JP2006309033A - 光学用フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
液晶表示装置に使用するのに好適であって、光学的に均質で画像のゆがみが極めて少ないフィルムを得る。
【解決手段】
非晶性の熱可塑性樹脂を溶融押出したフィルム、および、該フィルムを一軸に、または二軸に延伸して得られるフィルムであって、厚みが10〜200μmで、厚みばらつきはRyが5μm以下で、Raが1μm以下であり、かつ、正面方向の位相差が6nm以下で、厚み方向の面内の位相差のむらが2nm以下であり、実質的にゼロ複屈折の光学用フィルム。
【選択図】 なし
液晶表示装置に使用するのに好適であって、光学的に均質で画像のゆがみが極めて少ないフィルムを得る。
【解決手段】
非晶性の熱可塑性樹脂を溶融押出したフィルム、および、該フィルムを一軸に、または二軸に延伸して得られるフィルムであって、厚みが10〜200μmで、厚みばらつきはRyが5μm以下で、Raが1μm以下であり、かつ、正面方向の位相差が6nm以下で、厚み方向の面内の位相差のむらが2nm以下であり、実質的にゼロ複屈折の光学用フィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明は、非晶性の熱可塑性樹脂からなり、厚み精度に優れ、かつ位相差、および位相差むらの小さな光学用途に好適なフィルムおよびその製造方法に関する。本発明はまた、それらの光学用フィルムを用いてなる偏光子保護フィルムに関する。
近年、ノート型パソコン、ワードプロセッサ、携帯電話、携帯情報端末等の小型化・薄型化・軽量化にともない、これらの電子機器に軽量・コンパクトという特長を生かした液晶表示装置が多く用いられるようになってきている。液晶表示装置には、その表示品位を保つために偏光フィルム等の各種フィルムが用いられている。また、携帯情報端末や携帯電話向けに液晶表示装置を更に軽量化するため、ガラス基板の代わりにプラスチックフィルムを用いた液晶表示装置も実用化されている。
液晶表示装置のように偏光を取り扱う装置に用いるプラスチックフィルムには、光学的に透明であり、かつ複屈折が小さい他に光学的な均質性が求められる。このため、高度に延伸したポリビニルアルコールからなる偏光子を保護するための偏光子保護フィルムや、ガラス基板を樹脂フィルムに代えたプラスチック液晶表示装置用のフィルム基板の場合、複屈折と厚みの積で表される位相差が小さいことが要求される。また、外部の応力などによりフィルムの位相差が変化しにくいことが要求される。さらにまた、正面方向および厚み方向の面内でこれらの位相差のむらが小さいことが要求される。さらにまた、フィルム表面の凹凸による、いわゆるレンズ効果による画像のゆがみ現象が生じにくいことが要求される。すなわち、位相差が大きかったり、外部の応力などにより位相差が変化したり、面内における位相差の変化が大きかったり、フィルム表面の凹凸によるレンズ効果があると、液晶表示装置の画質品位を著しく低下させる。すなわち、色が部分的に薄くなるなどの色とび現象や、画像がゆがむなどの弊害が出る。
液晶表示装置に用いられるプラスチックフィルムとしては、非晶性の熱可塑性樹脂が好適な材料であって、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のエンジニアリングプラスチックスや、トリアセチルセルロース等のセルロース類のプラスチックからなるフィルムが知られている。これらプラスチックフィルムを製造する場合、プラスチックの溶融流動、溶剤乾燥収縮、熱収縮や搬送応力等により成形中のフィルムには各種応力が発生する。そのため、得られるフィルムにはこれらの応力により誘起される分子配向に起因する複屈折により位相差が残存しやすい。そのため必要に応じ熱アニール等のフィルムに対する特別な処理を施し残存する位相差を低減させなければならず製造工程が煩雑になるなどの問題がある。また、残存する位相差を低減させたフィルムを用いた場合でも、そのあとのフィルムの加工時に生じる応力や変形により新たな位相差を生じる。更に、プラスチックフィルムが偏光保護フィルムとして用いられる場合、偏光子の収縮応力により該フィルムに好ましくない位相差が生じ、偏光フィルムの偏光性能に悪影響を及ぼす事が知られている。
これらの問題を解決するため、より分極の小さい、すなわち、分子の配向による位相差が発現しにくいプラスチックフィルムを得ることが試みられている。例えば、シクロオレフィン系フィルムや、マレイミド成分を有するオレフィン系フィルムが提案されている。
また、光学フィルム用途では光学的均質性のため、厚みの均一性が特に高度に要求される。このため、従来からこれらの用途に用いられるフィルムは、厚みの均一性に優れる溶液流延法で製造されてきた。しかし、近年、溶液流延法は溶剤による環境の汚染や生産性の低さが指摘され、溶液流延法から今一つのフィルムの製造法である溶融押出法に転換されつつある。しかし、一般に、溶融押出法で成膜されたフィルムは厚みむらが生じ、ダイラインが生じやすいなどの欠点があった。
溶融押出法で厚みむらが生じる原因としては、溶融押出で冷却ドラム上にシート状に樹脂を押し出す際の吐出量の変動や、ダイと冷却ドラム間での溶融状態のシートの膜振動、冷却ドラムの回転むらなどが挙げられる。そこで従来から厚みむらを改善するために種々の方法が試みられている。例えば、吐出量の変動を抑える方法として、押出機のスクリューデザインを最適化させる方法や押出機とダイの間にギヤーポンプを設置する方法などが提案されているが、いまだ、厚みむらの改善効果が十分でない。冷却ドラムの回転むらを抑える方法(例えば、特許文献1参照)も提案されているが、いまだ、厚みむらの改善効果が十分でない。また、膜振動を抑える方法としては、溶融樹脂の温度を下げる方法(例えば、特許文献2参照)やダイと冷却ロールの間の距離を短くする方法、静電気(例えば、特許文献3参照)やエアー(例えば、特許文献4参照)で溶融樹脂を冷却ロールに密着させる方法などが提案されているが、いまだ、厚みむらの改善効果が十分でない。さらに、溶融樹脂を冷却ロールに電気的引力で密着させる方法において、パルス電圧を印加する方法(例えば、特許文献5参照)によって平滑性の改善や横縞のないフィルムの製造方法が提案されているが、冷却ロールへの密着性は溶融樹脂の比抵抗の絶対値やばらつきに依存され、厚みにばらつきが生じたり、該方法が適用できる樹脂が限定されるなどの問題があった。
他方、結晶性の熱可塑性樹脂では、溶融押出法でフィルムを製造し、引き続きフィルムを延伸することによって強度や柔軟性を高めると同時に、厚みの均一性を高めることが行われてきた。しかし、非晶性の熱可塑性樹脂では、延伸によって柔軟性や強度が改善されるものの、厚みむらがむしろ大きくなるという問題があった。このように、これまで、延伸によって非晶性熱可塑性樹脂フィルムの厚みの均一性を維持あるいは向上させることは難しいと考えられていた。
さらには、結晶性の熱可塑性樹脂にかぎらず非晶性の熱可塑性樹脂でも、延伸によって大きな複屈折が発生し位相差が大きくなるため、延伸フィルムは一部の光学用途に使用できないとされてきた。
光学用フィルムの厚みの均一性が劣ると、微小な厚みムラがいわゆるレンズ効果となって、液晶表示装置で画像のゆがみなどが発生して画像品位を低下させると指摘されている。あるいはまた、光学用フィルムの厚みの均一性が劣ると、応力により誘起される分子配向によって発生する複屈折と厚みの積で表される位相差の面内ばらつきが原因となって、液晶表示装置で色が部分的に薄くなるなどの色とび現象などが発生するなど画像品位を低下させると指摘されている。
さらに、上記シクロオレフィン系フィルムや、マレイミド成分を有するオレフィン系フィルムの光弾性係数は比較的小さく、配向複屈折も比較的小さいが、それでも視野角特性が悪く、大画面や広視野角用の液晶表示装置への使用が制限される。一方、オレフィン−マレイミド系樹脂とスチレン−アクリロニトリル系樹脂とからなるフィルム(例えば、特許文献6参照)は上記光弾性係数を更に小さくできるため、応力により誘起される分子配向による複屈折は比較的小さく、位相差も比較的小さいので好ましい材料として期待されるが、それでも、それらのフィルムを用いた液晶表示装置の画像品位が十分でない場合があった。
特開昭59−91121号公報
特開平9−254254号公報
特開昭63−81017号公報
特開平6−285953号公報
特開2004−1286号公報
特開2000−80240号公報
本発明によれば、厚みの均一性が顕著に改善され、正面位相差、厚み位相差が低減され実質的にゼロ複屈折となる光学用フィルムが提供できることとなる。液晶用フィルム等に用いた場合に、レンズ効果や画質品位の低下を回避することができ、有用であり。
上記課題を解決するため、本発明者等は鋭意研究を行った。その結果、非晶性の熱可塑性樹脂からなるフィルムであって、厚みが10〜200μmで、厚みばらつきはRyが5μm以下で、Raが1μm以下であり、かつ、正面方向の位相差が6nm以下で、厚み方向の面内の位相差のむらが2nm以下であり、実質的にゼロ複屈折の光学用フィルムが上記課題を解決することを見出し、本発明を完成した。すなわち、上記フィルムによれば、いわゆるレンズ効果によって液晶表示装置の画像品位を低下させず、また、位相差や位相差むらが実質的に発生しないので液晶表示装置の画像品位を非常に優れたものにすることが出来ることを見出し本発明に至った。
具体的には、本発明によれば、非晶性の熱可塑性樹脂からなるフィルムであって、厚みが10〜200μmで、厚みばらつきはRyが5μm以下で、Raが1μm以下であり、かつ、正面方向の位相差が6nm以下で、厚み方向の面内の位相差のむらが2nm以下であり、実質的にゼロ複屈折の光学用フィルムが提供される。
1つの実施態様では、前記フィルムは、溶融押出法により成膜される、溶融押出フィルムである。
また、1つの実施態様では、前記フィルムは、延伸により得られる、延伸フィルムである。
また、本発明は、上記の光学用フィルムを用いてなる偏光子保護フィルムを提供する。
本発明は、別の局面において、非晶性の熱可塑性樹脂からなる光学用フィルムを溶融押出法により成膜する製造方法において、Tダイから押し出されるシート状の溶融樹脂を2つの冷却ドラムで挟み込んで冷却することを特徴とする光学用フィルムの製造方法を提供する。
本発明は、更に別の局面において、非晶性の熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸して光学用フィルムとする製造方法であって、フィルムを延伸するにあたって、フィルムを一旦、延伸温度より0.5〜5℃高い温度まで予熱し、しかるのち、延伸温度まで冷却して延伸することを特徴とする光学用フィルムの製造方法を提供する。
本発明は、また、更に別の局面において、非晶性の熱可塑性樹脂からなる光学用フィルムの製造方法において、Tダイから押し出されるシート状の溶融樹脂を2つの冷却ドラムで挟み込んで冷却してフィルムとし、該フィルムを延伸するにあたって、フィルムを一旦、延伸温度より0.5〜5℃高い温度まで予熱し、しかるのち、延伸温度まで冷却して延伸する光学用フィルムの製造方法を提供する。
また、本発明に係る光学用フィルムの製造方法は、上記非晶性の熱可塑性樹脂として、イミド樹脂を含有する樹脂組成物が用いられることが好ましい。
また、本発明に係る光学用フィルムの製造方法は、上記イミド樹脂が、下記の一般式(1)で表される単位と、下記の一般式(2)で表される単位及び/又は(3)で表される単位と、を有するイミド樹脂であることが好ましい。
本発明によれば、厚みの均一性が顕著に改善されており、液晶表示装置などにこれらのフィルムが用いられた場合、位相差が小さく、かつ厚みむらに起因するレンズ効果や位相差のむらによる画質品位の低下を回避することができる。
製造方法は、必ずしも本発明に記載の方法に限定されるわけでないが、溶融状態のフィルム状の樹脂を冷却ドラムとタッチロールとで挟み込みながら冷却する成形方法は既存設備の小改造で済み、また条件の制御が容易であるなどの利点もある。
発明の実施の一形態について説明すれば、以下の通りである。尚、以下の実施形態および実施例は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
〔フィルムの組成〕
まず、本発明に係る光学用フィルムの製造方法において用いられるフィルムについて説明する。本発明において、フィルムは少なくとも非晶性の熱可塑性樹脂からなる。この非晶性の熱可塑性樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル系樹脂やポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、マレイミド・オレフィン系樹脂、グルタルイミド系樹脂などの単独樹脂、あるいはこれらを混合してなる樹脂組成物が挙げられる。
〔フィルムの組成〕
まず、本発明に係る光学用フィルムの製造方法において用いられるフィルムについて説明する。本発明において、フィルムは少なくとも非晶性の熱可塑性樹脂からなる。この非晶性の熱可塑性樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル系樹脂やポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、マレイミド・オレフィン系樹脂、グルタルイミド系樹脂などの単独樹脂、あるいはこれらを混合してなる樹脂組成物が挙げられる。
非晶性の熱可塑性樹脂としては、下記一般式(1)で表される単位を有するイミド樹脂が好ましく、下記一般式(1)で表される単位と下記一般式(2)で表される単位とが共重合したイミド樹脂、下記一般式(1)で表される単位と下記一般式(3)で表される単位とが共重合したイミド樹脂、又は、下記一般式(1)で表される単位と下記一般式(2)で表される単位と下記一般式(3)で表される単位とが共重合したイミド樹脂がより好ましい。
イミド樹脂は、通常、上記一般式(1)で表される単位を有する樹脂である。この一般式(1)で表される単位からなる樹脂は、正の固有複屈折を有している。一方、上記一般式(2)で表される単位からなる樹脂はゼロ近傍の固有複屈折を有し、式(3)で表される単位からなる樹脂は負の固有複屈折を有している。従って、上記一般式(1)で表される単位と上記一般式(2)及び/又は(3)で表される単位とが適切な比率で共重合したイミド樹脂を用いれば、光学用途に好適なゼロ複屈折のフィルム、又はそれに近いフィルムを実現することができる。
上記一般式(1)で表される単位を有する樹脂としては、例えば、グルタルイミド樹脂等が挙げられる。また、上記一般式(1)で表される単位と上記一般式(2)で表される単位とを有する樹脂としては、例えば、イミド化ポリメタクリル酸メチル樹脂(イミド化PMMA樹脂)等が挙げられる。また、上記一般式(1)で表される単位と上記一般式(3)で表される単位とを有する樹脂としては、例えば、イミド化スチレン樹脂等が挙げられる。また、上記一般式(1)で表される単位と上記一般式(2)で表される単位と上記一般式(3)で表される単位とを有する樹脂としては、例えば、イミド化メタクリルスチレン樹脂(イミド化MS樹脂)等が挙げられる。なお、これらの樹脂の合成方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いて合成することができる。
また、非晶性の熱可塑性樹脂としては、樹脂組成物であってもよい。本発明において、非晶性の熱可塑性樹脂として用いることができる樹脂組成物の具体的な組成は特に限定されるものではなく、上述した各種熱可塑性樹脂(好ましくは上記イミド樹脂)と、本発明の技術分野で公知の他の成分とを公知の比率で含有していればよい。他の成分としては、他の樹脂成分であってもよいし、以下の押出工程で一般的に用いられている安定剤や滑剤等、及び/又は紫外線吸収剤等であってもよい。
(フィルムの製造)
フィルムを成形する方法としては、従来公知の任意の方法が可能である。例えば、溶液流延法や溶融押出法などが挙げられる。そのいずれをも採用することができるが、溶剤を使用しない溶融押出法の方が、地球環境上や作業環境上、あるいは製造コストの観点から好ましい。
フィルムを成形する方法としては、従来公知の任意の方法が可能である。例えば、溶液流延法や溶融押出法などが挙げられる。そのいずれをも採用することができるが、溶剤を使用しない溶融押出法の方が、地球環境上や作業環境上、あるいは製造コストの観点から好ましい。
本明細書においては、上記の溶融押出法で成形されたフィルムを、溶液流延法などの他の方法で成形されたフィルムと区別するために、溶融押出フィルムと表現する。
好ましい実施形態においては、フィルム化の前に、用いる熱可塑性樹脂を予備乾燥しておく。予備乾燥は、例えば原料をペレットなどの形態にして、熱風乾燥機などで行われる。予備乾燥は、押し出される樹脂の発泡を防ぐことができるので非常に有用である。
熱可塑性樹脂は押出機に供給される。押出機内で加熱溶融された熱可塑性樹脂は、ギヤーポンプやフィルターを通して、Tダイに供給される。ギヤーポンプの使用は、樹脂の押出量の均一性を向上させ、厚みムラを低減させる効果が高く非常に有用である。また、フィルターの使用は、樹脂中の異物を除去し欠陥の無い外観に優れたフィルムを得るのに有用である。
さらに好ましい実施態様においては、Tダイから押し出されるシート状の溶融樹脂を2つの冷却ドラムで挟み込んで冷却し光学用フィルムが成膜される。2つの冷却ドラムのうち、一方が、表面が平滑な剛体性の金属ドラムであり、もう一方が、表面が平滑な弾性変形可能な金属製弾性外筒を備えたフレキシブルドラムであるのが特に好ましい。剛体性のドラムとフレキシブルなドラムとで、Tダイから押し出されるシート状の溶融樹脂を挟み込んで冷却して成膜することにより、表面の微小な凹凸やダイラインなどが矯正されて、表面の平滑な、厚みむらが5μm以下であるフィルムを得ることが出来るので特に有用である。
なお、冷却ドラムは、「タッチロール」あるいは「冷却ロール」と呼ばれることがあるが、本明細書中における用語「冷却ドラム」とは、これらのロールを包含する。
Tダイから押し出されるシート状の溶融樹脂を剛体性のドラムとフレキシブルなドラムとで挟み込みながら冷却しフィルムを成形する場合、一方のドラムが弾性変形可能であったとしても、いずれのドラム表面も金属であるために、薄いフィルムを成形する場合、ドラムの面同士が接触してドラム外面に傷がつきやすい、あるいはドラムそのものが破損しやすい。従って、成形するフィルムの厚みは10μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましく、さらに好ましくは80μm以上、特に好ましくは100μm以上である。
また、Tダイから押し出されるシート状の溶融樹脂を剛体性のドラムとフレキシブルなドラムとで挟み込みながら冷却しフィルムを成形する場合、フィルムが厚いと、フィルムの冷却が不均一になりやすく、光学的特性が不均一になりやすい。従って、フィルムの厚みは200μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは、170μm以下ある。
なお、これより薄いフィルムを製造する場合の実施態様としては、このような挟み込み成形で比較的厚みの厚い原料フィルムを得た後、一軸延伸あるいは二軸延伸して所定の厚みのフィルムを製造するのが好ましい。実施態様の1例を挙げれば、このような挟み込み成形で厚み150μmの原料フィルムを製造した後、縦横二軸延伸により、厚み40μmの光学用フィルムを製造することができる。
(延伸)
本発明に係る延伸フィルムは、非晶性の熱可塑性樹脂を未延伸状態の原料フィルムに成形し、さらに一軸延伸あるいは二軸延伸を行うことにより得られる。本明細書中では、説明の便宜上、上記樹脂組成物をフィルム状に成形した後、延伸を施す前のフィルムを「原料フィルム」と呼ぶが、原料フィルムは、延伸を施さずにそのままで本発明の光学用フィルムとなり得る。
本発明に係る延伸フィルムは、非晶性の熱可塑性樹脂を未延伸状態の原料フィルムに成形し、さらに一軸延伸あるいは二軸延伸を行うことにより得られる。本明細書中では、説明の便宜上、上記樹脂組成物をフィルム状に成形した後、延伸を施す前のフィルムを「原料フィルム」と呼ぶが、原料フィルムは、延伸を施さずにそのままで本発明の光学用フィルムとなり得る。
延伸を行うことにより、機械的特性が向上する。従来のフィルムでは延伸処理を行った場合に位相差の発生を避けることが困難であった。しかし、本発明の特に好ましい樹脂組成物を用いて成形されたフィルムは、延伸処理を施しても位相差が実質的に発生しないという利点を有する。
フィルムの延伸は、原料フィルムを成形した後、直ぐに連続的に行ってもよい。ここで、上記「原料フィルム」の状態が瞬間的にしか存在しない場合があり得る。瞬間的にしか存在しない場合には、その瞬間的な、フィルムが形成された後延伸されるまでの状態を原料フィルムという。また、原料フィルムとは、その後延伸されるのに充分な程度にフィルム状になっていればよく、完全なフィルムの状態である必要はなく、もちろん、完成したフィルムとしての性能を有さなくてもよい。
また、必要に応じて、原料フィルムを成形した後、一旦フィルムを保管もしくは移動し,その後フィルムの延伸を行ってもよい。
原料フィルムを延伸する方法としては、従来公知の任意の延伸方法が採用され得る。具体的には、例えば、テンターを用いた横延伸、ロールを用いた縦延伸、およびこれらを逐次組み合わせた逐次二軸延伸などがある。また、縦と横を同時に延伸する同時二軸延伸方法も採用可能である。ロール縦延伸を行った後、テンターによる横延伸を行う方法を採用してもよい。
本発明においては、フィルムを延伸するにあたって、フィルムを一旦、延伸温度より0.5〜5℃高い温度まで予熱し、しかるのち、延伸温度まで冷却して延伸するのが好ましい。さらに好ましくは、延伸温度より1〜3℃高い温度まで一旦予熱した後、延伸温度まで冷却して延伸するのが好ましい。予熱温度が高すぎるとフィルムがロールに貼り付く、あるいは自重でたるむなどの弊害が発生するので好ましくない。また、予熱温度が延伸温度とあまり変わらないと延伸前のフィルムの厚み精度を維持しない、あるいは厚みムラが大きくなり、厚み精度が低下するので好ましくない。結晶性の熱可塑性樹脂の場合には、延伸に際してネッキング現象を利用することが出来るので、その場合には、延伸によって厚み精度が改善される。一方、本発明の非晶性熱可塑性樹脂の場合には、延伸に際してネッキング現象の利用が困難であるので、厚み精度を維持あるいは改善するためにはこのような温度管理が特に重要である。
本発明のフィルムは、原料フィルムの状態で、すなわち未延伸フィルムの状態で最終製品とすることが出来る。また、一軸延伸フィルムの状態で最終製品とすることが出来る。さらに延伸工程を組み合わせて行ってニ軸延伸フィルムとしてもよい。
フィルムの延伸温度及び延伸倍率は、得られたフィルムの機械的強度および表面性、厚み精度を指標として適宜調整することができる。延伸温度の範囲は、DSC法によって求めたフィルムのガラス転移温度をTgとしたときに、好ましくは、Tg−30℃〜Tg+30℃の範囲である。より好ましくは、Tg−20℃〜Tg+20℃の範囲である。さらに好ましくは、Tg以上Tg+20℃以下の範囲である。延伸温度が高すぎる場合、得られたフィルムの厚みむらが大きくなりやすい上に、伸び率や引裂伝播強度、耐揉疲労などの力学的性質の改善も不十分になりやすい。また、フィルムがロールに粘着するトラブルが起こりやすい。逆に、延伸温度が低すぎる場合、延伸フィルムのヘーズが大きくなりやすく、また、極端な場合には、フィルムが裂ける、割れるなどの工程上の問題を引き起こしやすい。
好ましい延伸倍率は、延伸温度にも依存するが、1.1倍から3倍の範囲で選択される。より好ましくは、1.3倍〜2.5倍である。さらに好ましくは、1.5倍〜2.3倍である。
該熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)とを前述した好ましい混合範囲に調整し、適切な延伸条件を選択することにより、実質的に複屈折を生じさせることなく、また光線透過率の低下またはヘーズの増大を実質的に伴わない、厚みむらの小さなフィルムを容易に得ることが出来る。好ましくは、1.3倍以上、より好ましくは1.5倍以上延伸することにより、フィルムの伸び率、引裂伝播強度、および耐揉疲労などの力学的性質が大幅に改善され、さらに、厚みばらつきはRyが5μm以下で、Raが1μm以下であり、複屈折が実質的にゼロ、光線透過率が85%以上、ヘーズが1%以下のフィルムを得ることができる。
本発明の延伸フィルムの厚みは、好ましくは10μmから180μmであり、より好ましくは20μmから150μmであり、さらに好ましくは30μmから100μmである。これより厚いフィルムを成形するには、未延伸フィルムとして200μmを越すフィルムが必要であり、その場合には、フィルムの冷却が不均一になり、光学的均質性などが低下するので好ましくない。これより薄いフィルムを成形すると、延伸倍率が過大になり、ヘイズが悪化するなどの弊害がある。
本発明のフィルムのガラス転移温度は80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。さらに好ましくは、130℃以上である。ガラス転移温度の上限は特にないが、過度の高ガラス転移温度は延伸処理を困難化、或いは延伸処理設備の高価格化のおそれがあるため、250℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましい。
本発明の光学用フィルムの光線透過率は、85%以上が好ましく、より好ましくは、88%以上である。また、フィルムのヘーズは2%以下が好ましく、より好ましくは1%以下である。さらに好ましくは、0.5%以下である。
本発明の光学用フィルムは、そのまま最終製品として各種用途に使用することができる。あるいは各種加工を行って、種々の用途に使用できる。特に優れた光学的均質性、透明性、低複屈折性などを利用して光学的等方フィルム、偏光子保護フィルムや透明導電フィルムなど液晶表示装置周辺等の公知の光学的用途に好適に用いることができる。
本発明の光学用フィルムは、必要によりフィルムの片面あるいは両面に表面処理を行うことができる。表面処理方法としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線照射、およびアルカリ処理などが挙げられる。特に、フィルム表面にコーティング加工等の表面加工が施される場合や、粘着剤により別のフィルムがラミネートされる場合には、相互の密着性を上げるための手段として、フィルムの表面処理を行うことが好ましい。コロナ処理が特に好適な方法である。好ましい表面処理の程度は、50dyn/cm以上である。上限は特に定められないが、表面処理のための設備などの点から、80dyn/cm以下であることが好ましい。
また、本発明の光学用フィルムの表面には、必要に応じハードコート層などのコーティング層を形成することができる。また、本発明の光学用フィルムは、コーティング層を介して、または、介さずに、スパッタリング法等によりインジウムスズ酸化物系等の透明導電層を形成することができ、プラスチック液晶表示装置の電極基板やタッチパネルの電極基板として用いることもできる。
(偏光子保護フィルム)
本発明の光学用フィルムは、偏光子に貼合せて使用することができる。すなわち、偏光子保護フィルムとして使用することができる。ここで、偏光子としては、従来公知の任意の偏光子が使用可能である。具体的には、例えば、延伸されたポリビニルアルコールにヨウ素を含有させて偏光子を得ることができる。このような偏光子に本発明のフィルムを偏光子保護フィルムとして貼合して偏光板とすることができる。
本発明の光学用フィルムは、偏光子に貼合せて使用することができる。すなわち、偏光子保護フィルムとして使用することができる。ここで、偏光子としては、従来公知の任意の偏光子が使用可能である。具体的には、例えば、延伸されたポリビニルアルコールにヨウ素を含有させて偏光子を得ることができる。このような偏光子に本発明のフィルムを偏光子保護フィルムとして貼合して偏光板とすることができる。
(物性測定方法)
以下に本発明の実施例を説明する。実施例の具体的な内容を説明する前に、まず、各実験結果として示される各物性値の測定方法を以下に示す。
<厚み測定法>
アンリツ株式会社製の触針式連続フィルム厚み計(フィルムシックネステスタKG601Bおよび電子マイクロメータK3001A)を使用して測定した。フィルムの幅方向の両端部からネックイン影響がある部位を切除し、フィルムの幅方向および長さ方向に、幅300mm、長さ200mm以上に切り出したフィルムの厚みを1mm間隔で連続的に測定した。厚みばらつきは、JIS B0601に準拠して、Ryを測定データの最大値から最小値の差とし、Raを
以下に本発明の実施例を説明する。実施例の具体的な内容を説明する前に、まず、各実験結果として示される各物性値の測定方法を以下に示す。
<厚み測定法>
アンリツ株式会社製の触針式連続フィルム厚み計(フィルムシックネステスタKG601Bおよび電子マイクロメータK3001A)を使用して測定した。フィルムの幅方向の両端部からネックイン影響がある部位を切除し、フィルムの幅方向および長さ方向に、幅300mm、長さ200mm以上に切り出したフィルムの厚みを1mm間隔で連続的に測定した。厚みばらつきは、JIS B0601に準拠して、Ryを測定データの最大値から最小値の差とし、Raを
<厚み方向の位相差>
王子計測機器製「KOBRA−21ADH」を用いて、波長550nmで測定した。
王子計測機器製「KOBRA−21ADH」を用いて、波長550nmで測定した。
<ガラス転移温度>
JIS K7121に準拠し測定した。
JIS K7121に準拠し測定した。
<光線透過率>
JIS K7105−1981の5.5記載の方法により550nmの光を用いて測定した。
JIS K7105−1981の5.5記載の方法により550nmの光を用いて測定した。
<ヘーズ>
JIS K7105−1981の6.4記載の方法により測定した。
JIS K7105−1981の6.4記載の方法により測定した。
以下実験例に従って本発明を具体的に説明する。
(製造例1)
アクリル酸エステル系樹脂であるポリメタクリル酸メチル(PMAA)樹脂を、イミド化剤であるモノメチルアミンによりイミド化し、イミド化PMAA樹脂を製造した。この、イミド化PMAA樹脂は、実施形態の〔フィルムの組成〕に記載した一般式(1)で表される単位と一般式(2)で表される単位とが共重合したイミド樹脂に相当する。得られたイミド化樹脂を押出機にてペレットにし、得られたペレットを100℃で5時間乾燥した後、40mm単軸押出機と400mm幅のTダイとを用いて240℃で押出し、厚み150μmのダイラインがない綺麗なフィルムを得た。
アクリル酸エステル系樹脂であるポリメタクリル酸メチル(PMAA)樹脂を、イミド化剤であるモノメチルアミンによりイミド化し、イミド化PMAA樹脂を製造した。この、イミド化PMAA樹脂は、実施形態の〔フィルムの組成〕に記載した一般式(1)で表される単位と一般式(2)で表される単位とが共重合したイミド樹脂に相当する。得られたイミド化樹脂を押出機にてペレットにし、得られたペレットを100℃で5時間乾燥した後、40mm単軸押出機と400mm幅のTダイとを用いて240℃で押出し、厚み150μmのダイラインがない綺麗なフィルムを得た。
このフィルムの厚みばらつきは、Ryが2.0μmであり、Raが0.3μmであった。また、正面方向の位相差の最大値は5nmであり、厚み方向の面内の位相差のむらが2nmであり、実質的にゼロ複屈折のフィルムが得られた。
(製造例2)
ポリメタクリル酸メチル‐スチレン共重合体(MS)樹脂を、イミド化剤であるモノメチルアミンによりイミド化し、イミド化MS樹脂を製造した。このイミド化MS樹脂は、実施形態の〔フィルムの組成〕に記載した一般式(1)で表される単位と一般式(2)で表される単位と一般式(3)で表される単位とが共重合したイミド樹脂に相当する。得られたイミド化樹脂を押出機にてペレットにし、得られたペレットを140℃で5時間乾燥した後、40mm単軸押出機と400mm幅のTダイとを用いて240℃で押出し、厚み150μmのダイラインがない綺麗なフィルムを得た。
ポリメタクリル酸メチル‐スチレン共重合体(MS)樹脂を、イミド化剤であるモノメチルアミンによりイミド化し、イミド化MS樹脂を製造した。このイミド化MS樹脂は、実施形態の〔フィルムの組成〕に記載した一般式(1)で表される単位と一般式(2)で表される単位と一般式(3)で表される単位とが共重合したイミド樹脂に相当する。得られたイミド化樹脂を押出機にてペレットにし、得られたペレットを140℃で5時間乾燥した後、40mm単軸押出機と400mm幅のTダイとを用いて240℃で押出し、厚み150μmのダイラインがない綺麗なフィルムを得た。
このフィルムの厚みばらつきは、Ryが1.6μmであり、Raが約0.2μmであった。また、正面方向の位相差の最大値は4nmであり、厚み方向の面内の位相差のむらが2nm以下であり、実質的にゼロ複屈折のフィルムが得られた。
(製造例3)
製造例2で得られた厚み150μmのフィルムを、ロールを用いた縦延伸装置によってフィルムの長手方向に一軸延伸を行い、逐次、テンターを用いた横延伸装置によってフィルムの幅方向に延伸を行なった。ここで、DSC法によって求めた延伸前のフィルムのガラス転移温度をTgとしたときに、ロール縦延伸では、予熱温度をTg+3℃とし、延伸温度をTg+2℃とし、冷却温度でTg+1℃に設定した。テンターの横延伸では、予熱ゾーンと延伸ゾーンの熱風温度をTg+10℃に設定した。延伸倍率は、縦方向が2.0倍とし、横方向が2.0倍とした。
製造例2で得られた厚み150μmのフィルムを、ロールを用いた縦延伸装置によってフィルムの長手方向に一軸延伸を行い、逐次、テンターを用いた横延伸装置によってフィルムの幅方向に延伸を行なった。ここで、DSC法によって求めた延伸前のフィルムのガラス転移温度をTgとしたときに、ロール縦延伸では、予熱温度をTg+3℃とし、延伸温度をTg+2℃とし、冷却温度でTg+1℃に設定した。テンターの横延伸では、予熱ゾーンと延伸ゾーンの熱風温度をTg+10℃に設定した。延伸倍率は、縦方向が2.0倍とし、横方向が2.0倍とした。
上記の延伸条件で延伸した結果、厚み40μmのダイラインがない綺麗なフィルムを得た。
このフィルムの厚みばらつきは、Ryが1.3μmであり、Raが0.2μm以内であった。また、正面方向の位相差の最大値は2nmであり、厚み方向の面内の位相差のむらが1nm以下であり、実質的にゼロ複屈折のフィルムが得られた。
(製造例4)
ポリメタクリル酸メチル‐スチレン共重合体(MS)樹脂を、製造例2と同様の方法でイミド化MS樹脂を製造した。得られたイミド化樹脂を押出機にてペレットにし、得られたペレットを140℃で5時間乾燥した後、40mm単軸押出機と400mm幅のTダイとを用いて240℃で押出し、溶融状態のフィルム状の樹脂を冷却ドラムとタッチロールとで挟み込みながら冷却する成形方法により、厚み150μmのダイラインがない綺麗なフィルムを得た。
ポリメタクリル酸メチル‐スチレン共重合体(MS)樹脂を、製造例2と同様の方法でイミド化MS樹脂を製造した。得られたイミド化樹脂を押出機にてペレットにし、得られたペレットを140℃で5時間乾燥した後、40mm単軸押出機と400mm幅のTダイとを用いて240℃で押出し、溶融状態のフィルム状の樹脂を冷却ドラムとタッチロールとで挟み込みながら冷却する成形方法により、厚み150μmのダイラインがない綺麗なフィルムを得た。
このフィルムの厚みばらつきは、Ryが1.4μmであり、Raが0.2μmであった。また、正面方向の位相差の最大値は5nmであり、厚み方向の面内の位相差のむらが2nm以下であり、実質的にゼロ複屈折のフィルムが得られた。
Claims (9)
- 非晶性の熱可塑性樹脂からなるフィルムであって、厚みが10〜200μmで、厚みばらつきはRyが5μm以下で、Raが1μm以下であり、かつ、正面方向の位相差が6nm以下で、厚み方向の面内の位相差のむらが2nm以下であり、実質的にゼロ複屈折の光学用フィルム。
- 前記フィルムが、溶融押出フィルムである請求項1記載の光学用フィルム。
- 前記フィルムが、延伸フィルムである請求項1記載の光学用フィルム。
- 上記非晶性の熱可塑性樹脂として、イミド樹脂又はイミド樹脂を含有する樹脂組成物が用いられることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1項に記載の光学用フィルムの製造方法。
- 上記イミド樹脂が、下記の一般式(1)で表される単位と、下記の一般式(2)で表される単位及び/又は(3)で表される単位と、を有するイミド樹脂であることを特徴とする、請求項4に記載の光学用フィルムの製造方法。
- 請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学用フィルムを用いてなる偏光子保護フィルム。
- 非晶性の熱可塑性樹脂からなる光学用フィルムを溶融押出法により成膜する製造方法において、Tダイから押し出されるシート状の溶融樹脂を2つの冷却ドラムで挟み込んで冷却することを特徴とする光学用フィルムの製造方法。
- 非晶性の熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸して光学用フィルムとする製造方法であって、フィルムを延伸するにあたって、フィルムを一旦、延伸温度より0.5〜5℃高い温度まで予熱し、しかるのち、延伸温度まで冷却して延伸することを特徴とする光学用フィルムの製造方法。
- 非晶性の熱可塑性樹脂からなる光学用フィルムの製造方法において、Tダイから押し出されるシート状の溶融樹脂を2つの冷却ドラムで挟み込んで冷却してフィルムとし、該フィルムを延伸するにあたって、フィルムを一旦、延伸温度より0.5〜5℃高い温度まで予熱し、しかるのち、延伸温度まで冷却して延伸する光学用フィルムの製造方法。
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