JP2006314204A - 培養容器からの動物細胞の剥離方法および剥離回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 薬剤を加えることなく、簡易な手段によって、培養容器の細胞付着面に付着した動物細胞を、劣化させることなく生きたまま剥離させることができ、さらに当該動物細胞同士の結合も解くことができる培養容器からの動物細胞の剥離方法および剥離回収方法を提供する。
【解決手段】 内部に液体6が満たされるとともに、少なくとも一面が細胞付着面4とされた培養容器の、細胞付着面4に付着した動物細胞を剥離させる方法であって、細胞付着面4の裏面側の培養容器の外面12から培養容器に超音波振動を与えることにより、上記動物細胞を細胞付着面4から剥離させることを特徴とする。
【選択図】 図8

Description

本発明は、培養容器内において細胞付着面に付着して培養される動物細胞を、上記細胞付着面から剥離させるための方法および剥離させた上記動物細胞を回収するための方法に関するものである。
一般に、培養容器内において、動物の皮膚や内臓等を形作る接着依存性細胞を培養する場合には、培養容器に形成された細胞付着面に当該細胞を付着させるとともに、上記培養容器内を培地で充満させ、かつ酸素を供給することにより行っている。
ところで、このような動物細胞の培養を行うに際して、上記細胞は、一定の回数分裂を繰り返すと、各々の細胞が周囲の細胞によって覆われる結果、それ以上の増殖が行われなくなる(この回数は、スプレットレシオと呼ばれ、細胞によって異なる)。そこで、さらに当該細胞の培養を継続するには、一定の培養期間が経過した後に、一旦上記細胞を培養容器の細胞付着面から剥離するとともに、隣接する細胞の接着因子の結合部を分離させたうえで、植え継ぎを行う必要がある。
従来、このような細胞付着面からの動物細胞の剥離方法のうち、特に接着力が弱い細胞については、スクレーパと呼ばれる道具を用いて物理的に細胞付着面から掻き取る方法が採られている。しかしながら、この方法によっては、細胞同士の結合は保たれたままになるために、別途ピペットで細胞同士の結合を解く必要があり、この際に細胞の表面にあるリセプター等を傷めてしまうという問題点があった。
また、比較的接着力が強い動物細胞については、コラゲナーゼやトリプシン等の蛋白質分解酵素を用いて、容器接着面との接着因子を分解することにより、剥離する方法が採用されている。
ところが、このようなトリプシン等の蛋白質分解酵素を用いた化学的な剥離方法にあっても、細胞表面に存在するインテグリンなど接着に関与する蛋白質以外の細胞表面マーカやチャンネル、レセプターなどを分解し、破壊してしまうという問題点があった。
また、上記従来の化学的手法を用いた剥離方法によれば、植え継ぎを行う際に、培養容器内の培地を除去する前処理工程、酵素処理工程および処理酵素の不活性化工程などを行う必要があり、しかも不活性化工程において頻繁に遠心分離が必要となるために、作業が煩雑となって自動化が難しいという問題点があった。
一方、下記特許文献1には、生物の細胞を破砕して、その核酸を取り出す方法として、超音波を用いる方法が提案されている。
この細胞の破砕方法は、第1の液体からなる超音波浴内に、細胞を含んでいる第2の液体が入っている容器を入れ、上記細胞に、上記超音波浴を介して十分なパワーと持続性を有する超音波エネルギーを伝えることにより、当該細胞の破砕を引き起こすものである。
このように、これまで当業者においては、上記細胞に超音波エネルギーを伝えると、細胞が破壊されることが技術的常識であった。
そこで、本発明者等は、かかる技術的常識に反し、上記超音波を培養容器の細胞付着面から細胞を剥離させるために利用できないか鋭意研究を行った結果、上記従来技術のように、直接超音波浴内に超音波を発生させる振動子(プローブ)を浸して、上記細胞に超音波エネルギーを伝えた場合の細胞破壊のメカニズムは、上記液体中のキャビテーションにより発生した微小な気泡によって当該細胞が破砕されることにあるとの知見を得た。
そこで、培地が充填されて密閉された培養容器の外面に、超音波発生装置の振動子を直接当接されて、培養容器に振動を与えたところ、一定の条件下において、細胞付着面に付着している細胞が生きたまま剥離するとともに、同時に細胞同士の結合も円滑に解かれることが判明した。
特開2000−60549公報
この発明は、かかる知見に基づいてなされたもので、薬剤を加えることなく、簡易な手段によって、培養容器の細胞付着面に付着した動物細胞を、劣化させることなく生きたまま剥離させることができるとともに、さらに当該動物細胞同士の結合も解くことができる培養容器からの動物細胞の剥離方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、内部に液体が満たされるとともに、少なくとも一面が細胞付着面とされた培養容器の、上記細胞付着面に付着した動物細胞を剥離させる方法であって、上記細胞付着面の裏面側の上記培養容器の外面から当該培養容器に超音波振動を与えることにより、上記動物細胞を上記細胞付着面から剥離させることを特徴とするものである。
ここで、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の培養容器の内部が密閉されていることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記培養容器の上記外面を上方に向けて、上記培養容器に超音波振動を与えることを特徴とするものである。
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、20kHz以上の上記超音波振動を与えることを特徴とするものである。
ついで、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の培養容器からの動物細胞の剥離方法を用いた動物細胞の剥離回収方法であって、上記細胞付着面の裏面側の上記培養容器の外面から当該培養容器に超音波振動を与えることにより、上記動物細胞を上記細胞付着面から剥離させて上記液体中に浮遊させた後に、上記培養容器の上記内部に連通する上記液体の給排口から、上記液体とともに上記動物細胞を上記培養容器の外部に回収することを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の培養容器からの動物細胞の剥離方法を用いた動物細胞の剥離回収方法であって、上記細胞付着面の裏面側の上記培養容器の外面から当該培養容器に超音波振動を与えることにより、上記動物細胞を上記細胞付着面から剥離させて上記液体中に浮遊させつつ、これと並行して上記培養容器の上記内部に連通する上記液体の供給口から新たな上記液体を供給することにより、上記培養容器の上記内部に連通する上記液体の排出口から上記液体とともに上記動物細胞を上記培養容器の外部に回収することを特徴とするものである。
請求項1〜4のいずれかに記載の培養容器からの動物細胞の剥離方法あるいは請求項5または6に記載の動物細胞の剥離回収方法によれば、培養容器の外面であって、かつ細胞付着面の裏面側から超音波振動を与えると、上記細胞付着面に付着していた動物細胞が、当該細胞付着面から剥離するとともに、同時に動物細胞の相互間の結合も解かれ、生きたままバラバラの状態になる。
ちなみに、本発明者等の実験によれば、培養容器の外面に、直接超音波発信器の振動子を当てた際に、当該振動子を当てた範囲にのみ強い剥がれ力が作用して、当該部分の動物細胞のみが剥離することが観察されている。この結果、従来のように別途薬剤を加えることなく、簡易な手段によって、培養容器の細胞付着面に付着した動物細胞を、劣化させることなく生きたまま剥離させることができるとともに、さらに当該動物細胞同士の結合も解くことができる。
この際に、請求項2に記載の発明のように、培養容器の内部を密閉状態にして上記動物細胞の剥離を行えば、コンタミネーションの心配なく超音波振動による剥離操作を行うことができ、よって別途クリーンルームやクリーンベンチ等の高価な設備やそのための維持費が不要となるために経済性に優れる。
また、請求項3に記載の発明のように、培養容器を天地させて、培養容器の上記外面すなわち細胞付着面を天井部として当該培養容器に超音波振動を与えると、細胞付着面から剥離・落下した動物細胞がそのまま下方の液体中に浮遊するために、それ以上超音波の影響を受けることが無く、よって確実に上記動物細胞の劣化を防止することができて好適である。
さらに、本発明者等の実験によれば、培養容器に与える超音波振動は、請求項4に記載の発明のように、20kHz以上であることが好ましい。すなわち、上記超音波振動が、20kHzに満たないと、円滑な剥離が行われないか、あるいは剥離が行われたとしても、長時間を要して効率的でないからである。
このため、請求項1ないし4のいずれかに記載の剥離方法を用いた請求項5または6に記載の剥離回収方法によれば、細胞付着面から生きたまま剥離されるとともに、相互の接合も解かれて上記容器中に浮遊する動物細胞を、上記培養容器の内部に連通する給排口あるいは排出口から、容易に上記液体とともに培養容器の外部に回収することができる。
この際に、特に請求項2に記載の剥離方法を用いた請求項5に記載の剥離回収方法によれば、内部が密閉状態であるために、先ず上記細胞付着面に付着していた動物細胞を細胞付着面から剥離させた後に、培養容器を直接遠心することにより、上記動物細胞を培養容器の一方に集めて、懸濁状態の上記液体および動物細胞を効率的に排出口から外部に回収することが可能となる。
他方、請求項6に記載の発明によれば、液体を容器内に流しながら超音波振動による動物細胞の剥離を行うことにより、剥離された動物細胞を直ちに分離して排出口から回収することができるために、一層動物細胞に傷みを与える虞がないという利点がある。
図1〜図3は、本発明の一実施形態に使用する培養容器およびその付属器具を示すもので、図中符号1が、フッ素樹脂やポリカーボネート、アセタール、ポリスチレン等の所定の強度と耐食性を有する透明な合成樹脂によって長方形の板状に形成された本体である。
この本体1の中央部には、全体として略菱形状をなし、かつ4隅部が略円弧に沿う稜線によって形成された凹部2が設けられるとともに、この凹部2の外周には所定の幅寸法を有する段部3が形成されている。
そして、凹部2の底面が細胞付着面4とされるとともに、この凹部2が、段部3に支持された膜材5によって塞がれることにより、内部には培地6が充満される空間部が形成されている。
この膜材5は、例えばフッ素樹脂、シリコーン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン等からなる透明であって、かつ酸素透過性を有する薄肉素材であり、段部3の外形とほぼ同形の略菱形状に形成されることにより、空間部の全面を覆うように配置されている。そして、この膜材5は、段部3に着脱自在に配設されたポリカーボネート等からなる略菱形の枠状に形成された押え板7によって、その外周部分が本体1との間に挟まれて支持されている。
また、本体1の長手方向の一側面1aには、上記空間部の各々の端部に開口する培地の給排口8が穿設されており、上記側面1aの給排口8の開口部には、自己シール型セプタム9が取り付けられている。
このセプタム9は、図4に示すように、シリコンゴム等からなる円柱状の部材であり、その中心部に小孔9aが穿設されている。他方、給排口8の上記開口部は、図5に示すように、セプタム9の面積とほぼ等しい面積を有する長円状に形成されている。
そして、この給排口8の開口部に、セプタム9が嵌入されることにより、小孔9aが潰されて当該給排口8の開口部が自己シールされるようになっている。
なお、図中符号10は、細胞の播種口11を塞ぐプラグであり、矢印は培地交換時の流れ方向を示すものである。
また、図6は、以上の構成からなる培養容器のセプタム9に差し込まれて、内部の培地6および細胞付着面4から剥離させた動物細胞を外部に回収するための横穴式ニードル15を示すものである。
このニードル15は、セプタム9の小孔9aから給排口8へと挿入される先端部分の外周に、横穴15aが穿設されている。この結果、図7に示すように、横穴15aをセプタム9の小孔9a内に位置させた状態においては、上記横穴15aが小孔9aの内壁によって塞がれるために、当該横穴式ニードル15を装着したままの状態で給排口8を密閉することができるようになっている。また、このニードル15の基端部には、他の容器との接続用のルアー16が取り付けられている。
ここで、上記セプタム9、給排口8の開口部および横穴式ニードル15における具体的な寸法関係を例示すれば、給排口8の開口部を、直径3.5mmの半円弧を長さ5.4mmの直線で結んだ長円(長手方向の長さ;8.9mm、短手方向の長さ;3.5mm、断面積;28.5mm2)状に形成する。他方、セプタム9として、直径6mmφで長さ4.5mmの円柱状の中心部に直径0.5mmの小孔9aを穿設したもの(断面積28.1mm2)を用いる。
そして、上記横穴式ニードル15として、先端部分の直径が1mmφのものを用いて、先ずセプタム9の小孔9aに上記ニードル15の先端部分を差し込む(この結果、断面積は28.9mm2)となる。ついで、ニードル15を差し込んだセプタム9を、上記給排口8の長円状の開口部に嵌め込む。
この際に、ニードル15を差し込んだセプタム9の断面積は、給排口8の開口部の断面積よりも0.785mm2だけ大きくなるために、セプタム9における余分な体積分が差し込み方向にせり出すことになる。
また、横穴式ニードル15をセプタム9の小孔9aから抜いた場合に、セプタム9は、その本来の直径6mmφが、開口部において3.5mmまで圧縮されるために、直径0.5mmの小孔9aは潰されて閉塞される。
次に、上記構成からなる培養容器を用いた本発明に係る培養容器からの動物細胞の剥離方法および剥離回収方法の一実施形態について説明する。
先ず、凹部2を膜材5で覆って押え板7と取り付けることにより内部を密閉する。そして、給排口8から内部を培地6によって充満させることにより、この培地6と膜材5から透過する酸素によって細胞付着面4に付着させた動物細胞の培養を行う。
なおこの際に、上記細胞付着面4には、予め動物細胞の接着を可能にするためのプラズマ処理やコラーゲン、ラミニン、ポリエルリジン、ポリ乳酸、RGDペプチドなどの各種接着因子のコーティングを行っておく。また、上記動物細胞の培養を行う際には、図3に示すように、細胞付着面4を下方に位置させて、上方から透明な膜材5を通じて観察を行う。
次いで、上記動物細胞のスプレットレシオに対応する一定の培養期間が経過して、植え継ぎを行う際に、図8に示すように、本体1を天地させ、細胞付着面4の裏面側の外面12を上方に向ける。そして、この外面12の全面に、超音波発生装置の振動子20を当接させて、培養容器に超音波振動を与える。
この際に、上記振動子20からは、20kHz以上の超音波振動を与えることが好ましい。
すると、細胞付着面4に付着していた動物細胞は、細胞付着面4から剥離するとともに、同時に動物細胞同士の結合も解かれ、生きたままバラバラの状態になり、下方の培地6中に浮遊する。そこで、図1および図9に示すように、図中左方の給排口(供給口)8に取り付けた横穴式ニードル15から培養容器内に新たな培地を供給するとともに、これと並行して、図中右方の給排口(排出口)8に取り付けた横穴式ニードル15から培養容器内の動物細胞を含む培地を排出することにより、上記動物細胞を回収する。そして、上記動物細胞を再び植え継ぐことにより、その培養を継続することが可能になる。
なお、横穴式ニードル15の取り付け前においては、給排口8が自己シール型のセプタム9によって密閉されているために、先ず超音波振動を与えて細胞付着面4に付着していた動物細胞を剥離させた後に、培養容器を直接遠心して、上記動物細胞を培養容器の図中右方に集めたうえで、横穴式ニードル15から排出するようにすれば、懸濁状態の培地および動物細胞を効率的に培養容器の外部に回収することができる。
また、動物細胞の上記剥離操作を行う前に、予め給排口8にニードル15を取り付けておき、超音波振動を与えて、物細胞を細胞付着面4から剥離させ、培地6中に浮遊させつつ、これと並行して図中左方の給排口8から新たな培地を供給することにより、内部の動物細胞を含む培地6を図中右方の給排口8から培養容器の外部に回収するようにしてもよい。
このように、培地を培養容器内に流しながら超音波振動による動物細胞の剥離を行えば、剥離された動物細胞を直ちに分離して給排口8から回収することができるために、一層動物細胞に傷みを与える虞がないという利点がある。
以上にように、上記培養容器からの動物細胞の剥離方法および剥離回収方法によれば、従来のように別途薬剤を加えることなく、簡易な手段によって、培養容器の細胞付着面に付着した動物細胞を、劣化させることなく生きたまま剥離させることができる。しかも、上記剥離と並行して上記動物細胞相互の結合も解くことができ、この結果容易に自動化を図ることも可能になる。
なお、セプタム9にニードル15を差し込むに際しては、図9に示すように、ニードル15の先端部にも同様のセプタム9を取り付けておき、培養容器側のセプタム9にニードル15側のセプタム9を当設させて、そのままニードル15を培養容器側のセプタム9の小孔9aに差し入れてゆく。したがって、両セプタム9の端面をアルコール消毒等することにより、無菌的結合を行うことができる。
また、図10に示すように、ニードル15の外周にスプリング17を設け、ニードル15を培養容器側のセプタム9の小孔9aに差し込んだ際に、スプリング17が圧縮される構成を採用し、上記スプリングによってニードル15が戻るようにすれば、何回もの着脱を行うことが可能になる。
(実施例)
図1〜図5に示す培養容器と同様の構成であって、本体1がポリスチレン製であり、かつ細胞付着面4の面積が15cm2であって、容積が5cm3である培養容器について、細胞付着面4にプラズマ処理のみを行ったものと、プラズマ処理とコラーゲンコーティングとを行ったものとを準備し、本発明の効果を確認するために、以下の実験を行った。
先ず、上記細胞付着面4に動物細胞(CHO細胞)を付着させるとともに、凹部2内を培地で充満させて培養を行った後に、図8に示すように、培養容器を天地させて、外面12の全面に振動子20を当てて振動を与えた。
なお、これに用いた超音波振動発生装置は、株式会社ソノテック製のSF3400(22kHz、200W)であり、22kHzの振動を、始めに振れ幅(振幅幅)7μm、次いで振れ幅10μm、さらに振れ幅20μmと、各々10secずつ3段階に上記振れ幅を上げて上記培養容器の外面12に与えた。
この結果、細胞付着面4にプラズマ処理のみを行った培養容器およびプラズマ処理とコラーゲンコーティングとを行った培養容器共に、初段の振れ幅が7μmである22kHzの振動を10sec間与えた場合には、多くの上記動物細胞が細胞付着面4から剥がれ、培地中に丸くなって浮遊していることが観察された。
そして、さらに振れ幅を10μm、20μmと上げた追加処理を行うことにより、ほぼ全ての上記動物細胞が、細胞付着面4から剥がれ落ちたことが観察された。
ちなみに、22kHzで振れ幅7μmの振動は、発生加速度が13、000Gであり、この加速度で多くの動物細胞が細胞付着面4から剥離したことから、5、000G以上の加速度を与えることにより、上記動物細胞の剥離が可能であると考えられる。
また、上記振動を与えて動物細胞を細胞付着面4から剥離させた後に、1日間炭酸ガスインキュベータ中において同培養容器内で上記動物細胞の培養を継続したところ、再度付着増殖を始めたことを観察することができた。この結果、本発明によれば、上記動物細胞が生きたままで、上記細胞付着面4から剥離することができるとともに、同時に動物細胞同士の結合も解くことができることが確認された。
本発明の一実施形態に用いられる培養容器を示す平面図である。 図1の分解縦断面図である。 図1の縦断面図である。 図1のセプタムを示す図で、(a)は正面図、(b)は縦断面図である。 図1の側面図である。 セプタムに差し込まれる横穴式ニードルを示す縦断面図である。 ニードルで給排口を塞いだ状態を示す縦断面図である。 上記実施形態を説明するための正面図である。 培養容器にニードルを取り付けた状態を示す断面図である。 横穴式ニードルにスプリングを取り付けた状態を示す一部断面図である。
符号の説明
1 培養容器本体
2 凹部
4 細胞付着面
5 膜材
9 セプタム
12 外面
15 横穴式ニードル
20 超音波振動発生装置の振動子

Claims (6)

  1. 内部に液体が満たされるとともに、少なくとも一面が細胞付着面とされた培養容器の、上記細胞付着面に付着した動物細胞を剥離させる方法であって、
    上記細胞付着面の裏面側の上記培養容器の外面から当該培養容器に超音波振動を与えることにより、上記動物細胞を上記細胞付着面から剥離させることを特徴とする培養容器からの動物細胞の剥離方法。
  2. 上記培養容器は、内部が密閉されていることを特徴とする請求項1に記載の培養容器からの動物細胞の剥離方法。
  3. 上記培養容器の上記外面を上方に向けて、上記培養容器に超音波振動を与えることを特徴とする請求項1または2に記載の培養容器からの動物細胞の剥離方法。
  4. 20kHz以上の上記超音波振動を与えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の培養容器からの動物細胞の剥離方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の培養容器からの動物細胞の剥離方法を用いた動物細胞の剥離回収方法であって、
    上記細胞付着面の裏面側の上記培養容器の外面から当該培養容器に超音波振動を与えることにより、上記動物細胞を上記細胞付着面から剥離させて上記液体中に浮遊させた後に、上記培養容器の上記内部に連通する上記液体の給排口から、上記液体とともに上記動物細胞を上記培養容器の外部に回収することを特徴とする培養容器からの動物細胞の剥離回収方法。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載の培養容器からの動物細胞の剥離方法を用いた動物細胞の剥離回収方法であって、
    上記細胞付着面の裏面側の上記培養容器の外面から当該培養容器に超音波振動を与えることにより、上記動物細胞を上記細胞付着面から剥離させて上記液体中に浮遊させつつ、これと並行して上記培養容器の上記内部に連通する上記液体の供給口から新たな上記液体を供給することにより、上記培養容器の上記内部に連通する上記液体の排出口から上記液体とともに上記動物細胞を上記培養容器の外部に回収することを特徴とする培養容器からの動物細胞の剥離回収方法。
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