JP6108862B2 - 合成樹脂製品製造用金型及び合成樹脂製品の製造方法 - Google Patents

合成樹脂製品製造用金型及び合成樹脂製品の製造方法 Download PDF

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本発明は、合成樹脂製品の製造用金型及び合成樹脂製品の製造方法に関する。
従来から、合成樹脂製品の製造において、射出成形等により、溶融した合成樹脂を金型のキャビティに充填し、合成樹脂を冷却させて固化させた後に金型を開き、製品を取り出す方法が用いられている。
このような合成樹脂製品の製造時に、金型のキャビティ内において、溶融樹脂の流れが合流する接合部分のガス抜け不良や、金型による急激な冷却により溶融樹脂が流動性を失うこと等により、接合部分にウェルドラインが発生するという問題点があった。このようなウェルドラインは、曲げや引張等の強度が他の部分に比べて低くなり、又、製品の外見不良ともなっていた。
又、合成樹脂製品にカーボンファイバーやカーボングラファイト等の導電性フィラーを含有させて合成樹脂製品に導電性をもたせることも行われている。そして、製品によっては、これらの導電性フィラーが70〜90質量%、合成樹脂は30〜10質量%の配合からなる合成樹脂組成物を用いて製造されているものもある。しかし、このような導電性フィラーは合成樹脂組成物の流動性を低下させ、更に、導電性フィラーを含有する合成樹脂組成物は熱伝導が良いために金型による冷却速度が速くなり、ウェルドラインの強度低下は顕著であった。
そこで、これらの問題点を解消するために、金型内の流動樹脂が接合する部分に補強部材を設置して溶融した合成樹脂を充填する合成樹脂製品の製造方法が提案されている(特許文献1参照。)。
又、金型を加熱する機構及び冷却する機構を設け、加熱した金型に溶融樹脂を充填し、溶融樹脂の固化を防止して流動性を維持し、キャビティ内の全体に均等に充填した後、金型を冷却して溶融樹脂を固化させて製品を成形する技術が開発されている。
このような技術として、例えばキャビティ空間を形成する第1金型及び第2金型と、第1金型と第2金型を加熱する加熱手段と、第1金型に接触及び離隔可能な第1の冷却部材と、第2金型に接触及び離隔可能な第2の冷却部材と、第1の冷却部材及び第2の冷却部材を冷却する冷却手段と、樹脂組成物をキャビティ空間に射出する射出手段と、第1金型及び第2金型をアクセスする方向に加圧する加圧手段と、を備える成形装置が提案されている(特許文献2参照。)。
特開2012−51201号公報 WO2011/132996
しかし、特許文献1に記載の従来技術では、ウェルドラインが発生することに変わりは無く、ウェルドライン部分の曲げ等の強度は増加したが、引っ張りの強度はそれほど増加しなかった。又、キャビティ内に予め補強部材を設置しなければならず、補強部材の製造工程、補強部材のキャビティ内への設置工程等、製品の製造工程が複雑となるという問題点や、製品の表面に補強部材が露出して不良品となるという問題点があった。
又、特許文献2に記載の従来技術では、金型を加熱し、冷却するために、複雑な金型構造が必要であるという問題点があった。又、キャビティ内の合成樹脂の溶融状態は維持することが出来ても、ウェルド部では、2方向から流れて来た合成樹脂は合流し衝突して固化するので、ウェルドラインの発生を防止することは出来ず、ウェルドライン部分の強度の増加が充分には出来ないという問題点があった。
そこで、本発明は、合成樹脂製品のウェルドラインの発生を確実に抑制して合成樹脂製品の強度を向上させることを目的とする。又、補強部材等の他の部材を用いることなく、簡易な製造工程及び簡易な装置で、合成樹脂製品の合成樹脂が接合する部分の強度を向上させること、更には、強度が向上した合成樹脂製品の製造効率を向上させることを目的とする。又、合成樹脂製品の不良品の発生を抑制することもその目的の1つとする。
上記のような課題を解決するための本発明は、溶融した合成樹脂の2以上の流れが接合するキャビティ内のウェルド部から所定距離離間した金型内の溶融樹脂の流路であって、前記2以上の流れのうちの1の流れが流れる流路に、バルブで開閉自在な材料だまりを設け、前記ウェルド部を加熱する加熱装置を設けたことを特徴とする金型である。
又、上記金型において、前記加熱装置は電磁誘導加熱装置であり、該電磁誘導加熱装置は金型の内部に設置されていることを特徴とする金型である。
又、上記金型において、スプルーから枝分かれした第一ランナと第二ランナが夫々キャビティに接続する構成を備え、前記第一ランナに、前記第一ランナを開閉自在な第一バルブを設置すると共に、前記第一ランナに、当該第一バルブを挟んで前記スプルーの反対側に第二バルブで開閉自在な材料だまりを設けたことを特徴とする金型である。
又、上記金型において、前記キャビティは平面形状が環状であることを特徴とする金型である。
更に、溶融した合成樹脂の2以上の流れがキャビティ内のウェルド部に到達した時、予め加熱された前記ウェルド部で前記溶融した合成樹脂を加熱すると共に、前記ウェルド部から所定距離離間した金型内の溶融樹脂の流路であって、前記2以上の流れのうちの1の流れが流れる流路に設けた、バルブで開閉自在の材料だまりのバルブを開け、前記材料だまりに溶融した合成樹脂を流し込み、前記ウェルド部に存在する合成樹脂を前記材料だまり方向に移動させることを特徴とする合成樹脂製品の製造方法である。
又、上記合成樹脂製品の製造方法において、前記ウェルド部に存在する合成樹脂を前記材料だまり方向に移動させる時、前記ウェルド部の加熱を停止することを特徴とする合成樹脂製品の製造方法である。
又、上記合成樹脂製品の製造方法において、スプルーから枝分かれした第一ランナと第二ランナが夫々キャビティに接続し、前記第一ランナに、前記第一ランナを開閉自在な第一バルブが設置されると共に、前記第一ランナに、当該第一バルブを挟んで前記スプルーの反対側に第二バルブで開閉自在の材料だまりが設けられた金型を用い、キャビティ内で溶融した合成樹脂の2以上の流れがウェルド部に到達した時、前記第一バルブを閉める一方、前記第二バルブを開けることを特徴とする合成樹脂製品の製造方法である。
更に、上記合成樹脂製品の製造方法を用いて製造した合成樹脂製品である。
以上のような本発明によれば、合成樹脂製品のウェルドラインの発生を抑制することが出来、合成樹脂製品の強度を向上させることが可能となった。
又、簡易な製造工程で、合成樹脂製品の合成樹脂が接合する部分の強度を向上させることが出来た。しかも、合成樹脂製品の製造サイクルを速くすることが出来、製造効率を向上させることが出来た。更に、合成樹脂製品の不良品の発生を抑制することが出来た。
本発明金型第一実施例平面図 本発明金型第一実施例側面図 本発明金型第一実施例側面図 本発明金型第一実施例での金型内の溶融した合成樹脂の流れを示す平面図 本発明金型第一実施例での金型内の溶融した合成樹脂の流れを示す平面図 ウェルド部の溶融した合成樹脂の流れを示す図 本発明金型第二実施例での溶融した合成樹脂の流れを示す平面図 本発明金型第二実施例での溶融した合成樹脂の流れを示す平面図 本発明金型第三実施例側面図 本発明金型第三実施例平面図
以下本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1〜図3に示すように、金型1は固定型2と可動型3を備えて構成され、公知の金型同様に、固定型2は固定側型板21、固定側取付板22等を備え、可動型3は可動側型板31、可動側取付板32、スペーサーブロック33、エジェクタプレート上34、エジェクタプレート下35等を備えて構成されている。
尚、図示する実施の形態及び以下の説明では、全部位の縦断面形状が四角形であって、平面形状が環状の合成樹脂製品を製造するため、キャビティ10の全部位の縦断面形状が四角形であって、平面形状が環状の金型で説明する。そして、このような形状の合成樹脂製品として、半導体ウエハーを支持するエラストマーフィルムを挟持して、半導体ウエハーを保持するためのグリップリングを挙げることが出来る。尚、本発明の金型1を用いた本発明の合成樹脂製品の製造方法で製造する本発明の合成樹脂製品の原料樹脂は特に限定されず、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の何れでもよく、カーボンファイバーやガラス繊維等の充填材を含んだものでも含まないものでもよく、一例としてはPPS、LCP、ポリアミド等が挙げられる。
固定型2と可動型3は対向して設けられ、可動型3は固定型2に対して接近して接触可能とすると共に、離間可能なように移動自在に設置されている。又、可動型3の可動側型板31には、キャビティ10を形成する環状の凹部11が形成され、凹部11に対向する固定型2の固定側型板21の対応箇所は平坦に形成されている。
尚、固定側型板21にも、平面視で凹部11と同一形状の凹部を形成して、可動側型板31の凹部11と固定側型板21の凹部でキャビティ10を形成する構成としてもよい。更に、可動型3にはキャビティ10を形成する凹部を設けずに、固定型2にのみキャビティ10を形成する凹部を設けた構成としてもよい。
固定型2には、固定側型板21、固定側取付板22を夫々を貫通する同軸の孔が形成され、該孔にスプルーブッシュ29が形成されてスプルー40が設けられ、スプルー40から枝分かれして第一ランナ41と第二ランナ42が形成されている。第一ランナ41は第一ゲート48と連通し、第二ランナ42は第二ゲート49と連通して、夫々キャビティ10と連通している。
そして、キャビティ10の第一ゲート48と第二ゲート49間には、キャビティ10内で溶融した合成樹脂の2以上の流れが合流し、接合する部分、箇所であるウェルド部12がある。尚、本発明の金型は、キャビティの形状、ランナの設置数及びキャビティへの接続位置、ゲートの形状は特に限定されないので、ウェルド部12の数やキャビティ内での位置は、金型1の構成により変化し、キャビティの形状、ランナの設置数及びキャビティへの接続位置、ゲートの形状等により決定される。本実施の形態では、キャビティ10は全部位の縦断面形状も四角形であって、スプルー40を中心点として平面形状が環状であり、ランナの設置数は2本であり、第一ゲート48と第二ゲート49は環状のキャビティ10の直径上に位置しているので、ウェルド部12は、キャビティ10の第一ゲート48と第二ゲート49の中間部に2箇所生じる構成である。
第一ランナ41には、第一ランナ41を開閉自在な第一バルブ51を設置している。第一バルブ51は、開状態により、第一ランナ41内において、スプルー40からキャビティ10方向への溶融した合成樹脂の流れを許す。一方、第一バルブ51は、閉状態により、第一ランナ41内においてスプルー40からキャビティ10方向への溶融した合成樹脂の流れを停止させると共に、キャビティ10内で、第一ゲート48からウェルド部12方向への溶融した合成樹脂の流れを停止させる。
又、第一ランナ41には、第一バルブ51を挟んでスプルー40の反対側に第二バルブ52で開閉自在の材料だまり6を設けている。第二バルブ52は、閉状態により、第一ランナ41内のスプルー40からキャビティ10方向への溶融した合成樹脂の流れを妨げない。一方、第二バルブ52は、第一バルブ51の閉状態において、開状態により、キャビティ10及び第一ランナ41から材料だまり6方向への溶融した合成樹脂の流れを許す。第一バルブ51及び第二バルブ52はカットバルブ等公知のバルブを使用することが出来、又、圧力センサやタイマー等を用いて、キャビティ内の圧力、合成樹脂の充填時間等の各種時間等により制御することが出来る。
本発明の金型1は、溶融した合成樹脂の2以上の流れが接合するキャビティ内のウェルド部から所定距離離間した金型内の溶融樹脂の流路であって、前記2以上の流れのうちの1の流れが流れる流路に、バルブで開閉自在の材料だまりを設けた金型であるが、ここで、ウェルド部から所定距離離間した金型内の溶融樹脂の流路であって、前記2以上の流れのうちの1の流れが流れる流路には、ランナ、ゲート及びキャビティ自体を含む一方、スプルーは含まれない。そして、本実施形態においては、当該流路は、第一ランナ41であり、当該バルブは第二バルブ52で構成している。又、流路にバルブで開閉自在の材料だまり6を設ける場合、バルブと流路及びバルブと材料だまりは直接的に接続してもよいが、バルブと流路間、バルブと材料だまり間には別個の流路を設置して間接的に接続することとしてもよい。
一方、可動型3には、可動側型板31を貫通してエジェクタプレート上34及びエジェクタプレート下35と連結したエジェクタピンが設けられている。尚、金型1は、ここで説明する本願特有の構成以外は、公知の金型と同様のその他の構成要素を備えて形成されているが、それらその他の構成については説明を省略する。
又、金型1の内部、具体的には、可動型3の可動側型板31の内部には、ウェルド部12を加熱するための加熱装置としての電磁誘導加熱装置7が設置されている。電磁誘導加熱装置7は、金属製のコア71に銅線等の線状の導体72をコイル状に巻きつけて構成する公知の装置を用いることが出来、該導体72に接続された図示しない電源から電流を流してコア71を発熱させて、ウェルド部12を加熱する。
電磁誘導加熱装置7は、可動側型板31の底面310から設けた収納凹部317に収納し、図示しない楔を電磁誘導加熱装置7と収納凹部317の内壁面との間に挿入することにより可動側型板31に固定して設置している。尚、電磁誘導加熱装置7は、収納凹部317の側面に設けた雌ネジが形成されたネジ孔にボルトを挿入し、ボルトの頭部で電磁誘導加熱装置7を支持して設置し、或いはボルトに替えて平行ピン等の棒状体等を用いて設置してもよい。
電磁誘導加熱装置7の形状は特に限定されないが、ウェルド部12を効率的に加熱するために、ウェルド部12を囲んで位置させることが好ましく、そのために、電磁誘導加熱装置7の形状をコの字型、Uの字型又はくの字型等に形成することが好ましい。又、電磁誘導加熱装置7は1個のコアを用いて構成するほか、複数のコアを用いて分割された構成としてもよい。
電磁誘導加熱装置7により可動側型板31、即ちウェルド部12の一部が直接加熱され、加熱された可動側型板31がウェルド部12に位置するキャビティ10内で溶融した合成樹脂を加熱する。金型1が型締めされた時には、可動側型板31は固定側型板21、即ちウェルド部12の一部を加熱する。そして、加熱された固定側型板21も、ウェルド部12に位置するキャビティ10内で溶融した合成樹脂を加熱する。
尚、ウェルド部12を加熱するための加熱装置としては、可動側型板31に設けた貫通孔に水、油、水蒸気等の熱媒を供給する構成や、電熱ヒーター等の公知の各種ヒータを設置して構成することも出来るが、電磁誘導加熱装置7を金型1内に設置することが好ましい。このような構成とすることで、可動側型板更には固定側型板の全体を加熱することなく、ウェルド部12という一部分のみを加熱する等からも、金型の冷却速度を速めることが出来、合成樹脂製品の製造サイクルを速くすることが出来、製造効率を向上させることが出来る。又、装置の大型化や高額化を回避出来ることや、金型の設計に汎用性を持たせることが出来ること等の利点もある。
尚、電磁誘導加熱装置7は、可動型3ではなく、固定型2に設ける構成としてもよく、固定型2及び可動型3の双方に設けることとしてもよい。
又、可動側型板31には、電磁誘導加熱装置7及び可動側型板31を冷却するための冷却機構を設けることとしてもよい。冷却機構としては、可動側型板31に設けた貫通孔で構成される、冷水を流すための冷却水路を採用することが出来る。冷却水路には水管が接続されると共に、該水管を介して公知の冷却装置、電磁弁、ポンプ等が接続されて、冷却水路に冷却された水を循環させて、電磁誘導加熱装置7及び可動側型板31を冷却する。又、固定側型板21にも、電磁誘導加熱装置7の設置の有無に関らず、固定側型板21を冷却するための冷却機構を設けることとしてもよい。
次に、本発明の金型の作動及び作用並びに本発明の合成樹脂製品の製造方法を、金型1を用いて公知の射出成形機により合成樹脂製品を製造する工程により説明する。尚、金型1の開閉を行う締結装置、加熱手段等を制御する制御装置等は公知の構成、作用なので説明は省略する。
溶融した合成樹脂の充填に先立って、金型1外部の図示しない電源を作動させて、電磁誘導加熱装置7の導体72に通電し、コア71を発熱させて、ウェルド部12周辺の可動側型板31及び固定側型板21を加熱し、予めウェルド部12を加熱する。尚、電磁誘導加熱装置7の金型1への加熱温度は、充填する合成樹脂の種類により決定され、充填する合成樹脂のガラス転移点或いは融点以上に加熱してもよいが、そこまで高くなくとも流動性を保持できる温度であればよい。電磁誘導加熱装置7への通電と同時に或いはその後、例えばコア71の発熱後、型締めを行う。
型締め後、第一バルブ51を開状態にする一方、第二バルブ52を閉状態にして、キャビティ10に溶融した合成樹脂を充填する。詳しくは、図4に示すように、溶融した合成樹脂は、スプルー40から第一ランナ41に流れ(矢印A1)、第一ランナ41からゲート48を通ってキャビティ10内に流入し(矢印B1)、キャビティ10内をウェルド部12方向へ流れる(矢印C1)。と同時に、スプルー40から第二ランナ42に流れ(矢印A2)、第二ランナ42からゲート49を通ってキャビティ10内に流入し(矢印B2)、キャビティ10内をウェルド部12方向へ流れる(矢印C2)。
そして、第一ランナ41からの溶融した合成樹脂の流れと、第二ランナ42からの溶融した合成樹脂の流れは、ウェルド部12で合流し、衝突し(矢印D1、D2)、第一ランナ41からの溶融した合成樹脂と、第二ランナ42からの溶融した合成樹脂は接合する。
このウェルド部12は電磁誘導加熱装置7で、充填する合成樹脂の流動性を保持できる温度に予め加熱されているので、充填されてウェルド部12へ到達した溶融した合成樹脂は固化が始まらず、流動性を保つ。
このようにして、キャビティ10内で溶融した合成樹脂の2つの流れがウェルド部12で接合する時に、スプルー40からの溶融した合成樹脂の注入を持続させつつ、第一バルブ51を閉める一方、第二バルブ52を開ける。尚、第一バルブ51を閉める一方、第二バルブ52を開けるタイミングは、溶融した合成樹脂の2つの流れがウェルド部12に到達した時であれば、溶融した合成樹脂の2つの流れが接合する時ではなく、接合の前後としてもよい。
すると、図5に示すように、第一ランナ41において、第一バルブ51が溶融した合成樹脂の流れを遮断し、第一バルブ51から先、キャビティ10方向へは溶融した合成樹脂の流れを止める。一方、第二ランナ42からのキャビティ10への合成樹脂の流入は行われている(矢印E2)ので、ウェルド部12では、第二ランナ42から充填された合成樹脂の流れ(矢印F2)に押されて、第一ランナ41から充填された合成樹脂は第一ランナ41方向へ押される。
この時、第二バルブ52が開いているので、第一ランナ41から充填されたキャビティ10内の合成樹脂は第一ランナ41方向へ移動し(矢印G1)、第一ランナ41内に押戻され(矢印H1)、第一ランナ41から第二バルブ52方向へ流れ(矢印I1)、材料だまり6内に流入する(矢印J1)。
ウェルド部12で第一ランナ41から充填された合成樹脂の流動の方向が変わる時に、電磁誘導加熱装置7の導体72への通電を停止し、コア71の発熱を止めさせて、ウェルド部12の加熱を停止し、ウェルド部12周辺の可動側型板31及び固定側型板21を充填する合成樹脂のガラス転移点或いは融点以下に冷却する。加熱装置として、電磁誘導加熱装置7を使用しているので、導体72への通電を停止することでウェルド部12その他の加熱された部位の冷却を急速に行うことが出来る。尚、冷却速度をより速めるために、金型に冷却機構を設けて、冷却を行ってもよい。
この際の、ウェルド部12での溶融した合成樹脂の流れは、図6に示すように、第一ランナ41から充填された溶融した合成樹脂の流れ(矢印D1)と第二ランナ42から充填された溶融した合成樹脂の流れ(矢印D2)が合流し、接合し(図6(A))、そして、第二ランナ42から充填された合成樹脂の流れ(矢印F2)に押されて、第一ランナ41から充填された合成樹脂は第一ランナ41方向へ押されて、第一ランナ41方向へ移動する(矢印G1)。
この時、ウェルド部12周辺の金型1への加熱が停止し、金型1が冷却されるので、金型1に近い第一ランナ41から充填された合成樹脂の外側部分91から固化が始まり、金型1から遠い合成樹脂の中心部分のみが移動する。そして、第二ランナ42から充填された溶融した合成樹脂の流れが、第一ランナ41から充填された合成樹脂の中心部分92に入り込む(図6(B))。
更に、第一ランナ41から充填された合成樹脂の固化が進み、金型1から遠いほど多く移動できるので、流動化できる部分、即ち第一ランナ41方向へ移動出来る部分が細くなり、第二ランナ42から充填された溶融した合成樹脂の流れが、第一ランナ41から充填された合成樹脂の中心部分に入り込む部分も細くなりながら入り込み(矢印K2)(図6(C))、第一ランナ41及び第二ランナ42から充填された溶融した合成樹脂は混ざり合う。
このようにして、第一ランナ41及び第二ランナ42から充填された溶融した合成樹脂のウェルド部12での接合部の合成樹脂が冷却固化する前に接合界面100を移動させ、分子同士が絡み合う状態になることで、ウェルドの発生を防止することが可能となっている。
そして、スプルー40からの溶融した合成樹脂の注入を停止し、金型1、少なくともキャビティ10を構成する部分(キャビティ面)がガラス転移点或いは融点以下に冷却され、溶融樹脂を冷却し、固化させる。キャビティ10内の合成樹脂が固化した時に、型開きを行い、図示しない合成樹脂の成形品を取り出す。取り出した後に次のサイクルに入るために型締めを行う。
電磁誘導加熱装置7での加熱を一度停止しているので、成形品の取り出しの後、電磁誘導加熱装置7を再稼動させて、金型を加熱する。尚、キャビティ10内の合成樹脂が固化するまでの間は、少なくともキャビティ10を構成する部分(キャビティ面)がガラス転移点或いは融点以下に冷却されていればよいので、その限度で型開きを行う前に電磁誘導加熱装置7を再稼動させてもよい。このような工程によって、加熱サイクルを早めることが出来る。
又、以上で説明した実施の形態のほか、本発明の金型は、図7及び図8に示すように、キャビティ10は縦断面形状が四角形であって、平面形状が環状とし、ランナ及びゲートの設置数を夫々1とする構成でもよい。この場合、ウェルド部120からゲート480方向へずらした位置にバルブ520で開閉自在の材料だまり60を1個設ける。
本発明の金型は、溶融した合成樹脂の2以上の流れが接合するキャビティ内のウェルド部から所定距離離間した金型内の溶融樹脂の流路であって、前記2以上の流れのうちの1の流れが流れる流路に、バルブで開閉自在の材料だまりを設けた金型であるが、この実施例においては、ウェルド部から所定距離離間した金型内の溶融樹脂の流路であって、前記2以上の流れのうちの1の流れが流れる流路は、キャビティ自体であり、材料だまり60はキャビティ10にバルブ520を介して接続されて構成されている。即ち、材料だまりをキャビティに設けている。
このような構成の場合、図7に示すように、バルブ520を閉状態として、ゲート480からキャビティ10に注入された溶融した合成樹脂は、キャビティ10内で一旦分かれて第一の流れ(矢印Y)と第二の流れ(矢印X)となり別方向へ流れ、ウェルド部120で合流し、接合する。そして、図8に示すように、この接合の際にバルブ520を開けることにより、キャビティ10内の溶融した合成樹脂は、材料だまり60へ流入し(矢印Z)、ウェルド部120では、第一の流れ(矢印Y1)に押されて、第二の流れはバルブ520方向へ押し戻される(矢印X1)。その後のウェルド部120での作用は上述の実施例と同じである。
又、以上の説明では、キャビティは、全部位の縦断面形状が四角形であって、平面形状が環状の金型で説明し、製造する合成樹脂製品も全部位の縦断面形状が四角形であって、平面形状が環状の製品で説明したが、本発明の金型はこのようなキャビティの形状に限定されるものではなく、又、本発明の製造方法で製造される合成樹脂製品はこのような形状に限定されるものではない。
例えば、図9及び図10に示すように、可動型3の可動側型板31には、キャビティ19を形成する平面形状が長尺状の凹部11を形成し、平面形状が長尺状のキャビティ19を備える金型とし、或いはそのような形状の製品を製造する製造方法としてもよい。
このような構成の場合、2個のゲート481、482をキャビティ19の両端部に開口させ、キャビティ19のウェルド部129から一方のゲート482方向へずらした位置に、材料だまり60を1個設ける。そして、キャビティ19と材料だまり60の接続部分には、エアーシリンダー9で制御されるバルブ91で開閉自在のシリンダーゲート99を1個設けている。
本発明の実施形態及び作用等が本明細書で詳細に開示されたが、上記の開示は本発明の例示的な形態であって、本発明を限定するものと解釈されるべきものではない。従って、当業者であれば、上記の実施形態のさまざまな変更を、開示された本発明の範囲及び精神から逸脱せずに行うことができることは明らかである。そのため、かかる変更はすべて本発明の範囲の中に含められるべきものである。又、上記の実施形態、実施例を適宜組み合わせて本発明の金型、合成樹脂製品の製造方法とすることが出来る。
以上のような本発明によれば、合成樹脂製品のウェルドラインの発生を抑制することが出来、合成樹脂製品の強度を向上させることが可能となった。又、簡易な製造工程で、合成樹脂製品の合成樹脂が接合する部分の強度を向上させることが出来た。しかも、合成樹脂製品の製造サイクルを速くすることが出来、製造効率を向上させることが出来た。更に、合成樹脂製品の不良品の発生を抑制することが出来たので、様々な合成樹脂製品の製造に好適に用いることが出来ると共に、様々な合成樹脂製品の需要を喚起することが出来る。
1 金型
10 キャビティ
11 凹部
12 ウェルド部
2 固定型
21 固定側型板
29 スプルーブッシュ
3 可動型
31 可動側型板
40 スプルー
41 第一ランナ
42 第二ランナ
51 第一バルブ
52 第二バルブ
6 材料だまり
7 電磁誘導加熱装置
71 コア
72 導体

Claims (5)

  1. スプルーから枝分かれした第一ランナと第二ランナが夫々キャビティに接続する構成を備え、溶融した合成樹脂の2以上の流れが接合するキャビティ内のウェルド部から所定距離離間した金型内の溶融樹脂の流路であって、前記2以上の流れのうちの1の流れが流れる流路である前記第一ランナに、前記第一ランナを開閉自在な第一バルブを設置すると共に、前記第一ランナに、当該第一バルブを挟んで前記スプルーの反対側に第二バルブで開閉自在な材料だまりを設け、前記ウェルド部を加熱する加熱装置を設けたことを特徴とする金型。
  2. 前記加熱装置は電磁誘導加熱装置であり、該電磁誘導加熱装置は金型の内部に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の金型。
  3. 前記キャビティは平面形状が環状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金型。
  4. スプルーから枝分かれした第一ランナと第二ランナが夫々キャビティに接続し、前記第一ランナに、前記第一ランナを開閉自在な第一バルブが設置されると共に、前記第一ランナに、当該第一バルブを挟んで前記スプルーの反対側に第二バルブで開閉自在の材料だまりが設けられた金型を用い、溶融した合成樹脂の2以上の流れがキャビティ内のウェルド部に到達した時、予め加熱された前記ウェルド部で前記溶融した合成樹脂を加熱すると共に、前記第一バルブを閉める一方、前記ウェルド部から所定距離離間した金型内の溶融樹脂の流路であって、前記2以上の流れのうちの1の流れが流れる流路である前記第一ランナに設けた、前記第二バルブで開閉自在の材料だまりの前記第二バルブを開け、前記材料だまりに溶融した合成樹脂を流し込み、前記ウェルド部に存在する合成樹脂を前記材料だまり方向に移動させることを特徴とする合成樹脂製品の製造方法。
  5. 前記ウェルド部に存在する合成樹脂を前記材料だまり方向に移動させる時、前記ウェルド部の加熱を停止することを特徴とする請求項4に記載の合成樹脂製品の製造方法。
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