JP2006299410A - Ni3Si−Ni3Ti−Ni3Nb系複相金属間化合物,その製造方法,高温構造材料 - Google Patents

Ni3Si−Ni3Ti−Ni3Nb系複相金属間化合物,その製造方法,高温構造材料 Download PDF

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Abstract

【課題】室温から高温にかけての広範囲な温度域で強度が高い複相金属間化合物を提供する。
【解決手段】本発明によれば,Si:1〜10.5at%,Ti:5〜16at%,Nb:0〜10at%,B:0〜1000重量ppm,残部は不純物を除きNiからなり,かつL12相とD024相からなる2相共存の複相組織か,L12相,D024相及びD0a相からなる3相共存の複相組織を有する複相金属間化合物が提供される。
【選択図】図10

Description

本発明は,Ni3Si-Ni3Ti-Ni3Nb系複相金属間化合物及びその製造方法,並びにNi3Si-Ni3Ti-Ni3Nb系複相金属間化合物からなる高温構造材料に関する。
近年,エネルギー問題や資源の有効利用などから,熱効率の向上が求められている。熱効率を向上させるために,より高温で使用可能な高温構造材料が求められている。
現在の高温構造材料の主流はNi基超合金である。Ni基超合金は,その構成相の35vol%以上が金属相(γ相)である。Ni基超合金のような金属相を含んだ材料では,融点や高温クリープ強度を高めることは,難しいと考えられている。
現在の高温構造材料よりも高い融点や高温クリープ強度を有する高温構造材料を創製するために,金属間化合物を利用することが考えられる。なぜなら,金属間化合物の中には,強度の逆温度依存性を示すものがあり,逆温度依存性を示す金属間化合物を用いると融点や高温クリープ強度が高い高温構造材料を創製することができることが期待されるからである。
しかし,金属間化合物は,一般に,変形能が悪いので加工が困難であるという欠点を有している。また,室温から高温にかけての広範囲な温度域での強度をさらに高めることも望まれている。
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり,室温から高温にかけての広範囲な温度域で高い強度と変形能を有する複相金属間化合物(マルチインターメタリックス)を提供するものである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
すなわち,本発明によれば,Si:1〜10.5at%,Ti:5〜16at%,Nb:0〜10at%,B:0〜1000重量ppm,残部は不純物を除きNiからなり,かつL12相とD024相からなる2相共存の複相組織か,L12相,D024相及びD0a相からなる3相共存の複相組織を有する複相金属間化合物(以下,「金属間化合物」とも称する。)が提供される。
本発明者らは,上記構成の金属間化合物は,室温から高温にかけての強度と変形能が高くなることを見出し,本発明の完成に到った。
強度と変形能が高くなる理由は,必ずしも明らかではないが,(1)上記構成の金属間化合物に含まれるL12相(Ni3Si相)とD024相(Ni3Ti相)が,どちらも,高温(L12相(Ni3Si相)では約673K〜873Kまでの温度範囲、D024相(Ni3Ti相)では約1073K付近までの温度範囲)での強度が,室温での強度よりも高いという性質、すなわち強度の逆温度依存性を有していること,(2)L12相とD024相が,図3及び図4に示すような整合性のよい界面構造を形成することの2点がその要因であると考えられる。
本発明の金属間化合物は,室温から高温にかけての強度と変形能が優れているので,高温構造材料としても利用することができる。
なお,本明細書において,「〜」は,端の点を含む。
1.本発明の金属間化合物
本発明の一実施形態の金属間化合物は,Si:1〜10.5at%,Ti:5〜16at%,Nb:0〜10at%,B:0〜1000重量ppm,残部は不純物を除きNiからなり,かつL12相とD024相からなる2相共存の複相組織か,L12相,D024相及びD0a相からなる3相共存の複相組織を有する。
以下,この金属間化合物の各構成要素について説明する。
1−1.複相組織
まず,本実施形態の金属間化合物が有する複相組織について説明する。本明細書において,「複相」という用語は,複数の相,すなわち,2つ以上の相を意味している。
本実施形態の金属間化合物は,L12相とD024相からなる2相共存の複相組織か,L12相,D024相及びD0a相からなる3相共存の複相組織を有している。L12相は,Ni3Si相であり,その格子定数aは,0.3497nmである。D024相は,Ni3Ti相であり,その格子定数a及びcは,それぞれ,5.101nm及び0.8307nmである。D0a相は,Ni3Nb相であり,その格子定数a,b及びcは,それぞれ,0.5106nm,0.4251nm及び0.4553nmである。
2相共存の複相組織も3相共存の複相組織も,L12相とD024相を含んでいる。L12相とD024相は,図3及び図4に示すような整合性のよい界面構造を形成する。このように,L12相とD024相が整合性のよい界面構造を形成することが,本発明の金属間化合物の優れた強度及び変形能の要因になっていると考えられる。また,D0a相は,粒状になってL12相又はD024相からなるマトリックス中に分散していると考えられる。
1−2.Siの含有量,Tiの含有量,Nbの含有量
次に,本実施形態の金属間化合物に含まれるSiの含有量,Tiの含有量及びNbの含有量について説明する。
Siの含有量,Tiの含有量及びNbの含有量は,本実施形態の金属間化合物が2相共存の複相組織か3相共存の複相組織を有する範囲に設定すればよい。
本実施形態の金属間化合物が,後述する具体例でのNo.1〜No.5試料のような3相共存の複相組織を有するには,Si:3.1〜9.2at%,Ti:5.1〜11.2at%,Nb:3.1〜9.2at%にすることが好ましく,Si:3.6〜8.7at%,Ti:5.6〜10.7at%,Nb:3.6〜8.7at%にすることがさらに好ましく,Si:4.1〜8.2at%,Ti:6.1〜10.3at%,Nb:4.1〜8.2at%にすることがさらに好ましい。
また,本実施形態の金属間化合物が,後述する具体例でのNo.1〜No.3試料のような優れた強度及び伸びを有するには,Si:5.1〜9.2at%,Ti:5.1〜9.2at%,Nb:3.1〜9.2at%にすることが好ましく,Si:5.6〜8.7at%,Ti:5.6〜8.7at%,Nb:3.6〜8.7at%にすることがさらに好ましく,Si:6.1〜8.2at%,Ti:6.1〜8.2at%,Nb:4.1〜8.2at%にすることがさらに好ましい。
また,本実施形態の金属間化合物が,後述する具体例でのNo.2試料のような優れた強度,伸び及び酸化耐性を有するには,Si:7.2〜9.2at%,Ti:7.2〜9.2at%,Nb:3.1〜5.1at%にすることがさらに好ましく,Si:7.7〜8.7at%,Ti:7.7〜8.7at%,Nb:3.6〜4.6at%にすることがさらに好ましい。
次に,Siの含有量,Tiの含有量及びNbの含有量のそれぞれについて説明する。
Siの含有量は,1〜10.5at%であり,好ましくは,3.1〜9.2at%であり,さらに好ましくは,5.1〜9.2at%であり,さらに好ましくは,7.2〜9.2at%である。Siの具体的な含有量は,例えば,1.0,1.1,1.2,1.3,1.4,1.5,1.6,1.7,1.8,1.9,2.0,2.1,2.2,2.3,2.4,2.5,2.6,2.7,2.8,2.9,3.0,3.1,3.2,3.3,3.4,3.5,3.6,3.7,3.8,3.9,4.0,4.1,4.2,4.3,4.4,4.5,4.6,4.7,4.8,4.9,5.0,5.1,5.2,5.3,5.4,5.5,5.6,5.7,5.8,5.9,6.0,6.1,6.2,6.3,6.4,6.5,6.6,6.7,6.8,6.9,7.0,7.1,7.2,7.3,7.4,7.5,7.6,7.7,7.8,7.9,8.0,8.1,8.2,8.3,8.4,8.5,8.6,8.7,8.8,8.9,9.0,9.1,9.2,9.3,9.4,9.5,9.6,9.7,9.8,9.9,10.0,10.1,10.2,10.3,10.4又は10.5at%である。Siの含有量の範囲は,上記具体的な含有量として例示した数値の何れか2つの間であってもよい。
Tiの含有量は,5〜16at%であり,好ましくは,5.1〜11.2at%であり,さらに好ましくは,5.1〜9.2at%,さらに好ましくは,7.2〜9.2at%である。Tiの具体的な含有量は,5.0,5.1,5.2,5.3,5.4,5.5,5.6,5.7,5.8,5.9,6.0,6.1,6.2,6.3,6.4,6.5,6.6,6.7,6.8,6.9,7.0,7.1,7.2,7.3,7.4,7.5,7.6,7.7,7.8,7.9,8.0,8.1,8.2,8.3,8.4,8.5,8.6,8.7,8.8,8.9,9.0,9.1,9.2,9.3,9.4,9.5,9.6,9.7,9.8,9.9,10.0,10.1,10.2,10.3,10.4,10.5,10.6,10.7,10.8,10.9,11.0,11.1,11.2,11.3,11.4,11.5,11.6,11.7,11.8,11.9,12.0,12.1,12.2,12.3,12.4,12.5,12.6,12.7,12.8,12.9,13.0,13.1,13.2,13.3,13.4,13.5,13.6,13.7,13.8,13.9,14.0,14.1,14.2,14.3,14.4,14.5,14.6,14.7,14.8,14.9,15.0,15.1,15.2,15.3,15.1,15.5,15.6,15.7,15.2,15.9又は16.0at%である。Tiの含有量の範囲は,上記具体的な含有量として例示した数値の何れか2つの間であってもよい。
Nbの含有量は,0〜10at%であり,好ましくは,0.5〜10at%であり,さらに好ましくは,3.1〜9.2at%であり,さらに好ましくは,3.1〜5.1at%である。本発明の金属間化合物は,Nbを含んでいることが好ましいが,含んでいなくてもよい。Nbの具体的な含有量は,0.0,0.1,0.2,0.3,0.4,0.5,0.6,0.7,0.8,0.9,1.0,1.1,1.2,1.3,1.4,1.5,1.6,1.7,1.8,1.9,2.0,2.1,2.2,2.3,2.4,2.5,2.6,2.7,2.8,2.9,3.0,3.1,3.2,3.3,3.4,3.5,3.6,3.7,3.8,3.9,4.0,4.1,4.2,4.3,4.4,4.5,4.6,4.7,4.8,4.9,5.0,5.1,5.2,5.3,5.4,5.5,5.6,5.7,5.8,5.9,6.0,6.1,6.2,6.3,6.4,6.5,6.6,6.7,6.8,6.9,7.0,7.1,7.2,7.3,7.4,7.5,7.6,7.7,7.8,7.9,8.0,8.1,8.2,8.3,8.4,8.5,8.6,8.7,8.8,8.9,9.0,9.1,9.2,9.3,9.4,9.5,9.6,9.7,9.8,9.9又は10.0at%である。Nbの含有量の範囲は,上記具体的な含有量として例示した数値の何れか2つの間であってもよい。
1−3.Niの含有量
Niの含有量は,好ましくは77.5〜81.5at%であり,さらに好ましくは78〜82at%であり,さらに好ましくは78.5〜80.5at%である。Ni3Si相は結晶構造が立方晶系で,他の2つの相(Ni3Ti相とNi3Nb相)に比べて結晶構造が単純である。そのため,本発明の金属間化合物は,そのマトリックス(基本となる相)がNi3Si相であるとき強度と変形能(延性)に優れる。Ni3SiにTiが含まれるときは,NiとSiの比がちょうど3:1ではなく,79.5:20.5程度のときに金属間化合物相(L12相)になることが分かっている。従って,本発明の金属間化合物においても,Niの含有量は,79.5at%に近いことが好ましい。
Niの具体的な含有量は,77.5,77.6,77.7,77.8,77.9,78.0,78.1,78.2,78.3,78.4,78.5,78.6,78.7,78.8,78.9,79.0,79.1,79.2,79.3,79.4,79.5,79.6,79.7,79.8,79.9,80.0,80.1,80.2,80.3,80.4,80.5,80.6,80.7,80.8,80.9,81.0,81.1,81.2,81.3,81.4又は81.5at%である。Niの含有量の範囲は,上記具体的な含有量として例示した数値の何れか2つの間であってもよい。
1−4.Bの含有量
Bの含有量は,0〜1000重量ppmであり,好ましくは10〜1000重量ppmであり,さらに好ましくは10〜800重量ppm,さらに好ましくは25〜600重量ppm,さらに好ましくは50〜500重量ppmである。この程度の量のBを含有する場合に,本発明の金属間化合物の機械的及び化学的特性が向上するからである。本発明の金属間化合物は,Bを含んでいることが好ましいが,含んでいなくてもよい。
Bの具体的な含有量は,例えば0,10,20,25,30,40,50,75,100,125,150,175,200,225,250,275,300,325,350,375,400,425,450,475,500,525,550,575,600,625,650,675,700,725,750,775,800,825,850,875,900,925,950,975又は1000重量ppmである。Bの含有量の範囲は,上記具体的な含有量として例示した数値の何れか2つの間であってもよい。
1−5.金属間化合物の具体的組成
本発明の金属間化合物の具体的な組成は,例えば,
77.5Ni−10.5Si−12Ti,
(元素の前の数字は,at%を意味する。以下,同じ。)
77.5Ni−6.5Si−16Ti,
77.5Ni−10.5Si−7Ti−5Nb,
77.5Ni−6Si−11.5Ti−5Nb,
77.5Ni−1.5Si−16Ti−5Nb,
77.5Ni−7.5Si−5Ti−10Nb,
77.5Ni−4Si−8.5Ti−10Nb,
79.5Ni−10.5Si−10Ti,
79.5Ni−7Si−13.5Ti,
79.5Ni−4.5Si−16Ti,
79.5Ni−10.5Si−5Ti−5Nb,
79.5Ni−5Si−10.5Ti−5Nb,
79.5Ni−1Si−14.5Ti−5Nb,
79.5Ni−5.5Si−5Ti−10Nb,
81.5Ni−10.5Si−8Ti,
81.5Ni−6Si−12.5Ti,
81.5Ni−2.5Si−16Ti,
81.5Ni−8.5Si−5Ti−5Nb,
81.5Ni−4Si−9.5Ti−5Nb,又は
81.5Ni−1Si−12.5Ti−5Nbである。
また,本発明の金属間化合物の具体的な組成は,Bを含有する場合は,例えば,上記Ni,Si,Ti及びNbの具体的な組成に,「1−4.Bの含有量」で具体的に示した量のBを含有しているものである。
2.本発明の金属間化合物の製造方法
次に,本発明の金属間化合物の製造方法について説明する。ここでは,本発明の金属間化合物の製造方法の3つの実施形態を示す。本発明の金属間化合物は,以下の方法で製造したものに限定されない。
2−1.第1実施形態
本発明の第1実施形態の金属間化合物の製造方法は,Si:1〜10.5at%,Ti:5〜16at%,Nb:0〜10at%,B:0〜1000重量ppm,残部は不純物を除きNiからなる鋳塊を作製し,L12相とD024相からなる2相共存状態又はL12相,D024相及びD0a相からなる3相共存状態となる温度で均質化熱処理を行う工程を備える。
以下,この実施形態に含まれる各工程について詳述する。
2−1−1.鋳塊作製工程
本発明の対象である鋳塊は,Si:1〜10.5at%,Ti:5〜16at%,Nb:0〜10at%,B:0〜1000重量ppm,残部は不純物を除きNiからなる。
最終的に得られる,本発明の金属間化合物の組成は,鋳塊の組成と実質的に同じなので,上記「1.本発明の金属間化合物」での各元素の含有量についての説明は,鋳塊にも当てはまる。
鋳塊の作製方法は,限定されないが,例えば,原料(Si,Ti,Nb,Ni及びB)をアーク溶解炉で溶解し,これを鋳造することによって作製することができる。アーク溶解炉で使用する電極には,例えば,非消耗タングステン電極を用いることができ,鋳型には,例えば,水冷式銅ハースを用いることができる。鋳塊は,上記以外の方法で作製してもよく,例えば,高周波熔解といった方法が挙げられる。
2−1−2.均質化熱処理工程
次に,作製した鋳塊に対して,均質化熱処理を施す。
均質化熱処理は,合金元素の偏析を無くすとともに,凝固時の非平衡相を消失させるために,安定相であるL12相とD024相からなる2相共存状態又はL12相,D024相及びD0a相からなる3相共存状態となる温度で行う。2相共存状態になるか,3相共存状態になるのかは,鋳塊の組成によって決まる。鋳塊の組成が図1に示す1323Kの状態図の領域Aのような2相共存領域に位置する場合は,2相共存状態になり,鋳塊の組成が図1に示す1323Kの状態図の領域Bのような3相共存領域に位置する場合は,3相共存状態になる。
均質化熱処理の温度は,特に限定されないが,2相共存又は3相共存状態にするためには,1348K以下が好ましい。これよりも高い温度(例えば,1373K以上の温度)にすると,D024相がL12相に固溶してL12相からなる単相状態又はL12相及びD0a相からなる2相共存状態となるからである。
均質化熱処理の温度の下限は,特にないが,均質化熱処理の温度は,1073K以上が好ましい。これよりも低い温度では,均質化に長時間かかるからである。
均質化熱処理の具体的な温度は,例えば,1073,1098,1123,1148,1173,1198,1223,1248,1273,1298,1323又は1348Kである。均質化熱処理の温度の範囲は,上記具体的な温度として例示した数値の何れか2つの間であってもよい。
均質化熱処理を行う時間は,特に限定されず,鋳塊全体の組成を均質化するのに必要な時間だけ行えばよい。均質化熱処理を行う具体的な時間は,例えば,12,24,36,48,60,72,84,96,108,120,132,144,156,168,180,192,204,216,228又は240時間である。均質化熱処理の時間の範囲は,上記具体的な時間として例示した数値の何れか2つの間であってもよい。
均質化熱処理の後は,自然冷却又は強制冷却によって,室温にまで鋳塊を冷却してもよい。冷却は,自然冷却であってもよく,水焼入れ等による強制冷却であってもよい。自然冷却は,例えば,均質化熱処理後に熱処理炉から鋳塊を取り出して室温に放置することによって行ってもよいし,均質化熱処理後に熱処理炉のヒーター電源を落として,そのまま熱処理炉内に鋳塊を放置することによって行ってもよい。
以上の工程により,本発明の金属間化合物が得られる。
2−2.第2実施形態
本発明の第2実施形態の金属間化合物の製造方法は,Si:1〜10.5at%,Ti:5〜16at%,Nb:0〜10at%,B:0〜1000重量ppm,残部は不純物を除きNiからなる鋳塊を作製し,L12相からなる単相状態又はL12相及びD0a相からなる2相共存状態となる温度で,均質化熱処理を兼ねた第1熱処理を行い,L12相とD024相からなる2相共存状態又はL12相,D024相及びD0a相からなる3相共存状態となる温度で第2熱処理を行う工程を備える。
以下,この実施形態に含まれる各工程について詳述する。
2−2−1.鋳塊作製工程,第1熱処理工程
鋳塊は,第1実施形態で説明した方法で作製することができる。作製した鋳塊に対して,L12相からなる単相状態又はL12相及びD0a相からなる2相共存状態となる温度で,均質化熱処理を兼ねた第1熱処理を行う。
単相状態となるか,2相共存状態となるかは,鋳塊の組成や第1熱処理の温度によって決まる。D024相がL12相に固溶する温度は,D0a相がL12相に固溶する温度よりも低い。従って,第1熱処理の温度が,D0a相がL12相に固溶する温度よりも高いとき,鋳塊は,L12相からなる単相状態になる。一方,第1熱処理の温度が,D024相はL12相に固溶するがD0a相はL12相に固溶しないような温度である場合,単相状態となるか,2相共存状態となるかは,鋳塊の組成による。鋳塊の組成が,図1に示す1323Kの状態図の領域Aのような2相共存領域に位置する場合は,L12相からなる単相状態になり,鋳塊の組成が図1に示す1323Kの状態図の領域Bのような3相共存領域に位置する場合は,L12相及びD0a相からなる2相共存状態となる。
上記観点から,第1熱処理は,D024相がL12相に固溶する温度より高い温度で行い,D0a相がL12相に固溶する温度よりも高い温度で行うことが好ましい。
後に示す実施例によれば,1373Kでの熱処理によってD024相がL12相に固溶することが分かっている。従って,第1熱処理は,1373K以上の温度で行うことが好ましい。但し,D024相がL12相に固溶する温度であれば,1373Kよりも低い温度であってもよい。このように,第1熱処理では,D024相をL12相に固溶させるので,第1熱処理は,溶体化熱処理とも呼ぶことができる。
第1熱処理の温度の上限は,特にないが,鋳塊の固相線温度以下の温度で行うことが好ましい。鋳塊の固相線温度は,組成によって変化し,具体的な値は,実験によって適宜決定されるが,1523Kよりも高いと考えられる。従って,均質化熱処理は,1523K以下の温度で行うことが好ましい。
以上より,第1熱処理は,1373〜1523Kで行うことが好ましい。第1熱処理の具体的な温度は,例えば,1373,1398,1423,1448,1473,1498又は1523Kである。第1熱処理の温度の範囲は,上記具体的な温度として例示した数値の何れか2つの間であってもよい。
第1熱処理の時間は,特に限定されないが,第1熱処理は,均質化熱処理を兼ねているので,第1熱処理は,鋳塊の組成が均質化され,かつD024相をL12相に固溶させるのに必要な時間行う必要がある。第1熱処理の具体的な時間は,例えば,12,24,36,48,60,72,84,96,108,120,132,144,156,168,180,192,204,216,228又は240時間である。第1熱処理の時間の範囲は,上記具体的な時間として例示した数値の何れか2つの間であってもよい。
2−2−2.第2熱処理工程
次に,L12相とD024相からなる2相共存状態又はL12相,D024相及びD0a相からなる3相共存状態となる温度で第2熱処理を行う。
2相共存状態又は3相共存状態となる温度とは,第1熱処理の際にL12相に固溶したD024相が析出する温度である。2相共存状態になるか,3相共存状態になるのかについては,「2−1−2.均質化熱処理工程」の項で説明した通りである。
第2熱処理は,第1熱処理の際にL12相に固溶したD024相を析出させることを目的に行う熱処理であり,時効熱処理と呼ぶことができる。
第2熱処理の温度は,特に限定されないが,2相共存又は3相共存状態にするためには,1348K以下が好ましい。これよりも高い温度(例えば,1373K以上の温度)にすると,D024相がL12相に固溶してL12相からなる単相状態又はL12相及びD0a相からなる2相共存状態となるからである。
第2熱処理の温度の下限は,特にないが,第2熱処理の温度は,1073K以上が好ましい。これよりも低い温度では,D024相の析出に長時間かかるからである。
第2熱処理の具体的な温度は,例えば,1073,1098,1123,1148,1173,1198,1223,1248,1273,1298,1323又は1348Kである。第2熱処理の温度の範囲は,上記具体的な温度として例示した数値の何れか2つの間であってもよい。
第2熱処理を行う時間は,特に限定されず,D024相を析出させるのに必要な時間だけ行えばよい。第2熱処理を行う具体的な時間は,例えば,6,12,18,24,30,36,42,48,54,60,66,72,78,84,90又は96時間である。第2熱処理の時間の範囲は,上記具体的な時間として例示した数値の何れか2つの間であってもよい。
第2熱処理の温度と時間の組み合わせは,例えば1073K−6時間,1073K−12時間,1073K−24時間,1073K−48時間,1073K−72時間,1073K−96時間,1123K−6時間,1123K−12時間,1123K−24時間,1123K−48時間,1123K−72時間,1123K−96時間,1173K−6時間,1173K−12時間,1173K−24時間,1173K−48時間,1173K−72時間,1173K−96時間,1223K−6時間,1223K−12時間,1223K−24時間,1223K−48時間,1223K−72時間,1223K−96時間,1273K−6時間,1273K−12時間,1273K−24時間,1273K−48時間,1273K−72時間,1273K−96時間,1348K−6時間,1348K−12時間,1348K−24時間,1348K−48時間,1348K−72時間又は1348K−96時間である。
鋳塊の強度を向上させるという目的からは,第2熱処理の温度は,好ましくは1123〜1323K,さらに好ましくは1173K〜1273K,さらに好ましくは1198〜1248Kであり,第2熱処理の温度は,好ましくは6〜60時間,さらに好ましくは12〜48時間である。
第2熱処理の後は,自然冷却又は強制冷却によって,室温にまで鋳塊を冷却してもよい。冷却は,自然冷却であってもよく,水焼入れ等による強制冷却であってもよい。自然冷却は,例えば,第2熱処理に熱処理炉から鋳塊を取り出して室温に放置することによって行ってもよいし,第2熱処理に熱処理炉のヒーター電源を落として,そのまま熱処理炉内に鋳塊を放置することによって行ってもよい。
以上の工程により,本発明の金属間化合物が得られる。
3−2.第3実施形態
本発明の第3実施形態の金属間化合物の製造方法は,Si:1〜10.5at%,Ti:5〜16at%,Nb:0〜10at%,B:0〜1000重量ppm,残部は不純物を除きNiからなる鋳塊を作製し,L12相とD024相からなる2相共存状態又はL12相,D024相及びD0a相からなる3相共存状態となる温度で均質化熱処理を行い,L12相からなる単相状態又はL12相及びD0a相からなる2相共存状態となる温度で第1熱処理を行い,L12相とD024相からなる2相共存状態又はL12相,D024相及びD0a相からなる3相共存状態となる温度で第2熱処理を行う工程を備える。
この実施形態は,第2実施形態に類似しているが,第2実施形態とは違って,第1熱処理の前に予め均質化熱処理を行っている点において第2実施形態とは相違している。この実施形態に含まれる,均質化熱処理,第1熱処理及び第2熱処理工程は,それぞれ,第1実施形態又は第2実施形態の項で説明した通りである。
この実施形態では,第1熱処理は均質化熱処理を兼ねる必要が無いので,第1熱処理の時間を比較的短くすることができ,第1熱処理は,D024相をL12相に固溶させるのに必要な時間行えばよい。第1熱処理の具体的な時間は,例えば,6,12,18,24,30,36,42,48,54,60,66,72,78,84,90又は96時間である。第1熱処理の時間の範囲は,上記具体的な時間として例示した数値の何れか2つの間であってもよい。
以下,本発明の金属間化合物の具体例について説明する。
1.鋳塊作製工程
まず,表1に示す11種類の組成になるようにNi,Si,Ti,Nbの地金(それぞれ純度99.9重量ppm)を秤量し,アーク溶解炉で溶解し,溶湯を鋳型に流し込んで鋳塊からなる試料を作製した。また,No.2〜No.4の組成に,B(ボロン)を50重量ppm添加した組成の鋳塊からなる試料(それぞれ,No.2B試料,No.3B試料,No.4B試料と呼ぶ。)も,上記方法で作製した。また,No.2の組成に,Bを100重量ppm又は500重量ppmを添加した組成の鋳塊からなる試料(それぞれ,No.2B(100)試料,No.2B(500)試料と呼ぶ。)も,上記方法で作製した。
アーク溶解炉の雰囲気は,まず,溶解室内を真空排気し,その後不活性ガス(アルゴンガス)に置換した。電極は,非消耗タングステン電極を用い,鋳型には水冷式銅ハースを使用した。
2.均質化熱処理工程
次に,上記工程で得られた試料に対して均質化熱処理を行った。均質化熱処理は,真空中で1323K−48時間の条件で行った。均質化熱処理の後は,ヒーター電源を切った熱処理炉中に試料を放置し,室温程度まで試料が冷えたところで試料を熱処理炉から取り出した。
2−1.状態図作成
次に,SEMによる組成像の観察とX線測定によって,No.1〜No.11試料の構成相を調べた。その結果を表1に示す。表1によると,No.1〜No.5試料は,L12相,D024相及びD0a相からなる3相共存の複相組織を有しており,No.6〜No.8試料は,L12相及びD024相からなる2相共存の複相組織を有していたことが分かる。また,No.9試料は,D024相からなる単相組織を有し,No.10及びNo.11試料は,D024相及びD0a相からなる2相共存の複相組織を有していたことが分かる。
次に,SEM−EPMA(Scanning Electron Microscope - Electron Probe Micro Analyzer)により,各構成相の分析を行った。
以上の観察及び分析の結果に基づいて,1323KでのNi3Si−Ni3Ti−Ni3Nb擬三元系状態図を作成した。この状態図を図1に示す。図1において,L12相及びD024相からなる2相共存領域には,「領域A」と表示し,L12相,D024相及びD0a相からなる3相共存領域には,「領域B」と表示した。図1の三角形の各辺には,大小2種類の目盛りを付したが,大目盛り1つは,2.05at%の含有量を示し,小目盛り1つは,大目盛り1つの半分の含有量を示す。
2−2.組織観察
(1)SEM(scanning electron microscope)による組織観察
次に,均質化熱処理後のNo.1〜No.5試料についてSEMによる組織観察を行った。その結果を図2(a)〜(e)に示す。図2(a)〜(e)は,それぞれ,(a)No.1試料,(b)No.2試料,(c)No.3試料,(d)No.4試料,(e)No.5試料のSEM組成像を示す。図2(a),(b)の組成像において,黒色の部分がL12相(Ni3Si相),灰色の部分がD024相(Ni3Ti相),白色の部分がD0a相(Ni3Nb相)である。マトリックスであるL12相中に,針状もしくは板状のD024相と粒状D0a相が分散した組織であった。
次に,均質化熱処理後のNo.2B〜No.4B試料についてSEMによる組織観察を行った。しかし,B添加による組織変化は見られなかった。
(2)TEM(transmission electron microscope)による組織観察
次に,均質化熱処理後のNo.2試料についてTEMによる組織観察を行った。その結果を図3(a),(b)及び図4に示す。図3(a),(b)は,それぞれ,均質化熱処理後のNo.2試料についての,(a)TEM−明視野画像,(b)制限視野回折パターン(SADP, Selected Area Diffraction Pattern)である。TEMによる組織観察で使用されたビーム方向は,[011]L12である。また,図4は,図3(a)のTEM−明視野画像内のL12相とD024相との界面付近を拡大した高分解能写真である。
図3(a)及び図4を参照すると,マトリックスであるL12相と針状のD024相は,下記に示す方位関係を持つことが分かった。
[011]L12//[112-0]D024 (111)L12//(0001)D024
(2-は,「2」の上に「−」がある状態を示す。以下,同じ。)
これはTiAlにおけるラメラ界面での方位関係と同様で,お互いに最稠密方向を平行に最稠密面同士が接している界面構造である。
図3(a)及び図4から明らかなように,L12相とD024相は,整合性のよい界面構造を形成することが分かる。
2−3.圧縮試験
次に,均質化熱処理後のNo.1〜No.5試料について,圧縮試験を行った。圧縮試験は,常温〜1273Kの範囲で,2×2×5mm3の角状の試験片を用いて,真空中,ひずみ速度3.3×10-4-1の条件で行った。
その結果を図5に示す。図5は,均質化熱処理後のNo.1〜No.5試料についての圧縮試験から得られた温度と降伏応力との関係を示すグラフである。
図5のグラフによると,873Kまでは全ての試料が高い0.2%降伏応力(0.2%耐力)を示し,1073K以上の温度ではNo.2の試料が高い0.2%降伏応力を示したことが分かる。
図5のグラフで注目すべきなのは,均質化熱処理後のNo.1〜No.5試料の全てが,室温から高温にかけての全温度範囲で圧縮試験を問題なく行うことができたことである。一般に,金属間化合物は変形能が乏しく,圧縮変形能すら示さないものが多いので,図5のグラフは,本発明の金属間化合物が高い変形能を有していることを示している。
2−4.引張試験
(1)No.1〜No.5試料の引張試験
次に,均質化熱処理後のNo.1〜No.5試料について,引張試験を行った。引張試験は,常温〜1173Kの範囲で,ゲージ部が10×2×1mm3の試験片を用いて,真空中,ひずみ速度1.67×10-4-1の条件で行った。
その結果を図6及び図7に示す。図6は,均質化熱処理後のNo.1〜No.5試料についての,温度と最大引張強度との関係を示すグラフである。図7は,均質化熱処理後のNo.1〜No.5試料についての,温度と伸びとの関係を示すグラフである。
図6によると,全ての試料が,高い引張強度を示し,No.1〜No.3試料が特に高い引張強度を示したことが分かる。全ての試料が高い引張強度を示したのは,L12相とD024相が共に室温より高温で高いという強度の逆温度依存性を有しているため,さらには,整合性のよい界面構造を形成することに起因していると考えられる。また,No.1〜No.3試料が特に高い引張強度を示したのは,これらの試料ではSiの含有量が比較的多かったことに起因すると考えられる。1173Kでは,No.2試料が最も高い引張強度を示した。
伸びに関しては,図7によると,No.1〜No.3試料が高い伸びを示したことが分かる。No.1〜No.3試料が高い伸びを示したのは,これらの試料ではSiの含有量が比較的多かったことに起因すると考えられる。
一般に,金属間化合物は延性が乏しく,引張試験を行うことすらできないものがほとんどなので,No.1〜No.3試料が高い伸びを示したのは,驚くべき結果である。
(2)No.2B〜No.4B試料の引張試験
次に,均質化熱処理後のNo.2B〜No.4B試料について,引張試験を行った。引張試験は,常温〜1173Kの範囲で,ゲージ部が10×2×1mm3の試験片を用いて,真空中,ひずみ速度1.67×10-4-1の条件で行った。
B添加の効果を調べるために,No.2B〜No.4B試料について引張試験の結果と,No.2〜No.4試料について引張試験の結果を比較した。比較のためのグラフを図8及び図9に示す。図8は,均質化熱処理後の,No.2試料〜No.4試料,及びそれぞれの試料にBを添加したNo.2B〜No.4B試料についての,温度と最大引張強度との関係を示すグラフである。図9は,均質化熱処理後の,No.2試料〜No.4試料,及びBを含有するNo.2B〜No.4B試料についての,温度と伸びとの関係を示すグラフである。
図8及び図9を参照すると,No.2試料については,Bを添加することによって,引張強度と伸びの両方が大きく向上したことが分かる。No.2試料は,伸びに関しては,全温度域で約15%という優れた結果を示した。No.3試料については,Bを添加することによって,一部の温度範囲において,引張強度と伸びの両方が向上したことが分かる。No.4試料については,Bを添加しても,引張強度と伸びの何れも実質的に向上しなかったことが分かる。
このような結果が得られたのは,No.4試料,No.3試料,No.2試料の順でSi含有量が増えていることに起因していると考えられる。
次に,No.2B試料の引張試験の結果と,汎用Ni合金であるINCONEL 600及びINCONEL X750についての引張試験の結果との比較を行った。その結果を図10に示す。図10は,均質化熱処理後のNo.2B試料と,汎用Ni合金であるINCONEL600及びINCONELX750についての,温度と最大引張強度との関係を示すグラフである。図10において,汎用Ni合金についてのデータは,「Metals Handbook Ninth Edition Vol. 3, ASM, pp. 187-333, (1980)」に掲載されているものを用いた。
図10によると,No.2B試料は,現在実用化されている汎用Ni合金よりも高い引張強度を示したことが分かる。特に,1173Kといった高温域においても,No.2B試料は,高い引張強度を維持していることから,高温構造材料としての応用が期待できる。
(3)No.2B(100)試料及びNo.2B(500)試料の引張試験
次に,均質化熱処理後のNo.2B(100)試料及びNo.2B(500)試料について,引張試験を行った。引張試験は,引張試験は,常温〜1173Kの範囲で,ゲージ部が10×2×1mm3の試験片を用いて,真空中,ひずみ速度1.67×10-4-1の条件で行った。
Bの添加量による効果の違いを調べるために,B添加なしの試料(No.2試料),Bを50重量ppm添加した試料(No.2B試料),Bを100重量ppm添加した試料(No.2B(100)試料),Bを500重量ppm添加した試料(No.2B(500)試料)についての結果を互いに比較した。比較のためのグラフを図11及び図12に示す。図11は,均質化熱処理後の,No.2試料と,50重量ppm,100重量ppm及び500重量ppmのBをそれぞれ含有するNo.2試料についての,温度と最大引張強度との関係を示すグラフである。図12は,均質化熱処理後の,No.2試料と,50重量ppm,100重量ppm及び500重量ppmのBをそれぞれ含有するNo.2試料についての,温度と伸びとの関係を示すグラフである。
図11及び図12を参照すると,Bを添加した3種類の試料の何れもが,Bを添加していない試料よりも,引張強度及び伸びの両方において優れていたことが分かる。また,100重量ppm又は500重量ppmのBを添加した試料は,引張強度に関しては,50重量ppmのBを添加した試料と同等の結果を示し,伸びに関しては,50重量ppmのBを添加した試料と同等か若干劣る結果を示した。従って,Bは,50重量ppm程度添加すれば十分であることが分かった。
2−5.酸化試験
(1)No.1〜No.5試料の酸化試験
次に,均質化熱処理後のNo.1〜No.5試料について,酸化試験を行った。酸化試験は,TG−DTA(Thermogravimetry - Differential Thermal Analysis)により行った。具体的には,酸化試験は,2×2×2mm3の試験片を1273Kで大気暴露したときの,試料の単位表面積当たりの質量増加を測定することによって行った。
その結果を図13に示す。図13は,均質化熱処理後のNo.1〜No.5試料についての,1273Kでの大気暴露時間と質量増加との関係を示すグラフである。
図13によると,No.2試料では,その他の試料と比べて,質量増加が小さかったことが分かる。これは,No.2試料の耐酸化性が優れていたことを示している。
次に,No.2試料の耐酸化性が優れていた理由を調べるために,酸化試験で形成された酸化膜の断面をSEM−EPMAにより観察した。さらに,X線を用いて,酸化試験で形成された酸化膜の組成の分析を行った。その結果,No.2試料においては,試料の酸化されていない部分と,酸化膜との界面に,連続したSiO2の保護性酸化膜が形成されていたことが分かった。
No.2試料においてSiO2の保護性酸化膜が形成されたのは,No.2試料が,8.2at%という比較的多量のSiを含有していたことに起因していると考えられる。
(2)No.2B〜No.4B試料の酸化試験
次に,均質化熱処理後のNo.2B〜No.4B試料について,酸化試験を行った。酸化試験は,TG−DTAにより行った。具体的には,酸化試験は,2×2×2mm3の試験片を1273Kで大気暴露したときの,試料の単位表面積当たりの質量増加を測定することによって行った。
B添加の効果を調べるために,No.2B〜No.4B試料について酸化試験の結果と,No.2〜No.4試料について酸化試験の結果を比較した。比較のためのグラフを図14に示す。図14は,均質化熱処理後の,No.2試料〜No.4試料,及びBを含有するNo.2B〜No.4B試料についての,1273Kでの大気暴露時間と質量増加との関係を示すグラフである。
図14によると,No.2試料では,Bの添加により耐酸化性が改善したが,No.3試料及びNo.4試料では,Bを添加しても耐酸化性が改善しなかったことが分かる。また,図14のような両対数のグラフにおいて,定常的な酸化が起こっている時間域での曲線の傾きを求めると,No.2試料で0.44,No.3試料で0.49,No.4試料で0.48となっていた。曲線の傾きが0.5のときに体拡散により酸化が律速されていると考えられるので,No.3試料とNo.4試料は体拡散により酸化が律速されていると考えられ,No.2試料は表面拡散や粒界拡散により酸化が律速されていると考えられる。従って,B添加によるNo.2試料の耐酸化性の改善は,Bの粒界偏析により,粒界拡散が抑制されることに起因していると考えられる。
(3)No.2B(100)試料及びNo.2B(500)試料の酸化試験
次に,均質化熱処理後のNo.2B(100)試料及びNo.2B(500)試料について,酸化試験を行った。酸化試験は,TG−DTAにより行った。具体的には,酸化試験は,2×2×2mm3の試験片を1273Kで大気暴露したときの,試料の単位表面積当たりの質量増加を測定することによって行った。
Bの添加量による効果の違いを調べるために,B添加なしの試料(No.2試料),Bを50重量ppm添加した試料(No.2B試料),Bを100重量ppm添加した試料(No.2B(100)試料),Bを500重量ppm添加した試料(No.2B(500)試料)についての結果を互いに比較した。比較のためのグラフを図15に示す。図15は,均質化熱処理後の,No.2試料と,50重量ppm,100重量ppm,500重量ppmのBをそれぞれ含有するNo.2試料についての,1273Kでの大気暴露時間と質量増加との関係を示すグラフである。
図15によると,Bを添加した3種類の試料の何れもが,Bを添加していない試料よりも,耐酸化性が優れていたことが分かる。また,100重量ppm又は500重量ppmのBを添加した試料は,50重量ppmのBを添加した試料と同等の耐酸化性を示した。従って,Bは,50重量ppm程度添加すれば十分であることが分かった。
3.第1熱処理(溶体化熱処理)工程,第2熱処理(時効熱処理)工程
均質化熱処理後のNo.2試料に対して,1373K−2日間の第1熱処理を行った。
次に,1223Kで第2熱処理を行った。第2熱処理時間が試料の組織又はビッカース硬さに及ぼす影響を調べるために,第2熱処理の時間は,12時間,24時間,48時間,72時間又は96時間と変化させた。第2熱処理は,試料を石英管に真空封入し,所定の時間熱処理炉中に保持し,その後,石英管を水中で破壊することによって試料を水冷した。
(1)SEMによる組織観察
第1熱処理後(第2熱処理なし)のNo.2試料,及び,12時間,24時間,48時間の第2熱処理後のNo.2試料について,SEMによる組織観察を行った。その結果を図16(a)〜(d)に示す。図16(a)〜(d)は,それぞれ,(a)第1熱処理後(第2熱処理なし)のNo.2試料,(b)1223K−12時間の第2熱処理後のNo.2試料,(c)1223K−24時間の第2熱処理後のNo.2試料,(d)1223K−48時間の第2熱処理後のNo.2試料についてのSEM像を示す。
図16(a)では,試料は,実質的にL12相のみからなる。これは,第1熱処理によって,D024相及びD0a相がL12相に固溶したためであると考えられる。なお,D0a相については,図16(a)中にその痕跡らしきものが観察されるが,ほぼ全量がL12相に固溶していると言える。第1熱処理によって,少なくともD024相がL12相に固溶するので,第1熱処理は,溶体化熱処理と呼ぶことができる。
図16(b)によると,L12相からなるマトリックス中にD0a相が析出したことが分かる。さらに,図16(c),(d)によると,D024相とD0a相の両方が,L12相からなるマトリックス中に析出したことが分かる。このように第2熱処理によって,マトリック中に他の構成相が析出するので,第2熱処理は,時効熱処理とも呼ぶことができる。
(2)ビッカース硬さ試験
次に,第2熱処理の時間と,ビッカース硬さとの関係を調べるために,第1熱処理後(第2熱処理なし)のNo.2試料,及び,12時間,24時間,48時間,72時間,96時間の第2熱処理後のNo.2試料について,ビッカース硬さを測定した。
その結果を図17に示す。図17は,第2熱処理後のNo.2試料についての,第2熱処理時間とビッカース硬さとの関係を示すグラフである。
図17によると,第2熱処理なしの試料では,ビッカース硬さがHv360程度であったが,12時間の第2熱処理によって,ビッカース硬さが上昇し,24時間の第2熱処理でさらにビッカース硬さが上昇した。48時間の第2熱処理では,これ以上のビッカース硬さの上昇は見られず,72時間及び96時間の第2熱処理では,ビッカース硬さは,第2熱処理前の値よりも小さくなった。ビッカース硬さの上昇は,時効硬化によるものであると考えられる。ビッカース硬さの下降は,過時効によるNi3Ti相の粗大化によるものと考えられる。
(3)引張試験
次に,均質化熱処理後のNo.2試料,第1熱処理後のNo.2試料及び第2熱処理(1223K−48時間)後のNo.2試料について,引張試験を行った。引張試験は,常温〜1173Kの範囲で,ゲージ部が10×2×1mm3の試験片を用いて,真空中,ひずみ速度1.67×10-4-1の条件で行った。
その結果を図18及び図19に示す。図18は,均質化熱処理後のNo.2試料,第1熱処理後のNo.2試料,第2熱処理(1223K−48時間)後のNo.2試料についての,温度と最大引張強度との関係を示すグラフである。図19は,均質化熱処理後のNo.2試料,第1熱処理後のNo.2試料,第2熱処理(1223K−48時間)後のNo.2試料についての,温度と伸びとの関係を示すグラフである。
図18によると,第1熱処理後の試料は,673K以上の高温域において,均質化熱処理後の試料よりも,引張強度が大きかったことが分かる。また,第2熱処理後の試料は,全温度域において,3つの試料の中で最も高い引張強度を示したことが分かる。
図19によると,第1熱処理後の試料は,室温以外の温度域において,均質化熱処理後の試料よりも,伸びが大きかったことが分かる。また,第2熱処理後の試料は,672K以外の温度では,第1熱処理後の試料よりも伸びが大きかったことが分かる。また,第2熱処理後の試料は,全温度域において,均質化熱処理後の試料よりも,伸びが大きかったことが分かる。
以上の結果より,第1熱処理によって,引張強度及び伸びの両方を高めることができたことが分かる。また,第2熱処理よって,伸びをほとんど低下させずに,引張強度をさらに高めることができたことが分かる。
本発明に係る金属間化合物の種々の具体例から作成された,1323KでのNi3Si−Ni3Ti−Ni3Nb擬三元系状態図を示す。 (a)〜(e)は,それぞれ,本発明に係る金属間化合物の具体例である,(a)No.1試料,(b)No.2試料,(c)No.3試料,(d)No.4試料,(e)No.5試料のSEM像を示す。 本発明に係る金属間化合物の具体例である均質化熱処理後のNo.2試料についての,(a)TEM−明視野画像,(b)制限視野回折パターン(SADP)である。 図3(a)のTEM−明視野画像内のL12相とD024相との界面付近を拡大した高分解能写真である。 本発明に係る金属間化合物の具体例である均質化熱処理後のNo.1〜No.5試料についての,温度と圧縮降伏応力との関係を示すグラフである。 本発明に係る金属間化合物の具体例である均質化熱処理後のNo.1〜No.5試料についての,温度と最大引張強度との関係を示すグラフである。 本発明に係る金属間化合物の具体例である均質化熱処理後のNo.1〜No.5試料についての,温度と伸びとの関係を示すグラフである。 本発明に係る金属間化合物の具体例である均質化熱処理後の,No.2試料〜No.4試料,及びそれぞれの試料にBを添加したNo.2B〜No.4B試料についての,温度と最大引張強度との関係を示すグラフである。 本発明に係る金属間化合物の具体例である均質化熱処理後の,No.2試料〜No.4試料,及びBを含有するNo.2B〜No.4B試料についての,温度と伸びとの関係を示すグラフである。 本発明に係る金属間化合物の具体例である均質化熱処理後のBを含有するNo.2B試料と,汎用Ni合金であるINCONEL600及びINCONELX750についての,温度と最大引張強度との関係を示すグラフである。 本発明に係る金属間化合物の具体例である,均質化熱処理後の,No.2試料と,50重量ppm,100重量ppm及び500重量ppmのBをそれぞれ含有するNo.2試料についての,温度と最大引張強度との関係を示すグラフである。 本発明に係る金属間化合物の具体例である,均質化熱処理後の,No.2試料と,50重量ppm,100重量ppm及び500重量ppmのBをそれぞれ含有するNo.2試料についての,温度と伸びとの関係を示すグラフである。 本発明に係る金属間化合物の具体例である均質化熱処理後のNo.1〜No.5試料についての,1273Kでの大気暴露時間と質量増加との関係を示すグラフである。 本発明に係る金属間化合物の具体例である,均質化熱処理後の,No.2試料〜No.4試料,及びBを含有するNo.2B〜No.4B試料についての,1273Kでの大気暴露時間と質量増加との関係を示すグラフである。 本発明に係る金属間化合物の具体例である,均質化熱処理後の,No.2試料と,50重量ppm,100重量ppm,500重量ppmのBをそれぞれ含有するNo.2試料についての,1273Kでの大気暴露時間と質量増加との関係を示すグラフである。 (a)〜(d)は,それぞれ,本発明に係る金属間化合物の具体例である,(a)第1熱処理後(第2熱処理なし)のNo.2試料,(b)1223K−12時間の第2熱処理後のNo.2試料,(c)1223K−24時間の第2熱処理後のNo.2試料,(d)1223K−48時間の第2熱処理後のNo.2試料についてのSEM像を示す。 本発明に係る金属間化合物の具体例である第2熱処理後のNo.2試料についての,第2熱処理時間とビッカース硬さとの関係を示すグラフである。 本発明に係る金属間化合物の具体例である,均質化熱処理後のNo.2試料,第1熱処理後のNo.2試料,第2熱処理(1223K−48時間)後のNo.2試料についての,温度と最大引張強度との関係を示すグラフである。 本発明に係る金属間化合物の具体例である,均質化熱処理後のNo.2試料,第1熱処理後のNo.2試料,第2熱処理(1223K−48時間)後のNo.2試料についての,温度と伸びとの関係を示すグラフである。

Claims (13)

  1. Si:1〜10.5at%,Ti:5〜16at%,Nb:0〜10at%,B:0〜1000重量ppm,残部は不純物を除きNiからなり,かつL12相とD024相からなる2相共存の複相組織か,L12相,D024相及びD0a相からなる3相共存の複相組織を有するNi3Si-Ni3Ti-Ni3Nb系複相金属間化合物。
  2. Nbの含有量は,0.5〜10at%である請求項1に記載の複相金属間化合物。
  3. Siの含有量は,3.1〜9.2at%であり,Tiの含有量は,5.1〜11.2at%であり,Nbの含有量は,3.1〜9.2at%である請求項1に記載の複相金属間化合物。
  4. Siの含有量は,5.1〜9.2at%であり,Tiの含有量は,5.1〜9.2at%であり,Nbの含有量は,Nb:3.1〜9.2at%である請求項1に記載の複相金属間化合物。
  5. Siの含有量は,7.2〜9.2at%であり,Tiの含有量は,7.2〜9.2at%であり,Nbの含有量は,Nb:3.1〜5.1at%である請求項1に記載の複相金属間化合物。
  6. Bの含有量は,10〜1000重量ppmである請求項1に記載の複相金属間化合物。
  7. 請求項1〜6の何れか1つに記載の複相金属間化合物からなる高温構造材料。
  8. Si:1〜10.5at%,Ti:5〜16at%,Nb:0〜10at%,B:0〜1000重量ppm,残部は不純物を除きNiからなる鋳塊を作製し,
    L12相とD024相からなる2相共存状態又はL12相,D024相及びD0a相からなる3相共存状態となる温度で均質化熱処理を行う工程を備えるNi3Si-Ni3Ti-Ni3Nb系複相金属間化合物の製造方法。
  9. Si:1〜10.5at%,Ti:5〜16at%,Nb:0〜10at%,B:0〜1000重量ppm,残部は不純物を除きNiからなる鋳塊を作製し,
    L12相からなる単相状態又はL12相及びD0a相からなる2相共存状態となる温度で,均質化熱処理を兼ねた第1熱処理を行い,
    L12相とD024相からなる2相共存状態又はL12相,D024相及びD0a相からなる3相共存状態となる温度で第2熱処理を行う工程を備えるNi3Si-Ni3Ti-Ni3Nb系複相金属間化合物の製造方法。
  10. Si:1〜10.5at%,Ti:5〜16at%,Nb:0〜10at%,B:0〜1000重量ppm,残部は不純物を除きNiからなる鋳塊を作製し,
    L12相とD024相からなる2相共存状態又はL12相,D024相及びD0a相からなる3相共存状態となる温度で均質化熱処理を行い,
    L12相からなる単相状態又はL12相及びD0a相からなる2相共存状態となる温度で第1熱処理を行い,
    L12相とD024相からなる2相共存状態又はL12相,D024相及びD0a相からなる3相共存状態となる温度で第2熱処理を行う工程を備えるNi3Si-Ni3Ti-Ni3Nb系複相金属間化合物の製造方法。
  11. 均質化熱処理は,1073K〜1348Kで行う請求項8又は10に記載の方法。
  12. 第1熱処理は,1373〜1523Kで行い,第2熱処理は,1073〜1348Kで行う請求項9又は10に記載の方法。
  13. 第2熱処理の温度は1123〜1323Kであり,第2熱処理の時間は,6〜60時間である請求項9又は10に記載の方法。
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