JP5587631B2 - 射出成形用金型および射出成形方法 - Google Patents
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Description
ホットランナーボディを用いた成形は、図6に示すように、固定側型板41内のランナー42を通る溶融樹脂がホットランナーボディ43で加熱されて固定側型板41と可動側型板44との間に形成されたキャビティ45に充填され、その溶融樹脂をキャビティ45において固化することで行われている。しかしながら、ホットランナーボディ43は固定側型板41内に支持されており、ホットランナーボディ43で溶融樹脂を加熱する熱が固定側型板41を介してキャビティ45に伝わるため、溶融樹脂を固化する時にキャビティ45の温度が変動し、成形品の形状・精度が低下するおそれがあった。
また、前記ホットランナーボディの中間部と前記固定側型板との間にエアギャップをさらに有することが好ましい。
また、前記温調水制御装置は、前記温調水の温度を125℃近傍に制御することが好ましい。
また、前記キャビティの製品部分は、有効径が2mm以上20mm以下、厚みが0.5mm以上5mm以下、上面と下面の中心軸のズレ量が10μm以下のレンズを成形するように形成され、前記温調水は、その成形されたレンズの上面断面形状と前記固定側型板のレンズに接する面の断面形状とのズレ量が10μm以下、かつ、成形されたレンズの下面断面形状と前記可動側型板のレンズに接する面の断面形状とのズレ量が10μm以下となるように、前記ホットランナーボディからの熱伝導により前記キャビティの製品部分の温度が変動するのを抑制することもできる。
また、前記キャビティにおける前記溶融樹脂の固化により、前記キャビティの製品部分は有効径が2mm以上20mm以下、厚みが0.5mm以上5mm以下、上面と下面の中心軸のズレ量が10μm以下のレンズを成形し、前記温調水は、前記キャビティにおいて前記溶融樹脂を固化する際に、その成形されるレンズの上面断面形状と前記固定側型板のレンズに接する面の断面形状とのズレ量が10μm以下、かつ、成形されるレンズの下面断面形状と前記可動側型板のレンズに接する面の断面形状とのズレ量が10μm以下になるように、前記ホットランナーボディからの熱伝導により前記キャビティの製品部分の温度が変動するのを抑制することもできる。
一方、製品部分10の上面は、型部材3を上下方向に貫通する固定側製品駒12の下面によって形成され、製品部分10の下面は、型部材7を上下方向に貫通する可動側製品駒13によって形成されている。製品部分10の側面は、型部材3および7の内壁面によって形成されている。なお、固定側製品駒12は、型部材4により上面側から固定されると共に型部材3により下面側および側面側から固定されている。また、可動側製品駒13は、型部材8により下面側から固定されると共に型部材7により下面側および側面側から固定されている。
型部材5の内側で型部材6の下面側には、ホットランナーボディ15の上面と接するマニホールド29が設置されている。マニホールド29は、マニホールド押さえ30を介して型部材6に固定されることで、型部材6の下面との間に一定の空間を有して設置されている。マニホールド29は上面の一部に凸部を有し、マニホールド29の凸部が型部材6の上面から下面に貫通して形成されたノズル挿入口31の内側に挿入されると共にその外周がノズル挿入口31の内壁面と接するように設置されている。マニホールド29内には、マニホールド29の凸部の上面に形成された射出口32からマニホールド29のホットランナーボディ15と接する下面に通じるように貫通孔が形成されている。
なお、溶融樹脂としては、シクロオレフィンポリマー系樹脂等の熱可塑性樹脂が利用できる。
また、固定側型板1と可動側型板2は複数のキャビティを形成することができ、例えば図1においてランナー33は右方向に分岐してキャビティ9と連通すると共に左方向または紙面に垂直な方向などに分岐して各キャビティと連通することができる。
また、同様に、ブッシュ部品24と固定側型板1によりホットランナーボディ15の上端部を支持するブッシュ部品24の支持部近傍に形成される水路25にも、温調水制御装置34により所定温度に制御された温調水が循環されている。これにより、ホットランナーボディ15の熱がブッシュ部品24の支持部を介して固定側型板1に伝わり、キャビティの製品部分の温度が変動するのを抑制することができる。
これにより、ホットランナーボディ15において溶融樹脂を加熱する熱が固定側型板1に伝わり、キャビティ9の製品部分10の温度を変動させるのを抑制することができる。
図3に示した水路22および25に温調水を流さない場合と比較し、図4に示した水路22および25に温調水を流した場合では、各測定部位A〜Eの温度変動が抑制されていることがわかる。また、測定部位AおよびBにおける最少の温度差(型開き前の温度差)も、図3では3℃より大きいのに対し、図4では3℃以内と小さくなっている。
また、本実施形態において、水路22および25は、ホットランナーボディ15の外周を囲んで形成されているが、キャビティ9の製品部分10の温度が変動しないようにホットランナーボディ15の固定側型板1への支持部近傍に形成されていればよく、例えばU字型に形成してもよい。
また、キャビティ9の製品部分10の温度が変動しなければ、ホットランナーボディ15の一方の端部のみに水路22または25を設けるようにしてもよい。
また、キャビティ9の製品部分10の温度が変動しなければ、ホットランナーボディ15の中間部と固定側型板1との間にエアギャップ27を介在させなくてもよい。
また、固定側型板1および可動側型板2のキャビティ9の近傍には、キャビティ9に充填された溶融樹脂を固化するための冷却装置を有してもよい。
Claims (9)
- 溶融樹脂が内部に形成されたランナーを通る固定側型板と、
前記固定側型板に対して開閉自在に可動し、前記固定側型板との間に前記ランナーに連通し且つ外郭部分および製品部分からなるキャビティを形成する可動側型板と、
前記ランナーの一部を形成するように前記固定側型板の内部に設置され、前記溶融樹脂を加熱するホットランナーボディと、
前記固定側型板の内部において前記ホットランナーボディの両端部にそれぞれ配置され、前記固定側型板に対して前記ホットランナーボディを支持するブッシュ部品と、
前記ブッシュ部品と前記固定側型板により形成されて前記ホットランナーボディの前記固定側型板への支持部近傍に設置され、前記ホットランナーボディからの熱伝導により前記キャビティの製品部分の温度が変動するのを抑制する温調水を流すための水路と、
前記水路に前記温調水を流すと共に前記温調水の温度を所定温度に制御する温調水制御装置と
を有することを特徴とする射出成形用金型。 - 前記水路は、前記ホットランナーボディの外周を囲んで設置されることを特徴とする請求項1に記載の射出成形用金型。
- 前記ホットランナーボディの中間部と前記固定側型板との間にエアギャップをさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形用金型。
- 前記温調水制御装置は、前記温調水の温度を125℃近傍に制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の射出成形用金型。
- 前記温調水は、前記キャビティの製品部分を形成している前記固定側型板と前記可動側型板との温度差が3℃以内になるように、前記ホットランナーボディからの熱伝導により前記キャビティの製品部分の温度が変動するのを抑制することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の射出成形用金型。
- 前記キャビティの製品部分は、有効径が2mm以上20mm以下、厚みが0.5mm以上5mm以下、上面と下面の中心軸のズレ量が10μm以下のレンズを成形するように形成され、
前記温調水は、その成形されたレンズの上面断面形状と前記固定側型板のレンズに接する面の断面形状とのズレ量が10μm以下、かつ、成形されたレンズの下面断面形状と前記可動側型板のレンズに接する面の断面形状とのズレ量が10μm以下となるように、前記ホットランナーボディからの熱伝導により前記キャビティの製品部分の温度が変動するのを抑制することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の射出成形用金型。 - 固定側型板の内部のランナーに溶融樹脂を通し、
ホットランナーボディで前記ランナーの一部を通る前記溶融樹脂を加熱し、
前記ホットランナーボディを通る前記ランナーから前記固定側型板と可動側型板の間の外郭部分および製品部分からなるキャビティに前記溶融樹脂を充填し、
前記キャビティに充填された前記溶融樹脂を固化すると共に、前記ホットランナーボディの両端部にそれぞれ配置されて前記固定側型板に対して前記ホットランナーボディを支持するブッシュ部品と、前記固定側型板とにより支持部分近傍に形成される水路に、所定温度で流れる温調水を流し、
前記温調水が前記ホットランナーボディからの熱伝導により前記キャビティの製品部分の温度が変動するのを抑制することを特徴とする射出成形方法。 - 前記温調水は、前記キャビティにおいて前記溶融樹脂を固化する際に、前記キャビティの製品部分を形成している前記固定側型板と前記可動側型板との温度差が3℃以内になるように、前記ホットランナーボディからの熱伝導により前記キャビティの製品部分の温度が変動するのを抑制することを特徴とする請求項7に記載の射出成形方法。
- 前記キャビティにおける前記溶融樹脂の固化により、前記キャビティの製品部分は有効径が2mm以上20mm以下、厚みが0.5mm以上5mm以下、上面と下面の中心軸のズレ量が10μm以下のレンズを成形し、
前記温調水は、前記キャビティにおいて前記溶融樹脂を固化する際に、その成形されるレンズの上面断面形状と前記固定側型板のレンズに接する面の断面形状とのズレ量が10μm以下、かつ、成形されるレンズの下面断面形状と前記可動側型板のレンズに接する面の断面形状とのズレ量が10μm以下になるように、前記ホットランナーボディからの熱伝導により前記キャビティの製品部分の温度が変動するのを抑制することを特徴とする請求項7または8に記載の射出成形方法。
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