JP2006299358A - 真空成膜装置及び真空成膜方法 - Google Patents

真空成膜装置及び真空成膜方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 基板を確実に保持すると共に、膜厚分布の不均衡を抑制する。
【解決手段】 真空成膜装置16は、基板18を保持するための静電チャック34と、静電チャック34に基板18を吸着させる吸着室32b、及び吸着室32bに隣接して設けられ基板18に対して成膜する成膜室32aを有する真空チャンバ32と、X軸方向に静電チャック34を水平に移動させると共に、成膜室32aでY軸方向に静電チャック34を水平に移動させるアーム部材36と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板に成膜するための真空成膜装置及び真空成膜方法に関する。
真空チャンバ内において基板に成膜する装置として、イオンプレーティング装置、蒸着装置、スパッタリング装置、及びCVD装置等の種々の装置がある。例えば特許文献1には、これら成膜装置のうちイオンプレーティング装置の一形態が開示されている。
この特許文献1に開示のイオンプレーティング装置は、冷却手段が一体的に設けられた静電チャックを備えており、この静電チャックでワークを確実に保持すると共に効率的な冷却を図っている。
特開2004−218052号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示のイオンプレーティング装置では、基板の保持及び冷却については十分な考慮がなされているが、膜厚分布の不均衡の抑制については十分な考慮がなされていなかった。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、基板を確実に保持すると共に、膜厚分布の不均衡を抑制することを課題とする。
本発明に係る真空成膜装置は、基板を保持するための静電チャックと、静電チャックに基板を吸着させる吸着室、及び吸着室に隣接して設けられ基板に対して成膜する成膜室を有する真空チャンバと、吸着室と成膜室とを結ぶ第1の方向に静電チャックを水平に移動させると共に、成膜室で第1の方向と異なる方向に静電チャックを水平に移動させる移動手段と、を備えることを特徴とする。
この成膜装置によれば、静電チャックにより基板を確実に保持することができる。また、移動手段により静電チャックを第1の方向及びこれと異なる方向に水平に移動させることで、膜厚分布の不均衡を抑制することができる。
本発明に係る真空成膜装置では、移動手段は、真空チャンバの側壁に気密に挿通され第1の方向に延び静電チャックに接続されたアーム部材を有し、アーム部材は、長手方向に移動可能であると共に、長手方向と異なる方向に水平に移動可能であることを特徴としてもよい。このようにすれば、アーム部材を長手方向に移動させることで第1の方向に静電チャックを水平に移動させることができる。また、アーム部材を長手方向と異なる方向に水平に移動させることで、成膜室で第1の方向と異なる方向に静電チャックを水平に移動させることができる。
本発明に係る真空成膜装置では、アーム部材は筒状をなし、静電チャックは、静電チャックの電圧導入部を被覆する被覆室を有し、アーム部材は被覆室に接続されて、被覆室内と真空チャンバ外とがアーム部材を介して連通されていることを特徴としてもよい。このようにすれば、電圧導入部が大気圧下に置かれるため、放電を防ぐための端子の絶縁距離を小さくすることができ、曳いては装置の大型化を防ぐことができる。
本発明に係る真空成膜装置では、静電チャックの電圧導入部と真空チャンバ外とを連通する筒部材を備えることを特徴としてもよい。このとき、筒部材は可撓性を有することを特徴としてもよい。このようにすれば、電圧導入部が大気圧下に置かれるため、放電を防ぐための端子の絶縁距離を小さくすることができ、曳いては装置の大型化を防ぐことができる。また、筒部材が可撓性を有することで、静電チャックの移動に容易に追随することができる。
本発明に係る真空成膜装置では、静電チャックは、基板を冷却するための冷却機構を一体的に有することを特徴としてもよい。このようにすれば、冷却機構により基板の温度上昇を信頼性高く抑制することができる。
本発明に係る真空成膜装置では、真空チャンバは、成膜室を挟んで吸着室とは反対側に隣接して設けられ静電チャックを退避させる退避室を有することを特徴としてもよい。このようにすれば、退避室をも利用して静電チャックを移動させることで、膜厚分布の不均衡をより一層抑制することができる。
本発明に係る真空成膜装置では、吸着室及び退避室は成膜室の上側部に設けられており、静電チャックは吸着面を下向きにして支持されていることを特徴としてもよい。このようにすれば、吸着室、退避室、及び成膜室の間で静電チャックを移動させながら、成膜室の下部から成膜材料を飛散させて、静電チャックに下向きに保持された基板に成膜させることができる。
本発明に係る真空成膜装置では、静電チャックを支持し移動をガイドするガイド機構を備えることを特徴としてもよい。このようにすれば、ガイド機構により静電チャックを所望の方向に確実に移動させることができる。
本発明に係る真空成膜方法は、真空チャンバ内で静電チャックに保持された基板に成膜する方法である。この方法は、真空チャンバ内における成膜材料の堆積分布に基づいて、成膜材料の累積堆積量が基板上の各位置で略均一になるように、水平方向に静電チャックを移動させることを特徴とする。
このように、静電チャックにより基板を確実に保持した状態で、真空チャンバ内における成膜材料の堆積分布に基づいて、成膜材料の累積堆積量が基板上の各位置で略均一になるように、水平方向に静電チャックを移動させることで、膜厚分布の不均衡を抑制することができる。
本発明に係る真空成膜方法では、静電チャックとの間で基板を挟むように金属マスクを配置し、基板と金属マスクとを同時に吸着することを特徴としてもよい。このようにすれば、ジャンセン・ラーベック力を利用して、他の保持手段を用いることなく、静電チャックにより基板と金属マスクとを強固に保持することができる。
本発明によれば、基板を確実に保持すると共に、膜厚分布の不均衡を抑制することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るの真空成膜システムの構成を示す側断面図である。なお、図1には、説明を容易にする為にXYZ直交座標系も示されている。
本実施形態の真空成膜システム10は、ロードロック・アンロードロックチャンバ(LC/ULC)12と、ロボットチャンバ14と、真空成膜装置16とを備える、いわゆるクラスター式の成膜システムである。これらLC/ULC12、ロボットチャンバ14、及び真空成膜装置16はX軸方向に隣接して設けられている。
LC/ULC12は、減圧及び大気開放可能であって、複数のガラス基板18を収容する。ロボットチャンバ14は、LC/ULC12と真空成膜装置16との間でガラス基板18を搬送する搬送ロボット20を有している。搬送ロボット20は、ロボットアーム22によりLC/ULC12から成膜前のガラス基板18をピックアップし、真空成膜装置16の基板ホルダ24上にガラス基板18を載置する。或いは、搬送ロボット20は、ロボットアーム22により真空成膜装置16の基板ホルダ24上に載置された成膜後のガラス基板18をピックアップし、LC/ULC12に搬送する。なお、LC/ULC12とロボットチャンバ14との間、及びロボットチャンバ14と真空成膜装置16との間には、開閉可能なゲートGを含む仕切壁26,28が設けられている。また、LC/ULC12には、更にガラス基板18の搬入搬出を行うための開閉可能なゲートGを含む壁部30が設けられている。
真空成膜装置16は、真空チャンバ32と、静電チャック34と、静電チャック34を移動させるアーム部材36と、基板ホルダ24と、を有している。真空成膜装置16は、いわゆるイオンプレーティング法を用いた成膜装置である。
真空チャンバ32は、ガラス基板18に成膜する成膜室32aと、静電チャック34にガラス基板18を吸着させる吸着室32bと、静電チャック34を退避させる退避室32cとを有している。成膜室32aには、成膜材料を蒸発させる蒸発部35が設けられている。蒸発部35は、図示しない陽極部を含み、成膜室32aの側壁に設けられたプラズマ源38からのプラズマPを吸引する。これにより、図示しないハースに保持されたITOなどの成膜材料が加熱され、蒸発して成膜材料粒子が成膜室32a内に飛散する。成膜室32a内に飛散した成膜材料粒子は、プラズマPによりイオン化され、成膜室32aの上方(Z軸正方向)へ移動し、ガラス基板18に付着する。なお、成膜室32a内にはシャッター40が設けられており、成膜材料粒子の上方への移動を阻止できるようになっている。
吸着室32bは、成膜室32aの上側部にX軸方向に隣接して設けられている。この吸着室32bには、基板ホルダ24が設けられている。基板ホルダ24は、ガラス基板18を載置するための載置台42と、載置台42の下部に設けられた軸部44とを有している。この基板ホルダ24は、軸部44を介して上下方向に移動可能に設けられている。退避室32cは、成膜室32aを挟んで吸着室32bとは反対側にX軸方向に隣接して設けられている。
静電チャック34は、図2に示すように、吸着部46と冷却部(冷却機構)48を有している。吸着部46は、セラミックや樹脂などの誘電体から形成されており、電極50が内蔵されている。
冷却部48は、アルミなどの伝熱性の高い材料から形成されており、内部に冷媒を循環させるための流路52が設けられている。この冷却部48は、吸着部46に一体的に設けられている。冷却部48上には、電圧を印加するための電圧導入部54が設けられている。電圧導入部54と吸着部46の電極50とは、冷却部48を貫く配線を通して接続されている。そして、冷却部48の上部には、電圧導入部54を気密に覆うようにして被覆室56が設けられている。これにより、被覆室56内と真空チャンバ32内とが隔絶されている。
アーム部材36は、筒状の部材であってX軸方向(第1の方向)に延びており、退避室32cの側壁に挿通されている。アーム部材36は、静電チャック34の被覆室56と接続されており、これにより被覆室56内と真空チャンバ32外とがアーム部材36を介して連通されている。なお、このアーム部材36を通して、電圧導入部54への配線58や冷却部48への冷媒の供給ライン60が引き出されている。
アーム部材36が挿通される被覆室32cの側壁の外側には、ベローズ62が設けられて気密にされている。ベローズ62の一端は、被覆室32cの側壁に接続されており、他端は、アーム部材36を支持する筒状のサポート63に接続されている。アーム部材36が挿通されるサポート63の孔には、ガスケット65が設けられて、気密にされている。このサポート63及びベローズ62を通して、アーム部材36がX軸方向に移動可能になっている。
真空チャンバ32のX軸方向に延びる両側壁の内側には、図3に示すように、ガイド溝(ガイド機構)64が設けられている。静電チャック34の側壁には、このガイド溝64に案内される突起66が設けられている。従って、この突起66がガイド溝64に係合しながらX軸方向にスライドすることで、静電チャック34の支持と移動がなされる。
また、サポート63の近傍には、アーム部材36をY軸方向に移動させるための駆動装置68が設けられている。駆動装置68は、フランジ70に支持されている。サポート63は、被覆室32cの側壁の外側に設けられたスライド台67上を、Y軸方向にスライド可能になっている。従って、この駆動装置68によりサポート63を押し引きして、アーム部材36をY軸方向に移動させることで、静電チャック34がY軸方向に移動される。なお、スライド台67は、ベローズ62の長さを固定する機能も有している。
次に、上記した真空成膜システム10を用いた本実施形態に係る真空成膜方法について説明する。
まず、LC/ULC12の壁部30のゲートGを開いて、成膜前の複数のガラス基板18を収容する。そして、壁部30のゲートGを閉じてから、LC/ULC12内を減圧する。一方、成膜室32a内の蒸発部35の図示しないハースにITOなどの成膜材料を装着し、真空チャンバ32内を減圧して真空に保持する。このとき、シャッター40は閉じた状態としておく。続いて、プラズマ源38によりプラズマPを生成し、蒸発部35に向かって照射する。
このようにプラズマPを蒸発部35に向かって照射することで、プラズマPが吸引され、図示しないハースに保持された成膜材料が徐々に加熱される。成膜材料が十分に加熱されると、成膜材料が昇華し、成膜材料粒子となって成膜室32a内に飛散する。成膜室32a内に飛散した成膜材料粒子は、成膜室32a内をZ軸の正方向に上昇する際、プラズマPによって活性化されてイオン化され、ガラス基板18に向けて飛翔する。
成膜材料粒子の昇華が安定したら、ガラス基板18への成膜を開始する。まず、仕切壁26のゲートGを開け、搬送ロボット20のロボットアーム22によりLC/ULC12から成膜前のガラス基板18をピックアップし、仕切壁26のゲートGを閉じてから仕切壁28のゲートGを開け、吸着室32b内の基板ホルダ24上にガラス基板18を載置する。そして、仕切壁28のゲートGを閉じる。
次に、基板ホルダ24を上昇させ、上方に位置する静電チャック34の吸着面にガラス基板18を当接させる。そして、電圧導入部54を介して400V〜7kVの直流電圧を印加し、静電力によりガラス基板18を吸着面に吸着させる。このとき、静電チャック34との間でガラス基板18を挟むように金属マスクMを配置し、ガラス基板18と金属マスクMとを同時に吸着すると好ましい。このようにすれば、ジャンセン・ラーベック力を利用して、他の保持手段を用いることなく、静電チャック34によりガラス基板18と金属マスクMとを強固に保持することができる。
静電チャック34によりガラス基板18を吸着したら、アーム部材22をX軸方向に引いて、成膜室32a内にガラス基板18が位置するように静電チャック34を移動させる。そして、シャッター40を開いてガラス基板18上に成膜する。
ここで、図4に示すように、蒸発部35から蒸発した成膜材料の堆積量にはX軸方向についてバラツキがある(Y軸方向についても同様である)。従って、一つの固定位置でガラス基板18に成膜したのでは、膜圧分布の不均衡が大きくなる。そこで、本実施形態では、成膜室32a内における成膜材料の堆積分布に基づいて、成膜材料の累積堆積量がガラス基板18上の各位置で略均一になるように、アーム部材36を移動させることでXY方向に静電チャック34を移動させる。これにより、膜厚分布の不均衡を抑制することができる。なお、静電チャック34の移動の仕方は、XY方向についての成膜材料の堆積分布に基づいて、数値計算により予め求めることができる。
成膜が終了したら、アーム部材36をX軸方向に押し込み、静電チャック34を吸着室32b内に位置させる。そして、基板ホルダ24を上昇させてガラス基板18に当接させた後、静電チャック34の吸着を停止し、ガラス基板18を載置台42上に載置させてから、基板ホルダ24を下降させる。次に、仕切壁28のゲートGを開け、搬送ロボット20のロボットアーム22により基板ホルダ24上に載置された成膜後のガラス基板18をピックアップする。そして、仕切壁28のゲートGを閉じてから仕切壁26のゲートGを開け、LC/ULC12にガラス基板18を搬送する。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態では、静電チャック34によりガラス基板18を保持しているため、ガラス基板18を確実に保持することができる。また、アーム部材36を移動させることにより、静電チャック34をX軸方向及びY軸方向に水平に移動させることができる。従って、成膜室32a内における成膜材料の堆積分布に基づいて、成膜材料の累積堆積量がガラス基板18上の各位置で略均一になるように、水平方向に静電チャック34を移動させることで、膜厚分布の不均衡を抑制することができる。
また、アーム部材36は筒状をなし、被覆室56内と真空チャンバ32外とがアーム部材36を介して連通されているため、電圧導入部54を大気圧下に置くことができる。従って、放電を防ぐための端子の絶縁距離を小さくすることができ、曳いては装置の大型化を防ぐことができる。また、このアーム部材36を通して配線58や冷媒の供給ライン60を引き出すことができるため、設計が容易になる。
また、静電チャック34は、ガラス基板18を冷却するための冷却部48を一体的に有するため、ガラス基板18の温度上昇を信頼性高く抑制することができる。
また、真空チャンバ32は、成膜室32aを挟んで吸着室32bとは反対側に隣接して設けられ静電チャック34を退避させる退避室32cを有するため、退避室32cをも利用して静電チャック34を移動させることで、膜厚分布の不均衡をより一層抑制することができる。
また、真空チャンバ32内には静電チャック34を支持し移動をガイドするガイド溝64が設けられているため、静電チャック34を所望の方向に確実に移動させることができる。
また、静電チャック34との間でガラス基板18を挟むように金属マスクMを配置し、ガラス基板18と金属マスクMとを同時に吸着することで、ジャンセン・ラーベック力を利用して、他の保持手段を用いることなく、静電チャック34によりガラス基板18と金属マスクMとを強固に保持することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態で説明した要素と同一の要素には同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
上記した第1実施形態では、アーム部材36をXY方向に移動させることで、静電チャック34をXY方向に移動させていた。このとき、Y軸方向への移動量はベローズ62の長さに依存していた。しかしながら、成膜材料の堆積分布は極端に偏る場合も考えられる。すなわち、蒸発源36から離れるに伴って、その位置での堆積量が著しく低下することも考えられる。このような場合は、Y軸方向へも静電チャック34を大きく移動させる必要がある。そこで本実施形態では、X軸方向及びY軸方向の双方とも、直線導入機を用いて静電チャック34を移動させるようにしている。
すなわち、図5に示すように、真空成膜装置16はX軸方向の移動用の直線導入機80と、Y軸方向の移動用の直線導入機82を備えている。ここで、静電チャック34はX軸方向及びY軸方向の双方に移動するものであるため、互いの動きを規制しないように、直線導入機80,82の導入端子80a,82aの先端と静電チャック34との接続は、図6(a)に示すような断面C字状のリニアガイド84を用いて行われている。このリニアガイド84の切り欠き部84aに、図6(b)に示すような周溝80b,82bを有する導入端子80a,82aの先端が係合することにより、リニアガイド84の長手方向への導入端子80a,82aの移動は許容しつつ、これと直交する方向への導入端子80a,82aの移動を規制している。
また、本実施形態では、静電チャック34のX軸方向及びY軸方向の双方の移動を確実に案内するため、X軸方向に渡された一対のX軸レール86と、Y軸方向に渡された一対のY軸レール88とを含むガイド機構が設けられている。Y軸レール88は、X軸レール86に嵌合するコ字状の嵌合部90を介して、X軸レール86にガイドされながらX軸方向に移動可能である。静電チャック34は、Y軸レール88に嵌合する環状の嵌合部92を介して、Y軸方向に移動可能である。従って、静電チャック34は、X軸レール86及びY軸レール88にガイドされながら、XY方向に移動可能である。
また、本実施形態では、図5及び図7に示すように、静電チャック34の電圧導入部54と真空チャンバ32外とを連通する可撓性を有するチューブ(筒部材)94が設けられている。これにより、静電チャック34の移動に容易に追随するようになっている。このチューブ94を通して、電圧導入部54への配線58や冷却部48への冷媒の供給ライン60が引き出されている。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態でも、静電チャック34によりガラス基板18を保持しているため、ガラス基板18を確実に保持することができる。また、直線導入機80,82により、静電チャック34をX軸方向及びY軸方向に水平に移動させることができる。従って、成膜室32a内における成膜材料の堆積分布に大きな偏りがある場合であっても、その堆積分布に基づいて、成膜材料の累積堆積量がガラス基板18上の各位置で略均一になるように、水平方向に静電チャック34を移動させることができる。その結果、膜厚分布の不均衡を抑制することができる。
また、真空チャンバ32内には静電チャック34を支持し移動をガイドするX軸レール86及びY軸レール88が設けられているため、静電チャック34を所望の方向に確実に移動させることができる。
また、チューブ94により電圧導入部54が大気圧下に置かれるため、放電を防ぐための端子の絶縁距離を小さくすることができ、曳いては装置の大型化を防ぐことができる。また、チューブ94が可撓性を有することで、静電チャック34の移動に容易に追随することができる。また、チューブ94を通して配線58や冷媒の供給ライン60を引き出すことができるため、設計が容易になる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、ガラス基板18に対する成膜処理について説明したが、ガラス基板18以外に、樹脂製基板やシリコンウェハなどの基板の成膜処理についても適用可能である。
また、上記実施形態では、プラズマを用いたイオンプレーティングによる成膜処理について説明したが、CVD、スパッタリング、蒸着などによる成膜処理にも適用可能である。
また、上記実施形態では、静電チャック34は吸着面を下向きにしていたが、吸着面を上向きにして移動させる成膜処理にも適用可能である。
第1実施形態に係る真空成膜システムを示す側断面図である。 真空成膜装置の静電チャックを示す側断面図である。 図2に示す真空成膜装置の真空チャンバ内を示す平面図である。 成膜室内の成膜材料の堆積分布を概略的に示すグラフである。 第2実施形態に係る真空成膜システムの真空成膜装置の真空チャンバ内を示す平面図である。 直線導入機の導入端子の先端部と静電チャックとの接続関係を説明するための図である。 図5に示す真空成膜装置の真空チャンバ内を示す側断面図である。
符号の説明
10…真空成膜システム、12…LC/ULC、14…ロボットチャンバ、16…真空成膜装置、18…ガラス基板、32…真空チャンバ、32a…成膜室、32b…吸着室、32c…退避室、34…静電チャック、36…アーム部材、38…プラズマ源、46…吸着部、48…冷却部、54…電圧導入部、56…被覆室、64…ガイド溝、86…X軸レール、88…Y軸レール、94…チューブ、P…プラズマ。

Claims (11)

  1. 基板を保持するための静電チャックと、
    前記静電チャックに前記基板を吸着させる吸着室、及び前記吸着室と隣接して設けられ前記基板に対して成膜する成膜室を有する真空チャンバと、
    前記吸着室と前記成膜室とを結ぶ第1の方向に前記静電チャックを水平に移動させると共に、前記成膜室において前記第1の方向と異なる方向に前記静電チャックを水平に移動させる移動手段と、
    を備えることを特徴とする真空成膜装置。
  2. 前記移動手段は、前記真空チャンバの側壁に気密に挿通され前記第1の方向に延び前記静電チャックに接続されたアーム部材を有し、
    前記アーム部材は、長手方向に移動可能であると共に、長手方向と異なる方向に水平に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の真空成膜装置。
  3. 前記アーム部材は筒状をなし、
    前記静電チャックは、該静電チャックの電圧導入部を被覆する被覆室を有し、
    前記アーム部材は前記被覆室に接続されて、前記被覆室内と前記真空チャンバ外とが前記アーム部材を介して連通されていることを特徴とする請求項2に記載の真空成膜装置。
  4. 前記静電チャックの電圧導入部と前記真空チャンバ外とを連通する筒部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の真空成膜装置。
  5. 前記筒部材は可撓性を有することを特徴とする請求項4に記載の真空成膜装置。
  6. 前記静電チャックは、前記基板を冷却するための冷却機構を一体的に有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の真空成膜装置。
  7. 前記真空チャンバは、前記成膜室を挟んで前記吸着室とは反対側に隣接して設けられ前記静電チャックを退避させる退避室を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の真空成膜装置。
  8. 前記吸着室及び前記退避室は前記成膜室の上側部に設けられており、前記静電チャックは吸着面を下向きにして支持されていることを特徴とする請求項7に記載の真空成膜装置。
  9. 前記静電チャックを支持し移動をガイドするガイド機構を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の真空成膜装置。
  10. 真空チャンバ内で静電チャックに保持された基板に成膜する方法であって、
    前記真空チャンバ内における成膜材料の堆積分布に基づいて、該成膜材料の累積堆積量が前記基板上の各位置で略均一になるように、水平方向に前記静電チャックを移動させることを特徴とする真空成膜方法。
  11. 前記静電チャックとの間で前記基板を挟むように金属マスクを配置し、前記基板と前記金属マスクとを同時に吸着することを特徴とする請求項10に記載の真空成膜方法。
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