JP2002355869A - レンズの多数個取り射出圧縮成形方法 - Google Patents

レンズの多数個取り射出圧縮成形方法

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JP2002355869A
JP2002355869A JP2001163797A JP2001163797A JP2002355869A JP 2002355869 A JP2002355869 A JP 2002355869A JP 2001163797 A JP2001163797 A JP 2001163797A JP 2001163797 A JP2001163797 A JP 2001163797A JP 2002355869 A JP2002355869 A JP 2002355869A
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cavity
cavities
resin
injection compression
compression molding
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Application number
JP2001163797A
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English (en)
Inventor
Rei Miyamoto
玲 宮本
Masahiko Yamaki
政彦 山喜
Kenji Kuwahata
研二 桑畑
Hideto Ogasawara
英人 小笠原
Mitsuharu Mikawa
満晴 三河
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】レンズの多数個取りが迅速に効率よく行われ、
装置の構成も簡易なものですむ射出圧縮成形方法を提供
する。 【解決手段】複数のキャビティを設けた型を閉じ、各キ
ャビティの可動側コアに予め所定の圧力をかけ、それら
をパーティングライン側へ前進させ、各キャビティごと
に設けられたホットランナーを通じて溶融樹脂を各キャ
ビティ内に充填し、各キャビティにおける可動側コアの
位置を個別に検出しつつ、樹脂の充填に従い、上記圧力
に応じて可動側コアを後退せしめ、可動側コアがそれぞ
れ各キャビティごとに定められた位置に達したときに、
それぞれに対応するゲートを完全に閉じ、可動側コアの
先端をそれぞれに対応するキャビティ内に進出させ、キ
ャビティ内の圧力を所定値まで高める操作をキャビティ
毎に独立して行い、一定の冷却時間経過後に成形品を取
り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズの射出圧縮
成形方法、特に、レンズを一時に複数個成形する多数個
取り射出圧縮成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック成形方法の一つである射出
成形では、成形機で溶融混練した高温の樹脂を金型のキ
ャビティに射出、圧縮し、金型内で冷却固化させること
により、プラスチックを所定の形状に賦形する。射出成
形において、生産性を向上させるために、一度に複数の
キャビティに樹脂を注入し、複数個の成形品を作る多数
個取りは一般的に行われている。このような多数個取り
において、各キャビティに樹脂を充填する過程を、未充
填品で観察したり、可視化した金型で観察すると、各キ
ャビティの充填時間にばらつきがあり、成形の際の速度
が異なるため、不均一充填となっていることが判明す
る。
【0003】レンズ成形品に関して、各キャビティでの成形
速度のばらつきを低減する方法は既にいくつか提案され
ており、その具体例として、特開昭61−125824号公報に
記載のものが挙げられる。この方法は、レンズ成形品の
多数個取り金型において、樹脂を充填後、各キャビティ
で個別にコアを制御し、加圧するようにしている。しか
し、この方法では、キャビティごとの充填量のばらつき
がある場合、その影響を無くすことはできない。
【0004】もう一つの具体例として、特開昭61−211012号
公報に記載のものが挙げられる。この方法は、金型内に
圧力センサーを設けておき、その検出値が所定の値にな
ったらゲートを封止することにより、樹脂量のばらつき
を調整し、その後コアで圧縮するようにしている。この
方法では、金型内に圧力センサーを設けて圧力を検出し
ているが、金型内の圧力は、金型内部やその他の部品の
汚染等によって経時的に変化することが多く、そのた
め、樹脂の充填状態の判別手段として必ずしも好適でな
い場合がある。また、従来の方法では、金型温度が樹脂
軟化温度より10K以上低い温度で成形されており、高温
の材料がキャビティ内に充填された直後に急速に冷却さ
れるため、成形品の転写が不十分になったり、表面に欠
陥を生じたりするといった問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するためになされたものであり、その目的は、
従来のレンズ成形品の多数個取り成形の欠点を解消する
射出圧縮成形方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、一つの金
型に複数のキャビティを設けた射出圧縮成形装置によ
る、レンズの多数個取り射出圧縮成形方法において、型
を閉じた後、各キャビティの可動側コアに予め所定の圧
力をかけ、それらをパーティングライン側へ前進させる
ステップと、各キャビティごとに設けられたホットラン
ナーを通じて溶融樹脂を各キャビティ内に充填する操作
を開始するステップと、各キャビティにおける可動側コ
アの位置を個別に検出しつつ、樹脂の充填に従い、上記
圧力に応じて可動側コアを後退せしめるステップと、可
動側コアがそれぞれ各キャビティごとに定められた位置
に達したときに、それぞれ対応するゲートを完全に閉じ
るステップと、ゲートが閉じた後に可動側コアの先端を
それぞれ対応するキャビティ内に進出させ、キャビティ
内の圧力を所定値まで高める操作を、キャビティごとに
独立に行うステップと、一定の冷却時間経過後に、成形
品を取り出すステップと、を順次行うことを特徴とする
上記のレンズの多数個取り射出圧縮成形方法によって達
成される。
【0007】また、上記の目的は、一つの金型に複数のキャ
ビティを設けた射出圧縮成形装置による、レンズの多数
個取り射出圧縮成形方法において、型を閉じた後、各キ
ャビティ内へ規定より多量の樹脂が充填される位置に可
動側コアをセットするステップと、キャビティ内に、各
キャビティごとに設けられたホットランナーを通じて溶
融樹脂を充填するステップと、各キャビティ内に規定量
より多量の樹脂を充填した後、各可動側コアをキャビテ
ィ内に進出させ、キャビティ内の樹脂の一部をゲートを
通じて逆流させると共に、そのときの各可動側コアの位
置を個別に検出するステップと、可動側コアがそれぞれ
各キャビティごとに定められた位置に達したときに、そ
れぞれ対応するゲートを完全に閉じるステップと、各キ
ャビティごとに可動側コアの先端をそれぞれ対応するキ
ャビティ内に更に進出させ、各キャビティ内の圧力をそ
れぞれ所定値まで高めるステップと、一定の冷却時間経
過後に成形品を取り出すステップと、を順次行うことを
特徴とする上記のレンズの多数個取り射出圧縮成形方法
によって達成される。
【0008】このとき、ホットランナーとしてバルブゲート
型のものを用い、そのバルブによりゲートの開閉を行う
ようにすることが推奨される。更にまた、上記の方法に
より射出圧縮成形を行う場合、キャビティに樹脂を充填
する前に、金型のキャビティ表面温度を樹脂軟化温度+
100K以下、樹脂軟化温度−20K以上に昇温させ、キャビ
ティに樹脂を充填した後に、金型のキャビティ表面の温
度を樹脂軟化温度−20K以下に冷却するようにすること
が推奨される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、本発明を具
体的に説明する。図1は本発明に係るレンズの多数個取
り射出圧縮成形方法を実施するために用いられる射出圧
縮成形装置の第一実施例の要部であって、射出圧縮成形
の第一段階の状態を示す概略断面図、図2は図1に示した
実施例の射出圧縮成形の第二段階の状態を示す概略断面
図、図3は図1に示した実施例の射出圧縮成形の第三段階
を示す概略断面図、図4は本発明で用いるバルブゲート
型ホットランナーの第一実施例を示す断面図、図5は本
発明で用いるバルブゲートの第二実施例を示す断面図で
ある。
【0010】また、図6は本発明に係るレンズの多数個取り
射出圧縮成形方法による射出圧縮成形の状態を段階的に
示す第一実施例の説明図、図7は本発明に係るレンズの
多数個取り射出圧縮成形方法による射出圧縮成形の状態
を段階的に示す第二実施例の説明図、図8は本発明に係
るレンズの多数個取り射出圧縮成形方法による射出成形
の構成を示す第三実施例の説明図、図9は本発明におけ
る各金型のキャビティ内の圧力変化を示すグラフ、図10
は従来技術における各キャビティ内の圧力変化を示すグ
ラフである。
【0011】まず、図1ないし図3について説明する。図1な
いし図3に示す実施例において、1は可動側金型、1a、1b
はレンズ形状のキャビティ、1Pは可動側取付板、2は固
定側金型、3a、3bは分流路、3Pは固定側取付板、4は射
出ノズル、5A、5Bはキャビティ1a、1bに対してそれぞれ
設けた可動側コア、6A、6Bは可動側コアの後端に設けた
位置センサー、7は金型装置全体の動作を制御する装
置、10A、10Bはキャビティ1a、1bに対してそれぞれ設け
たバルブゲート型ホットランナー(その具体的な二つの
例を図4及び図5に示す。)である。
【0012】図1ないし図3に示した射出圧縮成形装置の特徴
は、 (1)固定側金型2に設けた分流路3a、3bとホットランナ
ー10A、10Bを通じて、キャビティ1a、1bに同時に溶融樹
脂を充填するようにしたこと。 (2)各キャビティ1a、1b内に充填された溶融樹脂をそ
れぞれ独立に加圧するため、可動側金型1にそれぞれ独
立に制御できる可動側コア5A、5Bを設けたこと。 (3)各キャビティ1a、1b内への溶融樹脂の充填状況を
個別に検出するため、可動側コア5A、5Bの後端に、各可
動コア5A、5Bの位置を検知し得る位置センサー6A、6Bを
設けたこと。 (4)各キャビティへ溶融樹脂を注入する際、樹脂が固
化することなく分流するように、流れる樹脂の温度を制
御し得る加熱手段を備えると共に、ゲートを完全に塞ぐ
ことのできるニードル弁13A、13Bを備えたバルブゲート
型ホットランナー10A、10Bを用いたこと。 (5)位置センサー6A、6Bにより各可動側コア5A、5Bの
位置をそれぞれ独立に検出し、可動側コアが所定の位置
に達した段階で、そのキャビティのバルブゲート型ホッ
トランナー10A、10Bのゲート8A、8Bをニードル弁により
独立に閉じて溶融樹脂の流れを堰きとめ、さらに可動側
コア5A及び5Bをそれぞれ独立に押圧することにより、キ
ャビティ内の樹脂を均一に加圧するという一連の操作を
自動的に行う制御装置7を設けたこと。などである。
【0013】なお、本発明で用いるバルブゲート型ホットラ
ンナーとは、ノズル自体に、溶融樹脂の温度低下を防止
するためのヒーターを設けると共に、ノズルゲートを開
閉し得るニードル弁を備えたランナーを指すものであ
り、その第一実施例を図4を参照しつつ説明する。同図
に示すバルブゲート型ホットランナー10A(10B)は、ホッ
トノズル11、ヒーター12、ニードル弁13、アクチュエー
ター14、リミットバー15などから構成されている。アク
チュエーター14は、ピストン14a、シリンダー室14b、ピ
ストンロッド14c等からなる。
【0014】溶融樹脂は、ホットノズル11の入口11aから導
入され、内孔11bを通過して、先端のゲート11cからキャ
ビティ内へ注入、充填される。この樹脂充填期間中は、
ニードル弁13の先端は、図4に示すようにホットノズル1
1内の位置aに止まっているため、ゲート11cは開口状態
にあり、溶融樹脂は容易にキャビティ内へ流入できる。
【0015】このようにして、溶融樹脂がキャビティ内に所
要の充填状態を満たすよう充填された後、アクチュエー
ター14を作動させて、ニードル弁13の先端をホットノズ
ル11の先端近傍の位置bまで前進させることにより、ゲ
ート11cを完全に閉鎖する。なお、型が閉じている期間
中は、ニードル弁13の先端が位置bを越えて前進しない
ように、図示した実施例においては、ピストンロッド14
cの上端に取り付けたリミットバー15が、図では省略し
たストッパーに阻止されて、ニードル弁13がそれ以上は
前進(下降)しないようになっている。
【0016】また、図5には、バルブゲート型ホットランナ
ーの第二実施例が示されている。この実施例では、ゲー
ト開閉部がキャビティに近接しておらず、ゲート開閉部
とキャビティの間に少なくとも1ショット分の溶融樹脂
を加熱状態に保って溜め得るようになっている。このよ
うな形態のバルブゲート型ホットランナーであると、ゲ
ート開閉部がキャビティから離れており、内孔11bに溜
めておいた1ショット分以上の溶融樹脂がキャビティ内
に注入、充填されるので、ニードル弁13による溶融樹脂
の合流の影響を受けることなく、レンズの特性を損ねる
ことなく成形できる。
【0017】図1ないし図3に示した射出圧縮成形装置を用い
て本発明に係る射出圧縮成形方法を実施する場合、ま
ず、キャビティ1a、1bの表面温度を図示しない加熱冷却
装置により樹脂軟化温度+100K以下、樹脂軟化温度−20
K以上に昇温させた後、射出成形機において溶融可塑化
した樹脂を、射出ノズル4から固定側金型2内に形成した
分流路3a、3bを通じて各バルブゲート型ホットランナー
10A、10Bへ分流させ、各ランナーの先端のゲート8A、8B
を通じてキャビティ1a、1b内へ充填する(図1参照)。
【0018】このとき射出前の段階で、可動側コア5A、5Bに
予め所定の圧力P1をかけて可動側コア5A、5Bをパーティ
ングライン側に前進させておいた状態で、樹脂の充填を
開始する。キャビティ1a、1bに次第に樹脂が充填され、
キャビティ内圧力が上昇し上記P1以上になると、その圧
力によって可動側コア5A、5Bが次第に後退する。各キャ
ビティ1a、1bへ溶融樹脂が充分に充填されたか否かを判
別するため、各可動側コア5A、5Bの位置を、それぞれの
キャビティについて設けた可動側コア5A、5Bの後端に設
けた位置センサー6A、6Bによって検出し、その出力を制
御装置7にもたらすようにする。
【0019】キャビティ1a及び1bに樹脂が充填され、圧力が
上昇し、可動側コア5A、5Bが後退して、これらのコアの
うち、可動コア5Aが最初に所定位置まで後退したとする
と、制御装置7からキャビティ1aのバルブゲート型ホッ
トランナー10Aの駆動装置へ信号を送り、図2に示すよう
に、そのニードル弁13Aをゲート側へ移動させてゲート
を完全に閉鎖する。次に、キャビティ1a内の溶融樹脂を
圧縮することによりキャビティ1a内の圧力分布を均一に
すると同時に、キャビティ1a内の樹脂圧力が所定値に達
するよう、可動側コア5Aを所定位置まで前進させる。
【0020】次いで、可動側コア5Bが所定位置まで後退する
と、前記と同様に制御装置7からキャビティ1bのバルブ
ゲート型ホットランナー10Bの駆動装置へ信号を送り、
図3に示すように、そのニードル弁13Bをゲート側へ移動
させてゲートを完全に閉鎖すると共に、可動側コア5Bを
キャビティ1b内へ向けて前進させ、キャビティ1b内の溶
融樹脂を圧縮することにより、キャビティ1b内の圧力分
布を均一にすると同時に、キャビティ1b内の樹脂圧力が
所定値に達するようにする。次に、キャビティ1a、1bの
表面温度を加熱冷却装置(図示せず)により樹脂軟化温
度−20K以下に冷却する。
【0021】本発明において、これらの操作を、各キャビテ
ィ1a、1bごとに独立して行うため、キャビティ1aとキャ
ビティ1bの間で生じる圧力の変化を同じ形とすることが
できる。即ち、図10には、キャビティ1aと1bの圧力の変
化が示してあり、このグラフに示すように、本発明によ
るときは、両キャビティの最高圧力とその保持時間を同
一にすることができる。このような一定時間の樹脂の加
圧と、金型による樹脂の冷却により、樹脂が固化し、形
状その他の特性にバラツキのない高精度のレンズを得る
ことができる。
【0022】これに対して、従来技術ではキャビティ1a及び
1bを同時に圧縮するため、図11に示すように、キャビテ
ィ1bの圧力はキャビティ1aの最高圧力に達することなく
圧力低下し、そのため、成形後の収縮率がキャビティ1a
により成形されるレンズより大きく、その結果、最終製
品に寸法バラツキが生じる。なお、図示した実施例は、
2個取りであるが、キャビティの数と、これに対応する
バルブゲート型ホットランナー及び可動側コアの数を増
やすことにより、さらに取り数を増やすことができる。
また、成形されるレンズの形状は、上記の実施例に限定
されず、凹レンズであってもよく、また、所要の屈折率
を得られればどのようなものであってもよい。
【0023】図6及び図7を参照しつつ、各キャビティに対す
る溶融樹脂の充填操作を、より詳細に説明する。なお、
図6及び図7では、1つのキャビティに対する樹脂の充填
操作を段階的に示してあるが、複数のキャビティについ
てそれぞれ個別、独立に同様の操作を行うことは、前記
実施例と同様である。まず、図6に示す実施例について
説明する。図中、1は可動側金型、1aはキャビティ、2は
固定側金型、PLはパーティングライン、5Aは可動側コ
ア、10Aはバルブゲート型ホットランナー、13Aはニード
ル弁である。
【0024】射出前の段階で、キャビティ1aの表面温度を樹
脂軟化温度+100K以上、−20K以下に昇温し、図6(a)
に示すように、可動側コア5Aに予め所定の圧力P1をかけ
可動側コア5AをパーティングラインPL側へ前進させてお
いた状態で、バルブゲート型ホットランナー10Aからキ
ャビティ1a内へ樹脂の充填を開始する。キャビティ1a内
に次第に樹脂が充填され、キャビティ内圧力が上記圧力
P1以上になると、その圧力によって可動側コア5Aが図7
(b)に示すように次第に後退する。
【0025】可動側コア5Aが後退を続け、その先端5A−1が
図6(c)に示すように予め定めた所定の位置Cに達した
とき(即ち、キャビティ内にレンズの成形に必要な所定
量の樹脂が充填されたとき)、これを検出し、バルブゲ
ート型ホットランナー10Aのニードル弁13Aを作動させて
ランナーゲートを閉じる。可動側コア5Aの先端5A−1が
キャビティ内において上記所定位置Cに達したことを検
出するには、例えばキャビティ外の所望の位置C'でセン
サー6Cにより可動側コア5Aの後端を検出したり、可動側
コア5Aの駆動装置内の所望箇所で検出し、それらから可
動側コアの先端位置を求めることが可能である。そのよ
うな位置検出センサーとしては、エンコーダー、リミッ
トスイッチなど、任意の公知の手段を利用できる。
【0026】ゲートを閉じた後、圧縮成形を行うべく、図6
(d)に示すように可動側コア5Aに圧力P2をかけ、キャ
ビティ内の樹脂圧を高めた状態で、キャビティ1a内の表
面温度を樹脂軟化温度−20K以下に冷却し、樹脂を冷
却、固化させる。以上の操作を、各キャビティごとに単
独に行い、すべてのキャビティ内の樹脂が固化した時点
で、型を開いてレンズを取り出す。
【0027】次に、図7に示す実施例について説明する。キ
ャビティ1aに表面温度を樹脂軟化温度+100K以下、樹脂
軟化温度−20K以上に昇温させた後、図7(a)に示すよ
うに、あらかじめ可動側コア5Aを成形に必要な樹脂量に
対応する規定位置Cよりも後の位置Dまで後退させてお
く。この状態で樹脂を充填することにより、図7(b)に
示すように、キャビティ内へ成形品に必要な規定量より
多量の樹脂が充填される。次いで、図7(c)に示すよう
に、ゲートは開いたままの状態で、ホットランナーから
の注入圧よりも高いP3を可動側コア5Aに加えて可動側コ
ア5Aをキャビティ1a内へ押し出すことにより、キャビテ
ィ内に充填された樹脂の一部をゲートを通じてホットラ
ンナー側へ逆流させる。
【0028】この逆流操作により、キャビティ内の圧力分布
を均一化することができる。なお、この逆流操作によ
り、キャビティ内に樹脂を過剰充填すると過大な圧力が
発生するので、規定位置Cよりわずかだけ多めに充填し
ておき、可動側コア5Aをキャビティ内に押し戻し、樹脂
を逆流させるようにしても良い。このようにして可動側
コア5Aをキャビティ内に押し戻す過程で、図7(d)に示す
如くキャビティ内の樹脂が規定量に達した時点、即ち、
可動側コアの先端が位置Cに到った時点でこれを検出し
て、ニードル弁13Aを作動させてホットランナーのゲー
トを閉じる。
【0029】ゲートを閉じた後、圧縮成形を行うべく、図7
(e)に示すように可動側コア5Aに圧力P2をかけ、キャ
ビティ内の樹脂圧を高めた状態で、キャビティ1aの表面
温度を樹脂軟化温度−20K以下に冷却し、キャビティ内
の樹脂を冷却、固化させる。以上の操作を各キャビティ
ごとに独立に行い、総てのキャビティ内の樹脂が固化し
た時点で、型を開いてレンズを取り出す。
【0030】次に、図8について説明する。この実施例は、
キャビティ内への樹脂の供給を遮断するために、可動側
コアに沿って、樹脂のゲートに向けて進退制御され、後
退位置にあるときに、ゲートを開放し、前進位置にある
ときに、ゲートを遮断し得るカットピン9を設けた以外
は、上記の実施例と同様のものである。この実施例で
は、図6及び図7に示したニードル弁と同様に、所要のタ
イミングでカットピン9の進退位置を制御してキャビテ
ィを開閉制御するものである。
【0031】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成され、各キ
ャビティ内への樹脂の充填状態を個別に検出してゲート
を個別に閉じ、各キャビティごとに独立に圧縮成形を行
うようにしたものであるから、ランナー部の調整弁の制
御動作による樹脂注入操作の遅れなどもなく、比較的簡
単な装置で、高精度のレンズの多数個取りが迅速に効率
よく行われ得る射出圧縮成形方法を提供できる。なお、
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その目
的の範囲内において上記の説明から当業者が容易に想到
し得る総ての変更実施例を包摂するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレンズの多数個取り射出圧縮成形
方法を実施するために用いられる射出圧縮成形装置の第
一実施例の要部であって、射出圧縮成形の第一段階の状
態を示す概略断面図である。
【図2】図1に示した実施例の射出圧縮成形の第二段階の
状態を示す概略断面図である。
【図3】図1に示した実施例の射出圧縮成形の第三段階を
示す概略断面図である。
【図4】本発明で用いるバルブゲート型ホットランナー
の第一実施例を示す断面図である。
【図5】本発明で用いるバルブゲートの第二実施例を示
す断面図である。
【図6】本発明に係るレンズの多数個取り射出圧縮成形
方法による射出圧縮成形の状態を段階的に示す第一実施
例の説明図である。
【図7】本発明に係るレンズの多数個取り射出圧縮成形
方法による射出圧縮成形の状態を段階的に示す第二実施
例の説明図である。
【図8】本発明に係るレンズの多数個取り射出圧縮成形
方法による射出成形の構成を示す第三実施例の説明図で
ある。
【図9】本発明における各金型のキャビティ内の圧力変
化を示すグラフである。
【図10】従来技術における各キャビティ内の圧力変化を
示すグラフである。
【符号の説明】
1 可動側金型 1a、1b キャビティ 1P 可動側取付板 2 固定側金型 3a、3b 分流路 3P 固定側取付板 4 射出ノズル 5A、5B 可動側コア 6A、6B 位置センサー 6C 位置検出センサー 7 制御装置 8A、8B ゲート 9 カットピン 10A、10B ホットランナー 13A、13B ニードル弁 PL パーティングライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29C 45/80 B29C 45/80 // B29L 11:00 B29L 11:00 (72)発明者 小笠原 英人 愛知県名古屋市南区丹後通2−1 三井化 学株式会社内 (72)発明者 三河 満晴 愛知県名古屋市南区丹後通2−1 三井化 学株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AH74 AH75 AP05 AR06 CA11 CB01 CK03 CK06 CK07 CK15 CK52 CK89 CN01 CN05 4F206 AH74 AH75 AP05 AR06 JA03 JM04 JM05 JN21 JN25 JN43 JQ81

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一つの金型に複数のキャビティ(1A、1
    B)を設けた射出圧縮成形装置による、レンズの多数個
    取り射出圧縮成形方法において、 型(2、3)を閉じた後、各キャビティの可動側コア(5
    A、5B)に予め所定の圧力(P1)をかけ、それらをパー
    ティングライン(PL)側へ前進させるステップと、 各キャビティごとに設けられたホットランナー(10A、1
    0B)を通じて溶融樹脂を各キャビティ(1A、1B)内に充
    填する操作を開始するステップと、 各キャビティにおける可動側コア(5A、5B)の位置を個
    別に検出しつつ、樹脂の充填に従い、上記圧力(P1)に
    応じて可動側コア(5A、5B)を後退せしめるステップ
    と、 可動側コア(5A、5B)がそれぞれ各キャビティごとに定
    められた位置(C)に達したときに、それぞれ対応する
    ゲートを完全に閉じるステップと、 ゲートが閉じた後に可動側コア(5A、5B)の先端をそれ
    ぞれ対応するキャビティ内に進出させ、キャビティ内の
    圧力を所定値まで高める操作を、キャビティごとに独立
    に行うステップと、 一定の冷却時間経過後に、成形品を取り出すステップ
    と、 を順次行うことを特徴とする上記のレンズの多数個取り
    射出圧縮成形方法。
  2. 【請求項2】 一つの金型に複数のキャビティ(1A、1
    B)を設けた射出圧縮成形装置による、レンズの多数個
    取り射出圧縮成形方法において、 型(2、3)を閉じた後、各キャビティ内へ規定より多量
    の樹脂が充填される位置(d)に可動側コア(5A、5B)
    をセットするステップと、 キャビティ(1A、1B)内に、各キャビティごとに設けら
    れたホットランナー(10A、10B)を通じて溶融樹脂を充
    填するステップと、 各キャビティ内に規定量より多量の樹脂を充填した後、
    各可動側コア(5A、5B)をキャビティ内に進出させ、キ
    ャビティ内の樹脂の一部をゲートを通じて逆流させると
    共に、そのときの各可動側コア(5A、5B)の位置を個別
    に検出するステップと、 可動側コア(5A、5B)がそれぞれ各キャビティごとに定
    められた位置(C)に達したときに、それぞれ対応する
    ゲートを完全に閉じるステップと、 各キャビティごとに可動側コア(5A、5B)の先端をそれ
    ぞれ対応するキャビティ内に更に進出させ、各キャビテ
    ィ内の圧力をそれぞれ所定値まで高めるステップと、 一定の冷却時間経過後に成形品を取り出すステップと、 を順次行うことを特徴とする上記のレンズの多数個取り
    射出圧縮成形方法。
  3. 【請求項3】 バルブゲート型のホットランナー(10
    a)を用い、そのバルブによりゲートの開閉を行う請求
    項1又は2に記載のレンズの多数個取り射出圧縮成形方
    法。
  4. 【請求項4】 型内をゲートに向けて進退するカットピ
    ン(9)によりゲートの開閉を行う請求項1または2に記
    載のレンズの多数個取り射出圧縮成形方法。
  5. 【請求項5】 一つの金型に複数のキャビティ(1A、1
    B)を設けた射出圧縮成形装置による、レンズの多数個
    取り射出圧縮成形方法において、 キャビティ(1A、1B)に樹脂を充填する前に、金型のキ
    ャビティ表面温度を樹脂軟化温度+100K以下、樹脂軟化
    温度−20K以上に昇温させるステップと、 キャビティに樹脂を充填した後に、金型のキャビティ表
    面の温度を樹脂軟化温度−20K以下に冷却するステップ
    と、 を順次行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    一に記載の上記のレンズの多数個取り射出圧縮成形方
    法。
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