JP2006299486A - ポリエステル繊維用難燃加工剤及びそれを用いた難燃性ポリエステル繊維の製造方法 - Google Patents

ポリエステル繊維用難燃加工剤及びそれを用いた難燃性ポリエステル繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリエステル繊維に耐久性に優れた難燃性を付与することを可能とし、特に難燃化の困難なレギュラーポリエステル繊維及びカチオン可染ポリエステル繊維や難燃性のばらつきの生じやすい再生ポリエステル繊維に対しても耐久性のある難燃性を付与することを可能とするポリエステル繊維用難燃加工剤を提供すること。
【解決手段】 リン化合物及び、下記一般式[1]:
【化1】
Figure 2006299486

〔式[1]中、R1はOH−基等、R2は炭素数2〜4のアルキレン基、aは1〜200の整数、bは2〜100の整数、Rは−SOX基等(Xはアミン等を表す)、R3は水素原子又は下記一般式[2]:
【化2】
Figure 2006299486

(式[2]中、Rは式[1]中のRと同義のものを表す)で表される基を表す〕
で表され、且つ、重量平均分子量が6,000〜60,000であるポリエステル樹脂を含むことを特徴とするポリエステル繊維用難燃加工剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエステル繊維の難燃硬仕上げ加工や難燃コーティング加工に用いる難燃硬仕上げ加工剤や難燃コーティング加工剤等として有用なポリエステル繊維用難燃加工剤並びにそれを用いた難燃性ポリエステル繊維の製造方法に関する。
従来、ポリエステル繊維の耐久難燃加工は、ヘキサブロモシクロドデカンに代表される脂環式ハロゲン化合物を染色浴中又はサーモゾル法にて繊維の内部に浸透させることにより行われていた。しかしながら、ハロゲン化合物により難燃加工されたポリエステル繊維は、燃焼時に人体に有害なガスが発生し、自然環境への有害性が危惧されるといった理由から、ハロゲン化合物に代わる難燃成分としてリン系化合物が用いられるようになってきている。そして、難燃成分としてリン系化合物を用いた場合には、難燃性のばらつきが生じやすく、洗濯後等に安定した難燃性が得られないという問題があるため、例えば、特開平8−260351号公報(特許文献1)には、特定のリン系化合物と撥水撥油剤やポリウレタン樹脂等の機能性薬剤とが、繊維表面に付与されていることを特徴とする難燃性ポリエステル繊維が開示されている。
しかしながら、得られた難燃性ポリエステル繊維は、洗濯後等の難燃性という点で不十分であり、また、特に難燃性の得られにくい、レギュラーポリエステル繊維とカチオン可染ポリエステル繊維との複合繊維に対しては、難燃性をほとんど付与することができなかった。
一方で、ポリエステル繊維としては、地球環境の保護、生活環境の保護等への関心の高まりからペットボトルを原料として、加熱して溶融又は溶剤により溶解してペレット化し、再度、溶融紡糸することにより得られる再生ポリエステルが多く使用されるようになってきている。そして、再生ポリエステルは、従来のポリエステルと比較して、多くのオリゴマーを含有することが多く、染色時にオリゴマーの分散性が悪くなることで汚れを引き起こしたり、難燃性のばらつきが生じやすく、洗濯後等に安定した難燃性が得られないという問題があった。そのため、洗濯耐久性のある難燃加工方法として、例えば、特開昭61−34283号公報(特許文献2)には、低分子量のポリエステル樹脂を難燃加工の前に付与する防炎加工法が開示されている。また、特開平7−70924号公報(特許文献3)には、臭素化シクロアルカンを特定の自己乳化型ポリエステル化合物を用いて、水中に微粒子化させた分散液を含むポリエステル系繊維製品用防炎加工剤が開示されている。
しかしながら、これらの公報に開示されている防炎加工方法でも、再生ポリエステル等の組織で構成されているポリエステル繊維を防炎加工した場合には、未だに難燃性のばらつきや、染色時の汚れが出るといった問題があり、必ずしも十分な効果が得られていなかった。
特開平8−260351号公報 特開昭61−34283号公報 特開平7−70924号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、ポリエステル繊維に、耐久性に優れた難燃性を付与することを可能とし、特に難燃化の困難なレギュラーポリエステル繊維及びカチオン可染ポリエステル繊維や難燃性のばらつきの生じやすい再生ポリエステル繊維に対しても耐久性のある難燃性を付与することを可能とするポリエステル繊維用難燃加工剤、並びに耐久性に優れた難燃性を有するポリエステル繊維の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、リン化合物と特定のポリエステル樹脂が乳化又は分散されている難燃加工剤をポリエステル繊維に処理する工程により、リン化合物の安定な乳化分散状態を保ちつつポリエステル繊維の表面及び内部に均一かつ十分な吸着・吸収をさせることができ、耐久性に優れた難燃性を有するポリエステル繊維が得られるようになることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させた。
すなわち、本発明のポリエステル繊維用難燃加工剤は、リン化合物及び、下記一般式[1]:
Figure 2006299486
〔式[1]中、R1はHO−基又はHO(R2O)a−基を表し、R2は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、aは1〜200の整数を表し、aが2以上の場合にはR2Oは同一でも異なっていてもよく、R2Oが2種以上の場合にはランダム付加でも、ブロック付加でもよく、bは2〜100の整数を表し、Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は−SOX基(Xは水素原子、アルカリ金属又はアミンを表す)を表し、R3は水素原子又は下記一般式[2]:
Figure 2006299486
(式[2]中、Rは式[1]中のRと同義のものを表す)で表される基を表す〕
で表され、且つ、重量平均分子量が6,000〜60,000であるポリエステル樹脂を含むことを特徴とするものである。
また、本発明のポリエステル繊維用難燃加工剤においては、前記リン化合物が、下記一般式[3]:
Figure 2006299486
(式[3]中、R、R及びRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す)
で表されるリン酸エステル;下記一般式[4]:
Figure 2006299486
(式[4]中、R、R、R10及びR11は同一でも異なっていてもよく、それぞれ置換基を有していてもよいアリール基を表し、R12は炭素数1〜4のアルキレン基又は置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、kは1〜20の整数を表す)
で表される芳香族ホスフェート;下記一般式[5]:
Figure 2006299486
〔式[5]中、R13は炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、−OH基、炭素数1〜10のアルコキシ基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基又は下記一般式[6]:
Figure 2006299486
(式[6]中、R14は水素原子、炭素数1〜24のアルキル基又は炭素数5〜6の脂環アルキル基を表す)で表される基を表す〕
で表される第一の芳香族リン化合物;下記一般式[7]:
Figure 2006299486
〔式[7]中、R15は炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、−OH基、炭素数1〜10のアルコキシ基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基又は下記一般式[8]:
Figure 2006299486
(式[8]中、R16は水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基を表す)で表される基を表す〕
で表される第二の芳香族リン化合物;第二の芳香族リン化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又はアミン塩;下記一般式[9]:
Figure 2006299486
(式[9]中、R17及びR18は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、mは3〜10の整数を表す)
で表されるホスファゼン化合物;下記一般式[10]:
Figure 2006299486
(式[10]中、R21及びR22は同一でも異なっていてもよく、それぞれ置換基を有していてもよいアリール基を表し、R19及びR20は同一でも異なっていてもよく、R19及びR20が相互に結合してリン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表す)
で表される第一のリン酸アミド化合物;下記一般式[11]:
Figure 2006299486
(式[11]中、R27は置換基を有していてもよいアリール基を表し、R23、R24、R25及びR26は同一でも異なっていてもよく、R23及びR24或いはR25及びR26は相互に結合してリン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表す)
で表される第二のリン酸アミド化合物;並びに、下記一般式[12]:
Figure 2006299486
(式[12]中、R28、R29、R30、R31、R32及びR33は同一でも異なっていてもよく、R28及びR29、R30及びR31、或いはR32及びR33は相互に結合してリン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表す)
で表される第三のリン酸アミド化合物からなる群から選択される少なくとも1種のリン化合物であることが好ましい。
さらに、本発明のポリエステル繊維用難燃加工剤は、前記リン化合物及び前記ポリエステル樹脂を水の中に乳化又は分散させることにより得られたものであることが好ましい。
また、本発明のポリエステル繊維用難燃加工剤は、前記ポリエステル樹脂を含有する水の中で前記リン化合物を乳化又は分散させることにより得られたものであることが好ましい。
本発明の難燃性ポリエステル繊維の製造方法は、前記本発明のポリエステル繊維用難燃加工剤を用いてポリエステル繊維を処理することを特徴とする方法である。
本発明によれば、ポリエステル繊維に耐久性に優れた難燃性を付与することを可能とし、特に難燃化の困難なレギュラーポリエステル繊維及びカチオン可染ポリエステル繊維や難燃性のばらつきの生じやすい再生ポリエステル繊維に対しても耐久性のある難燃性を付与することを可能とするポリエステル繊維用難燃加工剤、並びに耐久性に優れた難燃性を有するポリエステル繊維の製造方法を提供することが可能となる。また、本発明のポリエステル繊維用難燃加工剤はハロゲン原子を含まないため、処理して得られた難燃性ポリエステル繊維を廃棄焼却する時にダイオキシンの発生が少なく、環境保護・エコロジーの面からも好ましいものである。
以下、本発明のポリエステル繊維用難燃加工剤及びそれを用いた難燃性ポリエステル繊維の製造方法をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明のポリエステル繊維用難燃加工剤について説明する。すなわち、本発明のポリエステル繊維用難燃加工剤は、リン化合物及び、後述する一般式[1]で表され、且つ、重量平均分子量が6,000〜60,000であるポリエステル樹脂を含むことを特徴とするものである。
本発明に用いられる前記ポリエステル樹脂は、下記一般式[1]:
Figure 2006299486
により表される化合物である。
一般式[1]において、R1はHO−基又はHO(R2O)a−基を表し、R2は炭素数2〜4のアルキレン基を表す。そして、炭素数2〜4のアルキレン基として、例えば、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、ブチレンが挙げられるが、水に対する溶解度や分散性の観点から、特にエチレン基が好ましい。また、aは1〜200の整数を表すが、1〜150がより好ましい。aが前記上限を超えると、ポリエステル樹脂の粘度が高くなり過ぎて、取り扱いが困難となる。さらに、aが2以上の場合にはR2Oは同一でも異なっていてもよく、R2Oが2種以上の場合にはランダム付加でも、ブロック付加でもよい。また、bは2〜100の整数を表すが、2〜50がより好ましい。bが前記下限未満であると、安定した難燃効果が得られにくくなる。一方、前記上限を超えると、ポリエステル樹脂の粘度が高くなり過ぎて、取り扱いが困難となる。さらに、Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は−SOX基を表し、Xは水素原子、アルカリ金属又はアミンを表す。そして、アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられ、アミンとしては、例えば、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、アリルアミン等の1級アミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアリルアミン等の2級アミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等の3級アミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンが挙げられる。また、R3は水素原子又は下記一般式[2]:
Figure 2006299486
で表される基を表す。そして、一般式[2]において、Rは式[1]中のRと同義のものを表す。
このようなポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン酸又はその誘導体とアルキレングリコール及び/又はポリアルキレングリコールより、公知の方法により製造することができる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸及びスルホイソフタル酸を挙げることができ、その誘導体としては、例えば、これらのジカルボン酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル、ジブチルエステル等の低級アルキルエステル、これらのジカルボン酸のクロライド、無水フタル酸を挙げることができる。これらの芳香族ジカルボン酸又はその誘導体は、1種を単独で使用することができ、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
また、本発明に用いられるポリエステル樹脂の重量平均分子量は、6,000〜60,000であるが、10,000〜50,000であることがより好ましく、10,000〜30,000であることが特に好ましい。ポリエステル樹脂の重量平均分子量が前記下限未満であると、難燃加工安定化効果が十分に発揮されない。一方、前記上限を超えると、ポリエステル樹脂の粘度が高くなり過ぎて、取り扱いが困難となる。なお、ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、分子量既知の単分散のポリエチレングリコールを測定標準物質として、ゲルパーミューションクロマトグラフィーにより求めることができる。
本発明に用いられるリン化合物は、特に制限されないが、ポリエステル繊維に難燃剤を付与する際、ポリエステル繊維の表面及び内部に均一かつ十分な吸着・吸収されることが望ましい。
また、本発明に用いられるリン化合物が、後述する一般式[3]で表されるリン酸エステル;後述する一般式[4]で表される芳香族ホスフェート;後述する一般式[5]で表される第一の芳香族リン化合物;後述する一般式[7]で表される第二の芳香族リン化合物;後述する第二の芳香族リン化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又はアミン塩;後述する一般式[9]で表されるホスファゼン化合物;後述する一般式[10]で表される第一のリン酸アミド化合物;後述する一般式[11]で表される第二のリン酸アミド化合物;並びに、後述する一般式[12]で表される第三のリン酸アミド化合物からなる群から選択される少なくとも1種のリン化合物であることが好ましい。
前記リン酸エステルは、下記一般式[3]:
Figure 2006299486
により表される化合物である。
一般式[3]において、R、R及びRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。そして、炭素数1〜24のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、デシル、ドデシル、2−ブチルオクチル、2−ブチルデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、2−オクチルデシル、ドコシル、テトラコシルが挙げられるが、化合物中のリン含量を高めるという観点から、それらのうち炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。また、炭素数2〜22のアルケニル基としては、例えば、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、2−ブテニル、2−ペンテニル、デセニル、ドデセニル、トリデセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニル、エイコセニル、ドコセニルが挙げられるが、化合物中のリン含量を高めるという観点から、それらのうち炭素数2〜6のアルケニル基が好ましい。さらに、炭素数5〜6の脂環アルキル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルが挙げられる。また、置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、クメニル、メシチルが挙げられる。なお、かかる置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヒドロキシ基が挙げられる。
このようなリン酸エステルとしては、例えば、トリキシリルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリトリルホスフェート、トリルジフェニルホスフェート、トリクメニルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェートが挙げられる。
前記芳香族ホスフェートは、下記一般式[4]:
Figure 2006299486
により表される化合物である。
一般式[4]において、R、R、R10及びR11は同一でも異なっていてもよく、それぞれ置換基を有していてもよいアリール基を表す。そして、置換基を有していてもよいアリール基としては、一般式[3]中のR、R及びRとしての置換基を有していてもよいアリール基と同様のものが挙げられる。また、R12は炭素数1〜4のアルキレン基又は置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。そして、炭素数1〜10のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、ブチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、デカメチレンが挙げられる。また、置換基を有していてもよいアリーレン基としては、例えば、フェニレン、メチレンビスフェニレン、ジメチルメチレンビスフェニレン、スルホンビスフェニレンが挙げられる。なお、かかる置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヒドロキシ基が挙げられる。また、kは1〜20の整数を表す。
このような芳香族ホスフェートとしては、例えば、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(2,6−キシリルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジトリルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジトリルホスフェート)、ビスフェノールSビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールSビス(ジトリルホスフェート)が挙げられる。
前記第一の芳香族リン化合物は、下記一般式[5]:
Figure 2006299486
により表される化合物である。
一般式[5]において、R13は炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、−OH基、炭素数1〜10のアルコキシ基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基又は下記一般式[6]:
Figure 2006299486
で表される基を表す。そして、炭素数1〜24のアルキル基並びに炭素数2〜22のアルケニル基としては、一般式[3]中のR、R及びRとしての炭素数1〜24のアルキル基並びに炭素数2〜22のアルケニル基と同様のものが挙げられる。また、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシヘキシル、ヒドロキシオクチル、ヒドロキシデシルが挙げられる。さらに、置換基を有していてもよいアラルキル基としては、例えば、ベンジル、3−メチルベンジル、4−メトキシベンジル、4−ヒドロキシ−3,5−ターシャリブチルベンジルが挙げられる。なお、かかる置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシ基が挙げられる。また、炭素数1〜10アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、デシルオキシが挙げられる。さらに、置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ、3−メチルベンジルオキシ、4−メトキシベンジルオキシが挙げられる。なお、かかる置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシ基が挙げられる。
一般式[6]において、R14は水素原子、炭素数1〜24のアルキル基又は炭素数5〜6の脂環アルキル基を表す。そして、炭素数が1〜24のアルキル基並びに炭素数5〜6の脂環アルキル基としては、一般式[3]中のR、R及びRとしての炭素数1〜24のアルキル基並びに炭素数5〜6の脂環アルキル基と同様のものが挙げられる。
このような第一の芳香族リン化合物としては、例えば、10−メチル−9,10−ジヒドロキシ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(化合物A):
Figure 2006299486
、10−ヒドロキシメチル−9,10−ジヒドロキシ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(化合物B):
Figure 2006299486
、10−ヒドロキシエチル−9,10−ジヒドロキシ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(化合物C):
Figure 2006299486
、10−フェニル−9,10−ジヒドロキシ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(化合物D):
Figure 2006299486
、10−ベンジル−9,10−ジヒドロキシ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(化合物E):
Figure 2006299486
、10−(p−メチルベンジル)−9,10−ジヒドロキシ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(化合物F):
Figure 2006299486
、[3−(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド−10−イル)メチル]スクシンイミド(化合物G):
Figure 2006299486
、エチル[3−(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド−10−イル)メチル]スクシンイミド(化合物H):
Figure 2006299486
、フェニル[3−(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド−10−イル)メチル]スクシンイミド(化合物I):
Figure 2006299486
が挙げられる。
前記第二の芳香族リン化合物は、下記一般式[7]:
Figure 2006299486
により表される化合物である。
一般式[7]において、R15は炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、−OH基、炭素数1〜10のアルコキシ基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基又は下記一般式[8]:
Figure 2006299486
で表される基を表す。そして、炭素数1〜24のアルキル基並びに炭素数2〜22のアルケニル基としては、一般式[3]中のR、R及びRとしての炭素数1〜24のアルキル基並びに炭素数2〜22のアルケニル基と同様のものが挙げられる。また、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基並びに置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基としては、一般式[5]中のR13としての炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基並びに置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基と同様のものが挙げられる。
一般式[8]において、R16は水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基を表す。そして、炭素数が1〜24のアルキル基並びに炭素数5〜6の脂環アルキル基としては、一般式[3]中のR、R及びRとしての炭素数1〜24のアルキル基並びに炭素数5〜6の脂環アルキル基と同様のものが挙げられる。
このような第二の芳香族リン化合物としては、例えば、メチル(2’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン酸(化合物J):
Figure 2006299486
、ヒドロキシメチル(2’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン酸(化合物K):
Figure 2006299486
、ヒドロキシエチル(2’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン酸(化合物L):
Figure 2006299486
、フェニル(2’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン酸(化合物M):
Figure 2006299486
、ベンジル(2’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン酸(化合物N):
Figure 2006299486
、p−メチルベンジル(2’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン酸(化合物O):
Figure 2006299486
、スクシンイミドメチル−(2’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン酸(化合物P):
Figure 2006299486
、N−エチルスクシンイミドメチル−(2’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン酸(化合物Q):
Figure 2006299486
、N−フェニルスクシンイミドメチル(2’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン酸(化合物R):
Figure 2006299486
が挙げられる。
前記第二の芳香族リン化合物の塩は、前記一般式[7]により表される化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又はアミン塩である。そして、これらのアルカリ金属塩としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等の塩が挙げられる。また、これらのアルカリ土類金属塩としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、バリウム等の塩が挙げられる。さらに、これらのアミン塩としては、例えば、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、アリルアミン等の1級アミンの塩;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアリルアミン等の2級アミンの塩;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等の3級アミンの塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンの塩が挙げられる。
このような第二の芳香族リン化合物の塩としては、例えば、ベンジル(2’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン酸アンモニウム(化合物S):
Figure 2006299486
、ヒドロキシメチル(2’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン酸アンモニウム(化合物T):
Figure 2006299486
、ヒドロキシエチル(2’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン酸アルミニウム(化合物U):
Figure 2006299486
、フェニル(2’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン酸アンモニウム(化合物V):
Figure 2006299486
、ベンジル(2’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン酸アンモニウム(化合物W):
Figure 2006299486
、p−メチルベンジル(2’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン酸カルシウム(化合物X):
Figure 2006299486
、スクシンイミドメチル−(2’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン酸アンモニウム(化合物Y):
Figure 2006299486
、N−エチルスクシンイミドメチル−(2’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン酸アンモニウム(化合物Z):
Figure 2006299486
、N−フェニルスクシンイミドメチル(2’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン酸アンモニウム(化合物AA):
Figure 2006299486
が挙げられる。
前記ホスファゼン化合物は、下記一般式[9]:
Figure 2006299486
により表される化合物である。
一般式[9]において、R17及びR18は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。そして、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基並びに置換基を有していてもよいアリール基としては、一般式[3]中のR、R及びRとしての炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基並びに置換基を有していてもよいアリール基と同様のものが挙げられる。また、mは3〜10の整数を表す。
このようなホスファゼン化合物としては、例えば、トリフェノキシトリメトキシシクロトリホスファゼン、テトラフェノキシテトラメトキシシクロテトラホスファゼン、ヘキサフェノキシヘキサメトキシシクロヘキサホスファゼンが挙げられる。
前記第一のリン酸アミド化合物は、下記一般式[10]:
Figure 2006299486
により表される化合物である。
一般式[10]において、R21及びR22は同一でも異なっていてもよく、それぞれ置換基を有していてもよいアリール基を表す。そして、置換基を有していてもよいアリール基としては、一般式[3]中のR、R及びRとしての置換基を有していてもよいアリール基と同様のものが挙げられる。また、R19及びR20は同一でも異なっていてもよく、R19及びR20が相互に結合してリン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。そして、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基並びに置換基を有していてもよいアリール基としては、一般式[3]中のR、R及びRとしての炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基並びに置換基を有していてもよいアリール基と同様のものが挙げられる。また、置換基を有していてもよいアラルキル基としては、一般式[5]中のR13としての置換基を有していてもよいアラルキル基と同様のものが挙げられる。
このような第一のリン酸アミド化合物としては、例えば、アミノジフェニルホスフェート、メチルアミノジフェニルホスフェート、ジメチルアミノジフェニルホスフェート、エチルアミノジフェニルホスフェート、ジエチルアミノジフェニルホスフェート、プロピルアミノジフェニルホスフェート、ジプロピルアミノジフェニルホスフェート、オクチルアミノジフェニルホスフェート、ジフェニルウンデシルアミノホスフェート、シクロヘキシルアミノジフェニルホスフェート、ジシクロヘキシルアミノジフェニルホスフェート、アリルアミノジフェニルホスフェート、アニリノジフェニルホスフェート、ジ−o−クレジルフェニルアミノホスフェート、ジフェニル(メチルフェニルアミノ)ホスフェート、ジフェニル(エチルフェニルアミノ)ホスフェート、ベンジルアミノジフェニル、モルホリノジフェニルホスフェートが挙げられる。
前記第二のリン酸アミド化合物は、下記一般式[11]:
Figure 2006299486
により表される化合物である。
一般式[11]において、R27は置換基を有していてもよいアリール基を表す。そして、置換基を有していてもよいアリール基としては、一般式[3]中のR、R及びRとしての置換基を有していてもよいアリール基と同様のものが挙げられる。また、R23、R24、R25及びR26は同一でも異なっていてもよく、R23及びR24或いはR25及びR26は相互に結合してリン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。そして、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基並びに置換基を有していてもよいアリール基としては、一般式[3]中のR、R及びRとしての炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基並びに置換基を有していてもよいアリール基と同様のものが挙げられる。また、置換基を有していてもよいアラルキル基としては、一般式[5]中のR13としての置換基を有していてもよいアラルキル基と同様のものが挙げられる。
このような第二のリン酸アミド化合物としては、例えば、ジアミノフェニルホスフェート、アミノメチルアミノフェニルホスフェート、ビス(メチルアミノ)フェニルホスフェート、アミノエチルアミノフェニルホスフェート、ビス(エチルアミノ)フエニルホスフェート、アミノプロピルアミノフェニルホスフェート、ビス(プロピルアミノ)フェニルホスフェート、アミノオクチルアミノフェニルホスフェート、アミノウンデシルアミノフェニルホスフェート、アミノシクロヘキシルアミノフェニルホスフェート、ビスシクロヘキシルアミノフェニルホスフェート、ビスアリルアミノフェニルホスフェート、アミノアニリノフェニルホスフェート、ジアニリノフェニルホスフェート、アニリノメチルアミノフェニルホスフェート、エチルアミノフェニルアミノフェニルホスフェート、ビスベンジルアミノフェニルホスフェート、ジモルホリノフェニルホスフェートが挙げられる。
前記第三のリン酸アミド化合物は、下記一般式[12]:
Figure 2006299486
により表される化合物である。
一般式[12]において、R28、R29、R30、R31、R32及びR33は同一でも異なっていてもよく、R28及びR29、R30及びR31、或いはR32及びR33は相互に結合して、リン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。そして、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基並びに置換基を有していてもよいアリール基としては、一般式[3]中のR、R及びRとしての炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基並びに置換基を有していてもよいアリール基と同様のものが挙げられる。また、置換基を有していてもよいアラルキル基としては、一般式[5]中のR13としての置換基を有していてもよいアラルキル基と同様のものが挙げられる。
このような第三のリン酸アミド化合物としては、例えば、トリアミノホスフェート、ジアミノメチルアミノホスフェート、ビス(メチルアミノ)アミノホスフェート、ジアミノエチルアミノホスフェート、ビス(エチルアミノ)アミノホスフェート、ジアミノプロピルアミノホスフェート、ビス(プロピルアミノ)アミノホスフェート、ジアミノオクチルアミノホスフェート、ジアミノウンデシルアミノホスフェート、ジアミノシクロヘキシルアミノホスフェート、トリシクロヘキシルアミノホスフェート、アミノビスアリルアミノホスフェート、ジアミノアニリノホスフェート、トリアニリノホスフェート、ビスアニリノメチルアミノホスフェート、ビスアニリノエチルアミノホスフェート、トリベンジルアミノホスフェート、トリピペリジノホスフェートが挙げられる。
これらのリン化合物は、1種のものを単独で用いても、2種以上のものを混合して用いてもよい。また、これらのリン化合物の中でも、前記リン酸エステル、前記芳香族ホスフェート、前記第一の芳香族リン化合物、前記第二の芳香族リン化合物、前記第二の芳香族リン化合物の塩、前記ホスファゼン化合物が好ましく、前記芳香族ホスフェート、前記第一の芳香族リン化合物、前記第二の芳香族リン化合物、前記第二の芳香族リン化合物の塩がより好ましい。
本発明において、前記リン化合物を乳化、分散させるために、界面活性剤を使用することができる。このような界面活性剤としては、例えば、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤が挙げられる。また、このような非イオン界面活性剤としては、特に限定されず、例えば、ポリオキシアルキレンエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキル多価アルコールエーテルを挙げることができる。
さらに、このようなアニオン界面活性剤としても、特に限定されず、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩、アルコール硫酸塩の硫酸塩類、ポリオキシアルキレンエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアリールエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキル多価アルコールエーテルリン酸エステル、アルコールリン酸エステル等のリン酸エステル及びそれらの塩を挙げることができる。塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アミン塩が挙げられ、アルカリ金属塩としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムの塩が挙げられる。また、アミン塩としては、例えば、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、アリルアミン等の1級アミンの塩;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアリルアミン等の2級アミンの塩;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等の3級アミンの塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンの塩が挙げられる。これらの非イオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤は、1種のものを単独で用いても、2種以上のものを混合して用いてもよい。また、特に疎水基として芳香族系の官能基を持っているものを使用すると優れた乳化物、分散物が得られるため、スチレン化フェノールのアルキレンオキサイド付加物からなる非イオン界面活性剤、スチレン化フェノールのアルキレンオキサイド付加物のエステル化反応物からなるアニオン界面活性剤のうちから選ばれたものを使用することが望ましい。さらに、性能を損なわない範囲に置いて保護コロイド剤を併用することができる。このような保護コロイド剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、澱粉が挙げられる。
本発明において、前記リン化合物を乳化又は分散させる方法としては、特に限定されず、例えば、乳化させる方法としては、ホモミキサーを用いて転相乳化させる方法が挙げられる。また、分散させる方法としては、例えば、ガラスビーズを用いたビーズミルにより湿式分散させる方法が挙げられる。
また、本発明においては、水の中で乳化又は分散された前記リン化合物液と水の中で乳化又は分散された前記ポリエステル樹脂液とをそれぞれ混合してポリエステル繊維用難燃加工剤として用いてもよく、前記リン化合物を前記ポリエステル樹脂を含有する水の中に乳化又は分散させてポリエステル繊維用難燃加工剤として用いてもよい。特に前記リン化合物を、前記ポリエステル樹脂を含有する水の中に乳化又は分散させてポリエステル繊維用難燃加工剤として用いた方が、ポリエステル繊維の表面、及び内部により均一かつ十分な吸着、吸収をさせることができ、難燃性のバラツキが少なくなる傾向にあるので好ましい。さらに、前記リン化合物及び/又は前記ポリエステル樹脂を水中に乳化又は分散する際の、前記リン化合物及び/又は前記ポリエステル樹脂と水との割合としては特に制限はないが、通常は前記リン化合物及び/又は前記ポリエステル樹脂が100質量部に対して、水が25〜2000質量部であることが好ましく、30〜900質量部であることがより好ましい。水の量が前記下限未満であると、リン化合物等を乳化又は分散させることが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を越えると、十分な難燃性の安定化効果が発揮されない傾向にある。また、乳化又は分散された前記リン化合物及び/又は前記ポリエステル樹脂の粒径は0.01〜1μmが好ましい。前記上限を越えると、十分な難燃性の安定化効果が発揮されない傾向にある。
本発明で用いられるポリエステル繊維としては、特に限定されず、例えば、レギュラーポリエステル繊維、カチオン可染ポリエステル繊維、再生ポリエステル繊維、又はこれら2種以上からなるポリエステル繊維との糸、トウ、トップ、カセ、織物、編み物、不織布若しくはロープが挙げられる。さらに、これらポリエステル繊維と綿、麻、絹、羊毛等の天然繊維;レーヨン、アセテート等の半合成繊維;ナイロン、アクリル、ポリアミド等の合成繊維;炭素、ガラス、セラミックス、アスベスト、金属等の無機繊維、又はこれらの混紡により得られる糸、トウ、トップ、カセ、織物、編み物、不織布若しくはロープが挙げられる。
本発明のポリエステル繊維用難燃加工剤において、リン化合物とポリエステル樹脂の割合は特に制限されないが、通常はリン化合物が100質量部に対して、ポリエステル樹脂を0.1〜50質量部の比率で配合することが好ましく、0.5〜30質量部の比率がより好ましい。リン化合物に対するポリエステル樹脂の比率が前記下限未満であると、十分な難燃性の安定化効果が発揮されない傾向にある。一方、前記上限を超えると、風合の著しい変化や、発粉を引き起こす傾向にある。
次に、本発明の難燃性ポリエステル繊維の製造方法について説明する。
本発明の難燃性ポリエステル繊維の製造方法は、前述の本発明のポリエステル繊維用難燃加工剤を用いてポリエステル繊維を処理することを特徴とする方法である。
本発明の難燃性ポリエステル繊維の製造方法において、ポリエステル繊維に付与されるポリエステル樹脂の量については、特に制限されないが、通常は繊維に対するポリエステル樹脂の吸着率が0.1〜10%o.w.f.であることが好ましく、0.5〜5%o.w.f.であることがより好ましい。ポリエステル樹脂の吸着率が0.1%o.w.f.未満であると、十分な難燃性の安定化効果が発揮されない傾向にある。一方、ポリエステル樹脂の吸着率が高いほど、難燃性安定化の効果は大きくなるが、ポリエステル樹脂の吸着率が10%o.w.f.を超えると、風合の著しい変化や、発粉を引き起こす傾向にある。
また、本発明の難燃性ポリエステル繊維の製造方法において、ポリエステル繊維に付与されるリン化合物の量については、特に制限されないが、通常は繊維に対するリン化合物の吸着率が0.1〜30%o.w.f.であることが好ましく、0.3〜25%o.w.f.であることがより好ましい。リン化合物の吸着率が0.1%o.w.f.未満であると、十分な難燃性の安定化効果が発揮されない傾向にある。一方、リン化合物の吸着率が高いほど、難燃性安定化の効果は大きくなるが、リン化合物の吸着率が30%o.w.f.を超えると、風合の著しい変化や、発粉を引き起こす傾向にある。
さらに、本発明の難燃性ポリエステル繊維の製造方法において、本発明のポリエステル繊維用難燃加工剤を用いてポリエステル繊維に難燃性を付与する方法については、特に制限されず、例えば、ディッピング、パディング、スプレー、コーティング、プリントを挙げることができる。また、例えば、ディッピングによって難燃加工する場合には、本発明のポリエステル繊維用難燃加工剤にポリエステル繊維を90℃〜150℃、好ましくは110℃〜140℃の範囲の温度で10〜60分程度浸漬して、ポリエステル繊維用難燃加工剤を吸着、吸収させればよい。熱処理温度が前記下限未満では、難燃加工剤が十分に吸収されず、難燃性が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えるとポリエステル繊維の変色や脆化が起こる傾向にある。このとき、難燃加工剤と同時に分散染料や蛍光染料を用いて染色を難燃加工と同時に行うこともできる。さらに、パディング、スプレー、コーティングやプリントによって難燃加工をする場合には、ポリエステル繊維をパディング、スプレー、コーティングやプリントによって難燃加工剤を付着させた後、乾熱処理、飽和常圧スチーム処理、加熱スチーム処理や高圧スチーム処理等の蒸熱処理によって熱処理することができる。乾熱処理、蒸熱処理のいずれにおいても、熱処理温度は、通常、110℃〜210℃の範囲であり、好ましくは160℃〜210℃の範囲である。熱処理温度が前記下限未満では、難燃加工剤が十分に吸収されず、難燃性が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えるとポリエステル繊維の変色や脆化が起こる傾向にある。
なお、コーティングによって難燃加工をする場合には、難燃加工する液を泡状にして繊維に付与する泡加工コーティング又は加工に適した粘度に調整してコーティングすることができる。泡加工コーティングによれば、起泡した難燃加工を必要量ポリエステル繊維に付与することができ、従って乾燥に要するエネルギー及び時間を大幅に短縮する事ができ、且つ難燃加工する液を全量無駄なく使用することができる。加工に適した粘度に調整してコーティングするのに用いられる粘度調整剤としては、特に制限されず、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、プロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ザンタンガム、デンプン糊を挙げることができる。また、ディッピングによって難燃加工をする場合には、例えば、液流染色機、ビーム染色機、チーズ染色機を使用することができる。さらに、スプレーによって難燃加工をする場合には、例えば、圧搾空気により難燃加工する液を霧状にして吹き付けるエアースプレー、液圧霧化方式のエアースプレーを使用することができる。また、コーティングによって難燃加工をする場合には、例えば、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファーコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、キャストコーター、カーテンコーター、カレンダーコーター等を用いるコーティングを使用することができる。さらに、プリントによって難燃加工をするには、例えば、ローラー捺染機、フラットスクリーン捺染機、ロータリースクリーン捺染機を使用することができる。
さらに、本発明の難燃性ポリエステル繊維の製造方法において、熱処理工程を実施した後に、通常の公知の方法によってポリエステル繊維のソーピング処理を行い、ポリエステル繊維に強固に固着せず、繊維内部に浸透せず表面に付着しているだけのリン系化合物を除去することが好ましい。このようなソーピング処理に用いられる洗浄剤としては、通常のアニオン系、非イオン系、両性系の界面活性剤及びこれらが配合された洗剤を用いることができる。
また、難燃加工剤の他に従来から用いられている他の繊維用加工剤を、難燃性を損なわない程度に難燃加工剤と併用することもできる。このような繊維用加工剤としては、例えば、帯電防止剤、撥水撥油剤、防汚剤、硬仕上剤、風合調整剤、柔軟剤、抗菌剤、吸水剤、スリップ防止剤、耐光堅牢度向上剤が挙げられる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。なお、ポリエステル樹脂の重量平均分子量及び難燃性はそれぞれ以下の方法により測定又は評価した。
(1)ポリエステル樹脂の重量平均分子量の測定
ゲルパーミューションクロマトグラフィー[東ソー(株)製高速GPC、HLC−8120型、測定標準物質:ポリエチレングリコール]を用いて測定した。
(2)ポリエステル繊維の難燃性
水洗い洗濯なしの試料として、得られた難燃性ポリエステル繊維を用いた。また、水洗い洗濯後の試料として、JIS L 1091に記載された方法に準じて得られた難燃性ポリエステル繊維を水洗い洗濯したもの用いた。さらに、ドライクリーニング後の試料として、JIS L 1018に記載された方法に準じて得られた難燃性ポリエステル繊維をドライクリーニングしたものを用いた。これらの試料を用いて、以下の方法によりポリエステル繊維の難燃性を評価した。
(i)45゜ミクロバーナー法
JIS L 1091に記載されているA−1法に準じて難燃性を評価した。なお、残炎時間が3秒以内である場合を合格(○)と判定し、それ以外の場合を不合格(×)と判定した。
(ii)コイル法(接炎試験)
JIS L 1091に記載されているD法に準じて難燃性を評価した。なお、接炎回数が3回以上である場合を合格(○)と判定し、それ以外の場合を不合格(×)と判定した。
[ポリエステル樹脂液製造例]
(ポリエステル樹脂液A)
先ず、攪拌機、温度計、メタノール流出管、精留管を備えた反応容器に、テレフタル酸ジメチル77.6g(0.4モル)、イソフタル酸ジメチル19.4g(0.1モル)、ポリエチレングリコール(平均分子量:3100)387.5g(0.125モル)、モノエチレングリコール68.2g(1.1モル)及び三酸化アンチモン0.1g、酢酸亜鉛0.1gを仕込み、Nガスを通入した。次に、加熱昇温し、130〜180℃まで2時間かけてゆっくり昇温しエステル交換反応させ(140℃よりメタノールの流出が始まる)、180℃〜250℃まで2時間かけてゆっくり昇温後、Nガス通入を停止し、減圧にして0.7kPaの圧力下、250〜260℃で2時間反応させた後、さらに減圧にして0.3kPaの圧力下、260℃で30分間反応させてエステル交換反応を行い、ポリエステル樹脂500gを得た。次いで、得られたポリエステル樹脂100gを、N,N−ジメチルホルムアミド50gに溶解し、熱水850gに乳化してポリエステル樹脂液Aを得た。得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量は、12,000であった。
(ポリエステル樹脂液B)
先ず、攪拌機、温度計、メタノール流出管、精留管を備えた反応容器に、テレフタル酸ジメチル87.3g(0.45モル)、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩14.8g(0.05モル)、ポリエチレングリコール(平均分子量:3100)310g(0.1モル)、モノエチレングリコール 68.2g(1.1モル)及び三酸化アンチモン0.1g、酢酸亜鉛0.1gを仕込み、Nガスを通入した。次に、加熱昇温し、130〜180℃まで2時間かけてゆっくり昇温しエステル交換反応させ(140℃よりメタノールの流出が始まる)、さらに180℃〜250℃まで2時間かけてゆっくり昇温後、Nガス通入を停止し、減圧にして0.7kPaの圧力下、250〜260℃で2時間反応させた後、さらに減圧にして0.3kPaの圧力下、260℃で30分間反応させてエステル交換反応を行い、ポリエステル樹脂425gを得た。次いで、得られたポリエステル樹脂100gを、N,N−ジメチルホルムアミド50gに溶解し、熱水850gに乳化してポリエステル樹脂液Bを得た。得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量は、15,000であった。
(ポリエステル樹脂液C)
先ず、攪拌機、温度計、メタノール流出管、精留管を備えた反応容器に、テレフタル酸ジメチル67.9g(0.35モル)、イソフタル酸ジメチル29.1g(0.15モル)、ポリエチレングリコール(平均分子量:8000)800g(0.1モル)、モノエチレングリコール68.2g(1.1モル)及び三酸化アンチモン0.1g、酢酸亜鉛0.1gを仕込み、Nガスを通入した。次に、加熱昇温し、130〜180℃まで2時間かけてゆっくり昇温しエステル交換反応させ(140℃よりメタノールの流出が始まる)、さらに180℃〜250℃まで2時間かけてゆっくり昇温後、Nガス通入を停止し、減圧にして0.7kPaの圧力下、250〜260℃で2時間反応させた後、さらに減圧にして0.3kPaの圧力下、260℃で30分間反応させてエステル交換反応を行い、ポリエステル樹脂900gを得た。次いで、得られたポリエステル樹脂100gを、N,N−ジメチルホルムアミド50gに溶解し、熱水850gに乳化してポリエステル樹脂液Cを得た。得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量は、24,000であった。
(比較用ポリエステル樹脂液D)
先ず、攪拌機、温度計、メタノール流出管、精留管を備えた反応容器に、テレフタル酸ジメチル97g(0.5モル)、イソフタル酸ジメチル97g(0.5モル)、ポリエチレングリコール(平均分子量:1000)200g(0.2モル)、モノエチレングリコール62g(1モル)及び三酸化アンチモン0.1g、酢酸亜鉛0.1gを仕込み、Nガスを通入した。次に、加熱昇温し、130〜180℃まで2時間かけてゆっくり昇温しエステル交換反応させ(140℃よりメタノールの流出が始まる)、さらに180℃〜250℃まで2時間かけてゆっくり昇温後、Nガス通入を停止し、減圧にして0.7kPaの圧力下、250〜260℃で2時間反応させた後、さらに減圧にして0.3kPaの圧力下、260℃で30分間反応させてエステル交換反応を行い、ポリエステル樹脂400gを得た。次いで、得られたポリエステル樹脂100gを、N,N−ジメチルホルムアミド50gに溶解し、熱水850gに乳化して比較用ポリエステル樹脂液Dを得た。得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量は、2,500であった。
(実施例1)
先ず、トリキシリルホスフェート40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド10モル付加物4質量部とを水40質量部にて乳化分散させ、ポリエステル樹脂液A10質量部を添加して難燃加工剤を調製した。
次に、目付220g/m2の横糸原着レギュラーポリエステル100質量%未染色布を、ミニカラー染色機[テクサム社製]を使用し、分散染料[C.I.Disperse Blue 56]1%o.w.f.、分散均染剤[日華化学(株)、ニッカサンソルトRM−340E]0.5g/L、80質量%酢酸0.3mL/L及び難燃加工剤15%o.w.f.を含む染色浴で、浴比1:15、温度130℃の条件で、30分処理した。次いで、ソーピング剤[日華化学(株)、エスクードFRN]2g/L、苛性ソーダ1g/Lを含む水溶液を用いて、80℃で20分ソーピングを行い、170℃で1分乾燥し、難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例2)
レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド10モル付加物の硫酸エステルアンモニウム塩10質量部とを水40質量部にて乳化分散させ、ポリエステル樹脂液B10質量部を添加して難燃加工剤を調製した以外は実施例1と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例3)
10−ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド15モル付加物の硫酸エステルアンモニウム塩10質量部とを水40質量部にて乳化分散させ、ポリエステル樹脂液B10質量部を添加して難燃加工剤を調製した以外は実施例1と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例4)
トリフェノキシトリメトキシシクロトリホスファゼン40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド15モル付加物のリン酸エステルアンモニウム塩10質量部とを水40質量部にて乳化分散させ、ポリエステル樹脂液C10質量部を添加して難燃加工剤を調製した以外は実施例1と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例5)
レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド10モル付加物の硫酸エステルアンモニウム塩10質量部と、ポリエステル樹脂液B10質量部とを水40質量部にて乳化分散させて難燃加工剤を調製した以外は実施例1と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例6)
10−ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド15モル付加物の硫酸エステルアンモニウム塩10質量部と、ポリエステル樹脂液B10質量部とを水40質量部にて乳化分散させて難燃加工剤を調製した以外は実施例1と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(比較例1〜4)
実施例1〜4においてそれぞれ使用したポリエステル樹脂液を使用しなかった以外はそれぞれ実施例1〜4と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(比較例5)
実施例2で使用したポリエステル樹脂液Bの代わりに、比較用ポリエステル樹脂液Dを使用した以外は実施例2と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
実施例1〜6及び比較例1〜5で得られた各難燃性ポリエステル繊維について、難燃性を評価した。得られた結果を表1に示す。
Figure 2006299486
表1に記載した結果からも明らかなように、乳化又は分散されたリン化合物及び本発明にかかるポリエステル樹脂液を含む難燃加工剤を染料を含む染色浴と同一浴で処理せしめた実施例1〜4で得られた難燃性ポリエステル繊維、並びにリン化合物を、本発明にかかるポリエステル樹脂含有する水の中に乳化又は分散させた難燃加工剤を染料を含む染色浴と同一浴で処理せしめた実施例5〜6で得られた難燃性ポリエステル繊維は、ポリエステル樹脂液を含まない難燃加工剤を染料を含む染色浴と同一浴で処理せしめた比較例1〜4で得られた難燃性ポリエステル繊維、並びに低分子量のポリエステル樹脂液を含む難燃加工剤を染料を含む染色浴と同一浴で処理せしめた比較例5で得られた難燃性ポリエステル繊維よりも、水洗い洗濯なし、水洗い洗濯後及びドライクリーニング後の残炎時間が短く、接炎回数が多くなっていることが確認された。従って、本発明の難燃加工剤にて処理することにより、レギュラーポリエステル100質量%未染色布に、洗濯の前後において難燃性がほとんど変わらず、耐久性に優れた難燃性を付与することができることが確認された。
(実施例7)
先ず、トリキシリルホスフェート40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド10モル付加物4質量部とを水40質量部にて乳化分散させ、ポリエステル樹脂液A10質量部を添加して難燃加工剤を調製した。
次に、目付180g/m2のカチオン可染ポリエステル/レギュラーポリエステル(50質量%/50質量%)ジャガード織り未染色布を、ミニカラー染色機[テクサム社製]を使用し、分散染料[C.I.Disperse Blue 56]0.5%o.w.f.、塩基性染料[C.I.Basic Blue 54]0.5%o.w.f.、分散均染剤[日華化学(株)、ニッカサンソルトRM−340E]0.5g/L、80重量%酢酸0.3mL/L及び難燃加工剤15%o.w.f.を含む染浴で、浴比1:15、温度125℃の条件で、30分処理した。次いで、ソーピング剤[日華化学(株)、エスクードFRN]2g/L、苛性ソーダ1g/Lを含む水溶液を用いて、80℃で20分ソーピングを行い、170℃で1分乾燥し、難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例8)
レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド10モル付加物の硫酸エステルアンモニウム塩10質量部とを水40質量部にて乳化分散させ、ポリエステル樹脂液B10質量部を添加して難燃加工剤を調製した以外は実施例7と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例9)
10−ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド15モル付加物の硫酸エステルアンモニウム塩10質量部とを水40質量部にて乳化分散させ、ポリエステル樹脂液B10質量部を添加して難燃加工剤を調製した以外は実施例7と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例10)
トリフェノキシトリメトキシシクロトリホスファゼン40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド15モル付加物のリン酸エステルアンモニウム塩10質量部とを水40質量部にて乳化分散させ、ポリエステル樹脂液C10質量部を添加して難燃加工剤を調製した以外は実施例7と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例11)
レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド10モル付加物の硫酸エステルアンモニウム塩10質量部と、ポリエステル樹脂液B10質量部とを水40質量部にて乳化分散させて難燃加工剤を調製した以外は実施例7と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例12)
10−ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド15モル付加物の硫酸エステルアンモニウム塩10質量部と、ポリエステル樹脂液B10質量部とを水40質量部にて乳化分散させて難燃加工剤を調製した以外は実施例7と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(比較例6)
実施例8で使用したポリエステル樹脂液Bを使用しなかった以外は実施例8と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
実施例7〜12及び比較例6で得られた各難燃性ポリエステル繊維について、難燃性を評価した。得られた結果を表2に示す。
Figure 2006299486
表2に記載した結果からも明らかなように、乳化又は分散されたリン化合物及び本発明にかかるポリエステル樹脂液を含む難燃加工剤を染料を含む染色浴と同一浴で処理せしめた実施例7〜10で得られた難燃性ポリエステル繊維、並びにリン化合物を、本発明にかかるポリエステル樹脂を含有する水の中に乳化又は分散させた難燃加工剤を染料を含む染色浴と同一浴で処理せしめた実施例11〜12で得られた難燃性ポリエステル繊維は、ポリエステル樹脂液を含まない難燃加工剤を染料を含む染色浴と同一浴で処理せしめた比較例6の難燃性ポリエステル繊維よりも、水洗い洗濯なし、水洗い洗濯後及びドライクリーニング後の残炎時間が短く、接炎回数が多くなっていることが確認された。従って、本発明の難燃加工剤にて処理することにより、カチオン可染ポリエステル/レギュラーポリエステル(50質量%/50質量%)ジャガード織り未染色布に、洗濯の前後において難燃性がほとんど変わらず、耐久性に優れた難燃性を付与することができることが確認された。
(実施例13)
先ず、トリキシリルホスフェート40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド10モル付加物4質量部とを水40質量部にて乳化分散させ、ポリエステル樹脂液A10質量部を添加して難燃加工剤を調製した。
次に、目付220g/m2の横糸原着再生ポリエステル100質量%未染色布を、ミニカラー染色機[テクサム社製]を使用し、分散染料[C.I.Disperse Blue 56]1%o.w.f.、分散均染剤[日華化学(株)、ニッカサンソルトRM−340E]0.5g/L、80重量%酢酸0.3mL/L及び難燃加工剤15%o.w.f.、を含む染色浴で、浴比1:15、温度130℃の条件で、30分処理した。次いで、ソーピング剤[日華化学(株)、エスクードFRN]2g/L、苛性ソーダ1g/Lを含む水溶液を用いて、80℃で20分ソーピングを行い、170℃で1分乾燥し、難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例14)
レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド10モル付加物の硫酸エステルアンモニウム塩10質量部とを水40質量部にて乳化分散させ、ポリエステル樹脂液B10質量部を添加して難燃加工剤を調製した以外は実施例13と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例15)
10−ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド15モル付加物の硫酸エステルアンモニウム塩10質量部とを水40質量部にて乳化分散させ、ポリエステル樹脂液B10質量部を添加して難燃加工剤を調製した以外は実施例13と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例16)
トリフェノキシトリメトキシシクロトリホスファゼン40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド15モル付加物のリン酸エステルアンモニウム塩10質量部とを水40質量部にて乳化分散させ、ポリエステル樹脂液C10質量部を添加して難燃加工剤を調製した以外は実施例13と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例17)
レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド10モル付加物の硫酸エステルアンモニウム塩10質量部と、ポリエステル樹脂液B10質量部とを水40質量部にて乳化分散させて難燃加工剤を調製した以外は実施例13と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例18)
10−ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド15モル付加物の硫酸エステルアンモニウム塩10質量部と、ポリエステル樹脂液B10質量部とを水40質量部にて乳化分散させて難燃加工剤を調製した以外は実施例13と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(比較例8)
実施例14で使用したポリエステル樹脂液Bを使用しなかった以外は実施例14と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(比較例9)
ヘキサブロモドテカン40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド15モル付加物の硫酸エステルアンモニウム塩10質量部と、ポリエステル樹脂液B10質量部とを水40質量部にて乳化分散させて難燃加工剤を調製した以外は実施例13と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
実施例13〜18及び比較例7、8で得られた各難燃性ポリエステル繊維について、難燃性を評価した。得られた結果を表3に示す。
Figure 2006299486
表3に記載した結果からも明らかなように、乳化又は分散されたリン化合物及び本発明にかかるポリエステル樹脂液を含む難燃加工剤を染料を含む染色浴と同一浴で処理せしめた実施例13〜16で得られた難燃性ポリエステル繊維、並びにリン化合物を、本発明にかかるポリエステル樹脂を含有する水の中に乳化又は分散させた難燃加工剤を染料を含む染色浴と同一浴で処理せしめた実施例17〜18で得られた難燃性ポリエステル繊維は、ポリエステル樹脂液を含まない難燃加工剤を染料を含む染色浴と同一浴で処理せしめた比較例7で得られた難燃性ポリエステル繊維、並びにヘキサブロモシクロドデカンを、本発明にかかるポリエステル樹脂液を用いて水中に乳化又は分散させた難燃加工剤を染料を含む染色浴と同一浴で処理せしめた比較例8で得られた難燃性ポリエステル繊維よりも、水洗い洗濯なし、水洗い洗濯後及びドライクリーニング後の残炎時間が短く、接炎回数が多くなっていることが確認された。従って、本発明の難燃加工剤にて処理することにより、再生ポリエステル100質量%未染色布に、洗濯の前後において難燃性がほとんど変わらず、耐久性に優れた難燃性を付与することができることが確認された。
(実施例19)
先ず、トリキシリルホスフェート40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド10モル付加物4質量部とを水40質量部にて乳化分散させ、ポリエステル樹脂液A10質量部を添加して難燃加工剤を調製した。
次に、目付200g/m2のレギュラーポリエステル100質量%先染布を、難燃加工剤15質量%溶液に浸漬処理し、ピックアップ80質量%に設定したマングルで搾液した。その後、120℃で2分間乾燥し、さらに180℃で1分間熱処理した。次いで、ソーピング剤[日華化学(株)、エスクードFRN]2g/L、ソーダ灰1g/Lを含む水溶液を用いて、80℃で20分ソーピングを行い、170℃で1分乾燥し、難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例20)
レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド10モル付加物の硫酸エステルアンモニウム塩10質量部とを水40質量部にて乳化分散させ、ポリエステル樹脂液B10質量部を添加して難燃加工剤を調製した以外は実施例19と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例21)
10−ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド15モル付加物の硫酸エステルアンモニウム塩10質量部とを水40質量部にて乳化分散させ、ポリエステル樹脂液B10質量部を添加して難燃加工剤を調製した以外は実施例19と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例22)
ベンジル(2’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン酸アンモニウム40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド15モル付加物の硫酸エステルアンモニウム塩10質量部とを水40質量部にて乳化分散させ、ポリエステル樹脂液B10質量部を添加して難燃加工剤を調製した以外は実施例19と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例23)
トリフェノキシトリメトキシシクロトリホスファゼン40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド15モル付加物のリン酸エステルアンモニウム塩10質量部とを水40質量部にて乳化分散させ、ポリエステル樹脂液C10質量部を添加して難燃加工剤を調製した以外は実施例19と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例24)
レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド10モル付加物の硫酸エステルアンモニウム塩10質量部と、ポリエステル樹脂液B10質量部とを水40質量部にて乳化分散させて難燃加工剤を調製した以外は実施例19と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例25)
10−ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド40質量部、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド15モル付加物の硫酸エステルアンモニウム塩10質量部と、ポリエステル樹脂液B10質量部とを水40質量部にて乳化分散させて難燃加工剤を調製した以外は実施例19と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(実施例26)
ベンジル(2’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン酸アンモニウム40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド15モル付加物の硫酸エステルアンモニウム塩10質量部と、ポリエステル樹脂液B10質量部とを水40質量部にて乳化分散させて難燃加工剤を調製した以外は実施例19と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(比較例9)
実施例20で使用したポリエステル樹脂液Bを使用しなかった以外は実施例20と同様にして難燃性ポリエステル繊維を得た。
(比較例10)
先ず、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)40質量部と、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド10モル付加物の硫酸エステルアンモニウム塩10質量部とを水40質量部にて乳化分散させ難燃加工剤を調製した。
次に、目付200g/m2のレギュラーポリエステル100質量%先染布を、ポリエステル樹脂液Bの2質量%溶液に浸漬処理し、ピックアップ80質量%に設定したマングルで搾液した。その後、120℃で2分間乾燥し、さらに180℃で1分間熱処理した。次いで、難燃加工剤15質量%溶液に浸漬処理し、ピックアップ80質量%に設定したマングルで搾液した。120℃で2分間乾燥し、さらに180℃で1分間熱処理し、試料を得た。
実施例19〜26及び比較例9、10で得られた各難燃性ポリエステル繊維について、難燃性を評価した。得られた結果を表4に示す。
Figure 2006299486
表4に記載した結果からも明らかなように、乳化又は分散されたリン化合物及び本発明にかかるポリエステル樹脂液を含む難燃加工剤に浸漬して処理せしめた実施例19〜24で得られた難燃性ポリエステル繊維、並びにリン化合物を、本発明にかかるポリエステル樹脂を含有する水の中に乳化又は分散させた難燃加工剤に浸漬して処理せしめた実施例25〜26で得られた難燃性ポリエステル繊維は、ポリエステル樹脂液を含まない難燃加工剤に浸漬して処理せしめた比較例9で得られた難燃性ポリエステル繊維、並びにポリエステル樹脂液に浸漬し、マングルで搾液した後、乳化又は分散されたリン化合物を含む液に浸漬して処理せしめた比較例10で得られた難燃性ポリエステル繊維よりも、水洗い洗濯なし、水洗い洗濯後及びドライクリーニング後の残炎時間が短く、接炎回数が多くなっていることが確認された。従って、本発明の難燃加工剤にて処理することにより、レギュラーポリエステル100質量%先染布に、洗濯の前後において難燃性がほとんど変わらず、耐久性に優れた難燃性を付与することができることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、ポリエステル繊維に耐久性に優れた難燃性を付与することを可能とし、特に難燃化の困難なレギュラーポリエステル繊維及びカチオン可染ポリエステル繊維や難燃性のばらつきの生じやすい再生ポリエステル繊維に対しても耐久性のある難燃性を付与することができるポリエステル繊維用難燃加工剤を提供することが可能となる。

Claims (5)

  1. リン化合物及び、下記一般式[1]:
    Figure 2006299486
    〔式[1]中、R1はHO−基又はHO(R2O)a−基を表し、R2は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、aは1〜200の整数を表し、aが2以上の場合にはR2Oは同一でも異なっていてもよく、R2Oが2種以上の場合にはランダム付加でも、ブロック付加でもよく、bは2〜100の整数を表し、Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は−SOX基(Xは水素原子、アルカリ金属又はアミンを表す)を表し、R3は水素原子又は下記一般式[2]:
    Figure 2006299486
    (式[2]中、Rは式[1]中のRと同義のものを表す)で表される基を表す〕
    で表され、且つ、重量平均分子量が6,000〜60,000であるポリエステル樹脂を含むことを特徴とするポリエステル繊維用難燃加工剤。
  2. 前記リン化合物が、下記一般式[3]:
    Figure 2006299486
    (式[3]中、R、R及びRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す)
    で表されるリン酸エステル;下記一般式[4]:
    Figure 2006299486
    (式[4]中、R、R、R10及びR11は同一でも異なっていてもよく、それぞれ置換基を有していてもよいアリール基を表し、R12は炭素数1〜4のアルキレン基又は置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、kは1〜20の整数を表す)
    で表される芳香族ホスフェート;下記一般式[5]:
    Figure 2006299486
    〔式[5]中、R13は炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、−OH基、炭素数1〜10のアルコキシ基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基又は下記一般式[6]:
    Figure 2006299486
    (式[6]中、R14は水素原子、炭素数1〜24のアルキル基又は炭素数5〜6の脂環アルキル基を表す)で表される基を表す〕
    で表される第一の芳香族リン化合物;下記一般式[7]:
    Figure 2006299486
    〔式[7]中、R15は炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、−OH基、炭素数1〜10のアルコキシ基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基又は下記一般式[8]:
    Figure 2006299486
    (式[8]中、R16は水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基を表す)で表される基を表す〕
    で表される第二の芳香族リン化合物;第二の芳香族リン化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又はアミン塩;下記一般式[9]:
    Figure 2006299486
    (式[9]中、R17及びR18は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、mは3〜10の整数を表す)
    で表されるホスファゼン化合物;下記一般式[10]:
    Figure 2006299486
    (式[10]中、R21及びR22は同一でも異なっていてもよく、それぞれ置換基を有していてもよいアリール基を表し、R19及びR20は同一でも異なっていてもよく、R19及びR20が相互に結合してリン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表す)
    で表される第一のリン酸アミド化合物;下記一般式[11]:
    Figure 2006299486
    (式[11]中、R27は置換基を有していてもよいアリール基を表し、R23、R24、R25及びR26は同一でも異なっていてもよく、R23及びR24或いはR25及びR26は相互に結合してリン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表す)
    で表される第二のリン酸アミド化合物;並びに、下記一般式[12]:
    Figure 2006299486
    (式[12]中、R28、R29、R30、R31、R32及びR33は同一でも異なっていてもよく、R28及びR29、R30及びR31、或いはR32及びR33は相互に結合してリン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5〜6の脂環アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表す)
    で表される第三のリン酸アミド化合物からなる群から選択される少なくとも1種のリン化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル繊維用難燃加工剤。
  3. 請求項1又は2に記載のポリエステル繊維用難燃加工剤が、水の中に前記リン化合物及び前記ポリエステル樹脂を乳化又は分散させることにより得られたものであることを特徴とするポリエステル繊維用難燃加工剤。
  4. 請求項1又は2に記載のポリエステル繊維用難燃加工剤が、前記ポリエステル樹脂を含有する水の中に前記リン化合物を乳化又は分散させることにより得られたものであることを特徴とするポリエステル繊維用難燃加工剤。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のポリエステル繊維用難燃加工剤を用いてポリエステル繊維を処理することを特徴とする難燃性ポリエステル繊維の製造方法。
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