JP2006314474A - 超音波プローブ及びそれを用いたカテーテル並びにその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 カテーテル2の先端に配設した超音波変換子3を用いる超音波プローブ10で、超音波変換子3が超音波照射方向に対して凹面形状を有し、超音波変換子に貫通穴11を設ける。凹面が、曲率半径rを有する球面の一部であればよい。この超音波プローブによれば、凹面の焦点に超音波を集束できる。この超音波プローブを用いたカテーテルや内視鏡は、貫通穴11から音響感受性薬剤を患部に注入して、超音波を加える音響力学療法(SDT)を効果的に行なうことができる。
【選択図】 図6
Description
この課題の解決方法として、PDT、SDTとも、病変部へ集積する特性を持たせた薬剤を用いることがあるが、種類と効果および集積性に限界があるという課題がある。
上記凹面は、好ましくは、曲率半径rを有する球面の一部である。
上記構成によれば、超音波変換子が超音波照射方向に対して凹面形状を有しているので、凹面の焦点に超音波を効率良く集束することができる。また、超音波プローブの周囲で発生する音響信号を電気信号に効率よく変換することができる。そして、超音波変換子には貫通穴を設けているので、この貫通穴を介してカテーテルから薬剤などを注入することができる。
好ましくは、超音波変換子の貫通穴に接続される貫通穴は、カテーテルに配設されており、カテーテルは薬剤を注入する手段を備え、薬剤を注入する針を先端に有する細管が貫通穴に配設されている。
さらに好ましくは、カテーテルはゲルを注入する手段を備え、ゲルがカテーテルの貫通穴を介して注入される。
超音波変換子の凹面側には、好ましくはバルーンが設けられおり、バルーンに注入される液体が音響整合層となる。このバルーンは、好ましくは貫通穴に配設されている。
上記構成によれば、カテーテルの先端に設けられている超音波プローブにおいて、超音波変換子が超音波照射方向に対して凹面形状を有しているので、凹面の焦点に超音波を効率良く集束することができる。また、超音波プローブの周囲で発生する音響信号を電気信号に効率よく変換することができる。そして、超音波変換子には貫通穴を設けているので、この貫通穴を介してカテーテルから薬剤などを注入することができる。
上記構成によれば、カテーテルから照射した光により生体組織が発生する音響を、超音波変換子で検出する光音響検出カテーテルを提供することができる。超音波変換子が光源の照射方向に対して凹面形状を有しているので、この凹面の焦点近傍で発生する音響を感度よく検出することができる。
超音波変換子に再分極を施す第6の工程を備えていてもよい。また、超音波変換子に接触していない第1の電極層部分を絶縁層で被覆する工程をさらに含んでいてもよい。
上記構成によれば、超音波変換子がベース部に固定される一体構造の超音波変換子を備えた超音波プローブを製造することができる。また、凹面形状に加工した超音波変換子の再分極を行なうことで、超音波の照射エネルギーの増大やその集束特性の改善を行なうことができる。
さらに、DNAプラスミドを注入することにより、臨床上問題が指摘されているウイルスベクターを用いずに、超音波による細胞膜透過性亢進を利用した体内局所の高効率遺伝子導入が実現できる。将来的には振動子の素子数を増やしイメージングも同時に行えるデバイスが期待できる。
最初に、本発明の超音波プローブの一実施形態について図1及び図2を参照して説明する。
図1において、超音波プローブ1は、中空円筒状のカテーテル2の先端部に搭載されている。この超音波プローブ1は、図1に示すように、超音波変換子3と図示しない電極とから構成されている。超音波変換子3は、超音波トランスデューサーとも呼ばれている素子であり、電気信号を超音波に変換、あるいは、逆に、超音波を電気信号に変換する素子である。超音波変換子3は、圧電材料からなっている。この圧電材料としては、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)やPZN−PT((1−x)Pb(Zn1/3 Nb2/3 )O3 −xPbTiO3 )を用いることができる。
カテーテル2自体は公知の構成であってよく、例えばポリウレタン,シリコーン等の生体適合性を有する材料から構成されている。
さらに、超音波変換子3は、可逆的な作用、即ち、音を電気信号に変換することができる。したがって、超音波変換子3の周囲で発生する音響を電気信号に変換することができる。特に、超音波変換子3の焦点近傍で発生する音響を感度良く検知することができる。
図5は、本発明の超音波プローブ1において、超音波の照射方向に角度をもたせた場合の動作を模式的に説明する斜視図である。図5において、超音波変換子3は、カテーテルの中心軸2Aに対して垂直方向から傾けて配設している。このため、超音波変換子3から照射される超音波を、カテーテルの中心軸2Aから角度θの方向とすることができる。この照射方向は、超音波変換子3の凹面の中心軸方向3Cであり、焦点7に集束する。中心軸方向3Cにおいて、超音波変換子3から焦点7までの距離が焦点距離Lとなる。
図6は本発明のカテーテル2の構造を模式的に示すもので、(A)は斜視図、(B)は断面図である。図6(A)に示すように、本発明のカテーテル2においては、超音波プローブ10の超音波変換子の開口部3Dは、カテーテル2の貫通穴11と接続される構造を有している。図6(B)は図6(A)のA−A断面図であり、超音波変換子3の中心や偏心した位置に貫通穴3Dが設けられており、超音波変換子3が、カテーテルの中心軸2Aに対して垂直方向に配設されている。
この超音波プローブ10を用いたカテーテル2によれば、超音波変換子3が取り付けられていないカテーテル2の後端から、貫通穴11を介して液体などを超音波変換子3の照射方向へ注入することができる。この場合、貫通穴11の中に、可撓性を有するチューブを挿通して、液体などを注入してもよい。
図7(A)〜(D)は、本発明のカテーテル2を用いたSDTを説明する模式的な断面図であり、(A)は患部へ超音波プローブ10を挿入した状態を、(B)は音響感受性薬剤を患部へ注入する状態を、(C)は注入した音響感受性薬剤に超音波を照射する状態、(D)は術後の患部、をそれぞれ示している。
最初に、がんなどの患部12の近傍までカテーテル2を挿入する(図7(A)参照)。13は患部12周囲の正常な組織を示している。
次に、カテーテル2の後端から貫通穴11を介して、先端に針や注射針14を有する細管や可撓管15を挿通し、患部12に音響感受性薬剤16を注入する(図7(B)参照)。音響感受性薬剤16などの薬剤の注入手段としては、注射シリンジなどを用いることができる。
音響感受性薬剤16の注入を終了したら、可撓管15をカテーテル2から引き出し、直ちに超音波変換子3から超音波6を照射し、投与した音響感受性薬剤16を局所的に活性化する(図7(C)参照)。これにより、患部12がSDTにより治癒される(図7(D)参照)。
超音波の周波数は、例えば0.03〜25MHz程度を使用し、その照射エネルギーは0.25〜400W/cm2 程度とすればよい。
図8は、本発明のカテーテル20の構造を模式的に示し、(A)は斜視図、(B)は断面図である。図8に示す本発明のカテーテル20が、図6に示すカテーテル2と異なるのは、その断面B−Bに示すように、超音波変換子3が、カテーテルの中心軸2Aに対して垂直方向から角度を持たせて配設されている点である。他の構成は、同じであるので説明は省略する。
本発明のカテーテル20によれば、超音波変換子3がカテーテルの中心軸に対して垂直方向から角度を持たせて配設されているので、超音波変換子3の前方斜め方向にある患部へSDTを施すことができる。他の構成は、図7と同じであるので説明は省略する。
図10は、本発明の超音波プローブ10とバルーン部23とを備えたカテーテル22の構造を模式的に示す図であり、(A)はバルーン部23の斜視図、(B)はカテーテル22の断面図、(C)はカテーテル22の使用状態を示す断面図である。
図10(A)に示すように、本発明のカテーテルのバルーン部23は、可撓管24の先端部にシリコーンゴムなどからなるバルーン25と、このバルーン25を可撓管24に固定するための固定手段26から構成されている。この固定手段26は、ワイヤーや帯などを用いることができる。このバルーン部23は、カテーテル22の貫通穴11に挿通される(図10(B)参照)。
図10(C)に示すように、バルーン部23は、可撓管24に水や生理食塩水などの液体27が注入されるとバルーン25が膨張する。このため、超音波変換子3と、患部12との間の空気が排除されて、超音波変換子3と患部12とが、バルーン25中の液体27を介して接触するようになる。この状態で超音波変換子3から超音波6を照射すると、液体27が音響整合層となり、超音波6を患部12に効率良く伝送することができる。
このカテーテル22によれば、バルーン部23を有しているので、超音波変換子3から照射される超音波6を患部12に効率良く集束できる。
図11は、本発明の超音波プローブとバルーンの変形例とを備えたカテーテル22Aの構造を模式的に示す図で、(A)がカテーテル22Aの斜視図、(B)がカテーテル22Aの断面図、(C)がカテーテル22Aの使用状態を示す断面図である。
図11(A)に示すように、本発明のカテーテル22Aは、その先端にバルーン部25と、バルーン部25に液体を注入するためのチューブ28とを有している。バルーン部25の先端部は、カテーテル22Aの外面及び貫通穴11に固定するための固定手段26,26Aを備えている。図示の場合には、バルーン部25が、カテーテル22Aの外面においてはワイヤー26で固定され、貫通穴11に対してはリング26Aで固定されている(図11(B)参照)。
図11(C)に示すように、バルーン部25に接続されているチューブ28に水や生理食塩水などの液体27が注入されると、バルーン部25の先端が膨張する。このため、超音波変換子3と、患部12との間の空気が排除されて、超音波変換子3と患部12とが、バルーン中の液体27を介して接触する。この状態で超音波変換子3から超音波6を照射すると、液体27が音響整合層となり、超音波6を患部12に効率良く伝送することができる。
図12は、本発明の超音波プローブとバルーンの別の変形例とを備えたカテーテル22Bの構造を模式的に示す図であり、(A)はカテーテル22Bの斜視図、(B)はカテーテル22Bの断面図、(C)はカテーテル22Bの使用状態を示す断面図である。
図12(A)に示すように、本発明のカテーテル22Bは、その先端にバルーン部25と、バルーン部25に液体を注入するための貫通穴29と、を有している。この液体注入用の貫通穴29は、超音波変換子3の中心付近に設けた貫通穴3Dとは異なる位置に配設している。
バルーン部25の先端部には、図11のカテーテル22Aと同様に、外面及び貫通穴に固定するため固定手段26,26Aが備えられている(図12(B)参照)。図示しないが、バルーン部25に接続されている液体注入用の貫通穴チューブ29に水や生理食塩水などの液体が注入されると、バルーン部25の先端が膨張して超音波変換子3と患部12とがバルーン中の液体27を介して接触する。これにより、カテーテル22,22Aと同様に液体が音響整合層となって超音波を患部に効率良く伝送することができる。
図13は、本発明の超音波プローブを有するカテーテル22Cの第3の実施形態を示す模式的な断面図である。図13に示すように、音響整合層となるゲル30は、貫通穴11を介して超音波変換子3と患部12の間に注入することができる。この場合、カテーテル22Cは、ゲル30を注入する手段を備えている。このような注入手段としては、注射シリンジを用いることができる。
カテーテル22Cによれば、上記のバルーン部23,25を備えたカテーテル22,22A,22Bと同様に、超音波6を患部12に効率良く伝送することができる。このようなゲル30としては、高分子ポリマーに蒸留水を加えて、滅菌処理したゲルを用いることができる。
本発明の超音波プローブ1,10を用いたカテーテル22,22A,22B,23Cによれば、患部12の直近まで接近してSDTを施すことができる。このため、体外から超音波を集束させて治療を行う集束超音波(HIFU)の場合よりも、超音波が伝播する正常組織が減少し、さらに、患部12の正確な位置へ最適な強度の超音波を照射でき、正常な組織13へ超音波が照射されないので、患者の負担がなくなる。また、HIFUよりも小さい超音波エネルギーで済むので、超音波駆動源を小型化でき、超音波プローブの小型化や低コスト化が図れる。
さらに、DNAプラスミドを注入することにより、臨床上問題が指摘されているウイルスベクターを用いることなく、超音波による細胞膜透過性亢進を利用した体内局所の高効率遺伝子導入を実現することができる。
図14は、本発明の超音波プローブを有するカテーテルの第3の実施形態を模式的に示し、(A)は斜視図、(B)は(A)のC−C線に沿う断面図である。
図14(A)に示すように、本発明のカテーテル35では、超音波変換子3に開口部3Dを設け、この開口部がカテーテル2の貫通穴11と接続される点は、図8に示すカテーテル20と同じであるが、貫通穴11からカテーテルの外側へ光36を照射できる構成を有している。光36は、例えば、光ファイバーを用いて、カテーテル2の先端から光を照射することができる。この光源を導光する光ファイバーは貫通穴11に配設すればよい。この場合、カテーテルの基端側に半導体レーザなどの光源を配置し、光ファイバーをカテーテルの貫通穴11に挿通して照射すればよい。
図16は、本発明の超音波プローブ10を備えたカテーテル35Aによる光音響検出を説明する模式的な断面図である。図15と異なるのは、その断面B−Bに示すように、超音波変換子3が、カテーテルの中心軸2Aに対して垂直方向に配設されている点であり、カテーテルの中心軸方向に光を照射することができる。他の構成は、同じであるので説明は省略する。
図17は、本発明の超音波プローブに使用する超音波変換子部の第1の実施形態の構造を示す概略断面図である。図17に示すように、本発明の超音波プローブに使用する超音波変換子部40は、ベース部41上に被覆された第1の電極層42と、ベース部41の上部の第1の電極層42に導電性接着剤などにより固定される超音波変換子3と、第1の電極層42に被覆される絶縁層43と、この絶縁層43及び超音波変換子3の凹面部に形成される第2の電極層44を含んで構成される。
最初に、超音波変換子部40に用いる超音波変換子3の製造方法について、図18の概略断面図を参照して説明する。
最初に、バルクの圧電材料48を、所定の外径と、最終厚さよりも若干厚めの寸法を有する円板に成形加工を行なう(図18(A)参照)。
次に、高速のμmオーダーの加工精度を有するフライス盤を使用して、圧電材料48の表面側に凹面加工を行なう(図18(B)参照)。
続いて、圧電材料48の表面側において、凹面の中心に所定の寸法の穴を開け、貫通穴3Dの加工を行なう(図18(C)参照)。
最後に、圧電材料48の凹面加工した面とは反対側の面に凸面加工を施す(図18(D)参照)。このようにして、凹面3B、凸面部3A及び貫通穴3Dの加工を行ない、所定の寸法の超音波変換子3を製作することができる。
この超音波変換子部40は、基本的には、圧電材料を凹面形状に形成し、かつ、この凹面に貫通穴を設けて超音波変換子を形成する第1の工程と、超音波変換子を固定するベース部を形成する第2の工程と、ベース部の超音波変換子を固定する面に第1の電極層を形成する第3の工程と、ベース部に上記超音波変換子を固定する第4の工程と、超音波変換子の凹部表面に第2の電極層を形成する第5の工程とで製造され、好ましくは、超音波変換子に再分極を施す第6の工程を備える。また、第1の電極層が超音波変換子に接触していない部分が存在すれば、絶縁層で被覆する工程をさらに含む。
具体的には、下記の手順で製造する。
最初に、ベース部となる絶縁体41を、その上部に超音波変換子3を載置できるような形状に成形加工する。例えば、円柱状に成形した後で、その上部を成形加工して形成することができる。大量に製作する場合には、型を用いて高分子ポリマーの射出成形法により成形してもよい。
以上で、超音波変換子部40が作製され得る。この超音波変換子部40は、超音波変換子3とその電極が一体となるように形成されているので、上記超音波プローブ1,10の何れにも適用できる。
図19は、本発明の超音波プローブに使用する超音波変換子部の第2の実施形態の構造を模式的に示す(A)断面図と、(B)超音波変換子部の電極配置を示す平面図である。図19に示す超音波変換子部50が、超音波変換子部40と異なるのは、その下面50Bの凹状面に、同心円状の電極51が形成されている点である。図示の場合には、超音波変換子部の下面50Bを5分割し、電極51A〜51Eを形成しているが、この電極数は所定の数に設定することができる。また、超音波変換子部50の上面50Aには、全面に電極が形成され共通電極となっている。超音波変換子部50においては、超音波変換子の電極51A〜51Eが、それぞれ、独立して超音波駆動源により駆動される、所謂電子スキャン方式の駆動をすることができる。この超音波変換子部50によれば、任意の距離に超音波を集束することができる。したがって、適宜の指向性を備えた最適な超音波ビームを生成することができる。
図20及び図21は、本発明の超音波プローブに使用する超音波変換子部の第3の実施形態の構造を模式的に示し、(A)は断面図、(B)は超音波変換子部の電極配置を示す平面図である。
図20に示す超音波変換子部55が、超音波変換子部50と異なるのは、その下面55Bの凹状面を同心円状に分割し、さらに放射状に分割した電極56を形成した点にある。図示の場合には、超音波変換子の下面55Bを5分割し、内側から2つの同心円を8分割し、内側から3つ目の同心円を16分割し、内側から4つ目及び5つ目の同心円を32分割した場合を示している。
図22は、本発明の超音波プローブに使用する超音波変換子部60の第4の実施形態の構造を模式的に示す断面図である。超音波変換子部60は、円筒状のベース部61と、ベース部の取付部61Aに対して取り付けられた超音波変換子62と、超音波変換子62に対して配線を行なうために設けられた第1電極63及び第2電極64と、を含み構成されている。図示の場合には、超音波変換子部60の貫通穴61Dは、円筒状のベース部61の中心軸に沿って配設している。ベース部61は、図17に示す超音波変換子部40と同様に、例えば液晶ポリマー等のポリマーから構成され、例えば精密立形加工装置を使用して微細加工により形成されている。
1−3コンポジット構造とは、本発明において言えば、PZTとポリマーとの配置関係であり、具体的に言えば、角柱に形成されたPZTの上面と底面とを除く全側面をポリマーが覆うように、PZTまわりにポリマーが配置されている構造を言う。因みに、直方体のPZTの全周、全ての面(六面)をポリマーが覆うような配置構造を0−3コンポジット構造と言う。
実施例1では、圧電材料としてPZTを使用した超音波変換子部40を製作した。第1の工程として、PZTを図18に示した方法で、高速フライス盤を使用して加工し、超音波変換子3を製作した。超音波変換子3の厚さは、0.6mmで、外径は6mm、凹面3B側の直径は5mmである。そして、凹面3Bの曲率半径は10mmとした。
図24は、実施例1及び2の超音波プローブ10の超音波照射特性を測定した回路の構成を示す模式図である。超音波照射特性の測定装置70においては、実施例の超音波プローブ10は図示しない水槽に配置され、パルサー71により駆動して、超音波6を発生する。照射された超音波6は、その前方に配置される水中マイク72により検出した。水中マイク72は水中を伝播する超音波6による圧力波を電気信号に変換し、増幅器73により増幅して、オシロスコープ74で表示される。パルサーからのトリガー信号71Aがオシロスコープ74に入力されている。
実施例1の超音波プローブ10から照射される超音波は、図25から明らかなように、Z軸方向に伝播し、しかも集束する分布が得られることが分かった。焦点における超音波の電力密度は、0.43W/cm2 であった。
2,20,22A,22B,22C:カテーテル
3,62:超音波変換子
4:カテーテル外部
5:音響整合層
6:超音波変換子から照射される超音波
7:焦点
11:貫通穴
12:患部
13:正常な組織
14:注射針
15,24:可撓管
16:音響感受性薬剤
23:バルーン部
25:バルーン
26,26A:固定手段
27:液体
28:チューブ
29:液体注入用の貫通穴
30:ゲル
35,35A:光音響検出カテーテル
36:光
37:音響
40,50,55,58,60:超音波変換子部
41:ベース部
42:第1の電極層
43:絶縁層
44:第2の電極層
45,46:配線
48:圧電材料(PZT)
51,56,59:分割電極
61:ベース部
61A:取付部
62A:圧電セラミックスアレイ
62B:ポリマー
63:第1電極
64:第2電極
70:超音波照射特性の測定装置
71:パルサー
71A:トリガー信号
72:水中マイク
73:増幅器
74:オシロスコープ
75:3次元可動ステージ
76:コンピュータ
Claims (17)
- カテーテルの先端に配設される超音波変換子を用いた超音波プローブであって、
上記超音波変換子が超音波照射方向に対して凹面形状を有し、上記超音波変換子には貫通穴が設けられていることを特徴とする、超音波プローブ。 - 前記凹面が、曲率半径rを有する球面の一部であることを特徴とする、請求項1に記載の超音波プローブ。
- 前記凹面の表面に設けられる電極が分割されており、該分割された各電極が電子スキャンされることを特徴とする、請求項1又は2に記載の超音波プローブ。
- 前記超音波変換子は、ベース部に固定される構造を有していることを特徴とする、請求項1に記載の超音波プローブ。
- 前記超音波変換子は、圧電セラミックスアレイをポリマーに埋め込んだ構造であることを特徴とする、請求項1に記載の超音波プローブ。
- 前記超音波変換子の前面に音響整合層が備えられていることを特徴とする、請求項1に記載の超音波プローブ。
- カテーテルの先端に配設される超音波変換子を用いた超音波プローブを備え、
上記超音波変換子の超音波照射方向に対して凹面形状を形成し、かつ、上記超音波変換子には貫通穴が設けられていることを特徴とする、カテーテル。 - 前記超音波変換子の貫通穴に接続される貫通穴が、前記カテーテルに配設されていることを特徴とする、請求項7に記載のカテーテル。
- さらに、前記カテーテルは薬剤を注入する手段を備え、該薬剤を注入する針を先端に有する細管が前記貫通穴に配設されていることを特徴とする、請求項7又は8に記載のカテーテル。
- さらに、前記カテーテルはゲルを注入する手段を備え、該ゲルが前記カテーテルの貫通穴を介して注入されることを特徴とする、請求項 7又は8に記載のカテーテル。
- 前記超音波変換子の凹面側に、バルーンが設けられており、該バルーンに注入される液体が音響整合層となることを特徴とする、請求項7に記載のカテーテル。
- 前記バルーンが、前記貫通穴に配設されていることを特徴とする、請求項11に記載のカテーテル。
- カテーテルの先端に配設される超音波変換子を用いた超音波プローブと、
光源と、を備え、
上記超音波変換子が前記光源の照射方向に対して凹面形状を有し、上記超音波変換子には貫通穴が設けられており、
上記光源からの光を上記貫通穴から上記カテーテルの前方へ照射し、該照射光により生体組織が発生する音響を上記超音波変換子により検出することを特徴とする、光音響検出カテーテル。 - 前記光源を導光する光ファイバーが、前記貫通穴に配設されていることを特徴とする、請求項13に記載の光音響検出カテーテル。
- カテーテルの先端に配設される超音波変換子を用いた超音波プローブの製造方法であって、
圧電材料を凹面形状に形成し、かつ、上記凹面に貫通穴を設け、超音波変換子を形成する第1の工程と、
上記超音波変換子を固定するベース部を形成する第2の工程と、
上記ベース部の超音波変換子を固定する面に第1の電極層を形成する第3の工程と、
上記ベース部に上記超音波変換子を固定する第4の工程と、
上記超音波変換子の凹部表面に第2の電極層を形成する第5の工程と、
を含んでいることを特徴とする、超音波プローブの製造方法。 - さらに、上記超音波変換子に再分極を施す第6の工程を備えていることを特徴とする、請求項15に記載の超音波プローブの製造方法。
- 前記超音波変換子に接触していない第1の電極層部分を絶縁層で被覆する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の超音波プローブの製造方法。
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