JP2006300031A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006300031A
JP2006300031A JP2005126653A JP2005126653A JP2006300031A JP 2006300031 A JP2006300031 A JP 2006300031A JP 2005126653 A JP2005126653 A JP 2005126653A JP 2005126653 A JP2005126653 A JP 2005126653A JP 2006300031 A JP2006300031 A JP 2006300031A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling water
temperature
combustion chamber
chamber wall
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005126653A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4654752B2 (ja
Inventor
Takashi Suzuki
孝 鈴木
Takeshi Kotani
武史 小谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005126653A priority Critical patent/JP4654752B2/ja
Publication of JP2006300031A publication Critical patent/JP2006300031A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4654752B2 publication Critical patent/JP4654752B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】内燃機関の制御装置において、燃焼室壁温度および冷却水温度をより正確に求めることができる技術を提供する。
【解決手段】燃焼ガスから燃焼室壁23が受ける熱量と燃焼室壁23からウォータジャケット4内の冷却水へ与える熱量との差および燃焼室壁23の熱容量から燃焼室壁温度の変化量を算出する第1の式と、燃焼室壁23からウォータジャケット4内の冷却水が受ける熱量および冷却水の熱容量から冷却水温度の変化量を算出する第2の式と、に基づいて燃焼室壁温度および内燃機関内部の冷却水温度を同時に推定する。必要となる燃焼ガスの温度は、内燃機関の運転状態に基づいて求める。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
燃焼室の壁面温度や内燃機関の冷却水温度は、内燃機関の運転状態に影響を及ぼすことが知られている。そして、該壁面温度や冷却水温度を求めることができれば、これらの値に基づいて内燃機関の運転制御を行うことができるようになるため、適正な運転状態を得ることができる。
ここで、燃焼室内の燃焼ガスから燃焼室壁への熱伝達、および燃焼室壁から冷却水への熱伝達モデルに基づいて燃焼室壁温度を推定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この従来技術によれば、燃焼室壁から冷却水への熱伝達率を冷却水の流速に応じて補正すべきであると述べられているが、簡略化のため熱伝達率は一定若しくは期間回転数の関数としている。また、燃焼ガスから燃焼室壁への熱伝達率も一定としている。
特許第2666366号公報 特許第2816440号公報 特開平11−218043号公報
したがって、従来技術で述べられているように、燃焼室壁から冷却水への熱伝達率を冷却水の流速に応じて変えることで、より正確な冷却水温度の推定が可能となる。特に、冷却水が電動ポンプにより循環される場合には、冷却水の循環が停止されたり極低流量となったりすることがあるため、熱伝達率が大きく変わるおそれがある。そのため、熱伝達率を冷却水の流量に応じて変更する必要性が高い。
また、従来技術では、水温センサにより冷却水温度を計測しているが、この水温センサは内燃機関の冷却水出口付近に取り付けられている。ここで、電動ポンプ停止時には冷却水の流れが止まるため、内燃機関内の冷却水は燃焼室やポートからの熱伝達により温度が上昇する。しかし、水温センサが取り付けられた位置は熱源から離れているため、この位置において冷却水が受ける熱量は小さいため冷却水の温度上昇が小さい。そのため、内燃機関内部の冷却水の温度と、水温センサにより計測される冷却水の温度と、に差が生じてしまう。
さらに、内燃機関の冷間時と暖機完了後とでは、燃焼ガスから燃焼室壁への熱伝達率が変わる。すなわち、熱伝達率は燃焼ガス温度および圧力の影響を受けるが、冷間時と暖機完了後とでは燃焼室壁温度が異なり、冷間時には燃焼ガスから燃焼室壁への熱流速が大きくなるので、燃焼ガス温度も影響を受ける。
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、内燃機関の制御装置において、燃焼室壁温度および冷却水温度をより正確に求めることができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために本発明による内燃機関の制御装置は、以下の手段を採用した。すなわち、
内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
前記運転状態検出手段により検出される内燃機関の運転状態から燃焼室内のガス温度を推定するガス温度推定手段と、
燃焼ガスから燃焼室壁が受ける熱量と燃焼室壁から冷却水へ与える熱量との差および燃焼室壁の熱容量から燃焼室壁温度の変化量を算出する第1の式と、燃焼室壁から冷却水が受ける熱量および冷却水の熱容量から冷却水温度の変化量を算出する第2の式と、に基づいて燃焼室壁温度および内燃機関内部の冷却水温度を同時に推定する推定手段と、
を備えたことを特徴とする。
ここで、燃焼室内の燃焼ガスの温度は、内燃機関の運転状態に応じて変化する。そして、燃焼ガスの温度が変化すると、燃焼室壁が受ける熱量も変化する。これにより、冷却水温度も変化する。このように、燃焼ガスの温度は、燃焼室壁温度および冷却水温度に影響を及ぼす。
燃焼室壁は燃焼ガスよりも温度が低いため、該燃焼ガスから燃焼室壁へ熱伝達が起こる。また、燃焼室壁は冷却水よりも温度が高いため、燃焼室壁から冷却水へ熱伝達が起こる。そして、燃焼室壁が持っている熱量は、燃焼室壁に入る熱量と燃焼室壁から出る熱量との差、すなわち「燃焼ガスから燃焼室壁が受ける熱量と燃焼室壁から冷却水へ与える熱量との差」として表すことができる。また、燃焼室壁の温度の変化量は、該燃焼室壁の熱容量によって変わる。そこで、「燃焼ガスから燃焼室壁が受ける熱量と燃焼室壁から冷却水へ与える熱量との差」および「燃焼室壁の熱容量」から、燃焼室壁温度の変化量を求めるのが第1の式である。
また、冷却水が持っている熱量は、燃焼室壁から冷却水が受けた熱量として表される。そして、「燃焼室壁から冷却水が受けた熱量」および冷却水の熱容量から、冷却水の温度変化量を求めるのが第2の式である。
そして、燃焼室壁温度は冷却水温度によって変化量が変わり、また冷却水温度は燃焼室壁温度によって変化量が変わるので、第1の式と第2の式とは、互いに影響を及ぼし合っている。そのため、第1の式および第2の式は、二次元変数の微分方程式として解くことができる。この微分方程式を解くことにより燃焼室壁温度および冷却水温度を同時に得ることができる。
本発明においては、内燃機関の冷却水を循環させ且つ冷却水の流量を変更可能なポンプをさらに備え、
前記推定手段は、燃焼室壁温度の推定方法を冷却水の流量に基づいて変更することができる。
例えば、ポンプ作動時には従来の式を用いて燃焼室壁温度を推定し、ポンプ停止時には第1の式および第2の式から燃焼室壁温度および冷却水温度を推定するようにしてもよい。
さらに、本発明においては、内燃機関の冷却水を該内燃機関の外部へ循環させる冷却水通路と、
前記内燃機関から前記冷却水通路へ流れ出る冷却水の温度を計測する冷却水温度計測手段と、
をさらに備え、
前記推定手段は、前記ポンプの停止時には第1の式および第2の式に基づいて燃焼室壁温度および内燃機関内部の冷却水温度を同時に推定し、前記ポンプの作動時には前記冷却水温度計測手段により計測される冷却水温度に基づいて燃焼室壁温度を推定することができる。
ここで、ポンプが停止されると、内燃機関内部の冷却水は燃焼室壁やポートから熱を受けて温度が上昇する。しかし、冷却水温度計測手段により温度が計測される冷却水は燃焼室壁やポートから離れているため、直ぐには温度が上昇しない。そのため、内燃機関内部の実際の冷却水温度と、冷却水温度計測手段により計測される冷却水温度と、に差を生じるおそれがある。したがって、冷却水温度計測手段により冷却水温度を計測するよりも、冷却水温度を推定したほうがより正確な値を得ることができる。
一方、ポンプが作動されている場合には、燃焼室壁やポートから熱を受けて温度が上昇した冷却水が、短時間で内燃機関の冷却水出口に到達するため、内燃機関内部の実際の冷却水温度と、冷却水温度計測手段により計測される冷却水温度と、の差が小さい。したがって、冷却水温度計測手段により計測された冷却水温度を用いても正確な値を得ることができる。さらに、冷却水温度計測手段により計測される冷却水温度に基づいて燃焼室壁温度を算出することができる。
本発明においては、前記推定手段は、冷却水の流量および/または冷却水温度に基づいて、燃焼室壁から冷却水への熱伝達率を補正することができる。
すなわち、燃焼室壁から冷却水への熱伝達率は、冷却水流量および冷却水温度に応じて変化するため、冷却水流量および冷却水温度に応じて熱伝達率を補正することにより、燃焼室壁温度の推定精度を向上させることができる。
本発明においては、前記推定手段は、燃焼室壁温度に基づいて、燃焼ガスから燃焼室壁への熱伝達率および/または燃焼ガス温度を補正することができる。
内燃機関の冷間時には、燃焼室壁温度が低いために燃焼ガスから燃焼室壁への熱伝達量が大きいので、燃焼ガスの温度低下が大きくなる。これにより、熱伝達率も変わる。したがって、燃焼室壁温度に基づいて熱伝達率および/または燃焼ガス温度を補正することにより、燃焼室壁温度および冷却水温度の推定精度を向上させることができる。
実際には、燃焼ガス温度、燃焼室壁温度、および燃焼ガスから燃焼室壁への熱伝達率は相互に影響を及ぼすが、燃焼室壁温度に基づいて燃焼ガスから燃焼室壁への熱伝達率を補正することにより簡略化が可能である。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、燃焼室壁温度および冷却水温度をより正確に求めることができる。
以下、本発明に係る内燃機関の制御装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関の制御装置を適用する内燃機関1の概略構成を示す図である。
また、図2は、本実施例に係る内燃機関1の内部の概略構成を示す図である。
内燃機関1は、4サイクル機関であり、シリンダヘッド2およびシリンダブロック3を備えて構成されている。
内燃機関1の内部には冷却水を循環させるためのウォータジャケット4が形成されている。また、内燃機関1には冷却水を循環させるための通路が接続されている。この冷却水を循環させるための通路は、ラジエータ5を循環する第1循環通路6、ヒータコア7を循環する第2循環通路8、バイパス通路9を循環する第3循環通路10を備えて構成されている。各循環通路の一部には、他の循環通路と共有されている箇所があり、例えばウォータジャケット4は全ての循環通路に含まれている。
第1循環通路6は、ラジエータ5、サーモスタット11、電動ポンプ12、ウォータジャケット4を備えて構成されている。サーモスタット11は、冷却水温度が高いときに第1循環通路6に冷却水を流し、冷却水温度が低いときに第3循環通路10に冷却水を流す。
第1循環通路6では、電動ポンプ12から吐出された冷却水が、ウォータジャケット4、ラジエータ5、サーモスタット11の順に流れる。
第2循環通路8は、ヒータコア7、電動ポンプ12、ウォータジャケット4を備えて構成されている。
第2循環通路8では、電動ポンプ12から吐出された冷却水が、ウォータジャケット4、ヒータコア7の順に流れる。
第3循環通路10は、バイパス通路9、サーモスタット11、電動ポンプ12、ウォータジャケット4を備えて構成されている。
第3循環通路10では、電動ポンプ12から吐出された冷却水が、ウォータジャケット4、バイパス通路9、サーモスタット11の順に流れる。
第1循環通路6および第2循環通路8の内燃機関1からの出口付近には、該第1循環通路6および第2循環通路8内の冷却水の温度に応じた信号を出力する冷却水温度センサ13が取り付けられている。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU14が併設されている。このECU14は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。
ECU14には、冷却水温度センサ13の他、アクセル開度すなわち機関負荷に応じた信号を出力するアクセル開度センサ15、内燃機関1の回転数に応じた信号を出力するクランクポジションセンサ16、内燃機関1の吸入空気量に応じた信号を出力するエアフローメータ17が電気配線を介して接続され、これらセンサの出力信号がECU14に入力されるようになっている。
一方、ECU14には、電動ポンプ12が電気配線を介して接続され、ECU14はこの電動ポンプ12を制御する。電動ポンプ12は、該電動ポンプ12へ供給する電力を調整することにより、冷却水の吐出量すなわち冷却水の流量を調整することができる。また、内燃機関1の運転中であっても、電動ポンプ12を停止することができる。
シリンダブロック3には、シリンダ20が形成されている。そして、シリンダ20には、ピストン21が挿入されている。シリンダヘッド2、シリンダ20、およびピストン21により燃焼室22が形成されている。すなわち、燃焼室22は、上部を燃焼室壁23で
、下部をピストン21で、側面をシリンダ20で囲われた空間により形成されている。そして、燃焼室壁23は、燃焼室22と、シリンダヘッド2およびシリンダブロック3に形成されたウォータジャケット4と、の隔壁となっている。
ここで、特許第2666366号公報によれば、燃焼室壁23の温度の変化量を以下のモデル式により得ている。
CcΔTc=Hc(Tg−Tc)−Hw(Tc−Tw)・・・(1)式
ただし、Ccは燃焼室壁23の熱容量、ΔTcは燃焼室壁23の温度の変化量、Hcは燃焼ガスから燃焼室壁23への熱伝達率(以下、燃焼ガス側熱伝達率という。)、Tgは燃焼ガスの温度、Tcは燃焼室壁23の温度、Hwは燃焼室壁23から冷却水への熱伝達率(以下、冷却水側熱伝達率という。)、Twは冷却水の温度である。ここで、冷却水温度Twは、電動ポンプ12作動時において冷却水温度センサ13から得られる計測値である。また、燃焼室壁23の熱容量Cc、燃焼ガス側熱伝達率Hc、および冷却水側熱伝達率Hwは夫々実験により得られる値である。さらに、冷却水側熱伝達率Hwは簡略化のため一定値とし、燃焼ガス温度Tgは200℃前後でほぼ一定としている。燃焼室壁23の熱容量Ccは、内燃機関1の熱容量としてもよい。
この(1)式を変形後に離散化すると、以下の(2)式を得ることができる。
Figure 2006300031
この(2)式をECU14に格納しておき、該(2)式に冷却水温度Twを代入することにより燃焼室壁温度Tcを得ることができる。
一方、本実施例においては、電動ポンプ12停止時において燃焼室壁温度とウォータジャケット4内の冷却水温度とを同時に推定する。そのモデル式を以下に示す。
CcΔTc=Hc(Tg−Tc)−Hw(Tc−Tw2)・・・(3)式
CwΔTw2=Hw(Tc−Tw2)・・・(4)式
ただし、Tw2は電動ポンプ12停止時の冷却水温度、Cwはウォータジャケット4内の冷却水の熱容量である。ここで、Cc、Cw、Hc、およびHwは夫々実験により得られる値である。また、燃焼ガス温度Tgは、機関回転数と機関負荷とから推定される値であり予め実験等により得ておき、さらにマップ化してECU14に記憶させておく。さらに、電動ポンプ12停止時にはウォータジャケット4内の冷却水量は一定であるため、Cwの値を一定とする。
(3)式は、電動ポンプ12停止時における燃焼ガスから燃焼室壁23への熱伝達量が
Hc(Tg−Tc)で表され、燃焼室壁23から冷却水への熱伝達量がHw(Tc−Tw2)で表されており、燃焼室壁23の熱収支がHc(Tg−Tc)−Hw(Tc−Tw2)として表されている。そして、この熱収支と燃焼室壁23の熱容量Ccとから燃焼室壁温度の変化量ΔTcを得ることができる。
また、(4)式は、電動ポンプ12の停止時における燃焼室壁23から冷却水への熱伝達量がHw(Tc−Tw2)で表されている。そして、この熱伝達量と冷却水の熱容量Cwとからウォータジャケット4内の冷却水の温度の変化量ΔTw2を得ることができる。
なお、電動ポンプ12停止時には、(3)式と(4)式とが相互に影響を及ぼすため、二次元の微分方程式となる。(3)式および(4)式を変形して次の(5)式を得ることができる。
Figure 2006300031
ここで、(5)式を簡略化するために、(5)式の各項を以下の記号に置き換える。
Figure 2006300031
Figure 2006300031
Figure 2006300031
Figure 2006300031
Figure 2006300031
u=Tg
また、
Figure 2006300031
とする。
すなわち、(5)式は、
CΔT=A・T+B・u
で表される。この式を変形すると、
Figure 2006300031
となり、この式をサンプルタイムをtとして離散化すると、次の(6)式を得ることができる。
Figure 2006300031
この(6)式をECU14に格納しておき、該(6)式の各項へ値を代入することにより、燃焼室壁温度Tcおよび冷却水温度Tw2を同時に得ることができる。
このように、本実施例によれば、電動ポンプ12停止時における燃焼室壁温度Tcおよび冷却水温度Tw2を同時に得ることができる。このようにして求めた燃焼室壁温度Tcおよび冷却水温度Tw2に基づいて、ECU14は内燃機関1を制御することができる。
本実施例においては、電動ポンプ12停止時と作動時とで燃焼室壁温度の推定モデルを変更する。
すなわち、電動ポンプ12の作動時には(2)式により燃焼室壁温度を推定する。また、電動ポンプ12の停止時には(6)式により燃焼室壁温度および冷却水温度を同時に得る。
ここで、電動ポンプ12の作動時には、冷却水が第1循環通路6若しくは第2循環通路8を循環しているので、冷却水温度センサ13により得られる冷却水温度と、ウォータジャケット4内の冷却水温度と、の差はほとんど無い。そのため、冷却水温度センサ13により得られる値を冷却水温度Twとすることができる。このように、冷却水温度Twを推定する必要はないため、電動ポンプ12の作動時においては、(2)式によって精度よく燃焼室壁温度Tcを得ることができる。これにより、処理の簡略化も可能となる。
一方、電動ポンプ12の停止時には、冷却水温度センサ13により得られる冷却水温度と、ウォータジャケット4内の冷却水温度と、の差が大きくなるので、(6)式により燃焼室壁温度および冷却水温度を同時に得る。
次に、本実施例による燃焼室壁温度の推定フローについて説明する。
図3は、本実施例による燃焼室壁温度の推定フローを示したフローチャートである。本フローは、所定の時間毎に繰り返し実行される。
ステップS101では、電動ポンプ12が作動中であるか否か判定される。
ステップS101で肯定判定がなされた場合にはステップS102へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS103へ進む。
ステップS102では、(2)式により燃焼室壁温度が推定される。
ステップS103では、(6)式により燃焼室壁温度および冷却水温度が同時に推定される。
このようにして、電動ポンプ12の停止時であり且つ内燃機関の運転時における燃焼室壁温度の推定精度を向上させることができる。また、電動ポンプ12停止時であり且つ内燃機関の運転時におけるウォータジャケット4内の冷却水の沸騰を抑制することが可能となる。
本実施例においては、冷却水の流量および/または冷却水温度に応じて、冷却水側熱伝達率Hwを変更する。
ここで、ヌセルト数Nu=h・x/k、レイノルズ数Re=u・x/ν、プラントル数Pr=ν/a=ν・ρ・Cp/kである。
ただし、hは熱伝達率、xは代表長さ、kは流体の熱伝導率、aは温度伝導率、uは主流の流速、νは流体の動粘度係数、ρは流体密度、Cpは流体比熱である。
そして、円管内が乱流の際には例えばコルバーンの実験式によると、ヌセルト数Nuは、
Figure 2006300031
であるから、熱伝達率hは次式で表すことができる。
Figure 2006300031
すなわち、熱伝達率hは主流の流速uに依存するので、冷却水側熱伝達率Hwは冷却水の流量に依存することが分かる。
また、熱伝達率hは熱伝導率kに依存するので、冷却水側熱伝達率Hwは冷却水の温度に依存することが分かる。
そこで、本実施例においては、冷却水の流量および/または冷却水温度に応じて、冷却水側熱伝達率Hwを変更している。冷却水の流量と冷却水側熱伝達率Hwとの関係、および冷却水温度と冷却水側熱伝達率Hwとの関係は、予め実験により求めてマップ化しECU14に記憶させておく。
ここで、図4は、冷却水の流量と冷却水側熱伝達率Hwとの関係を示した図である。なお、冷却水の流量は、予め求めておいた電動ポンプ12へ供給する電力との関係から求める。図4により、冷却水の流量に応じて冷却水側熱伝達率Hwを補正することができる。
また、図5は、冷却水温度と冷却水側熱伝達率Hwとの関係を示した図である。図5により、冷却水温度に応じて冷却水側熱伝達率Hwを補正することができる。
なお、図4および図5により、冷却水流量および冷却水温度に応じて冷却水側熱伝達率Hwを補正することができる。
このようにして、本実施例においては、熱伝達率を冷却水流量および/または冷却水の温度に応じて変更することができるので、燃焼室壁温度Tcの推定精度を向上させることができる。
本実施例においては、内燃機関の冷間時と暖機完了後とで、燃焼ガス側熱伝達率Hc若しくは燃焼ガス温度Tgの値を変える。
ここで、燃焼ガス側熱伝達率Hc、燃焼ガス温度Tg、燃焼室壁温度Tcは相互に影響を与えるので、簡略化のため例えば燃焼室壁温度Tcに応じて燃焼ガス側熱伝達率Hcを
可変とする。これは、内燃機関1の冷間時には、燃焼室壁温度が低いために燃焼ガスから燃焼室壁23への熱伝達量が大きくなり、燃焼ガス温度Tgの低下が大きいことによる。
ここで、図6は、本実施例に係る燃焼室壁温度Tcと燃焼ガス側熱伝達率Hcとの関係を示した図である。このように、燃焼室壁温度Tcが大きくなるほど、燃焼ガス側熱伝達率Hcを大きくする。この関係は、予め実験等により求めてマップ化しECU14に記憶させておく。
このようにして、全運転領域での燃焼室壁温度Tcの推定精度をより向上させることができる。
実施例に係る内燃機関の制御装置を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。 実施例に係る内燃機関の内部の概略構成を示す図である。 実施例2による燃焼室壁温度の推定フローを示したフローチャートである。 実施例3に係る冷却水の流量と冷却水側熱伝達率Hwとの関係を示した図である。 実施例3に係る冷却水温度と冷却水側熱伝達率Hwとの関係を示した図である。 実施例4に係る燃焼室壁温度Tcと燃焼ガス側熱伝達率Hcとの関係を示した図である。
符号の説明
1 内燃機関
2 シリンダヘッド
3 シリンダブロック
4 ウォータジャケット
5 ラジエータ
6 第1循環通路
7 ヒータコア
8 第2循環通路
9 バイパス通路
10 第3循環通路
11 サーモスタット
12 電動ポンプ
13 冷却水温度センサ
14 ECU
15 アクセル開度センサ
16 クランクポジションセンサ
17 エアフローメータ
20 シリンダ
21 ピストン
22 燃焼室
23 燃焼室壁

Claims (5)

  1. 内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    前記運転状態検出手段により検出される内燃機関の運転状態から燃焼室内のガス温度を推定するガス温度推定手段と、
    燃焼ガスから燃焼室壁が受ける熱量と燃焼室壁から冷却水へ与える熱量との差および燃焼室壁の熱容量から燃焼室壁温度の変化量を算出する第1の式と、燃焼室壁から冷却水が受ける熱量および冷却水の熱容量から冷却水温度の変化量を算出する第2の式と、に基づいて燃焼室壁温度および内燃機関内部の冷却水温度を同時に推定する推定手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 内燃機関の冷却水を循環させ且つ冷却水の流量を変更可能なポンプをさらに備え、
    前記推定手段は、燃焼室壁温度の推定方法を冷却水の流量に基づいて変更することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 内燃機関の冷却水を該内燃機関の外部へ循環させる冷却水通路と、
    前記内燃機関から前記冷却水通路へ流れ出る冷却水の温度を計測する冷却水温度計測手段と、
    をさらに備え、
    前記推定手段は、前記ポンプの停止時には第1の式および第2の式に基づいて燃焼室壁温度および内燃機関内部の冷却水温度を同時に推定し、前記ポンプの作動時には前記冷却水温度計測手段により計測される冷却水温度に基づいて燃焼室壁温度を推定することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記推定手段は、冷却水の流量および/または冷却水温度に基づいて、燃焼室壁から冷却水への熱伝達率を補正することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記推定手段は、燃焼室壁温度に基づいて、燃焼ガスから燃焼室壁への熱伝達率および/または燃焼ガス温度を補正することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
JP2005126653A 2005-04-25 2005-04-25 内燃機関の制御装置 Expired - Fee Related JP4654752B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005126653A JP4654752B2 (ja) 2005-04-25 2005-04-25 内燃機関の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005126653A JP4654752B2 (ja) 2005-04-25 2005-04-25 内燃機関の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006300031A true JP2006300031A (ja) 2006-11-02
JP4654752B2 JP4654752B2 (ja) 2011-03-23

Family

ID=37468608

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005126653A Expired - Fee Related JP4654752B2 (ja) 2005-04-25 2005-04-25 内燃機関の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4654752B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008169748A (ja) * 2007-01-11 2008-07-24 Toyota Motor Corp 冷却水温度の補正装置
DE102007006341A1 (de) * 2007-02-08 2008-08-14 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Verfahren zur Steuerung einer Brennkraftmaschine in Kraftfahrzeugen
JP2010216386A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Nippon Soken Inc エンジンの冷却水循環装置
JP2011007068A (ja) * 2009-06-23 2011-01-13 Nippon Soken Inc 冷却装置
JP2011231679A (ja) * 2010-04-27 2011-11-17 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2012021432A (ja) * 2010-07-13 2012-02-02 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
FR2964454A3 (fr) * 2010-09-08 2012-03-09 Renault Sa Procede de determination de la temperature du liquide de refroidissement d'un moteur a combustion interne
JP2013019350A (ja) * 2011-07-12 2013-01-31 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2014156849A (ja) * 2013-02-18 2014-08-28 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0481575A (ja) * 1990-07-20 1992-03-16 Mitsubishi Motors Corp 火花点火式内燃エンジンの点火時期制御方法
JP2666366B2 (ja) * 1987-11-21 1997-10-22 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2005069131A (ja) * 2003-08-26 2005-03-17 Nissan Motor Co Ltd 可変圧縮比機構付き内燃機関の制御装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2666366B2 (ja) * 1987-11-21 1997-10-22 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JPH0481575A (ja) * 1990-07-20 1992-03-16 Mitsubishi Motors Corp 火花点火式内燃エンジンの点火時期制御方法
JP2005069131A (ja) * 2003-08-26 2005-03-17 Nissan Motor Co Ltd 可変圧縮比機構付き内燃機関の制御装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008169748A (ja) * 2007-01-11 2008-07-24 Toyota Motor Corp 冷却水温度の補正装置
DE102007006341A1 (de) * 2007-02-08 2008-08-14 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Verfahren zur Steuerung einer Brennkraftmaschine in Kraftfahrzeugen
DE102007006341B4 (de) 2007-02-08 2018-05-03 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Verfahren zur Steuerung einer Brennkraftmaschine in Kraftfahrzeugen
JP2010216386A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Nippon Soken Inc エンジンの冷却水循環装置
JP2011007068A (ja) * 2009-06-23 2011-01-13 Nippon Soken Inc 冷却装置
JP2011231679A (ja) * 2010-04-27 2011-11-17 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2012021432A (ja) * 2010-07-13 2012-02-02 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
FR2964454A3 (fr) * 2010-09-08 2012-03-09 Renault Sa Procede de determination de la temperature du liquide de refroidissement d'un moteur a combustion interne
JP2013019350A (ja) * 2011-07-12 2013-01-31 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2014156849A (ja) * 2013-02-18 2014-08-28 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4654752B2 (ja) 2011-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4654752B2 (ja) 内燃機関の制御装置
CN107489517B (zh) 电动泵操作策略
JP4561529B2 (ja) 内燃機関冷却装置の故障検出システム
US9903259B2 (en) Cooling apparatus for internal combustion engine
JP4821247B2 (ja) 内燃機関の冷却水制御装置
JP2006342680A (ja) 内燃機関の冷却装置
JP2014156849A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2012082731A (ja) 異常判定装置および異常判定方法
JP2006336626A (ja) 内燃機関の冷却装置の故障検出システム
WO2017056944A1 (ja) 冷却制御装置
CN105320178A (zh) 冷却器
JP4976908B2 (ja) 流量可変ウォータポンプの制御装置
KR102023278B1 (ko) 내연 기관의 냉각 장치
JP2008157090A (ja) 内燃機関の排気熱回収装置
CN106481430B (zh) 内燃机的冷却装置
JP2005036731A (ja) 内燃機関の冷却装置
JP5168379B2 (ja) 内燃機関の冷却水制御装置
JP2008303775A (ja) 内燃機関の冷却装置
US11365672B2 (en) Internal combustion engine coolant flow control
JP2011127904A (ja) エンジンベンチ
JP2018193878A (ja) ピストン温度推定装置及びピストン温度推定方法
JP5617452B2 (ja) 内燃機関の冷却装置
JP4940099B2 (ja) 内燃機関の流体温度推定装置
JP6471658B2 (ja) 診断装置
EP2863031B1 (en) Engine with a viscosity measurement device

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100316

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100512

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101207

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4654752

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees