JP2006303211A - 半導体レーザ素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 レーザ特性がばらつくことなく、CODを発生させない、高出力の半導体レーザ素子の製造方法を提供する。
【解決手段】 共振器面A,B近傍部において、エッチングストップ層が十分なエッチング耐性を有する条件で、エッチングストップ層6側から基板1に向かって第1導電型クラッド層3の途中までの領域に、不純物を選択的に拡散する第1アニール工程と、エッチングストップ層6の表面にリッジ11をエッチングにより形成する工程と、この拡散された不純物をさらに拡散させて不純物拡散領域の活性層4を十分に無秩序化させる第2アニール工程とを有する。
【選択図】 図6
【解決手段】 共振器面A,B近傍部において、エッチングストップ層が十分なエッチング耐性を有する条件で、エッチングストップ層6側から基板1に向かって第1導電型クラッド層3の途中までの領域に、不純物を選択的に拡散する第1アニール工程と、エッチングストップ層6の表面にリッジ11をエッチングにより形成する工程と、この拡散された不純物をさらに拡散させて不純物拡散領域の活性層4を十分に無秩序化させる第2アニール工程とを有する。
【選択図】 図6
Description
本発明は、光ディスクドライブにおける高出力動作の用途等に用いられる半導体レーザ素子の製造方法に関する。
半導体レーザ素子は、光通信をはじめ、映像、音楽、その他のデジタル情報の記録再生に利用されており、特に、光ディスクドライブの書き込み光源として、例えば30mW以上の高出力の半導体レーザ素子が使用されている。
ところが、高出力の半導体レーザ素子において、COD(Catastrophic Optical Damage)と呼ばれる光学損傷が問題となっており、信頼性の低下をもたらしている。
このCODは、レーザ光を発生する活性層の共振器面近傍部が、素子内部で発生したレーザ光に対して吸収領域になっていることにより発生する。
素子製造工程において、通常、大気中で劈開することによって、その劈開面が共振器面として得られる。このとき、劈開を大気中で行うため、大気中の酸素と反応して、共振器面には自然酸化層が形成されてしまう。
この自然酸化層のバンドギャップは素子内部の活性層のバンドギャップより小さいために吸収領域となり温度上昇を伴うため、この温度上昇により共振器面近傍のバンドギャップがさらに狭くなり、レーザ光の吸収がますます起こりやすくなる。その結果、上述の現象を繰り返し、ついには共振器面が溶融して半導体レーザ素子が破壊される。
ところが、高出力の半導体レーザ素子において、COD(Catastrophic Optical Damage)と呼ばれる光学損傷が問題となっており、信頼性の低下をもたらしている。
このCODは、レーザ光を発生する活性層の共振器面近傍部が、素子内部で発生したレーザ光に対して吸収領域になっていることにより発生する。
素子製造工程において、通常、大気中で劈開することによって、その劈開面が共振器面として得られる。このとき、劈開を大気中で行うため、大気中の酸素と反応して、共振器面には自然酸化層が形成されてしまう。
この自然酸化層のバンドギャップは素子内部の活性層のバンドギャップより小さいために吸収領域となり温度上昇を伴うため、この温度上昇により共振器面近傍のバンドギャップがさらに狭くなり、レーザ光の吸収がますます起こりやすくなる。その結果、上述の現象を繰り返し、ついには共振器面が溶融して半導体レーザ素子が破壊される。
このCODを発生させない方法として、半導体レーザ素子における活性層の共振器面近傍部を無秩序化することによって、活性層の共振器面近傍部のバンドギャップを、共振器面近傍部より内部の活性層よりも大きくするという方法がある。この方法により、共振器面近傍部のレーザ光の吸収が少ない窓構造を有した半導体レーザ素子が開発された。
このような窓構造を有する半導体レーザ素子の例が、特許文献1に記載されている。
このような窓構造を有する半導体レーザ素子の例が、特許文献1に記載されている。
まず、従来例である特許文献1に記載された半導体レーザ素子100の製造方法について、図7〜9を用いて説明する。図7〜9は、特許文献1の半導体レーザ素子100の製造方法を説明するための斜視図である。
ところで、後述する所定の工程を経たn型基板101は、複数の半導体レーザ素子100がマトリクス状に形成されており、このn型基板101を所定の間隔で劈開及び分断することによって、単体の半導体レーザ素子100を得ることができるが、図7〜9では、説明をわかりやすくするために、工程の始めから、単体の半導体レーザ素子100の構造を示すこととした。
ところで、後述する所定の工程を経たn型基板101は、複数の半導体レーザ素子100がマトリクス状に形成されており、このn型基板101を所定の間隔で劈開及び分断することによって、単体の半導体レーザ素子100を得ることができるが、図7〜9では、説明をわかりやすくするために、工程の始めから、単体の半導体レーザ素子100の構造を示すこととした。
図7に示すように、GaAsからなるn型基板101上に、GaAsからなるn型バッファ層102,AlGaAsからなるn型クラッド層103,活性層104,AlGaAsからなる第1のp型クラッド層105,GaInPからなるp型エッチングストップ層106,AlGaAsからなり5E18/cm3以上のZn(亜鉛)濃度を有する第2のp型クラッド層107,及びGaInPからなるp型キャップ層108を順次積層する。
次に、キャップ層108の表面において、共振器面Aa,Baとなる部分に相当する領域に、不純物としてZnを含むGaAsからなる拡散源層109を、平行なストライプ状に形成する。この拡散源層109から、n型基板101に向かって、活性層104を通過して、n型クラッド層103の途中の領域まで、拡散源層109中のZnをアニールにより選択的に拡散させる。
ここで、共振器面Aaとは図7における手前の全面を示し、共振器面Baとは共振器面Aaに対して反対側の全面を示し、共振器面Aaと共振器面Baとは互いに平行である。
なお、図7では、Znを拡散させた領域Ze,Zfをわかりやすくするために、網掛け範囲で表した。
次に、キャップ層108の表面において、共振器面Aa,Baとなる部分に相当する領域に、不純物としてZnを含むGaAsからなる拡散源層109を、平行なストライプ状に形成する。この拡散源層109から、n型基板101に向かって、活性層104を通過して、n型クラッド層103の途中の領域まで、拡散源層109中のZnをアニールにより選択的に拡散させる。
ここで、共振器面Aaとは図7における手前の全面を示し、共振器面Baとは共振器面Aaに対して反対側の全面を示し、共振器面Aaと共振器面Baとは互いに平行である。
なお、図7では、Znを拡散させた領域Ze,Zfをわかりやすくするために、網掛け範囲で表した。
その後、図8に示すように、拡散源層109を除去した後、フォトリソ法を用いて、第2のp型クラッド層107及びキャップ層108を選択的にエッチングして、共振器面Aa,Baに対して直交方向に延在するリッジ110を、所定の間隔を有する平行なストライプ状に形成する。
さらに、図9に示すように、エッチングストップ層106及びリッジ110上に、AlGaAsからなるn型ブロック層111,GaAsからなるp型コンタクト層112,及びp型電極113を順次積層形成し、積層方向とは逆方向側のn型基板101面に、n型電極114を形成する。
次に、劈開面が共振器面Aa,Baになるように、上述の工程を経たn型基板101を、上述のZn拡散領域を延在する方向に二分する面に沿って劈開することによって、バー(図示せず)を得る。
このバーを、ストライプ状に形成したリッジ110間の中心線を通り上述の工程を経たn型基板101の表面に対して直交する面で分断することによって、特許文献1に記載された半導体レーザ素子100を得る。
このバーを、ストライプ状に形成したリッジ110間の中心線を通り上述の工程を経たn型基板101の表面に対して直交する面で分断することによって、特許文献1に記載された半導体レーザ素子100を得る。
この半導体レーザ素子100は、p型電極113側からn型電極114側に向かって順方向電流を注入し、この電流が発振しきい値以上になったとき、リッジ110の下部に対応した活性層104部からレーザ発振させて、レーザ光を活性層104の共振器面Aa,Baの一方の面Aaから出射させるものである。
特許文献1の発明の特徴は、第2のp型クラッド層107のZn濃度を5E18/cm3以上の高濃度にし、かつ、一度の拡散で、共振器面Aa,Ba近傍のZn拡散領域Ze,Zfの活性層104を無秩序化させることである。
しかしながら、上述した特許文献1に記載された半導体レーザ素子100の製造方法は、以下に示す課題がある。
一度のZn拡散で、活性層104の共振器面Aa,Ba近傍部を十分に無秩序化させるために、アニール温度を上げたり、アニール時間を長くしたりして、Zn拡散条件を厳しくすると、エッチングストップ層106にもZnがより拡散されるため、リッジ110を形成するときに、エッチングストップ層のエッチング耐性が失われてしまう。
即ち、リッジ110を形成するときのエッチングにエッチングストップ層106が耐えられず、このエッチングによって、エッチングストップ層106と第1のp型クラッド層105の一部とが除去されるため、作製した半導体レーザ素子100は、レーザ特性がばらつくといった問題が発生する場合がある。
即ち、リッジ110を形成するときのエッチングにエッチングストップ層106が耐えられず、このエッチングによって、エッチングストップ層106と第1のp型クラッド層105の一部とが除去されるため、作製した半導体レーザ素子100は、レーザ特性がばらつくといった問題が発生する場合がある。
そこで、アニールを2度に分けて行うことによって、上述の課題を解決しようとする半導体レーザ素子の製造方法が、特許文献2に記載されている。
特許文献2の発明の特徴は、詳細については後述するが、不純物となるZnを、まず、拡散源層209から第2のp型クラッド層207の途中まで拡散させる第1のアニール工程と、この拡散されたZnをさらにn型クラッド層203の途中まで拡散させる第2のアニール工程とによって、活性層204の共振器面Aa,Ba近傍部を無秩序化させることである。
特許文献2の発明の特徴は、詳細については後述するが、不純物となるZnを、まず、拡散源層209から第2のp型クラッド層207の途中まで拡散させる第1のアニール工程と、この拡散されたZnをさらにn型クラッド層203の途中まで拡散させる第2のアニール工程とによって、活性層204の共振器面Aa,Ba近傍部を無秩序化させることである。
そこで、従来例である特許文献2に記載された半導体レーザ素子200の製造方法について、図10〜13を用いて説明する。図10〜13は、特許文献2の半導体レーザ素子200の製造方法を説明するための斜視図である。
ところで、後述する所定の工程を経たn型基板201は、複数の半導体レーザ素子200がマトリクス状に形成されており、このn型基板201を所定の間隔で劈開及び分断することによって、単体の半導体レーザ素子200を得ることができるが、図10〜13では、説明をわかりやすくするために、工程の始めから、単体の半導体レーザ素子200の構造を示すこととした。
ところで、後述する所定の工程を経たn型基板201は、複数の半導体レーザ素子200がマトリクス状に形成されており、このn型基板201を所定の間隔で劈開及び分断することによって、単体の半導体レーザ素子200を得ることができるが、図10〜13では、説明をわかりやすくするために、工程の始めから、単体の半導体レーザ素子200の構造を示すこととした。
図10に示すように、GaAsからなるn型基板201上に、AlGaInPからなるn型クラッド層203,活性層204,AlGaInPからなる第1のp型クラッド層205,GaInPからなるp型エッチングストップ層206,AlGaInPからなる第2のp型クラッド層207,及びGaAsからなるp型キャップ層208を順次積層する。
次に、p型キャップ層208の表面において、共振器面Ab,Bbとなる部分に相当する領域に、ZnO(酸化亜鉛)からなる拡散源層209を、平行なストライプ状に形成した後、この拡散源層209及びキャップ層208の表面に、SiO2(二酸化シリコン)層210を形成する。そして、拡散源層209から、p型エッチングストップ層206に向かって、第2のp型クラッド層207の途中の領域まで、拡散源層209中のZn(亜鉛)を第1のアニールにより選択的に拡散させて、第1のZn拡散領域Zg,Zhを形成する。
ここで、共振器面Abとは図10における手前の全面を示し、共振器面Bbとは共振器面Abに対して反対側の全面を示し、共振器面Abと共振器面Bbとは互いに平行である。なお、図10では、第1のZn拡散領域Zg,Zhをわかりやすくするために、網掛け範囲で表した。
次に、p型キャップ層208の表面において、共振器面Ab,Bbとなる部分に相当する領域に、ZnO(酸化亜鉛)からなる拡散源層209を、平行なストライプ状に形成した後、この拡散源層209及びキャップ層208の表面に、SiO2(二酸化シリコン)層210を形成する。そして、拡散源層209から、p型エッチングストップ層206に向かって、第2のp型クラッド層207の途中の領域まで、拡散源層209中のZn(亜鉛)を第1のアニールにより選択的に拡散させて、第1のZn拡散領域Zg,Zhを形成する。
ここで、共振器面Abとは図10における手前の全面を示し、共振器面Bbとは共振器面Abに対して反対側の全面を示し、共振器面Abと共振器面Bbとは互いに平行である。なお、図10では、第1のZn拡散領域Zg,Zhをわかりやすくするために、網掛け範囲で表した。
その後、図11に示すように、SiO2層210及び拡散源層209を除去した後、フォトリソ法を用いて、第2のp型クラッド層207及びキャップ層208を選択的にエッチングして、共振器面Ab,Bbに対して直交方向に延在するリッジ211を、所定の間隔を有する平行なストライプ状に形成する。
次に、図12に示すように、エッチングストップ層206及びリッジ211上に、AlInPからなるn型ブロック層212,SiO2層213を順次積層した後、第1のアニールにより第2のp型クラッド層207の途中まで拡散させたZnを、第2のアニールにより、さらにn型クラッド層203の途中の領域まで拡散させて、第1のZn拡散領域Zg,Zhを第2のZn拡散領域Zi,Zj(Zjは図示せず)にする。
さらに、図13に示すように、SiO2層213を除去後、リッジ211上面が露出するようにブロック層212上部を除去する。その後、リッジ211及びブロック層212表面に、GaAsからなるp型コンタクト層214,p型電極215を順次積層形成し、積層方向とは逆方向側のn型基板201面に、n型電極216を形成する。
次に、上述の工程を経たn型基板201を、第2のZn拡散領域を延在する方向に二分する面に沿って劈開し、その劈開面が共振器面Ab,Bbとなるバー(図示せず)を形成する。
このバーを、ストライプ状に形成したリッジ211間の中心線を通り上述の工程を経たn型基板201の表面に対して直交する面で分断し、特許文献2に記載された半導体レーザ素子200を得る。
このバーを、ストライプ状に形成したリッジ211間の中心線を通り上述の工程を経たn型基板201の表面に対して直交する面で分断し、特許文献2に記載された半導体レーザ素子200を得る。
この半導体レーザ素子200は、p型電極215側からn型電極216側に向かって順方向電流を注入し、この電流が発振しきい値以上になったとき、リッジ211の下部に対応した活性層204部からレーザ発振させて、レーザ光を活性層204の共振器面Ab,Bbの一方の面Abから出射させるものである。
しかしながら、上述した特許文献2に記載された半導体レーザ素子200の製造方法は、以下に示す課題がある。
まず、第1のアニール工程では、第2のアニール工程で活性層204を十分に無秩序化させるために、Zn濃度がある程度の高濃度になるようにZnを十分に拡散させなければならない。
次に、第2のアニール工程では、第1のアニール工程で拡散させたZnを拡散源とするので、拡散源層209に比べて第1のZn拡散領域Zg,ZhのZn濃度が低いため、アニール温度を上げないとこのZnをさらに拡散させることは難しい。
また、第2のアニールにより、第1のZn拡散領域Zg,Zhを第2のZn拡散領域Zi,Zjになるように、Zn拡散するためには、長時間のアニールが必要である。
従って、第2のアニール工程は、共振器面Ab,Bb近傍部の活性層204が十分に無秩序化するように、十分な拡散を行わなければならない。
十分に拡散を行うには、高温で長時間のアニールが必要となるが、高温で長時間のアニールを行うと、Zn拡散領域以外の活性層204部が熱劣化を起こすため、作製した半導体レーザ素子200のレーザ出力が低下するといった問題が発生する場合がある。
次に、第2のアニール工程では、第1のアニール工程で拡散させたZnを拡散源とするので、拡散源層209に比べて第1のZn拡散領域Zg,ZhのZn濃度が低いため、アニール温度を上げないとこのZnをさらに拡散させることは難しい。
また、第2のアニールにより、第1のZn拡散領域Zg,Zhを第2のZn拡散領域Zi,Zjになるように、Zn拡散するためには、長時間のアニールが必要である。
従って、第2のアニール工程は、共振器面Ab,Bb近傍部の活性層204が十分に無秩序化するように、十分な拡散を行わなければならない。
十分に拡散を行うには、高温で長時間のアニールが必要となるが、高温で長時間のアニールを行うと、Zn拡散領域以外の活性層204部が熱劣化を起こすため、作製した半導体レーザ素子200のレーザ出力が低下するといった問題が発生する場合がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、レーザ特性がばらつくことなく、CODを発生させない、高出力の半導体レーザ素子の製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本願各発明は手段として次の手順を有する。
1)互いに平行な一対の共振器面(A,B)を有する半導体レーザ素子(50)の製造方法において、第1導電型半導体基板(1)上に、少なくとも、第1導電型クラッド層(3),活性層(4),第1の第2導電型クラッド層(5),第2導電型エッチングストップ層(6),第2の第2導電型クラッド層(7),及び第2導電型キャップ層(8)をこの順序で積層した積層基板を形成する積層工程と、前記第2導電型キャップ層(8)の表面において、不純物を有する拡散源層(9)を、所定の間隔を有する略平行なストライプ状に形成する拡散源層形成工程と、前記不純物を拡散して、前記拡散源層(9)と前記前記第2導電型キャップ層(8)との界面から前記第1導電型クラッド層(3)の途中までの領域に、不純物拡散領域(Za,Zb)を形成する第1アニール工程と、前記拡散源層(9)を除去する除去工程と、前記第2導電型キャップ層(8)及び前記第2の第2導電型クラッド層(7)を選択的にエッチングして、前記拡散源層(9)が延在した方向に対して略直交方向に延在するリッジ(11)を、所定の間隔を有する略平行なストライプ状に形成するリッジ形成工程と、前記第1アニール工程で拡散した前記不純物拡散領域(Za,Zb)中の前記不純物をさらに拡散させて前記不純物拡散領域(Zc,Zd)内の前記活性層(4)を無秩序化する第2アニール工程と、前記積層基板を、各前記不純物拡散領域(Zc,Zd)がその延在する方向に沿って二分する面で劈開し、一対の劈開面を有する複数の半導体レーザ素子アレイバーを形成するアレイバー形成工程と、前記半導体レーザ素子アレイバーを、ストライプ状に形成した前記リッジ(11)それぞれの間の略中心線を通り前記積層基板の表面に対して略直交する面で分断し、前記一対の劈開面を前記一対の共振器面(A,B)とする複数の半導体レーザ素子(50)を形成する工程と、をこの順序で有することを特徴とする半導体レーザ素子(50)の製造方法である。
2)前記第1アニール工程は、前記不純物拡散領域(Za,Zb)以外の領域内の前記活性層(4)におけるフォトルミネッセンス波長に対して、前記不純物拡散領域(Za,Zb)内の前記活性層(4)におけるフォトルミネッセンス波長の短波長側へのシフト量が15〜30nmの範囲になるように、前記不純物を拡散させることを特徴とする1)記載の半導体レーザ素子(50)の製造方法である。
1)互いに平行な一対の共振器面(A,B)を有する半導体レーザ素子(50)の製造方法において、第1導電型半導体基板(1)上に、少なくとも、第1導電型クラッド層(3),活性層(4),第1の第2導電型クラッド層(5),第2導電型エッチングストップ層(6),第2の第2導電型クラッド層(7),及び第2導電型キャップ層(8)をこの順序で積層した積層基板を形成する積層工程と、前記第2導電型キャップ層(8)の表面において、不純物を有する拡散源層(9)を、所定の間隔を有する略平行なストライプ状に形成する拡散源層形成工程と、前記不純物を拡散して、前記拡散源層(9)と前記前記第2導電型キャップ層(8)との界面から前記第1導電型クラッド層(3)の途中までの領域に、不純物拡散領域(Za,Zb)を形成する第1アニール工程と、前記拡散源層(9)を除去する除去工程と、前記第2導電型キャップ層(8)及び前記第2の第2導電型クラッド層(7)を選択的にエッチングして、前記拡散源層(9)が延在した方向に対して略直交方向に延在するリッジ(11)を、所定の間隔を有する略平行なストライプ状に形成するリッジ形成工程と、前記第1アニール工程で拡散した前記不純物拡散領域(Za,Zb)中の前記不純物をさらに拡散させて前記不純物拡散領域(Zc,Zd)内の前記活性層(4)を無秩序化する第2アニール工程と、前記積層基板を、各前記不純物拡散領域(Zc,Zd)がその延在する方向に沿って二分する面で劈開し、一対の劈開面を有する複数の半導体レーザ素子アレイバーを形成するアレイバー形成工程と、前記半導体レーザ素子アレイバーを、ストライプ状に形成した前記リッジ(11)それぞれの間の略中心線を通り前記積層基板の表面に対して略直交する面で分断し、前記一対の劈開面を前記一対の共振器面(A,B)とする複数の半導体レーザ素子(50)を形成する工程と、をこの順序で有することを特徴とする半導体レーザ素子(50)の製造方法である。
2)前記第1アニール工程は、前記不純物拡散領域(Za,Zb)以外の領域内の前記活性層(4)におけるフォトルミネッセンス波長に対して、前記不純物拡散領域(Za,Zb)内の前記活性層(4)におけるフォトルミネッセンス波長の短波長側へのシフト量が15〜30nmの範囲になるように、前記不純物を拡散させることを特徴とする1)記載の半導体レーザ素子(50)の製造方法である。
本発明によれば、第2導電型エッチングストップ層がエッチング耐性を失わない範囲で、拡散源層から、第2導電型エッチングストップ層及び活性層を通過して、第1導電型クラッド層の途中までの領域に不純物を選択的に拡散する第1アニール工程と、この拡散した不純物をさらに拡散させて、共振器面近傍部の活性層を十分に無秩序化させる第2アニール工程とを有する製造方法により、レーザ特性がばらつくことなく、共振器面近傍部の活性層が十分に無秩序化されるためCODを引き起こさない、高出力の半導体レーザ素子が得られるという効果を奏する。
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により図1〜6を用いて説明する。
図1は、本発明の半導体レーザ素子の製造方法の実施例の第1工程を説明するための斜視図である。
図2は、本発明の半導体レーザ素子の製造方法の実施例の第2工程を説明するための斜視図である。
図3は、本発明の半導体レーザ素子の製造方法の実施例の第3工程を説明するための斜視図である。
図4は、本発明の半導体レーザ素子の製造方法の実施例の第4工程を説明するための斜視図である。
図5は、本発明の半導体レーザ素子の製造方法の実施例の第5工程を説明するための斜視図である。
図6は、本発明の半導体レーザ素子の製造方法の実施例の第6工程、及び実施例の半導体レーザ素子を説明するための斜視図である。
ところで、後述する所定の工程を経たn型基板1は、複数の半導体レーザ素子50がマトリクス状に形成されており、このn型基板1を所定の間隔で劈開及び分断することによって、単体の半導体レーザ素子50を得ることができるが、図1〜図6では、説明をわかりやすくするために、工程の始めから、単体の半導体レーザ素子50の構造を示すこととした。
図1は、本発明の半導体レーザ素子の製造方法の実施例の第1工程を説明するための斜視図である。
図2は、本発明の半導体レーザ素子の製造方法の実施例の第2工程を説明するための斜視図である。
図3は、本発明の半導体レーザ素子の製造方法の実施例の第3工程を説明するための斜視図である。
図4は、本発明の半導体レーザ素子の製造方法の実施例の第4工程を説明するための斜視図である。
図5は、本発明の半導体レーザ素子の製造方法の実施例の第5工程を説明するための斜視図である。
図6は、本発明の半導体レーザ素子の製造方法の実施例の第6工程、及び実施例の半導体レーザ素子を説明するための斜視図である。
ところで、後述する所定の工程を経たn型基板1は、複数の半導体レーザ素子50がマトリクス状に形成されており、このn型基板1を所定の間隔で劈開及び分断することによって、単体の半導体レーザ素子50を得ることができるが、図1〜図6では、説明をわかりやすくするために、工程の始めから、単体の半導体レーザ素子50の構造を示すこととした。
以下に、本発明の半導体レーザ素子50の製造方法の実施例について説明する。
(第1工程)[図1参照]
GaAsからなるn型基板1上に、AlGaAsからなるn型クラッド層3,活性層4,AlGaAsからなる第1のp型クラッド層5,AlGaAsからなるエッチングストップ層6,AlGaAsからなる第2のp型クラッド層7,及びGaAsからなるp型キャップ層8を、有機金属気相成長(MOVPE:Metalorganic Vapor Phase Epitaxy)法により、順次積層する。
なお、エッチングストップ層6は、後述するリッジ11形成のためのエッチングによって、第1のp型クラッド層5がエッチングダメージを受けないように設けられている。
次に、p型キャップ層8の表面において、共振器面A,Bとなる部分に相当する領域に、ZnO(酸化亜鉛)/SiO2(二酸化シリコン)からなる拡散源層9を、平行なストライプ状に形成した後、この拡散源層9及びp型キャップ層8の表面に、SiO2層10を形成する。
ここで、共振器面Aとは図1における手前の全面を示し、共振器面Bとは共振器面Aに対して反対側の全面を示し、共振器面Aと共振器面Bとは互いに平行である。
(第1工程)[図1参照]
GaAsからなるn型基板1上に、AlGaAsからなるn型クラッド層3,活性層4,AlGaAsからなる第1のp型クラッド層5,AlGaAsからなるエッチングストップ層6,AlGaAsからなる第2のp型クラッド層7,及びGaAsからなるp型キャップ層8を、有機金属気相成長(MOVPE:Metalorganic Vapor Phase Epitaxy)法により、順次積層する。
なお、エッチングストップ層6は、後述するリッジ11形成のためのエッチングによって、第1のp型クラッド層5がエッチングダメージを受けないように設けられている。
次に、p型キャップ層8の表面において、共振器面A,Bとなる部分に相当する領域に、ZnO(酸化亜鉛)/SiO2(二酸化シリコン)からなる拡散源層9を、平行なストライプ状に形成した後、この拡散源層9及びp型キャップ層8の表面に、SiO2層10を形成する。
ここで、共振器面Aとは図1における手前の全面を示し、共振器面Bとは共振器面Aに対して反対側の全面を示し、共振器面Aと共振器面Bとは互いに平行である。
(第2工程)[図2参照]
拡散源層9から、n型基板1側に向かって、エッチングストップ層6及び活性層4を通過して、n型クラッド層3の途中までの領域に、拡散源層9中の不純物となるZn(亜鉛)を第1のアニールにより選択的に拡散させて、第1の拡散領域Za,Zbを形成する。
第1のアニールにおけるZn拡散によって第1の拡散領域Za,Zbのエッチングストップ層6がエッチング耐性を失わないように、第1のアニール条件を設定しなければならない。
本実施例では、第2のp型クラッド層7のキャリア濃度が2〜3×1018cm-3になるように、625℃で23分間の第1のアニールを行い、n型クラッド層3と活性層4との界面から、n型基板1側に向かって、50nmまでのn型クラッド層3の領域までをZn拡散させた。
ただし、第1の拡散領域Za,Zbの活性層4は、まだ十分に無秩序化されていないため、後述する第2のアニールで、第2の拡散領域Zc,Zdの活性層4の無秩序化を十分に行う。
なお、図2では、第1の拡散領域Za,Zbをわかりやすくするために、網掛け範囲で表した。
拡散源層9から、n型基板1側に向かって、エッチングストップ層6及び活性層4を通過して、n型クラッド層3の途中までの領域に、拡散源層9中の不純物となるZn(亜鉛)を第1のアニールにより選択的に拡散させて、第1の拡散領域Za,Zbを形成する。
第1のアニールにおけるZn拡散によって第1の拡散領域Za,Zbのエッチングストップ層6がエッチング耐性を失わないように、第1のアニール条件を設定しなければならない。
本実施例では、第2のp型クラッド層7のキャリア濃度が2〜3×1018cm-3になるように、625℃で23分間の第1のアニールを行い、n型クラッド層3と活性層4との界面から、n型基板1側に向かって、50nmまでのn型クラッド層3の領域までをZn拡散させた。
ただし、第1の拡散領域Za,Zbの活性層4は、まだ十分に無秩序化されていないため、後述する第2のアニールで、第2の拡散領域Zc,Zdの活性層4の無秩序化を十分に行う。
なお、図2では、第1の拡散領域Za,Zbをわかりやすくするために、網掛け範囲で表した。
(第3工程)[図3参照]
SiO2層10及び拡散源層9を除去した後、フォトリソ法によって、第2のp型クラッド層7及びキャップ層8を選択的にエッチングして、共振器面A,Bに対して直交方向に延在するリッジ11を、所定の間隔を有する平行なストライプ状に形成する。
このとき、エッチングストップ層6が第1のアニールにおけるZn拡散によってエッチング耐性を失っていないため、第1のp型クラッド層5は、このエッチングによるダメージを受けない。
SiO2層10及び拡散源層9を除去した後、フォトリソ法によって、第2のp型クラッド層7及びキャップ層8を選択的にエッチングして、共振器面A,Bに対して直交方向に延在するリッジ11を、所定の間隔を有する平行なストライプ状に形成する。
このとき、エッチングストップ層6が第1のアニールにおけるZn拡散によってエッチング耐性を失っていないため、第1のp型クラッド層5は、このエッチングによるダメージを受けない。
(第4工程)[図4参照]
エッチングストップ層6及びリッジ11上に、n型ブロック層12,SiO2層13を順次積層する。
エッチングストップ層6及びリッジ11上に、n型ブロック層12,SiO2層13を順次積層する。
(第5工程)[図5参照]
第1のアニールで拡散させたZnを、第2のアニールによりさらに拡散させて、第1の拡散領域Za,Zbを第2の拡散領域Zc,Zdにする。
この第5工程では、第2のアニールにおけるZn拡散によって第2の拡散領域Zc,Zdの活性層4が十分に無秩序化するように、第2のアニール条件を設定しなければならない。
本実施例では、第2の拡散領域Zc,Zdの活性層4におけるキャリア濃度が3×1018cm-3以下になるように、750℃で15時間の第2のアニールを行って、第2の拡散領域Zc,Zdの活性層4を十分に無秩序化させた。
なお、この第2のアニールによって、エッチングストップ層6はエッチング耐性を失うが、このエッチング耐性が必要なリッジ11形成工程はすでに完了しているため、製造上及び構造上の問題はない。
第1のアニールで拡散させたZnを、第2のアニールによりさらに拡散させて、第1の拡散領域Za,Zbを第2の拡散領域Zc,Zdにする。
この第5工程では、第2のアニールにおけるZn拡散によって第2の拡散領域Zc,Zdの活性層4が十分に無秩序化するように、第2のアニール条件を設定しなければならない。
本実施例では、第2の拡散領域Zc,Zdの活性層4におけるキャリア濃度が3×1018cm-3以下になるように、750℃で15時間の第2のアニールを行って、第2の拡散領域Zc,Zdの活性層4を十分に無秩序化させた。
なお、この第2のアニールによって、エッチングストップ層6はエッチング耐性を失うが、このエッチング耐性が必要なリッジ11形成工程はすでに完了しているため、製造上及び構造上の問題はない。
(第6工程)[図6参照]
SiO2層13を除去した後、リッジ11の上面が露出するようにブロック層12上部を除去する。その後、リッジ11及びブロック層12上に、p型コンタクト層14,p型電極15を順次積層形成し、積層方向とは逆方向側のn型基板1面に、n型電極16を形成する。
次に、上述の工程を経たn型基板1を、第2のZn拡散領域を延在する方向に二分する面に沿って劈開し、その劈開面が共振器面A,Bとなるバー(図示せず)を形成する。
このバーを、ストライプ状に形成したリッジ11間の中心線を通り上述の工程を経たn型基板1の表面に対して直交する面で分断し、本実施例の半導体レーザ素子50を得る。
SiO2層13を除去した後、リッジ11の上面が露出するようにブロック層12上部を除去する。その後、リッジ11及びブロック層12上に、p型コンタクト層14,p型電極15を順次積層形成し、積層方向とは逆方向側のn型基板1面に、n型電極16を形成する。
次に、上述の工程を経たn型基板1を、第2のZn拡散領域を延在する方向に二分する面に沿って劈開し、その劈開面が共振器面A,Bとなるバー(図示せず)を形成する。
このバーを、ストライプ状に形成したリッジ11間の中心線を通り上述の工程を経たn型基板1の表面に対して直交する面で分断し、本実施例の半導体レーザ素子50を得る。
この半導体レーザ素子50は、p型電極15側からn型電極16側に向かって順方向電流を注入し、この電流が発振しきい値以上になったとき、リッジ11の下部に対応した活性層4部からレーザ発振させて、レーザ光を活性層4の共振器面A,Bの一方の面Aから出射させるものである。
ところで、本実施例の第1のアニールにおいて、第1の拡散領域Za,Zbの活性層4を十分に無秩序化させるために、アニール温度を上げたり、アニール時間を長くして、第1の拡散領域Za,Zbの活性層4にZnをより拡散させると、第1の拡散領域Za,Zbのエッチングストップ層6にも同様にZnがより拡散する。そうすると、上述したように、第1の拡散領域Za,Zbのエッチングストップ層6は、エッチング耐性を失ってしまう場合がある。エッチングストップ層6がエッチング耐性を失うと、リッジ11を形成するときのエッチングにエッチングストップ層6が耐えられず、このエッチングによって、エッチングストップ層6と第1のp型クラッド層5の一部とが除去されるため、作製した半導体レーザ素子50は、レーザ特性がばらつくといった問題を生じる場合がある。
従って、エッチングストップ層6がエッチング耐性を失わないように、第1のアニールの条件を設定する必要がある。
従って、エッチングストップ層6がエッチング耐性を失わないように、第1のアニールの条件を設定する必要がある。
そこで、発明者らが鋭意検討した結果、活性層4において、第1の拡散領域Za,Zb以外の領域のフォトルミネッセンス波長に対して、第1の拡散領域Za,Zbのフォトルミネッセンス波長の短波長側へのシフト量が30nm以下になるように第1のアニール条件を設定することによって、エッチングストップ層6はエッチング耐性を失わないことを見出したが、この第1のアニールにおけるZn拡散によって、秩序構造の活性層4を、ある程度無秩序化しておかないと、第2のアニールにおけるZn拡散によって、第1の拡散領域Za,Zbの活性層4を十分に無秩序化させることが困難になる。
そこで、発明者らが鋭意検討した結果、活性層4において、第1の拡散領域Za,Zb以外の領域のフォトルミネッセンス波長に対して、第1の拡散領域Za,Zbのフォトルミネッセンス波長の短波長側へのシフト量が15nm以上になるよ第1のアニール条件を設定することによって、第2のアニールで、第2の拡散領域Zc,Zdの活性層4を十分に無秩序化できることを見出した。
そこで、発明者らが鋭意検討した結果、活性層4において、第1の拡散領域Za,Zb以外の領域のフォトルミネッセンス波長に対して、第1の拡散領域Za,Zbのフォトルミネッセンス波長の短波長側へのシフト量が15nm以上になるよ第1のアニール条件を設定することによって、第2のアニールで、第2の拡散領域Zc,Zdの活性層4を十分に無秩序化できることを見出した。
上述の結果から、活性層4において、第1の拡散領域Za,Zb以外の領域のフォトルミネッセンス波長に対して、第1の拡散領域Za,Zbのフォトルミネッセンス波長の短波長側へのシフト量が15〜30nmの範囲になるように、第1のアニール条件を設定すればよいことがわかった。
即ち、本実施例の第1のアニール条件を、アニール温度625℃、アニール時間23分にすれば、シフト量を30nmにでき、アニール温度625℃、アニール時間15分にすれば、シフト量を15nmにできる。
即ち、本実施例の第1のアニール条件を、アニール温度625℃、アニール時間23分にすれば、シフト量を30nmにでき、アニール温度625℃、アニール時間15分にすれば、シフト量を15nmにできる。
上述のシフト量を大きくするには、第1のアニール条件であるアニール温度を上げるか、アニール時間を長くすればよく、逆に、小さくするには、第1のアニール条件であるアニール温度を下げるか、アニール時間を短くすればよい。
即ち、第1のアニール条件は、本実施例に限定されるものではなく、活性層4において、第1の拡散領域Za,Zb以外の領域のフォトルミネッセンス波長に対して、第1の拡散領域Za,Zbのフォトルミネッセンス波長の短波長側へのシフト量が15〜30nmの範囲になるように、それぞれの半導体レーザ素子に適した設定をすればよい。
即ち、第1のアニール条件は、本実施例に限定されるものではなく、活性層4において、第1の拡散領域Za,Zb以外の領域のフォトルミネッセンス波長に対して、第1の拡散領域Za,Zbのフォトルミネッセンス波長の短波長側へのシフト量が15〜30nmの範囲になるように、それぞれの半導体レーザ素子に適した設定をすればよい。
ところで、本実施例の第2のアニールにおいて、第1のアニールで拡散させたZnを、第2のアニールによってさらに拡散させることによって、第2の拡散領域Zc,Zdの活性層4を十分に無秩序化させる。このとき、第2の拡散領域Zc,Zdのエッチングストップ層6にも同様にZnがより拡散されるため、その領域のエッチングストップ層6は、エッチング耐性を失ってしまう場合がある。
しかしながら、エッチングストップ層6のエッチング耐性は、リッジ11を形成するときにのみ必要であるため、リッジ11形成後の第2のアニールでエッチング耐性が失われても、半導体レーザ素子50としては問題ない。
従って、第2のアニール条件は、本実施例に限定されるものではなく、第2の拡散領域Zc,Zd以外の活性層4部が劣化しない範囲、即ち、半導体レーザ素子50のレーザ出力が低下しない範囲で、活性層4の第2の拡散領域Zc,Zdを十分に無秩序化させるような条件に設定すればよい。
しかしながら、エッチングストップ層6のエッチング耐性は、リッジ11を形成するときにのみ必要であるため、リッジ11形成後の第2のアニールでエッチング耐性が失われても、半導体レーザ素子50としては問題ない。
従って、第2のアニール条件は、本実施例に限定されるものではなく、第2の拡散領域Zc,Zd以外の活性層4部が劣化しない範囲、即ち、半導体レーザ素子50のレーザ出力が低下しない範囲で、活性層4の第2の拡散領域Zc,Zdを十分に無秩序化させるような条件に設定すればよい。
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
1,101,201 n型基板 、 3,103,203 n型クラッド層 、 4,104,204 活性層 、 5,105,205 第1のp型クラッド層 、 6,106,206 エッチングストップ層 、 7,107,207 第2のp型クラッド層 、 8,108,208 p型キャップ層 、 9,109,209 拡散源層 、 10,13,210,213 SiO2層 、 11,110,211 リッジ 、 12,111,212 n型ブロック層 、 14,112,214 p型コンタクト層 、 15,113,215 p型電極 、 16,114,216 n型電極 、 102 n型バッファ層 、 50,100,200 半導体レーザ素子 、 A,Aa,Ab,B,Ba,Bb 共振器面 、 Za,Zb,Zc,Zd,Ze,Zf,Zg,Zh,Zi,Zj Zn拡散領域
Claims (2)
- 互いに平行な一対の共振器面を有する半導体レーザ素子の製造方法において、
第1導電型半導体基板上に、少なくとも、第1導電型クラッド層,活性層,第1の第2導電型クラッド層,第2導電型エッチングストップ層,第2の第2導電型クラッド層,及び第2導電型キャップ層をこの順序で積層した積層基板を形成する積層工程と、
前記第2導電型キャップ層の表面において、不純物を有する拡散源層を、所定の間隔を有する略平行なストライプ状に形成する拡散源層形成工程と、
前記不純物を拡散して、前記拡散源層と前記第2導電型キャップ層との界面から前記第1導電型クラッド層の途中までの領域に、不純物拡散領域を形成する第1アニール工程と、
前記拡散源層を除去する除去工程と、
前記第2導電型キャップ層及び前記第2の第2導電型クラッド層を選択的にエッチングして、前記拡散源層が延在した方向に対して略直交方向に延在するリッジを、所定の間隔を有する略平行なストライプ状に形成するリッジ形成工程と、
前記第1アニール工程で拡散した前記不純物拡散領域中の前記不純物をさらに拡散させて前記不純物拡散領域内の前記活性層を無秩序化する第2アニール工程と、
前記積層基板を、各前記不純物拡散領域がその延在する方向に沿って二分する面で劈開し、一対の劈開面を有する複数の半導体レーザ素子アレイバーを形成するアレイバー形成工程と、
前記半導体レーザ素子アレイバーを、ストライプ状に形成した前記リッジそれぞれの間の略中心線を通り前記積層基板の表面に対して略直交する面で分断し、前記一対の劈開面を前記一対の共振器面とする複数の半導体レーザ素子を形成する工程と、
をこの順序で有することを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。 - 前記第1アニール工程は、前記不純物拡散領域以外の領域内の前記活性層におけるフォトルミネッセンス波長に対して、前記不純物拡散領域内の前記活性層におけるフォトルミネッセンス波長の短波長側へのシフト量が15〜30nmの範囲になるように、前記不純物を拡散させることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005123296A JP2006303211A (ja) | 2005-04-21 | 2005-04-21 | 半導体レーザ素子の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7713765B2 (en) | 2007-07-27 | 2010-05-11 | Eudyna Devices Inc. | Optical semiconductor device and method for manufacturing the same |
-
2005
- 2005-04-21 JP JP2005123296A patent/JP2006303211A/ja active Pending
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US7713765B2 (en) | 2007-07-27 | 2010-05-11 | Eudyna Devices Inc. | Optical semiconductor device and method for manufacturing the same |
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