JP2006315115A - 切削工具、車両のインストルメントパネル、エアバッグ開裂線形成装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【効果】切削工具にて、被加工部材に溝部を形成する場合、切削工具による開口部の切削性を向上して、該開口部に髭状のバリが発生することを防止できる。また、切削屑を外部へ排出し易くなり、形成した溝部内に切削屑が付着・残留することを防止でき、エアバック開裂線を形成した後のインストルメントパネルを車両に組み付けた場合に、バリや切削屑が車両内部に落下して電子部品の短絡発生原因となったりすることを、防止することができる。
【選択図】 図5
Description
エアバッグ装置は、例えば車両のインストルメントパネル内に収容されており、エアバッグが膨張する際にインストルメントパネルが開裂して、該エアバッグがインストルメントパネルから外部へ膨出するように構成されている。そして、インストルメントパネルの裏面には、エアバッグが膨張する際に破断して、該エアバッグを外部に展開可能とするエアバッグ開裂線(以降、「ティアライン」と記載する)が形成されている。
つまり、図8に示すように、エンドミル120により、インストルメントパネル101を裏面101a側から切削して、該裏面101aに複数の溝部111・111・・・をライン状に加工することで、ティアラインが形成されている。
また、先端切れ刃と外周切れ刃とを備えたエンドミルとしては、特許文献1に示すように、外周切れ刃が全体的にテーパー状に形成された、テーパー溝加工用のエンドミルが知られている。
また、図10に示すように、インストルメントパネル101に形成した溝部111・111・・・においては、該溝部111の開口部111aに細長い髭状のバリ152が生じたり、該溝部111内に前記切削屑151が残留したりすることがある。
これらのバリ152や切削屑151が溝部111に付着・残留した状態にあると、ティアライン形成工程の後に行われる溶着工程において溶着不良が生じたり、インストルメントパネル101を車両に組み付けた後に付着・残留したバリ152および切削屑151が車両内部に落下して、電子部品の短絡発生原因となったりすることがある。
これにより、該切削工具にて、被加工部材に溝部を形成する場合には、該溝部の底部側を前記第1の切れ刃にて切削加工するとともに、開口部側を第2の切れ刃にて切削加工することが可能となり、切削工具による開口部の切削性を向上して、該開口部に髭状のバリが発生することを防止できる。また、切削屑を外部へ排出し易くなり、形成した溝部内に切削屑が付着・残留することを防止できる。
これにより、溝部の開口部が、第2の切れ刃により確実に切削加工されることとなる。
そして、溝部の開口部を第2の切れ刃にて切削加工することで、該開口部の切削時にシェア角を付けることができ、インストルメントパネルの切削性を向上することができる。
従って、従来のエンドミルにおける軸心と平行な外側切れ刃にて、溝部の開口部を切削したときのように、該開口部に髭状のバリが発生することを、防止することができる。
また、溝部に形成されるテーパー部は、該溝部の上部だけであるので、被加工部材の溝部形成部分の肉厚を確保することができ、被加工部材に必要な強度を得ることができる。
これにより、エアバッグ開裂線の形成工程の後に行われる溶着工程において溶着不良が生じたり、エアバッグ開裂線形成後のインストルメントパネルを車両に組み付けた後に、バリや切削屑が車両内部に落下して電子部品の短絡発生原因となったりすることを、防止することができる。
これにより、エアバッグ開裂線形成後のインストルメントパネルを車両に組み付けた場合に、バリや切削屑が車両内部に落下して電子部品の短絡発生原因となったりすることを、防止することができる。
これにより、エアバッグ開裂線を形成した後のインストルメントパネルを車両に組み付けた場合に、バリや切削屑が車両内部に落下して電子部品の短絡発生原因となったりすることを、防止することができる。
これにより、エアバッグ開裂線を形成した後のインストルメントパネルを車両に組み付けた場合に、バリや切削屑が車両内部に落下して電子部品の短絡発生原因となったりすることを、防止することができる。
従って、エアバッグ開裂線を形成した後のインストルメントパネルを車両に組み付けた場合に、バリや切削屑が車両内部に落下して電子部品の短絡発生原因となったりすることを、防止することができる。
図1に示す自動車のインストルメントパネル1における助手席側上面には、ティアライン10が形成されている。
エアバッグ装置の作動によりエアバッグが膨張する際には、インストルメントパネル1が開裂してエアバッグが外部に展開可能となるが、ティアライン10は、インストルメントパネル1が開裂する際の切れ目(破断線)となるものである。
図3に示すように、本例において、ティアライン10を構成する各溝部11は、インストルメントパネル1の裏面1aに、エンドミル20にて切削加工を施すことにより形成されている。
X軸52は水平方向に配設されており、Z軸53は垂直方向に配設されている。また、加工テーブル54は水平方向に配設され、その上面に被加工物であるインストルメントパネル1を載置可能としている。
Z軸53はX軸52に沿って、該X軸52方向へ移動可能に構成されており、加工ブロック55はZ軸53に沿って、上下方向へ移動可能に構成されている。
加工ブロック55には、摺動機構56を介して上下動プレート57が上下移動可能に取り付けられており、該上下動プレート57に、インストルメントパネル1の切削加工を行う切削装置9が取り付けられている。
そして、スピンドル59のエンドミル20を回転駆動させながら、該エンドミル20の3次元位置を調節し、被加工物であるインストルメントパネル1に対して、ティアライン10を構成する溝部11・11・・・の切削加工を行うように構成されている。
図5、図6に示すように、エンドミル20は、回転軸体である軸部21と、軸部21の先端面に形成される先端切れ刃22と、軸部21の外周面に螺旋状に形成される外周切れ刃23とを備えている。
また、外周切れ刃23は、軸部21の軸心に対して平行に形成される第1外周切れ刃23aと、エンドミル20の先端側から基端側へ向ってテーパー状に広がる第2外周切れ刃23bとを備えており、該第1外周切れ刃23aは第2外周切れ刃23bよりもエンドミル20の先端側(図5における下側)に配置されている。
つまり、溝部11の下部は第1外周切れ刃23aにより切削加工され、溝部11の上部および該溝部11上端の開口部11aは第2外周切れ刃23bにより切削加工される。
従って、従来のエンドミル20の軸心と平行な外側切れ刃にて、溝部11の開口部11aを切削したときのように、該開口部11aに髭状のバリが発生することを、防止することができる。
一方、該テーパー角θbを15°程度の小さな角度に設定した場合は、切削性はさほど向上せず、髭状のバリが生じる。
逆に、該テーパー角θbを45°程度の大きな角度に設定した場合は、先端側の第1外周切れ刃23aが細くなるためエンドミル20の剛性が不足気味となる。
前記ねじれ角θaは、例えば、20°程度に設定している。この程度の大きさの角度に設定することで、生じた切削屑の搬出速度を高めることが可能となり、エンドミル20の外周切れ刃23に切削屑が詰まってしまうことを防止できる。
逆に、ねじれ角θaを30°〜40°程度の大きな角度に設定した場合は、切削屑の搬出速度が遅くなり、該切削屑が外周切れ刃23に詰まってしまうこととなる。
なお、先端切れ刃22の刃角度θcは3°程度に設定されている(先端切れ刃22の中央側が周縁側よりも若干凹んだ状態となる方向に角度が付いている)。
つまり、溝部11は、エンドミル20の形状に応じた形状に形成され、下部の垂直溝部11aと上部のテーパー溝部11bとで構成されている。
すなわち、溝部11が形成されたティアライン10部分における、インストルメントパネル1の肉厚寸法dbは、0.5mmとなる。
また、溝部11における、垂直溝部11aの深さ寸法da1、およびテーパー溝部11bの深さ寸法da2は、それぞれ1.0mmおよび1.0mmとなっている。
逆にいえば、溝部11の形状は、垂直溝部11aの深さ寸法da1が少なくとも1.0mmとなるように形成すれば、該垂直溝部11aよりも上部側のテーパー溝部11bをテーパー状に切削加工しても、インストルメントパネル1における溝部11形成部分の肉厚を確保して、インストルメントパネル1に必要な強度を得ることが可能となる。
従って、インストルメントパネル1の強度を確保しつつ、開口部11aの切削性を向上して、該開口部11aにバリが生じることを防止することができる。
10 ティアライン(エアバッグ開裂線)
11 溝部
11a 開口部
20 エンドミル
23 外周切れ刃
23a 第1外周切れ刃
23b 第2外周切れ刃
Claims (6)
- 回転軸体の先端面に設けられる先端切れ刃と、回転軸体の外周面に螺旋状に設けられる外周切れ刃とを備えた切削工具であって、
前記外周切れ刃は、
回転軸体の軸心に対して平行な第1の切れ刃と、先端側から基端側へ向ってテーパー状に広がる第2の切れ刃とを備え、
前記第1の切れ刃は第2の切れ刃よりも切削工具の先端側に配置される
ことを特徴とする切削工具。 - 前記第1の切れ刃の、軸心方向長さ寸法は、切削工具により加工される被加工部材の加工溝深さ寸法より小さいことを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
- 前記切削工具は、車両のインストルメントパネルに形成される、エアバッグ開裂線を形成するためのエンドミルであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切削工具。
- 請求項1〜請求項3の何れかに記載の切削工具により、エアバッグ開裂線を形成したことを特徴とする車両のインストルメントパネル。
- 請求項1〜請求項3の何れかに記載の切削工具を備え、
該切削工具により車両のインストルメントパネルにエアバッグ開裂線を形成することを特徴とするエアバッグ開裂線形成装置。 - 請求項1〜請求項3の何れかに記載の切削工具を用いて、
車両のインストルメントパネルにエアバッグ開裂線を形成することを特徴とするエアバッグ開裂線形成方法。
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