JP2006315719A - 包装用容器および包装用容器の蓋 - Google Patents

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Abstract

【課題】シート成形された容器本体に、シート成形された蓋を外嵌合させたとき、辺の部分で蓋が外側に膨出して、容器本体と蓋との間に隙間ができるという課題があった。 【解決手段】容器本体の開口周縁部に対して外嵌合する蓋の外周縁部を形成する相対向する長辺13の中央部が、わずかに内方へ湾曲されている。また、長辺13の中央部には、容器本体10の開口周縁部17と係合して、外周縁部18を容器本体10の方向へ押し下げるための突起14が備えられている。
【効果】蓋の長辺は容器本体に軽く圧接し、容器本体と蓋との間に隙間が生じることがない。
【選択図】 図4

Description

この発明は、樹脂シートにより成形される包装用容器およびその蓋に関する。
販売する食品を収容する包装用容器として、樹脂シートで成形されたものが広く用いられている。かかる包装用容器は、シート成形された容器本体に、同じくシート成形された蓋を、図1に示すように、外嵌合するようにしたものが、比較的簡単で安価に作れるため、多く採用されている。
容器本体と蓋との嵌合は、確実で最も強固な嵌合が得られるよう、容器本体のコーナー部分と接する部分の蓋に、アンダーカットと称される内方に向かった突部を設けることで行われている。
特開平11−240546号公報
上述の容器本体のコーナー部分と接する部分の蓋にアンダーカットを設けた構造の場合、蓋は容器本体のコーナー部分と確実に嵌合するが、図2に示すように、辺の部分で蓋が外側に膨出して、容器本体と蓋との間に隙間ができて見栄えが悪くなり、容器本体に入れた食品等の乾燥や、容器本体への異物の侵入を助長することがある。特に、内容物を入れた容器を積み重ねた場合に、上に乗った容器の重さによって下にある容器の蓋が外側に開き、容器は辺の部分で本体と蓋との間に隙間が生じることが多い。
また、蓋に設けられたアンダーカットは、図3に示すように、容器本体と嵌合した際に天地方向に隙間を設けることが通常行われている。この理由は、容器本体および蓋の弾性を利用して、容器本体に蓋を確実に嵌合させるためであるが、容器本体の開口周縁と蓋との間に隙間ができることを許容する。このため、蓋が外側へ膨出することと相挨って、容器本体に収容した食品等の乾燥、異物の侵入をさらに助長するおそれがあった。
この発明は、かかる従来技術を改良するためになされたもので、容器本体と蓋とを確実に嵌合できる包装用容器を提供することを主たる目的とする。
また、この発明は、容器本体の開口に外嵌合される蓋であって、容器本体に対して確実に嵌合できる蓋を提供することを他の目的とする。
請求項1記載の発明は、樹脂シートによって成形された包装用容器であって、相対向する2対の辺を有し、平面視が略矩形の開口周縁部を有する容器本体と、相対向する2対の辺を有し、平面視が略矩形で、上記容器本体に被せられたとき、容器本体の上記開口周縁部に対して外嵌合する外周縁部を有し、上記外周縁部は、少なくとも相対向する長辺の中央部がわずかに内方へ湾曲されており、かつ、長辺の中央部には、容器本体の上記開口周縁部と係合して外周縁部を容器本体の方向へ押し下げるための突起が備えられている蓋と、を含むことを特徴とする包装用容器である。
請求項2記載の発明は、樹脂シートによって成形された包装用容器の蓋であって、相対向する2対の辺を有し、平面視が略矩形で、容器本体に被せたとき、容器本体の開口周縁部に対して外嵌合する外周縁部を有し、上記外周縁部は、少なくとも相対向する長辺の中央部が、わずかに内方へ湾曲されていることを特徴とする、包装用容器の蓋である。
請求項3記載の発明は、樹脂シートによって成形された包装用容器の蓋であって、相対向する2対の辺を有し、平面視が略矩形で、容器本体に被せたとき、容器本体の開口周縁部に対して外嵌合する外周縁部を有し、上記外周縁部は、少なくとも相対向する長辺の中央部に、容器本体の開口周縁部と係合して外周縁部を容器本体の方向へ押し下げるための突起が備えられていることを特徴とする、包装用容器の蓋である。
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の蓋と、相対向する2対の辺を有し、平面視が略矩形で、上記蓋の外周縁部が外嵌合する開口周縁部を有する容器本体とを含むことを特徴とする包装用容器である。
請求項5記載の発明は、上記蓋の辺の湾曲は、辺の長さが100〜300mmである場合、辺の中央部が0.2〜5mm内方へ入り込んでいる湾曲であることを特徴とする、請求項1,2または4のいずれかに記載の包装用容器または包装用容器の蓋である。
請求項1および2の構成によれば、蓋の外周縁部を形成する相対向する長辺は、その中央部がわずかに内側へ湾曲されている。それゆえ、蓋を容器本体の開口周縁部に外嵌合する際には、蓋の長辺は容器本体に対して外方へ弾性変形されるような状態で嵌められる。よって、蓋が容器本体に外嵌合された状態では、蓋の長辺は容器本体に軽く圧接しており、容器本体と蓋との間に隙間が生じることはない。
また、請求項1および3の構成によれば、長辺の中央部に備えられた突起は、嵌合時において、蓋の外周縁部を容器本体の方向へ押し下げるように弾性を生じ、蓋の長辺と容器本体との間に隙間が生じるのを防止する。
包装用容器が大型で、各辺が長い場合、長辺のみでなく残りの辺にも、その辺の中央部が内方へ湾曲されており、および/または、その辺の中央部に上記突起が備えられていることが好ましい。
また、蓋の辺に形成される内方への湾曲は、辺の長さが100〜300mmである場合、辺の中央部が0.2〜5mm、より好ましくは0.5〜2mm内方へ入り込んでいる湾曲であることが、蓋が、樹脂シートにより成形されていることを勘案すると、樹脂シートの弾性特性の点から好ましい。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明をする。
図4は、この発明の一実施形態に係る包装用容器10の斜視図である。包装用容器10は、容器本体11および蓋12を有する。
容器本体11は、平面視が角が丸まった略長方形状をした舟形もしくは皿形の容器であり、樹脂シートがシート成形されることにより形成されている。容器本体11の形態は、従来の形態と変わりがない。
蓋12も、樹脂シートによりシート成形されたもので、容器本体11に合わせて、平面視が角が丸められた長方形状をしている。
この実施形態の特徴は、蓋12の相対する2つの長辺13は、その長さ方向中央部がわずかに内方(蓋11の中心側)へ湾曲されていることである。同様に、相対する2つの短辺23は、その長さ方向中央部がわずかに内方(蓋11の中心側)へ湾曲されていることである。また、2つの長辺13の中央部には、突起14が備えられていることである。
図5は、図4のA−Aに沿う切断面端面図である。
図4および図5を参照して、容器本体11には、その開口から外方へ水平に張り出す水平フランジ15と、その外側に連設され、斜め下方に突出した傾斜面部16とが備えられている。これら水平フランジ15と傾斜面部16とが容器本体11の開口周縁部17を形成している。開口周縁部17は平面視略矩形であり、角が丸められた形状である。
一方、蓋12には、容器本体11の開口周縁部17に対して外嵌合する外周縁部18が備えられている。蓋12の外周縁部18は、水平方向に外側に張り出した水平フランジ19と、水平フランジ19の先端に連設されて下方に下がった垂直面部20と、垂直面部20の先端から外方へ斜め方向にわずかに張り出した嵌合案内部21とを含んでいる。蓋12が容器本体11に嵌合されたとき、水平フランジ19は容器本体11の水平フランジ15の上面に当接し、垂直面部20が容器本体11の傾斜面部16の先端に当接するようになっている。
この実施形態では、蓋12の外周縁部18、すなわち水平フランジ19、垂直面部20および嵌合案内部21は、長辺13の長さ方向中央部がわずかに内方(図5において右方向)になるように湾曲されている。同様に、短辺23の長さ方向中央部もわずかに内方になるように湾曲されている。この結果、垂直面部20は傾斜面部16の先端縁に軽く弾力圧接するように係合する。
さらに、垂直面部20には、長辺13の長さ方向中央部に、蓋12の中央部に向かって突出する突起14が形成されている。突起14は、図5に示すように、蓋12が容器本体11に嵌合されたときに、容器本体11の傾斜面部16の先端縁が当接する位置から下方側が斜めに内方向へ膨らむような断面三角形状の突起となっている。この突起14は、外周縁部18を容器本体11の方向へ押し下げる働きをし、水平フランジ19と容器本体11の水平フランジ15との間に隙間が開くのを防止する。
以上の構成であるから、容器本体11に蓋12を被せたとき、容器本体11の開口周縁部17と蓋11の外周縁部18との間に隙間が生じず、容器本体11に収容された食品等が乾燥したり、容器本体11内への異物の侵入が生じることはない。
図6は、図4のB−Bに沿う切断面端面図である。この実施形態においても、従来の包装用容器と同様、容器本体11と蓋12とが、そのコーナー部で確実に嵌合するよう、蓋12にはコーナー部にアンダーカット22が備えられているのが好ましい。
図7に、この発明の他の実施形態に係る包装用容器30の斜視図を示す。図7に示す包装用容器30は、容器本体31および蓋32を有し、蓋32が、樹脂シートによりシート成形されたもので、相対する2つの長辺13は、その長さ方向中央部がわずかに内方(蓋31の中心側)へ湾曲されており、同じく、相対する2つの短辺23は、その長さ方向中央部がわずかに内方(蓋31の中心側)へ湾曲されている。
すなわち、この実施形態に係る包装用容器30の蓋32は、図4〜図6を参照して説明した実施形態と比較して、2つの長辺13の中央部に設けられた突起14が省略された形態になっているものである。
この図7に示す実施形態に係る包装用容器10であっても、蓋32の各辺13,23の中央部が蓋32の中心側へわずかに湾曲されているので、蓋32の垂直面部20は容器本体31の傾斜面部16の先端縁に軽く弾性圧接するように係合し、容器本体31と蓋32との間に隙間があくのを防止できる構造となっている。
なお、図7に示す実施形態におけるその余の構成は、図4に示す実施形態と同じであるから、同一部分には同一番号を付し、重複した説明は省略する。
上述の各実施形態では、平面視が角が丸められた長方形状の包装用容器を取り上げて説明したが、包装用容器の形態はこのような形態に限られるものではない。たとえば、包装用容器の形態が、平面視で、図8Aに示すように、4辺が外方へ湾曲した形状のものにも本発明を適用できるし、図8Bに示すように、4辺がそれぞれ内方へ湾曲した形状の容器に対しても同様に本発明を適用可能である。
さらに、包装用容器の寸法が大きい場合や、平面視略正方形の容器で、その寸法が大きい場合などには、すべての辺、つまり長辺だけではなく短辺についても、その中央部に、外周縁部18を容器本体方向へ押し下げるための突起14が備えられた構成とするのが好ましい。
逆に、包装用容器が細長い容器の場合、すなわち、長辺が長く、短辺が短い包装用容器の場合は、たとえば短辺にはその中央部がわずかに内方へ湾曲する構成を設けないといった構成としてもよい。
なお、この実施形態では、蓋の長辺13の長さが100〜300mmである場合、辺中央部が内方に0.2〜5mm変位したような湾曲形状、より好ましくは0.5〜2.0mm変位したような湾曲形状とすることにより、容器本体に対して蓋が良好に嵌合することが確認されている。
すなわち、図9に、容器本体と蓋との嵌まり具合を確認した実験結果を示す。
実施例1〜7では、蓋の辺の長さを100mmとし、辺が真っ直ぐな状態と、辺が真っ直ぐな状態から内方へ0.2〜5mm湾曲させた場合における、蓋と容器本体との嵌合状態が比較されている。また、実施例8〜15では、蓋の辺の長さが250mmの場合において、辺が直線の場合と、その中央部が内方へ0.2〜7mm湾曲した場合との、嵌合状態が比較されている。
この実験により、上述した通り、辺中央部の内方への湾曲は、0.2〜5mm、より好ましくしは、0.5〜2.0mm程度がよいことが確認されたものである。
上述の説明では、蓋の長辺に、湾曲および突起14が備えられている構成を説明したが、湾曲または突起14を択一的に所定の辺に設けてもよい。
この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
従来の包装用容器の構成を説明する部分端面図である。 従来の包装用容器における課題を説明するための平面図である。 従来の包装用容器における課題を説明するための部分端面図である。 この発明の一実施形態に係る包装用容器の斜視図である。 図4のA−Aに沿う切断面端面図である。 図4のB−Bに沿う切断面端面図である。 この発明の他の実施形態に係る包装用容器の斜視図である。 A,Bは、それぞれ、この発明が適用可能な包装用容器の平面視形状の例を示す図である。 この発明において、辺の長さに対し、辺中央部の内方への変位量をどの程度にすべきか行った確認実験の結果を示す図および表である。
符号の説明
10,30 包装用容器
11,31 容器本体
12,32 蓋
13 長辺
14 突起
15 水平フランジ
16 傾斜面部
17 開口周縁部
18 外周縁部
19 水平フランジ
20 垂直面部
21 嵌合案内部
22 アンダーカット
23 短辺

Claims (5)

  1. 樹脂シートによって成形された包装用容器であって、
    相対向する2対の辺を有し、平面視が略矩形の開口周縁部を有する容器本体と、
    相対向する2対の辺を有し、平面視が略矩形で、上記容器本体に被せられたとき、容器本体の上記開口周縁部に対して外嵌合する外周縁部を有し、上記外周縁部は、少なくとも相対向する長辺の中央部がわずかに内方へ湾曲されており、かつ、長辺の中央部には、容器本体の上記開口周縁部と係合して外周縁部を容器本体の方向へ押し下げるための突起が備えられている蓋と、
    を含むことを特徴とする包装用容器。
  2. 樹脂シートによって成形された包装用容器の蓋であって、
    相対向する2対の辺を有し、平面視が略矩形で、容器本体に被せたとき、容器本体の開口周縁部に対して外嵌合する外周縁部を有し、上記外周縁部は、少なくとも相対向する長辺の中央部が、わずかに内方へ湾曲されていることを特徴とする、包装用容器の蓋。
  3. 樹脂シートによって成形された包装用容器の蓋であって、
    相対向する2対の辺を有し、平面視が略矩形で、容器本体に被せたとき、容器本体の開口周縁部に対して外嵌合する外周縁部を有し、上記外周縁部は、少なくとも相対向する長辺の中央部に、容器本体の開口周縁部と係合して外周縁部を容器本体の方向へ押し下げるための突起が備えられていることを特徴とする、包装用容器の蓋。
  4. 請求項2または3記載の蓋と、相対向する2対の辺を有し、平面視が略矩形で、上記蓋の外周縁部が外嵌合する開口周縁部を有する容器本体とを含むことを特徴とする包装用容器。
  5. 上記蓋の辺の湾曲は、辺の長さが100〜300mmである場合、辺の中央部が0.2〜5mm内方へ入り込んでいる湾曲であることを特徴とする、請求項1,2または4のいずれかに記載の包装用容器または包装用容器の蓋。
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