JP2006299433A - 洗濯仕上げ方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 洗濯処理の際に生じる洗浄残りの汚れの問題を効果的に解消する方法を提供する。
【解決手段】 光触媒(a)を珪素原子及び/又はフッ素原子を含有する変性剤化合物(b)を用いて変性処理された変性光触媒(A)を、洗濯処理後の洗濯物に残存した汚れ成分に付着させ、光照射をすることにより該汚れ成分を分解させることを特徴とする洗濯仕上げ方法。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、洗濯処理後の衣類や繊維加工品の残存汚れを光触媒によって分解することによる、洗濯仕上げ方法に関する。
ある種の物質に、その物質の伝導帯と価電子帯との間のエネルギーギャップ(バンドギャップ)よりも大きなエネルギーを持つ光、即ちその物質のバンドギャップに対応する光よりも波長の短い光(励起光)を照射すると、光エネルギーによって価電子帯中の電子の励起(光励起)が起こり、伝導帯に電子が、価電子帯に正孔が生成する。このとき、伝導帯に生成した電子の還元力及び/又は価電子帯に生成した正孔の酸化力を利用して、種々の化学反応を行うことができる。
即ち、上記のような物質は、励起光照射下において触媒のように用いることができる。そのため、上記のような物質は光触媒と呼ばれており、その最も代表的な例として酸化チタンが知られている。
この光触媒によって促進される化学反応の例としては、種々の有機物の酸化分解反応を挙げることができる。従って、この光触媒を種々の基材の表面に固定化させれば、基材の表面に付着した種々の有機物を、光エネルギーを利用して酸化分解することができることになる。
近年、上記のような光触媒の特性を、環境浄化、種々の基材への汚れの付着防止等に応用するための研究が盛んになってきている。
例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3では、洗濯回数の軽減化のために、光触媒を繊維に付与させる技術を開示している。これらの技術で期待されている光触媒反応の汚れ分解効果は、防汚、防臭、防黴、抗菌機能であり、微量な汚れが徐々に蓄積するような場合のセルフクリーニング効果であった。それ故、これらの技術は、汚れが付着する前にあらかじめ繊維の大部分を光触媒で被覆することを前提としていた。さらにこれらの技術により、すでに繊維表面に光触媒が被覆されていても、1度に大量の汚れが付着した場合には、可視光や紫外光の大部分が汚れ物質に吸収または遮断されて光触媒に届く光量が非常に少なくなるため、光触媒反応だけで汚れを除去することは極めて困難であった。
特開2002−12891号公報 特開2003−176495号公報 特開2001−3276号公報
本発明の課題は、衣類等の汚れ、とりわけ洗濯処理の際に生じる洗浄残りの汚れの問題を効果的に解消する方法を提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の変性剤化合物を用いて変性処理された変性光触媒を利用することにより、簡便な方法で、洗濯処理の際に生じる洗浄残りの汚れを効果的に解消することを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.光触媒(a)を珪素原子及び/又はフッ素原子を含有する変性剤化合物(b)を用いて変性処理された変性光触媒(A)を、洗濯処理後の洗濯物に残存した汚れ成分に付着
させ、光照射をすることにより該汚れ成分を分解させることを特徴とする洗濯仕上げ方法。
2.珪素原子及び/又はフッ素原子を含有する変性剤化合物(b)が、下式(1)で表されることを特徴とする上記1.項に記載の洗濯仕上げ方法。
x y z SiO(4-x-y-z)/2 (1)
〔式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30のフルオロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基から選ばれた1種以上からなる基を表す。
Qは下式(2)で表される基又は下式(2)で表される基を含有する炭素数1〜30の有機基を表す。
−(O)a 1 O(R2 O)b 3 (2)
(式中、R1 、R2 は各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜10のアルキレン基を表す。R3 は、水素原子、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基を表す。aは0または1であり、bは1〜100の整数を表す。)
Xは各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、又はハロゲン原子を表す。また、0≦x<4、0≦y<4、0≦z<4、及び0<(x+y+z)<4である。〕
本発明の変性光触媒を用いた洗濯仕上げ方法により、洗濯処理後の衣類や繊維加工品の残存汚れの問題を簡便に解消することができる。
以下、本発明について詳述する。
本発明は、光触媒(a)を珪素原子及び/又はフッ素原子を含有する変性剤化合物(b)を用いて変性処理された変性光触媒(A)を、洗濯処理後の洗濯物に残存した汚れ成分に付着させ、光照射をすることにより該汚れ成分を分解させることを特徴とする洗濯仕上げ方法に関する。
本発明の変性光触媒(A)は、光触媒(a)を、後述する少なくとも1種の変性剤化合物(b)を用いて変性処理することによって得られる。
本発明において変性とは、後述する少なくとも1種の変性剤化合物(b)を、光触媒(a)の表面に固定化することを意味する。上記の変性剤化合物の光触媒粒子の表面への固定化は、ファン・デル・ワールス力による物理吸着によるもの、クーロン力または化学結合によるものである、と考えられる。特に、化学結合を利用した変性は、変性剤化合物と光触媒との相互作用が強く、変性剤化合物が光触媒粒子の表面に強固に固定化されるので好ましい。
本発明において上記光触媒(a)とは、光照射によって酸化、還元反応を起こす物質のことを言う。すなわち伝導帯と価電子帯との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したときに、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導電子と正孔を生成し得る物質であり、このとき、伝導帯に生成した電子の還元力及び/又は価電子帯に生成した正孔の酸化力を利用して、光触媒活性を発現させることにより種々の化学反応を行うことができる。例えば、種々の有機物の酸化分解反応を挙げることができる。従って、この光触媒を洗濯処理後の洗濯物に残存した汚れ成分に付着させ、光照射をすることにより該汚れ成分を分解することができる。
本発明に有用に使用できる光触媒(a)としては、バンドギャップエネルギーが好ましくは1.2〜5.0eV、更に好ましくは1.5〜4.1eVの半導体化合物を挙げることができる。バンドギャップエネルギーが1.2eVより小さいと光照射による酸化、還元反応を起こす能力が非常に弱く好ましくない。バンドギャップエネルギーが5.0eVより大きいと、正孔と電子を生成させるのに必要な光のエネルギーが非常に大きくなるため好ましくない。
上記光触媒(a)の例としては、例えば、TiO2 、ZnO、SrTiO3 、CdS、GaP、InP、GaAs、BaTiO3 、BaTiO4 、BaTi4 9 、K2 NbO3 、Nb2 5 、Fe2 3 、Ta2 5 、K3 Ta3 Si2 3 、WO3 、SnO2 、Bi2 3 、BiVO4 、NiO、Cu2 O、SiC、MoS2 、InPb、RuO2 、CeO2 、Ta3 5 等、さらにはTi、Nb、Ta、Vから選ばれた少なくとも1種の元素を有する層状酸化物(例えば、特開昭62−74452号公報、特開平2−172535号公報、特開平7−24329号公報、特開平8−89799号公報、特開平8−89800号公報、特開平8−89804号公報、特開平8−198061号公報、特開平9−248465号公報、特開平10−99694号公報、特開平10−244165号公報等参照)を挙げることができる。
これらの光触媒(a)の中でTiO2 (酸化チタン)は無害であり、化学的安定性にも優れるため好ましい。酸化チタンとしては、アナターゼ、ルチル、ブルッカイトのいずれも使用できる。
また、本発明に使用する光触媒(a)として、可視光(例えば、約400〜800nmの波長)の照射により光触媒活性及び/又は親水性を発現することが出来る可視光応答型光触媒を選択すると、本発明の光触媒組成物で処理された光触媒部材は、室内等の紫外線が十分に照射されない場所等における環境浄化効果や防汚効果が非常に大きなものとなるため好ましい。これらの可視光応答型光触媒のバンドギャップエネルギーは、好ましくは1.2〜3.1eV、より好ましくは1.5〜2.9eV、更に好ましくは1.5〜2.8eVである。
上記可視光応答型光触媒は、可視光で光触媒活性及び/又は親水性を発現するものであれば全て使用することが出来るが、例えばTaON、LaTiO2 N、CaNbO2 N、LaTaON2 、CaTaO2 N等のオキシナイトライド化合物(例えば、特開2002−66333号公報参照)やSm2 Ti2 2 7 等のオキシサルファイド化合物(例えば、特開2002−233770号公報参照)、Ta3 5 等の窒化化合物、CaIn2 4 、SrIn2 4 、ZnGa2 4 、Na2 Sb2 6 等のd10電子状態の金属イオンを含む酸化物(例えば、特開2002−59008号公報参照)、アンモニアや尿素等の窒素含有化合物存在下でチタン酸化物前駆体(オキシ硫酸チタン、塩化チタン、アルコキシチタン等)や高表面酸化チタンを焼成して得られる窒素ドープ酸化チタン(例えば、特開2002−29750号公報、特開2002−87818号公報、特開2002−154823号公報、特開2001−207082号公報参照)、チオ尿素等の硫黄化合物存在下にチタン酸化物前駆体(オキシ硫酸チタン、塩化チタン、アルコキシチタン等)を焼成して得られる硫黄ドープ酸化チタン、酸化チタンを水素プラズマ処理したり真空下で加熱処理したりすることによって得られる酸素欠陥型の酸化チタン(例えば、特開2001−98219号公報参照)、さらには光触媒粒子をハロゲン化白金化合物で処理したり(例えば、特開2002−239353号公報参照)、タングステンアルコキシドで処理する(例えば、特開2001−286755号公報参照)ことによって得られる表面処理光触媒等を好適に挙げることができる。
上記可視光応答型光触媒の中でオキシナイトライド化合物、オキシサルファイド化合物
は可視光による光触媒活性が大きく、特に好適に使用することができる。
本発明において特に好適に使用できるオキシナイトライド化合物は、遷移金属を含むオキシナイトライドであり、光触媒活性が大きいものとして、好ましくは遷移金属がTa、Nb、Ti、Zr、Wからなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とするオキシナイトライドであり、より好ましくは、アルカリ、アルカリ土類及びIIIB族の金属からなる群から選択される少なくとも1つの元素を更に含むことを特徴とするオキシナイトライドであり、更に好ましくはCa、Sr、Ba、Rb、La、Ndからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属元素を更に含むことを特徴とするオキシナイトライドである。
上記遷移金属を含むオキシナイトライドの例としては、LaTiO2 N、Lav Caw TiO2 N(v+w=3)、Lav Caw TaO2 N(v+w=3)、LaTaON2 、CaTaO2 N、SrTaO2 N、BaTaO2 N、CaNbO2 N、CaWO2 N、SrWO2 N等の一般式AMOx y (A=アルカリ金属、アルカリ土類金属、IIIB族金属;M=Ta、Nb、Ti、Zr、W;x+y=3)で表される化合物やTaON、NbON、WON、Li2 LaTa2 6 N等を挙げることができる。これらの中で、LaTiO2 N、LaV CaW TiO2 N(v+w=3)、LaV CaW TaO2 N(v+w=3)、TaONが可視光での光触媒活性が非常に大きいため好ましい。
本発明において特に好適に使用できるオキシサルファイド化合物は、遷移金属を含むオキシサルファイドであり、光触媒活性が大きいものとして、好ましくは遷移金属がTa、Nb、Ti、Zr、Wからなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とするオキシサルファイドであり、より好ましくは、アルカリ、アルカリ土類及びIIIB族の金属からなる群から選択される少なくとも1つの元素を更に含むことを特徴とするオキシサルファイドであり、更に好ましくは希土類元素を更に含むことを特徴とするオキシサルファイドである。
上記遷移金属を含むオキシサルファイドの例としては、Sm2 Ti2 2 5 、Nd2 Ti2 2 5 、La6 Ti2 8 5 、Pr2 Ti2 2 5 、Sm3 NbS3 4 等を挙げることができる。これらの中で、Sm2 Ti2 2 5 、Nd2 Ti2 2 5 が可視光での光触媒活性が非常に大きいため非常に好ましい。
また、本発明における光触媒(a)として、アパタイト結晶中の金属イオンの一部を、光触媒作用を有する金属酸化物の金属イオン(例えば、チタンイオン等)とイオン交換してなる金属修飾アパタイト(特開2000−327315号広報参照)も、菌やウィルス、汚れ等に対する吸着特性が優れるため好適に使用できる。
更に、上述した光触媒(a)は、好適にPt、Rh、Ru、Nb、Cu、Sn、Ni、Feなどの金属及び/又はこれらの酸化物を添加あるいは固定化したり、多孔質リン酸カルシウム等で被覆した光触媒(例えば、特開平10−244166号公報参照)として使用することもできる。
上記光触媒(a)の結晶粒子径(1次粒子径)は1〜5000nmであることが好ましく、より好ましくは1〜500nmの光触媒が好適に選択される。
本発明に使用する光触媒(a)の形態としては、粉体、分散液、ゾルのいずれでも用いることが出来る。本発明における変性剤化合物(b)による変性処理は、効率性、均一性等の理由から光触媒ゾルまたは光触媒分散液を使用することが好ましい。ここで、本発明に用いる光触媒ゾルおよび光触媒分散液とは、光触媒粒子が水及び/又は有機溶媒中に0.01〜80質量%、好ましくは0.1〜50質量%で一次粒子及び/又は二次粒子として分散されたものである。
ここで、上記光触媒ゾルまたは光触媒分散液に使用される上記有機溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ブチルセロソルブ、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エタノール、メタノール等のアルコール類、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化合物類、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン等、さらにはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記光触媒ゾルとして酸化チタンのゾルを例にとると、例えば、実質的に水を分散媒とし、その中に酸化チタン粒子が解膠された酸化チタンヒドロゾル等を挙げることができる。ここで、「実質的に水を分散媒とする」とは、分散媒中に水が80質量%程度以上含有されていることを意味する。かかるゾルの調整は公知であり、容易に製造できる(例えば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等参照)。
例えば、硫酸チタンや四塩化チタンの水溶液を加熱加水分解して生成したメタチタン酸をアンモニア水で中和し、析出した含水酸化チタンを濾別、洗浄、脱水させると酸化チタン粒子の凝集物が得られる。この凝集物を、硝酸、塩酸、又はアンモニア等の作用の下に解膠させ水熱処理等を行うことにより酸化チタンヒドロゾルが得られる。また、酸化チタンヒドロゾルとしては、酸化チタン粒子を酸やアルカリの作用の下で解膠させたものや、酸やアルカリを使用せず、必要に応じてポリアクリル酸ソーダなどの分散安定剤を使用し、強力なせん断力の下で水中に分散させたゾルも用いることができる。さらに、pHが中性付近の水溶液中においても分散安定性に優れる粒子表面がペルオキソ基で修飾されたアナターゼ型酸化チタンゾルも、例えば、特開平10−67516号公報で提案された方法によって容易に得ることができる。
上述した酸化チタンヒドロゾルはチタニアゾルとして市販もされている。(例えば、石原産業株式会社製「STS−02」:商品名、田中転写株式会社製「TO−240」:商品名等)
上記酸化チタンヒドロゾル中の固形分は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下0.1質量%以上である。
また、酸化セリウムゾル(例えば、特開平8−59235号公報参照)やTi、Nb、Ta、Vよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を有する層状酸化物のゾル(例えば、特開平9−25123号公報、特開平9−67124号公報、特開平9−227122号公報、特開平9−227123号公報、特開平10−259023号公報等参照)等、様々な光触媒ゾルの製造方法についても酸化チタンゾルと同様に知られている。
さらに、本発明で好適に使用できる可視光応答型の光触媒ゾルも市販されている。(例えば、昭和電工(株)製「NTB−200」:商品名、住友化学工業(株)製「TSS−4110」:商品名等)
また、実質的に有機溶媒を分散媒とし、その中に光触媒粒子が分散された光触媒オルガノゾルは、例えば、上記光触媒ヒドロゾルをポリエチレングリコール類の如き相間移動活性を有する化合物(異なる第1の相と第2相との界面に第3の相を形成し、第1の相、第2の相、第3の相を相互に溶解及び/又は可溶化する化合物)で処理し有機溶媒で希釈したり(例えば、特開平10−167727号公報)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤で水に不溶性の有機溶剤中に分散移行させてゾルを調整する方法(例えば、特開昭58−29863号公報)やブチルセロソルブ等の水より高沸点のアルコール類を上記光触媒ヒドロゾルに添加した後、水を(減圧)蒸留等によって除去す
る方法等により得ることができる。
また、実質的に有機溶媒を分散媒とし、その中に酸化チタン粒子が分散された酸化チタンオルガノゾルも市販されている(例えば、テイカ株式会社製「TKS−251」:商品名)。ここで、実質的に有機溶媒を分散媒とするとは、分散媒中に有機溶媒が20質量%程度以上含有されていることを意味する。
本発明においては、用いる光触媒粒子(a)の性状が、変性光触媒(A)の洗濯処理後の洗濯物に残存した汚れ成分への付着性や該汚れ成分の分解性にとって重要な因子となる。本発明に使用される光触媒(a)としては、1次粒子と2次粒子との混合物(1次粒子、2次粒子何れかのみでも良い)の数平均分散粒子径が5μm以下、好ましくは800nm以下の光触媒粒子が望ましい。特に数平均分散粒子径が100nm以下の光触媒粒子を使用した場合、生成する変性光触媒(A)は洗濯処理後の洗濯物に残存した汚れ成分への付着性が良好となるため非常に好ましい。より好ましくは80nm以下3nm以上、さらに好ましくは50nm以下3nm以上の光触媒が好適に選択される。なお、従来、二酸化チタンなどで単に粒径として表示されている数値は、その多くは一次粒子の径(結晶粒子径)であり、凝集による二次粒子径を考慮した数値ではない。
本発明の洗濯処理後の洗濯物に残存した汚れ成分を分解するのに使用される光触媒は、光触媒(a)を珪素原子及び/又はフッ素原子を含有する変性剤化合物(b)を用いて変性処理された変性光触媒(A)である。
本発明において、光触媒(a)の変性剤化合物(b)による変性処理は、水及び/又は有機溶媒の存在、あるいは非存在下において、前述した光触媒(a)と変性剤化合物(b)を好ましくは質量比(a)/(b)=1/99〜99.99/0.01、より好ましくは(a)/(b)=1/99〜99.99/0.1、さらに好ましくは(a)/(b)=10/90〜99.9/0.1の割合で混合し、好ましくは0〜200℃、より好ましくは10〜80℃にて加熱、または(減圧)蒸留等により該混合物の溶媒組成を変化させる等の操作をすることにより得ることができる。
上記変性処理に使用できる有機溶媒としては、例えば、上述した光触媒ゾルまたは光触媒分散液に使用される有機溶媒を挙げることができる。
本発明の変性光触媒(A)を得るのに使用される上記変性剤化合物(b)としては、例えば、Si−H基、加水分解性シリル基(アルコキシシリル基、ヒドロキシシリル基、ハロゲン化シリル基、アセトキシシリル基、アミノキシシリル基等)、エポキシ基、アセトアセチル基、チオール基、酸無水物基等の光触媒粒子(a)と反応性を有する、ケイ素化合物、フルオロアルキル化合物、フルオロオレフィン重合体等を挙げることができる。
本発明に使用される変性剤化合物(b)としては、下式(1)で表される化合物(b1)を用いると、非常に効率よく光触媒(a)の粒子表面を変性することができる。さらに、生成する変性光触媒(A)は洗濯処理後の洗濯物に残存した汚れ成分への付着性が良好で、効率よく該汚れ成分を光照射により分解すると共に、変性剤が繊維を光触媒作用で分解するのを防止する機能を発現するため非常に好ましい。
x y z SiO(4-x-y-z)/2 (1)
〔式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基から選ばれた1種以上からなる基を表す。
Qは下式(2)で表される基又は下式(2)で表される基を含有する炭素数1〜30の有機基を表す。
−(O)a 1 O(R2 O)b 3 (2)
(式中、R1 、R2 は各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜10のアルキレン基を表す。R3 は、水素原子、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基を表す。aは0または1であり、bは1〜100の整数を表す。)
Xは各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、又はハロゲン原子を表す。また、0≦x<4、0≦y<4、0≦z<4、及び0<(x+y+z)<4である。〕
本発明において、式(1)で表される変性剤化合物(b)における上記式(2)の基として、変性光触媒(A)に汚れ成分への付着性を付与する点において特に数平均分子量が200〜5000の基が好適に選択できる。また、上記式(2)の基の変性剤化合物(b)中における含有量は、好ましくは1〜99質量%、さらに好ましくは5〜90質量%である。
本発明において上記式(2)の基として特に好適な具体例としては、例えば、数平均分子量200〜5000である、モノメチルポリオキシエチレン基、モノメチルポリオキシプロピレン基、モノメチルポリオキシテトラメチレン基、モノメチルポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)基、モノメチルポリ(オキシエチレン−オキシテトラメチレン)基等を例示することができる。
本発明において、光触媒(a)の変性に使用される変性剤化合物(b)としてSi−H基を含有するものを用いると、非常に効率よく光触媒(a)の粒子表面を変性することができるため好ましい。
上記Si−H基を有する変性剤化合物(b)の好ましい例として、例えば、式(3)及び/又は式(4)で表されるSi−H基含有化合物(b1)を例示することができる。
H−(R2 SiO)m −SiR2 −Q (3)
(式中、RおよびQは式(1)で定義した通りである。mは整数であり、0≦m≦1000である。)
(RHSiO)p 2 SiO)q RQSiO)r (R3 SiO1/2 s (4)
(式中、RおよびQは式(1)で定義した通りである。pは1以上の整数であり、q及びrは0又は1以上の整数であり、(p+q+r)≦10000であり、そしてsは0又は2である。但し、(p+q+r)が2以上の整数であり且つs=0の場合、該Hシリコーン化合物は環状シリコーン化合物であり、s=2の場合、該Hシリコーン化合物は鎖状シリコーン化合物である。)
本発明において、光触媒(a)の式(3)及び/又は式(4)で表されるSi−H基含有化合物(b1)による変性処理は、水及び/又は有機溶媒の存在、あるいは非存在下において、光触媒(a)と該Si−H基含有化合物(b1)を好ましくは質量比(a)/(b1)=1/99〜99.9/0.1、より好ましくは(a)/(b1)=10/90〜99/1の割合で好ましくは0〜200℃にて混合することにより実施できる。
この変性の操作により混合液からは水素ガスが発生すると共に、光触媒(a)として光触媒ゾルを用いた場合、その平均粒子径の増加が観察される。
また、光触媒(a)として酸化チタンを用いた場合、上記変性の操作により、Ti−OH基の減少がIRスペクトルにおける3630〜3640cm-1の吸収の減少、あるいは消失として観測される。
これらのことより、式(3)及び/又は式(4)で表されるSi−H基含有化合物(b1)で変性処理されてなる変性光触媒(A)はSi−H基含有化合物(b1)と光触媒(a)との単なる混合物ではなく、両者の間には化学反応に伴う何らかの相互作用を生じていることが予測できる。
実際、この様にして得られた変性光触媒(A)は、溶媒に対する分散安定性、化学的安
定性、耐久性等において非常に優れたものとなる。
本発明の変性光触媒(A)の好ましい形態は、変性光触媒の一次粒子と二次粒子(1次粒子、2次粒子何れかのみでも良い)との混合物の数平均分散粒子径が5μm以下、さらに好ましくは1nm以上800nm以下、特に好ましくは5nm以上100nm以下である、その形態はゾルまたは水分散体の状態であることが好ましい。数平均分散粒子径が小さいほど、少量で大きな面積をカバーでき、表面に付着したとき目立たないのでより望ましい。
本発明の変性光触媒(A)に増感色素を併用させると、洗濯処理後の洗濯物に残存した汚れ成分の変性光触媒(A)による太陽光による分解が非常に加速されるため好ましい。
ここで、増感色素とは、可視光領域に吸収を持つ種々の金属錯体や有機色素を示す。この様な増感色素としては、例えば、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、ローダシアニン系色素、スチリル系色素、ヘミシアニン系色素、メロシアニン系色素、フタロシアニン系色素(金属錯体を含む)、ポルフィリン系色素(金属錯体を含む)、トリフェニルメタン系色素、ペリレン系色素、コロネン系色素、アゾ系色素、ニトロフェノール系色素、さらには特開平1−220380号公報や特表平5−504023号公報に記載のルテニウム、オスミウム、鉄、亜鉛の錯体や、他にルテニウムレッド等の金属錯体を挙げることができる。
これらの増感色素の中で、400nm以上の波長領域で吸収を持ち、かつ最低空軌道のエネルギー準位(励起状態の酸化還元電位)が光触媒の伝導帯のエネルギー準位より高いものが好ましく選択される。このような分光増感色素の選択は、赤外・可視・紫外領域における光の吸収スペクトルの測定、電気化学的方法による酸化還元電位の測定(T.Tani,Photogr.Sci.Eng.,14,72(1970)等) 、分子軌道法を用いたエネルギー準位の算定(T.Tani,etal.,Photogr.Sci.Eng.,11,129(1967) 等) 、更には光触媒と分光増感色素によって作成したGratzel型湿式太陽電池の光照射による起電力の有無や効率等によって実施することができる。
この様な観点から見た好ましい増感色素の例としては、9−フェニルキサンテン骨格を有する化合物(フロオレセイン、エオシンY、エオシンB、ローズベンガル、ローダミンB、フロキシン、ピロガロール、ウラニン、アシッドレッド等)や2,2−ビピリジン誘導体を配位子として含むルテニウム錯体、ルテニウムレッド、ペリレン骨格を有する化合物、フタロシアニン系金属錯体、ポルフィリン系金属錯体等を挙げることができる。
本発明において増感色素を併用する場合、変性光触媒(A)と増感色素(D)との質量比は、好ましくは(A)/(D)=1/99〜99.999/0.001、より好ましくは(A)/(D)=50/50〜99.99/0.01である。
本発明の変性光触媒(A)は、溶媒あるいは分散媒を含有するものが洗濯物に残存した汚れ成分を処理する上で非常に好ましい。この際、該変性光触媒(A)が均一に溶媒に分散した状態が好ましい。また、溶媒あるいは分散媒の量としては、変性光触媒(A)の含有量が、好ましくは0.0001〜30質量%、より好ましくは0.001〜5質量%である。
本発明の変性光触媒(A)に好適に使用できる溶媒(あるいは分散媒)としては、例えば、水及び/又は有機溶剤を挙げることができる。
上記有機溶剤としては、上述した光触媒ゾルまたは光触媒分散液に使用される有機溶媒を挙げることができる。
本発明の変性光触媒(A)に好適に用いる溶媒(あるいは分散媒)としては、水及び/又はアルコールが好ましい。該アルコールとしては、エタノール、変性エタノール、グリ
セリン、アルキル鎖の炭素数3〜8のモノアルキルモノグリセリルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル又はジないしテトラエチレングリコールモノフェニルエーテルが好ましい。特に水/エタノール=95/5〜10/90質量比の混合物を溶媒(あるいは分散媒)として用いると、本発明の変性光触媒(A)の洗濯物に残存した汚れ成分への濡れ性が非常に良好になり好ましい。
また、本発明の変性光触媒(A)には、汚れ成分への濡れ性をさらに良好にする目的で、界面活性剤(G)を変性光触媒(A)に対して質量比(A)/(G)=99.99/0.01〜10/90で添加するのが好ましい。添加できる界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤の中から選ばれる少なくとも1種から適意選定するのが望ましい。
上記非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシプロピレンアルキルエステル、ポリエチレングリコールアルキルエステル、ポリプロピレングリコールアルキルエステル、アルキルアミンポリエチレングリコールエーテル、アルキルアミンポリプロピレングリコールエーテル、アルキルジアミンポリエチレングリコールエーテル、アルキルジアミンポリプロピレングリコールエーテル、アルキルアミドポリエチレングリコールエーテル、アルキルアミドポリプロレングリコールエーテル、アルキルアミンオキシド、アルキルアミドアミンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、フルオロアルキル基含有エチレンオキシド付加物、フルオロアルキル基含有プロピレンオキシド付加物、オルガノポリシロキサンエチレンオキシド付加物、オルガノポリシロキサンプロピレンオキシド付加物が挙げられる。アルキル基を含むものは炭素数6〜22のアルキル基が好ましい。
上記両性界面活性剤としては、イミダゾリニウムベタイン型、アミドプロピルベタイン型、グリシン型、アラニン型のものが挙げられる。
上記カチオン性界面活性剤としては、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、トリアルキルメチルアンモニウム塩、トリメチルフェニルアンモニウム塩、トリエチルフェニルアンモニウム塩、トリブチルフェニルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルジエチルベンジルアンモニウム塩、アルキルジブチルベンジルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウム塩、ジアルカノールポリエチレングリコールエーテルアルキルメチルアンモニウム塩、ジポリプロピレングリコールアルカノールエーテルアルキルメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、アルカノールアミン塩、ポリエチレングリコールアルカノールエーテルアミン塩、ポリプロレングリコールアルカノールエーテルアミン塩が挙げられる。アルキル基を含むものは炭素数6〜22のアルキル基が好ましい。
上記アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、アルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、メチルタウリン酸塩、アラニネート塩、スルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルカノール硝酸エステル、カルボン酸硝酸エステル、アルカノールリン酸エステル、フルオロアルキル基含有スルホン酸塩、フルオロアルキル基含有
カルボン酸塩、オルガノポリシロキサン含有スルホン酸塩、オルガノポリシロキサン含有カルボン酸塩が挙げられる。アルキル基を含むものは炭素数6〜22のアルキル基が好ましい。
また、本発明の変性光触媒(A)には、必要により香料、防カビ剤、キレート剤、酸化防止剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防腐剤等がそれぞれの目的に応じて選択、組み合わせて含有させることができる。
本発明の変性光触媒(A)は、光触媒(a)表面が光触媒活性によって骨格構造が変化しない変性剤化合物(b)で変性処理されているため、光触媒(a)が直接に繊維等に接触しにくいという特徴を有している。
本発明は、上述した変性光触媒(A)を、洗濯処理後の洗濯物に残存した汚れ成分に付着させ、光照射をすることにより該汚れ成分を分解させることを特徴とする。
一般に、洗濯は、被洗濯物を洗剤等で洗う洗濯工程と、洗い終えた洗濯物にきれいな水を供給する濯ぎ工程と、洗濯物から水を除去する脱水工程と、脱水された被洗濯物を乾燥する乾燥工程とに分けられる。
本発明における上記洗濯処理を施す範囲は、洗濯物の一部分でも全面でも良く、また、洗浄方法として、機械洗浄、手洗い洗浄、しみ取り等、洗浄方法は問わない。
本発明における洗濯処理後の洗濯物とは、上記脱水工程後の洗濯物であり、具体的には乾燥工程中、または乾燥工程後の洗濯物をいう。
洗濯処理後の洗濯物に残存した汚れ部分に光触媒を付着させる工程としては、例えば、物干しやハンガーなどに洗濯物を掛ける際や、洗濯物が干されている間、さらには乾いた洗濯物をたたんでいる時や収納されていた洗濯物を使用する際等、汚れが目にとまり易い状況下で、汚れに気づいた時でよい。
本発明において、変性光触媒(A)を洗濯処理後の洗濯物に残存した汚れ成分に付着させる方法としては、変性光触媒(A)の汚れ部分への噴霧や塗布または滴下等の簡便な操作を好適に例示することができる。具体的には、液化ガスと共に変性光触媒(A)や変性光触媒(A)分散液を容器に詰めて粉末状や液状にスプレーする方法や、変性光触媒(A)分散液をトリガーやディスペンサー方式でスプレー噴霧する方法や、容器のノズル部分を細くしてスポイトやドロッパー方式で滴下する方法、またはノズル部分を扁平に加工して排出量を制限しながら塗布する方法、ノズルの先端に多孔体やブラシ等を取り付けて塗布する方法等が挙げられる。
本発明において、汚れ成分を光触媒作用で分解するために照射する光としては、変性光触媒(A)のバンドギャップエネルギーよりも高いエネルギーを含む光や増感色素(D)の吸収光を含む光であれば良く、その光源としては、例えば、太陽光や街灯、常夜灯等の環境にある光源、さらには一般照明が利用できる。一般照明としては、蛍光灯、白熱電灯、メタルハライドランプ、ブラックライトランプ、キセノンランプ、水銀灯、LED等が好適に利用できる。
本発明の変性光触媒(A)を洗濯処理後の洗濯物に残存した汚れ成分に付着させる量は、特に限定されず任意の量でよいが、処理する面積に対して、好ましくは変性光触媒(A)を0.0001g/m2 〜10g/m2 であり、より好ましくは0.001g/m2 〜1g/m2 の範囲である。
以下の実施例、参考例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を何等限定するものではない。
実施例、参考例及び比較例中において、各種の物性は下記の方法で測定した。
1.粒径分布及び数平均粒子径
試料中の光触媒含有量が1〜20質量%となるよう適宜溶媒を加えて希釈し、湿式粒度分析計(日機装製マイクロトラックUPA−9230)を用いて測定した。
2.重量平均分子量
ポリスチレン標品を用いて作成した検量線を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって求めた。
GPCの条件は以下の通りである。
・装置:東ソー製HLC−8020LC−3A型クロマトグラフ
・カラム:TSKgelG1000HXL、TSKgelG2000HXLおよびTSKgelG4000HXL(いずれも東ソー製)を直列に接続して用いた。
・データ処理装置:島津製作所製CR−4A型データ処理装置
・移動相:テトラヒドロフラン
・流速:1.0ml/min.
・サンプル調製法
移動相に使用する溶媒で希釈(濃度は0.5〜2重量%の範囲で適宜調節した)して分析に供した。
3.赤外線吸収スペクトル
日本分光製FT/IR−5300型赤外分光計を用いて測定した。
[参考例1]
〔変性光触媒ヒドロゾル(A−1)の合成〕
還流冷却器、温度計および撹拌装置を取りつけた反応器に、メチルエチルケトン50gと、KF9901[メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーの商品名(信越化学工業(株)製)、Si−H基含量6.96mmol/g]50gを入れ、撹拌下80℃に昇温した。これにユニオックスPKA−5118[ポリオキシエチレンアリルメチルエーテルの商品名(日本油脂(株)製)、重量平均分子量800]25gと塩化白金(IV)酸六水和物の5重量%イソプロパノール溶液0.53gをメチルエチルケトン25gに溶解した溶液を80℃にて攪拌下約1時間かけて添加し、さらに80℃にて4時間攪拌を続けた後室温にまで冷却することにより、Si−H基含有ケイ素化合物(1)を含む溶液を得た。
得られたSi−H基含有ケイ素化合物(1)を含む溶液4gに水100gを加えると、微濁した均一水分散液となった。
また、得られたSi−H基含有ケイ素化合物(1)を含む溶液0.83gにブチルセロソルブ8gを添加・混合した後、1N水酸化ナトリウム水溶液8mlを添加すると、水素ガスが発生し、その体積は21℃において37.2mlであった。この水素ガス生成量から求めた、Si−H基含有ケイ素化合物(1)を含む溶液1g当りのSi−H基含量は1.82mmol/g(1gのKF9901当たりに換算したSi−H基含量は約5.5mmol/g)であった。
続いて、還流冷却器、温度計および撹拌装置を取りつけた反応器にTKS203[アナターゼ型酸化チタンゾルの商品名(テイカ(株)製)、中性、TiO2 濃度20質量%、平均結晶子径6nm(カタログ値)のもの]250gを入れ、これに合成したSi−H基含有ケイ素化合物(1)を含む溶液15gを室温30℃にて攪拌下約30分かけて添加し、さらに30℃にて10時間撹拌を続けた。この時、Si−H基含有ケイ素化合物(1)の反応に伴い生成した水素ガス量は21℃において190mlであった。得られた反応液からメチルエチルケトンを蒸留除去し、水を加えて酸化チタン濃度を20質量%となるように調整することにより、非常に分散性の良好な変性光触媒ヒドロゾル(A−1)を得た。
得られた変性光触媒ヒドロゾル(A−1)をKBr板上にコーティングしIRスペクトルを測定したところ、Ti−OH基の吸収(3630〜3640cm-1)の消失が観測された。
また、得られた変性光触媒ヒドロゾル(A−1)の粒径分布は単一分散(数平均粒子径は18nm)であり、さらに変性処理前のTKS203の単一分散(数平均粒子径は12nm)の粒径分布が大きな粒径側に平行移動していることが確認できた。
[参考例2]
〔変性光触媒ヒドロゾル(A−2)の合成〕
還流冷却器、温度計および撹拌装置を取りつけた反応器に、TKS203(参考例1と同じ)200gを入れ、23℃にて2−パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン2gを撹拌下約5分かけて添加し、2時間撹拌した。続いて、反応液を60℃に昇温した後3時間攪拌を続け、室温にまで冷却することにより変性光触媒ヒドロゾル(A−2)を得た。
得られた変性光触媒ヒドロゾル(A−2)の粒径分布は単一分散(数平均粒子径は23nm)であった。
[実施例1]
参考例1で得られた変性光触媒ヒドロゾル(A−1)12gを蒸留水108gで希釈し、155gのLPGと共に充填して容量500mlの変性光触媒ヒドロゾル(A−1)入りスプレー缶(C−1)を得た。
汗で汚れたYシャツを一般家庭用洗剤を用いて洗濯機で洗濯し、脱水した後、汗汚れが残ったYシャツの襟首にノズル径0.4mmを使用して変性光触媒ヒドロゾル(A−1)入りスプレー(C−1)を吹き付けた。
得られた変性光触媒ヒドロゾル(A−1)が付着したYシャツを3時間天日干ししたところ、Yシャツの襟首の残存汗汚れはほとんど消失した。また、その際のYシャツの襟首は、外観や手触りは全く変化がなかった。
この時、トプコン製UVR−2型紫外線強度計{受光部として、トプコン製UD−40型受光部(波長370〜490nmの光に対応)を使用}を用いて測定した天日干しの太陽光強度は2〜3mW/cm2 であった。
[実施例2]
参考例2で得られた変性光触媒ヒドロゾル(A−2)2gを蒸留水100gとエタノール100gで希釈した。
汗で汚れたYシャツを一般家庭用洗剤を用いて洗濯機で洗濯し、脱水した後、汗汚れが残ったYシャツの襟首に、上記希釈変性光触媒ヒドロゾル(A−2)0.5gを滴下した。
得られた変性光触媒ヒドロゾル(A−2)が付着したYシャツを3時間天日干ししたところ、Yシャツの襟首の残存汗汚れはほとんど消失した。また、その際のYシャツの襟首は、外観や手触りは全く変化がなかった。
この時、天日干しの太陽光強度は実施例1と同じであった。
[実施例3]
参考例1で得られた変性光触媒ヒドロゾル(A−1)12gにエオシンYの0.1質量%水溶液1.0gを添加し、蒸留水108gで希釈した。
汗で汚れたYシャツを一般家庭用洗剤を用いて洗濯機で洗濯し、脱水した後、汗汚れが残ったYシャツの襟首に、上記エオシンYを添加した希釈変性光触媒ヒドロゾル(A−1)0.5gを滴下した。
得られた変性光触媒ヒドロゾル(A−1)が付着したYシャツを3時間天日干ししたと
ころ、Yシャツの襟首の残存汗汚れは完全に消失した。また、その際のYシャツの襟首は、外観や手触りは全く変化がなかった。
この時、天日干しの太陽光強度は実施例1と同じであった。
[比較例1]
汗で汚れたYシャツを一般家庭用洗剤を用いて洗濯機で洗濯し、脱水した後、そのまま3時間天日干ししたところ、Yシャツの襟首には残存汗汚れが非常に目立つ状態であった。
本発明は、洗濯処理後の衣類や繊維加工品の残存汚れを効果的に解消する洗濯仕上げ方法として、一般家庭のみならず、工業的にも広く利用できる。

Claims (2)

  1. 光触媒(a)を珪素原子及び/又はフッ素原子を含有する変性剤化合物(b)を用いて変性処理された変性光触媒(A)を、洗濯処理後の洗濯物に残存した汚れ成分に付着させ、光照射をすることにより該汚れ成分を分解させることを特徴とする洗濯仕上げ方法。
  2. 珪素原子及び/又はフッ素原子を含有する変性剤化合物(b)が、下式(1)で表されることを特徴とする請求項1に記載の洗濯仕上げ方法。
    x y z SiO(4-x-y-z)/2 (1)
    〔式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基から選ばれた1種以上からなる基を表す。
    Qは下式(2)で表される基又は下式(2)で表される基を含有する炭素数1〜30の有機基を表す。
    −(O)a 1 O(R2 O)b 3 (2)
    (式中、R1 、R2 は各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜10のアルキレン基を表す。R3 は、水素原子、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基を表す。aは0または1であり、bは1〜100の整数を表す。)
    Xは各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、又はハロゲン原子を表す。また、0≦x<4、0≦y<4、0≦z<4、及び0<(x+y+z)<4である。〕
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