JP2006315259A - 射出成形金型装置 - Google Patents

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正輝 大塚
Jun Inahashi
潤 稲橋
Kazuo Saito
一男 齊藤
毅 ▲高▼橋
Takeshi Takahashi
Akio Michinaka
彰男 道中
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Abstract

【課題】 本発明は、成形品の成形精度を、ショット毎およびキャビティ間で略一定にすることができる射出成形金型装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の射出成形金型装置(1)は、充填部(107、108)と、該充填部の外側に設けられた金型(152)と、上記金型の外周面を覆う加熱部材(120)と、上記加熱部材を覆う断熱部材(121)と、上記加熱部材の温度を制御する温度制御手段(122、123)と、を有するように構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、射出成形金型装置における温度調節技術に関する。
従来から精密プラスティック成形の分野では、金型の加熱時における温度調整と樹脂充填後の樹脂の冷却時における温度調整とが重要とされている。そこで、これまでに、最適な温度調節を行なうべく、各種の温度調節手段が検討されてきた。
図5に、従来の射出成形金型装置の一般的な構成を、内部構成が分かりやすいように断面図で示す。
同図の射出成形金型装置5は、同図の左右方向に型開きする横型タイプのものである。
射出成形金型装置5は、同図の実線Aを境界に、固定側金型10と可動側金型15に分けられる。ここで、可動側金型15が同図左右に可動することにより、固定側金型10及び可動側金型15の接合動作(射出成形金型装置5の型閉じ動作)や離間動作(射出成形金型装置5の型開き動作)が行なわれる。
これら固定側金型10及び可動側金型15のそれぞれは、鏡面駒(100または150)、中子(101または151)、型板(102または152)、受け板(103または153)、断熱プレート(104または154)、及び取り付け板(105または155)によって構成される。上記鏡面駒(100または150)は、転写面を有しており、ボルト106で中子(101または151)に装着される。この状態で射出成形金型装置5の型閉じ動作が行なわれると、固定側金型10及び可動側金型15のそれぞれに装着された鏡面駒(100及び150)の転写面が互いに突き合わされ、転写面によって囲まれたキャビティ(107及び108)が形成される。
また固定側金型10には、ロケートリング109が取り付け板155に構成されており、このロケートリング109は、樹脂を送り出す射出機の固定側プラテン(不図示)に接合されている。そして、固定側金型10の内部では、そのロケートリング109から可動側金型15との接合面方向に、スプルブッシュ110が延びている。
このスプルブッシュ110内には、スプル111が設けられている。このスプル111は、ロケートリング109側から送りこまれた溶融樹脂を、キャビティ(107及び108)方向に送るためのものである。スプル111を通過した溶融樹脂は、型閉じした後、固定側金型10及び可動側金型15間に構成される溶融樹脂の通り道(ランナ112及びゲート113)を介して、キャビティ(107及び108)に充填される。
また固定側金型10及び可動側金型15の内部には、温度調節管114(同図にその断面を白丸で示す)が張り巡らされている。この温度調節管114には、金型の加熱時は高温の媒体が、またキャビティ(107及び108)内の樹脂の冷却時は低温の媒体(水や油など)が流され、金型全体5の温度を調節する。
このように本構成では、温度調節手段として固定側金型10及び可動側金型15の内部に高温または低温の媒体を流す温調機構を備え、金型全体5の温度を調節する。
温度調節手段としてはこの他、キャビティ近傍にヒータ等の加熱媒体を配置し、かつキャビティ近傍の主に加熱媒体のない方向に断熱層を配置する構成のものが開示されている。この構成においては、キャビティ部の昇温に必要な熱量が低減され、キャビティ部と金型本体とに高い温度差をつければ高速冷却も可能になるとされている。(特許文献1参照)
またこの他、金型の型開き時に金型内に高周波加熱手段を挿入して金型を一定温度に加熱しておくなどの方法が開示されたものもある。(特許文献2参照)
特開2000−135727号公報(段落「0006」、「0007」) 特開2001−300999号公報(段落「0026」)
上述したように、従来から、金型の温度調節を最適に行なうべく各種の温度調節手段が検討されてきた。
しかしながら、いずれの温度調節手段を有する射出成形金型装置においても、次のような欠点があった。
それは、金型本体が成形環境(外気)に対して曝されているため、金型本体の温度が成形環境温度(外気温度)の影響を受けやすいということである。
金型本体の表面は、直接、成形環境に曝されている。このため、成形環境温度の変動が金型本体に対する熱の出入りに直接影響する。本来、金型本体は、床の上に空間をおいて設置されて使用されている。この状態だと、特に金型本体の下面とその床との温度差により、熱の対流が生じやすい。そのため、この熱の対流が、金型本体、及び金型本体内の熱移動に乱れを生じさせる。
この影響により、同一ショット内であっても、キャビティ周辺部において、温度分布にバラツキが生じる。また、ショット毎では、金型本体内同一位置において、温度分布にバラツキが生じる。特に、溶融樹脂の工程でこのような温度分布にバラツキが生じると、成形品の成形精度も、ショット毎にバラツキ生じるので、問題である。
そこで本発明は、成形品の成形精度を、ショット毎およびキャビティ間で略一定にすることができる射出成形金型装置を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために以下のように構成する。
本発明の射出成形金型装置の態様の一つは、充填部と、該充填部の外側に設けられた金型と、前記金型の外周面を覆う加熱部材と、上記加熱部材を覆う断熱部材と、上記加熱部材の温度を制御する温度制御手段と、を有するように構成する。
なお、上記加熱部材は複数の加熱領域で構成され、上記温度制御手段は、上記複数の加熱領域別に温度を制御する、ように構成することが望ましい。また、断熱材を有し、上記複数の加熱領域の隣り合う加熱領域の間に、上記断熱材が配置されているとなお良い。
また、上記金型の内部、あるいは前記金型と接する位置に温度センサを有し、上記温度センサから検出された信号に基づいて上記加熱部材の温度を制御すると良い。
また、上記金型と上記加熱部材の間に、伝熱部材を設けるとなお良い。
以上述べたように、本発明では、金型のうち、従来は外気と接触していた面の任意の位置に、加熱部材を構成している。よって、同一ショットにおけるキャビティ周辺部の温度分布のバラツキや、ショット毎の金型本体内同一位置における温度分布バラツキを極力抑えることができる。また、金型の外気接触面であれば、加熱部材は任意の位置に配置することができる。そのため、射出成形金型装置内部に温度調節管を配設する場合には、その温度調節管を、金型装置の構造による制限を余り受けることなく配管できる。また、特に冷却手段を増設する場合は、冷却に特化した温度調節管を金型に配設することができる。そのため、温度調節管の数を減少させることや、温度調節管を細くすることも可能となる。よって、射出成形金型装置本体の構造による配管レイアウトの制限の影響を更に受けにくくすることができる。この結果、同一ショットにおけるキャビティ周辺部の冷却速度や、ショット毎の冷却速度を略一定に保つことが可能となる。
また、加熱部材を断熱部材で覆うため、加熱部材と外気間の熱の出入りや、金型と外気間の熱の出入りを抑制できる。ここで、金型のうち、加熱部材に覆われていない外気接触面も断熱部材で覆うように構成すれば、金型と外気間の熱の出入りを更に抑制できる。このように、断熱部材により外気の熱の影響を抑制できるので、加熱部材による金型の加熱が低消費電力で行なえるようになる。また、射出成形金型装置本体を熱源とする外気の温度上昇を断熱部材により抑制できるので、外気温度を安定させるための消費電力を低く抑えることが可能になる。
以上のように、本発明によれば、射出成形金型装置における温度分布のばらつきを、極力抑えることができる。よって、バラツキのない成形品を、安定して成形できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下で参照する射出成形金型装置の図面は、その内部構成と発明の要部との配置関係とが分かりやすいように断面図で示すこととする。
図1は、本発明の射出成形金型装置の一構成例が示された図である。この構成例では、射出成形金型装置は、左右方向に型開きする横型タイプである、
同図(a)は、射出成形金型装置を、溶融樹脂の移動経路(後述するスプルからキャビティに至る経路)を境に縦に切り裂いて示した断面図である。そして、同図(b)は、同図(a)の矩形破線Bに囲まれた部分の拡大斜視図である。
同図の射出成形金型装置1では、発明の要部を説明し易いように、従来技術の構成例(図5の射出成形金型装置)を基に作図し、図5と同一個所に同一番号を付した。
同図の射出成形金型装置1は、同図の実線Aを境界に、固定側金型10と可動側金型15に大別される。このうち、可動側金型15は、同図の左右方向に自在に可動する。よって、この可動により、可動側金型15を固定側金型10に接合したり、固定側金型10から離間したりできる。なお同図は、可動側金型15が固定側金型10に一杯に接近し、両者が接合した状態、すなわち型閉じした状態を示すものである。
これら固定側金型10及び可動側金型15のそれぞれは、従来技術の構成例(図5)に示した鏡面駒(100または150)、中子(101または151)、型板(102または152)、受け板(103または153)、断熱プレート(104または154)、及び取り付け板(105または155)を備えている。そして、固定側金型10及び可動側金型15は、互いに密着(上記鏡面駒(100または150)にあっては、同図に示されているようにボルト106により中子(101または151)に密着固定)されている。なお、取りつけ板155には、ロケートリング109が設けられている。よって、取りつけ板105、155は、ロケートリング109でノズルとスプルブッシュの軸心あわせを行なうことができる。そして、取りつけ板105、155は、それぞれ、本体装置1の不図示の可動盤、固定盤にボルトで固定されている。なお、この構成では、不図示のコンピュータによる制御で、可動盤が左右に移動される。そのため、可動側金型15を、左右に移動することができる。
鏡面駒(100または150)は、端面に転写面を有している。この転写面は、型閉じ時に、互いの面が突き合わされる状態となる。(なお、他の例、例えばプリズムでは、転写の状態は異なる。)このように、型閉じ状態になると、固定側金型10及び可動側金型15の各鏡面駒(100及び150)の転写面間にキャビティ(107及び108)が形成される。このキャビティ(107及び108)には、溶融樹脂が充填される。よって、キャビティ(107及び108)を充填部ということができる。また、型閉じ状態では、中子101と151が、互いに当接する。この中子101と151の当接面には、ランナ112とゲート113が設けられている(形成されている)。ランナ112とゲート113は、キャビティ(107、108)内へ、溶融樹脂を充填するために用いられる。
固定側金型10の内部には、更に、ロケートリング109から可動側金型15との接合面に向けて、スプルブッシュ110が延びている。このスプルブッシュ110内には、スプル111が形成されている。そして、スプル111の一方の端部は、溶融樹脂を送り出す射出機のノズル(同図には不図示)と接合されている。また、スプル111の他方の端部は、溶融樹脂の通り道(ランナ112及びゲート113)に続いている。そして、溶融樹脂の通り道は、各キャビティ107、108毎に向かって枝分かれしている。よって、射出機から送りこまれた溶融樹脂はこのスプル111を通り、ランナ112及びゲート113に導かれ、それぞれのキャビティ(107及び108)に充填される。
射出成形金型装置1は、更に、加熱部材120(120−1及び120−3、または、120−2及び120−4)及び断熱部材121(121−1及び121−3、または、121−2及び121−4)を備えている。
加熱部材120は、発熱体としてコイルヒータ、シリコンラバーヒータ、ポリイミドヒータ、二ケイ化モリブテン発熱体などの電気抵抗体や赤外線ヒータなどが用いられている。加熱部材120は、固定側金型10及び可動側金型15が型閉じ状態で外気(成形環境の気体)に従来曝されていた部分(以下、金型外気接触面と呼ぶ)に設けられている。具体的には、型板(102または152)と受け板(103または153)の外周面である。図(a)では、固定側金型10及び可動側金型15の上下面に設けられている。しかしながら、加熱部材120は、型板(102または152)と受け板(103または153)の外周面を、全て覆うように設けるのが好ましい。
なお、この加熱部材120の配置は、装置本体1のキャビティ107、108や溶融樹脂の通り道などにおいて、温度分布にバラツキが生じないように調節できる配置であれば良い。そのため、この条件を満たすような配置であれば、金型外気接触面上の任意の位置に、加熱部材120を設けることができる。この配置は、装置本体1の構造や材質などに応じて適宜決定してよい。
断熱部材121は、真空断熱材や樹脂系の断熱材や木材系の断熱材などが用いられる。そして、断熱部材121は、加熱部材120を覆うように設けられている。本例で断熱部材121は、固定側金型10及び可動側金型15の上下面に設けられている。そのほか、同図には示されていないが、固定側金型10及び可動側金型15の手前の面と背面の金型にも設けるものとする。つまり、加熱部材120の外周面を、全て覆うように設けるのが好ましい。また、本例では、受け板(103または153)と取り付け板(105または155)の間にも、断熱プレート104、154が配置されている。よって、本例では、断熱プレート104、154を含めると、キャビティ107、108から見て全方向が断熱部材121で覆われていることになる。
この断熱部材121は、本例のようにキャビティ107、108から見て全方向を覆うように構成されることが望ましい。しかしながら、特に熱の対流が生じやすい装置本体1の設置面側(固定側金型10及び可動側金型15の下面)に設けるだけでも後述する効果は得られる。
同図(b)には、上記加熱部材120及び断熱部材121の構成が詳細に示されている。同図(b)には、加熱部材120−1、断熱部材121−1、金型(本例では型板152)に加え、同図(a)では省略した温度制御部122、電線123が示されている。同図に示されているように、上記加熱部材120−1は型板152に密着して設けられている。そして、その加熱部材120−1の表面を、断熱部材121−1が覆っている。また、加熱部材120−1には、電線123を介して温度制御部122が接続されている。よって、温度制御部122を使って、加熱部材120−1を所定温度に加熱することができる。この加熱部材120−1の温度制御(主に加熱制御)は、例えば予め経過時間に応じて設定されている加熱情報に従って行なうことができる。 なお言うまでも無いことであるが、上記加熱部材120−1と120−2、上記加熱部材120−3と120−4、上記断熱部材121−1と121−2、上記断熱部材121−3と121−4は、それぞれ、実線Aを境に物理的に分かれているものである。よって、温度制御部122は、各加熱部材120の温度(加熱)制御を独立的または従属的に行なうことができる。
本構成であれば、金型外気接触面上の任意の位置に加熱部材120を構成できる。このため、加熱部材120を自在に構成できるので、下記のバラツキを極力抑えることができる。
(1)キャビティ107及び108の各々について、その周辺部における温度分布のバラツキ。
(2) キャビティ107及び108間における温度分布のバラツキ。
(3)各キャビティ107、108に溶融樹脂を流し込む際の、各々の通り道における温度分布のバラツキ。
(4)溶融樹脂の通り道同士の間における温度分布のバラツキ。
また、断熱部材121を構成しているため、外気の熱が加熱部材120や本体装置1内に伝わり難くなると共に、加熱部材120や本体装置内の熱が外気に奪われ難くもなる。この結果、成形環境温度が変化したとしても、本体装置1内の熱移動のみだれや成形環境中の熱の対流の発生を減少させることができる。よって、装置本体1の温度を安定させやすくなる。また、装置本体1と外気間の熱の出入りが抑制されるために、本体装置の加熱を行なう際の加熱ロスは減少する。よって、成形環境温度の上昇を抑える(温度を一定に保つ)ために空調機を使用しても、その消費電力も低く抑えることが可能になる。
本装置1では、例えば、230℃程度に熱せられた溶融樹脂を、キャビティ107、108に充填させる。この場合、加熱部材120の温度を制御して、キャビティ107、108や溶融樹脂の通り道などを、130℃から140℃程度の温度になるようにすることができる。このようにすることで、本構成では、各キャビティ107、108、及び各キャビティ107、108に流れ込む溶融樹脂の各通り道の壁面温度にバラツキを生じ難くさせることができる。そのため、本構成では、樹脂流動性が互いのキャビティ間で一定に保たれた状態で、各キャビティに均一に溶融樹脂が充填される。また、充填完了後の保圧工程でも、それぞれのゲート付近で温度分布のバラツキが生じ難くなっている。そのため、キャビティ毎の保圧は均等にかかり、ゲートシールを同一時刻に終了させることができる。そして更に、保圧工程終了後の冷却工程でも、キャビティ間で均等な冷却が行なえる。よって、キャビティ間の成形品の固化が、均等な状態で行なえる。また、離型された場合でも、離間後も温度が安定した成形環境下で、均等にキャビティの冷却が行なわれる。これは、キャビティ間で冷却時間を同じにすることができることを意味する。よって、結果として、キャビティ毎に面精度バラツキのない成形品が生成できる。
図1(c)は、図1の射出成形金型装置1の変形例である。この変形例では、温度センサ124(例えば熱電対などを使用)を、金型の内部に配置している。具体的には、型板(102または152)に埋設している。そして、この埋設位置から検出される温度が設定温度に達するように、温度制御部122が加熱部材120の温度を制御する。
図2は、図1の射出成形金型装置1の別の変形例である。
本例では、図2の射出成形金型装置1の内部に更に冷却管を配設させている。
図2の射出成形金型装置2には、上述した射出成形金型装置1の各構成部に加えて冷却管125が設けられている。
図2の射出成形金型装置1の各構成部は、ほとんど図1の各構成部と同じである。よって、図1の説明と重複するため、ここでは説明は省略する。
図2において、冷却管125は、その断面が白丸で示されている。この冷却管125は、冷却の機能のみを持たせた温度調節管である。このため、本例においては、冷却管125は、加熱の機能も持ち合わせた温度調節管と比べて、その断面を小さく(つまり冷却管を細く)することができる。また、本例においては、冷却管125の本数を大幅に減らすことができる。これは、冷却管125に冷却媒体を循環させる場合、従来のポンプに比べて、その出力を低減させることが可能になると共に、ヒータ容量を小さくすることができることも意味する。
このため、従来の温度調節管では配管レイアウトが制限される場合でも、この冷却管であれば、従来ほどはその制限の影響を受け難くなる。つまり、各キャビティが均等に冷却されるような配置に冷却管125を配設することができるようになる。
本装置2のように冷却管125を配設し、ここに冷却媒体を流すと、キャビティ内の溶融樹脂による装置本体2の温度上昇は抑止される。そこで、この冷却媒体の流量や温度を制御することで、本装置2の温度を設定温度に保てるようにもなる。これは、冷却管を備えたことによる成形品の冷却時間の短縮に加え、本体装置の温度をショット間で一定に保てることを意味する。よって、ショット毎、キャビティ毎に、成形品の冷却時間は安定的に得られ、ショット毎、キャビティ毎の成形品の面精度バラツキは抑止できる。
次に、加熱部材120を細かく分割した構成例を示す。
図3は、細かく分割した加熱部材が、金型外気接触面に配設された射出成形金型装置の構成図である。
同図(a)は、図1、図2と同じ要領で作成した断面図である。そして、同図(b)は、同図(a)の矩形破線C1、C2に囲まれた部分の拡大斜視図である。
なお本構成では、その構成部品の殆どが図1や図2に対応する。よって、同一の構成部品に対する説明は、図1や図2で説明した内容と重複する。そこで、これらの構成部品に関する説明は省略することとし、図1や図2と異なる部分について詳しく説明する。
本例の射出成形金型装置3では、金型外気接触面上に加熱部材120(120−1、120−2、120−3、120−4)が設けられている。ここで、加熱部材120は、断熱材(同図(a)に矩形の黒桝で示されている部分)127により、複数のセルに分割されている。そして、その上を断熱部材121が覆っている。なお、本例では、断熱材127は、所定の物質で構成された部材である。しかしながら、何も配置せずにクリアランスにして、空気層を断熱材としても良い。
同図(b)は、その分割セルの一部(同図(a)のC1とC2)を示している。同図(b)には、加熱部材120−1の一部及び加熱部材120−2の一部が断熱材127によって物理的に切り分けられた二つの分割セルが示されている。本例では、固定側金型及び可動側金型の接合面での各分割セルを示している。このため、同図(b)では、互いの接合面が非連続であることを強調するために互いの分割セル間にあえて隙間を開けて示したが、型閉じ時は隙間無く接合する。また、同一の型上(つまり固定側金型上または可動側金型上)では、隣り合う分割セルは互いに接合している。
そして本例では、断熱部材121が各分割セルの上面を覆う構成をとっている。勿論、言うまでもないが、接合面では同図に示されているように断熱部材121も分割されている。
そして、同図(a)では省略したが、温度制御部122が電線123を介して各々の加熱部材120−1、120−2に接続されている。このようにすることで、各加熱部材120−1、120−2を、それぞれの設定温度に加熱できるようになっている。この加熱部材120−1の温度(加熱)制御は、例えば予め経過時間に応じて設定されている加熱情報に従って行なうことができる。なお本例では、各図に示されているように温度センサ124(例えば熱電対などを使用)を型板(102または152)に埋設している。そして、この埋設地点から検出される温度が設定温度に達するように、温度制御部122が各加熱部材120−1、120−1を加熱制御する。
この温度制御部122による加熱制御は、分割セル別に行なうことが可能である。
本構成では、各分割セルを個別に加熱制御することができる。よって、それぞれの加熱部材を個別の温度に加熱制御しても、断熱材127で熱が遮断されるので、隣り合う分割セルに影響を及ぼさない。そのため、狙った個所の加熱を正確に行なうことができる。
以上のことから、二つのキャビティ107及び108間の温度分布や、各キャビティ107、108に溶融樹脂を流し込む各々の通り道間の温度分布などのバラツキを少なくすることがより可能になる。
また、断熱部材121を構成しているため、外気の熱が加熱部材120や本体装置3内に伝わり難くなると共に加熱部材や本体装置3内の熱が外気に奪われ難くもなる。この結果、成形環境温度の変化による本体装置3内の熱移動のみだれや成形環境中の熱の対流の発生率が減少し、装置本体3の温度を安定させやすくなる。また、装置本体3と外気間の熱の出入りが抑制されるために、本体装置の加熱を行なう際の加熱ロスは減少し、成形環境温度の上昇を抑える際にかかる空調機の消費電力も低く抑えることが可能になる。
本構成では、各キャビティ107、108及び各キャビティ107、108に流れ込む溶融樹脂の各通り道の壁面温度にバラツキを生じ難くさせることができるため、樹脂流動性が互いのキャビティ間で一定に保たれ、各キャビティに均一に溶融樹脂が充填される。また、充填完了後の保圧工程でも、それぞれのゲート付近で温度分布のバラツキが生じ難くなっているためキャビティ毎の保圧は均等にかかり、ゲートシールを同一時刻に終了させることができる。そして更に、保圧工程終了後の冷却工程でも、キャビティ間で均等な冷却がおこなえ、キャビティ間の成形品の固化状態が均等な状態で離型され、離間後も温度が安定した成形環境下で均等に冷却が行なわれる。これは、キャビティ間で冷却時間を同じにすることができることを意味し、結果として、キャビティ毎に面精度バラツキのない成形品が生成できる。
射出成形金型装置3の変形例を図3(c)に示す。この変形例では、金型外気接触面上に、伝熱部材126(126−1、126−2)が設けられている。そして、伝熱部材126を介して加熱部材120(120−1、120−2、120−3、120−4)が設けられている。これら伝熱部材126及び加熱部材120は、断熱材(同図(a)に矩形の黒桝で示されている部分)127により、複数のセルに分割されている。そして、その上を断熱部材121が覆っている。なお、上記断熱材127は、部材を構成する代わりにクリアランスにして空気層をつくっても良い。
このように、本変形例では、伝熱部材126を介してから、金型外気接触面を加熱する。そのため、加熱部材120による加熱を鈍化させて、加熱部材120の急加熱や温度振れを吸収し、より正確な温度制御が可能になる。
図4は、図3に示された射出成形金型装置の変形例である。
図4に示される射出成形金型装置4は、図3の射出成形金型装置の変形例において冷却管の配管レイアウトを変えた場合の構成例である。
これまで説明してきたように、本発明では細い冷却管125を使用できるため、冷却管125を同図に示されるように変更することも困難なことではなくなり、最適な配管レイアウトとすることが可能となる。
本発明の射出成形金型装置の構成例である。 図1の射出成形金型装置の変形例である。 分割セルで加熱制御する場合の射出成形金型装置の構成例である。 図3の射出成形金型装置の変形例である。 従来の射出成形金型装置の構成例である。
符号の説明
1 射出成形金型装置
10 固定側金型
15 可動側金型
107、108 キャビティ
112 ランナ
113 ゲート
120 加熱部材
121 断熱部材
122 加熱部材温度制御装置
123 電線
124 温度センサ
152 金型(型板)

Claims (5)

  1. 充填部と、該充填部の外側に設けられた金型と、
    前記金型の外周面を覆う加熱部材と、
    前記加熱部材を覆う断熱部材と、
    前記加熱部材の温度を制御する温度制御手段と、
    を有することを特徴とする射出成形金型装置。
  2. 前記加熱部材は、複数の加熱領域で構成され、
    前記温度制御手段は、前記複数の加熱領域別に温度を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の射出成形金型装置。
  3. 断熱材を有し、
    前記複数の加熱領域の隣り合う加熱領域の間に、前記断熱材が配置されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の射出成形金型装置。
  4. 前記金型の内部、あるいは前記金型と接する位置に温度センサを有し、
    前記温度制御手段は、前記温度センサから検出された信号に基づいて前記加熱部材の温度を制御する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の内の何れか一つに記載の射出成形金型装置。
  5. 前記金型と前記加熱部材の間に、伝熱部材を設けた、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の内の何れか一つに記載の射出成形金型装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008221657A (ja) * 2007-03-13 2008-09-25 Konica Minolta Opto Inc 成形機システム、光学素子、及び光ピックアップ装置
JP2015527230A (ja) * 2012-07-31 2015-09-17 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 熱的に制御可能なアレイを備える型穴表面を備える射出成形装置及び方法

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