JP2009089962A - 超音波診断用プローブ - Google Patents
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Abstract
超音波診断用プローブの本体部における上記挿通孔Hの周囲には、該挿通孔の中心軸に向けて内側取付部17cが形成され、該内側取付部17cには複数の超音波振動子18が設けられている。
【効果】 血管内の治療に際し、超音波診断用プローブの前方から側方にかかる血管内の状態を精度良く診断することができ、また超音波診断用プローブを患部に安全に到達させることができる。
【選択図】 図2
Description
これらの超音波診断用プローブには複数の超音波振動子が設けられており、当該超音波振動子が照射した超音波が血管の内壁等で反射したのを再び超音波振動子によって受信し、この受信した超音波を画像変換することで患部周辺の画像を得るようになっている。
そして特許文献1の超音波診断装置の場合、超音波診断用プローブの中央に挿通孔が設けられており、該挿通孔にホットチップ等を備えたワイヤを挿入することで、該ホットチップにより血管の内壁に付着した血栓等を除去する治療を行うことが可能となっている。
一方、特許文献2、3における超音波診断装置では、上記超音波診断用プローブの前面から側面にかけて上記超音波振動子が設けられており、超音波診断用プローブの前方に位置する患部の状態についても診断することが可能となっている。
また特許文献2、3の超音波診断装置の場合、ガイドワイヤの挿通孔を備えていないことから、超音波診断用プローブを血管内に挿入する際にスムーズに挿入することができず、湾曲している部分を通過させる際に血管を損傷してしまうおそれがあった。
このような問題に鑑み、本発明は血管内の治療に際して前方から側方にかけて血管内の状態を精度良く診断することができ、また患部に安全に到達させることの可能な超音波診断用プローブを提供するものである。
本体部の外周面に前面から側面にかけて複数の超音波振動子を設け、かつ、少なくとも一つの超音波振動子を挿通孔の中心軸に向けて超音波を照射するように設けたことを特徴としている。
また、上記挿通孔にはガイドワイヤを挿通させることが可能であるため、超音波診断用プローブを湾曲した部分であっても安全に到達させることが可能である。
この血管治療システム1は、血管内に挿入されるガイドワイヤ2と、超音波を照射することで血管内を診断する超音波診断装置3(IVUS:intravascular ultrasound)と、血栓等に貫通孔を穿設するための超音波アクチュエータ4と、上記血栓等を血管壁より除去するローダブレーダ5とから構成されている。
上記ガイドワイヤ2は従来公知であり、先端部がわずかに湾曲するように形成されている。このガイドワイヤ2を例えば患者の大腿部の血管から挿入するとともにその先端を血栓等の形成されている患部まで到達させておけば、その後上記超音波診断装置3やローダブレーダ5を該ガイドワイヤ2に沿って血管を損傷させることなく患部に導くことができる。
上記チューブ11は可撓性を有するとともに患者の血管内に挿入可能な径で製造され、チューブ11内には上記ガイドワイヤ2または超音波アクチュエータ4が通過可能な挿通孔Hが形成されるとともに、患者の外部に位置する後端部には医療従事者の操作する操作部11aが設けられている。
また上記挿通孔Hは上記操作部11a近傍で2方向に分岐しており、分岐した一方の挿通孔Hには上記ガイドワイヤ2が挿入され、他方の挿通孔Hには上記超音波アクチュエータ4が挿入されるようになっている。
なお、上記操作部11aにより超音波診断用プローブ12を操作する構成および方法は従来公知であり、詳細な説明は省略する。
上記インナーチューブ16の内周面には上記チューブ11の挿通孔Hと相互に連続する挿通孔Hが形成され、上記ガイドワイヤ2および超音波アクチュエータ4をスムーズに通過可能としている。
上記センサ部14は略半球状の本体部17と、該本体部17の外周面に固定された複数の超音波振動子18とから構成され、隣接する超音波振動子18の間には所要のコーティング剤Cが充填され、センサ部14の表面は凹凸がないようにされている。
上記超音波振動子18として、本実施例では略方形のPZT圧電素子を使用しており、各超音波振動子18と上記信号処理部15とは図示しない配線によって電気的に接続されている。
そして超音波振動子18は信号処理部15の制御に基づいて超音波を照射するとともに反射した超音波を検出し、検出した超音波は上記信号処理部15が所要の電気信号に変換して上記監視手段13に送信するようになっている。
そして監視手段13では信号処理部15より受信した電気信号に基づいて血管内部の画像を作成し、これをモニタ等に表示するようになっている。
なお、信号処理部15と監視手段13との間では、所要の信号処理を行った後に送受信を行うようになっており、このため省配線化をすることができ、信号処理部15と監視手段13との間にはチューブ11の内部に図示しない数本の配線が設けられている。
そしてこれら球面部17a、円周面部17b、内側取付部17cの表面には所定の間隔で上記超音波振動子18が設けられており、このため上記本体部17の外周面の略全域に超音波振動子18が設けられている。
上記円周面部17bには円周方向に向けて2列に超音波振動子18が設けられており、これら2列の超音波振動子18は半ピッチずつずらした状態で設けられている。このように半ピッチずらして超音波振動子18を配置することで、血管の内壁の状態をより高精度に診断することができる。
この内側取付部17cの傾斜角はインナーチューブ16の挿通孔Hの径や超音波振動子18による超音波の照射方向等によって任意に変更することができ、例えば挿通孔の径を0.4mmとした場合、内側取付部17cを中心軸に直交する面に対して15°程度傾斜させた。
そしてこの内側取付部17cには挿通孔Hを囲繞するように複数の超音波振動子18が取り付けられており、このため各超音波振動子18からは挿通孔Hの中心軸の方向から内側に向けて超音波が照射されるようになっている。
このような構成により、上記球面部17aおよび円周面部17bに設けられた超音波振動子18によって超音波診断用プローブ12の前方から側面に位置する血管の状態を精度良く診断することができる。
さらに、上記内側取付部17cに設けられた超音波振動子18によって超音波を挿通孔Hの前方に照射することができので、超音波振動子18の設けられていない挿通孔Hの前方の血管の状態についても精度良く診断することができる。
またこの超音波アクチュエータ4は超音波診断装置3の監視手段13に接続されており、例えば、石灰化により完全に血管が閉塞されている部位に接触させた状態で超音波を照射すれば、当該石灰化した部位を破砕して貫通孔を形成することができるようになっている。
ちなみに、この超音波アクチュエータ4によって形成される貫通孔の径は、上記ガイドワイヤ2が通過可能な径となっている。
そしてチューブ5aおよびブラシ状部5bの中央には上記ガイドワイヤ2の通過可能な挿通孔Hが形成されている。
上記ブラシ状部5bは回転駆動部5cによって挿通孔Hを中心に回転するようになっており、回転により血管壁から血栓等を除去するようになっている。
図3(a)は上記ガイドワイヤ2を患者の血管Bに挿入して、該ガイドワイヤ2の先端が血管B内にできた血栓Tに当接した状態を示している。
ガイドワイヤ2を用いることで、血管に湾曲部があったとしてもこれを通過することができ、血管を傷つけることなくガイドワイヤ2の先端を血栓Tに到達させることができる。
一方、血栓Tに石灰化部がある場合、上記ガイドワイヤ2では当該石灰化部を貫通することができず、本図ではガイドワイヤ2が石灰化部に当接してこれ以上挿入できない状態を示している。
この状態とするには、上記ガイドワイヤ2の後端を上記超音波診断用プローブ12の挿通孔Hに挿入させ、その後ガイドワイヤ2に沿って超音波診断装置3を前進させればよい。
このように、予めガイドワイヤ2を血栓Tの位置まで挿入することで、容易に超音波診断用プローブ12の先端を血栓Tの位置まで導くことができ、また血管Tの湾曲している部分を超音波診断用プローブ12が通過する際の血管の損傷を防止することができる。
この状態とするには、まずガイドワイヤ2を超音波診断用プローブ12に対して若干後退させる。これにより、上記内側取付部17cに固定された超音波振動子18から照射される超音波がガイドワイヤ2に反射してしまうのを防止する。
続いて、上記監視手段13が所要の電気信号を上記超音波診断用プローブ12の信号処理部15に送信し、この信号を受信した信号処理部15はセンサ部14の各超音波振動子18より超音波を発振させる。
超音波振動子18は本体部17の外周面からそれぞれ超音波を照射するとともに、血管Bの内壁や血栓T等で反射した超音波を検出し、各超音波振動子18が検出した超音波は信号処理部15によって所要の電気信号に変換される。
変換された電気信号は信号処理部15によって上記監視手段13に送信され、監視手段13ではこの電気信号に基づいて所要の画像変換を行い、血管B内部の画像をモニタに表示させる。
ここで、本体部17の内側取付部17cに固定された超音波振動子18からは超音波が挿通孔Hの中心軸に向けて照射されるため、挿通孔Hの前方に位置する血栓Tに超音波を照射することができ、またこの血栓Tで反射した超音波を検出することができる。
その結果、上記監視手段13のモニタには超音波振動子18の設けられていない挿通孔Hの前方についての画像も表示されることとなり、血管Bが血栓Tによって完全に閉鎖されている状態を精度良く診断することができる。
このとき、図3(c)の状態からガイドワイヤ2の先端を超音波診断装置3における挿通孔Hの分岐通路まで後退させ(図1参照)、代わりに超音波アクチュエータ4を分岐通路の他方の通路より挿通孔Hに挿入するようになっている。
また、超音波診断用プローブ12は血管Bのほぼ中央に位置しているので、挿通孔Hに挿入された超音波アクチュエータ4の先端を血栓Tの中心に位置させることができる。
このとき、超音波アクチュエータ4の先端を血栓Tの石灰化部に接触させ、この状態で超音波を付与することで、該石灰化部に貫通孔を形成するようになっている。
血栓Tの石灰化部を貫通すると、超音波アクチュエータ4は石灰化していない部分に到達するが、この部分は上記ガイドワイヤ2によっても貫通することができるので、石灰化部貫通後は超音波アクチュエータ4を後退させることができる。
このとき、最初に上記超音波アクチュエータ4を超音波診断装置3の挿通孔Hより引き抜くとともに、超音波アクチュエータ4に代えてガイドワイヤ2を挿通孔Hに沿って前進させ、ガイドワイヤ2の先端を血栓Tの位置まで導く。
また、上記ガイドワイヤ2の先端を血栓Tに形成した貫通孔を超えるように挿入するとともに、ガイドワイヤ2の先端が所要の位置まで挿入されたら、一旦超音波診断用プローブ12を後退させて超音波診断装置3を血管Bより取り除く。
このとき、ガイドワイヤ2の後端をローダブレーダ5の挿通孔Hに挿入し、その後ガイドワイヤ2に沿ってローダブレーダ5を前進させればよく、また超音波アクチュエータ4によって血栓Tの中央に貫通孔を形成してあるため、ブラシ状部5bの先端が血栓Tの中央に当接することとなる。
その後、回転駆動部5cによりブラシ状部5bを回転させて、血管Bの内壁に付着した血栓Tを除去する。このとき、ガイドワイヤ2が血栓Tの中央に穿設された貫通孔に挿入されているので、このガイドワイヤ2に沿ってブラシ状部5bを前進させれば血管の損傷を抑えることができる。
そして血管Bより血栓Tの除去が完了したら、ガイドワイヤ2を残してローダブレーダ5だけを血管Bより引き抜く。
このとき、血管B内に残したガイドワイヤ2に沿って再度超音波診断装置3を挿入し、超音波診断用プローブ12を血栓Tのあった位置に位置させ、図3(c)の時と同様、ガイドワイヤ2の先端を超音波診断用プローブ12よりも後退させる。
その後、超音波診断用プローブ12より超音波を照射し、血管Bの内壁の状態を診断する。
この場合、超音波診断用プローブ12が血栓Tの位置まで到達したら、超音波診断用プローブ12を挿通孔Hを中心に回転させることで、超音波振動子18が血管の内壁に沿って回転するようになり、上記実施例と同様の血管内部の画像を得ることができる。
3 超音波診断装置 4 超音波アクチュエータ
5 ローダブレーダ 12 超音波診断用プローブ
17 本体部 17a 球面部
17c 内側取付部 18 超音波振動子
H 挿通孔
Claims (4)
- 中央にワイヤの通過可能な挿通孔の形成された本体部と、本体部の外周面に設けられた複数の超音波振動子とを備えた超音波診断用プローブにおいて、
本体部の外周面に前面から側面にかけて複数の超音波振動子を設け、かつ、少なくとも一つの超音波振動子を挿通孔の中心軸に向けて超音波を照射するように設けたことを特徴とする超音波診断用プローブ。 - 上記本体部の外周面は、先端に向けて縮径する略球面状の球面部と、上記挿通孔と上記球面部との間に設けられた内側取付部とから構成され、上記内側取付部は挿通孔の中心軸に向けて傾斜して設けられ、この内側取付部に超音波振動子を設けることにより挿通孔の中心軸に向けて超音波を照射させることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断用プローブ。
- 超音波振動子を本体部における外周面の略全面に設けて、複数の超音波振動子が挿通孔の中心軸に向けて超音波を照射することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の超音波診断用プローブ。
- 超音波振動子を本体部における外周面の前面から側面にかけて1列に整列した状態で設け、使用時には本体部を回転させることで各超音波振動子が挿通孔中心軸を中心に回転するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の超音波診断用プローブ。
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