JP2006307193A - 多孔性フィルムおよび多孔性フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エチレンから誘導される構成単位と、炭素原子数4〜8のα−オレフィンから選択される1種以上のモノマーから誘導される構成単位とからなり、下記(I)〜(IV)を全て満たすエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を含むポリオレフィン系樹脂から形成されてなる多孔性フィルム。
(I)極限粘度[η]が9.0〜15.0dl/g
(II)融点Tmが115℃以上130℃未満
(III)エチレン・α−オレフィン共重合体(A)中に含まれる冷キシレン可溶部(CXS)が3重量%以下
(IV)Tm≦0.54×[η]+114
【選択図】なし
Description
(I)極限粘度[η]が9.0〜15.0dl/g
(II)融点Tmが115℃以上130℃未満
(III)エチレン・α−オレフィン共重合体(A)中に含まれる冷キシレン可溶部(CXS)が3重量%以下
(IV)Tm≦0.54×[η]+114
また本発明は、下記の工程(1)〜(4)を全て含む多孔性フィルムの製造方法である。
(1)エチレンから誘導される構成単位と、炭素原子数4〜8のα−オレフィンから選択される1種以上のモノマーから誘導される構成単位からなるエチレン・α−オレフィン共重合体であって、極限粘度[η]が9.0〜15.0dl/gであり、融点Tmが115℃以上130℃未満であり、Tm≦0.54×[η]+114を満たし、かつ冷キシレン可溶部(CXS)の含有量が3重量%以下であるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部と、重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィン(B)5〜100重量部と、平均粒子径が0.5μm以下である無機充填剤(C)100〜400重量部とを混練してポリオレフィン系樹脂組成物を得る工程
(2)前記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いてシートを成形する工程
(3)工程(2)で得られたシート中から無機充填剤を除去する工程
(4)工程(3)で得られたシートを延伸して多孔性フィルムとする工程
(I)極限粘度[η]が9.0〜15.0dl/g
(II)融点Tmが115℃以上130℃未満
(III)エチレン・α−オレフィン共重合体(A)中に含まれる冷キシレン可溶部(CXS)が3重量%以下
(IV)Tm≦0.54×[η]+114
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の極限粘度[η]が9.0dl/g未満の場合には、多孔性フィルムを電池用セパレータとして用い、電池内温度が異常に上昇した場合に、該多孔性フィルムが溶融して破膜してしまい、電流を遮断できないことがある。また多孔性フィルムの強度も不十分となる。一方極限粘度[η]が15.0dl/gを越えるエチレン・α−オレフィン共重合体は、多孔性フィルムへの加工が困難である。なお、本発明における極限粘度とは、135℃テトラヒドロナフタレン(商品名テトラリン)中で測定される値である。
該固体触媒成分(α)中のチタン原子の含量は、乾燥された該固体触媒成分(α)を100重量%とするとき、好ましくは0.6〜1.6重量%であり、より好ましくは0.8〜1.4重量%である。
(1)ハロゲン化マグネシウム化合物、チタン化合物およびエステル化合物を接触させる方法。
(2)ハロゲン化マグネシウム化合物のアルコール溶液をチタン化合物と接触させることで得られた固体成分とエステル化合物を接触させる方法。
(3)ハロゲン化マグネシウム化合物とチタン化合物の溶液を析出剤と接触させることで得られた固体成分と、ハロゲン化化合物およびエステル化合物を接触させる方法。
(4)ジアルコキシマグネシウム化合物、ハロゲン化チタン化合物およびエステル化合物を接触させる方法。
(5)マグネシウム原子、チタン原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有する固体成分、ハロゲン化化合物およびエステル化合物を接触させる方法。
なかでも(5)の方法が好適であり、マグネシウム原子、チタン原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有する固体成分(a)、ハロゲン化化合物(b)およびフタル酸誘導体(c)を接触させる方法が好ましい。以下、更に詳細に説明する。
本発明において使用する固体成分(a)は、Si−O結合を有する有機ケイ素化合物(i)の存在下に、下記一般式[I]で表されるチタン化合物(ii)を、有機マグネシウム化合物(iii)で還元して得られる固体成分である。このとき任意成分としてエステル化合物(iv)を共存させると、重合活性がさらに向上する場合がある。
(上記一般式[I]において、aは1〜20の数を表し、R2は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。X2はそれぞれ、ハロゲン原子または炭素原子数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、全てのX2は同じであっても異なっていてもよい。)
Si(OR10)tR11 4-t、
R12(R13 2SiO)uSiR14 3、または、
(R15 2SiO)v
上記一般式において、R10は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、R11、R12、R13、R14およびR15はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜20の炭化水素基または水素原子を表す。tは0<t≦4を満足する整数を表し、uは1〜1000の整数を表し、vは2〜1000の整数を表す。
(上記一般式[I]において、aは1〜20の数を表し、R2は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。X2はそれぞれ、ハロゲン原子または炭素原子数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、全てのX2は同じであっても異なっていてもよい。)
有機マグネシウム(iii)の投入時間は特に限定されないが、通常30分〜10時間程度である。有機マグネシウムの(iii)の投入に伴い還元反応が進行するが、投入後、さらに20〜120℃の温度で後反応を行ってもよい。
有機マグネシウム化合物(iii)の使用量は、チタン原子とケイ素原子の和とマグネシウム原子の原子数の比で通常(Ti+Si)/Mg=0.1〜10であり、好ましくは0.2〜5.0であり、特に好ましくは0.5〜2.0の範囲である。
また、固体触媒成分におけるMg/Tiのモル比の値は、通常1〜51であり、好ましくは2〜31であり、特に好ましくは4〜26の範囲となるようにチタン化合物(ii)、有機ケイ素化合物(i)、有機マグネシウム化合物(iii)の使用量を決定する。
また、任意成分のエステル化合物(iv)の使用量は、チタン化合物(ii)のチタン原子に対するエステル化合物のモル比で、通常、エステル化合物/Ti=0.05〜100であり、好ましくは0.1〜60であり、特に好ましくは0.2〜30の範囲である。
ハロゲン化化合物として好ましくは、固体成分(a)中の炭化水素オキシ基をハロゲン原子に置換し得る化合物である。より好ましくは、周期表第4族元素のハロゲン化合物、第13族元素のハロゲン化合物または第14族元素のハロゲン化合物であり、更に好ましくは、第4族元素のハロゲン化合物(b1)または第14族元素のハロゲン化合物(b2)である。
cは0<c≦mを満足する数であり、M2がケイ素原子のときcは好ましくは3または4である。
X8で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子である。
ハロゲン化化合物(b)は、上記化合物の中から単独で用いてもよいし、複数種を同時にあるいは逐次的に用いてもよい。
フタル酸誘導体(c)としては、次の一般式で表される化合物が挙げられる。
(ただし、R24〜R27はそれぞれ独立に水素原子または炭化水素基、S6およびS7はそれぞれ独立にハロゲン原子であるか、または、水素原子、炭素原子、酸素原子およびハロゲン原子のうちの複数を任意に組み合わせて形成される置換基である。)
R24〜R27として好ましくは、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R24〜R27の任意の組み合わせは互いに結合して環構造を形成していてもよい。S6およびS7として好ましくは、それぞれ独立に塩素原子、水酸基、または炭素原子数1〜20のアルコキシ基である。
本発明の固体触媒成分中に含有されるエステルがフタル酸ジアルキルの場合、それらはフタル酸誘導体に由来するものであり、上記一般式においてS6、S7がアルコキシ基となった化合物である。固体触媒成分の調製の際に、用いたフタル酸誘導体(c)のS6,S7はそのまま、あるいは他の置換基と交換しうる。
・(a)に、(b)および(c)(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法
・(b)に、(a)および(c)(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法
・(c)に、(a)および(b)(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法
・(a)に(b)を投入し、接触処理した後に、(c)を投入し、接触処理する方法
・(a)に(c)を投入し、接触処理した後に、(b)を投入し、接触処理する方法
・(a)に(c)を投入し、接触処理した後に、(b)および(c)(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法
・(a)に(c)を投入し、接触処理した後に、(b)および(c)の混合物を投入し、接触処理する方法
・(a)に、(b)および(c)(投入順序任意)を投入し、接触処理した後に(b)を投入し、接触処理する方法
・(a)に、(b)および(c)(投入順序任意)を投入し、接触処理した後に(b)および(c)の混合物を投入し、接触処理する方法
等が挙げられる。なかでも
・(a)に、(b2)および(c)(投入順序任意)を投入し、接触処理した後に(b1)を投入し、接触処理する方法
・(a)に、(b2)および(c)(投入順序任意)を投入し、接触処理した後に(b1)および(c)の混合物を投入し、接触処理する方法
がより好ましい。また、その後さらに(b1)との接触処理を複数回繰り返すことで重合活性が改良される場合がある。
ハロゲン化化合物(b)の使用量は、固体成分(a)1gに対し、通常0.5〜1000ミリモル、好ましくは1〜200ミリモル、更に好ましくは2〜100ミリモルである。
なお、それぞれの化合物を複数の回数にわたって使用して接触処理をする場合には、以上に述べた各化合物の使用量はそれぞれ一回ごとかつ一種類の化合物ごとの使用量を表す。
R19 wAlY3-w
R20R21Al−O−AlR22R23
(上記一般式において、R19〜R23は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、Yはハロゲン原子、水素原子またはアルコキシ基を表し、wは2≦w≦3を満足する数を表す。)
かかる有機アルミニウム化合物(β)としては、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムハライド、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドとの混合物のようなトリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物、テトラエチルジアルモキサン、テトラブチルジアルモキサン等のアルキルアルモキサンが挙げられる。
窒素含有化合物としては、例えば、2,6−ジメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の2,6−置換ピペリジン類、2,5−置換ピペリジン類、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルメチレンジアミン等の置換メチレンジアミン類、1,3−ジベンジルイミダゾリジン等の置換イミダゾリジン類等が挙げられる。好ましくは2,6−置換ピペリジン類である。
また、予備重合されるオレフィンの量は、固体触媒成分1gあたり通常0.01〜1000gであり、好ましくは0.05〜500gであり、特に好ましくは0.1〜200gである。
また、本重合時に電子供与性化合物(γ)を使用する場合、固体触媒成分(α)中に含まれるチタン原子1モルに対し、通常0.1〜2000モルであり、好ましくは0.3〜1000モルであり、特に好ましくは0.5〜800モルであり、有機アルミニウム化合物に対し、通常0.001〜5モルであり、好ましくは0.005〜3モルであり、特に好ましくは0.01〜1モルである。
本重合時には重合体の分子量(極限粘度)を高くするために水素等の連鎖移動剤は添加しないことが好ましく、本重合の温度や時間を調整することにより、得られるエチレン・α−オレフィン共重合体の極限粘度を調整する。
本発明では、これらの実験事実から統計的手法を用いて、シャットダウン温度を130℃より低くするための孔径、膜厚、融点との関係式を見出した。
即ち、本発明の多孔性フィルムの膜厚y(μm)、バブルポイント法で測定される孔径d(μm)および該多孔性フィルムを形成するポリオレフィン系樹脂に含まれるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)の融点Tm(℃)は、下記式を満たすことが好ましい。
Tm+(850×d÷y)<130
上記式を満たす多孔性フィルムは電流遮断機能に優れ、該フィルムをセパレータとして用いた電池が使用温度を越えた場合に、直ちにシャットダウン可能なフィルムとなる。
(1)エチレンから誘導される構成単位と、炭素原子数4〜8のα−オレフィンから選択される1種以上のモノマーから誘導される構成単位からなるエチレン・α−オレフィン共重合体であって、極限粘度[η]が9.0〜15.0dl/gであり、融点Tmが115℃以上130℃未満であり、Tm≦0.54×[η]+114を満たし、かつ冷キシレン可溶部(CXS)の含有量が3重量%以下であるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部と、重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィン(B)5〜100重量部と、平均粒子径が0.5μm以下である無機充填剤(C)100〜400重量部とを混練してポリオレフィン系樹脂組成物を得る工程
(2)前記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いてシートを成形する工程
(3)工程(2)で得られたシート中から無機充填剤を除去する工程
(4)工程(3)で得られたシートを延伸して多孔性フィルムとする工程
を含む方法、または
(1)エチレンから誘導される構成単位と、炭素原子数4〜8のα−オレフィンから選択される1種以上のモノマーから誘導される構成単位からなるエチレン・α−オレフィン共重合体であって、極限粘度[η]が9.0〜15.0dl/gであり、融点Tmが115℃以上130℃未満であり、Tm≦0.54×[η]+114を満たし、かつ冷キシレン可溶部(CXS)の含有量が3重量%以下であるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部と、重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィン(B)5〜100重量部と、平均粒子径が0.5μm以下である無機充填剤(C)100〜400重量部とを混練してポリオレフィン系樹脂組成物を得る工程
(2)前記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いてシートを成形する工程
(3)工程(2)で得られたシートを延伸する工程
(4)工程(3)で得られた延伸シート中から、無機充填剤(C)を除去して多孔性フィルムとする工程
を含む方法である。得られる多孔性フィルムの膜厚の均一性の観点から、前者の方法、すなわちシート中の無機充填剤(C)を除去した後延伸する方法により多孔性フィルムを製造することが好ましい。
塗工性の観点から耐熱樹脂は、固有粘度1.0dl/g〜2.8dl/gの耐熱樹脂であることが好ましく、さらには固有粘度1.7dl/g〜2.5dl/gであることが好ましい。固有粘度が1.0dl/g未満では、形成される耐熱樹脂層の強度が不十分となることがある。固有粘度が2.8dl/gを越えると安定な耐熱樹脂含有塗工液を得ることが困難であることがある。ここでいう固有粘度は、一度析出させた耐熱樹脂を溶解し、耐熱樹脂硫酸溶液にして測定された値であり、いわゆる分子量の指標となる値である。塗工性の観点から、塗工液中の耐熱樹脂濃度は0.5〜10重量%であることが好ましい。
(a)耐熱樹脂100重量部を含む極性有機溶媒溶液に、該耐熱樹脂100重量部に対しセラミックス粉末を1〜1500重量部分散したスラリー状塗工液を調製する。
(b)該塗工液を多孔性フィルムの少なくとも片面に塗工し、塗工膜を形成する。
(c)加湿、溶媒除去あるいは耐熱樹脂を溶解しない溶媒への浸漬等の手段で、前記塗工膜から耐熱樹脂を析出させた後、必要に応じて乾燥する。
塗工液は、特開2001−316006号公報に記載の塗工装置および特開2001−23602号公報に記載の方法により連続的に塗工することが好ましい。
チタン原子含有量は、固体サンプル約20ミリグラムを0.5モル/Lの硫酸47mlで分解し、これに過剰となる3重量%過酸化水素水3mlを加え、得られた液状サンプルの410nmの特性吸収を日立製ダブルビーム分光光度計U−2001型を用いて測定し、別途作成しておいた検量線によって求めた。アルコキシ基含有量は、固体サンプル約2グラムを水100mlで分解後、得られた液状サンプル中のアルコキシ基に対応するアルコール量を、ガスクロマトグラフィー内部標準法を用いて求め、アルコキシ基含有量に換算した。フタル酸エステル化合物含有量は、固体サンプル約30ミリグラムをN,N−ジメチルアセトアミド100mlに溶解後、溶液中のフタル酸エステル化合物量をガスクロマトグラフィー内部標準法で求めた。
(2)BET比表面積
固体触媒成分の比表面積は、マイクロメリティクス社製フローソーブII 2300を用いて窒素吸脱着量によるBET法で求めた。
(3)エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン含有量
「高分子分析ハンドブック」(日本分析化学会、高分子分析研究懇談会編)P590−594に記載の方法に従い、赤外線分光光度計(パーキンエルマー社製1600シリーズ)を用い、エチレンとα−オレフィンの特性吸収より検量線を用いて求め、炭素原子1000個あたりの短鎖分岐数(SCB)として表した。
(4)重合パウダーの嵩比重
JIS K−6721(1966)に従って測定した。
(5)エチレン・α−オレフィン共重合体の極限粘度[η]
135℃のテトラリン溶媒に重合体を溶解し、ウベローデ型粘度計を用いて135℃にて測定した。
(6)エチレン・α−オレフィン共重合体中のCXS量
5gの重合体を1000ミリリットルの沸騰キシレンに溶解させたのち、空冷し、25℃の恒温槽で20時間放置した後、同温にて析出した重合体をろ紙(アドバンテック社製 No50)を用いて濾別した。
濾液中のキシレンを減圧留去し、残存した重合体の重量を測定し、初期重量5g中の該重合体の重量百分率を求め、CXS(単位=%)とした。
(7)融点
ASTM D3417に従い、示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製DiamondDSC)を用いて測定した。測定パン中の試験片を150℃で5分間保持し、5℃/分で150℃から20℃に冷却、20℃で2分間保持し、5℃/分で20℃から150℃に昇温、この際得られる融解曲線のピークトップ温度を融点とした。融解曲線に複数のピークが存在する場合は、最も融解熱量ΔH(J /g)が大きいピーク温度を融点とした。
(8)無機充填剤の平均粒子径
走査電子顕微鏡SEM(日立製 S−4200)により30000倍で観測し、粒子100個の直径を測定し、その平均を平均粒子径(μm)とした。
(9)ガーレー値
フィルムのガーレー値(秒/100cc)は、JIS P8117に準じて、B型デンソメーター(東洋精機製)にて測定した。
(10)平均細孔直径
ASTM F316−86に準拠し、バブルポイント法により、Perm−Porometer(PMI社製)にて多孔質フィルムの平均細孔直径d(μm)を測定した。
(11)膜厚
JISK7130に準拠して測定した。
(12)突刺強度
多孔性フィルムを12mmΦのワッシャで固定し、ピンを200mm/minで突き刺したときの最大応力(gf)を該フィルムの突刺強度とした。ピンは、ピン径1mmΦ、先端0.5Rのものを使用した。
(13)内部抵抗測定
図2に示すようなシャットダウン測定用セル(以降セルと呼称)にてシャットダウン温度および無孔化開始温度を測定した。
6cm角の正方形のセパレータ(8)を一方のSUS板電極(10)上に配置し、電解液(9)を真空含浸した後、スプリング(12)付きの電極(13)を、該スプリングが上になるようにセパレータ(8)にのせた。前記電極(10)上に配置されたスペーサ(11)上に、もう一つのSUS板電極(10)を置き、前記スプリング(12)および電極(13)を介してセパレータ(8)に面圧1kgf/cm2が作用するように両電極(10)、(10)を締めて、セルを組み立てた。電解液(9)には、エチレンカーボネイト30vol%:ジメチルカーボネイト35vol%:エチルメチルカーボネイト35vol%の混合溶液に、1mol/LのLiPF6を溶解させたものを用いた。
組み立てたセルの両極(10)、(10)に、インピーダンスアナライザー(7)の端子を接続し、1kHzでの抵抗値を測定した。また、セパレータ直下に熱電対(14)を設置して温度も同時に測定できるようにし、昇温速度の2℃/分の条件で昇温しながら、インピーダンスおよび温度の測定を実施した。1kHzでのインピーダンスが1000Ωに到達した時の温度をシャットダウン温度とした。また、100Ωに到達した時の温度か、最高抵抗値の1/100の抵抗値となったときの温度のいずれか低い温度を無孔化開始温度とした。
(14)重量平均分子量
測定装置としてウォーターズ社製ゲルクロマトグラフAlliance GPC2000型を使用した。その他の条件を以下に示す。
カラム :東ソー社製TSKgel GMHHR−H(S)HT 30cm×2、TSKgel GMH6 −HTL 30cm×2
移動相 :o−ジクロロベンゼン
検出器 :示差屈折計
流 速 :1.0mL/分
カラム温度:140℃
注入量 :500μL
試料30mgをo−ジクロロベンゼン20mLに145℃で完全に溶解した後、その溶液を孔径が0.45μmの焼結フィルターでろ過し、そのろ液を供給液とした。
(1)固体触媒成分前駆体の合成
窒素置換した撹拌機、邪魔板を備えた200L反応器に、ヘキサン80l、テトラエトキシシラン20.6kg及びテトラブトキシチタン2.2kgを投入し、撹拌した。次に、前記攪拌混合物に、ブチルマグネシウムクロリドのジブチルエーテル溶液(濃度2.1モル/リットル)50lを反応器の温度を5℃に保ちながら4時間かけて滴下した。滴下終了後、5℃で1時間、更に20℃で1時間撹拌したあと濾過し、得られた固体をトルエン70lでの洗浄を3回繰り返し、トルエン63lを加え、スラリー化した。スラリーの一部を採取し、溶媒を除去、乾燥を行い、固体触媒成分前駆体を得た。
該固体触媒成分前駆体は、 Ti:1.86wt%、OEt(エトキシ基):36.1wt%、OBu(ブトキシ基):3.00wt%を含有していた。
(2)固体触媒成分の合成
撹拌機を備えた内容積210lの反応器を窒素で置換した後、前記(1)において合成した固体触媒成分前駆体スラリーを該反応器に仕込み、テトラクロロシラン14.4kg、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)9.5kgを投入し、105℃で2時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について95℃にてトルエン90lでの洗浄を3回繰り返した後、トルエンを63l加えた。70℃に昇温後、TiCl4 13.0kgを投入し、105℃で2時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について95℃にてトルエン90lでの洗浄を6回繰り返した後、さらに室温にてヘキサン90lでの洗浄を2回繰り返し、洗浄後の固体を乾燥して、固体触媒成分15.2kgを得た。
該固体触媒成分は、Ti:0.93wt%、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル):26.8wt%を含有していた。BET法による比表面積は8.5m2/gであった。
(3)エチレン/ブテンスラリー重合
内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥した後これを真空にし、ブタン500gおよび1−ブテン250gを仕込み、70℃に昇温した。次に、エチレンを分圧で1.0MPaとなるように加えた。トリエチルアルミニウム5.7mmol、前記(2)で得られた固体触媒成分10.7mgをアルゴンにより圧入して重合を開始した。その後エチレンを連続して供給しつつ全圧を一定に保ちながら70℃で180分重合を行った。
重合反応終了後、未反応モノマーをパージし、パウダー性状の良好な重合体204gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機には、重合体はほとんど付着していなかった。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は19100g重合体/g固体触媒成分であり、重合パウダーの嵩比重:0.38g/mlであった。
(4)多孔性フィルムの製造
前記した方法で得られたエチレン・1−ブテン共重合体(A)([η]=9.1、融点119℃、CXS1.02wt%)100重量部に対し、低分子量ポリエチレン(B)(重量平均分子量1000、三井化学製、ハイワックス110P)37.5重量部、平均粒子径0.1μmの炭酸カルシウム(C)175重量部の割合で混合した混合物100重量部に、前記成分(A)、(B)、(C)の合計100重量部に対し、フェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製:IRGANOX 1010)0.2重量部、リン系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社:IRGAFOS168)0.2重量部を配合したものをラボプラストミル(東洋精機製)にて混練し(210℃、3分間、回転数150rpm)、ポリオレフィン系樹脂組成物を得た。次いで該ポリオレフィン系樹脂組成物をプレス(210℃)を用いて圧延し、110μmのシートを作製した。該シートを、オートグラフを用いて90℃の条件下で5倍に延伸した後、酸水溶液(界面活性剤入り)に浸漬して炭酸カルシウムを抽出した。その後、フィルムを水で洗浄し、40℃にて乾燥を行い、多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムのシャットダウン測定の結果を図1に示した。また、多孔性フィルムの孔径、ガーレー、膜厚、突刺強度などの物性データを表1に示した。
(1)エチレン/ブテンスラリー重合
実施例1(2)で得られた固体触媒成分19.3mgを用い、重合温度を60℃とした以外は実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体121gを得た。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は6270g重合体/g固体触媒成分であり、重合パウダーの嵩比重:0.39g/mlであった。
(2)多孔性フィルムの製造
前記した方法で得られたエチレン・1−ブテン共重合体(A)([η]=13.1、融点121℃、ブテン短鎖分岐度4.76、CXS成分0.28wt%)100重量部に対し、低分子量ポリエチレン(B)(重量平均分子量1000、三井化学製、ハイワックス110P)37.5重量部、平均粒子径0.1μmの炭酸カルシウム(C)175重量部の割合で混合した混合物100重量部に、前記成分(A)、(B)、(C)の合計100重量部に対し、フェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製:IRGANOX 1010)0.2重量部、リン系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社:IRGAFOS168)0.2重量部を配合したものを、ラボプラストミル(東洋精機製)にて混練し(210℃、3分間、回転数150rpm)、ポリオレフィン系樹脂組成物を得た。次いで該ポリオレフィン系樹脂組成物をプレス(210℃)を用いて圧延し、112μmのシートを作製した。該シートを、オートグラフを用いて90℃の条件下で5倍に延伸した後、酸水溶液(界面活性剤入り)に浸漬して炭酸カルシウムを抽出した。その後、フィルムを水で洗浄し、40℃にて乾燥を行い、多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムのシャットダウン測定の結果を図1に示した。また、多孔性フィルムの孔径、ガーレー、膜厚、突刺強度などの物性データを表1に示した。
(1)エチレン/ブテンスラリー重合
実施例1(2)で得られた固体触媒成分27.5mgを用い、固体触媒成分投入前に1,3−ジオキソラン0.57mmolを投入した以外は実施例1(3)と同様に重合を実施し、パウダー性状の良好な重合体275gを得た。
触媒単位量当たりの重合体の生成量(重合活性)は10000g重合体/g固体触媒成分であり、重合パウダーの嵩比重:0.42g/mlであった。
(2)多孔性フィルムの製造
前記した方法得られたエチレン・1−ブテン共重合体(A)([η]=10.1、融点119℃、ブテン短鎖分岐度8.45、CXS成分0.78wt%)100重量部、低分子量ポリエチレン(B)(重量平均分子量1000、三井化学製、ハイワックス110P)37.5重量部、平均粒子径0.1μmの炭酸カルシウム(C)175重量部の割合で混合した混合物100重量部に、前記成分(A)、(B)、(C)の合計100重量部に対し、フェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製:IRGANOX 1010)0.2重量部、リン系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社:IRGAFOS168)0.2重量部を配合したものを、ラボプラストミル(東洋精機製)にて混練し(210℃、3分間、回転数150rpm)、ポリオレフィン系樹脂組成物を得た。次いで該ポリオレフィン系樹脂組成物をプレス(210℃)を用いて圧延し、150μmのシートを作製した。該シートを、オートグラフを用いて90℃の条件下で5倍に延伸した後、酸水溶液(界面活性剤入り)に浸漬して炭酸カルシウムを抽出した。その後、フィルムを水で洗浄し、40℃にて乾燥を行い、多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムのシャットダウン測定の結果を図1に示した。また、多孔性フィルムの孔径、ガーレー、膜厚、突刺強度などの物性データを表1に示した。
市販の高分子量ポリエチレン(A)([η]=14、融点136℃、三井化学製、ハイゼックスミリオン340M)100重量部に対し、低分子量ポリエチレン(B)(重量平均分子量1000、三井化学製、ハイワックス110P)37.5重量部、平均粒子径0.1μmの炭酸カルシウム(C)175重量部の割合で混合した混合物100重量部に、前記成分(A)、(B)、(C)の合計100重量部に対し、フェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製:IRGANOX 1010)0.2重量部、リン系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社:IRGAFOS168)0.2重量部を配合したものを、ラボプラストミル(東洋精機製)にて混練し(210℃、3分間、回転数150rpm)、ポリオレフィン系樹脂組成物を得た。次いで該ポリオレフィン系樹脂組成物をプレス(210℃)を用いて圧延し、110μmのシートを作製した。該シートを、オートグラフを用いて90℃の条件下で5倍に延伸した後、酸水溶液(界面活性剤入り)に浸漬して炭酸カルシウムを抽出した。その後、フィルムを水で洗浄し、40℃にて乾燥を行い、多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムのシャットダウン測定の結果を図1に示した。また、多孔性フィルムの孔径、ガーレー、膜厚、突刺強度などの物性データを表1に示した。
市販の高分子量ポリエチレン(A)([η]=14、融点136℃、三井化学製、ハイゼックスミリオン340M)100重量部、低分子量ポリエチレン(B)(重量平均分子量1000、三井化学製、ハイワックス110P)37.5重量部、平均粒子径0.1μmの炭酸カルシウム(C)175重量部の割合で混合した混合物100重量部に、前記成分(A)、(B)、(C)の合計100重量部に対し、フェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製:IRGANOX 1010)0.2重量部、リン系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社:IRGAFOS168)0.2重量部を配合したものを、強混練できるようセグメント設計した2軸混練機(プラスチック工学研究所製)を用いて混練しポリオレフィン系樹脂組成物を得た。該ポリオレフィン系樹脂組成物をロール圧延(ロール温度150℃)することにより、厚さ約60μmのシートを作製した。
得られたシートをテンター延伸機により延伸温度110℃で約5倍に延伸した後、酸水溶液(界面活性剤入り)に浸漬して炭酸カルシウムを抽出した。その後、フィルムを水で洗浄し、40℃にて乾燥を行い、多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムのシャットダウン測定の結果を図1に示した。また、多孔性フィルムの孔径、ガーレー、膜厚、突刺強度などの物性データを表1に示した。
[比較例3]
市販の高分子量ポリエチレン(A)([η]=14、融点136℃、三井化学製、ハイゼックスミリオン340M)100重量部に対し、平均粒子径0.1μmの炭酸カルシウム(C)190重量部、線状低密度ポリエチレン(住友化学製:FV201、融点120℃)10重量部、低分子量ポリエチレン(重量平均分子量1000、三井化学製、ハイワックス110P)41重量部の割合で混合した混合物100重量部と、該混合物100重量部に対し、フェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製:IRGANOX 1010)0.2重量部、リン系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社:IRGAFOS168)0.2重量部を配合したものを、ラボプラストミル(東洋精機製)にて混練し(210℃、3分間、回転数150rpm)、ポリオレフィン系樹脂組成物を得た。次いで該ポリオレフィン系樹脂組成物をプレス(210℃)を用いて圧延し、145μmのシートを作製した。該シートをオートグラフを用いて90℃の条件下で5倍に延伸した後、酸水溶液(界面活性剤入り)に浸漬して炭酸カルシウムを抽出した。その後、フィルムを水で洗浄し、40℃にて乾燥を行い、多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムのシャットダウン測定の結果を図1に示した。また、多孔性フィルムの孔径、ガーレー、膜厚、突刺強度などの物性データを表1に示した。
2:実施例2
3:実施例3
4:比較例1
5:比較例2
6:比較例3
7:インピーダンスアナライザー
8:セパレータ
9:電解液
10:SUS板
11:テフロン(登録商標)製スペーサ
12:スプリング
13:電極
14:熱電対
15:データ処理装置
Claims (8)
- エチレンから誘導される構成単位と、炭素原子数4〜8のα−オレフィンから選択される1種以上のモノマーから誘導される構成単位とからなり、下記(I)〜(IV)を全て満たすエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を含むポリオレフィン系樹脂から形成されてなる多孔性フィルム。
(I)極限粘度[η]が9.0〜15.0dl/g
(II)融点Tmが115℃以上130℃未満
(III)エチレン・α−オレフィン共重合体(A)中に含まれる冷キシレン可溶部(CXS)が3重量%以下
(IV)Tm≦0.54×[η]+114 - ポリオレフィン系樹脂が、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部と、重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィン(B)を5〜100重量部含むポリオレフィン系樹脂である請求項1に記載の多孔性フィルム。
- 無孔化開始温度が110℃以上であり、かつシャットダウン温度が130℃以下である請求項1または2に記載の多孔性フィルム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の多孔性フィルムであって、透気度が50〜1000秒/100ccであり、該多孔性フィルムの膜厚y(μm)、バブルポイント法で測定される孔径d(μm)および該多孔性フィルムを形成するポリオレフィン系樹脂に含まれるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)の融点Tm(℃)が下記関係を満たす多孔性フィルム。
Tm+(850×d÷y)<130 - 少なくとも片面に耐熱樹脂層が積層されている、請求項1〜4のいずれかに記載の多孔性フィルム。
- 前記耐熱樹脂層が、セラミックス粉末と窒素元素を含む耐熱樹脂とを含有する層である請求項5に記載の多孔性フィルム。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の多孔性フィルムからなる非水系電池用セパレータ。
- 下記の工程(1)〜(4)を全て含む多孔性フィルムの製造方法。
(1)エチレンから誘導される構成単位と、炭素原子数4〜8のα−オレフィンから選択される1種以上のモノマーから誘導される構成単位からなるエチレン・α−オレフィン共重合体であって、極限粘度[η]が9.0〜15.0dl/gであり、融点Tmが115℃以上130℃未満であり、Tm≦0.54×[η]+114を満たし、かつ冷キシレン可溶部(CXS)の含有量が3重量%以下であるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部と、重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィン(B)5〜100重量部と、平均粒子径が0.5μm以下である無機充填剤(C)100〜400重量部とを混練してポリオレフィン系樹脂組成物を得る工程
(2)前記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いてシートを成形する工程
(3)工程(2)で得られたシート中から無機充填剤を除去する工程
(4)工程(3)で得られたシートを延伸して多孔性フィルムとする工程
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