JP2006316935A - 超薄肉形転がり軸受及び超薄肉形転がり軸受用保持器 - Google Patents

超薄肉形転がり軸受及び超薄肉形転がり軸受用保持器 Download PDF

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    • F16C33/38Ball cages
    • F16C33/41Ball cages comb-shaped
    • F16C33/418Details of individual pockets, e.g. shape or ball retaining means

Abstract

【課題】 保持器の離脱を確実に防止する。
【解決手段】 複数の円弧状セグメント36を円周方向に結合することにより環状に成形すると共に転動体34を収容するポケット40a,40bを前記円周方向で所定間隔に形成し、その円周方向の一部に前記セグメント36の非連結部37を有する超薄肉形転がり軸受用の保持器35であって、前記非連結部37に隣接して円周方向で対向するセグメント36の端部42に位置するポケット40aの軸方向開口側に、転動体34の離脱力を他のポケット40a,40bより大きくする離脱防止手段としての蓋部材43を装着する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば産業用ロボット、工作機械や医療機器などに使用される超薄肉形転がり軸受およびその軸受内に組み込まれる保持器に関する。
図10は医療機器の一種であるCTスキャナ装置の一例を示す。同図に示すようにCTスキャナ装置では、X線管装置1で発生したX線を、その強度分布を一様にするためのウェッジフィルタ2、強度分布を制限するためのスリット3を介して被写体4に照射する。被写体4を通過したX線は検出器5で受けられ、電気信号に変換されて図示しないコンピュータに送られる。
このCTスキャナ装置におけるX線管装置1、ウェッジフィルタ2、スリット3、検出器5などの各部品は、軸受11を介して固定架台7に回転自在に支持された略円筒状の回転架台8に装着され、この回転架台8の回転駆動によって被写体4の周囲を回転する。
CTスキャナ装置では、互いに対向させたX線管装置1および検出器5の被写体4まわりの回転運動により、被写体4の検査断面内の全ての角度をカバーする投影データを得て、これらのデータから予めプログラムされた再構成プログラムにより断層画像を得る。
このCTスキャナ装置においては、固定架台7の内周面が被写体4が入る程度の大径(概ね直径1m程度)に形成されるため、固定架台7と回転架台8の間の軸受11には、直径に対して断面が著しく小さい軸受、いわゆる超薄肉形転がり軸受が使用される。
この軸受11は、図11に示すようにリング状の外輪12と、外輪12の内周側に同心配置した同じくリング状の内輪13と、外輪12の軌道と内輪13の軌道との間に転動自在に介在させた複数の転動体14(図示ではボールを例示)と、それら転動体14を円周方向で所定間隔に保持する保持器15とを主要な構成要素としている。
従来、CTスキャナ装置用の超薄肉形転がり軸受には、樹脂製の分割型保持器が多用されている。このタイプの保持器15は、図12に示すように複数の円弧状セグメント16を円周方向に結合させて環状に成形し、その一部に非連結部17を設けた有端状の構造を有する。セグメント16は、図13および図14に示すように円弧形状の基部18と、その基部18から軸方向の一方に延び出した複数の柱部19と、隣接した柱部19間に形成された複数のポケット20a,20bとを備える。これらポケット20a,20bは、軸方向の一方側(図示上側)に開口した形態を有する。
図示例のポケット20a,20bは二種類の形状を持っている。すなわち、転動体14の保持機能および等配機能を有する丸ポケット20aと、転動体14の等配機能のみを有する角ポケット20bである。丸ポケット20aはポケット開口幅L1(図14参照)が転動体14の直径Dwよりも小さくなっていて(L1<Dw)、転動体14のポケット開口側への飛び出しが規制され、転動体14が丸ポケット20a内に保持される。角ポケット20bはポケット開口幅L2が転動体14の直径Dwよりも大きく(L2>Dw)、転動体14は軸方向に自由に移動可能である。したがって、角ポケット20bは丸ポケット20aのような保持機能は有さず、転動体14を等配する機能のみを有する。各セグメント16にはこれら二種類のポケット20a,20bが円周方向で交互に形成されている。転動体保持能力を有する丸ポケット20aと、転動体保持能力を有しない角ポケット20bの二種類を設けたのは、組込み性の観点から、転動体14を拘束するポケット20aを一つおきとするためである。
ポケット20a,20bへの転動体14の組み込みは、ポケット20a,20bの開口側から奥側に転動体14を押し込むことによって行われる。この時、丸ポケット20aでは開口側の柱部19を押し広げながら転動体14を押し込む必要があるが、角ポケット20bではそのような手間を必要としないので、保持器15への転動体14の組み込み工程を簡略化することができる。
各セグメント16の両端には、図13に示すように隣り合うセグメント同士を連結するための連結部21a,21bが設けられている。ここでは、連結相手となるセグメント16の連結部21aと円周方向で凹凸係合する連結部21bを例示している。一方の連結部21aは先端側を幅広にした凸状で、図示した例の場合、保持器15の半径方向に延びる略円筒面状の部分と、それよりも狭くなった首部とで構成されている。他方の連結部21bは、前述の凸状の連結部に適合する円筒面状の凹状に形成されている。隣り合うセグメント同士を連結するにあたっては、一方のセグメント16の連結部21aを他方のセグメント16の連結部21bに対して半径方向に押し込む。これにより、連結部21a,21bが嵌まり合い、セグメント同士の円周方向の分離が防止される(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2004−19921号公報 特開2004−162879号公報
ところで、複数のセグメント16からなる保持器15を具備した軸受11では、軸受11の組み立てに際して、前述したように各セグメント16を連結した上で、ポケット一つずつに転動体14を組み込むようにしているが、その組み立て性を考慮すると、図12に示すように保持器15の円周方向の一箇所に非連結部17を設け、その非連結部17に隣接する端部22からセグメント16を連結状態で内外輪間に組み付けることで保持器15の組み込みを容易にしている。
また、前述した保持器15を構成するセグメント16は、樹脂製の射出成形品であり、その材質として一般的に繊維強化ポリアミド樹脂(PA66)が採用されている。しかし、このPA66は、軸受の軌道輪材料である鋼より線膨張係数が大きいため、温度変化によって寸法差が拡大、また、吸水により膨張する性質があるため、CTスキャナ装置に使用されるような大型軸受の場合、保持器15の円周長さが大幅に変化する。この保持器15の円周方向長さの変化を吸収するため、連結されたセグメント16の円周方向一箇所に非連結部17を設けるようにしている。
しかしながら、保持器15に非連結部17を設けて組み立て性を向上させることは、保持器15を取り外すことが容易となることも意味する。このことから、軸受11の取り付け部に不具合があって軸受軌道輪が変形した場合、この変形が軸受回転時に保持器15の円周方向で転動体14の進み遅れを増大させ、保持器15がその端部22から離脱する可能性が考えられる。また、前述した軸受周辺からの外乱だけでなく、軸受11の設計上(例えば、4点接触玉軸受で左右の接触角が異なる特殊設計)、転動体14の進み遅れが著しく大きくなる場合も同様に、保持器15が離脱する可能性が考えられる。この保持器15の離脱がどのような条件の下で発生する可能性があるのかを見極め、その対策を講じることが要望されている。
そこで、本出願人は、保持器離脱のメカニズムを検証して考察した結果として、本発明を提案するものであり、その目的とするところは、保持器の離脱を確実に防止し得る超薄肉形転がり軸受及び超薄肉形転がり軸受用保持器を提供することにある。
ここで、本出願人は、従来の保持器15について、離脱のメカニズムを以下のように考察した。軸受の取り付け不具合により軌道輪の変形があると、図9(a)に示す離脱前の状態では、回転方向に対する先頭側で転動体14の進みが生じるのに対して、回転方向に対する最後尾(保持器15の端部22)で転動体14の遅れが生じ、この転動体14の進み遅れが増大する。図9(b)に示す離脱時の状態では、保持器15の先頭側からの引張り力により中間部の転動体14が支点となって保持器15の最後尾を弓状に変形させる。図9(c)に示す離脱後の状態では、保持器15の離脱後、最後尾に位置する転動体14がさらに遅れてポケット20a,20bから離脱する。
そこで、本発明は、複数の円弧状セグメントを円周方向に結合することにより環状に成形すると共に転動体を収容するポケットを前記円周方向で所定間隔に形成し、その円周方向の一部に前記セグメントの非連結部を有する超薄肉形転がり軸受用保持器であって、前記非連結部に隣接して円周方向で対向するセグメントの少なくともいずれか一方の端部に位置するポケットに、転動体の離脱力を他のポケットより大きくする離脱防止手段を設けたことを特徴とする。
また、前述の構成からなる保持器は、内輪と、外輪と、内外輪の軌道間に組み込んだ複数の転動体と組み合わせることにより、超薄肉形転がり軸受を構成することが可能であり、この超薄肉形転がり軸受における保持器は、複数の転動体を円周方向で所定間隔に保持する機能を発揮する。
本発明では、非連結部に隣接して円周方向で対向するセグメントの少なくともいずれか一方の端部に位置するポケットに、転動体の離脱力を他のポケットより大きくする離脱防止手段を設けたことにより、非連結部に隣接したセグメントの端部に位置するポケットにおける転動体の離脱力を増大させることができる。つまり、転動体の離脱力が増大するということは、前述のポケットから転動体が離脱し難くなることを意味し、その結果、転動体に対してセグメントが分離し難くなる。
なお、前述の離脱防止手段は、非連結部に隣接するセグメントの少なくともいずれか一方についてその端部のポケットに設ければよい。つまり、軸受の回転方向が明らかであれば、その回転方向に対して最後尾となるセグメントの端部のポケットに離脱防止手段を設けるようにすればよい。軸受の回転方向が明らかでなければ、非連結部に隣接して対向する両セグメントの端部のポケットに離脱防止手段を設ければよい。
前述の構成における離脱防止手段としては、非連結部に隣接して円周方向で対向するセグメントの端部に位置するポケットの軸方向開口側に蓋部材を装着した構造が望ましい。この構造の場合、ポケットの軸方向開口側を蓋部材で閉塞することにより、ポケットから転動体が離脱することを強制的に抑止する。
他の離脱防止手段としては、非連結部に隣接して円周方向で対向するセグメントの端部に位置するポケットの開口幅を他のポケットの開口幅よりも小さくした構造が望ましい。この構造の場合、ポケットにおける転動体のかちこみ量を増大させることにより、ポケットから転動体が離脱し難くなる。また、非連結部に隣接して円周方向で対向するセグメントの端部に位置するポケット周縁部の軸方向長さを他のポケット周縁部の軸方向長さよりも大きくした構造、あるいは、非連結部に隣接して円周方向で対向するセグメントの端部に位置するポケット周縁部の厚みを他のポケット周縁部の厚みよりも大きくした構造も可能である。これら構造の場合、セグメントのポケット周縁部の剛性を向上させることにより、ポケットから転動体が離脱し難くなる。
前述したようにセグメントの端部形状を変更する以外に、さらに他の離脱防止手段としては、非連結部に隣接して円周方向で対向するセグメントを他のセグメントよりも硬度が大きい材質で構成することが可能である。このように材質を変更すれば、セグメントのポケット周縁部での硬度を上げることにより、ポケットから転動体が離脱し難くなる。
前述の構成を具備した超薄肉形転がり軸受において、外輪あるいは内輪のうちのいずれか一方が、被写体の周囲を回転するCTスキャナ装置の回転架台に、他方がCTスキャナ装置の固定架台にそれぞれ固定された構成とすれば、信頼性の高いCTスキャナ装置を提供できる。
本発明によれば、非連結部に隣接して円周方向で対向するセグメントの少なくともいずれか一方の端部に位置するポケットに、転動体の離脱力を他のポケットより大きくする離脱防止手段を設けたことから、非連結部に隣接したセグメントの端部に位置するポケットにおける転動体の離脱力を増大させることができる。その結果、軸受の取り付け環境が悪い場合、つまり、軸受を変形させるような使用環境の場合や、軸受の内部設計、例えば4点接触玉軸受で左右の接触角が異なる特殊設計である場合など、軸受の取り付け不具合などがあっても、保持器の離脱を確実に防止することができるので、信頼性の高い超薄肉形転がり軸受を提供できる。
本発明の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
図6は、CTスキャナ装置(図10参照)に組み付けられる超薄肉形転がり軸受31の具体的構造例を示す。この軸受31は、図6に示すように内輪33、外輪32、転動体34としてのボールおよび保持器35から主要部が構成されている。内輪33は外周面に軌道を有すると共に外輪32は内周面に軌道を有し、この内外輪33,32の軌道間に複数の転動体34が転動自在に組み込まれている。保持器35は、内外輪33,32間に介在して転動体34を円周方向で所定間隔に保持する。通常、内外輪33,32間の軸受空間を密封して潤滑剤の漏洩や外部からの異物の侵入を防止するためにシールが装着されるが、ここでは図示を省略している。
なお、この実施形態では、転動体34としてボールを例示しているが、ころを使用することも可能である。また、転動体34の列数を一列とした単列軸受に限らず、二列の転動体を配した複列軸受にも適用可能である。
保持器35は、図7に示すように複数の円弧形セグメント36を円周方向に結合させて環状に成形し、その円周方向の一部に非連結部37を設けた有端状とした形態を具備する。各セグメント36は、図1に示すように円弧形状の基部38と、その基部38から軸方向の一方に延び出した柱部39と、隣接した柱部39間に形成され、転動体34を収容する複数のポケット40a,40bとを備え、例えばPA66(ナイロン66)からなる樹脂成形品である。これらポケット40a,40bは、軸方向の一方側(図示上側)に開口した形態を有する。
この保持器35のポケット40a,40bは、図1に示すように転動体34の保持機能および等配機能を有する丸ポケット40aと、転動体34の等配機能のみを有する角ポケット40bの二種類の形状を有する。丸ポケット40aは、ポケット開口幅L1が転動体34の直径Dwよりも小さくなっており(L1<Dw)、転動体34のポケット開口側への飛び出しが規制され、転動体34が丸ポケット40a内に保持される。角ポケット40bは、ポケット開口幅L2が転動体34の直径Dwよりも大きく(L2>Dw)、転動体34は軸方向に自由に移動可能である。
したがって、角ポケット40bは丸ポケット40aのような保持機能は有さず、転動体34を等配する機能のみを有する。各セグメント36にはこれら二種類のポケット40a,40bが円周方向で交互に形成されている。転動体保持能力を有する丸ポケット40aと、転動体保持能力を有しない角ポケット40bの二種類を設けたのは、組込み性の観点から、転動体34を拘束するポケットを一つおきとするためである。なお、各セグメント36のポケット40a,40bへの転動体34の組み込み、各セグメント36同士の連結部構造については、図13で説明した内容と同一であるため、重複説明は省略する。
前述の構成からなる保持器35では、非連結部37に隣接して円周方向で対向するセグメント36の端部42に位置するポケット40aに、転動体34の離脱力を他のポケット40a,40bより大きくする保持器離脱防止手段を設ける。この離脱防止手段を設けたことにより、非連結部37に隣接したセグメント36の端部42に位置するポケット40aにおける転動体34の離脱力を増大させることができる。この転動体34の離脱力増大により、前述のポケット40aから転動体34が離脱し難くなり、その結果、保持器35が内輪33と外輪32間から離脱することを防止できる。
この離脱防止手段の具体例を以下の各実施形態で説明する。なお、以下の各実施形態では、非連結部37に隣接して円周方向に対向する二つのセグメント36の端部42のポケット40aに離脱防止手段を設けているが、軸受31の回転方向が明らかであれば、その回転方向に対して最後尾となるセグメント36の端部42のポケット40aのみに離脱防止手段を設ければよい(図9参照)。
図1に示す離脱防止手段の実施形態では、非連結部37に隣接して円周方向で対向するセグメント36の端部42に位置するポケット40aの軸方向開口側に蓋部材43を装着する。この蓋部材43は、保持器35のセグメント36の同一材質のものを使用すればよく、その他の材質のものでも使用可能である。また、蓋部材43は、超音波溶接や嵌合などの固定方法により接着すればよい。
このようにポケット40aの軸方向開口側に蓋部材43を装着すれば、軸受31の取り付け不具合による変形で転動体34の進み遅れが増大しても(図9参照)、保持器35の離脱開始のポイントとなる箇所、つまり、非連結部37に隣接するセグメント36の端部42に位置するポケット40aの軸方向開口側を蓋部材43で閉塞することにより、ポケット40aから転動体34が離脱することを強制的に抑止できる。
また、他の離脱防止手段としては、図2〜図5に示す実施形態のものがある。
図2に示す離脱防止手段の実施形態では、非連結部37に隣接して円周方向で対向するセグメント36の端部42に位置するポケット40aの開口幅L1’を他のポケット40a,40bの開口幅L1よりも小さくする(L1’<L1)。このような構造とした場合、ポケット40aにおける転動体34のかちこみ量を増大させることができ、その結果、ポケット40aから転動体34が離脱し難くなる。
また、図3に示す離脱防止手段の実施形態では、非連結部37に隣接して円周方向で対向するセグメント36の端部42に位置するポケット周縁部の軸方向長さH1(図示では高さ)を他のポケット周縁部の軸方向長さH2よりも大きくする(H1>H2)。あるいは、図4に示す離脱防止手段の実施形態では、非連結部37に隣接して円周方向で対向するセグメント36の端部42に位置するポケット周縁部の厚みT1を他のポケット周縁部の厚みT2よりも大きくする(T1>T2)。これらような構造とした場合、セグメント36のポケット周縁部の剛性を向上させることができ、その結果、ポケット40aから転動体34が離脱し難くなる。
図2〜図4の実施形態のように前述したセグメント36の端部形状を変更する以外に、図5に示す他の離脱防止手段の実施形態では、非連結部37に隣接して円周方向で対向するセグメント36を他のセグメント36よりも硬度が大きい材質で構成することが可能である。通常、他のセグメントがPA66(ナイロン66)を材質とすれば、非連結部37に隣接するセグメント36は、それよりも大きな硬度を有する材質として、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)を使用すればよい。このような材質の変更により、非連結部37に隣接するセグメント36のポケット周縁部での硬度を上げることができ、その結果、ポケット40aから転動体34が離脱し難くなる。
この保持器35を組み込んだ超薄肉形転がり軸受は、外輪32が図10に示すCTスキャナ装置の回転架台8に固定され、内輪33が固定架台7に固定される。この場合、外輪32が回転架台8と共に回転する回転部材となり、内輪33が非回転の固定部材となるが、CTスキャナ装置の構造によっては、前述とは逆に外輪32を非回転の固定側、内輪33を回転架台8と共に回転する回転側とすることもできる。
本出願人は、この実施形態の保持器を組み込んだ超薄肉形転がり軸受をCTスキャナ装置に実装した状態を想定した試験を行った。図8は、CTスキャナ装置に実装した状態を想定した試験時での軸受(供試体51)の取り付け状態を示す。同図に示すように供試体51の外輪52をスペーサ56を介してベース板57にボルト58で固定する。なお、外輪52は、その円周方向で等間隔の複数箇所(例えば45°間隔で8箇所)でボルト固定されている。また、スペーサ56としては、厚みが異なる複数種のものが用意され、これらスペーサ56の厚みを円周方向のボルト固定箇所で異ならせることにより、外輪52における局部変形の変形量を設定することが可能となっている。
この試験において、正常な取り付け状態であれば、供試体51の内輪53は円滑に回転するが、供試体51の局部に非常に大きな変形(ここでは、軸受の取り付け部でのベース板57の想定平坦度に対して、10倍以上の変形量)を与えて取り付けて内輪53を回転させると、保持器により保持された転動体54の進み遅れが増大し、従来の保持器15を使用した供試体51では、保持器15の離脱が発生した。これに対して、図1〜図5に示す実施形態の保持器35を使用した供試体51では、供試体51の変形により転動体54の進み遅れが増大しても、保持器35の離脱が発生することはなかった。これにより、軸受周辺からの外乱(例えば、軸受の取り付け不具合)や軸受の設計上(例えば、4点接触玉軸受で左右の接触角が異なる特殊設計)、保持器の離脱を確実に防止することが可能となる。
本発明に係る超薄肉形転がり軸受用保持器の実施形態で、離脱防止手段として非連結部に隣接するセグメント端部に位置するポケットの軸方向開口側に蓋部材を装着した例を示す部分平面図である。 本発明に係る超薄肉形転がり軸受用保持器の実施形態で、他の離脱防止手段として非連結部に隣接するセグメント端部に位置するポケットの開口幅を他のポケットよりも小さくした例を示す部分平面図である。 本発明に係る超薄肉形転がり軸受用保持器の実施形態で、他の離脱防止手段として非連結部に隣接するセグメント端部に位置するポケット周縁部の軸方向長さを他のポケット周縁部よりも大きくした例を示す部分平面図である。 本発明に係る超薄肉形転がり軸受用保持器の実施形態で、(a)は他の離脱防止手段として非連結部に隣接するセグメント端部に位置するポケット周縁部の厚みを他のポケット周縁部よりも大きくした例を示す部分平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。 本発明に係る超薄肉形転がり軸受用保持器の実施形態で、他の離脱防止手段として非連結部に隣接するセグメントの材質を他のセグメントと異ならせた例を示す部分正面図である。 本発明に係る超薄肉形転がり軸受の実施形態を示す要部拡大断面図である。 図1〜図5の実施形態で図6の軸受に組み込まれる保持器を示す正面図である。 超薄肉形転がり軸受をCTスキャナ装置に実装した状態を想定した試験で、軸受をスペーサを介してベース板に取り付けた状態を示す部分断面図である。 従来の保持器が離脱するメカニズムを説明するためのもので、(a)は離脱前の状態、(b)は離脱時の状態、(c)は離脱後の状態をそれぞれ示す部分正面図である。 CTスキャン装置の概略構成を示す断面図である。 従来の超薄肉形転がり軸受を示す要部拡大断面図である。 従来の超薄肉形転がり軸受用保持器を示す正面図である。 図12の保持器を構成するセグメントを示す平面図である。 非連結部に隣接して円周方向に対向するセグメントを示す部分平面図である。
符号の説明
31 軸受
32 外輪
33 内輪
34 転動体
35 保持器
36 セグメント
37 非連結部
40a,40b ポケット
42 端部
43 離脱防止手段(蓋部材)
L1,L1’,L2 ポケットの開口幅
H1,H2 軸方向長さ
T1,T2 厚み

Claims (8)

  1. 複数の円弧状セグメントを円周方向に結合することにより環状に成形すると共に転動体を収容するポケットを前記円周方向で所定間隔に形成し、その円周方向の一部に前記セグメントの非連結部を有する超薄肉形転がり軸受用の保持器であって、前記非連結部に隣接して円周方向で対向するセグメントの少なくともいずれか一方の端部に位置するポケットに、転動体の離脱力を他のポケットより大きくする離脱防止手段を設けたことを特徴とする超薄肉形転がり軸受用保持器。
  2. 前記離脱防止手段は、非連結部に隣接して円周方向で対向するセグメントの端部に位置するポケットの軸方向開口側に蓋部材を装着した請求項1に記載の超薄肉形転がり軸受用保持器。
  3. 前記離脱防止手段は、非連結部に隣接して円周方向で対向するセグメントの端部に位置するポケットの開口幅を他のポケットの開口幅よりも小さくした請求項1に記載の超薄肉形転がり軸受用保持器。
  4. 前記離脱防止手段は、非連結部に隣接して円周方向で対向するセグメントの端部に位置するポケット周縁部の軸方向長さを他のポケット周縁部の軸方向長さよりも大きくした請求項1に記載の超薄肉形転がり軸受用保持器。
  5. 前記離脱防止手段は、非連結部に隣接して円周方向で対向するセグメントの端部に位置するポケット周縁部の厚みを他のポケット周縁部の厚みよりも大きくした請求項1に記載の超薄肉形転がり軸受用保持器。
  6. 前記離脱防止手段は、非連結部に隣接して円周方向で対向するセグメントを他のセグメントよりも硬度が大きい材質で構成した請求項1に記載の超薄肉形転がり軸受用保持器。
  7. 内輪と、外輪と、内外輪の軌道間に組み込んだ複数の転動体を具備し、請求項1〜6のいずれか一項に記載の保持器により前記転動体を円周方向で所定間隔に保持した超薄肉形転がり軸受。
  8. 前記外輪あるいは内輪のうちのいずれか一方が、被写体の周囲を回転するCTスキャナ装置の回転架台に、他方がCTスキャナ装置の固定架台にそれぞれ固定される請求項7に記載の超薄肉形転がり軸受。
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