JP2006315974A - 水性皮膚化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 HLB11〜13のシリコーン系界面活性剤と、ジポリオキシエチレン(2)アルキルエーテルリン酸とを含有することを特徴とする透明水性化粧料。HLB11〜13のシリコーン系界面活性剤の配合量が0.05〜2質量%、ジポリオキシエチレン(2)アルキルエーテルリン酸の配合量が0.005〜2質量%であることが好適である。
【選択図】 なし
Description
化粧水には、大きく分けてさっぱりした感触の化粧水と、しっとりとした感触の化粧水とがある。さっぱりタイプの化粧水を嗜好するユーザーは、使用中だけでなく使用後も肌がさらっとしてべたつきがなくさっぱりとした使用感であることを好む。
また、化粧水においては、外観の透明性も重要である。油分を微細化してマイクロエマルジョンとした透明乃至半透明の化粧水もがあるが、やはり油分やマイクロエマルジョン化のための界面活性剤などによるべたつきがあった。
すなわち、本発明にかかる透明乃至半透明の水性皮膚化粧料は、HLB11〜13のシリコーン系界面活性剤と、ジポリオキシエチレン(2)アルキルエーテルリン酸とを含有することを特徴とする。
なお、本発明において透明乃至半透明である水性皮膚化粧料とは、組成物のLab表色系(Hunter Lab system)におけるL値が40以上であることを意味する。
また、ジポリオキシエチレン(2)アルキルエーテルリン酸の配合量が0.005〜2質量%であることが好適である。
シリコーン系界面活性剤のHLBは11〜13であり、HLBが小さすぎても大きすぎても本発明の効果は低下する。
シリコーン系界面活性剤の分子量は特に制限されないが、1000〜1万が好適である。分子量が小さすぎると皮膚刺激性の懸念があり、分子量が大きすぎるとぬめり感など使用感に影響を及ぼすことがある。
本発明の水性皮膚化粧料の大部分は水であり、化粧料中75質量%以上、さらには80質量%以上であることが好ましい。水が少なすぎると他の成分を多量に配合することとなり、さっぱり感としっとり感の両立という本発明の効果を得ることが困難となることがある。
このような保湿剤の配合により、使用後のしっとり感を高めることができるが、多量に配合するとべたつきを生じてさっぱり感が損なわれる。よって、本発明の化粧料において保湿剤を配合する場合には配合量は20質量%以下、さらには15質量%以下とすることが好適である。
また、水溶性高分子類などの配合により化粧料の粘度が高くなるとさっぱり感を損なうだけでなく、べたつきを生じるため、これらの配合は避ける方がよい。化粧料の粘度としては、2.5mPa・s(22℃)以下とすることが好適である。
以下、具体例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本発明において配合量は特に指定のない限り、質量%で示す。また、本発明で用いた試験方法は次の通りである。
専門パネラー20名により、使用中ならびに使用後の「さっぱりした感触」「べたつきのない感触」、使用後の肌について「しっとりした感触」「肌がやわらかい感触」についてアンケートを行った。各感触が良好としたパネラーの数により、次のように判定した。
◎:良好と回答したパネラーが18〜20名
○:良好と回答したパネラーが15〜17名
△:良好と回答したパネラーが10〜14名
×:良好と回答したパネラーが0〜9名
下記表1の処方で化粧水を調製し、使用感触の評価を行った。
ジPOE(2)アルキルエーテルリン酸やシリコーン系界面活性剤を配合しない場合(試料5)には、使用後の肌のしっとり感ややわらかさに欠け、保湿剤を増量した場合(試料6)には、使用後のしっとり感などは改善されるが、べたつきを生じてさっぱり感が得られない。
また、ジPOE(2)アルキルエーテルリン酸のみ、あるいはシリコーン系界面活性剤のみを配合した場合(試料3〜4)でも、使用後の肌のしっとり感ややわらかさなどが不十分である。
これに対して、ジPOE(2)アルキルエーテルリン酸とシリコーン系界面活性剤とを配合した場合(試料1〜2)には、べとつきのないさっぱりとした使用感でありながら、使用後の肌のしっとり感ややわらかさにおいて優れた効果を発揮することができる。
表2は、ジPOE(2)アルキルエーテルリン酸と種々のHLBのシリコーン系界面活性剤とを用いた化粧水の結果である。
シリコーン系界面活性剤のHLBが13を超えた場合(試料10)には、べたつきを生じてさっぱり感が低下し、また、肌のしっとり感なども低下した。HLBが11より小さい場合(試料11)には、その溶解性の低さから水性化粧料への配合が困難であり、配合するためにはさらに活性剤を配合する必要があり、そのためにべたつきなどが生じてしまうため好ましくない。
これに対して、HLBが11〜13のシリコーン系界面活性剤を用いた場合(試料7〜9)には、べたつきのないさっぱりとした使用感と、使用後の肌がしっとりとやわらかな感触とが両立した化粧水を得ることができた。
表3は、HLB11〜13のシリコーン系界面活性剤の代わりに、HLB11〜13の他の非イオン性界面活性剤とを用いた場合の結果である。
表3からわかるように、他の非イオン性界面活性剤をジPOE(2)アルキルエーテルリン酸と併用しても、べたつきのないさっぱりとした使用感と、使用後の肌のしっとり感・やわらかさとが両立した化粧水を得ることはできなかった。
表4は、ジPOE(2)アルキルエーテルリン酸の代わりに、他のPOEアルキルエーテルリン酸やPOEアルキルエーテル酢酸を用いた場合の結果である。
表4からわかるように、べたつきのないさっぱりとした使用感と、使用後の肌のしっとり感・やわらかさとが両立した化粧水を得ることができるのは、ジPOE(2)アルキルエーテルリン酸のみであった。
以上の結果から、本発明の効果は、ジPOE(2)アルキルエーテルリン酸とHLB11〜13のシリコーン系界面活性剤とを併用することにより、特異的に発揮されるものであると考えられる。
表5のように、シリコーン系界面活性剤の配合量が多すぎても少なすぎても本発明の効果が低下する傾向が認められた。本発明の効果が発揮されるためには、シリコーン系界面活性剤の配合量は化粧料中0.05〜2質量%、さらには0.1〜1質量%であることが好適である。
表6のように、ジPOE(2)アルキルエーテルリン酸の配合量が多すぎても少なすぎても本発明の効果が低下する傾向が認められた。本発明の効果が発揮されるためには、ジPOE(2)アルキルエーテルリン酸の配合量は化粧料中0.005〜2質量%、さらには0.01〜1質量%であることが好適である。
処方例1 透明化粧水
A.ジPOE(2)アルキルエーテルリン酸 0.1 質量%
ジメチコンコポリオール 0.5
エタノール 5.0
メチルパラベン 適量
香料 微量
B.1,3−ブチレングリコール 1.0
ジプロピレングリコール 3.0
シャクヤク抽出液 0.5
オウバク抽出液 0.05
ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.5
ヒノキ抽出液 0.1
テン茶抽出液 0.3
ビワ抽出液 0.5
ブナの芽エキス 0.1
ニコチン酸アミド 0.3
グリセリン 1.0
クエン酸 適量
クエン酸ナトリウム 適量
エデト酸塩 適量
精製水 残余
(製法)
Aのアルコール相をBの水相に添加し、可溶化して透明化粧水を得た。
A.ジPOE(2)アルキルエーテルリン酸 0.5 質量%
ジメチコンコポリオール 0.5
香料 0.05
B.1,3−ブチレングリコール 2.0
C.ローヤルゼリー抽出液 0.1
アルギニン塩酸塩 0.05
ルムプヤン抽出液 0.5
カミツレ抽出液 0.1
ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.5
メリッサ抽出液 0.2
リョク茶抽出液 0.5
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
アスコルビン酸グルコシド 2.0
グリセリン 1.0
PEG−30 0.5
リン酸 適量
リン酸ナトリウム 適量
精製水 残余
(製法)
A相をB相と混合してから、Cの水相に添加し、半透明化粧水を得た。
A.ジPOE(2)アルキルエーテルリン酸 0.01 質量%
ジメチコンコポリオール 0.5
POE(60)硬化ヒマシ油 0.6
ジイソステアリン酸ポリグリセリル 0.2
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.3
香料 0.05
B.1,3−ブチレングリコール 0.5
グリセリン 1.2
C.トラネキサム酸 2.0
マジョラム抽出液 0.5
ウイキョウ抽出液 0.3
ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.5
ハマメリス抽出液 0.2
ウイキョウ抽出液 0.1
エイジツ抽出液 0.1
クララエキス 0.5
トリメチルグリシン 0.3
クエン酸 適量
クエン酸ナトリウム 適量
精製水 残余
(製法)
A相をB相と混合してから、Cの水相に添加し、半透明化粧水を得た。
A.ジPOE(2)アルキルエーテルリン酸 1.0 質量%
ジメチコンコポリオール 1.0
エタノ−ル 15.0
メチルパラベン 0.1
メント−ル 0.05
ジブチルヒドロキシトルエン 0.001
ピリドキシン 0.005
POE(60)グリセリルモノイソステアレ−ト 0.5
香料 適量
B.プロピレングリコ−ル 1.0
アラントイン 0.2
塩化ナトリウム 0.1
ベントナイト 1.0
タルク 0.5
セルロ−ス末 0.5
シリカ 1.0
酸化亜鉛 0.5
グァ−ガム 0.5
コンドロイチン硫酸ナトリウム 0.1
乳酸 0.1
乳酸ソ−ダ 0.05
ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム 0.1
ヘキサメタリン酸塩 適量
精製水 残余
(製法)
粉末成分をよく撹拌分散したBの水相にAのアルコ−ル相を加え、撹拌混合して固液二層型化粧水を得た。
A.ジPOE(2)アルキルエーテルリン酸 0.1 質量%
ジメチコンコポリオール 0.5
エタノール 5.0
メチルパラベン 適量
香料 微量
B.1,3−ブチレングリコール 1.0
ジプロピレングリコール 3.0
シャクヤク抽出液 0.5
ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.5
ヒノキ抽出液 0.1
テン茶抽出液 0.3
ビワ抽出液 0.5
ブナの芽エキス 0.1
ニコチン酸アミド 0.3
グリセリン 1.0
クエン酸 適量
クエン酸ナトリウム 適量
エデト酸塩 適量
精製水 残余
(製法)
Aのアルコール相をBの水相に添加し、可溶化して化粧水を得た。これをさらに不織布やコットンなどに含浸させてローション含浸シート状マスクを得た。
Claims (3)
- HLB11〜13のシリコーン系界面活性剤と、ジポリオキシエチレン(2)アルキルエーテルリン酸とを含有することを特徴とする透明乃至半透明の水性皮膚化粧料。
- 請求項1記載の化粧料において、HLB11〜13のシリコーン系界面活性剤の配合量が0.05〜2質量%であることを特徴とする透明乃至半透明の水性皮膚化粧料。
- 請求項1又は2記載の化粧料において、ジポリオキシエチレン(2)アルキルエーテルリン酸の配合量が0.005〜2質量%であることを特徴とする透明乃至半透明の水性皮膚化粧料。
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