JP2006303000A - はんだ材料供給方法及び装置並びにこれを用いた突起電極の製造方法 - Google Patents

はんだ材料供給方法及び装置並びにこれを用いた突起電極の製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 はんだ材料と電極との間に生ずる隙間に起因して、突起電極の品質が低下することを防ぐ。
【解決手段】 減圧雰囲気に基板20全体を保持し(図1[1])、基板20上にはんだ材料Sを塗布すると(図1[2])、電極10a,10bとレジスト膜21とによって囲まれた空間に、減圧雰囲気から成る隙間11a,11bが生ずる。ここで、大気圧に開放すると、隙間11a,11bは大気圧で押し潰されてほぼ消滅する(図1[3])。すなわち、隙間11a,11bの大きさのばらつきは問題にならず、各電極10a,10b上のはんだ材料Sの量は均一になる。最後に、基板20及びはんだ材料Sを加熱することにより、大きさの揃った高品質のはんだバンプ13a,13bが得られる(図1[4])。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばプリント配線板、インターポーザ基板、半導体基板等の上に突起状のはんだバンプを形成してBGA(ball grid array)やバンプ付ダイ(bumped die)を製造する際に好適な、はんだ材料供給方法等に関する。本明細書では、プリント配線板、インターポーザ基板、半導体基板等を、単に「基板」という。また、はんだバンプのように表面にはんだ層を有するものを「突起電極」といい、この場合のパッド電極のようにはんだ層が設けられるコアを「電極」という。
従来の一般的なはんだバンプの形成方法は、スクリーン印刷法やディスペンス法などを用いて基板のパッド電極上にはんだペーストを塗布し、このはんだペーストを加熱してリフローする、というものであった。
一方、特許文献1には、特殊なはんだ粉末とフラックスとの混合物からなるはんだペーストが記載されている。このはんだ粉末は、はんだ粒子を空気中で流動させることにより、はんだ粒子の表面に酸化膜を形成したものである。この強制的に形成した酸化膜は、リフロー時にフラックスの作用に抗して、はんだ粒子同士の合一を抑える働きをするという。そのため、このはんだペーストを基板上にベタ塗りしてリフローすると、パッド電極間ではんだブリッジが発生にくくなるので、パッド電極の高密度化及び微細化に適する、ということである。なお、パッド電極間のはんだブリッジは、はんだ粒子同士が合一して大きな塊となって、隣接するパッド電極の両方に接してしまうために起こる。
特開2000−94179号公報
しかしながら、従来のはんだバンプの形成方法には、次のような問題があった。
近年の更なる多電極化、高密度化及び微細化に対して、スクリーン印刷法やディスペンス法では対応できなくなりつつある。すなわち、スクリーン印刷法では、メタルマスクの開口を微細化する必要があるので、メタルマスクの機械的強度が低下したり、メタルマスクの開口からはんだペーストが抜け難くなったりする、という問題が生じてきた。ディスペンス法では、多数のパッド電極の上に一つずつはんだペーストを載せていくので、パッド電極が多くなるほど量産には向かなくなる。
一方、特許文献1のはんだペーストでは、はんだ粒子の酸化膜の膜厚を、精度良く形成しなければならなかった。なぜなら、厚すぎるとパッド電極にはんだが濡れなくなり、薄すぎるとはんだ粒子同士が合一してしまうからである。しかも、フラックスの状態や種類によってもフラックスの作用が変化するので、これらに合わせて酸化膜の膜厚を精度良く制御する必要があった。また、適切な膜厚の酸化膜を形成できなければ、パッド電極の高密度化及び微細化を達成できないことになる。これに加え、パッド電極間でのはんだブリッジの発生も、根本的に解決されたわけではなかった。したがって、特許文献1のはんだペーストでは、精密なマスクを不要とするベタ塗りが可能になるといっても、近年の高密度化及び微細化の要求に応えることは難しかった。
このような状況において、本発明者は、はんだバンプの高密度化及び微細化の要求に応えるべく、「はんだ粒子とフラックス作用を有する液体との混合物から成るはんだ材料」を発明した。ただし、このはんだ材料も含めて従来技術では、次のような問題があった。
図6は従来技術におけるはんだバンプの形成方法を示す断面図であり、図6[1]〜図6[3]の順に工程が進行する。以下、この図面に基づき説明する。
基板90上に電極80a,80bが形成され、その上にレジスト膜91が形成されている(図6[1])。そして、電極80a,80b上は、レジスト膜91が除去されて開口している。つまり、電極80a,80bは、周辺のレジスト膜91から窪んだ位置に形成された凹部電極となっている。ここで、はんだ粒子とフラックス作用を有する液体との混合物から成るはんだ材料Sを、大気中で基板90上に塗布する(図6[2])。すると、電極80a,80bとレジスト膜91とによって囲まれた空間に、大気圧雰囲気から成る隙間81a,81bが生ずる。ただし、隙間81a,81bの大きさは不揃いであり、隙間81aは小さく、隙間81bは大きい。したがって、この状態でリフローすると、大きさの異なるはんだ層82a,82bが形成されるので、はんだバンプ83a,83bの大きさがばらつくことになる(図6[3])。すなわち、はんだバンプ83bは、隙間81bが大きかったため、その分はんだ材料Sの量が不足して、小さくなってしまったのである。
この種の問題は、はんだ材料Sに限らずはんだペーストなどでも生じ、また、凹部電極に限らず平面電極などでも生ずる。
そこで、本発明の目的は、はんだ材料と電極との間に生ずる隙間に起因して、突起電極の品質が低下することを、抑制し得るはんだ材料供給方法等を提供することにある。
本発明者は、はんだ材料と電極との間に隙間が発生する現象について研究を重ねた結果、大気圧から減圧した雰囲気で基板上にはんだ材料を塗布した後、大気圧に開放することにより、当該隙間をほぼ無くせることを突き止めた。本発明はこの知見に基づきなされたものである。すなわち、本発明に係るはんだ材料供給方法は、液体状又は流動体状のはんだ材料を、電極を有する基板上へ供給するものであり、次の第一乃至第三工程を含む。第一の気圧よりも低い第二の気圧から成る減圧雰囲気に基板を保持する第一工程。減圧雰囲気内で基板上へはんだ材料を供給する第二工程。はんだ材料が供給された基板を第一の気圧に開放する第三工程。ここで、液体状のはんだ材料については後述する。流動体状のはんだ材料は、例えばはんだペーストである。
まず、第一の圧力よりも低い第二の気圧から成る減圧雰囲気に、基板が保持される。続いて、この減圧雰囲気内で、基板上へはんだ材料を供給する。すると、はんだ材料と電極との間に隙間が生ずる。この隙間は、減圧雰囲気であり、かつ大きさもばらついている。続いて、この状態で第一の気圧に開放すると、当該隙間は第一の気圧で押し潰されてほぼ消滅する(後述の式(4)参照)。すなわち、当該隙間の大きさのばらつきは問題にならなくなる。したがって、各電極上のはんだ材料の量は均一になるので、各突起電極の品質も均一になる。
第一の気圧をP1、その気圧下でのはんだ材料と電極との間の隙間の体積をV1、その体積を占める気体のモル数をn1、その気体の温度をT1、気体定数をRとすると、次の状態方程式が成り立つ。
11=n1RT1 ・・・(1)
同様に、第二の気圧をP2、その気圧下でのはんだ材料と電極との間の隙間の体積をV2、その体積を占める気体のモル数をn2、その気体の温度をT2とすると、次の状態方程式が成り立つ。
22=n2RT2 ・・・(2)
ここで、式(1),(2)において、気体の出入りは無いのでn1=n2である。また、温度も変らないとすると、T1=T2となる。したがって、式(1),(2)から次式が成り立つ。
11=P22 ・・・(3)
∴V1=(P2/P1)V2 ・・・(4)
例えば、第二の気圧P2が第一の圧力P1の100分の1であれば、第一の気圧P1に開放された後の隙間の体積V1は、式(4)から明らかなように、第二の気圧P2下での隙間の体積V2の100分の1になる。
また、第一の気圧は、大気圧よりも高くしても低くしてもよいし、大気圧と等しくしてもよい。ただし、第一の気圧を大気圧とすると、大気圧は容易に得られるので、製造設備が簡略化される。
また、電極は、当該電極の周辺から窪んだ位置に形成された凹部電極としてもよい。この場合、凹部電極は、平面電極に比べて、その窪みにはんだ材料との隙間を生じやすい。しかも、近年の凹部電極の微細化に伴い、ますます凹部電極とはんだ材料との隙間が生じやすくなっている。したがって、本発明の効果が顕著になる。
更に、はんだ材料は、はんだ粒子とフラックス作用を有する液体との混合物から成る、としてもよい。フラックス作用を有する液体とは、例えば脂肪酸エステルである。この脂肪酸エステルは、有機酸の一種である遊離脂肪酸を元々含んでいる。有機酸は、一般的なフラックス(例えば塩酸)に比べて、フラックス作用が弱い。しかし、微細な電極に対しては、必要以上にはんだ粒子が合一しないことにより、はんだブリッジが生じないので、好都合である。その一方で、フラックス作用が弱いために、電極とはんだ材料との間に隙間が生じると、その影響を強く受けて突起電極の品質がばらつきやすい。したがって、本発明の効果が特に顕著になる。また、減圧雰囲気の気圧は、前述の液体の蒸気圧よりも高くすることが好ましい。なぜなら、減圧雰囲気の気圧を液体の蒸気圧よりも低くすると、液体が沸騰して急速に減少してしまうからである。
本発明に係るはんだ材料供給装置は、本発明に係るはんだ材料供給方法の各工程を機能実現手段として捉え直したものである。したがって、本発明に係るはんだ材料供給方法と同等の作用及び効果を奏する。
本発明に係る突起電極の製造方法は、本発明に係るはんだ材料供給方法における第一乃至第三工程と、第三工程によって第一の気圧に開放された基板及びはんだ材料を加熱することにより、電極上にはんだ層を形成する第四工程と、を含む。ここで、突起電極には、はんだバンプの他に、はんだ層をコーティングした電極も含まれる。本発明に係るはんだ材料供給方法を用いることにより、はんだ材料と電極との隙間は高圧の第一の気圧で押し潰されてほぼ消滅している。そのため、各電極上のはんだ材料の量は均一になるので、この状態でリフローすると各突起電極の品質も向上する。
本発明に係るはんだ材料供給方法及び装置によれば、減圧雰囲気内で基板上へはんだ材料を供給した後、その基板を高圧の第一の気圧に開放することにより、はんだ材料と電極との間の隙間をほぼ消滅させることができるので、各電極上のはんだ材料の量を均一化できる。ここで、第一の気圧を大気圧とした場合は、製造設備を簡略化できる。特に、電極が凹部電極であれば、その窪みにはんだ材料との隙間を生じやすいので、前述の効果が顕著になる。また、はんだ材料がはんだ粒子とフラックス作用を有する液体との混合物から成り、フラックス作用を有する成分が有機酸、又はフラックス作用を有する液体が脂肪酸エステルである場合は、はんだブリッジの発生を抑えることができるとともに、前述の効果が特に顕著になる。更に、減圧雰囲気の気圧を液体の蒸気圧よりも高くすると、液体が沸騰して急速に減少してしまうことを防止できる。
本発明に係る突起電極の製造方法によれば、本発明に係るはんだ材料供給方法を用いた後に、基板及びはんだ材料を加熱することにより、均一で高品質の突起電極を製造できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。ただし、特許請求の範囲における「第一工程」、「第二工程」、「第三工程」、「第四工程」及び「突起電極」は、それぞれ具体化して「減圧工程」、「塗布工程」、「開放工程」、「リフロー工程」及び「はんだバンプ」と言い換える。
図1は本発明に係るはんだバンプの製造方法の一実施形態を示す断面図であり、図1[1]〜図1[4]の順に工程が進行する。以下、これらの図面に基づき説明する。なお、図1[1]〜図1[3]は、本発明に係るはんだ材料供給方法の一実施形態に相当する。
基板20上に電極10a,10bが形成され、その上にレジスト膜21が形成されている(図1[1])。そして、電極10a,10b上は、レジスト膜21が除去されて開口している。つまり、電極10a,10bは、周辺のレジスト膜21から窪んだ位置に形成された凹部電極となっている。電極10a,10bの材質及び構造は、例えばニッケル層及び金層の積層構造である。この状態で、大気圧よりも低い気圧の減圧雰囲気に基板20全体を保持する(減圧工程)。具体的には、真空チャンバ(図示せず)に基板20全体を入れて、真空チャンバ内を真空ポンプ(図示せず)で排気する。
続いて、真空チャンバ内が所望の真空度に到達した後、その状態を維持したまま基板20上にはんだ材料Sを塗布する(塗布工程)。すると、電極10a,10bとレジスト膜21とによって囲まれた空間に、減圧雰囲気から成る隙間11a,11bが生ずる(図1[2])。ただし、隙間11a,11bの大きさは不揃いであり、隙間11aは小さく、隙間11bは大きい。
続いて、真空チャンバ内を大気圧に開放する(開放工程)。すると、隙間11a,11bは大気圧で押し潰されてほぼ消滅する(図1[3])。例えば、減圧雰囲気が大気圧の100分の1であれば、隙間11a,11bの体積は100分の1になってしまう(前述の式(4)参照)。すなわち、隙間11a,11bの大きさのばらつきは問題にならず、各電極10a,10b上のはんだ材料Sの量は均一になる。
最後に、大気圧に開放された基板20及びはんだ材料Sを加熱することにより、電極10a,10b上にはんだ層12a,12bを形成する(リフロー工程)。その結果、各電極10a,10b上のはんだ材料Sの量が均一であるので、大きさの揃った高品質のはんだバンプ13a,13bが得られる(図1[4])。なお、図示しない加熱手段は、例えばブロワと電熱ヒータとからなり、熱風を当てて基板20側(下側)からはんだ材料Sを加熱する。
図2は図1のはんだバンプ製造方法における塗布工程を詳細に示す断面図であり、図2[1]〜図2[3]の順に工程が進行する。以下、図1及び図2に基づき説明する。なお、図2では、基板20上の電極10a,10b等の図示を略している。
まず、はんだ材料Sについて説明する。
図2[1]に示すように、はんだ材料Sは、多数のはんだ粒子S1と脂肪酸エステルから成る液体S2との混合物である。液体S2は、常温の状態で基板20に滴下すると自重で広がって均一な厚みになる粘度と、はんだ粒子S1の融点以上に加熱された状態ではんだ粒子S1によるはんだ濡れを電極10a,10bに引き起こすフラックス作用とを有する。はんだ粒子S1は、液体S2とともに基板20に滴下した際に液体S2とともに広がって均一に分散する、混合比及び粒径を有する。
また、はんだ粒子S1は表面に自然酸化膜(図示せず)のみを有する。液体S2は、脂肪酸エステルであるので、有機酸の一種である遊離脂肪酸を元々含んでいる。遊離脂肪酸は、はんだ粒子S1の融点以上に加熱された状態で、はんだ粒子S1同士の合一をある程度抑制しつつ、はんだ粒子S1と電極10a,10bとのはんだ付けを促進するとともに、電極10a,10bに形成されたはんだ層12a,12bとはんだ粒子S1との合一を促進する作用を有する。
液体S2に含まれる有機酸は、必要に応じて添加しても良い。つまり、はんだ粒子S1の酸化度合いや分量に応じて、液体S2の有機酸含有量を調整する。例えば、多量のはんだバンプ13a,13bを形成する場合は、はんだ粒子S1も多量になるので、全てのはんだ粒子S1の酸化膜を還元するのに十分な有機酸を含有する必要がある。
はんだ粒子S1は液体S2中に均一に分散している必要があるので、はんだ材料Sは使用直前に撹拌しておくことが望ましい。また、はんだ粒子S1の直径は、隣接する電極10a,10b同士の周端間の最短距離よりも小さくするとよい。この場合、隣接する二つの電極10a,10b上のはんだ層12a,12bにそれぞれ到達したはんだ粒子S1同士は、接触しないため合一してはんだブリッジを形成することがない。例えば、はんだ粒子S1の直径は2〜15μmである。はんだ粒子S1の材質としては、例えばSn−Ag−Cu(融点218℃)、Sn−Ag(融点221℃)、Sn−Cu(融点227℃)、Sn−Pb(融点183℃)、Sn−Bi(融点138℃)等を使用する。
はんだ材料Sは、電極10a,10bを有する基板20上に、常温において自然落下により滴下させる。これだけで、基板20上に均一な厚みのはんだ材料Sを塗布できる。つまり、スクリーン印刷を用いることなく、均一な膜厚のはんだ材料Sの塗布膜を基板20上に形成することができる。塗布の均一性ははんだバンプ13a,13bの品質のばらつきに影響を及ぼすため、できる限り均一に塗布する。その後、基板20全体を均一に加熱することにより、はんだバンプ13a,13bの形成が可能となる。加熱は短時間ではんだ融点以上まで昇温する。短時間で昇温することにより、プロセス中での有機酸活性力の低下を抑えることができる。
次に、基板20について説明する。
基板20は例えばプリント配線板である。基板20の表面には、電極10a,10bが形成されている。電極10a,10b上には、はんだバンプ13a,13bが形成される。基板20は、はんだバンプ13a,13bを介して、他のプリント配線板などに電気的及び機械的に接続される。電極10a,10bは、形状が例えば円であり、直径が例えば10〜80μmである。隣接する電極10a,10bの中心間の距離は、例えば10〜80μmである。
また、基板20がプリント配線板である場合は,エッチングした電極回路上にレジスト膜21を印刷するので、電極10a,10bの周囲にレジスト膜21の厚み分の凹部が生ずる。この方法は、最も低コストになるので、現在の主流になっている。レジスト膜21の厚みは、例えば15〜20μmである。
次に、塗布工程を詳細に説明する。
まず、図2[1]に示すように、減圧雰囲気において受け容器30に基板20を入れる。そして、注ぎ容器31中で必要に応じはんだ材料Sを撹拌した後、注ぎ口32からはんだ材料Sを基板20上に滴下させる。すると、はんだ材料Sが自重で広がって均一な厚みになる。このときは、常温でよく、しかも、はんだ材料Sの自然落下を利用できる。なお、印刷機や後述するディスペンサ(吐出機)を用いてはんだ材料Sを基板20上に塗布してもよい。
なお、受け容器30は、リフロー工程で基板20とともに加熱するので、耐熱性があって熱伝導が良く、かつはんだ粒子S1によるはんだ濡れが生じない金属例えばアルミニウムから成る。また、受け容器30は、平板状の基板20を載置する平らな底面33と、はんだ材料Sの横溢を防止する周壁34とを有する。この場合は、受け容器30の底面33上に基板20が密接するので、熱伝導が向上する。
また、塗布工程の途中又は後に、基板20を水平に回転させることによって、基板20上のはんだ材料Sを均一な厚みにしてもよい。基板20を水平に回転させるには、市販のスピンコート装置を用いればよい。
塗布工程の終了は、受け容器30内の基板20の無い箇所におけるはんだ材料Sの液面を、基板20の表面よりも下にするか上にするか、によって二通りに分かれる。図2[2]は、当該液面を基板20の表面の下にする場合である。この場合、基板20上のはんだ材料Sの厚みt1は、はんだ材料Sの主に表面張力及び粘性によって決まる値である。一方、図2[3]は、当該液面を基板20の表面の上にする場合である。この場合、基板20上のはんだ材料Sの厚みt2は、滴下するはんだ材料Sの量に応じた所望の値に設定できる。
以上の塗布工程によって、図1[2]に示すように、複数の電極10a,10bが離間して設けられた基板20上に、はんだ材料Sがベタ塗りによって載置されたことになる。このとき、減圧雰囲気中において、複数の電極10a,10bを含む面に、全体的にはんだ材料Sが載置される。はんだ材料Sは、ちょうどインクのような状態である。
次に、はんだ材料Sを用いた場合の作用及び効果を説明する。
はんだ材料Sは、多数のはんだ粒子S1と脂肪酸エステルから成る液体S2との混合物である。脂肪酸エステルは、有機酸の一種である遊離脂肪酸を元々含んでいる。有機酸は、一般的なフラックス(例えば塩酸)に比べて、フラックス作用が弱い。しかし、微細な電極10a,10bに対しては、必要以上にはんだ粒子S1が合一しないことにより、はんだブリッジが生じないので、好都合である。その一方で、フラックス作用が弱いために、電極10a,10bとはんだ材料Sとの間に隙間が生じると、その影響を強く受けてはんだバンプの品質がばらつきやすい。したがって、本発明の効果が特に顕著になる。また、減圧雰囲気の気圧は、液体S2の蒸気圧よりも高くすることが好ましい。なぜなら、減圧雰囲気の気圧を液体S2の蒸気圧よりも低くすると、液体S2が沸騰して急速に減少してしまうからである。
図3乃至図5は本発明に係るはんだ材料供給装置の一実施形態を示す構成図であり、図3〜図5の順に工程が進行する。以下、この図面に基づき説明する。ただし、図1と同じ部分は同じ符号を付すことにより説明を省略する。なお、図3乃至図5では、基板20上の電極10a,10b等の図示を略している。また、図3は図1[1]に対応し、図4は図1[2]に対応し、図5は図1[3]に対応する。
本実施形態のはんだ供給装置40は、大気圧よりも低い気圧の減圧雰囲気に基板20を保持する減圧手段としての真空チャンバ41、電磁弁42及び真空ポンプ43と、減圧雰囲気内で基板20上へはんだ材料Sを供給するはんだ材料供給手段としてのディスペンサ44と、はんだ材料Sが供給された基板20を大気圧に開放する開放手段としての電磁弁45とを備えている。また、はんだ供給装置40には、電磁弁42,45、真空ポンプ43及びディスペンサ44を電気信号によって制御するコントローラ46が付設されている。
まず、図3に示す減圧工程について説明する。基板20を入れた受け容器30ごと、真空チャンバ41内に入れ、電磁弁42を「開」かつ真空ポンプ43を「オン」とする。これにより、真空チャンバ41内から電磁弁42及び真空ポンプ43を介して空気Aが排気され、一定時間経過後に真空チャンバ41内が所定の減圧雰囲気となる。なお、最初の段階では、電磁弁45は「閉」、ディスペンサ44は「オフ」となっている。
続いて、図4に示す塗布工程について説明する。真空チャンバ41内が所定の減圧雰囲気になった後、ディスペンサ44を「オン」とする。すると、ディスペンサ44の先端のノズル47から、はんだ材料Sが基板20上へ吐出される。そして、必要な量のはんだ材料Sが供給された時点で、ディスペンサ44を「オフ」とする。
続いて、図5に示す開放工程について説明する。ディスペンサ44が「オフ」となった後、電磁弁42を「閉」かつ真空ポンプ43を「オフ」とし、更に電磁弁45を「開」とする。これにより、真空チャンバ41内に電磁弁45を介して空気Aが導入されるので、真空チャンバ41内が大気圧に開放される。最後に、真空チャンバ41内から受け容器30ごと基板20を取り出し、次のリフロー工程へ搬送する。
なお、ディスペンサ44は、ノズル47だけを真空チャンバ41内に収容し、本体を真空チャンバ41外に設置してもよい。また、ディスペンサ44の代わりに、一軸偏心ねじポンプや印刷機を用いてもよい。
本発明に係るはんだバンプの製造方法の一実施形態を示す断面図であり、図1[1]〜図1[4]の順に工程が進行する。 図1のはんだバンプ製造方法における塗布工程を詳細に示す断面図であり、図2[1]〜図2[3]の順に工程が進行する。 本発明に係るはんだ材料供給装置の一実施形態を示す構成図(減圧工程)である。 本発明に係るはんだ材料供給装置の一実施形態を示す構成図(塗布工程)である。 本発明に係るはんだ材料供給装置の一実施形態を示す構成図(開放工程)である。 従来技術におけるはんだバンプの形成方法を示す断面図であり、図6[1]〜図6[3]の順に工程が進行する。
符号の説明
10a,10b 電極
11a,11b 隙間
12a,12b はんだ層
13a,13b はんだバンプ(突起電極)
20 基板
21 レジスト膜
40 はんだ供給装置
41 真空チャンバ(減圧手段)
42 電磁弁(減圧手段)
43 真空ポンプ(減圧手段)
44 ディスペンサ(はんだ材料供給手段)
45 電磁弁(開放手段)
46 コントローラ
S はんだ材料
S1 はんだ粒子
S2 液体

Claims (9)

  1. 液体状又は流動体状のはんだ材料を、電極を有する基板上へ供給する、はんだ材料供給方法において、
    第一の気圧よりも低い第二の気圧から成る減圧雰囲気に前記基板を保持する第一工程と、
    前記減圧雰囲気内で前記基板上へ前記はんだ材料を供給する第二工程と、
    前記はんだ材料が供給された前記基板を前記第一の気圧に開放する第三工程と、
    を含むことを特徴とするはんだ材料供給方法。
  2. 前記第一の気圧が大気圧である、
    請求項1記載のはんだ材料供給方法。
  3. 前記電極は、当該電極の周辺から窪んだ位置に形成された凹部電極である、
    請求項1又は2記載のはんだ材料供給方法。
  4. 前記はんだ材料は、はんだ粒子とフラックス作用を有する液体との混合物から成る、
    請求項1乃至3のいずれかに記載のはんだ材料供給方法。
  5. 前記フラックス作用を有する成分が有機酸である、
    請求項4記載のはんだ材料供給方法。
  6. 前記フラックス作用を有する液体が脂肪酸エステルである、
    請求項4記載のはんだ材料供給方法。
  7. 前記減圧雰囲気の気圧は前記液体の蒸気圧よりも高い、
    請求項4乃至6のいずれかに記載のはんだ材料供給方法。
  8. 液体状又は流動体状のはんだ材料を、電極を有する基板上へ供給する、はんだ材料供給装置において、
    第一の気圧よりも低い第二の気圧から成る減圧雰囲気に前記基板を保持する減圧手段と、
    前記減圧雰囲気内で前記基板上へ前記はんだ材料を供給するはんだ材料供給手段と、
    前記はんだ材料が供給された前記基板を前記第一の気圧に開放する開放手段と、
    を備えたことを特徴とするはんだ材料供給装置。
  9. 請求項1乃至7のいずれかに記載のはんだ材料供給方法における前記第一乃至第三工程と、
    前記第三工程によって前記第一の気圧に開放された前記基板及び前記はんだ材料を加熱することにより、前記電極上にはんだ層を形成する第四工程と、
    を含むことを特徴とする突起電極の製造方法。
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