JP2006307943A - 油圧制御弁 - Google Patents

油圧制御弁 Download PDF

Info

Publication number
JP2006307943A
JP2006307943A JP2005129971A JP2005129971A JP2006307943A JP 2006307943 A JP2006307943 A JP 2006307943A JP 2005129971 A JP2005129971 A JP 2005129971A JP 2005129971 A JP2005129971 A JP 2005129971A JP 2006307943 A JP2006307943 A JP 2006307943A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
port
spool
land portion
oil
oil chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005129971A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4244346B2 (ja
Inventor
Toru Ino
亨 猪野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Keihin Corp
Original Assignee
Keihin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Keihin Corp filed Critical Keihin Corp
Priority to JP2005129971A priority Critical patent/JP4244346B2/ja
Publication of JP2006307943A publication Critical patent/JP2006307943A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4244346B2 publication Critical patent/JP4244346B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sliding Valves (AREA)
  • Magnetically Actuated Valves (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

【課題】作動初期にオイルをダンパ油室に迅速に供給できてダンパ油室の作動遅れを生じさせず,しかも常閉型及び常開型の両方の型を簡単に構成し得る油圧制御弁を提供する。【解決手段】バルブボディ20の第1ポート37,第2ポート38及び第3ポート39をリニアソレノイド部S側からその順序で配置し,スプール22には,第1及び第2ポート37,38間を遮断・導通する第1ランド部251 と,第2及び第3ポート38,39間を導通・遮断する第2ランド部252 と,この第2ランド部252 と直径を異にした第3ランド部253 とをリニアソレノイド部S側から順次形成し,第2ポート38に油圧作動部44を接続すると共に,バルブボディ20には,第2及び第3ランド部252 ,253 の境界部を臨ませて第2ポート38と連通する反力油室35と,この反力油室35に第3ランド部253 を挟んで隣接するダンパ油室を設け,第3ランド部253 の周囲にオイルのリーク用間隙36を設けた。
【選択図】 図3

Description

本発明は,リニアソレノイド部,このリニアソレノイド部の出力により前進駆動されるスプール,このスプールを摺動可能に嵌装するバルブボディ,及び前記スプールを後退方向に付勢する戻しばねを備え,前記バルブボディには,第1ポート,第2ポート及び第3ポートを設け,また前記スプールを,該スプールの後退限では前記第2ポート及び第3ポート間を遮断して前記第1ポート及び第2ポート間を導通し,該スプールの前進により前記第1ポート及び第2ポート間を遮断して前記第2ポート及び第3ポート間を導通するように構成し,前記バルブボディには,前記スプールを前記戻しばねの付勢力又は前記リニアソレノイド部の出力と対抗する方向に押圧する油圧が導入される反力油室と,前記スプールの一端面を臨ませて該スプールの制振を行うダンパ油室とを設けた油圧制御弁の改良に関する。
従来のかゝる油圧制御弁の一例を図6に示す。このものでは,バルブボディの,少なくともリニアソレノイド部と反対側の先端部をオイルタンクの油中に浸漬し,その油中にオリフィスを介して連通するダンパ油室をバルブボディに設けて,ダンパ油室を常時オイルで満たし,スプールの振動時,オリフィスのオイルに対する絞り抵抗により,スプールを制振するようにしている。
上記のような従来の油圧制御弁は,ダンパ油室にオイルを満たすべく,ダンパ油室をオイルタンクの油中に浸漬しておかなければならない,という配置上の制約がある。しかも,オイルタンク内の油面とダンパ油室間の落差は比較的小さいので,その落差を利用しての,オイルタンクからダンパ油室へのオイルの供給には迅速性を欠き,油圧制御弁の作動初期にダンパ油室の作動遅れが発生する虞がある。またかゝる油圧制御弁では,常開型のものと常閉型のものとで構成要素が全く相違しているため,両型の油圧制御弁を製作する場合には,それぞれのコストの低減が困難である。
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,オイルタンクに対する配置上の制約がなく,しかも作動初期にオイルをダンパ油室に迅速に供給することができて,ダンパ油室の作動遅れを生じさせず,しかも常閉型及び常開型の両方の型を簡単に構成し得る前記油圧制御弁を提供することを目的とする。
本発明は,上記目的を達成するために,リニアソレノイド部,このリニアソレノイド部の出力により前進駆動されるスプール,このスプールを摺動可能に嵌装するバルブボディ,及び前記スプールを後退方向に付勢する戻しばねを備え,前記バルブボディには,第1ポート,第2ポート及び第3ポートを設け,また前記スプールを,該スプールの後退限では前記第2ポート及び第3ポート間を遮断して前記第1ポート及び第2ポート間を導通し,該スプールの前進により前記第1ポート及び第2ポート間を遮断して前記第2ポート及び第3ポート間を導通するように構成し,前記バルブボディには,前記スプールを前記戻しばねの付勢力又は前記リニアソレノイド部の出力と対抗する方向に押圧する油圧が導入される反力油室と,前記スプールの一端面を臨ませて該スプールの制振を行うダンパ油室とを設けた油圧制御弁において,前記バルブボディの前記第1ポート,第2ポート及び第3ポートを前記リニアソレノイド部側からその順序で配置し,前記スプールには,その前進・後退に応じて前記第1ポート及び第2ポート間を遮断・導通するように前記バルブボディ内を摺動する第1ランド部と,またその前進・後退に応じて前記第2ポート及び第3ポート間を導通・遮断するように前記バルブボディ内を摺動する第2ランド部と,この第2ランド部と直径を異にして前記バルブボディ内を摺動する第3ランド部とを前記リニアソレノイド部側から順次形成し,前記第2ポートに油圧作動部を接続すると共に,前記バルブボディには,前記第2及び第3ランド部の境界部を臨ませて前記第2ポートと連通する反力油室と,この反力油室に前記第3ランド部を挟んで隣接するダンパ油室とを設け,この反力油室からダンパ油室にオイルをリーク供給し得る摺動間隙を前記第3ランド部及びバルブボディ間に設けたことを第1の特徴とする。
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記第1ポートをオイルタンクに開放し,前記第2ポートを油圧作動部に接続し,前記第3ポートを油圧源に接続し,前記第2ランド部より前記第3ランド部を小径に形成したことを第2の特徴とする。
さらに本発明は,第1の特徴に加えて,前記第1ポートに油圧源を接続し,前記第3ポートをオイルタンクに開放し,前記第2ランド部より前記第3ランド部を大径に形成したことを第3の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば,リニアソレノイド部の作動時,反力油室に油圧が供給されと,その油圧は第3ランド部及びバルブボディ間の摺動間隙を介して隣のダンパ油室に積極的にリーク供給されることになる。したがって,ダンパ油室を,油圧制御弁の作動初期から遅れなくオイルで満たすことができるので,ダンパ油室は,常にスプールに対して良好な制振機能を発揮することができる。しかもダンパ室は,従来のようにオイルタンクの油中に浸漬させる必要もないから油圧制御弁の配置の制約がなくなり,汎用性を高めることができる。
しかも,第1ポート及び第3ポートに対して,油圧源及びオイルタンクを選択的に接続すると共に,第2ランド及び第3ランドの直径の大小関係を選定することにより,常閉型及び常開型の何れの型の油圧制御弁も簡単に構成することができ,それぞれの油圧制御弁を低コストで提供し得る。
また本発明の第2の特徴によれば,第1ポートをオイルタンクに開放すると共に,第3ポートに油圧源を接続し,第2ランドより第3ランドを小径に形成することにより,常閉型の油圧制御弁を簡単に構成することができ,その油圧制御弁を低コストで提供し得る。
さらに本発明の第3の特徴によれば,第1ポートに油圧源を接続すると共に,第3ポートをオイルタンクに開放し,第2ランドより第3ランドを大径に形成することにより,常開型の油圧制御弁を簡単に構成することができ,その油圧制御弁を低コストで提供し得る。
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。
添付図面において,図1は本発明の油圧制御弁を常閉型に構成した形態の底面図,図2は図1の2−2線拡大断面図,図3は図1の3−3線拡大断面図,図4は図1及び図3の3−3線断面図,図5は本発明の油圧制御弁を常開型に構成した形態の,図3との対応図である。
先ず,図1〜図4により,本発明の油圧制御弁を常閉型に構成した形態について説明する。
図1において,油圧制御弁1は,例えば自動車用自動変速機におけるクラッチ油圧の制御用であって,リニアソレノイド部Sとバルブ部Vとからなっており,そのバルブ部Vのバルブボディ20が自動車のミッションケース2(図4参照)の取り付け2fにボルト5により接合される。
図2に示すように,リニアソレノイド部Sは,磁性体よりなる一端を開放した有底円筒状のハウジング3,このハウジング3に収容されるコイル組立体4,ハウジング3の閉塞端壁に一体に連設されてコイル組立体4の内側に配置される円筒状のヨーク6,ハウジング3の開放端に結合されると共に,コイル組立体4の内側でヨーク6と所定の間隔を存して対置される固定コア7,及びヨーク6及び固定コア7に摺動可能に嵌装される可動コア8を備える。コイル組立体4は,合成樹脂製のボビン9と,これに巻装されたコイル10と,これらを収容するように成形された合成樹脂製のコイルケース11よりなるもので,そのコイルケース11に一端部には,ハウジング3外方に突出するカプラ12が一体に連設され,このカプラ12内にコイル10に連なる接続端子13が配設される。
ヨーク6の,固定コア7との対向面は,その軸線に対して垂直に形成され,また固定コア7の,ヨーク6との対向面は円錐状に形成される。
可動コア8には,その中心部を貫通する出力杆14が固着されており,この出力杆14の一端部は,ハウジング3の閉塞端壁に設けられた袋状の第1軸受孔151 に第1ブッシュ161 を介して摺動可能に支承され,その他端部は,固定コア7の中心部を貫通する第2軸受孔152 に第2ブッシュ162 を介して摺動可能に支承される。
而して,コイル10を流れる電流値に比例した電磁推力を可動コア8を介して出力杆14に付与することができる。
第1ブッシュ161 は,第1軸受孔151 の内周面に圧入して固着されるもので,この第1ブッシュ161 外周面には,その両端面間を連通する軸方向の第1連通溝171 が設けられる。また第2ブッシュ162 は,第2軸受孔152 の内周面に圧入して固着されるもので,この第2ブッシュ162 外周面にも,その両端面間を連通する軸方向の第2連通溝172 が設けられる。さらに可動コア8の外周面には,その端面間を連通する軸方向の第3連通溝173 が設けられる。
次に図3に示すように,バルブ部Vは,固定コア7側でハウジング3とかしめ結合されるバルブボディ20と,このバルブボディ20に出力杆14と同軸状に形成された弁孔21に嵌装されて出力杆14の前端に当接するスプール22と,このスプール22をその後退方向,即ち出力杆14との当接方向へ付勢する戻しばね23と,バルブボディ20に圧入されて戻しばね23の外端を支承する栓体24とから構成され,栓体24のバルブボディ20への圧入深さによって戻しばね23のセット荷重が調整される。
スプール22には,リニアソレノイド部S側から順に,第1ランド部251 ,第1環状溝部261 ,第2ランド部252 ,第2環状溝部262 ,第3ランド部253 が設けられ,第1及び第2ランド部251 ,252 は同径に形成され,第3ランド部253 の直径D3 は,第2ランド部252 の直径D2 より若干小さく設定される。
一方,バルブボディ20の弁孔21には,出力杆14及びスプール22の当接部が臨む作動室30と,この作動室30に隣接していて第1ランド部251 が常時摺動自在に嵌合する第1環状ランド部311 と,第1ランド部251 及び第2ランド部252 の対向端部が交互に嵌合,離脱する第2環状ランド部312 と,第2ランド部252 が常時摺動自在に嵌合する第3環状ランド部313 と,第3ランド部253 が常時摺動自在に嵌合する第4環状ランド部314 と,第1及び第2環状ランド部311 ,312 間に挟まれるように配置される第1ポート油室32と,第2環状ランド部312 の内側でスプール22の第1及び第2ランド部251 ,252 間に挟まれる第2ポート油室33と,第2及び第3環状ランド部312 ,313 間に挟まれるように配置される第3ポート油室34と,第2環状溝部262 を含む第2及び第3環状ランド部312 ,313 の境界部が臨む反力油室35と,スプール22及び栓体24の両対向端面が臨むダンパ油室36とが設けられ,このダンパ油室36に前記戻しばね23が収容される。
第3ランド部253 の外周面は,第4環状ランド部314 に嵌合する円筒摺動面253 aと,この円筒摺動面253 aから反力油室35に向かって小径となるテーパ面253 bとで構成される。この第3ランド部253 の円筒摺動面253 aと第4環状ランド部314 との間には,反力油室35からダンパ油室36にオイルをリーク供給し得る摺動間隙gが設けられる。
またバルブボディ20には,リニアソレノイド部S側から順に,作動室30に連なるブリーザポート40,第1ポート油室32に連なる第1ポート37及び,第3ポート油室34に連なる第3ポート39が設けられる。そして,ブリーザポート40及び第1ポート37は,バルブボディ20内の後述する油溜め室49(図1及び図4参照)に開放され,第2ポート38は,自動変速機におけるクラッチ等の油圧作動部44に直接連なる出力油路43に接続され,第3ポート39は,ミッションケース2の供給油路41を介して油圧源としての油圧ポンプ42に接続される。
第2ポート油室33は,また,スプール22に形成したフィードバック油路48を介して反力油室35に連通される。
而して,スプール22は,リニアソレノイド部Sの非通電時,戻しばね23の付勢力で後退位置に保持されるとき,第3ポート39及び第2ポート38間を遮断するようになっており,したがってこの油圧制御弁1は常閉型である。
図1及び図4に示すように,バルブボディ20には,ダンパ油室36の周囲に油溜め室49が設けられる。この油溜め室49は,バルブボディ20の接合面20fに形成された凹部51の開口部を,バルブボディ20が接合されるミッションケース2の取り付け面2fで閉塞して画成されたもので,ダンパ油室36の最上部は,この油溜め室49にオリフィス50を介して連通され,ダンパ油室36からオリフィス50を通して排出されるオイルが油溜め室49に貯留するようになっている。
上記オリフィス50は,バルブボディ20をミッションケース2に接合する前に,前記凹部51の開口部から斜め上向きの角度でダンパ油室36及び油溜め室46間の隔壁20aにドリル加工されるもので,そのドリル加工を可能にするために,オリフィス50の軸線Lは,凹部51の開口部を通るように配置される。
ミッションケース2には,油溜め室49をオイルタンク46に開放するドレーン油孔52が設けられ,油溜め室49を大気圧状態にしている。その際,ドレーン油孔52の油溜め室49への開口部は,オリフィス50より上方に配置され,オリフィス50から油溜め室49に移ったオイルが,オリフィス50をその油中に沈めるように,油溜め室49に溜まってから,ドレーン通路52に排出されるようになっている。
次に,こうして構成された常閉型の油圧制御弁1の作用について説明する。
リニアソレノイド部Sの非通電時には,図3に示すように,スプール22は戻しばね23の付勢力をもって右動限位置(後退限)を占め,第3ポート39及び第2ポート38間を遮断すると共に,第2ポート38及び第1ポート37間を導通するので,油圧ポンプ42の作動中でも,油圧作動部44は第1ポート37に連通されて非作動状態に保持される。
油圧ポンプ42の作動中に,リニアソレノイド部Sのコイル10に通電すると,その電流値に応じた電磁力が出力杆14を介してスプール22に左向きの推力として作用し,それの推力によりスプール22が前進(図3で左動)するため,第2ポート38及び第1ポート37間が遮断されると共に,第3ポート39及び第2ポート38間が導通し,その第2ポート38からフィードバック油路48を通して反力油室35に油圧が即座に供給される。すると,この反力油室35では,スプール22の大径の第2ランド部252 及び小径の第3ランド部253 の対向端面の面積差に上記油圧を乗じた右向きの推力がリニアソレノイド部Sの出力に対抗するようにスプール22に反力として作用する。そこで,スプール22は,リニアソレノイド部Sの電磁力による左向きの推力と,戻しばね23の右向きの付勢力及び反力油室35の油圧による右向きの反力の合力とが釣り合うところまでスプール22が移動して,第3ポート39の開度を制御する。即ち,リニアソレノイド部Sの左向きの出力が大きいときは,スプール22の左方への前進により,第1ランド部251 が第1ポート37及び第2ポート38間を遮断すると共に,第2ランド部252 が第2ポート38及び第3ポート39間を導通させるので,第2ポート38の油圧は増加し,反対に左向きの前記合力大きくなったときは,スプール22の右方への後退により,第2ランド部252 が第3ポート39及び第2ポート38間を遮断すると共に,第1ランド部251 が第2ポート38及び第1ポート37間を導通させるので,第2ポート38の油圧は減少する。このようにして第2ポート38の開度が制御されることにより,第2ポート38からはコイル10に通電される電流値に対応した油圧を取り出して,油圧作動部44に供給することができる。
またスプール22の前進に伴ない,上記にように第3ポート39から反力油室35に油圧が供給されると,その油圧の一部は,第3ランド部253 及びバルブボディ20間の摺動間隙gとを通して隣りのダンパ油室36に積極的にリーク供給される。したがって,ダンパ油室36は,油圧制御弁1の作動初期から遅れなくオイルで満たすことができる。したがって,ダンパ油室36は,油圧制御弁1の作動初期から遅れなく正常に機能することができる。即ち,スプール22が振動すると,それに伴ないダンパ油室36のオイルがオリフィス50を行き来するとき発生するオリフィス50の絞り抵抗により,スプール22を制振することができ,スプール22の振動による出力油圧の脈動を防いで,油圧作動部44の安定した作動状態を確保することができる。
ダンパ油室36が反力油室35からのリークオイルで満たされると,余分なオイルは,オリフィス50から隣の油溜め室49に排出されて溜められる。そして,油溜め室49の油面が,その油面下にオリフィス50を沈めるまでの所定レベルに達すると,ドレーン油孔52からオーバフローして,オイルタンク46に還流することになる。
上記のように,ダンパ油室36には反力油室35からリークオイルが積極的に供給されること,並びにオリフィス50が,それから油溜め室49に排出されて溜められたオイルに浸漬されることにより,ダンパ油室36を常に確実にオイルで満たして,ダンパ油室36の良好な制振機能を得ることができる。
またオリフィス50はダンパ油室36の最上部に開口させているから,ダンパ油室36で発生した気泡をオイルと共にオリフィス50を通して油溜め室49側へ速やかに排出することができ,ダンパ油室36の一層良好な制振機能を得ることができる。
ところで,上記オリフィス50の軸線Lは,バルブボディ20の凹部51の下向き開口部を通るように配置されるので,油溜め室46の外側壁に邪魔されることなく,ダンパ油室36及び油溜め室46間の隔壁20aにオリフィス50をドリル加工することができ,そのドリル加工後,捨て孔を必要としないので,従来のような捨て孔を閉塞する閉じ栓も不要であり,コストの低減に寄与し得る。
一方,第3ランド部253 の外周面は,前述のように,第4環状ランド部314 に嵌合する円筒摺動面253 aと,この円筒摺動面253 aから反力油室35に向かって小径となるテーパ面253 bとで構成されるので,第3ランド部253 及び第4環状ランド部314 間の摺動間隙gを通るリークオイルにより第3ランド部253 がサイドスラストを受けて第4環状ランド部314 の一側に片寄せされた場合でも,円筒摺動面253 aの一側部は第4環状ランド部314 の内周面に当接するが,テーパ面253 bは,全周に亙り第4環状ランド部314 に接触することはない。したがって,反力油室35の油圧は,上記テーパ面253 bの全周面に作用して,第3ランド部253 に調心力を付与することになり,第3ランド部253 の第4環状ランド部314 に対する円滑な摺動を確保することができる。
次に,図5により,本発明の油圧制御弁を常開型に構成した形態について説明する。
この形態では,バルブボディ20において,第2ポート38の油圧作動部44への接続状態は前記形態と変わらないが,第1ポート37は油圧ポンプ42に接続され,第3ポート39はオイルタンク46に開放される。またスプール22においては,第2ランド部252 の直径D2 及び第3ランド部253 の直径D3 は,D2 <D3 と設定される。その他の構成は,前記形態の常閉型油圧制御弁1と変わりがないから,図5中,前記形態と対応する部分には,同一の参照符号を付して,重複する説明を省略する。
こうして構成された常開型の油圧制御弁1の作用について説明する。
リニアソレノイド部Sの非通電時には,スプール22は戻しばね23の付勢力をもって右動限位置(後退限)を占め,第1ポート37及び第2ポート38間を導通すると共に,第2ポート38及び第3ポート39間を遮断するので,油圧ポンプ42がエンジンにより駆動されて油圧を発生すると,その油圧は,供給油路41,第1ポート37及びフィードバック油路48を通して反力油室35に伝達する。すると,この反力油室35では,スプール22の小径の第2ランド部252 及び大径の第3ランド部253 の対向端面の面積差に上記油圧を乗じた左向きの推力が戻しばね23の付勢力に対抗するようにスプール22に反力として作用する。
一方,リニアソレノイド部Sのコイル10に通電すると,その電流値に応じた電磁力が出力杆14を介してスプール22に左向きの推力として作用する。その結果,スプール22は,上記反力油室35で発生して左向き推力及び,リニアソレノイド部Sの電磁力による同じく左向き推力との合力と,戻しばね23による右向き推力の3つの力が釣り合うところまでスプール22が移動して,第1ポート37の開度を制御する。即ち,左向きの前記合力が右向き推力より大きいときは,スプール22の左方への前進により,第1ランド部251 が第1ポート37及び第2ポート38間を遮断すると共に,第2ランド部252 が第2ポート38及び第3ポート39間を導通させるので,第2ポート38の油圧は減少し,反対に左向き推力が左向きの合力より大きくなったときは,スプール22の右方への後退により,第2ランド部252 が第2ポート38及び第3ポート39間を遮断すると共に,第1ランド部251 が第1ポート37及び第2ポート38間を導通させるので,第2ポート38の油圧は増加する。このようにして第2ポート38の開度が制御されることにより,第2ポート38からはコイル10に通電される電流値に対応した油圧を取り出して,油圧作動部44に供給することができる。
油圧制御弁1は,通常,第1ポート37を開放している常開型であるから,油圧ポンプ42が作動すると,その発生油圧が上記のように反力油室35に即座に供給される。しかも,この反力油室35と,それに隣接するダンパ油室36とは,第3ランド部253 及び第4環状ランド部314 間の摺動間隙gを介して連通しているから,反力油室35に油圧が供給されると,直ちに反力油室35からダンパ油室36へのオイルリークが生じて,ダンパ油室36をオイルで満たすことができる。したがって,前記常閉型の油圧制御弁1の場合と同様に,ダンパ油室36は油圧制御弁1の作動初期から遅れなく正常に機能することができるから,オリフィス50の絞り抵抗によりスプール22を制振することができ,スプール22の振動による出力油圧の脈動を防いで,油圧作動部44の安定した作動状態を確保することができる。
上記のように,バルブボディ20の第1ポート37及び第3ポート39に対して,油圧ポンプ42及びオイルタンク46を選択的に接続すると共に,第2ランド部252 及び第3ランド部253 の直径の大小関係を選定することにより,常閉型及び常開型の何れの型の油圧制御弁1も簡単に構成することができ,それぞれの油圧制御弁1を低コストで提供し得る。
しかも常閉型及び常開型の何れの型の油圧制御弁1においても,リニアソレノイド部Sの作動時,反力油室35に油圧が供給されと,その油圧は第3ランド部及びバルブボディ間の摺動間隙を介して隣のダンパ油室に積極的にリーク供給されることになるので,ダンパ油室36を,油圧制御弁1の作動初期から遅れなくオイルで満たすことができ,したがってダンパ油室36は,常にスプール22に対して良好な制振機能を発揮することができ,またダンパ油室36は,従来のようにオイルタンクの油中に浸漬させる必要もないから油圧制御弁1の配置の制約がなくなり,汎用性を高めることができる。
本発明は,上記実施例及び変形例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱することなく,種々の設計変更が可能である。
本発明の油圧制御弁を常閉型に構成した形態の底面図。 図1の2−2線拡大断面図。 図1の3−3線拡大断面図。 図1及び図3の3−3線断面図。 本発明の油圧制御弁を常開型に構成した形態の,図3との対応図。 従来の油圧制御弁の一例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・・・・油圧制御弁
20・・・・・バルブボディ
22・・・・・スプール
23・・・・・戻しばね
251 ・・・・第1ランド部
252 ・・・・第2ランド部
253 ・・・・第3ランド部
35・・・・・反力室
36・・・・・ダンパ油室
37・・・・・第1ポート
38・・・・・第2ポート
39・・・・・第3ポート
42・・・・・油圧源(油圧ポンプ)
44・・・・・油圧作動部
46・・・・・オイルタンク
49・・・・・油溜め室
50・・・・・オリフィス

Claims (3)

  1. リニアソレノイド部(S),このリニアソレノイド部(S)の出力により前進駆動されるスプール(22),このスプール(22)を摺動可能に嵌装するバルブボディ(20),及び前記スプール(22)を後退方向に付勢する戻しばね(23)を備え,前記バルブボディ(20)には第1ポート(37),第2ポート(38)及び第3ポート(39)を設け,また前記スプール(22)を,該スプール(22)の後退限では前記第2ポート(38)及び第3ポート(39)間を遮断して前記第1ポート(37)及び第2ポート(38)間を導通し,該スプール(22)の前進により前記第1ポート(37)及び第2ポート(38)間を遮断して前記第2ポート(38)及び第3ポート(39)間を導通するように構成し,前記バルブボディ(20)には,前記スプール(22)を前記戻しばね(23)の付勢力又は前記リニアソレノイド部(S)の出力と対抗する方向に押圧する油圧が導入される反力油室(35)と,前記スプール(22)の一端面を臨ませて該スプール(22)の制振を行うダンパ油室(36)とを設けた油圧制御弁において,
    前記バルブボディ(20)の前記第1ポート(37),第2ポート(38)及び第3ポート(39)を前記リニアソレノイド部(S)側からその順序で配置し,前記スプール(22)には,その前進・後退に応じて前記第1ポート(37)及び第2ポート(38)間を遮断・導通するように前記バルブボディ(20)内を摺動する第1ランド部(251 )と,またその前進・後退に応じて前記第2ポート(38)及び第3ポート(39)間を導通・遮断するように前記バルブボディ(20)内を摺動する第2ランド部(252 )と,この第2ランド部(252 )と直径を異にして前記バルブボディ(20)内を摺動する第3ランド部(253 )とを前記リニアソレノイド部(S)側から順次形成し,前記第2ポート(38)に油圧作動部(44)を接続すると共に,前記バルブボディ(20)には,前記第2及び第3ランド部(252 ,253 )の境界部を臨ませて前記第2ポート(38)と連通する反力油室(35)と,この反力油室(35)に前記第3ランド部(253 )を挟んで隣接するダンパ油室(36)とを設け,この反力油室(35)からダンパ油室(36)にオイルをリーク供給し得る摺動間隙(g)を前記第3ランド部(253 )及びバルブボディ(20)間に設けたことを特徴とする油圧制御弁。
  2. 請求項1記載の油圧制御弁において,
    前記第1ポート(37)をオイルタンク(46)に開放すると共に,前記第3ポート(39)に油圧源(42)を接続し,前記第2ランド部(252 )より前記第3ランド部(253 )を小径に形成したことを特徴とする油圧制御弁。
  3. 請求項1記載の油圧制御弁において,
    前記第1ポート(37)に油圧源(42)を接続し,前記第3ポート(39)をオイルタンク(46)に開放し,前記第2ランド部(252 )より前記第3ランド部(253 )を大径に形成したことを特徴とする油圧制御弁。
JP2005129971A 2005-04-27 2005-04-27 油圧制御弁 Expired - Fee Related JP4244346B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005129971A JP4244346B2 (ja) 2005-04-27 2005-04-27 油圧制御弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005129971A JP4244346B2 (ja) 2005-04-27 2005-04-27 油圧制御弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006307943A true JP2006307943A (ja) 2006-11-09
JP4244346B2 JP4244346B2 (ja) 2009-03-25

Family

ID=37475066

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005129971A Expired - Fee Related JP4244346B2 (ja) 2005-04-27 2005-04-27 油圧制御弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4244346B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012241740A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Denso Corp ソレノイドバルブおよび油圧制御装置
JP2013122292A (ja) * 2011-12-12 2013-06-20 Denso Corp 油圧制御装置
CN110131433A (zh) * 2019-05-29 2019-08-16 河南航天液压气动技术有限公司 一种增加响应时间的开关阀

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110848196B (zh) * 2019-11-28 2021-11-23 河南航天液压气动技术有限公司 一种液压控制阀

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012241740A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Denso Corp ソレノイドバルブおよび油圧制御装置
US8707994B2 (en) 2011-05-16 2014-04-29 Denso Corporation Solenoid valve and oil pressure control device
JP2013122292A (ja) * 2011-12-12 2013-06-20 Denso Corp 油圧制御装置
CN110131433A (zh) * 2019-05-29 2019-08-16 河南航天液压气动技术有限公司 一种增加响应时间的开关阀

Also Published As

Publication number Publication date
JP4244346B2 (ja) 2009-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4030491B2 (ja) 常開型油圧制御弁
US10830364B2 (en) Oil controlled valve
US8684038B2 (en) Slide-type pressure control valve having improved damping behavior
JP3784797B2 (ja) 油圧制御弁のダンパ装置
JP4613576B2 (ja) 電磁弁
JP6336822B2 (ja) シリンダ装置
JP4244345B2 (ja) 油圧制御弁
US9151395B2 (en) Oil pressure control device
JP4089588B2 (ja) 電磁弁
JP4315220B2 (ja) バルブ装置
WO2015178089A1 (ja) シリンダ装置
JP4244346B2 (ja) 油圧制御弁
JP4912273B2 (ja) 油圧制御弁のダンパ装置
JP5391037B2 (ja) 電磁弁装置
JPWO2009005149A1 (ja) ソレノイドバルブ
JP4692413B2 (ja) 電磁弁
JP4176300B2 (ja) 油圧制御弁
JP4129115B2 (ja) 油圧制御弁
JP7091681B2 (ja) 制御弁
JP4285291B2 (ja) 電磁弁
JP4226569B2 (ja) 油圧制御弁のダンパ装置
KR101854413B1 (ko) 파일롯 밸브를 포함하는 솔레노이드 밸브
JP2006177491A (ja) 電磁バルブ
JP2009275839A (ja) ソレノイドバルブ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080821

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080903

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081224

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081226

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140116

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees