JP2006312956A - 自動変速機の締結制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 係合の際の変速応答性と解放時の動力損失低減とを簡易な構造で実現する自動変速機の締結制御装置を提供する。
【解決手段】 リターンスプリング44,46は、ローリバースブレーキBを解放させるための付勢力を発生する。リターンスプリング46は、リターンスプリング44よりも長い。変速が起こり得る状態では、所定の低圧レベルの油圧が印加され、リターンスプリング44の長さに応じた、詰められたクリアランスが形成される。一方、変速が起こり得ない状態では、油圧は0にされ、リターンスプリング46の付勢力によってピストン42はどんつき状態となる。これにより、大きなクリアランスPC2が形成される。
【選択図】 図3

Description

この発明は、自動変速機の締結制御装置に関し、特に、多板式の摩擦係合要素を備えた自動変速機の締結制御装置に関する。
従来より、トルクコンバータと遊星歯車機構とからなるギヤ式自動変速機において、遊星歯車機構に設けられるクラッチやブレーキに多板クラッチ式の摩擦係合要素が多用されている。この多板クラッチ式の摩擦係合要素においては、一般的に、駆動側摩擦プレート(ドライブプレート)と被駆動側摩擦プレート(ドリブンプレート)とを油圧を用いて押付けることにより係合状態を形成し、スプリングの付勢力を用いてドライブプレートとドリブンプレートとの間にクリアランスを発生させることにより非係合状態を形成する。
このような多板クラッチ式の摩擦係合要素において、非係合状態から係合状態への応答性(すなわち変速応答性)を向上させるためには、非係合時のプレート間のクリアランスをできるだけ小さくする必要がある。しかしながら、クリアランスを小さくすると、プレート間に充填されている作動油の粘性によりプレート間の引き摺りが大きくなるため、この引き摺りによる損失が増加して燃費が低下する。したがって、燃費の向上を図るためには、非係合時のクリアランスを大きくする必要がある。
特開平7−12221号公報(特許文献1)は、このような相反する要求を両立させることができる自動変速機の締結力調整装置を開示する。この締結力調整装置においては、車両の運転状態が、所定の摩擦係合要素が締結される頻度が少ない運転領域に入っているときには、各摩擦プレート間のクリアランスを大きくし、上記運転領域に入っていないときには、各摩擦プレート間のクリアランスを小さくする。
この締結力調整装置によれば、所定の摩擦係合要素が締結される可能性が低いときには、各摩擦プレート間のクリアランスが大きくなるので、各摩擦プレート間の引き摺りが小さくなる。その結果、動力損失が低減され、燃費が向上する。一方、摩擦係合要素が締結される可能性が高いときには、各摩擦プレート間のクリアランスが小さくなるので、係合の際の応答性が高められ、その結果、変速応答性が向上する(特許文献1参照)。
特開平7−12221号公報
しかしながら、特開平7−12221号公報に開示される締結力調整装置は、第1ピストン内に第2ピストンが設けられる2重ピストン構造や摩擦プレート層の両側にピストンが設けられる対向ピストン構造となってなり、また、2つのピストンを動作させるために油圧系統も2系統必要であるので、装置構造が複雑化し、コストも増加し得る。
そこで、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、係合の際の変速応答性と解放時の動力損失低減とを簡易な構造で実現する自動変速機の締結制御装置を提供することである。
この発明によれば、自動変速機の締結制御装置は、多板式の摩擦係合要素を備えた自動変速機の締結制御装置であって、摩擦係合要素を係合させるための押付力を発生する油圧装置と、各々が摩擦係合要素を解放させるための付勢力を発生し、上記押付力を緩和させて摩擦係合要素にクリアランスを発生させる複数のばね部材と、油圧装置が発生する油圧を制御する油圧制御手段とを備え、複数のばね部材は、それぞれ異なる長さを有し、油圧装置が発生する油圧に応じて、各々のばね部材の長さに応じた複数のクリアランスを摩擦係合要素に発生させる。
この発明による自動変速機の締結制御装置においては、各々が異なる長さを有する複数のばね部材が設けられ、油圧装置が発生する油圧に応じて、各々のばね部材の長さに応じた複数のクリアランスを摩擦係合要素に発生させるので、摩擦係合要素を押付けるピストンを1つで構成することができ、油圧系統も1本化することができる。
したがって、この発明による自動変速機の締結制御装置によれば、変速応答性が要求される小さなクリアランスと動力損失低減のための大きなクリアランスとを簡易な構造で発生させることができる。その結果、摩擦係合要素を係合する際の変速応答性と摩擦係合要素の解放時の動力損失低減とを簡易な構造で実現することができる。
好ましくは、複数のばね部材は、摩擦係合要素が非係合状態から係合状態へ迅速に移行可能な第1のクリアランスを摩擦係合要素に発生させるための第1のばね部材と、第1のばね部材よりも長く、第1のクリアランスよりも大きい第2のクリアランスを摩擦係合要素に発生させるための第2のばね部材とを含む。
この自動変速機の締結制御装置においては、油圧装置が発生する油圧に応じて、第1のばね部材の長さに応じた上記第1のクリアランスと第1のばね部材よりも長い第2のばね部材の長さに応じた上記第2のクリアランスとを摩擦係合要素に発生させる。
したがって、この自動変速機の締結制御装置によれば、高い変速応答性を実現する第1のクリアランスと、動力損失低減を実現する、第1のクリアランスよりも大きい第2のクリアランスとを簡易な構造で発生させることができる。
好ましくは、自動変速機の締結制御装置は、車両の運転状態に基づいて、自動変速機が、摩擦係合要素を係合する変速が直ちに行われ得る状態にあるか否かを判定する判定手段をさらに備え、油圧制御手段は、判定手段によって自動変速機が上記状態にあると判定されると、摩擦係合要素に第1のクリアランスを発生させるように油圧を制御し、判定手段によって自動変速機が上記状態にないと判定されると、摩擦係合要素に第2のクリアランスを発生させるように油圧を制御する。
好ましくは、判定手段は、車両の速度、自動変速機の変速段および変速レンジ、ならびに車両のスロットル開度の少なくともいずれかに基づいて、自動変速機が上記状態にあるか否かを判定する。
この自動変速機の締結制御装置においては、車両の運転状態に基づいて、自動変速機が、対象の摩擦係合要素を係合する変速が直ちに行われ得る状態にあるか否かが判定手段によって判定される。そして、判定手段の判定結果に基づき油圧を制御して第1および第2のクリアランスを発生させるので、車両の運転状態に基づいて適切なタイミングでクリアランスが制御される。
したがって、この自動変速機の締結制御装置によれば、摩擦係合要素を係合する際の変速応答性と解放時の動力損失低減とを両立させることができる。
この発明による自動変速機の締結制御装置によれば、係合の際の変速応答性と解放時の動力損失低減とを簡易な構造で実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による締結制御装置が適用される自動変速機の全体ブロック図である。図1を参照して、この自動変速機は、変速機10と、トランスミッションECU(Electronic Control Unit)20とを備える。変速機10は、変速部12と、油圧制御部14とを含む。
変速部12は、トルクコンバータと、遊星歯車機構と、油圧装置とからなる(いずれも図示せず)。トルクコンバータは、エンジン出力軸のトルクを遊星歯車機構に接続されたタービンシャフトへ伝達する。遊星歯車機構は、タービンシャフトからの入力(トルクおよび速度)を変速して駆動軸へ出力する。この遊星歯車機構には、複数の変速段に対応して動力伝達経路を変更するために、各々が多板式の摩擦係合要素からなる複数のクラッチおよびブレーキが設けられる。油圧装置は、油圧制御部14からの制御指令に従って、各摩擦係合要素ごとに制御指令に応じた油圧を発生する。そして、各摩擦係合要素において、油圧に応じて係合状態が切替えられることにより変速が実行される。
油圧制御部14は、トランスミッションECU20からの制御信号CTL1〜CTL3に基づいて、油圧装置が発生する油圧を段階的に制御する。具体的には、油圧制御部14は、トランスミッションECU20から制御信号CTL1を受けると、油圧装置が発生する油圧を所定の低圧レベルに制御する。また、油圧制御部14は、トランスミッションECU20から制御信号CTL2を受けると、油圧装置が発生する油圧を0とする。さらに、油圧制御部14は、トランスミッションECU20から制御信号CTL3を受けると、油圧装置が発生する油圧を所定の高圧レベルに制御する。
トランスミッションECU20は、車両速度検出手段(図示せず)から車両速度を示す車速信号SPDを受け、シフト操作装置(図示せず)からシフトレバーによって選択されている変速レンジを示す変速レンジ信号SPを受け、スロットル開度センサ(図示せず)からスロットル開度を示すスロットル開度信号VPを受ける。
トランスミッションECU20は、車速信号SPD、変速レンジ信号SPおよびスロットル開度信号VP等の運転状態を示す各種信号に基づいて、変速線図を用いて選択すべき変速段を決定する。そして、トランスミッションECU20は、車両の運転状態を示す車速信号SPD、変速レンジ信号SP、スロットル開度信号VPおよび決定した変速段などに基づいて、各摩擦係合要素ごとに油圧レベルを決定し、その決定した油圧レベルに応じた制御信号CTL1〜CTL3を生成して油圧制御部14へ出力する。
具体的には、トランスミッションECU20は、自動変速機が、対象の摩擦係数要素を用いた変速が起こり得る状態にあると判定すると、所定の低圧レベルでの油圧制御を指示する制御信号CTL1を生成して油圧制御部14へ出力する。また、トランスミッションECU20は、自動変速機が、対象の摩擦係数要素を用いた変速が起こり得ない状態にあると判定すると、油圧0を指示する制御信号CTL2を生成して油圧制御部14へ出力する。さらに、トランスミッションECU20は、対象の摩擦係数要素を用いた変速の実行時、所定の高圧レベルでの油圧制御を指示する制御信号CTL3を生成して油圧制御部14へ出力する。
図2は、図1に示した変速部12における複数の摩擦係合要素の一例と示されるローリバースブレーキB近傍の構造を示す断面図である。なお、この図2では、油圧が所定の低圧レベルに制御されている場合、すなわちローリバースブレーキBを用いた変速が起こり得る状態にあるときの係合状態が示されている。なお、変速部12におけるその他の摩擦係合要素の構造も、基本的にはこの図2に示される構造と同じであるので、以下では、このローリバースブレーキBについて代表的に説明する。
図2を参照して、変速部12は、ローリバースハブ32と、変速機ケース34と、複数の摩擦プレート36と、複数の摩擦材38と、複数のセパレータプレート40と、ピストン42と、リターンスプリング44,46と、油圧通路48と、油室49と、シール部材50とを含む。
ローリバースハブ32は、この変速部12における遊星歯車機構のキャリア(図示せず)に嵌合され、X軸方向(図の左右方向)に平行なキャリアの回転軸まわりにキャリアに連動して回転する。変速機ケース34は、変速機10の格納ケースであり、車両に対して固設される。
各摩擦プレート36は、環状の金属板からなり、ローリバースハブ32の外周面に取付けられる。各摩擦プレート36は、ローリバースハブ32に連動してキャリアの回転軸まわりに回転する。なお、各摩擦プレート36は、詳細は図示しないが、X軸方向に若干変位することができるように取付けられている。そして、各摩擦プレート36の両端面には、摩擦材38が貼り合わされている。
各セパレータプレート40は、環状の金属板からなり、変速機ケース34の内周面に取付けられる。各セパレータプレート40は、変速機ケース34の内周方向に回転することはできず、かつ、X軸方向には若干変位することができるように取付けられている。
そして、各々の両端面に摩擦材38が設けられた複数の摩擦プレート36および複数のセパレータプレート40は、X軸方向に交互に配設されて摩擦プレート層を形成する。なお、摩擦材38とセパレータプレート40との間には、作動油が介在している。
ピストン42は、図の左端部に配設されたセパレータプレート40に係合される。そして、ピストン42は、油室49から受ける油圧およびリターンスプリング44,46の付勢力に応じてX軸方向に変位する。
リターンスプリング44,46は、ローリバースハブ32とピストン42との間に配設され、X軸方向に沿って付勢力を発生する。すなわち、リターンスプリング44,46は、ローリバースブレーキBを解放させるための付勢力を発生し、摩擦プレート層がピストン42から受けるX1方向の押付力を緩和させて、摩擦材38とセパレータプレート40との間にクリアランスを発生させる。
リターンスプリング44は、外力が印加されていないときの長さがL1からなる。リターンスプリング46は、リターンスプリング44よりも長く、油室49内の油圧がリリース(油圧0)されたときにピストン42をどんつき状態(X2方向に最も後退した状態)にできる長さL2を少なくとも有する。
このリターンスプリング44の長さL1は、摩擦材38とセパレータプレート40との間のクリアランス量が所定のクリアランス量PC1となるときのローリバースハブ32とピストン42との距離に対応する。すなわち、ローリバースハブ32とピストン42との距離が図に示される距離L1となるとき、摩擦材38とセパレータプレート40との間のクリアランス量は所定のクリアランス量PC1であり、このときのローリバースハブ32とピストン42との距離L1に基づいてリターンスプリング44の長さが決定される。なお、このクリアランス量PC1は、摩擦材38とセパレータプレート40との間にクリアランスを確保しつつ、このローリバースブレーキBが非係合状態から係合状態へ迅速に移行できるようにするためのクリアランス量である。すなわち、このクリアランス量PC1は、ローリバースブレーキBの変速応答性を高めることができるクリアランス量である。
油圧通路48は、図示されない油圧装置からの油圧を油室49に伝達する。油室49内の油圧は、油圧通路48を介して油圧装置によって制御される。シール部材50は、ピストン42の外周面と変速機ケース34の内周面との間に配設され、ピストン42のX軸方向の変位を許容しつつ油室49内の油圧のリークを防止する。
このローリバースブレーキBにおいては、油圧装置から油圧通路48を介して油室49に供給される油圧を制御することにより、ピストン42を変位させ、ピストン42の変位量に応じて摩擦材38とセパレータプレート40との間のクリアランス量を制御する。
この図2では、油圧が所定の低圧レベルに制御されている場合が示されているところ、この低圧レベルの油圧では、リターンスプリング46は圧縮されるが、リターンスプリング44はほとんど圧縮されない。すなわち、油圧を所定の低圧レベルに制御すると、ローリバースハブ32とピストン42との距離をほぼリターンスプリング44の長さL1とすることができる。その結果、摩擦材38とセパレータプレート40との間のクリアランス量を、ローリバースブレーキBの変速応答性を高めることができるクリアランス量PC1に制御することができる。
図3は、油圧が0の場合のローリバースブレーキBの係合状態を示す図である。すなわち、この図3では、ローリバースブレーキBを用いた変速が起こり得ない状態にあるときの係合状態が示される。
図3を参照して、油圧が0であると、少なくとも長さL2を有するリターンスプリング46の付勢力によってピストン42はどんつき状態(X2方向に最も後退した状態)となる。これにより、摩擦材38とセパレータプレート40との間のクリアランス量は、図2に示したクリアランス量PC1よりも大きいクリアランス量PC2となる。したがって、摩擦材38とセパレータプレート40との間のクリアランスが十分に確保され、摩擦材38とセパレータプレート40との間の引き摺りが低減される。
このように、このローリバースブレーキBにおいては、長さの異なる2つのリターンスプリング44,46を用いて、油圧を制御することによって所定のクリアランス量PC1,PC2を容易に生成することができる。
図4は、油圧が所定の高圧レベルに制御されている場合のローリバースブレーキBの係合状態を示す図である。すなわち、この図4では、ローリバースブレーキBが締結されているときの係合状態が示される。
図4を参照して、油圧が所定の高圧レベルに制御されると、ピストン42によるX1方向の押付力がリターンスプリング44,46を併せた付勢力よりも上回り、リターンスプリング44,46ともに圧縮される。そして、ピストン42により摩擦プレート層が押付けられることによって、ローリバースブレーキBは締結状態となる。
図5は、図1に示した自動変速機における摩擦係合要素のクリアランス制御を説明するためのフローチャートである。なお、この図5では、自動変速機における複数の摩擦係合要素のうち、ある摩擦係合要素Cのクリアランス制御について代表的に示され、その他の摩擦係合要素についても同様の処理が行なわれる。
図5を参照して、トランスミッションECU20は、車両の運転状態を示す車速信号SPD、変速レンジ信号SP、スロットル開度信号VPおよび決定した変速段などに基づいて、摩擦係合要素Cを用いた変速が起こり得る状態であるか否かを判定する(ステップS10)。
たとえば、上述したローリバースブレーキBについて、ローリバースブレーキBがRレンジ(リバースレンジ)またはLレンジ(1レンジ)時のみ係合され、かつ、Lレンジを選択可能な車速上限がVkmの場合、トランスミッションECU20は、車速がVkm以上のとき(車両後退時は含まない。)、ローリバースブレーキBを用いた変速が起こり得ない状態であると判定する。一方、トランスミッションECU20は、車速がVkmよりも低いとき、ローリバースブレーキBを用いた変速が起こり得る状態であると判定する。
あるいは、Lレンジ、2レンジおよび3レンジが少なくとも存在する場合、トランスミッションECU20は、3レンジ以上の変速レンジ(たとえば3レンジやDレンジ(ドライブレンジ))が選択されているとき、ローリバースブレーキBを用いた変速が起こり得ない状態であると判定し、2レンジが選択されているとき、ローリバースブレーキBを用いた変速が起こり得る状態であると判定することもできる。または、車速および変速レンジの2つの条件を用いてローリバースブレーキBを用いた変速が起こり得る状態であるか否かを判定してもよい。
なお、その他の摩擦係合要素において、さらに現在の変速段およびスロットル開度に基づいて、その摩擦係合要素を用いた変速が起こり得るか否かを判定してもよい。
そして、トランスミッションECU20は、摩擦係合要素Cを用いた変速が起こり得ない状態であると判定すると(ステップS10においてNO)、制御信号CTL2を生成して油圧制御部14へ出力する。そうすると、油圧制御部14は、制御信号CTL2に基づいて、油圧装置が発生する油圧を0に制御する(ステップS20)。これにより、摩擦係合要素Cのクリアランス量は、摩擦係合要素Cの引き摺りを低減可能なクリアランス量(図3に示したクリアランス量PC2に相当)となり、摩擦係合要素Cにおける引き摺りが低減される。
一方、トランスミッションECU20は、摩擦係合要素Cを用いた変速が起こり得る状態であると判定すると(ステップS10においてYES)、制御信号CTL1を生成して油圧制御部14へ出力する。そうすると、油圧制御部14は、制御信号CTL1に基づいて、油圧装置が発生する油圧を所定の低圧レベルに制御する(ステップS30)。これにより、摩擦係合要素Cのクリアランス量は、摩擦係合要素Cが非係合状態から係合状態へ迅速に移行可能なクリアランス量(図2に示したクリアランス量PC1に相当)となり、摩擦係合要素Cの変速応答性が確保される。
そして、トランスミッションECU20は、車速信号SPD、変速レンジ信号SPおよびスロットル開度信号VP等の運転状態を示す各種信号に基づいて、摩擦係合要素Cを用いた変速を実行するか否かを判定する(ステップS40)。トランスミッションECU20は、摩擦係合要素Cを用いた変速を実行すると判定すると(ステップS40においてYES)、制御信号CTL3を生成して油圧制御部14へ出力する。そうすると、油圧制御部14は、制御信号CTL3に基づいて、油圧装置が発生する油圧を所定の高圧レベルに制御する(ステップS50)。これにより、摩擦係合要素Cは締結される。
以上のように、この実施の形態によれば、長さの異なる2つのリターンスプリング44,46を用いて、リターンスプリング44の長さL1に応じたクリアランス量PC1とクリアランス量PC1よりも大きいクリアランス量PC2とを油圧装置が発生する油圧に応じて摩擦係合要素に発生させるので、摩擦係合要素を押付けるピストンを1つで構成することができ、油圧系統も1本化することができる。
したがって、高い変速応答性を実現するクリアランス量PC1と、動力損失低減を実現するクリアランス量PC2とを簡易な構造で発生させることができ、その結果、摩擦係合要素を係合する際の変速応答性と摩擦係合要素の解放時の動力損失低減とを簡易な構造で実現することができる。
なお、上記においては、油圧レベルを0、所定の低圧レベルおよび所定の高圧レベルの3段階に制御するものとしたが、所定の低圧レベルと所定の高圧レベルとの間に所定の中圧レベルを設定していわゆるファーストフィル制御を行なうようにしてもよい。ファーストフィル制御とは、摩擦係合要素のクリアランスをさらに詰めて摩擦係合要素を半係合状態とし、自動変速機の変速応答性のさらなる向上を図るものである。
なお、上記において、リターンスプリング44,46は、この発明における「複数のばね部材」を形成し、リターンスプリング44,46は、それぞれこの発明における「第1のばね部材」および「第2のばね部材」に対応する。また、油圧制御部14は、この発明における「油圧制御手段」に対応し、トランスミッションECU20により実行されるステップS10は、この発明における「判定手段」により実行される処理に対応する。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態による締結制御装置が適用される自動変速機の全体ブロック図である。 図1に示す変速部における複数の摩擦係合要素の一例と示されるローリバースブレーキ近傍の構造を示す断面図である。 油圧が0の場合のローリバースブレーキの係合状態を示す図である。 油圧が所定の高圧レベルに制御されている場合のローリバースブレーキの係合状態を示す図である。 図1に示す自動変速機における摩擦係合要素のクリアランス制御を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
10 変速機、12 変速部、14 油圧制御部、20 トランスミッションECU、32 ローリバースハブ、34 変速機ケース、36 摩擦プレート、38 摩擦材、40 セパレータプレート、42 ピストン、44,46 リターンスプリング、48 油圧通路、49 油室、50 シール部材。

Claims (4)

  1. 多板式の摩擦係合要素を備えた自動変速機の締結制御装置であって、
    前記摩擦係合要素を係合させるための押付力を発生する油圧装置と、
    各々が前記摩擦係合要素を解放させるための付勢力を発生し、前記押付力を緩和させて前記摩擦係合要素にクリアランスを発生させる複数のばね部材と、
    前記油圧装置が発生する油圧を制御する油圧制御手段とを備え、
    前記複数のばね部材は、それぞれ異なる長さを有し、前記油圧装置が発生する油圧に応じて、各々のばね部材の長さに応じた複数のクリアランスを前記摩擦係合要素に発生させる、自動変速機の締結制御装置。
  2. 前記複数のばね部材は、
    前記摩擦係合要素が非係合状態から係合状態へ迅速に移行可能な第1のクリアランスを前記摩擦係合要素に発生させるための第1のばね部材と、
    前記第1のばね部材よりも長く、前記第1のクリアランスよりも大きい第2のクリアランスを前記摩擦係合要素に発生させるための第2のばね部材とを含む、請求項1に記載の自動変速機の締結制御装置。
  3. 車両の運転状態に基づいて、前記自動変速機が、前記摩擦係合要素を係合する変速が直ちに行われ得る状態にあるか否かを判定する判定手段をさらに備え、
    前記油圧制御手段は、前記判定手段によって前記自動変速機が前記状態にあると判定されると、前記摩擦係合要素に前記第1のクリアランスを発生させるように前記油圧を制御し、前記判定手段によって前記自動変速機が前記状態にないと判定されると、前記摩擦係合要素に前記第2のクリアランスを発生させるように前記油圧を制御する、請求項2に記載の自動変速機の締結制御装置。
  4. 前記判定手段は、前記車両の速度、前記自動変速機の変速段および変速レンジ、ならびに前記車両のスロットル開度の少なくともいずれかに基づいて、前記自動変速機が前記状態にあるか否かを判定する、請求項3に記載の自動変速機の締結制御装置。
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