JP2007215672A - 超音波診断装置及び治療支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 治療対象部位の焼灼治療に好適なRFA穿刺針を選択する。
【解決手段】 超音波診断装置100の超音波プローブ3、送受信部2、受信信号処理部4及びボリュームデータ記憶部5は、治療対象部位を3次元走査してボリュームデータを生成し、画像データ生成部6は、このボリュームデータを用いて3次元画像データを生成する。一方、装置の操作者は、RFA穿刺針150を暫定的に選択し、その識別情報を入力部13に入力する。次いで、エリアデータ生成部10は、前記識別情報に対応して予め設定されたRFA穿刺針150の展開径を穿刺データベース9から読み出し、この展開径に基づく展開針エリアが形成されたエリアデータを生成する。そして、データ合成部11は、3次元画像データにエリアデータの展開針エリアを重畳して表示部12に表示する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超音波診断装置及び治療支援装置に係り、特に、画像データを用いて患者の治療対象部位に対する治療計画あるいは治療を行なう際に用いられる超音波診断装置及び治療支援装置に関する。
超音波診断装置は、複数の超音波振動子が配列された超音波プローブを用いて患者体内の複数方向に対し超音波送受信を行ない、このとき得られた反射波に基づいて生成した超音波画像データをモニタ上に表示するものであり、超音波プローブを体表に接触させるだけの簡単な操作で体内の2次元画像や3次元画像をリアルタイムで観測することができるため各種臓器の形態診断や機能診断に広く用いられている。
又、リアルタイム表示される超音波画像データの観測下にてカテーテルや穿刺針等を用いた侵襲的な検査方法や治療方法も開発され、例えば、検査/治療部位に対する薬物の投与や細胞/組織の摘出を目的とした穿刺を2次元画像データあるいは3次元画像データの観測下にて行なうことにより検査や治療における安全性と効率を飛躍的に向上させることができる。
更に、近年では、病巣部(以下では、治療対象部位と呼ぶ。)に穿刺針を挿入し、この穿刺針の先端部より放射されるマイクロ波やラジオ波により前記治療対象部位を焼灼治療する方法も行なわれ、特にラジオ波を照射して治療対象部位を凝固させる、所謂、ラジオ波焼灼療法(RFA:Radio Frequency Ablation)は、局所的な焼灼領域を簡便かつ確実に制御することが可能なため肝腫瘍等の治療法として不可欠なものになりつつある。
超音波画像データの観測下で治療対象部位に対する穿刺を行なう場合、穿刺針は超音波プローブと一体化して設けられた穿刺用アダプタに取り付けられ、治療対象部位と共に表示される穿刺針の超音波画像データによって治療対象部位に対する穿刺針先端位置を確認しながら穿刺針の刺入が行われる。
更に、穿刺針と超音波プローブに設けられた位置検出器によって得られる各々の位置情報に基づいて穿刺針の挿入位置や挿入方向を示す穿刺針データを生成し、上述の治療対象部位及び穿刺針の超音波画像データに重畳して表示することにより更に正確な穿刺針の刺入を可能とする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−58584号公報
通常の穿刺針(即ち、展開針を有さない穿刺針)を用いた検査あるいは治療に対しては、上述の特許文献1の方法を適用することにより治療対象部位に対して穿刺針の先端部を正確に刺入することが可能となるため安全な検査や治療を行なうことができる。
一方、ラジオ波焼灼療法に使用されるRFA穿刺針は、広範囲な治療対象部位を確実に焼灼するために、例えば、2cm乃至3cmの展開径を有した複数本の展開針を備えており、この展開針を治療対象部位にて展開し焼灼治療を行なう際、周囲の正常組織や血管に与える損傷を極力排除する必要がある。
しかしながら、RFA穿刺針の先端位置や挿入方向の情報のみが治療対象部位の超音波画像データに重畳して表示される従来の方法では展開針の展開径や展開針エリアに関する情報が示されていないため、操作者は、RFA穿刺針の先端位置を中心とした所定サイズの展開径や展開針エリアを想定しながら焼灼治療を行なう必要があった。このため、治療対象部位に対する焼灼範囲の設定が不正確となり、焼灼治療における安全性の確保が困難であるのみならず治療効率を低下させるという問題点を有していた。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、患者の治療対象部位に対してラジオ波焼灼療法を適用する際、使用するRFA穿刺針の展開針エリアに関する情報を治療対象部位の画像データに重畳表示することにより治療対象部位に好適なRFA穿刺針の選択あるいは確認を可能とする超音波診断装置及び治療支援装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明の超音波診断装置は、RFA穿刺針が刺入された患者に対して超音波を送受信する超音波振動子を有した超音波プローブと、前記超音波振動子を駆動して超音波の送信を行なう送信手段と、前記超音波の送受信によって得られた前記患者からの反射信号を受信する受信手段と、前記受信手段によって得られた受信信号に基づいて2次元あるいは3次元の画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データにおける前記RFA穿刺針の先端位置を検出する先端位置検出手段と、前記RFA穿刺針における展開針の展開径と前記先端位置の情報に基づいて前記RFA穿刺針の展開針エリアが設定されたエリアデータを生成するエリアデータ生成手段と、前記エリアデータが重畳された前記画像データを表示する表示手段を備えたことを特徴としている。
又、請求項13に係る本発明の治療支援装置は、画像診断装置によって収集された当該患者の画像データを保管する画像データ記憶手段と、前記患者の焼灼治療に用いるRFA穿刺針の穿刺針識別情報を入力する識別情報入力手段と、前記RFA穿刺針の展開径に関する情報が穿刺針識別情報に対応して予め保管されている穿刺データベースと、前記識別情報入力手段が入力した前記穿刺針識別情報に対応する前記展開径に基づいて前記RFA穿刺針の展開針エリアが設定されたエリアデータを生成するエリアデータ生成手段と、前記画像データに前記エリアデータを重畳して表示する表示手段を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、ラジオ波焼灼療法に使用するRFA穿刺針の展開針エリアに関する情報を治療対象部位の画像データに重畳表示することにより治療対象部位に好適なRFA穿刺針の選択あるいは確認を行なうことが可能となる。このため、治療対象部位に対する焼灼治療を安全かつ効率よく行なうことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
以下に述べる本発明の第1の実施例では、患者の治療対象部位に対し超音波画像データ(以下では、画像データと呼ぶ。)の観測下にてRFA焼灼療法を適用する際、先ず、使用するRFA穿刺針の展開径に基づく展開針エリアを当該患者から得られた画像データに重畳表示することにより治療対象部位の焼灼治療に好適な展開径を有するRFA穿刺針を選択する。
次いで、選択したRFA穿刺針を画像データの観察下にて治療対象部位に刺入し、画像データ上のRFA穿刺針の先端位置を基準として前記展開径に基づく展開針エリア及び焼灼エリアを前記画像データに重畳表示することにより、このRFA穿刺針を用いた焼灼治療の是非を判定する。そして、RFA穿刺針の展開針が治療対象部位の周囲に位置する正常組織や血管に与える損傷の程度が許容範囲にあり、しかも治療対象部位に対して効果的な焼灼治療が可能であると判定した場合には、前記展開針に交流電流を供給して焼灼治療を行なう。
尚、以下に述べる本発明の第1の実施例では、超音波振動子が2次元配列された所謂2次元アレイ超音波プローブを用いて得られた3次元画像データに対してRFA穿刺針の展開針エリア等を重畳表示する場合について述べるが、これに限定されるものではなく、例えば、複数の超音波振動子が1次元配列された超音波プローブを用いて得られた2次元画像データであってもよく、又、この超音波プローブを機械的に移動あるいは回動して得られた3次元画像データであってもよい。
又、上述の画像データとしてBモード画像データについて述べるがカラードプラ画像データ等の他の画像データであっても構わない。
(装置の構成)
本実施例における超音波診断装置の構成につき図1乃至図6を用いて説明する。尚、図1は、超音波診断装置の全体構成を示すブロック図であり、図2は、この超音波診断装置が備えた送受信部及び受信信号処理部のブロック図を示す。
図1に示した本実施例の超音波診断装置100は、RFA穿刺針の挿入前あるいは挿入中における患者体内の3次元領域に対し超音波パルス(送信超音波)を送信し、この送信によって得られた超音波反射波(受信超音波)を電気信号(受信信号)に変換する複数個の超音波振動子を備えた超音波プローブ3と、前記患者の所定方向に対し超音波パルスを送信するための駆動信号を前記超音波振動子に供給し、この超音波振動子から得られた複数チャンネルの受信信号を整相加算する送受信部2と、整相加算後の受信信号を信号処理してBモードデータを生成する受信信号処理部4と、超音波の送受信方向単位で得られたBモードデータを順次保存してボリュームデータを生成するボリュームデータ記憶部5と、このボリュームデータをレンダリング処理して3次元画像データを生成する画像データ生成部6を備えている。
又、超音波診断装置100は、超音波プローブ3に装着され、RFA穿刺針150をその刺入方向に対しスライド可能に保持する穿刺用アダプタ7と、RFA穿刺針150の穿刺針識別情報に対応し、このRFA穿刺針150を構成する展開針の展開径等の情報が予め保管されている穿刺データベース9と、穿刺データベース9から読み出された展開径データに基づく展開針エリア等を設定してエリアデータを生成するエリアデータ生成部10と、上述の3次元画像データとエリアデータを合成して3次元的な治療支援データを生成するデータ合成部11と、生成された治療支援データを表示用治療支援データに変換してモニタに表示する表示部12と、患者情報や穿刺針識別情報等の入力を行なう入力部13と、上述の各ユニットを統括的に制御するシステム制御部14を備えている。
超音波プローブ3は、2次元配列されたN個(N=N1×N2)の図示しない超音波振動子をその先端部に有し、この先端部を患者の体表に接触させて超音波の送受信を行なう。又、超音波プローブ3の超音波振動子の各々は、図示しないNチャンネルの多芯ケーブルを介して送受信部2に接続されている。超音波振動子は電気音響変換素子であり、送信時には電気パルス(駆動信号)を超音波パルス(送信超音波)に変換し、又、受信時には超音波反射波(受信超音波)を電気的な受信信号に変換する機能を有している。
この超音波プローブ3には、セクタ走査対応、リニア走査対応、コンベックス走査対応等があり、操作者は診断部位に応じて任意に選択することが可能であるが、本実施例では、N本の超音波振動子が2次元配列されているセクタ走査用の超音波プローブ3を用いた場合について述べる。
次に、図2に示す送受信部2は、超音波プローブ3の超音波振動子に対して駆動信号を供給する送信部21と、超音波振動子から得られたNチャンネルの受信信号に対して整相加算を行なう受信部22を備えている。
そして、送信部21は、レートパルス発生器211と、送信遅延回路212と、駆動回路213を備え、レートパルス発生器211は、送信超音波の繰り返し周期を決定するレートパルスを生成して送信遅延回路212に供給する。送信遅延回路212は、送信に使用される超音波振動子と同数のNチャンネルの独立な遅延回路から構成され、送信超音波を所定の深さに集束するための集束用遅延時間と、送信超音波を所定の方向に送信するための偏向用遅延時間を上記レートパルスに与え、このレートパルスを駆動回路213に供給する。そして、駆動回路213は、送信遅延回路212と同数のNチャンネルの独立な駆動回路を有しており、超音波プローブ3に内蔵されたN個の超音波振動子を駆動し、患者体内に送信超音波を放射する。
一方、受信部22は、Nチャンネルから構成されるA/D変換器221及び受信遅延回路222と、加算器223を備えており、超音波振動子から供給されたNチャンネルの受信信号は、A/D変換器221にてデジタル信号に変換され、受信遅延回路222に送られる。受信遅延回路222は、所定の深さからの受信超音波を集束するための集束用遅延時間と、所定方向に対して受信指向性を設定するための偏向用遅延時間をA/D変換器221から出力されるNチャンネルの受信信号の各々に与え、加算器223は、これら受信遅延回路222からの受信信号を加算する。即ち、受信遅延回路222と加算器223により、所定方向から得られた受信信号は整相加算される。
次に、受信信号処理部4は、包絡線検波器411と対数変換器412を備え、包絡線検波器411は、受信部22の加算器223から供給された整相加算後の受信信号を包絡線検波し、この包絡線検波信号は対数変換器412においてその振幅が対数変換されてBモードデータが生成される。尚、包絡線検波器411と対数変換器412は順序を入れ替えて構成してもよい。
図1に戻って、ボリュームデータ記憶部5は、当該患者に対する超音波の3次元走査によって得られた所定送受信方向からのBモードデータを保存するための記憶回路を備え、受信信号処理部4において得られたBモードデータはボリュームデータ記憶部5に送受信方向単位で順次保存されてボリュームデータ(Bモードボリュームデータ)が生成される。
又、画像データ生成部6は、図示しない不透明度・色調設定部と、レンダリング処理部を備えている。前記不透明度・色調設定部は、ボリュームデータ記憶部5に一旦保存された当該患者のボリュームデータを読み出し、これらのボリュームデータの各画素値(ボクセル値)に基づいて不透明度や色調を設定する。一方、前記レンダリング処理部は、前記不透明度・色調設定部が設定した不透明度や色調の情報に基づいて上述のボリュームデータを処理し、ボリュームレンダリング画像データ等の3次元画像データ(Bモード3次元画像データ)を生成する。
次に、穿刺用アダプタ7は、例えば、超音波プローブ3の壁面に装着され、超音波プローブ3の中心軸Zoに対し所定のスリット角度ξoだけ傾斜した図示しないスリットを有している。そして、スリット内にRFA穿刺針150がスライド可能に取り付けられ、このスリットに沿って治療対象部位あるいはその近傍に刺入されたRFA用穿刺針150の先端部は表示部12において治療対象部位と共に表示される。即ち、RFA穿刺針の刺入方向は上述のスリット角度ξoによって一義的に決定される。
超音波診断装置100は、異なるスリット角度を有した複数の穿刺用アダプタを備え、操作者は、これらの穿刺用アダプタの中から当該患者の治療対象部位に対し好適な角度でRFA穿刺針150の刺入を可能とする穿刺用アダプタ7を選択する。尚、この穿刺用アダプタ7の具体的な選択方法については後述する。
次に、穿刺用アダプタ7に取り付けられたRFA穿刺針150につき図3を用いて説明する。尚、図3(a)は、後述する展開針152が展開する前のRFA穿刺針150を、又、図3(b)は、展開針152が展開したRFA穿刺針150を示している。即ち、RFA穿刺針150は、当該患者の治療対象部位に対して経皮的に刺入される中空構造を有した針状のハンドピース151と、このハンドピース151の中央部に収納された状態で治療対象部位に挿入され、その先端部から前記治療対象部位を取り囲むように展開される複数本の展開針152と、展開針152の各々に接続され、図示しないRFA治療装置の駆動回路から所定周波数(例えば、500KHz)の交流電流を供給するリード線153を備えている。そして、上述の交流電流によって駆動された展開針152は、その先端部から同一周波数のラジオ波を照射し治療対象部位に対して焼灼治療を行なう。
例えば、患者体内に刺入されたハンドピース151の先端部が治療対象部位の後方に到達した時点で、このハンドピース151から展開針152が押し出されて治療対象部の周囲に配置(展開)される。この場合、展開針152は、図3(b)に示すように展開径D(例えば、2cm乃至3cm)を直径とする球面110に沿って展開され、ラジオ波焼灼療法では、展開径の異なる複数のRFA穿刺針の中から治療対象部位に対し好適な展開径を有するRFA穿刺針150が選択される。尚、図3では4本の展開針152を有したRFA穿刺針150を示したが、通常のラジオ波焼灼療法では8本乃至10本の展開針を有したRFA穿刺針が用いられる。
一方、図1の穿刺データベース9には、各種RFA穿刺針の標準的な展開径(標準展開径)及びこの標準展開径に基づいて設定された焼灼領域の直径(標準焼灼径)に関する情報が前記RFA穿刺針の穿刺針識別情報に対応して予め保存されている。
又、上述の標準展開径の代わりに、操作者が所定のマージンを加味して設定した展開径(設定展開径)を用いる場合、穿刺データベース9には、設定展開径及びこの設定展開径に基づく焼灼径(設定焼灼径)に関する情報が穿刺針識別情報及び操作者識別情報に対応して保管されている。
更に、穿刺データベース9には、各種穿刺用アダプタのスリット角度に基づくニードルガイド傾斜角度に関する情報が穿刺用アダプタ7のアダプタ識別情報に対応して保存されている。
次に、エリアデータ生成部10は、3次元記憶回路を備え、入力部13からシステム制御部14を介して供給されたRFA穿刺針150の穿刺針識別情報及び穿刺用アダプタ7のアダプタ識別情報と穿刺針先端部の位置座標情報を受信し、次いで、穿刺針識別情報に対応した標準展開径及び標準焼灼径の情報とアダプタ識別情報に対応したニードルガイド傾斜角度の情報を読み出す。そして、穿刺針先端部の位置座標情報と標準展開径及び標準焼灼径の各データに基づいて展開針エリア及び焼灼エリアを設定し3次元のエリアデータを生成する。
尚、エリアデータ生成部10は、上述の標準展開径及び標準焼灼径の代わりに設定展開径及び設定焼灼径を用いてエリアデータを生成してもよい。
図4は、エリアデータ生成部10によって生成されたエリアデータの具体例を示したものであり、エリアデータ生成部10に設けられた3次元記憶回路には、先ず、入力部13から供給されたRFA穿刺針150の穿刺針先端部(即ち、ハンドピース151の先端部)の位置座標情報に対応する基準点Pが所定の傾斜角度ξoを有したニードルガイド105のデータ上に設定され、次いで穿刺データベース9から読み出された標準展開径De及び標準焼灼径Daを直径とし、前記基準点Pから所定距離Dxだけ離れた点Qを中心とする球面111及び112で囲まれた領域が展開針エリア及び焼灼エリアとして設定される。
尚、上述の距離Dxは、選択されたRFA穿刺針150によって一義的に決定される。従って、この距離Dxの情報も上述の標準展開径Deや標準焼灼径Daの情報と同様に穿刺針識別情報に対応させて穿刺データベース9に予め保管されていることが望ましい。
再び図1に戻って、データ合成部11は、図示しない演算回路と記憶回路を備え、前記演算回路は、画像データ生成部6から供給された当該患者の3次元画像データとエリアデータ生成部10から供給されたエリアデータを合成して3次元的な治療支援データを生成し、前記記憶回路に保存する。
一方、表示部12は、図示しない表示データ生成回路と変換回路とモニタを備え、前記表示データ生成回路は、データ合成部11の記憶回路に保存されている上述の治療支援データを読み出し、予め設定された視線方向の情報に基づきこの視線方向から観察される3次元データを生成する。
更に、前記表示データ生成回路は、上述の治療支援データの画素の中から展開針エリア及び焼灼エリアの中心Q(図4参照)を含み互いに直交する2つの断面における各画素を抽出して2つの2次元データを生成する。そして、3次元データと2つの2次元データを合成し、更に患者情報等の付帯情報を付加して表示用治療支援データを生成する。一方、前記変換回路は、表示データ生成回路が生成した表示用治療支援データに対してD/A変換とテレビフォーマット変換を行なって前記モニタに表示する。
図5は、表示部12のモニタに表示された表示用治療支援データの具体例を示したものであり、この表示用治療支援データは、3次元データが表示される3次元データ表示領域Rp−1と、互いに直交する2つの2次元データが表示される2次元データ表示領域Rp―2及びRp−3と、患者情報等の付帯情報が表示される付帯情報表示領域Rd等によって構成されている。そして、前記3次元データ表示領域Rp−1には、所定の視線方向から観察される治療対象部位の3次元画像データとエリアデータが重畳された3次元データが表示され、2次元データ表示領域Rp−2及びRp−3には、互いに直交する2つの断面における2次元画像データとエリアデータが重畳された2次元データが表示される。
尚、図中の実線106は、RFA穿刺針150のハンドピース151を、又、破線105は、RFA穿刺針150の挿入方向を示すニードルガイドを示しており、これらのデータは、入力部13から供給されるアダプタ識別情報に基づいたニードルガイド傾斜角度や穿刺針先端部位置座標の情報によって生成することができる。
次に、図1に示した入力部13は、操作パネル上に液晶表示パネルやキーボード、トラックボール、マウス等の入力デバイスを備え、患者情報の入力、穿刺針識別情報やアダプタ識別情報の入力、3次元画像データにおける穿刺針先端位置の指定、RFA穿刺針150の展開径あるいは焼灼径の更新、エリアデータ表示/非表示の切り替え、画像データ収集モードの選択、画像データの収集条件や表示条件の設定、更には、各種コマンド信号の入力等を行なう。
そして、システム制御部14は、図示しないCPUと記憶回路を備え、入力部13から供給された各種コマンド信号や制御信号に基づいて、上記各ユニットの制御や装置全体の制御を統括して行なう。特に、図2に示した送信部21の送信遅延回路122及び受信部22の受信遅延回路132における遅延時間を制御し、当該患者に対して3次元超音波走査を行なう。図6に、超音波プローブ3の中心軸をZo軸とした直交座標(Xo−Yo−Zo)に対する送受信方向(θp、φq)の関係を示す。この場合、超音波振動子はXo軸方向及びYo軸方向に配列され、θp及びφqは、Xo−Zo平面及びYo−Zo平面に投影された送受信方向を示している。
(RFA穿刺針の選択手順)
次に、本実施例におけるRFA穿刺針150の選択手順につき図7のフローチャートを用いて説明する。
当該患者に対する画像データの収集に先立ち、超音波診断装置100の操作者は入力部13において患者情報を入力し、更に、画像データの収集モード及び表示方法の選択や画像データ収集条件の設定等を行なう。本実施例では、画像データ収集モードとして「3次元Bモード法」を選択し、画像データ表示方法として「ボリュームレンダリング画像表示」を選択するがこれらに限定されるものではない。そして、入力部13における上述の入力情報、選択情報及び設定情報は、システム制御部14の記憶回路に保存される(図7のステップS1)。
上述の初期設定が終了したならば、操作者は、好適と思われる穿刺用アダプタ7とRFA穿刺針150を暫定的に選択し、夫々の識別情報を入力部13にて入力する。(図7のステップS2)。
次いで、超音波プローブ3を当該患者の体表に接触させた状態で入力部13より画像データの収集開始コマンドを入力し(図7のステップS3)、入力されたコマンド信号がシステム制御部14に供給されることにより、画像データの収集が開始される。
画像データの収集に際し、図2に示した送信部21のレートパルス発生器211は、システム制御部14からの制御信号に従ってレートパルスを生成し送信遅延回路212に供給する。送信遅延回路212は、送信において細いビーム幅を得るために所定の深さに超音波を集束するための遅延時間と、最初の送受信方向(θ1、φ1)に超音波を送信するための遅延時間を前記レートパルスに与え、このレートパルスをNチャンネルの駆動回路213に供給する。次いで、駆動回路213は、送信遅延回路212から供給されたレートパルスに基づき所定の遅延時間を有した駆動信号を生成し、この駆動信号を超音波プローブ3におけるN個の超音波振動子に供給して患者体内に送信超音波を放射する。
放射された送信超音波の一部は、音響インピーダンスの異なる臓器境界面や組織にて反射し、前記超音波振動子によって受信されてNチャンネルの電気的な受信信号に変換される。次いで、この受信信号は、受信部22のA/D変換器221においてデジタル信号に変換された後、Nチャンネルの受信遅延回路222において所定の深さからの受信超音波を収束するための遅延時間と送受信方向(θ1、φ1)からの受信超音波に対し強い受信指向性を設定するための遅延時間が与えられ、加算器223にて整相加算される。
そして、整相加算後の受信信号が供給された受信信号処理部4の包絡線検波器411及び対数変換器412は、この受信信号に対して包絡線検波と対数変換を行なってBモードデータを生成し、ボリュームデータ記憶部5に保存する。
送受信方向(θ1、φ1)に対するBモードデータの生成と保存が終了したならば、超音波の送受信方向がφ方向にΔφずつ更新されたφq=φ1+(q−1)Δφ(q=2乃至Q)によって設定される送受信方向(θ1、φ2乃至φQ)に対して同様の手順で超音波の送受信を行なう。このとき、システム制御部14は、その制御信号によって送信遅延回路212及び受信遅延回路222の遅延時間を超音波送受信方向に対応させて更新する。
上述の手順によって送受信方向(θ1、φ1乃至φQ)に対する超音波送受信が終了したならば、送受信方向がθ方向にΔθずつ更新されたθp=θ1+(p−1)Δθ(p=2乃至P)を設定し、送受信方向θ2乃至θPの各々に対して上述のφ1乃至φQの超音波送受信を繰り返すことによって3次元走査が行なわれる。そして、各々の送受信方向に対する超音波送受信によって得られたBモードデータは送受信方向に対応してボリュームデータ記憶部5に保存されボリュームデータが生成される(図7のステップS4)。
次いで、画像データ生成部6のレンダリング処理部は、ボリュームデータ記憶部5に保存されているボリュームデータを読み出し、このボリュームデータの画素値に基づいて不透明度・色調設定部が設定した不透明度や色調の情報により前記ボリュームデータをレンダリング処理し3次元画像データ(ボリュームレンダリング画像データ)を生成する(図7のステップS5)。
一方、システム制御部14は、自己の記憶回路に保存されている穿刺用アダプタ7のアダプタ識別情報及びRFA穿刺針150の穿刺針識別情報をエリアデータ生成部10に供給し、エリアデータ生成部10は、アダプタ識別情報に対応したニードルガイド傾斜角度と穿刺針識別情報に対応した展開径の情報を穿刺データベース9から読み出す。
次いで、エリアデータ生成部10は、読み出したニードルガイド傾斜角度と展開経の情報に基づき自己の記憶回路の3次元領域においてニードルガイドを設定し、更に、このニードルガイド上の任意の位置に前記展開径を直径とする球状の展開針エリアを設定して3次元のエリアデータを生成する(図7のステップS6)。
一方、データ合成部11は、画像データ生成部6から供給された3次元画像データとエリアデータ生成部10から供給されたエリアデータを合成して3次元的な治療支援データを生成し(図7のステップS7)、表示部12は、この治療支援データに基づいて表示用治療支援データを生成して自己のモニタに表示する(図7のステップS8)。
次に、エリアデータが重畳表示された当該治療対象部位の3次元画像データを表示用治療支援データとして表示部12にて観察した操作者は、エリアデータにおける展開針エリアを入力部13の入力デバイスを用いてニードルガイド上の所望位置(即ち、治療対象部位の焼灼に好適な位置)に設定(移動)し(図7のステップS9)、上述のステップS2において暫定的に選択したRFA穿刺針150の展開針が治療対象部位の周囲に位置した正常組織や血管等に与える損傷の程度を判定する(図7のステップS10)。
そして、展開針が許容できない損傷を与える可能性があると判定した場合、上述のRFA穿刺針150あるいは穿刺用アダプタ7を別途備えられたRFA穿刺針あるいは穿刺用アダプタに変更すると共に変更後のRFA穿刺針あるいは穿刺用アダプタの識別情報を入力部13にて入力し(図7のステップS11)、上述のステップS4乃至ステップS10を繰り返す。
一方、ステップS2において選択したRFA穿刺針150及び穿刺用アダプタ7あるいはステップS11において更新したRFA用展開針及び穿刺用アダプタにおける前記展開針が正常組織等に与える損傷の程度が許容レベルにあると判定した場合、これらのRFA穿刺針150及び穿刺用アダプタ7を実際の焼灼治療に使用するRFA穿刺針及び穿刺用アダプタとして選択する(図7のステップS12)。
以上述べたRFA穿刺針150及び穿刺用アダプタ7の選択では、入力部13より入力されるRFA穿刺針150及び穿刺用アダプタ7の識別情報に対応したニードルガイド傾斜角度と展開経の情報を読み出し、これらの情報に基づいて生成したエリアデータを略リアルタイムで生成される3次元画像データに重畳して表示することにより好適なRFA穿刺針150及び穿刺用アダプタ7の選択を実際のRFA穿刺針や穿刺用アダプタを用いることなく行なうことができる。
(RFA穿刺針による焼灼治療の手順)
次に、RFA穿刺針150を用いた焼灼治療の手順につき図8のフローチャートを用いて説明する。
操作者は、上述のステップS12において選択した穿刺用アダプタ7を超音波プローブ3に装着し、更に、この穿刺用アダプタ7に設けられたスリットに沿ってRFA穿刺針150をスライド可能に取り付ける(図8のステップS21)。そして、図7のステップS3乃至S5と同様の手順により治療対象部位に対する3次元画像データの生成と表示を行ないながらRFA穿刺針150を治療対象部位に向けて刺入する(図8のステップS22乃至S25)。
このとき、表示部12のモニタに表示される表示用治療支援データでは、治療対象部位に穿刺用アダプタ7のニードルガイドが重畳され、更に、RFA穿刺針150の先端部(即ち、ハンドピース151の先端部)から得られた超音波反射波に基づく穿刺針先端データがニードルガイド上に表示される。
そして、表示用治療支援データ上の前記穿刺針先端データが治療対象部位に対して好適な位置に到達したならば、操作者は、例えば、前記穿刺針先端データを入力部13の入力デバイスを用いて指定(クリック)することにより入力部13はその位置座標を検出する(図8のステップS26)。
次いで、検出された位置座標の情報を、システム制御部14を介して受信したエリアデータ生成部10は、既に穿刺データベース9から読み出されているRFA穿刺針150の展開経及び焼灼径の情報に基づき、前記穿刺針先端データの位置座標に対応したニードルガイド上の位置を基準点Pとした(図4参照)展開針エリア及び焼灼エリアを設定してエリアデータを生成する(図8のステップS27)。
一方、データ合成部11は、画像データ生成部6から供給された3次元画像データとエリアデータ生成部10から供給された上述のエリアデータを合成して3次元的な治療支援データを生成し(図8のステップS28)、表示部12は、この治療支援データに基づいて表示用治療支援データを生成して自己のモニタに表示する(図8のステップS29)。
次いで、当該治療対象部位にRFA穿刺針150の展開針エリア及び焼灼エリアが重畳された表示用治療支援データを表示部12にて観察した操作者は、展開針エリア及び焼灼エリアの位置や大きさが治療対象部位の焼灼治療において適当か否かを判定する(図8のステップS30)。
そして、上述の展開針エリアあるいは焼灼エリアの位置や大きさが不適当と判定した場合にはRFA穿刺針150の穿刺針先端部を所望位置に移動させた後上述のステップS26乃至S30を繰り返し、必要に応じてRFA穿刺針150や穿刺用アダプタ7の交換を行なう(図8のステップS31)。
一方、RFA穿刺針150の展開針エリア及び焼灼エリアの位置や大きさが適当と判定した場合には、RFA穿刺針150の展開針を治療対象部位の周囲に展開し、RFA治療装置の駆動回路から前記展開針に対して交流電流を供給することにより焼灼治療を行なう(図8のステップS32)。
(変形例)
次に、本実施例の変形例につき図9を用いて説明する。上述の実施例におけるRFA穿刺針150の先端位置座標は、図8のステップS26において述べたように、表示部12に表示される表示用治療支援データの穿刺針先端データを操作者が入力部13の入力デバイスを用いて指定(クリック)することによって検出されるが、本変形例では、RFA穿刺針150に備えられた後述の先端位置検出部により前記先端位置座標は自動的に検出される。
図9は、本変形例における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図であり、図1のブロック図に示したユニットと同様の機能を有するユニットは同一の符号を付加し詳細な説明を省略する。
即ち、図9に示した本変形例の超音波診断装置200は、RFA穿刺針150の挿入前あるいは挿入中における患者体内の3次元領域に対し超音波パルス(送信超音波)を送信し、この送信によって得られた超音波反射波(受信超音波)を電気信号(受信信号)に変換する複数個の超音波振動子を備えた超音波プローブ3と、前記患者の所定方向に対し超音波パルスを送信するための駆動信号を前記超音波振動子に供給し、この超音波振動子から得られた複数チャンネルの受信信号を整相加算する送受信部2と、整相加算後の受信信号を信号処理してBモードデータを生成する受信信号処理部4と、超音波の送受信方向単位で得られたBモードデータを順次保存してボリュームデータを生成するボリュームデータ記憶部5と、このボリュームデータをレンダリング処理して3次元画像データを生成する画像データ生成部6を備えている。
又、超音波診断装置200は、超音波プローブ3に装着され、RFA穿刺針150をその刺入方向に対しスライド可能に保持する穿刺用アダプタ7と、穿刺用アダプタ7に保持されたRFA穿刺針150の先端位置座標を検出する先端位置検出部16と、RFA穿刺針150の穿刺針識別情報に対応し、このRFA穿刺針150を構成する展開針の展開径等のデータが予め保管されている穿刺データベース9と、穿刺データベース9から読み出された展開径情報や先端位置検出部16から供給されたRFA穿刺針150の先端位置座標情報に基づく展開針エリア等を設定してエリアデータを生成するエリアデータ生成部10と、上述の3次元画像データとエリアデータを合成して3次元的な治療支援データを生成するデータ合成部11と、生成された治療支援データを表示用治療支援データに変換してモニタに表示する表示部12と、患者情報や穿刺針識別情報等の入力を行なう入力部13と、上述の各ユニットを統括的に制御するシステム制御部14を備えている。
先端位置検出部16は、例えば、刺入距離検出部161と先端位置座標算出部162を備えている。そして、刺入距離検出部161は、穿刺用アダプタ7のスリットをスライドして当該治療対象部位に刺入されたRFA穿刺針150の移動量に基づき、予め設定したスリット上の基準位置からの移動距離(即ち、刺入距離)を検出する。
一方、先端位置座標算出部162は、穿刺データベース9からシステム制御部14を介して供給される穿刺用アダプタ7のニードルガイド傾斜角度情報と刺入距離検出部161から供給されるRFA穿刺針150の刺入距離情報に基づいて治療対象部位に刺入されたRFA穿刺針150の先端位置座標を算出する。この場合、先端位置座標算出部162は、超音波プローブ3に対する相対的な位置座標を算出する。
次に、本変形例における焼灼治療の手順につき図8のフローチャートを再度用いて説明する。操作者は、穿刺用アダプタ7を超音波プローブ3に装着し、更に、この穿刺用アダプタ7に設けられたスリットに沿ってRFA穿刺針150をスライド可能に取り付ける(図8のステップS21)。そして、治療対象部位に対する3次元画像データの生成と表示を行ないながらRFA穿刺針150を治療対象部位に向けて刺入する(図8のステップS22乃至S25)。このとき、先端位置検出部16の刺入距離検出部161は、穿刺用アダプタ7のスリットをスライドして当該治療対象部位に刺入されたRFA穿刺針150の移動量を計測することにより基準位置からの刺入距離を検出する。
一方、システム制御部14は、入力部13にて入力された当該穿刺用アダプタ7のアダプタ識別情報に基づいて穿刺用アダプタ7のニードルガイド傾斜角度情報を穿刺データベース9から読み出し、先端位置検出部16の先端位置座標算出部162に供給する。そして、先端位置座標算出部162は、刺入距離検出部161が検出した刺入距離と穿刺データベース9からシステム制御部14を介して供給されたニードルガイド傾斜角度の情報に基づいてRFA穿刺針150の先端位置座標を算出し(図8のステップS26)、システム制御部14を介してエリアデータ生成部10に供給する。
先端位置検出部16からシステム制御部14を介してRFA穿刺針150の先端位置座標情報を受信したエリアデータ生成部10は、穿刺データベース9から読み出したRFA穿刺針150の展開経及び焼灼径のデータに基づき、前記先端位置座標に対応したニードルガイド上の位置を基準点Pとした展開針エリア及び焼灼エリアを設定してエリアデータを生成する(図8のステップS27)。
一方、データ合成部11は、画像データ生成部6から供給された3次元画像データとエリアデータ生成部10から供給された上述のエリアデータを合成して3次元的な治療支援データを生成し(図8のステップS28)、表示部12は、この治療支援データに基づいて表示用治療支援データを生成して自己のモニタに表示する(図8のステップS29)。
次いで、当該治療対象部位にRFA穿刺針150の展開針エリア及び焼灼エリアが重畳された表示用治療支援データを表示部12にて観察した操作者は、展開針エリア及び焼灼エリアの位置や大きさが治療対象部位の焼灼治療において適当か否かを判定する(図8のステップS30)。
そして、RFA穿刺針150の展開針エリア及び焼灼エリアの位置や大きさが適当と判定した場合には、RFA穿刺針150の展開針を治療対象部位の周囲に展開し、RFA治療装置の駆動回路から前記展開針に対して交流電流を供給することにより焼灼治療を行なう(図8のステップS32)。
以上述べた本発明の第1の実施例によれば、患者の治療対象部位に対してラジオ波焼灼療法を適用する際、使用するRFA穿刺針の展開針エリアに関する情報を治療対象部位の画像データに重畳表示することにより治療対象部位に好適なRFA穿刺針の選択あるいは確認を容易に行うことができる。即ち、治療対象部位に対する展開針の展開範囲や焼灼範囲を正確に把握することが可能となり、焼灼治療における安全性が確保されるのみならず治療効率を向上させることができる。
特に、上述の実施例では、RFA穿刺針による焼灼エリアも治療対象部位の画像データに重畳表示することが可能なため、正常組織に対する焼灼を低減することができる。
又、治療対象部位の3次元画像データに対し3次元的なエリアデータを重畳して表示しているため治療対象部位に対する展開針エリアや焼灼エリアの把握が容易となる。
更に、標準的な展開径や焼灼径の代わりに操作者がマージンを加味して設定した展開径や焼灼径に基づいて当該RFA穿刺針の展開針エリアや焼灼エリアを設定することができるため、焼灼治療の安全性を更に高めることが可能となる。
一方、上述の変形例によれば、第1の実施例と同様の効果を得ることができ、更に、RFA穿刺針の先端位置座標は先端位置検出部によって自動的に検出されるため、操作者の負担が軽減されるのみならず治療効率が大幅に改善される。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。上述の第1の実施例では、超音波診断装置100の送受信部2、超音波プローブ3、受信信号処理部4及びボリュームデータ記憶部5を用いてボリュームデータを生成し、このボリュームデータに基づいて生成した3次元画像データにRFA穿刺針のエリアデータを重畳表示することによって好適なRFA穿刺針あるいは穿刺用アダプタを選択する場合について述べたが、ネットワークを介して接続されている画像診断装置等から供給されたボリュームデータに基づいて3次元画像データを生成し、この3次元画像データにRFA穿刺針のエリアデータを重畳して表示することにより好適なRFA穿刺針あるいは穿刺用アダプタを選択してもよい。
即ち、以下に述べる本発明の第2の実施例では、別途設置された画像診断装置が生成したボリュームデータを収集し、このボリュームデータに基づいて生成した3次元画像データを用いて患者の治療対象部位に対するRFA焼灼の治療計画を策定する際、RFA穿刺針の展開径に基づく展開針エリアを前記3次元画像データに重畳表示することにより治療対象部位の焼灼治療に好適な展開径を有するRFA穿刺針を選択する。
尚、以下に述べる本発明の第2の実施例では、3次元画像データに対してRFA穿刺針の展開針エリア等を重畳表示する場合について述べるが、2次元画像データに対して重畳表示しても構わない。
(装置の構成)
本実施例における治療支援装置の全体構成につき図10のブロック図を用いて説明する。尚、図10において、図1に示したユニットと同一の機能を有するユニットは同一の符号を付加しその詳細な説明は省略する。
即ち、図10に示した治療支援装置300は、ネットワーク17等を介して画像診断装置400から供給された当該患者のボリュームデータが予め保管されているボリュームデータ記憶部5と、このボリュームデータをレンダリング処理して3次元画像データを生成する画像データ生成部6と、RFA穿刺針の穿刺針識別情報や穿刺用アダプタのアダプタ識別情報に対応し、RFA穿刺針を構成する展開針の展開径や穿刺用アダプタのニードルガイド傾斜角度の情報が予め保管されている穿刺データベース9を備え、更に、穿刺データベース9から読み出された展開径及びニードルガイド傾斜角度のデータに基づいて展開針エリアを設定してエリアデータを生成するエリアデータ生成部10と、上述の3次元画像データとエリアデータを合成して3次元的な治療支援データを生成するデータ合成部11と、生成された治療支援データを表示用治療支援データに変換してモニタに表示する表示部12と、患者情報や穿刺針識別情報等の入力を行なう入力部13と、上述の各ユニットを統括的に制御するシステム制御部14を備えている。
(RFA穿刺針の選択手順)
次に、本実施例におけるRFA穿刺針の選択手順につき図11のフローチャートに沿って説明する。RFA穿刺針の選択に先立ち、別途設置された画像診断装置400によって収集された当該患者のボリュームデータがネットワーク17あるいは図示しない記憶媒体を介して治療支援装置300のボリュームデータ記憶部5に保管される(図11のステップS41)。
治療支援装置300の操作者は、先ず、焼灼治療に好適と思われる穿刺用アダプタとRFA穿刺針を暫定的に選択し、夫々の識別情報を入力部13にて入力した後(図11のステップS42)、入力部13より3次元画像データの生成開始コマンドを入力する(図11のステップS43)。
システム制御部14を介して上述のコマンド信号を受信した画像データ生成部6のレンダリング処理部は、ボリュームデータ記憶部5に保管されているボリュームデータを読み出し、このボリュームデータの画素値に基づいて不透明度・色調設定部が設定した不透明度や色調の情報により前記ボリュームデータをレンダリング処理して3次元画像データ(ボリュームレンダリング画像データ)を生成する(図11のステップS44)。
一方、システム制御部14は、自己の記憶回路に保存されている穿刺用アダプタのアダプタ識別情報及びRFA穿刺針の穿刺針識別情報をエリアデータ生成部10に供給し、エリアデータ生成部10は、アダプタ識別情報に対応したニードルガイド傾斜角度と穿刺針識別情報に対応した展開径の情報を穿刺データベース9から読み出す。
次いで、エリアデータ生成部10は、読み出したニードルガイド傾斜角度と展開経の情報に基づき自己の記憶回路の3次元領域にニードルガイドを設定し、更に、このニードルガイド上の任意の位置に前記展開径を直径とする球状の展開針エリアを設定して3次元のエリアデータを生成する(図11のステップS45)。
一方、データ合成部11は、画像データ生成部6から供給された3次元画像データとエリアデータ生成部10から供給されたエリアデータを合成して3次元的な治療支援データを生成し(図11のステップS46)、表示部12は、この治療支援データに基づいて表示用治療支援データを生成して自己のモニタに表示する(図11のステップS47)。
次に、エリアデータが重畳表示された当該治療対象部位の3次元画像データを表示用治療支援データとして表示部12にて観察した操作者は、エリアデータにおける展開針エリアを入力部13の入力デバイスを用いてニードルガイド上の所望位置(治療対象部位の焼灼に好適な位置)に設定(移動)し(図11のステップS48)、上述のステップS42において暫定的に選択したRFA穿刺針の展開針が治療対象部位の周囲に位置した正常組織や血管等に与える損傷の程度を判定する(図11のステップS49)。
そして、展開針が許容できない損傷を与える可能性があると判定した場合、上述のRFA穿刺針あるいは穿刺用アダプタを別途備えられたRFA穿刺針あるいは穿刺用アダプタに変更すると共に変更後のRFA穿刺針あるいは穿刺用アダプタの識別情報を入力部13にて入力し(図11のステップS50)、上述のステップS44乃至ステップS49を繰り返す。
一方、ステップS42において選択したRFA穿刺針及び穿刺用アダプタあるいはステップS50において変更したRFA用展開針及び穿刺用アダプタにおける前記展開針が正常組織等に与える損傷の程度が許容レベルにあると判定した場合、これらのRFA穿刺針及び穿刺用アダプタを実際の焼灼治療に使用するRFA穿刺針及び穿刺用アダプタとして選択する(図11のステップS51)。
以上述べた本発明の第2の実施例によれば、上述の第1の実施例と同様の効果を得ることができ、更に、超音波診断装置、X線CT装置、あるいはMRI装置等の画像診断装置によるボリュームデータに基づいて生成した治療対象部位の3次元画像データとエリアデータ生成部が生成したRFA穿刺針のエリアデータを重畳して表示することにより、実際のRFA穿刺針や穿刺用アダプタを用いることなく治療対象部位の焼灼治療に好適なRFA穿刺針が選択でき、治療計画を効率よく策定することができる。
以上、本発明の実施例について述べてきたが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、変形して実施することが可能である。例えば、上述の第1の実施例及び第2の実施例では、Bモードデータに基づいてボリュームデータを生成する場合について述べたが、カラードプラデータ等、他の超音波データに基づいてボリュームデータを生成してもよい。
又、2次元配列された超音波振動子による3次元走査について述べたが、これに限定されるものではなく、例えば、1次元配列された超音波振動子を配列方向に垂直な方向に移動あるいは回動させることによって3次元走査を行なってもよい。更に、コンベックス走査やリニア走査、更にはラジアル走査等、セクタ走査以外の走査法によってボリュームデータを生成してもよい。
更に、上述のボリュームデータの代わりに、例えば、複数の超音波振動子が1次元配列された超音波プローブを用いて得られた2次元画像データであっても構わない。
一方、上述の展開針エリアや焼灼エリアの大きさは、穿刺データベース9に予め保管された標準展開径/標準焼灼径あるいは設定展開径/設定焼灼径の情報に基づいて一義的に決定される場合について述べたが、このようにして設定された展開針エリアや焼灼エリアの大きさを、操作者は入力部13の入力デバイスを用いて拡張あるいは縮小してもよい。このような方法を適用することにより、治療対象部位の形状に好適な展開針エリアや焼灼エリアを再設定することができる。又、再設定された焼灼径の大きさに基づき、治療対象部位にて展開される展開針の長さやこの展開針に供給される電流を制御することにより更に正確かつ安全な焼灼治療を行なうことができる。
又、入力部13にはエリアデータの表示/非表示を切り替えるスイッチを設けることが望ましい。この切り替えスイッチによってエリアデータを非表示に設定することにより、診断に用いる通常の3次元画像データや2次元画像データを表示部12に表示することができる。
本発明の第1の実施例における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図。 同実施例の超音波診断装置が備える送受信部及び受信信号処理部の構成を示すブロック図。 同実施例の穿刺用アダプタに装着されるRFA穿刺針の構造を示す図。 同実施例のエリアデータ生成部によって生成されるエリアデータの具体例を示す図。 同実施例の表示部に表示される表示用治療支援データの具体例を示す図。 同実施例における超音波プローブの座標と超音波送受信方向の関係を示す図。 同実施例におけるRFA穿刺針の選択手順を示すフローチャート。 同実施例におけるRFA焼灼治療の手順を示すフローチャート。 同実施例の変形例における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図、 本発明の第2の実施例における治療支援装置の全体構成を示すブロック図。 同実施例におけるRFA穿刺針の選択手順を示すフローチャート。
符号の説明
2…送受信部
21…送信部
211…レートパルス発生器
212…送信遅延回路
213…駆動回路
22…受信部
221…A/D変換器
222…受信遅延回路
223…加算器
3…超音波プローブ
4…受信信号処理部
411…包絡線検波器
412…対数変換器
5…ボリュームデータ記憶部
6…画像データ生成部
7…穿刺用アダプタ
9…穿刺データベース
10…エリアデータ生成部
11…データ合成部
12…表示部
13…入力部
14…システム制御部
16…先端位置検出部
161…刺入距離検出部
162…先端位置座標算出部
100、200…超音波診断装置
300…治療支援装置

Claims (14)

  1. RFA穿刺針が刺入された患者に対して超音波を送受信する超音波振動子を有した超音波プローブと、
    前記超音波振動子を駆動して超音波の送信を行なう送信手段と、
    前記超音波の送受信によって得られた前記患者からの反射信号を受信する受信手段と、
    前記受信手段によって得られた受信信号に基づいて2次元あるいは3次元の画像データを生成する画像データ生成手段と、
    前記画像データにおける前記RFA穿刺針の先端位置を検出する先端位置検出手段と、
    前記RFA穿刺針における展開針の展開径と前記先端位置の情報に基づいて前記RFA穿刺針の展開針エリアが設定されたエリアデータを生成するエリアデータ生成手段と、
    前記エリアデータが重畳された前記画像データを表示する表示手段を
    備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記先端位置検出手段は、前記画像データにおける前記RFA穿刺針の先端位置を指定する先端位置指定手段を備え、前記先端位置指定手段の指定情報に基づいて前記RFA穿刺針の先端位置を検出することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 前記先端位置検出手段は、前記RFA穿刺針の刺入方向と刺入距離に基づいて前記RFA穿刺針の先端位置を検出することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  4. 前記RFA穿刺針を所定の刺入方向に対してスライド可能に保持する穿刺用アダプタを備え、前記先端位置検出手段は、前記刺入方向とこの刺入方向における前記刺入距離に基づいて前記RFA穿刺針の先端位置を検出することを特徴とする請求項3記載の超音波診断装置。
  5. 前記患者の焼灼治療に用いる前記RFA穿刺針の穿刺針識別情報を入力する識別情報入力手段を備え、前記エリアデータ生成手段は、前記識別情報入力手段が入力した前記穿刺針識別情報に対応して予め設定された前記展開径と前記先端位置に基づく展開針エリアが設定された前記エリアデータを生成することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  6. 前記エリアデータ生成手段は、前記穿刺針識別情報に対応して予め設定された前記展開針の焼灼径に基づく焼灼エリアと前記展開針エリアが設定された前記エリアデータを生成することを特徴とする請求項5記載の超音波診断装置。
  7. 前記RFA穿刺針の展開径又は焼灼径の少なくとも何れかが前記穿刺針識別情報に対応させて予め保管されている穿刺データベースを備え、前記エリアデータ生成手段は、前記識別情報入力手段が入力した前記穿刺針識別情報に対応する前記展開径又は焼灼径の少なくとも何れかを前記穿刺データベースから読み出し、前記展開径又は焼灼径の少なくとも何れかと前記先端位置検出手段が検出した前記先端位置に基づいて前記エリアデータを生成することを特徴とする請求項5記載の超音波診断装置。
  8. 前記表示手段は、前記展開径を直径とする円形の前記展開針エリア又は前記焼灼エリアの少なくとも何れかを前記画像データ生成手段が生成した2次元画像データに重畳して表示することを特徴とする請求項1又は請求項6に記載した超音波診断装置。
  9. 前記表示手段は、前記展開径を直径とする球形の前記展開針エリア又は前記焼灼エリアの少なくとも何れかを前記画像データ生成手段が生成した3次元画像データに重畳して表示することを特徴とする請求項1又は請求項6に記載した超音波診断装置。
  10. 前記表示手段は、球形の前記展開針エリア又は前記焼灼エリアの少なくとも何れかが重畳された前記患者の治療対象部位に対する3次元画像データと、円形の前記展開針エリア又は前記焼灼エリアの少なくとも何れかが重畳された前記治療対象部位の2次元画像データを同時表示することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  11. エリアデータ更新手段を備え、前記エリアデータ更新手段は、前記表示手段が前記画像データに重畳表示した前記展開針エリア又は焼灼エリアの少なくとも何れかの直径を所望の大きさに更新することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  12. エリアデータ表示切換え手段を備え、前記エリアデータ表示切換え手段は、前記画像データに重畳表示された前記エリアデータの表示/非表示を切り替えることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  13. 画像診断装置によって収集された当該患者の画像データを保管する画像データ記憶手段と、
    前記患者の焼灼治療に用いるRFA穿刺針の穿刺針識別情報を入力する識別情報入力手段と、
    前記RFA穿刺針の展開径に関する情報が穿刺針識別情報に対応して予め保管されている穿刺データベースと、
    前記識別情報入力手段が入力した前記穿刺針識別情報に対応する前記展開径に基づいて前記RFA穿刺針の展開針エリアが設定されたエリアデータを生成するエリアデータ生成手段と、
    前記画像データに前記エリアデータを重畳して表示する表示手段を
    備えたことを特徴とする治療支援装置。
  14. 前記RFA穿刺針の展開径が前記穿刺針識別情報に対応させて予め保管されている穿刺データベースを備え、前記エリアデータ生成手段は、前記識別情報入力手段が入力した前記穿刺針識別情報に対応する前記展開径を前記穿刺データベースから読み出し、この展開径と前記先端位置検出手段が検出した前記先端位置に基づいて前記エリアデータを生成することを特徴とする請求項13記載の治療支援装置。
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