JP2006306141A - 車両の操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 運転開始時のハンドルロック解除および運転終了時のハンドルロックを良好に補助する車両の操舵装置を提供すること。
【解決手段】 ステアリングロック機構14は、ステアリングシャフト12の外周面に設けたロック溝14aへのロックバー14bの侵入により、ハンドル11をロックする。イグニッションキーIGKの抜き取り直後に、電動モータ15を作動させてシャフト12を回動することにより、バー14bの溝14aに対する相対的な回動位置を一致させ、同バー14bの侵入を確実に行う。キーIGKの挿入直後に、電動モータ15を作動させてシャフト12を回動することにより、バー14bの溝14aに対する相対的な回動位置を一致させ、同バー14bの引き抜きを補助する。この機構14のロック状態およびロック解除状態は、ロック溝位置検出センサ23からの距離Hに基づいて判定される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ハンドルの操舵操作を電動モータの回転によりアシストする車両の操舵装置に関する。
従来から、例えば、下記特許文献1に示されているように、ステアリングシャフトの外周面上に周方向に沿って1箇所または複数個所に設けたロック溝と、ステアリングシャフトのロック溝に設けられた軸方向位置にて同シャフトの外周面上に対向しスプリングによってステアリングシャフトに径方向内側に向けて付勢されたロックバーと、キーシリンダに挿入されたイグニッションキーの回動に連動してロックバーのステアリングシャフトの径方向内側への変位を規制しまたは許容するカム機構とを備え、ロック状態にてハンドルの回動を禁止するとともに、ロック解除状態にてハンドルの回動を許容するステアリングロック機構はよく知られている。
このステアリングロック機構においては、イグニッションキーをキーシリンダに挿入してイグニッションスイッチをオンさせる方向へ回動させると、カム機構がロックバーをステアリングシャフトの径方向外側に変位させてロックバーの先端をステアリングシャフトの外周面から離れて位置するロック解除位置に保持し、ハンドルの回動を許容する。一方、イグニッションキーをキーシリンダから引き抜くために前記回動位置から前記と反対方向に同キーを回動したとき、カム機構がロックバーをロック解除位置に保持することを解除してロックバーのステアリングシャフトの径方向内側への変位を許容するので、ロックバーがスプリングの付勢力によってロック溝に侵入して、ハンドルの回動を禁止する。
しかし、上記従来の装置にあっては、運転者が、車両の運転を終了し、イグニッションキーをイグニッションスイッチをオンさせる方向と反対方向に回動した後にキーシリンダから引き抜いたとしても、ロックバーの先端面がロック溝に対向していない場合には、ロックバーの先端面がステアリングシャフトの外周面に接触して、同バーの先端部がロック溝に侵入しないので、ハンドルが完全にはロックされない。この状態で、ハンドルを回動させれば、ステアリングシャフトの設けたロック溝がロックバーの先端部位置まで回動した時点で、ロックバーの先端部はロック溝に侵入してハンドルは完全にロックされるので、車両の盗難が防止される。しかしながら、前記のようなハンドルの回動操作は運転者にとって面倒である。
また、一方では、運転者がイグニッションキーをキーシリンダに挿入するとともに回動して車両を始動させる場合、ロックバーがロック溝に侵入した状態ではロックバーの外周面とロック溝の内周壁との接触摩擦により、ロックバーをロック溝から引き抜くためにイグニッションキーの回動操作に多少の力が必要な場合があり、同キーの回動操作が重くなるという問題もある。このような場合、ハンドルを若干回動させながら、イグニッションキーを回動させれば、簡単にハンドルのロックを解除することができるが、このような操作も運転者にとって面倒であり、操作性が悪いという問題もある。
これらの問題に対して、本願出願人は、例えば、下記特許文献2に示す車両の電動パワーステアリング装置を提案している。この電動パワーステアリング装置によれば、運転終了時に電動モータを回転駆動させることによってステアリングシャフトを回転させ、ステアリングロック機構のロックバーとロック溝を係合させるようになっている。また、前記ロックバーとロック溝との係合状態を、ステアリングシャフトに作用する操舵トルクの検出により判断し、この操舵トルクがほぼ「0」となるように電動モータを回転駆動させるようになっている。これにより、運転者の特別な操作を必要とすることなく、確実にステアリングロック機構を作動させることができて、ハンドルを完全にロックすることができる。また、ステアリングシャフトに作用する操舵トルクをほぼ「0」とすることにより、前記ロックバーとロック溝との接触に伴う接触摩擦力を低減することができて、極めて容易に、ハンドルのロック状態を解除することができる。
特開平11−43017号公報 特許第3531560号公報
ところで、操舵トルクを検出するための操舵トルクセンサは、一般的に、操舵トルクの検出可能範囲内であっても、適切に操舵トルクを検出できない検出範囲すなわち不感帯を有する。このため、操舵トルクセンサの不感帯においては、ステアリングロック機構のロックバーとロック溝との係合状態、より具体的には、前記ロックバーとロック溝との接触状態を正確に判定できない可能性がある。このため、ハンドルのロック状態を確実に判定できない可能性や、前記ロックバーとロック溝との間の接触摩擦力を確実に低減できない可能性がある。したがって、より正確に、ステアリングロック機構のロックバーとロック溝との係合状態を判定できるようにすることが熱望されている。
本発明は、上記した問題に対処するためになされたものであり、その目的は、ロック状態にてハンドルの回動操作を不能とするとともにロック解除状態にてハンドルの回動操作を許容するステアリングロック機構と、ハンドルの回動操作をアシストするための電動モータとを備えた車両の操舵装置において、車両の運転開始時にハンドルのロック解除が簡単になされるとともに、車両の運転終了時にハンドルが完全にロックされるようにした車両の操舵装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の構成上の特徴は、ロック状態にてハンドルの回動操作を不能とするとともにロック解除状態にてハンドルの回動操作を許容するステアリングロック機構と、ハンドルの回動操作をアシストするための電動モータとを備えた車両の操舵装置において、前記ステアリングロック機構を、前記ハンドルと前記電動モータとの間に位置するステアリングシャフトと一体的に回動する複数のロック溝と、車両の車体側に組み付けられて、前記ロック溝に対して係合可能なロックバーと、前記ロック溝の回動位置を検出する位置検出手段と、前記ロック溝とロックバーとが互いに係合したロック状態にて、前記位置検出手段により検出したロック溝の回動位置に基づいて前記電動モータを回転制御して、前記ロック溝とロックバーとが互いに離間したロック解除状態の設定を補助するロック解除補助制御手段とで構成したことにある。
また、ロック状態にてハンドルの回動操作を不能とするとともにロック解除状態にてハンドルの回動操作を許容するステアリングロック機構と、ハンドルの回動操作をアシストするための電動モータとを備えた車両の操舵装置において、前記ステアリングロック機構を、前記ハンドルと前記電動モータとの間に位置するステアリングシャフトと一体的に回動する複数のロック溝と、車両の車体側に組み付けられて、前記ロック溝に対して係合可能なロックバーと、前記ロック溝の形成位置に対応して形成されるとともに前記ステアリングシャフトと一体的に回動して、前記ロック溝の回動位置を検出するための複数の検出溝と、前記検出溝の回動位置を検出する位置検出手段と、前記ロック溝とロックバーとが互いに係合したロック状態にて、前記位置検出手段により検出した検出溝の回動位置に基づいて前記電動モータを回転制御して、前記ロック溝とロックバーとが互いに離間したロック解除状態の設定を補助するロック解除補助制御手段とで構成したことにもある。
これらによれば、運転者がイグニッションキーをキーシリンダに挿入するとともに回動して車両を始動させる場合、ステアリングロック機構がロック状態すなわちロック溝とロックバーとが互いに係合している状態にあって、ロックバーの外周面とロック溝の内周壁とが接触していても、ロック解除補助制御手段が電動モータを回転制御することによって、ロック溝とロックバーとの接触を自動的に解除することができる。具体的には、位置検出手段によりロック溝または検出溝の回動位置が検出され、ロック解除補助制御手段が、検出された回動位置に基づいて、電動モータを回転させる。これにより、ロック溝をロックバーに対して相対的に回動させて、ロック溝の内周壁とロックバーの外周面とが接触しない、言い換えれば、クリアランスを有する状態とすることができる。したがって、運転者は、ハンドルを回動させながらイグニッションキーを回動させなくても、イグニッションキーを小さな力で回動するだけで、簡単にハンドルのロック状態を解除することができ、ステアリングロック機構の操作性が良好となる。
この場合、前記検出溝の形成幅寸法を、前記ロック溝の形成幅寸法に比して小さく設定するとよい。これによれば、ロック溝の内壁面とロックバーの外周面とを接触させないように、ロック溝の相対的な回動位置を正確に把握することができる。したがって、ロック溝の内周壁とロックバーの外周面とが確実にクリアランスを有する状態とすることができる。
また、前記位置検出手段は、検出対象部位までの距離を検出し、同検出した距離の変化に基づいて回動位置を検出するとよい。これによれば、位置検出手段が、ステアリングシャフトとともに回動するロック溝または検出溝の形成された部位までの距離変化に基づいて、ロック溝または検出溝の回動位置を検出することができる。このため、不感帯を有することなく確実にロック溝とロックバーとの係合状態を判定することができ、ロック溝とロックバーとの相対的な位置関係を正確に判定することができる。また、位置検出手段がロック溝または検出溝の回動位置を直接検出できるため、これら溝の成形誤差が生じていても、確実にロック解除を行うことができる。したがって、ロック溝または検出溝の形成に関しては、成形精度を高める必要がなく、操舵装置の生産性を向上することができる。また、位置検出手段が、例えば、レーザ光や超音波を採用して距離を検出すれば、同検出手段を容易に小型化することができる。これにより、位置検出手段の組み付け位置を自由に選択することができ、従来の操舵装置に対しても容易に組み付け可能であるとともに操舵装置自体を小型化することもできる。
また、本発明の他の構成上の特徴は、前記ステアリングロック機構に、さらに、前記ステアリングシャフトに入力されるトルクを検出するトルク検出手段を設け、前記ロック解除補助手段は、前記ロック状態にて、前記位置検出手段によって検出した回動位置および前記トルク検出手段によって検出したトルクに基づいて前記電動モータを回転制御して、前記ロック解除状態の設定を補助することにもある。
これによれば、例えば、トルク検出手段によって、良好にトルクが検出できる場合には、従来の装置のようにトルクを用いてロック溝の内周壁とロックバーの外周面との接触状態を判定し、トルク検出手段によって良好にトルクが検出できない場合(不感帯領域で検出する場合)には、位置検出手段によって検出された距離すなわちロック溝または検出溝の回動位置を用いるように切り換えて、前記接触状態を判定することもできる。したがって、システムの信頼性を向上させることができる。また、例えば、位置検出手段に異常が生じた場合であっても、トルク検出手段によって検出されたトルクに基づいてロック解除制御を実行することができる。したがって、これによっても、システムの信頼性を向上させることができる。
また、本発明の他の構成上の特徴は、前記ステアリングロック機構が、前記位置検出手段を複数備えており、同複数の位置検出手段によって検出される各回動位置に基づき、前記複数の位置検出手段の各作動状態を監視する監視手段を有して構成されることにもある。これによれば、監視手段は、各位置検出手段から入力される距離すなわちロック溝または検出溝の回動位置に基づいて、各位置検出手段の作動状態を監視する。そして、異常が発生した位置検出手段を排除することができる。したがって、これによっても、システムの信頼性を向上させることができる。
また、本発明の他の構成上の特徴は、ロック状態にてハンドルの回動操作を不能とするとともにロック解除状態にてハンドルの回動操作を許容するステアリングロック機構と、ハンドルの回動操作をアシストするための電動モータとを備えた車両の操舵装置において、前記ステアリングロック機構を、前記ハンドルと前記電動モータとの間に位置するステアリングシャフトと一体的に回動する複数のロック溝と、車両の車体側に組み付けられて、前記ロック溝に対して係合可能なロックバーと、前記ロック溝の回動位置を検出する位置検出手段と、前記ロック溝とロックバーとが互いに離間したロック解除状態にて、前記位置検出手段により検出したロック溝の回動位置に基づいて前記電動モータを回転制御して、前記ロック溝とロックバーとが互いに係合したロック状態の設定を補助するロック補助制御手段とで構成したことにある。
また、ロック状態にてハンドルの回動操作を不能とするとともにロック解除状態にてハンドルの回動操作を許容するステアリングロック機構と、ハンドルの回動操作をアシストするための電動モータとを備えた車両の操舵装置において、前記ステアリングロック機構を、前記ハンドルと前記電動モータとの間に位置するステアリングシャフトと一体的に回動する複数のロック溝と、車両の車体側に組み付けられて、前記ロック溝に対して係合可能なロックバーと、前記ロック溝の形成位置に対応して形成されるとともに前記ステアリングシャフトと一体的に回動して、前記ロック溝の回動位置を検出するための複数の検出溝と、前記検出溝の回動位置を検出する位置検出手段と、前記ロック溝とロックバーとが互いに離間したロック解除状態にて、前記位置検出手段により検出した検出溝の回動位置に基づいて前記電動モータを回転制御して、前記ロック溝とロックバーとが互いに係合したロック状態の設定を補助するロック補助制御手段とで構成したことにもある。
これらによれば、運転者がイグニッションキーをオンさせる方向と反対方向に回動した後にキーシリンダから引き抜いて車両の運転を停止する場合、ロックバーの先端面がロック溝に対向していなくても、ロック補助制御手段が電動モータを回転制御することによってステアリングロック機構におけるロック状態の設定を補助するため、ロックバーの先端部はロック溝に侵入してハンドルを完全にロックすることができる。具体的には、位置検出手段によりロック溝または検出溝の回動位置が検出され、ロック補助制御手段が、検出された回動位置に基づいて、電動モータを回転させる。これにより、ロック溝をロックバーに対して相対的に回動させ、ロック溝がロックバーの先端面に対向した位置まで回動させることができ、ロックバーの先端部をロック溝に侵入させることができる。このように、ロックバーがロック溝に侵入した後、例えば、位置検出手段がロック溝または検出溝の回動位置を検出することにより、ハンドルが完全にロックされたと判定することができる。したがって、運転者がイグニッションキーをキーシリンダから抜き取った後、ハンドルを回動操作しなくても、ハンドルは常に完全にロックされるので、このステアリングロック機構の操作性が良好となるとともに、車両の盗難に対してもより安全になる。
また、本発明の他の構成上の特徴は、ロック状態にてハンドルの回動操作を不能とするとともにロック解除状態にてハンドルの回動操作を許容するステアリングロック機構と、ハンドルの回動操作をアシストするための電動モータとを備えた車両の操舵装置において、前記ステアリングロック機構を、前記ハンドルと前記電動モータとの間に位置するステアリングシャフトと一体的に回動する複数のロック溝と、車両の車体側に組み付けられて、前記ロック溝に対して係合可能なロックバーと、前記ロック溝の形成位置に対応して形成されるとともに前記ステアリングシャフトと一体的に回動して、前記ロック溝の回動位置を検出するための複数の検出溝と、前記形成された複数の検出溝間にて段形状に形成されて、前記ステアリングシャフトの回動方向を決定するための複数の回動方向決定溝と、前記検出溝の回動位置を検出するとともに前記回動方向決定溝の回動位置を検出する位置検出手段と、前記ロック溝とロックバーとが互いに離間したロック解除状態にて、前記位置検出手段により検出した前記回動方向決定溝の回動位置に基づいて前記電動モータの回転駆動方向を決定する回転駆動方向決定手段と、前記決定した回転駆動方向および前記位置検出手段により検出した検出溝の回動位置に基づいて前記電動モータを回転制御して、前記ロック溝とロックバーとが互いに係合したロック状態の設定を補助するロック補助制御手段とで構成したことにもある。
これによれば、位置検出手段によって回動方向決定溝を検出することにより、回動方向決定手段が電動モータを回転させる方向を決定することができる。これにより、ステアリングロック機構におけるロック状態を補助するために電動モータを回転させる場合には、例えば、ロック状態となるまでの電動モータの回転量が最小となる回転方向を決定することができ、ステアリングシャフトに一体的に組み付けられたハンドルの回動量を小さくすることができる。したがって、運転者の覚える違和感をなくすことができる。
そして、これらの場合、前記検出溝の形成幅寸法を、前記ロック溝の形成幅寸法に比して小さく設定するとよい。これによれば、ロック溝に対してロックバーが確実に進入するように、ロック溝の相対的な回動位置を正確に把握することができる。したがって、ステアリングロック機構によってハンドルを確実にロック状態とすることができる。
また、前記位置検出手段は、検出対象部位までの距離を検出し、同検出した距離の変化に基づいて回動位置を検出するとよい。これによれば、位置検出手段が、ステアリングシャフトとともに回動するロック溝または検出溝の形成された部位までの距離変化に基づいて、ロック溝または検出溝の回動位置を検出することができる。このため、不感帯を有することなく確実にロック溝とロックバーとの係合状態を判定することができ、ロック溝とロックバーとの相対的な位置関係を正確に判定することができる。これにより、ステアリングロック機構によるハンドルのロックが確実になされる。また、位置検出手段がロック溝の回動位置を直接検出するため、これら溝の成形誤差が生じていても、確実にロックを行うことができる。したがって、ロック溝または検出溝の形成に関しては、成形精度を高める必要がなく、操舵装置の生産性を向上することができる。また、例えば、レーザ光や超音波を採用して距離を検出すれば、同検出手段を容易に小型化することができる。これにより、位置検出手段の組み付け位置を自由に選択することができ、従来の操舵装置に対しても容易に組み付け可能であるとともに操舵装置自体を小型化することもできる。
また、本発明の他の構成上の特徴は、前記ステアリングロック機構に、さらに、前記ステアリングシャフトに入力されるトルクを検出するトルク検出手段を設け、前記ロック解除補助手段は、前記ロック状態にて、前記位置検出手段によって検出した回動位置および前記トルク検出手段によって検出したトルクに基づいて前記電動モータを回転制御して、前記ロック解除状態の設定を補助することにもある。
これによれば、例えば、トルク検出手段によって、良好にトルクが検出できる場合には、従来の装置のようにトルクを用いてロック溝の内周壁とロックバーの外周面との接触状態を判定し、トルク検出手段によって良好にトルクが検出できない場合(不感帯領域で検出する場合)には、位置検出手段によって検出された距離すなわちロック溝または検出溝の回動位置を用いるように切り換えて、前記接触状態を判定することもできる。これにより、システムの信頼性を向上させることができる。また、例えば、位置検出手段に異常が生じた場合であっても、トルク検出手段によって検出されたトルクに基づいてロック制御またはロック解除制御を実行することができる。したがって、これによっても、システムの信頼性を向上させることができる。
a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明すると、図1は、同実施形態に係る車両の操舵装置を概略的に示している。
この操舵装置は、電動パワーステアリング装置であり、ハンドル11に上端を一体回転するように接続したステアリングシャフト12を備え、同シャフト12の下端はラックアンドピニオン機構13のピニオンギア13aに一体回転するように接続されている。ラックアンドピニオン機構13のラックバー13bの両端には、同バー13bの軸線方向の変位に応じて左右に転舵される左右前輪FW1,FW2が接続されている。
また、ステアリングシャフト12には、同シャフト12すなわちハンドル11の回動をロック状態またはロック解除状態にするステアリングロック機構14が組み付けられている。ステアリングロック機構14は、図2に示すように、ステアリングシャフト12の外周面上にて一体的に固着された円環部材に形成されたロック溝14aと、同ロック溝14aと係合するロックバー14bと、ステアリングシャフト12を回転可能に支持する円筒状の支持部材側(車体側)に組み付けられてロックバー14bおよび同バー14bを変位させる周知のカム機構を収容する本体部14cとから構成されている。
ロック溝14aは、所定の深さ寸法を有して、ステアリングシャフト12に対して一体的に固着される円環部材の外周面上に沿って複数個所に設けられている。そして、ロック溝14aは、図3にて円環部材の軸方向断面の一部を拡大して示すように、内周壁が断面略ハの字状に形成されている。なお、本実施形態においては、ロック溝14aを円環部材に形成し、同円環部材をステアリングシャフト12に一体的に固着するように実施するが、ステアリングシャフト12の外周面上にロック溝14aを形成して実施することも可能である。ロックバー14bは、前記円環部材に形成されたロック溝14aの軸方向位置にて同円環部材の外周面上に対向し、スプリングによって同円環部材の径方向内側に向けて常時付勢されている。そして、ロックバー14bの形成幅寸法は、図3に示すように、ロック溝14aの底面の形成幅寸法に比して、僅かに小さく設定されている。
カム機構は、キーシリンダに挿入されたイグニッションキーIGKの回動に連動して、ロックバー14bを変位させる周知の機構である。すなわち、カム機構は、イグニッションキーIGKがイグニッションスイッチ25をオンさせる方向へ回動されたとき、ロックバー14bをスプリングの付勢力に抗して前記円環部材の径方向外側に変位させ、ロックバー14bの先端面をロック溝14aから離れて位置させるロック解除位置に保持する。また、カム機構は、イグニッションキーIGKを引き抜くために、同キーIGKがイグニッションスイッチ25をオンさせた回動位置から前記と反対方向に回動されたとき、ロックバー14bをロック解除位置に保持することを解除し、ロックバー14bをスプリングの付勢力によって前記径方向内側への変位を許容する。
さらに、ステアリングシャフト12には、図1に示すように、ピニオンギア13aとステアリングロック機構14の間の位置にて電動モータ15が組み付けられている。電動モータ15は、直流モータで構成されて、その回転に応じてハンドル11の回動操作に対してアシスト力を付与するものであり、その回転は減速機16を介してステアリングシャフト12に伝達されるようになっている。
電動モータ15には、電気制御装置20が電気的に接続され、電気制御装置20には、車速センサ21、操舵トルクセンサ22およびロック溝位置検出センサ23が接続されている。車速センサ21は、車速Vを検出して、同車速Vを表す検出信号を電気制御装置20に供給する。操舵トルクセンサ22は、ステアリングロック機構14と減速機16の間の位置にてステアリングシャフト12の一部を構成するトーションバーなどの弾性捩れ部材の両端部間の回転変位量の差を検出し、同差に比例した信号を、操舵トルクTMを表す信号として、電気制御装置20に供給する。この操舵トルクTMは、ハンドル11の回動操作に対する反力に比例するものであり、回転方向に応じて操舵トルクTMを正負により表している。
ロック溝位置検出センサ23は、ステアリングシャフト12に一体的に固着されたロック溝14aと対向するように、ステアリングロック機構14の本体部14c内に一体的に組み付けられている。そして、ロック溝位置検出センサ23は、例えば、レーザ光や超音波などをロック溝14aの形成された円環部材に対して出力するとともに同円環部材の表面にて反射した反射光や反射波を入力することにより、ロック溝14aの形成位置にて変化する円環部材の外周面までの間の距離Hを検出し、同距離Hを表す検出信号を電気制御装置20に供給する。
このように、ロック溝位置検出センサ23が距離Hを検出することにより、円環部材の外周面上に形成されたロック溝14aの回動位置を検出することができる。すなわち、上述したように、ロック溝14a言い換えれば円環部材は、ステアリングシャフト12に一体的に固着されているため、同シャフト12の回転に伴って一体的に回転する。この回転に伴って検出される距離Hは、ロック溝14aの形成された部分においては大きな値として検出され、それ以外の部分においては小さな値として検出される。したがって、ロック溝位置検出センサ23によって検出される距離Hの値の変化に基づけば、ロック溝14aの回動位置を検出することができる。
ここで、ロック溝位置検出センサ23による距離Hの検出位置について説明しておく。本実施形態に係る電動パワーステアリング装置においては、後述する初期制御プログラムの実行により、ロックバー14bをロック溝14aから引き抜く荷重が大きいか否かを判定するために、電動モータ15を回転制御して、ステアリングシャフト12を所定回転方向に回転させる。この電動モータ15の回転制御に伴い、ステアリングシャフト12に一体的に固着されたロック溝14aも所定回転方向に一致する方向に回転される。このため、ロック溝位置検出センサ23の検出位置は、ロック溝14aの前記所定回転方向への回転に伴って、ロック溝14aの内周壁とロックバー14bの先端角部とが接近する側に設定される。
なお、本実施形態においては、ロック溝位置検出センサ23をステアリングロック機構14の本体部14c内に一体的に組み付けて実施する。しかしながら、ロック溝14aと対向する位置に配置されて距離Hを検出可能であれば、図2にて破線で示すように、本体部14cと分離してロック溝位置検出センサ23を前記支持部材に直接組み付けて実施可能であることはいうまでもない。
電気制御装置20は、図4に示すように、負電圧端子(−)を接地したバッテリ17と接続しており、同バッテリ17の正電圧端子(+)には、第1リレースイッチ24a、イグニッションスイッチ25、キー挿入検出スイッチ26および第2リレースイッチ27aの各一端がそれぞれ接続されている。
第1リレースイッチ24aは、後述する第1リレー制御回路44により制御される第1リレーコイル24bの非通電時にオフ状態に保たれるとともに、第1リレーコイル24bの通電時にオン状態に保たれて、駆動回路30にバッテリ電圧を供給する。駆動回路30は、電動モータ15に駆動電流を流すもので、FETなどのスイッチング素子31〜34を4辺とするブリッジ回路からなる。ブリッジ回路の互いに対向する一対の対角位置の一方はシャント抵抗35を介してリレースイッチ24aの他側に接続されており、同一対の対角位置の他方はシャント抵抗36を介して接地されている。また、前記ブリッジ回路の他方の対角位置には、電動モータ15の両端子がそれぞれ接続されている。
イグニッションスイッチ25は、イグニッションキーIGKをキーシリンダに挿入して一方向に回動させた状態にあるときオンし、その他の状態でオフしているものである。イグニッションスイッチ25の他端は、ダイオード28aを介して、マイクロコンピュータ40、駆動制御回路41、電流検出回路42、電圧検出回路43および第1リレー制御回路44に接続されて、同スイッチ25がオン状態にあるとき各回路40〜44にバッテリ電圧を供給する。また、ダイオード28aのカソード側には、ダイオード28bを介して第1リレースイッチ24aからのバッテリ電圧も供給されるようになっている。さらに、イグニッションスイッチ25の他端とダイオード28aとの接続点の電位はマイクロコンピュータ40にも供給されるようになっている。
マイクロコンピュータ40は、図5〜7のフローチャートに示す内蔵のプログラムの実行により、車速センサ21、操舵トルクセンサ22およびロック溝位置検出センサ23からの車速V、操舵トルクTMおよび距離Hをそれぞれ入力して、車速V、操舵トルクTMおよび距離Hに応じて電動モータ15に流すための指令電流値I*を計算する。そして、マイクロコンピュータ40は、計算した指令電流値I*に応じた制御信号を駆動制御回路41に出力するとともに、第1および第2リレー制御回路44,45を制御する。駆動制御回路41は、マイクロコンピュータ40からの前記制御信号に応じて駆動回路30内のスイッチング素子31〜34をオン・オフ制御する。
電流検出回路42は、シャント抵抗36の両端に接続され、同抵抗36の両端の電圧に基づいて電動モータ15に流れる駆動電流値Imを表す検出信号をマイクロコンピュータ40に出力する。電圧検出回路43は、電動モータ15の両端に接続され、同モータ15の端子間電圧値Vmを表す検出信号をマイクロコンピュータ40に出力する。第1リレー制御回路44は、マイクロコンピュータ40からの制御信号に応じて第1リレーコイル24bの通電および通電解除を制御する。
キー挿入検出スイッチ26は、イグニッションキーIGKがキーシリンダへ挿入されているときオンし、イグニッションキーIGKがキーシリンダから引き抜かれているときオフする。このキー挿入検出スイッチ26の他端は抵抗46を介して接地されており、同スイッチ26と抵抗46との接続点の電位はマイクロコンピュータ40および第2リレー制御回路45に供給されるようになっている。
第2リレースイッチ27aは、第2リレー制御回路45により制御される第2リレーコイル27bの非通電時にオフ状態に保たれるとともに、第2リレーコイル27bの通電時にオン状態に保たれるものであり、同スイッチ27aの他端は抵抗47を介して接地されている。この第2リレースイッチ27aと抵抗47の接続点は、ダイオード28cを介してダイオード28a,28bの両カソード側に接続されていて、同スイッチ27aのオン時には、バッテリ電圧が、マイクロコンピュータ40、駆動制御回路41、電流検出回路42、電圧検出回路43および第1リレー制御回路44にそれぞれ供給されるようになっている。
第2リレー制御回路45は、一端にてバッテリ17の正電圧端子(+)に接続された第2リレーコイル27bの他端と、一端を接地した抵抗48に他端との間に接続されている。この第2リレー制御回路45はフリップフロップ回路、スイッチング回路などにより構成されていて、キー挿入検出スイッチ26と抵抗46との接続点の電位の立ち上がり時に第2リレーコイル27bの通電を開始するとともに、マイクロコンピュータ40からの制御信号により前記通電を解除する。
次に、上記のように構成した第1実施形態の動作を説明する。車両を発進させるために、運転者がイグニッションキーIGKをキーシリンダ内に挿入してイグニッションスイッチ25をオンする方向に回動すると、前記イグニッションキーIGKをキーシリンダ内に挿入した時点でキー挿入検出スイッチ26がオンする。このキー挿入検出スイッチ26のオンにより、同スイッチ26と抵抗46との接続点の電位が上昇する。この電位の上昇に応答して、第2リレー制御回路45は第2リレーコイル27bを通電し始めるので、第2リレースイッチ27aがオンし、同スイッチ27aおよびダイオード28cを介して、バッテリ電圧が、マイクロコンピュータ40、駆動制御回路41、電流検出回路42、電圧検出回路43および第1リレー制御回路44に供給され始める。
このバッテリ電圧の供給開始により、マイクロコンピュータ40は、作動を開始して図5の初期制御プログラムの実行をステップS100にて開始する。初期制御プログラムの実行開始後、マイクロコンピュータ40は、ステップS102にて、CPU、ROM、RAM、インターフェース回路などからなるマイクロコンピュータ40自体、並びに電動モータ15、車速センサ21、操舵トルクセンサ22、ロック溝位置検出センサ23、駆動回路30、駆動制御回路41、電流検出回路42、電圧検出回路43、第1および第2リレー制御回路44,45などのシステム全体の正常な作動を確認するためのイニシャルチェックを行う。そして、システムのいずれかの部分が異常であれば、ステップS104にて「No」と判定し、ステップS106において図示しない表示器により異常に関する情報を表示するとともに、マイクロコンピュータ40内部の不揮発性メモリ部分に前記情報を書き込んだ後、ステップS126にて初期制御プログラムの実行を終了する。
一方、前記イニシャルチェックの結果、システム全体が正常であれば、ステップS104にて「Yes」と判定し、ステップS108にて第1リレー制御回路44に制御信号を出力して、第1リレーコイル24bを通電制御する。この第1リレーコイル24bへの通電により、第1リレースイッチ24aはオンし、駆動回路30にはバッテリ17からのバッテリ電圧が供給されるようになる。
前記ステップS108の処理後、マイクロコンピュータ40は、ステップS110にて指令電流値I*を所定電流値Ir1に設定する。ここで、所定電流値Ir1は、例えば、路面から左右前輪FW1,FW2を介してステアリングシャフト12に入力される反力に抗して、同シャフト12を回動できる程度の電動モータ15の駆動電流値Im以上に設定される。また、所定電流値Ir1は、電動モータ15を左右のいずれか一方向に回転させるために設定されるものであり、例えば、ステアリングシャフト12に一体的に組み付けられたハンドル11を左方向へ回動させる場合に正の値で表されるとともに、右方向へ回動させる場合に負の値で表されるものである。なお、以下の説明においては、所定電流値Ir1を正の値として説明する。
このように、前記ステップS110にて指令電流値I*を設定すると、マイクロコンピュータ40は、ステップS112において、電動モータ15を駆動制御する。すなわち、マイクロコンピュータ40は、電流検出回路42から電動モータ15の駆動電流値Imを入力し、同駆動電流値Imが前記設定した指令電流値I*、言い換えれば、所定電流値Ir1になるような駆動制御信号を駆動制御回路41に出力する。これにより、駆動制御回路41は、駆動回路30のスイッチング素子31〜34のオン・オフを前記駆動制御信号に応じて制御する。したがって、電動モータ15はその回転トルクが指令電流値I*に比例するように回転制御される。
このステップS112の回転制御処理後、マイクロコンピュータ40は、ステップS114にて、ロック溝位置検出センサ23から距離Hを表す検出信号を入力する。そして、マイクロコンピュータ40は、入力した検出信号すなわち距離Hが、ロック溝位置検出センサ23とロック溝14aの底面までの距離として予め設定された距離Hoと等しいか否かを判定する。この判定処理は、ステアリングロック機構14において、ロックバー14b(より詳しくは、ロックバー14bの先端角部)とロック溝14aの内周壁とが互いに接触していて、ロックバー14bをロック溝14aから引き抜く荷重が大きいか否かを判定するものである。
すなわち、上述したように、ロックバー14bの形成幅寸法は、ロック溝14aの底面の形成幅寸法に比して、僅かに小さい形成幅寸法に設定されている。このため、ロックバー14bの先端面とロック溝14aの底面とが互いに接触している状態では、ロックバー14bの先端角部を含む外周面とロック溝14aの内周壁との間にクリアランスを有している。このため、ロック溝14aとロックバー14bとの間に摩擦力が作用することなく、ロックバー14bをロック溝14aから引き抜く荷重は小さくなる。一方、ロックバー14bの先端面とロック溝14aの底面とが互いに接触していない状態では、ロックバー14bの先端角部とロック溝14aの内周壁とが接触している。また、前記ステップS112の回転制御処理により、ロック溝14aがロックバー14bに対して相対的に回転し、この回転により、ロック溝14aの内周壁がロックバー14bの先端角部に押し付けられている。これにより、ロック溝14aとロックバー14bとの間に摩擦力が作用し、ロックバー14bをロック溝14aから引き抜く荷重は大きくなる。
このため、マイクロコンピュータ40は、ステップS114にて、距離Hが距離Hoと等しければ、ロック溝14aの底面とロックバー14bの先端面とが接触している状態すなわちロックバー14bに対するロック溝14aの相対的な回動位置が一致している状態であるため、「Yes」と判定して、ステップS116に進む。そして、ステップS116にて、指令電流値I*を「0」に設定し、電動モータ15の回転制御を中止する。一方、マイクロコンピュータ40は、ステップS114にて、距離Hが距離Hoと等しくなければ、ロック溝14aの内周壁とロックバー14bの先端角部とが接触している状態すなわちロックバー14bに対するロック溝14aの相対的な回動位置が一致していない状態であるため、「No」と判定して、ステップS118に進み、「ロック解除アシストルーチン」を実行する。以下、この「ロック解除アシストルーチン」について、詳細に説明する。
「ロック解除アシストルーチン」は、図6のフローチャートに示すように、その実行がステップS200にて開始される。そして、マイクロコンピュータ40は、ステップS202の初期設定処理によって後述する各パラメータの値をリセットした後、ステップS204〜ステップS210の処理を実行し、ステアリングロック機構14のロックバー14bに対してロック溝14aを接触解除方向に相対的に回転させて、ロック溝14aの内周壁とロックバー14bの先端角部との接触状態を解除する。
すなわち、ステップS204にて、マイクロコンピュータ40は、前記ステップS110にて設定した所定電流値Ir1からIo*Gで計算される値を段階的に減じて、指令電流値I*を順次設定する。ここで、Ioは、予め設定された所定の定数(電流値)であり、所定電流値Ir1が正の値であれば正の値とされ、所定電流値Ir1が負の値であれば負の値とされるものである。また、Gは所定電流値Ir1を減ずるための係数パラメータであり、後述するステップS210のカウントアップ処理によりインクリメントされるものである。そして、マイクロコンピュータ40は、ステップS206において、前記ステップS204にて設定した指令電流値I*に基づき、前記ステップS112と同様にして、電流検出回路42から電動モータ15の駆動電流値Imを入力し、同駆動電流値Imが前記決定した指令電流値I*に等しくなるように電動モータ15の回転を制御する。
続いて、マイクロコンピュータ40は、ステップS208にて、電動モータ15の駆動に伴って、ロック溝位置検出センサ23から入力した距離Hが距離Hoに等しくなったか否かを判定する。この判定処理により、距離Hが距離Hoと等しくなっていなければ「No」と判定し、ステップS210のカウントアップ処理にて所定の係数パラメータGをインクリメントして、再びステップS204の指令電流値I*の設定処理を実行する。このように、所定の係数Gを「1」だけインクリメントし、再び、ステップS204の設定処理を実行することにより、所定電流値Ir1の値は段階的に減少していき、最終的に電動モータ15を逆転駆動させる指令電流値I*が設定される。これにより、電動モータ15は、前記ステップS110およびステップS112の処理による回転制御とは逆方向への回転制御となる。そして、ステップS208にて、距離Hが距離Hoと等しくなるまで、すなわちロックバー14bに対してロック溝14aの相対的な回動位置が一致するまで、繰り返し、ステップS204〜ステップS210の各処理が実行される。
ここで、上記のように、ステップS204〜ステップS210の処理を繰り返し実行することにより、例えば、各回転部分に塗布された潤滑剤の外気温変化に伴う粘度上昇などの影響を排除して、確実に、ステアリングロック機構14のロック溝14aの内周壁とロックバー14bの外周面との接触を解除することができる。すなわち、例えば、外気温が低い状態では、ステアリングシャフト12や電動モータ15、減速機16などの各回転部分に塗布された潤滑剤の粘度が大きくなるため、回転に対する抵抗力が増加する。このような状況においては、ステアリングシャフト12を回転させるために必要な回転トルクが大きく変動する。
このため、予め設定された指令電流値I*を用いて電動モータ15を一義的に逆回転制御した場合には、電動モータ15が必要な回転トルクを発生できず、ステアリングシャフト12を回転させることができない可能性がある。したがって、この場合には、電動モータ15に適切な回転トルクを発生させるために、別途、温度センサや駆動電流値Imを補正するためのテーブルなどを設ける必要がある。これに対して、上述したように、ステップS204〜ステップS210を繰り返し実行して、段階的に指令電流値I*を設定することにより、電動モータ15が逆回転するために必要な回転トルクを発生することができ、確実に逆回転制御することができる。
そして、前記ステップS206の駆動制御処理に伴い、ステアリングロック機構14のロックバー14bに対してロック溝14aが接触解除方向に相対的に回転することによって、距離Hが距離Hoと等しくなれば、マイクロコンピュータ40は、前記ステップS208にて、「Yes」と判定して、ステップS212に進む。ステップS212においては、マイクロコンピュータ40は、現在、逆回転制御されている電動モータ15の回転を停止させるべく、指令電流値I*をIr1−Io*(G−1)に設定する。
具体的に説明すると、上述したように、ステアリングロック機構14のロック溝14aとロックバー14bとの接触状態を解除するために、電動モータ15は、段階的に設定された指令電流値I*、言い換えれば、Ir1−Io*Gに基づいて逆回転制御されている。このとき、Ir1−Io*Gで表される指令電流値I*に基づいて逆回転制御される電動モータ15は、停止状態からようやく逆回転状態へ移行した状態である。このため、係数パラメータGの値を「1」だけ減じれば、電動モータ15の逆回転させるための指令電流値I*が小さくなり、再び、電動モータ15は停止状態となる。したがって、指令電流値I*をIr1−Io*(G−1)に設定することによって、電動モータ15の逆回転駆動を停止させることができる。そして、マイクロコンピュータ40は、前記ステップS212の駆動停止処理後、ステップS214にて、「ロック解除アシストルーチン」の実行を終了する。
ふたたび、図5のフローチャートに戻り、マイクロコンピュータ40は、「ロック解除アシストルーチン」の実行後、ステップS116にて、指令電流値I*を「0」に設定し、電動モータ15の回転制御を中止する。このようなステップS110〜ステップS116までの各処理は、イグニッションキーIGKの回動によってイグニッションスイッチ25がオンされるまで繰り返し行われるので、ロック溝14aとロックバー14bとの間に作用している摩擦力がなくなり、または、低減される。したがって、運転者は小さな力でイグニッションキーIGKをイグニッションスイッチ25がオンする方向に回動することができるとともに、この回動によりロックバー14bがロック溝14aから引き抜かれてステアリングロック機構14によるハンドル11のロック状態を解除できるので、このステアリングロック機構14の操作性が向上する。
そして、前記イグニッションキーIGKの回動によりイグニッションスイッチ25がオンすると、同スイッチ25とダイオード28aの電位がバッテリ電圧まで上昇する。この電圧上昇に応答して、マイクロコンピュータ40は、ステップS120にて「Yes」すなわちイグニッションスイッチ25がオンされたと判定して、プログラムをステップS122に進める。ステップS122においては、第2リレー制御回路45に制御信号を出力して、今まで通電状態にあった第2リレーコイル27bの通電を解除する。したがって、この時点では、第2リレースイッチ27aを介したバッテリ電圧のマイクロコンピュータ40などに対する給電は停止するが、イグニッションスイッチ25および第1リレースイッチ24aを介してバッテリ電圧が給電される。
前記ステップS122の処理後、ステップS124にて図7のアシスト制御プログラムの実行を許容して、ステップS126にてこの初期制御プログラムの実行を終了する。以降、マイクロコンピュータ40は、図7のアシスト制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行し始める。
アシスト制御プログラムの実行は、ステップS300にて開始され、ステップS302にてロック動作フラグROPが”1”であるか否かを判定する。このロック動作フラグROPは、初期には”0”に設定されていて、”1”により、車両の運転を停止してイグニッションキーIGKを抜き取った直後に、ステアリングロック機構14のロックを完全に行わせるために電動モータ15を作動させている状態を表し、”0”によりそれ以外の状態を表す。したがって、この場合には、ステップS302にて「No」すなわちロック動作フラグROPが”1”でないと判定して、プログラムをステップS304に進める。ステップS304においては、キー挿入検出スイッチ26と抵抗46との接続点の電位を入力して、同電位が接地電圧であるか否かによりイグニッションキーIGKがキーシリンダから抜き取られているか否かを判定する。この場合、イグニッションキーIGKはキーシリンダに挿入された状態にあるので、ステップS304にて「No」すなわち接地電圧でないと判定して、プログラムをステップS306以降に進める。
ステップS306においては、車速センサ21および操舵トルクセンサ22から車速Vおよび操舵トルクTMを入力する。そして、ステップS308にて、マイクロコンピュータ40に内蔵されて操舵トルクTMに応じて変化するアシスト電流値Iaを複数の車速域ごとに記憶した変換テーブルを参照し、前記入力した車速Vおよび操舵トルクTMに応じたアシスト電流値Iaを決定する。変換テーブルの変換特性は図8のグラフに示されており、これにより、アシスト電流値Iaは操舵トルクTMの増加に従って増加するとともに、車速Vの増加に従って減少するように決定される。
前記ステップS308の処理後、ステップS310にて、前記計算したアシスト電流値Iaを指令電流値I*として設定し、ステップS312にて、前記ステップS112の処理と同様に、電流検出回路42から電動モータ15の駆動電流値Imを入力して、同駆動電流値Imが指令電流値I*に等しくなるように電動モータ15の回転を制御する。したがって、電動モータ15はその回転トルクが指令電流値I*に比例するように制御される。
前記ステップS312の処理後、ステップS328にてアシスト制御プログラムの実行が終了される。そして、所定時間が経過するごとに、イグニッションキーIGKが抜き取られるまで、ステップS306〜ステップS312の処理が繰り返し実行されるので、ハンドル11の回動操作は、操舵トルクTMおよび車速Vに応じた電動モータ15による回転トルクでアシスト制御されることになる。
一方、車両の運転終了に伴い、運転者がイグニッションキーIGKをキーシリンダから引き抜くと、キー挿入検出スイッチ26はオフして、同スイッチ26と抵抗46との接続点の電位は接地電位に低下する。これに応答して、マイクロコンピュータ40は、ステップS304にて「Yes」と判定し、ステップS314,316にて車速Vおよび操舵トルクTMがそれぞれほぼ「0」であるか否かを判定する。ステップS314,316の判定処理は、車両の運転が終了したことを確実にするための判定処理であり、車速Vおよび操舵トルクTMのいずれか一方でもほぼ「0」でなければ、プログラムをステップS304に戻す。そして、マイクロコンピュータ40は、ステップS304,314,316にてそれぞれ「Yes」と判定すると、ステップS318にてロック動作フラグROPを”1”に設定し、プログラムをステップS320,322に進める。なお、この状態でも、第1リレースイッチ24aおよびダイオード28bを介して、バッテリ17からのバッテリ電圧がマイクロコンピュータ40などに供給されて、同コンピュータ40などの動作は確保される。
ステップS320においては、指令電流値I*を負の所定電流値Ir1に設定する。ステップS322においては、前記ステップS112,312の処理と同様に、電流検出回路42から電動モータ15の駆動電流値Imを入力し、同駆動電流値Imが前記ステップS320にて設定した指令電流値I*に等しくなるように電動モータ15の回転を制御する。これにより、電動モータ15は前記ステップS110の回転制御処理による回転方向とは逆方向に回転し、減速機16を介してステアリングシャフト12およびハンドル11が回動される。
このとき、イグニッションキーIGKを抜き取る前のキーシリンダ内の回動により、ステアリングロック機構14内においては、ロックバー14bがスプリングの付勢力によりロック解除位置からロック溝14aの方向に変位しているが、ロックバー14bの先端面がロック溝14aに対向していなければ、ロックバー14bはロック溝14a内に侵入できずに前記円環部材の外周面に接触している。もちろん、ロックバー14bの先端面がロック溝14aに対向していれば、ロックバー14bはロック溝14a内に侵入している。
しかし、前記ステップS322の処理によるステアリングシャフト12の回動により、同シャフト12の外周面に設けたロック溝14aがロックバー14bの先端面に対向する位置まで回動すると、ロックバー14bは前記スプリングの付勢力によってロック溝14a内に侵入する。これにより、運転者がイグニッションキーIGKをキーシリンダから抜き取った後、ハンドル11を回動操作しなくても、同ハンドル11は常に完全にロックされるので、ステアリングロック機構14の操作性が良好になるとともに、車両の盗難に対してもより安全になる。
前記ステップS322の処理後、ステップS324にて、マイクロコンピュータ40は、ロック溝位置検出センサ23から入力した距離Hが距離Hoと等しいか否かを判定する。この判定処理は、ハンドル11が完全にロックされたことを判定するものである。そして、距離Hが距離Hoと等しくなければ、「No」と判定してステップS328に進み、このアシスト制御プログラムの実行を一旦終了する。このアシスト制御プログラムの実行終了後、所定時間が経過すれば、同プログラムは、ふたたび実行されるが、ロック動作フラグROPが”1”に設定されているので、ステップS302にて「Yes」と判定されて、ステップS320以降の処理が実行され、ステップS320,322の処理により電動モータ15は回転制御され続ける。そして、ステアリングロック機構14のロックバー14bがロック溝14a内に侵入して、距離Hが距離Hoと等しくなる、すなわちロックバー14bに対するロック溝14aの相対的に回動位置が一致すると、ステップS324にて「Yes」すなわちロックバー14bがロック溝14a内に完全に侵入したと判定して、プログラムをステップS326に進める。
ステップS326においては、第1リレーコイル24bの通電を解除するための制御信号を第1リレー制御回路44に出力し、同制御回路44が第1リレーコイル24bの通電を解除する。これにより、第1リレースイッチ24aがオフするので、駆動回路30へのバッテリ電圧の供給も、ダイオード28bを介したマイクロコンピュータ40などへのバッテリ電圧の供給も停止する。また、このとき、イグニッションスイッチ25および第2リレースイッチ27aもオフ状態に保たれるので、電動モータ15の作動停止を含めてこの電動パワーステアリングシステム全体の動作が停止する。このようにして、電動モータ15の作動が停止される結果、同モータ15を不必要に回転制御することがなくなり、同モータ15の保護が図られる。そして、マイクロコンピュータ40は、ステップS328にてアシスト制御プログラムの実行を終了する。
以上の説明からも理解できるように、上記第1実施形態の車両の操舵装置によれば、運転者がイグニッションキーIGKをキーシリンダに挿入するとともに回動して車両を始動させる場合、ステアリングロック機構14がロック状態すなわちロックバー14bがロック溝14aに侵入している状態にあって、ロックバー14bの先端角部とロック溝14aの内周壁とが接触していても、マイクロコンピュータ40が電動モータ15を逆回転制御することによって、ロック溝14aとロックバー14bとの接触を自動的に解除することができる。
したがって、運転者は、ハンドル11を回動させながらイグニッションキーIGKを回動させなくても、イグニッションキーIGKを小さな力で回動するだけで、簡単にハンドル11のロック状態を解除することができ、ステアリングロック機構14の操作性が良好となる。また、ロック溝14aの内周壁とロックバー14bの先端角部とが接触しているか否かは、ロック溝位置検出センサ23によって検出される距離H、言い換えれば、ロック溝14aの回動位置を検出することに基づいて把握されるため、不感帯を有することなく確実にロック溝14aとロックバー14bとの係合状態を判定することができる。
また、上記第1実施形態の車両の操舵装置によれば、運転者がイグニッションキーIGKをイグニッションスイッチ25をオンさせる方向と反対方向に回動した後にキーシリンダから引き抜いて車両の運転を停止する場合、ステアリングロック機構14のロックバー14bの先端面がロック溝14aに対向していなくても、マイクロコンピュータ40が電動モータ15を回転制御することによってステアリングロック機構14におけるロック状態の設定を補助する。このため、ロックバー14bの先端部はロック溝14aに侵入してハンドル11を完全にロックすることができる。
したがって、運転者がイグニッションキーIGKをキーシリンダから抜き取った後、ハンドル11を回動操作しなくても、ハンドル11は常に完全にロックされるので、ステアリングロック機構14の操作性が良好となるとともに、車両の盗難に対してもより安全になる。また、ロック溝14aの底面とロックバー14bの先端面とが確実に接触しているか否かは、ロック溝位置検出センサ23によって検出された距離H、言い換えれば、ロック溝14aの回動位置を検出することに基づいて把握されるため、不感帯を有することなくロック溝14aと確実にロックバー14bとの係合状態を判定することができる。これにより、ステアリングロック機構14によるハンドルのロックが確実になされる。
また、上記第1実施形態の車両の操舵装置によれば、ロック溝位置検出センサ23が距離Hすなわちロック溝14aの回動位置を直接検出するため、ロック溝14aの成形誤差が生じていても、確実にロック解除およびロックを行うことができる。したがって、ロック溝14aの成形精度を高める必要がなく、操舵装置の生産性を向上することができる。また、レーザ光や超音波を利用して距離Hを検出するロック溝位置検出センサ23を採用することにより、同センサ23を容易に小型化することができる。これにより、ロック溝位置検出センサ23の組み付け位置を自由に選択することができ、従来の操舵装置に対しても容易に組み付け可能であるとともに操舵装置自体を小型化することもできる。
なお、上記第1実施形態においては、ハンドル11と電動モータ15との間に位置するステアリングシャフト12にギア比を可変とする可変ギア機構を介在させて、前記補助のための電動モータ15の回転時には、可変ギア機構を制御してハンドル11の回転量を小さくするように実施することもできる。これによれば、ハンドル11のロック解除又はロック時における同ハンドル11の自動的な回転に対して、運転者が覚える違和感をなくすことができる。
上記第1実施形態においては、ロック溝位置検出センサ23がロック溝14aに対向するように組み付けられていて、ロック溝位置検出センサ23とロック溝14aの形成された部分との間の距離Hを検出することによって、ロック溝14aの回動位置を検出するように実施した。そして、検出した距離Hに基づいて、ハンドル11のロックおよびロック解除をアシストするように実施した。これに対して、ロック溝14aの回動位置をより確実に検出するために、別途検出溝を設けて実施することも可能である。以下、上記第1実施形態の変形例について説明するが、上記第1実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その説明を省略する。
この変形例におけるステアリングロック機構14は、図9に示すように、ロック溝14aの形成された円環部材に対して別途形成された検出溝14dを備えている。検出溝14dは、所定の深さ寸法を有していて、円環部材の外周面上にて、ロック溝14aの軸方向位置と一致するように形成されている。そして、この変形例においては、ステアリングロック機構14を構成するロック溝14a、ロックバー14bおよび検出溝14dの各形成幅寸法が、図10に示すように設定されている。すなわち、ロック溝14aの形成幅寸法をA、ロックバー14bの形成幅寸法をBおよび検出溝14dの形成幅寸法とCとすれば、A−B>Cの関係にあり、かつ、B>Cの関係を満たすように設定されている。
また、この変形例におけるロック溝位置検出センサ23は、図9に示すように、検出溝14dと対向するように、ステアリングロック機構14の本体部14c内に一体的に組み付けられている。そして、ロック溝位置検出センサ23は、上記第1実施形態と同様に、レーザ光や超音波を出力するとともに反射光や反射波を入力することにより、検出溝14dの形成位置にて変化する円環部材の外周面との距離H1を検出し、同距離H1を表す検出信号を電気制御装置20に供給する。なお、ロック溝位置検出センサ23の距離H1の検出位置は、ロック溝14aの長手方向の中心軸線とロックバー14bの長手方向の中心軸線とを一致させたときに、検出溝14dの長手方向の中心軸線における距離を検出するように設定される。
このように構成された変形例においても、マイクロコンピュータ40は、上記第1実施形態と同様に、図5に示した初期制御プログラムを実行する。ただし、この変形例における初期制御プログラムは、上記第1実施形態と若干異なる。すなわち、マイクロコンピュータ40は、初期制御プログラムのステップS114にて、ロック溝位置検出センサ23から距離H1を表す検出信号を入力する。そして、マイクロコンピュータ40は、入力した検出信号すなわち距離H1が、ロック溝位置検出センサ23と検出溝14dの底面までの距離として予め設定された距離H1oと等しいか否かを判定する。この判定処理も、上記第1実施形態と同様に、ステアリングロック機構14において、ロック溝14aの内周壁とロックバー14bの先端角部とが互いに接触していて、ロックバー14bをロック溝14aから引き抜く荷重が大きいか否かを判定するものである。
すなわち、上述したように、検出溝14dの形成幅寸法Cは、ロック溝14aの形成幅寸法Aおよびロックバー14bの形成幅寸法Bに比して小さく設定されている。このため、ロック溝位置検出センサ23によって検出された距離H1が距離H1oと等しい状態では、ロックバー14bの先端面とロック溝14aの底面とが必ず接触している状態、言い換えれば、ロックバー14bに対するロック溝14aの相対的な回動位置が一致していてロックバー14bがロック溝14a内に完全に侵入し、ロックバー14bの外周面とロック溝14aの内周壁との間に確実にクリアランスを有する状態となる。一方、ロック溝位置検出センサ23によって検出された距離H1が距離H1oと等しくない状態では、ロックバー14bの先端面とロック溝14aの底面とが互いに接触していない状態、言い換えれば、ロックバー14bに対するロック溝14aの相対的な回動位置が一致しておらず、ロックバー14bの先端角部とロック溝14aの内周壁とが接触している可能性が高くなる。
このため、マイクロコンピュータ40は、ステップS114にて、距離H1が距離H1oと等しければ、ロックバー14bの先端角部を含む外周面とロック溝14aとの間に確実にクリアランスを有する状態であるため、「Yes」と判定する。そして、ステップS116にて、指令電流値I*を「0」に設定して電動モータ15の回転制御を中止し、上記第1実施形態と同様に、ステップS120以降の各ステップの処理を実行する。
一方、マイクロコンピュータ40は、ステップS114にて、距離H1が距離H1oと等しくなければ、ロック溝14aの内周壁とロックバー14bの先端角部とが接触している可能性が高いため、「No」と判定し、上記第1実施形態と同様に、ステップS118にて図6に示した「ロック解除アシストルーチン」を実行する。「ロック解除アシストルーチン」も、上記第1実施形態と同様に実行されるが、この変形例においては、ステップS208の判定処理が若干異なる。すなわち、この変形例においては、マイクロコンピュータ40が電動モータ15の駆動に伴って検出された距離H1が距離H1oと等しくなったか否かを判定する点で、上記第1実施形態の場合と異なる。したがって、このステップS208の判定処理においては、距離H1が距離H1oと等しくなるまで「No」と判定し、ステップS204,ステップS206およびステップS210の各処理を繰り返し実行する。
そして、マイクロコンピュータ40は、ステップS206の駆動制御処理に伴い、ステアリングロック機構14のロックバー14bに対してロック溝14aが離間方向に相対的に回転することによって、距離H1が距離H1oと等しくなれば、ステップS208にて「Yes」と判定する。そして、上記第1実施形態と同様に、ステップS212の処理によって電動モータ15の回転を停止させ、ステップS214にて、「ロック解除アシストルーチン」の実行を終了する。これにより、マイクロコンピュータ40は、ふたたび、図5に示した初期制御プログラムのステップS116以降の各処理を実行し、ステップS124にて、図7に示したアシスト制御プログラムの実行を開始する。
アシスト制御プログラムの実行も、上記第1実施形態と同様に実行されるが、この変形例においては、ステップS324の判定処理が若干異なる。すなわち、マイクロコンピュータ40は、ステップS324にて、ハンドル11が完全にロックされたことを判定するために、ロック溝位置検出センサ23から入力した距離H1が距離H1oと等しいか否かを判定する。そして、マイクロコンピュータ40は、距離H1が距離H1oと等しくなければ、「No」と判定し、上記第1実施形態と同様に、ステップS328にてアシスト制御プログラムの実行を一旦終了する。所定時間の経過後、マイクロコンピュータ40は、ふたたび同プログラムの実行を開始し、ステップS302にて「Yes」と判定することにより、ステップS320およびステップS322の処理を実行して電動モータ15を回転制御し続ける。そして、マイクロコンピュータ40は、距離H1が距離H1oと等しくなる、言い換えれば、ロックバー14bがロック溝14a内に完全に侵入すると、ステップS324にて「Yes」と判定して、ステップS326の処理を実行するとともにステップS328にてアシスト制御プログラムの実行を終了する。
以上の説明からも理解できるように、この変形例によれば、ステアリングロック機構14に検出溝14dを設けることによって、ロック溝14aとロックバー14bとの係合状態をより正確に判定することができる。したがって、上記第1実施形態と同様の効果をより確実に得ることができる。
b.第2実施形態
上記第1実施形態およびその変形例においては、上述したように、図7に示したアシスト制御プログラムのステップS320およびステップS322の各処理によって、電動モータ15を一方向に、より具体的には、初期制御プログラムのステップS110の回転制御処理による回転方向と逆方向に回転させるように実施した。これにより、ステアリングロック機構14のロック溝14aとロックバー14bとを確実に係合状態とすることができる。しかし、例えば、ロック溝14aの形成箇所が少ない場合には、電動モータ15を一方向のみに回転させると、ロック溝14aとロックバー14bとが互いに係合するまですなわちロック状態となるまでの回転量が大きくなる場合がある。この結果、ステアリングシャフト12に一体的に組み付けられたハンドル11も、大きく回転することになり、運転者が違和感を覚える場合がある。これに対して、ロック溝14aとロックバー14bとの相対的な位置関係に基づいて電動モータ15の回転方向を変更し、同モータ15の回転量を小さくして実施することも可能である。以下、この第2実施形態について説明するが、上記第1実施形態および変形例と同一部分に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この第2実施形態におけるステアリングロック機構14は、図11に示すように、ロック溝14aの回動位置を確実に検出するために、ロック溝14aの形成された円環部材に対して形成された検出溝14eを備えている。この検出溝14eも、上記第1実施形態の変形例と同様に、ロック溝14aの軸方向位置と一致するように形成されている。そして、検出溝14eの底面は、図12にて一部を拡大した断面を示すように、ロック溝14aの形成幅寸法よりも小さい形成幅寸法に設定された第1底面14e1を有している。さらに、検出溝14eには、第1底面14e1に対して凸の段形状に形成された回動方向決定溝を形成する第2底面14e2が形成されている。ここで、第2底面14e2の形成幅寸法は、例えば、第1底面14e1の形成間隔の半分程度の形成幅寸法に設定される。
また、この第2実施形態におけるロック溝位置検出センサ23は、図11に示すように、検出溝14eと対向するように、ステアリングロック機構14の本体部14c内に一体的に組み付けられている。そして、ロック溝位置検出センサ23は、上記第1実施形態と同様に、レーザ光や超音波を出力するとともに反射光や反射波を入力することにより、検出溝14eの形成位置にて変化する円環部材の外周面との距離H2を検出し、同距離H2を表す検出信号を電気制御装置20に供給する。なお、ロック溝位置検出センサ23の距離H2の検出位置は、ロック溝14aの長手方向の中心軸線とロックバー14bの長手方向の中心軸線とを一致させたときに、検出溝14eの長手方向の中心軸線における距離を検出するように設定される。
このように構成された第2実施形態においても、マイクロコンピュータ40は、上記第1実施形態と同様に、図5に示した初期制御プログラムおよび図6に示したロック解除アシストルーチンを実行する。ただし、この第2実施形態における初期制御プログラムおよびロック解除アシストルーチンは、上記第1実施形態の場合と若干異なる。具体的には、初期制御プログラムの実行に際してはステップS114の判定内容が異なり、ロック解除アシストルーチンの実行に際してはステップS208の判定内容が異なる。すなわち、ステップS114とステップS208においては、マイクロコンピュータ40は、ロック溝位置検出センサ23から距離H2を表す検出信号を入力する。そして、マイクロコンピュータ40は、入力した検出信号すなわち距離H2が、ロック溝位置検出センサ23と検出溝14eの第1底面14e1までの距離として予め設定された距離H2oと等しいか否かを判定する。これらの判定処理も、上記第1実施形態と同様に、ステアリングロック機構14において、ロック溝14aの内周壁とロックバー14bの先端角部とが互いに接触しているか否かを判定するものである。
すなわち、検出溝14eは、図12に示すように、第1底面14e1が破線で示したロック溝14aの略中央部分に位置するように形成されている。このため、ロック溝位置検出センサ23によって検出された距離H2が距離H2oと等しい状態では、ロックバー14bの先端面とロック溝14aの底面とが必ず接触している状態、言い換えれば、ロックバー14bに対するロック溝14aの相対的な回動位置が一致していてロックバー14bがロック溝14a内に完全に侵入し、ロックバー14bの外周面とロック溝14aの内周壁との間に確実にクリアランスを有する状態となる。一方、ロック溝位置検出センサ23によって検出された距離H2が距離H2oと等しくない状態では、ロックバー14bの先端面とロック溝14aの底面とが互いに接触していない状態、言い換えれば、ロックバー14bに対するロック溝14aの相対的な回動位置が一致しておらず、ロックバー14bの先端角部とロック溝14aの内周壁とが接触している可能性が高くなる。
このため、マイクロコンピュータ40は、初期制御プログラムのステップS114およびロック解除アシストルーチンのステップS208にて、距離H2が距離H2oと等しければ、ロックバー14bの外周面とロック溝14aとの間に確実にクリアランスを有する状態であるため、「Yes」と判定する。なお、初期制御プログラムのステップS114以外の各ステップ処理およびロック解除アシストルーチンのステップS208以外の各ステップ処理については、上述した第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
そして、この第2実施形態においても、マイクロコンピュータ40は、初期制御プログラムのステップS124にて、アシスト制御プログラムの実行を開始する。この第2実施形態におけるアシスト制御プログラムは、図13に示すように、ステップS320とステップS324が省略されるとともに、ステップS350〜ステップS353が追加されている。以下、追加された各ステップの処理について説明する。
マイクロコンピュータ40は、ステップS350にて、ロック溝位置検出センサ23から距離H2を表す検出信号を入力する。そして、マイクロコンピュータ40は、入力した距離H2が、ロック溝位置検出センサ23と検出溝14eの第2底面14e2までの距離として予め設定された距離H2aと等しいか否かを判定する。この判定処理は、ロック溝14aとロックバー14bとの相対的な位置関係を判定するものである。
すなわち、検出された距離H2が距離H2aと等しい状況として、例えば、図12に示すような状況においては、一点鎖線で示したロックバー14bが破線で示したロック溝14aの回動位置に対して、相対的に右側に位置している。この状況においては、ロック溝14aをロックバー14bに対して相対的に右方向に回転させれば、ステアリングシャフト12(ハンドル11)の回転量を小さくしてロック溝14aとロックバー14bとを互いに係合させることができる。したがって、マイクロコンピュータ40は、ステップS350において「Yes」と判定し、ステップS351にて、指令電流値I*を負の所定電流値Ir1に設定する。これにより、ステップS322の回転制御処理によって、電動モータ15は、ロック溝14a(詳しくは、ステアリングシャフト12)を、図12において右方向に回転させる。
一方、マイクロコンピュータ40は、距離H2が距離H2aと等しくなければ、ステップS350にて「No」と判定して、ステップS352に進む。ステップS352においては、マイクロコンピュータ40は、ロック溝位置検出センサ23から入力した距離H2が、ロック溝位置検出センサ23と検出溝14eの形成された円環部材の外周面までの距離として予め設定された距離H2bと等しいか否かを判定する。
すなわち、検出された距離H2が距離H2bと等しい状況として、例えば、図12に示すような状況においては、二点鎖線で示したロックバー14bが破線で示したロック溝14aの回動位置に対して、相対的に左側に位置している。この状況においては、ロック溝14aをロックバー14bに対して相対的に左方向に回転させれば、ステアリングシャフト12(ハンドル11)の回転量を小さくしてロック溝14aとロックバー14bとを互いに係合させることができる。したがって、マイクロコンピュータ40は、ステップS352にて「Yes」と判定し、ステップS353にて、指令電流値I*を正の所定電流値Ir1に設定する。これにより、ステップS322の回転制御処理によって、電動モータ15は、ロック溝14a(詳しくは、ステアリングシャフト12)を、図12において左方向に回転させる。
そして、マイクロコンピュータ40は、前記ステップS322の回転制御処理後、ステップS328に進み、このアシスト制御プログラムの実行を一旦終了する。このアシスト制御プログラムの終了後、所定時間が経過すれば、同プログラムは、ふたたび実行されるが、ロック動作フラグROPが”1”に設定されているので、ステップS302にて「Yes」と判定されて、ステップS350以降の処理が実行される。
そして、マイクロコンピュータ40は、前回のアシスト制御プログラムの実行による電動モータ15の回転に伴ってロック溝位置検出センサ23から入力した距離H2が変化して、ステップS350にて「No」と判定し、かつ、ステップS352にて「No」と判定すると、ステップS326に進む。すなわち、ステップS350とステップS352において、共に「No」と判定する状況は、距離H2が検出溝14eの第1底面14e1までの距離H2oと等しくなる状況、言い換えれば、ロックバー14bに対するロック溝14aの相対的な回動位置が一致する状況である。したがって、マイクロコンピュータ40は、ロックバー14bがロック溝14a内に完全に侵入した状態、すなわち、ハンドル11が完全なロック状態にあるため、ステップS326にて、第1リレーコイル24bの通電を解除するための制御信号を第1リレー制御回路44に出力し、同制御回路44が第1リレーコイル24bの通電を解除する。
以上の説明からも理解できるように、この第2実施形態によれば、上記第1実施形態およびその変形例による効果に加えて、ロック溝14aとロックバー14bとを互いに係合させるまでのステアリングシャフト12(ハンドル11)の回転量を小さくすることができる。したがって、イグニッションキーIGKをキーシリンダから抜き取った後にハンドル11が回転することに対して、運転者は違和感を覚えにくくなる。
c.その他の変形例
本発明の実施にあたっては、上記各実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限り種々の変形が可能である。
例えば、上記各実施形態においては、ステアリングシャフト12にステアリングロック機構14を設け、ハンドル11のロックまたはロック解除を行うように実施した。しかしながら、ステアリングロック機構14の配置については、ステアリングシャフト12に限定されるものではなく、例えば、減速機16にステアリングロック機構14を組み付けて、ハンドル11のロックまたはロック解除を行うように実施することも可能である。以下、この変形例について説明するが、上記各実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この変形例におけるステアリングロック機構14は、図14に示すように、減速機16に組み付けられている。減速機16は、電動モータ15の回転を減速して、ステアリングシャフト12に伝達するウォームホイールを備えている。このウォームホイールは、電動モータ15のシャフトに組み付けられた図示省略のウォームギアと歯合するホイールギア16aを備えている。また、ウォームホイールは、ホイールギア16aを支持する円盤状のインナーリング16bを備えるとともに、同インナーリング16bとトーションバーの一端を相対回転不能に支持する支持部材の外周面とを一体的に連結するボス16cを備えている。
そして、この変形例におけるステアリングロック機構14は、図14および図15に示すように、インナーリング16bに形成された貫通孔14f(上記各実施形態におけるロック溝14aに対応)と、貫通孔14fに対して挿抜可能に設けられたロックピン14g(上記各実施形態のロックバー14bに対応)と、減速機16に組み付けられてロックピン14gおよび同ピン14gを変位させる周知のソレノイド機構を収容する本体部14hと、ボス16cの外周面上に形成された検出溝14iとから構成されている。
なお、この変形例においては、ロックピン14gを収容する本体部14hおよび検出溝14iを、操舵トルクセンサ22を構成するトーションバーよりもハンドル11側に設けて実施する。しかしながら、本体部14hおよび検出溝14iを、トーションバーよりも左右前輪FW1,FW2側に設けて実施することも可能である。このように、本体部14hおよび検出溝14iを共に左右前輪FW1,FW2側に設けることにより、トーションバーの捩れの影響を排除することができ、ロック制御またはロック解除制御の精度を確保することができる。
貫通孔14fは、図15に示すように、所定の孔径を有して、インナーリング16bの周方向に沿って複数個所に設けられている。ロックピン14gは、貫通孔14fの孔径に比して僅かに小さい外径を有して形成されている。本体部14hに収容されたソレノイド機構は、キーシリンダに挿入されたイグニッションキーIGKの回動に連動して、ロックピン14gを変位させる周知の機構である。すなわち、ソレノイド機構は、イグニッションキーIGKがイグニッションスイッチ25をオンさせる方向へ回動されたとき、ロックピン14gを貫通孔14fから抜脱する方向に変位させ、ロック解除位置に保持する。また、ソレノイド機構は、イグニッションキーIGKを引き抜くために、同キーIGKがイグニッションスイッチ25をオンさせた回動位置から前記と反対方向に回動されたとき、ロックピン14gを貫通孔14fに挿入する方向に変位させ、ロック位置に保持する。検出溝14iは、図15に示すように、貫通孔14fの形成位置に対応して形成されている。そして、検出溝14iの形成幅寸法は、ロックピン14gの外径寸法よりも小さく設定されている。
また、この変形例におけるロック溝位置検出センサ23は、図14に示すように、検出溝14iと対向するように、減速機16に一体的に組み付けられている。そして、ロック溝位置検出センサ23は、上記各実施形態と同様に、レーザ光や超音波を出力するとともに反射光や反射波を入力することにより、検出溝14iの形成位置にて変化する円環部材の外周面との距離H3を検出し、同距離H3を表す検出信号を電気制御装置20に供給する。なお、ロック溝位置検出センサ23の距離H3の検出位置は、貫通孔14fに対してロックピン14gを挿入したときに、検出溝14iの長手方向の中心軸線における距離を検出するように設定される。
このように構成された変形例においても、マイクロコンピュータ40は、上記各実施形態と同様に、図5〜図7に示した初期制御プログラム、ロック解除アシストルーチンおよびアシスト制御プログラムを実行する。ただし、この変形例においては、初期制御プログラムのステップS114、ロック解除アシストルーチンのステップS208およびアシスト制御プログラムのステップS324の各処理が上記各実施形態と異なる。すなわち、これら各ステップにおいては、マイクロコンピュータ40は、ロック溝位置検出センサ23から距離H3を表す信号を入力する。そして、マイクロコンピュータ40は、入力した検出信号すなわち距離H3が、ロック溝位置検出センサ23と検出溝14iの底面までの距離として予め設定された距離H3oと等しいか否かを判定する。これらの判定処理は、ステアリングロック機構14において、貫通孔14fの内周面とロックピン14gの外周面とが互いに接触しているか否かを判定するものである。そして、これらの判定処理を実行することにより、貫通孔14fの内周面とロックピン14gの外周面との接触状態を確実に回避することができるとともに、ロックピン14gを貫通孔14fに確実に挿入することができる。
したがって、この変形例においても、上記各実施形態と同様に、運転者は、ハンドル11を回動させながらイグニッションキーIGKを回動させなくても、イグニッションキーIGKを小さな力で回動するだけで、簡単にハンドル11のロック状態を解除することができ、ステアリングロック機構14の操作性が良好となる。また、運転者がイグニッションキーIGKをイグニッションスイッチ25をオンさせる方向と反対方向に回動した後にキーシリンダから引き抜いて車両の運転を停止する場合、ステアリングロック機構14のロックピン14gの先端面が貫通孔14fに対向していなくても、マイクロコンピュータ40が電動モータ15を回転制御することによってステアリングロック機構14におけるロック状態の設定を補助する。これにより、ハンドル11を完全にロックすることができる。
また、上記各実施形態および変形例においては、ロック溝14aとロックバー14bとの接触状態または貫通孔14fとロックピン14gとの接触状態を、ロック溝位置検出センサ23によって検出された距離すなわちロック溝14aまたは貫通孔14fの回動位置のみに基づいて判定するように実施した。しかしながら、操舵トルクセンサ22によって検出された操舵トルクTMを加えて、前記接触状態を判定するように実施してもよい。これによれば、例えば、ロック溝位置検出センサ23に異常が生じた場合であっても、操舵トルクセンサ22によって検出された操舵トルクTMに基づいてロック制御またはロック解除制御を実行することができるため、システムの信頼性を向上させることができる。
この場合、例えば、操舵トルクセンサ22によって良好に操舵トルクTMが検出できる場合には、操舵トルクTMを用いて前記接触状態を判定し、操舵トルクセンサ22によって良好に操舵トルクTMが検出できない場合(不感帯領域で検出する場合)には、ロック溝位置検出センサ23によって検出された距離すなわちロック溝14aの回動位置を用いるように切り換えて、前記接触状態を判定するように実施することもできる。
また、上記各実施形態および変形例においては、ロック溝位置検出センサ23を複数設けて実施することもできる。この場合においては、マイクロコンピュータ40は、各ロック溝位置検出センサ23から入力される距離に基づいて、各ロック溝位置検出センサ23の作動状態を監視することにより、異常が発生したロック溝位置検出センサ23を排除するように実施するとよい。これによっても、システムの信頼性を向上させることができる。
また、上記第1実施形態の変形例および第2実施形態においては、レーザ光や超音波を利用するロック溝位置検出センサ23を用いた場合を説明した。しかしながら、ロック溝14aとは別に検出溝14d、検出溝14eを設けて実施する場合には、図9、図11にて破線で示すように、接触式のロック溝位置検出センサを用いて実施することも可能である。これによれば、極めて簡略化したセンサでロック溝14aの回動位置を検出することができる。
また、上記各実施形態および変形例では、常に電動モータ15によりハンドル11のロック解除又はロックを補助するようにしたが、運転者により切換え操作される切換えスイッチにより、前記補助を行う場合と、同補助を停止する場合とを選択できるようにしてもよい。
また、上記各実施形態および変形例においては、車両の運転開始時に、イグニッションキーIGKのキーシリンダへの挿入をキー挿入検出スイッチ26により検出するようにしたが、これに代えてまたはこれに加えて、イグニッションキーIGKのキーシリンダへの挿入検知機能を有するイモビライザーシステムを搭載した車両においては、同イモビライザーシステムによるイグニッションキーIGKのキーシリンダへの挿入検知信号を利用するようにしてもよい。また、エンジンを遠隔操作による始動させることが可能なキーエントリシステムを搭載した車両においては、同システムのエンジンスタート信号を検出スイッチ26による検出に代えまたは加えて利用するようにしてもよい。さらに、運転者が所持する携帯端末からの電波を受信して運転者を認識し、この運転者によるイグニッションスタートスイッチの押下操作によりエンジンを始動させることが可能なスマートキーシステムを搭載した車両においては、同システムの電波を検出スイッチ26による検出に代えて利用するようにしてもよい。
また、上記各実施形態および変形例においては、車両の運転終了時においてステアリングロック機構14によるハンドル11のロックの必要性を確実に検出するため、前記ステップ304の判定処理(又はステップ304,314,316の判定処理)を実行した。これに代えて又は加えて、ドアの開閉信号によりドアが開閉されたこと、ドアロック検出信号によりドアがロックされたこと、シートベルト着用有無検出信号によりシートベルトがはずされたこと、シフトポジション検出手段におけるパーキング位置検出信号に基づく車両の運転停止、サイドブレーキ位置検出手段におけるサイドブレーキの引き検出信号に基づく車両の運転停止、ハンドル接触センサによるハンドル11から手を放したこと、盗難防止装置からの信号の検出などにより判定するようにしてもよい。
さらに、上記各実施形態においては、車両の操舵装置としての電動パワーステアリング装置について実施した。しかしながら、その他の車両の操舵装置、例えば、ハンドルと左右前輪FW1,FW2との機械的な連結をなくしたステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置について実施することも可能である。この場合においても、例えば、ハンドルに反力を付与するためのアクチュエータ(電動モータ)やハンドルの回動操作に応じて左右前輪FW1,FW2を操舵するためのアクチュエータ(電動モータ)を、上記各実施形態と同様に、ステアリングロック機構のロック溝の回動位置に基づいて回転制御することにより、上記各実施形態と同様の効果が期待できる。
本発明の各実施形態に共通の車両の操舵装置としての電動パワーステアリング装置の全体概略図である。 本発明の第1実施形態に係り、図1のステアリングロック機構の構成を説明するための概略図である。 図2のロック溝とロックバーとの相対的な関係を説明するために概略的に示した断面拡大図である。 図1の電気制御装置の全体ブロック図である。 図4のマイクロコンピュータにより実行される第1実施形態に係る初期制御プログラムのフローチャートである。 図4のマイクロコンピュータにより実行される第1実施形態に係るロック解除アシストルーチンのフローチャートである。 図4のマイクロコンピュータにより実行される第1実施形態に係るアシスト制御プログラムのフローチャートである。 操舵トルクとアシスト電流値との関係を示すグラフである。 第1実施形態の変形例に係るステアリングロック機構の構成を説明するための概略図である。 図9のロック溝、ロックバーおよび検出溝の相対的な関係を説明するために概略的に示した断面拡大図である。 本発明の第2実施形態に係り、図1のステアリングロック機構の構成を説明するための概略図である。 図11のロック溝、ロックバーおよび検出溝の相対的な関係を説明するために概略的に示した断面拡大図である。 図4のマイクロコンピュータにより実行される第2実施形態に係るアシスト制御プログラムのフローチャートである。 本発明の実施形態における変形例に係り、図1のステアリングロック機構の構成を説明するための概略図である。 図14の貫通孔と検出溝との相対的な関係を説明するために概略的に示した一部断面拡大図である。
符号の説明
FW1,FW2…左右前輪、IGK…イグニッションキー、11…ハンドル、12…ステアリングシャフト、14…ステアリングロック機構、14a…ロック溝、14b…ロックバー、15…電動モータ、20…電気制御装置、21…車速センサ、22…操舵トルクセンサ、23…ロック溝位置検出センサ、24a,27a…リレースイッチ、24b,27b…リレーコイル、25…イグニッションスイッチ、26…キー挿入検出スイッチ、30…駆動回路、40…マイクロコンピュータ、44,45…リレー制御回路

Claims (13)

  1. ロック状態にてハンドルの回動操作を不能とするとともにロック解除状態にてハンドルの回動操作を許容するステアリングロック機構と、ハンドルの回動操作をアシストするための電動モータとを備えた車両の操舵装置において、前記ステアリングロック機構を、
    前記ハンドルと前記電動モータとの間に位置するステアリングシャフトと一体的に回動する複数のロック溝と、
    車両の車体側に組み付けられて、前記ロック溝に対して係合可能なロックバーと、
    前記ロック溝の回動位置を検出する位置検出手段と、
    前記ロック溝とロックバーとが互いに係合したロック状態にて、前記位置検出手段により検出したロック溝の回動位置に基づいて前記電動モータを回転制御して、前記ロック溝とロックバーとが互いに離間したロック解除状態の設定を補助するロック解除補助制御手段とで構成したことを特徴とする車両の操舵装置。
  2. ロック状態にてハンドルの回動操作を不能とするとともにロック解除状態にてハンドルの回動操作を許容するステアリングロック機構と、ハンドルの回動操作をアシストするための電動モータとを備えた車両の操舵装置において、前記ステアリングロック機構を、
    前記ハンドルと前記電動モータとの間に位置するステアリングシャフトと一体的に回動する複数のロック溝と、
    車両の車体側に組み付けられて、前記ロック溝に対して係合可能なロックバーと、
    前記ロック溝の形成位置に対応して形成されるとともに前記ステアリングシャフトと一体的に回動して、前記ロック溝の回動位置を検出するための複数の検出溝と、
    前記検出溝の回動位置を検出する位置検出手段と、
    前記ロック溝とロックバーとが互いに係合したロック状態にて、前記位置検出手段により検出した検出溝の回動位置に基づいて前記電動モータを回転制御して、前記ロック溝とロックバーとが互いに離間したロック解除状態の設定を補助するロック解除補助制御手段とで構成したことを特徴とする車両の操舵装置。
  3. 請求項2に記載した車両の操舵装置において、
    前記検出溝の形成幅寸法を、
    前記ロック溝の形成幅寸法に比して小さく設定したことを特徴とする車両の操舵装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載した車両の操舵装置において、
    前記位置検出手段は、
    検出対象部位までの距離を検出し、同検出した距離の変化に基づいて回動位置を検出することを特徴とする車両の操舵装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載した車両の操舵装置において、
    前記ステアリングロック機構に、さらに、
    前記ステアリングシャフトに入力されるトルクを検出するトルク検出手段を設け、
    前記ロック解除補助手段は、
    前記ロック状態にて、前記位置検出手段によって検出した回動位置および前記トルク検出手段によって検出したトルクに基づいて前記電動モータを回転制御して、前記ロック解除状態の設定を補助することを特徴とする車両の操舵装置。
  6. 請求項1または請求項2に記載した車両の操舵装置において、
    前記ステアリングロック機構は、
    前記位置検出手段を複数備えており、
    同複数の位置検出手段によって検出される各回動位置に基づき、前記複数の位置検出手段の各作動状態を監視する監視手段を有して構成されることを特徴とする車両の操舵装置。
  7. ロック状態にてハンドルの回動操作を不能とするとともにロック解除状態にてハンドルの回動操作を許容するステアリングロック機構と、ハンドルの回動操作をアシストするための電動モータとを備えた車両の操舵装置において、前記ステアリングロック機構を、
    前記ハンドルと前記電動モータとの間に位置するステアリングシャフトと一体的に回動する複数のロック溝と、
    車両の車体側に組み付けられて、前記ロック溝に対して係合可能なロックバーと、
    前記ロック溝の回動位置を検出する位置検出手段と、
    前記ロック溝とロックバーとが互いに離間したロック解除状態にて、前記位置検出手段により検出したロック溝の回動位置に基づいて前記電動モータを回転制御して、前記ロック溝とロックバーとが互いに係合したロック状態の設定を補助するロック補助制御手段とで構成したことを特徴とする車両の操舵装置。
  8. ロック状態にてハンドルの回動操作を不能とするとともにロック解除状態にてハンドルの回動操作を許容するステアリングロック機構と、ハンドルの回動操作をアシストするための電動モータとを備えた車両の操舵装置において、前記ステアリングロック機構を、
    前記ハンドルと前記電動モータとの間に位置するステアリングシャフトと一体的に回動する複数のロック溝と、
    車両の車体側に組み付けられて、前記ロック溝に対して係合可能なロックバーと、
    前記ロック溝の形成位置に対応して形成されるとともに前記ステアリングシャフトと一体的に回動して、前記ロック溝の回動位置を検出するための複数の検出溝と、
    前記検出溝の回動位置を検出する位置検出手段と、
    前記ロック溝とロックバーとが互いに離間したロック解除状態にて、前記位置検出手段により検出した検出溝の回動位置に基づいて前記電動モータを回転制御して、前記ロック溝とロックバーとが互いに係合したロック状態の設定を補助するロック補助制御手段とで構成したことを特徴とする車両の操舵装置。
  9. ロック状態にてハンドルの回動操作を不能とするとともにロック解除状態にてハンドルの回動操作を許容するステアリングロック機構と、ハンドルの回動操作をアシストするための電動モータとを備えた車両の操舵装置において、前記ステアリングロック機構を、
    前記ハンドルと前記電動モータとの間に位置するステアリングシャフトと一体的に回動する複数のロック溝と、
    車両の車体側に組み付けられて、前記ロック溝に対して係合可能なロックバーと、
    前記ロック溝の形成位置に対応して形成されるとともに前記ステアリングシャフトと一体的に回動して、前記ロック溝の回動位置を検出するための複数の検出溝と、
    前記形成された複数の検出溝間にて段形状に形成されて、前記ステアリングシャフトの回動方向を決定するための複数の回動方向決定溝と、
    前記検出溝の回動位置を検出するとともに前記回動方向決定溝の回動位置を検出する位置検出手段と、
    前記ロック溝とロックバーとが互いに離間したロック解除状態にて、前記位置検出手段により検出した前記回動方向決定溝の回動位置に基づいて前記電動モータの回転駆動方向を決定する回転駆動方向決定手段と、
    前記決定した回転駆動方向および前記位置検出手段により検出した検出溝の回動位置に基づいて前記電動モータを回転制御して、前記ロック溝とロックバーとが互いに係合したロック状態の設定を補助するロック補助制御手段とで構成したことを特徴とする車両の操舵装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載した車両の操舵装置において、
    前記検出溝の形成幅寸法を、
    前記ロック溝の形成幅寸法に比して小さく設定したことを特徴とする車両の操舵装置。
  11. 請求項7ないし請求項9のうちのいずれか一つに記載した車両の操舵装置において、
    前記位置検出手段は、
    検出対象部位までの距離を検出し、同検出した距離の変化に基づいて回動位置を検出することを特徴とする車両の操舵装置。
  12. 請求項7ないし請求項9のうちのいずれか一つに記載した車両の操舵装置において、
    前記ステアリングロック機構に、さらに、
    前記ステアリングシャフトに入力されるトルクを検出するトルク検出手段を設け、
    前記ロック補助手段は、
    前記ロック解除状態にて、前記位置検出手段によって検出した回動位置および前記トルク検出手段によって検出したトルクに基づいて前記電動モータを回転制御して、前記ロック状態の設定を補助することを特徴とする車両の操舵装置。
  13. 請求項7ないし請求項9のうちのいずれか一つに記載した車両の操舵装置において、
    前記ステアリングロック機構は、
    前記位置検出手段を複数備えており、
    同複数の位置検出手段によって検出される各回動位置に基づき、前記複数の位置検出手段の各作動状態を監視する監視手段を有して構成されることを特徴とする車両の操舵装置。
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