施形態について説明する。
図3は本実施形態の点火栓1を図2と同様に下面側から見た図である。図2と異なるのは、突出接地電極4の軸方向延設部4aに設けた反射方向制御部7の形状である。
図3に示すように、本実施形態の反射方向制御部7の形状は、中心電極2側で交わる2つの直線4fと点火栓1の外周縁にそった円弧4eとからなる扇形である。なお、2つの直線4fの交点は、中心電極2の軸心から燃料の流れ方向と同方向に延びる直線に対して対称になるように設ける。そして、前記扇形の中心角は、2つの直線4fがそれぞれ接地電極3の軸心を含むいずれの面とも垂直に交わることがない角度に設定する。これにより、突出接地電極4に燃料が衝突しても、突出接地電極4の両隣の接地電極3方向へ反射する燃料の量を低減することができる。
また、円弧4eは点火栓1の外周縁に沿った形状に限られるものではなく、例えば直線4fの交点とは反対側の端部同士を結ぶ直線であってもよい。
このような形状にすることで、第1実施形態と同様に、突出接地電極4に衝突した燃料が中心電極2や接地電極3方向に反射することを防止でき、これにより火花ギャップ5及び6近傍の空燃比がリッチ化することによって失火が生じやすくなることを防止できる。
第3実施形態について説明する。
図4は本実施形態の点火栓1を図2と同様に下面側から見た図である。図2と異なるのは、突出接地電極4の軸方向延設部4aに設けた反射方向制御部7の形状である。
図4に示すように、本実施形態の反射方向制御部7の形状は、略円形である。また、本実施形態では、軸方向延設部4a及び径方向延設部4bを反射方向制御部7と同様の断面形状を有する一つの部材で形成する。すなわち軸方向延設部4a及び径方向延設部4bを略円形断面を有する部材で形成する。これにより、第1実施形態と同様に、突出接地電極4に衝突した燃料が中心電極2や接地電極3方向に反射することを防止でき、これにより火花ギャップ5及び6近傍の空燃比がリッチ化することによって失火が生じやすくなることを防止できる。なお、反射方向制御部7が、図3に示したように2つの直線4fと円弧4eとからなる形状であっても同様の効果を得ることができる。
また、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
本発明は、火花点火式の内燃機関に適用することができる。
第1実施形態の点火栓の側面図である。 第1実施形態の点火栓を下面から見た図である。 第2実施形態の点火栓を下面から見た図である。 第3実施形態の点火栓を下面から見た図である。
符号の説明
1 点火栓
2 中心電極
3 接地電極
4 突出接地電極
4a 軸方向延設部
4b 径方向延設部
5 火花ギャップ
6 火花ギャップ

Claims (8)

  1. 筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えるエンジンに使用する点火栓であって、
    中心電極と、
    前記中心電極の軸方向先端部との間に火花ギャップを形成するように前記中心電極の先端部よりも軸方向先端側に突出して設けられた突出接地電極と、
    前記中心電極の側面部との間に火花ギャップを形成するように設けられた少なくとも一以上の接地電極と、を備え、
    前記突出接地電極に衝突した燃料が前記中心電極方向へ反射することを抑制する反射方向制御部を備えることを特徴とする筒内直接燃料噴射式エンジン用の点火栓。
  2. 前記突出接地電極は、前記点火栓の軸方向先端側に延びる軸方向延設部と、前記軸方向延設部の先端部から前記中心電極方向に延びる径方向延設部とからなり、
    前記軸方向延設部に前記反射方向制御部を備える請求項1に記載の筒内直接燃料噴射式エンジン用の点火栓。
  3. 前記反射方向制御部は、前記軸方向延設部の軸方向に対して垂直な断面の少なくとも前記中心電極の側面と対向する部分が、略円弧状に形成されている請求項2に記載の筒内直接燃料噴射式エンジン用の点火栓。
  4. 前記燃料噴射弁から噴射された燃料の流れに対して上流側から前記中心電極、前記突出接地電極の順に並ぶ向きで前記エンジンに装着され、
    前記反射方向制御部は、前記軸方向延設部の軸方向に対して垂直な断面の前記中心電極側部分が、前記垂直な断面内で前記中心電極の軸心から軸方向延設部の前記中心電極側部分に向って引いた直線と直接垂直に交わることがない一つ以上の面で形成されている請求項2に記載の筒内直接燃料噴射式エンジン用の点火栓。
  5. 前記突出接地電極は、前記燃料が中心電極方向へ反射することを抑制し、かつ前記突出接地電極を除く接地電極方向への反射も抑制する反射方向制御部を備える請求項1〜4のいずれか一つに記載の筒内直接燃料噴射式エンジン用の点火栓。
  6. 前記反射方向制御部は、前記軸方向延設部の軸方向に対して垂直な断面の少なくとも前記中心電極の側面と対向する部分が、略円弧状に形成されている請求項5に記載の筒内直接燃料噴射式エンジン用の点火栓。
  7. 前記燃料噴射弁から噴射された燃料の流れに対して上流側から前記中心電極、前記突出接地電極の順に並ぶ向きで前記エンジンに装着され、
    前記反射方向制御部は、前記軸方向延設部の軸方向に対して垂直な断面の前記中心電極側部分が、前記垂直な断面内で前記中心電極の軸心から軸方向延設部の前記中心電極側部分に向って引いた直線、及び少なくとも前記突出接地電極と隣り合う接地電極の点火栓軸方向の軸心から前記軸方向延設部の前記中心電極側部分に向って引いた直線のいずれとも直接垂直に交わることがない面で形成されている請求項5に記載の筒内直接燃料噴射式エンジン用の点火栓。
  8. 前記突出接地電極の前記軸方向延設部及び前記径方向延設部に、前記反射方向制御部が形成される請求項2〜7のいずれか一つに記載の筒内直接燃料噴射式エンジン用の点火栓。
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